JP3661317B2 - 粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 - Google Patents

粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粒体の被覆装置、及び被覆装置の操作方法に関する。更に詳しくは噴流形成のための熱風を吹き出す絞りに接続する通気管に、冷却機能を付与せしめた粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
噴流方式を用いた被覆法は、例えば特公昭38−13896号に記載のように、円筒状の槽で下部を逆円錐形とし、その先端を水平方向に切断して気体噴出用の絞りとなし、該オリフィスより高速な気流体を該槽内に垂直方向に噴出せしめて、槽内の被覆すべき粒体を吹き上げ、同時に被覆液を吹き付ける被覆法である。また、特公昭38−2294号では、粒体を中央噴流部に設けた案内管を通して粒体を吹き上げ、該管内に設けた噴霧ノズルより被覆液を加える方法を開示している。これらの被覆法は何れも医薬品の被覆を対象としたもので、小規模且つ丁寧に被覆する場合には好ましい方法であるが、例えば肥料の様に安価且つ大量の被覆を行う場合には適切な方法とは言い難い。
大量の粒子を被覆するには径の大きな噴流塔を用いる必要があるが、噴流塔の径が大きくなると粒子全体が流動状態となり噴流が形成できなかった。この問題点に対し特公平2−31039号においては、噴流装置内に粒子が通過するガイド管を、オリフィス上方に垂直に設けた被覆装置であって、オリフィスから装置内に不活性気体を送入するに際し、オリフィスにおける気体の流速を20m/secから70m/secとし、ガイド管内の流速を20m/sec以下に調節して被覆を行う方法であれば、噴流塔が大型化しても噴流状態が得られることを開示している。
以上のように噴流方式による被覆方法は様々な改良が加えられ、品質の向上と装置の大型化が達成されてきた。
粒体の表面における被膜の形成は、溶融液の冷却若しくは樹脂などの溶液の乾燥による。乾燥による製膜においては瞬時に溶剤の蒸発を行わせるため、大量の熱量を必要とする。噴流方式を用いた被覆方法は、噴流を形成させるガスの熱量で粒体表面に付着した樹脂溶液を瞬時に乾燥させることが出来るので、非常に熱効率が高く、乾燥による製膜に適した方法と云える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
噴流形成ガス及び被覆液自体は高温であるが、被覆される粒子自体は溶剤の気化熱により或る一定の温度で平衡に達するため高温になることはなく、よって融点が比較的低いポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用いても、被覆中の熱による被膜の損傷は無く、更に、被覆される粒体として比較的融点の低い尿素粒子を用いたとしても、融解及びそれに伴う変形は無いと考えられている。
しかしながら、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う構造の被覆装置においては、被覆肥料を例にとってみると被覆後の被膜に数%から、ものによっては30%程度ものピンホールが認められ、これが被覆肥料の使用時の溶出変動の一因となっていた。また、噴流形成ガスの温度が尿素の融点を超える条件で被覆を行った場合には、一部の粒子に尿素粒子の変形が認められた。この粒子の変形も溶出変動の一因となっていると考えられる。
【0004】
本発明者らは上記従来技術の問題点に鑑み、その原因が何処にあるのか究明に努めたところ、噴流終了直後の該通気管の内壁温度が噴流形成ガス温度とほぼ同じ温度にまで上昇していることを発見した。前述の被膜の損傷は被覆終了後、被覆物を該通気管から抜き出す際に、被覆物の一部が高温の該通気管壁と接触した際に起こっているのではないかと推測した。解決策としては被覆液の噴霧終了後暫くの間冷気を流し該通気管と被覆物の冷却を行えばよいが、バッチのサイクル時間や熱効率などの生産効率の面からは、被覆液を噴霧し終わった直後に噴流塔から抜き出し、間髪おかずに次バッチの仕込みを行うのが理想的である。
本発明者らは上記のような被膜損傷の軽減と生産効率の向上と云った、相矛盾する課題を両立させるべく更に鋭意研究を重ねた。そして遂に、該通気管を冷却する機能を従来の噴流被覆装置に与えたところ、驚くべきことに、生産効率を低下させることなく、被膜の損傷や粒子の変形を著しく減少させ得ることを知見して本発明に到達した。
【0005】
即ち本発明は、槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う被覆装置において、該通気管が冷却機能を備えていることを特徴とする粒体の被覆装置、及び槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆装置を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う被覆装置において、該通気管を冷却した後に被覆物を抜き出すことを特徴とする粒体の被覆方法である。
その目的とするところは、融点が比較的低いポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用い、更に被覆される粒体として比較的融点の低い尿素等の粒子を用いたとしても、生産効率を低下させることなく、抜き出し時の熱による被膜の損傷や融解及びそれに伴う変形の発生が著しく低く、安定した溶出機能を有する被覆粒状物質が製造できる粒体の被覆装置及び粒体の被覆方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下に記載の(1)ないし(2)の構成からなる。
(1)直立筒状の噴流槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆槽を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ前記槽内で噴流流動状態にある粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う如くしてなる被覆装置において、該通気管が冷却機能を備えていることを特徴とする粒体の被覆装置。
【0007】
(2)直立筒状の噴流槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆槽を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ前記槽内で噴流流動状態にある粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う被覆装置において、該通気管を冷却しつつ被覆物を抜き出すことを特徴とする粒体の被覆方法。
【0008】
以下に本発明の詳細を記述する。
本発明で使用する直立筒状槽は中心軸が垂直の槽である。本発明の被覆装置はこの槽の下端部に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りに噴流用気体送入管を接続したものであり、更に該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けたものである。
該槽の形状は特に限定するものではなく、断面の形状が円形であっても多角形のものであっても構わない。また該槽の下端は平面であっても良く、逆錐状であっても良い。しかしながら、該槽の下端が平面の場合には粒子を噴流状態にした場合、下端の一部分で粒子の循環が悪くなることから逆錐状であることが好ましく、更に粒子の循環の均一性の面から云えば、該槽の断面の形状は円形であることが望ましい。また、該槽下端の絞りには別途種々のオリフィス板やベンチュリを挿入できるようにしたものであっても良い。
【0009】
更に、本発明の被覆装置には該絞りの上方に垂直方向にガイド管を設けたものであっても良い。該ガイド管の形状としては、パイプ、パイプに穿孔したもの或いは金網を筒状にしたもの等が挙げられる。本発明においては形状や材質は特に限定するものではないが、被覆時の被膜の損傷を最小限に抑えたい場合には、孔や突起物のない平滑なパイプを用いることが好ましい。この際ガイド管は該絞り上方に垂直方向に固定若しくは懸垂される。
【0010】
噴霧ノズルは該絞りの中心軸となる位置であれば良く、該絞りよりも高い位置であっても、低い位置であっても良い。ノズルの位置、形状は噴霧液体の性状、運転条件等によって適宜決定すればよい。
絞り部風速は噴出気体量と絞り口径で決められるが、ガイド管内の風速も同じ手法で換算することが出来る。ガイド管と絞り部の間隔は粒体の循環を妨げない範囲で選定することが好ましい。ガイド管の口径は絞り口径の1.2から4.0倍、好ましくは1.5から3.0倍とするのがよい。本発明においては絞り部における気体の流速、及びガイド管内における気体の流速は特に限定するものではないが、品質の安定のためには絞りから装置内に不活性気体を送入する際の、絞り部における気体の流速を20m/secから70m/secとし、ガイド管内の流速を20m/sec以下0.1m/sec以上(好ましくは0.2m/sec以上)に調節して被覆を行う方法が推奨される。
【0011】
本発明に用いる気体は粒体及び溶剤の性質に際し化学的に不活性のものであれば良く、特に限定されるものではない。例えば、空気、窒素ガス、炭素ガス等を挙げることができる。
本発明における気体を噴出させるための絞りの形状は特に限定されるものではない。例えば槽の下端を逆錐状とし、槽の最下端の噴流形成ガス道入管との接合部がすぼまった様な、槽底の形成部分の一部を絞りとしても良く、一般に用いられているように、オリフィス板やベンチュリノズル等を用いても構わない。通常噴流塔においては、被覆する粒子の粒径や密度によって噴流化速度が異なり、被覆液の濃度や噴霧量によって風量が変わるため、絞り径の変更が可能なオリフィス板若しくはベンチュリノズルを用いる方が望ましい。
【0012】
本発明において冷却機能を有すべき通気管とは、噴流塔内の粒子を噴流させるための熱風を送る該絞りの下部に設置された通気管であって、被覆操作終了後に被覆物の抜き出しがこの通気管を通して行われるものを指す。
該通気管の形状及び通気管としての機能は特に限定されるものではない。例えば安定した噴流形成のためガスの整流機能を有するもの等は、安定した機能の被覆粒子を得るために好ましい。
【0013】
本発明においては該通気管が冷却されうるものであれば、その構造や方法を特に限定するものではない。しかしながら装置として該絞り部を高い冷却効率を保ちつつ冷却する形状として、具体的には図3に示したように通気管の壁内部を中空にし、冷媒の充填・通過が可能な形状にする、または図4に示したように通気管の周囲に冷媒用ジャケットを設ける、更には図5に示したように通気管の周囲に冷媒を通す管を通気管と接触するように設置する等の方法が考えられるが、本発明における該通気管の冷却の方法はこれらに限定されるものではない。
また、冷却する部位も通気管全体を冷却する必要はなく、被覆粒状物を抜き出す際に被覆粒状物と冷却管内壁とが接触する可能性のある部分のみを冷却する方が経済的である。
該通気管冷却の程度は被膜の樹脂成分の軟化点以下、及び粒子の軟化点以下となる温度であれば十分であり特に限定するものではない。
【0014】
また、一連の被覆操作における該通気管冷却のタイミングも特に限定するものではない。被覆操作中終始冷却した場合には、被膜の損傷軽減の面から見れば良いが、該通気管の冷却はそこを通過する熱風の温度を低下させ、被覆液の溶剤の蒸発効率を低下させることにもなるので熱効率の面からは好ましくない。冷却のタイミングは通気管の設定温度、冷却効率、熱風温度によって決定されるもので一義的に限定できるものではない。好ましくは出来るだけ短時間に設定温度にまで冷却できるよう冷却効率の高い冷媒を用い、一連の被覆操作の出来るだけ後半に、若しくは被覆操作終了直後から冷却を行うことが好ましい。
【0015】
一般に本発明の係る噴流流動被覆液噴霧法による粒体の被覆方法において噴流形成ガス及び被覆液自体は高温であるが、被覆される粒子は溶剤が気化する際の気化熱により、或る一定の温度で平衡に達するため粒子自体が高温になることはなく、よって融点が比較的低いポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用いても、被覆中の熱による被膜の損傷は無く、更に、被覆される粒体として比較的融点の低い尿素粒子を用いたとしても、融解及びそれに伴う変形は無いと考えられていた。
現実に、ポリエチレンを被覆材の主成分とした被覆粒状尿素の製造においては、被覆を受けた直後や固定相の粒子の温度はポリエチレンの軟化点以下の温度で平衡に達している。
これに対して絞り部に接続している通気管においては、溶剤の気化などによる冷却作用が皆無であり、装置の冷却作用と云えば装置表面から大気への放熱のみであり、通気管内面の温度は噴流形成ガス温度とほぼ同じ温度にまで上昇している。
このような状況から、本発明者らはあくまでも推測の域を出ないものの、被膜の損傷や粒子の変形は、被覆物を通気管を通して抜き出す際に、被覆物と高温の通気管内壁が接触することによって起こっていると考えている。
従って本発明は噴流形成ガスの温度が、被膜に用いる熱可塑性樹脂の軟化点、融点を大きく上回る条件で被覆を行う場合に特に有効である。
【0016】
本発明においては被覆液として熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を用いる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン及びその共重合体とポリ塩化ビニリデン及びその共重合体が挙げられる。好ましいポリオレフィン及びその共重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・一酸化炭素共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・アクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ゴム系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート等が挙げられ、好ましいポリ塩化ビニリデン及びその共重合体としては、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体等が挙げられる。
更に、ポリ−2−ハイドロキシ−2−アルキル酢酸、ポリ−3−ハイドロキシ−3−アルキルプロピオン酸等に代表されるの生分解性ポリエステルも挙げることが出来る。
【0017】
これらの被覆材は有機溶剤に溶解させた状態で、噴流状態にある粒子に噴霧し被覆を行う。本発明は上記樹脂の貧溶媒液を用い、瞬間乾燥によって被膜を形成する製膜法において特に有効である。上記樹脂の貧溶媒を用いて瞬間乾燥する場合には、樹脂と有機溶剤との組み合わせにおいて、熱時には良く溶け、冷時には樹脂が析出してゼリー状となる性質を有するものがよく、この方法による被膜は非常に緻密な被膜を形成し特に好ましい。
このような貧溶媒の具体例としては被覆材としての熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、ポリオレフィン及びその共重合体に対してはトルエン、キシレン等であり、ポリ塩化ビニリデン及びその共重合体に対してはアセトン、塩化メチレン等である。
上記以外の被覆材としてはタルクに代表される無機フィラーや、界面活性剤等を用いることもできる。これら被覆材は溶剤に溶解・分散され、噴霧用ノズルに送られ被覆に共される。
【0018】
本発明の被覆装置において被覆されうる粒子は特に限定されるものではないが、本発明の被覆装置による被覆は、粒子を形成し若しくは粒子に含まれる活性成分若しくは有効成分が溶出速度を調節する必要性のあるものに対して特に有効である。
活性成分とは具体的には、尿素、硫安、塩安、硝安、塩化加里、硫酸加里、硝酸加里、硝酸ソーダ、燐酸アンモニア、燐酸加里、燐酸石灰、キレート鉄、酸化鉄、塩化鉄、ホウ酸、ホウ砂、硫酸マンガン、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、OMUP(クロチリデンジウレア)、IBDU(イソブチリデンジウレア)やオキザマイド等の肥料、殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の農薬等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
粒子は活性成分の1種以上からなる粒状物であっても良く、更には活性成分の1種以上とベントナイト、ゼオライト、タルク、クレー、ケイソウ土等の不活性担体からなる粒状物であっても良い。更には前述の活性成分粒子を樹脂や無機物で予め被覆したものであっても構わない。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、融点が比較的低いポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を被覆材に用い、更に被覆される粒体として比較的融点の低い尿素等の粒子を用いたとしても、生産効率を低下させることなく、抜き出し時の熱による被膜の損傷や融解及びそれに伴う変形の発生が著しく低く、安定した溶出機能の被覆粒状物を得ることができる。特に噴流形成ガスの温度が、被膜に用いる熱可塑性樹脂の軟化点、融点を大きく上回る条件で被覆を行う場合に有効である。
【0020】
【実施例】
以下実施例をもって本発明の構成と効果を説明するが、本発明は以下に記載の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1,2
1.被覆装置
本発明の比較例であり、実施例の基本構造たる被覆装置を図1に示した。図1において1は噴流塔、2は被覆される粒体の投入口、3は粒体投入口バルブ、4は噴流空気噴出用の絞り、5は噴霧ノズル、6は被覆粒体の抜き出し口、7は噴流及び乾燥に用いた空気の排出管、8は空気加熱器、9は流量計、10はブロアー、11は被覆液調整槽、12は蒸気加熱用ジャケット、13は被覆液供給ポンプ、14はガイド管である。塔径は450mm、ガイド管径は120mmである。
図2は図1の被覆装置における冷却が必要な通気管の部位を例示した。本実施例においては波線で囲った部分19の冷却を行った。図3から5は該通気管の冷却装置の例示である。図3は通気管15の壁内部を中空にし、冷媒の充填・通過空間16を設けた構造である。図4は通気管15の周囲を冷媒用ジャケット17で包んだ構造にしたものである。図5は通気管15の周囲に冷媒を通す管18を通気管15と接触させつつ、螺旋状に設置した構造にしたものである。これらはあくまでも例示であり、本発明はこれらの装置に限定されるものではない。
本発明の実施例においては、図4に示した冷却構造の通気管を用いて試作を行った。
【0021】
2.本発明の実施例及び比較例サンプルの試作
被覆操作はブロアー10より所定の風量と温度に保持した空気を噴流塔に送りながら所定量の粒体を投入する。次いで塔内の粒体が所定の温度に達したら、被覆液供給ポンプより樹脂溶液(被覆液)を所定の速度で所定時間送り、所定の被覆率とした後、直ちにブロアー10を止めて被覆粒体抜き出口6より被覆粒体を抜き出す。但し、実施例においては被覆終了3分前から該通気管の冷却を始め、被覆終了時には該通気管の内壁の温度を70℃まで低下させ、被覆終了直後に被覆物を抜き出した。抜き出しの最中も該通気管内壁の温度を70℃に維持した。−被覆液組成−
ポリエチレン(低密度ポリエチレン、d=0.918、MI=22) 6重量部
エチレン・酢酸ビニル共重合体(VAc=15wt%、MI=7.0) 3重量部
タルク(平均粒径10μm) 11重量部
トルエン 400重量部
【0022】
本製造例では下記の基本条件を維持しつつ所定の被覆率が10wt%に達するまで被覆を行なった。
一流体ノズル:開口0.8mmフルコン型
熱風量:450Nm3 /h
熱風温度:100±2℃若しくは130±2℃、各試験区においてどの熱風温度で被覆したかは表1に記載した。
樹脂溶液温度:100±2℃
肥料:尿素(粒状)
肥料投入量:40kg
供試溶剤:トルエン
噴流部の粒子温度:70±3℃
*被覆液はポンプ5より送られてノズルに至るが、80℃以下に温度が低下しないように配管を二重管にして蒸気を流しておく。
【0023】
3.被膜損傷確認試験
試作した本発明の被覆肥料サンプルそれぞれ10gを200ml水中に浸漬して25℃に静置する。所定期間後肥料と水に分け、水中に溶出した尿素を定量分析により求める。肥料には新水を200ml入れて再び25℃に静置、所定期間後同様な分析を行なう。この様な操作を反復して水中に溶出した尿素の溶出累計と日数の関係をグラフ化して溶出速度曲線を作成し、80%溶出率に至る日数を知ることが出来る。表1に溶出試験の結果を示す。
表の初期溶出量とは溶出開始後24時間経過後の溶出率である。この24時間に溶出した量(初期溶出量)により、被膜の損傷具合を判断した。
【0024】
【表1】
Figure 0003661317
【0025】
表1の結果からも明らかなように、本発明の実施例においては溶出開始24時間経過後の溶出量は僅かであり、被膜の損傷が軽微であったことが分かる。これに対し比較例においては24時間溶出が6〜8%もあり、被膜の溶出制御機能が明らかに損なわれている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒体の被覆装置の基本構造の説明図である。
【図2】本発明の冷却が必要な通気管の部位説明図。
【図3】本発明の通気管の管壁内の断面構造説明図。
【図4】本発明の通気管の外壁外の断面構造説明図。
【図5】本発明の冷媒通液管の断面構造説明図。
【符号の説明】
1 噴流塔
2 粒体の投入口
3 粒体投入口バルブ
4 噴流空気噴出用絞り
5 噴霧ノズル
6 被覆粒体抜き出し口
7 空気の排出管
8 空気加熱器
9 流量形
10 ブロアー
11 被覆液調整槽
12 蒸気加熱用ジャケット
13 被覆液供給ポンプ
14 ガイド管
15 通気管
16 冷媒の充填通過空間
17 冷媒用ジャケット
18 冷媒通液管
19 冷却部分

Claims (2)

  1. 直立筒状の噴流槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆槽を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ前記槽内で噴流流動状態にある粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う如くしてなる被覆装置において、該通気管が冷却機能を備えていることを特徴とする粒体の被覆装置。
  2. 直立筒状の噴流槽の最下部に槽内に気体を噴出させるための絞りを設け、該絞りの中心付近に噴霧ノズルを設けた噴流被覆槽を用い、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を該ノズルから噴霧させつつ前記槽内で噴流流動状態にある粒体に被膜を形成させる被覆装置であって、被覆操作終了後被覆物の抜き出しを該絞り下部の通気管から行う被覆装置において、該通気管を冷却しつつ被覆物を抜き出すことを特徴とする粒体の被覆方法。
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