JPH11319654A - 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 - Google Patents

粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法

Info

Publication number
JPH11319654A
JPH11319654A JP15395698A JP15395698A JPH11319654A JP H11319654 A JPH11319654 A JP H11319654A JP 15395698 A JP15395698 A JP 15395698A JP 15395698 A JP15395698 A JP 15395698A JP H11319654 A JPH11319654 A JP H11319654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
disk
granules
gas
tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15395698A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Sato
忠夫 佐藤
Susumu Tamura
進 田村
Shigeo Fujii
重雄 藤井
武彦 ▲高▼橋
Takehiko Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP15395698A priority Critical patent/JPH11319654A/ja
Publication of JPH11319654A publication Critical patent/JPH11319654A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Spray Control Apparatus (AREA)
  • Glanulating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴流ガス、及び粒体の脈動を防止し、均一
で、安定した噴流状態を保持し、従って均一に粒体表面
に被膜を被覆でき、更に絞り部に粒体が融着する事を防
止し、工業的に大量処理することのできる、粒体の被覆
装置用絞り円盤、同絞り円盤を具備した粒体の被覆装
置、及び粒体の被覆方法を提供する。 【解決手段】 円盤の中心部に被覆液噴霧ノズル26挿
入用かつ気体の流通用主孔56を穿設すると共に、前記
主孔56の外縁部に円盤の中心部から外側に向かう方向
に所定数のスリット58を穿設してなる絞り円盤52
を、噴流塔の絞り部に用いる。噴流塔は、噴流塔の下部
の絞り部から塔内に気体を噴出させて塔内に粒体の噴流
層を形成すると共に、被覆液を噴霧し、前記粒体を被膜
で被覆する粒体の被覆装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒体の被覆装置用絞
り円盤、同絞り円盤を備えた粒体の被覆装置、及び同装
置を用いる粒体の被覆方法に関する。更に詳述すれば、
槽内で粒体の噴流層を形成すると共に、これに被覆液を
噴霧して粒体を被膜で被覆する装置用の絞り円盤、同被
覆装置、及び同装置を用いる粒体の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】噴流方式を用いた粒体の被覆方法は、例
えば特公昭38ー13896号に記載されているよう
に、円筒状の槽の下部を逆円錐形とし、その下端側を水
平方向に切断して気体噴流用の絞り部となし、該絞り部
を通して高速気体流を該槽内に垂直上方向に噴流せしめ
て槽内の被覆すべき粒体を吹き上げ、同時に被覆液を吹
き付けて粒体に被膜を被覆する方法である。特公昭38
ー2294号は、粒体を噴流塔内の中央噴流部に設けた
案内管を通して粒体を吹き上げ、該管内に設けた噴霧ノ
ズルから被覆液を噴霧する方法を開示している。更に特
公昭50ー1355号には、噴流部に案内管を設け、そ
の周辺部にも気体を通すことにより、粒体を流動状態、
或いはそれに近い無重力の状態に置き、粒体同士の付着
等のトラブルを回避している。
【0003】これらの被覆方法は、何れも医薬品を被覆
対象にしたもので、小規模、且つ丁重に被覆する場合に
は好ましい方法である。しかし、例えば肥料等を被覆対
象とする場合のように、安価に、大量に被覆する必要が
ある場合には、この方法は適切な方法とは言い難い。大
量の粒体を被覆する場合は、大きな径の噴流塔を用いる
必要があるが、噴流塔の径が大きくなると粒体全体が流
動状態となり、噴流層が形成できない問題がある。
【0004】この問題点に対し、特公平2ー31939
号は、噴流槽が大型化しても噴流状態が得られる技術を
開示している。即ち、肥料の様に、大量に生産し、供給
する必要があるものを被覆するために、大きな径の噴流
塔を用いた噴流装置内のオリフィス上部にガイド管を垂
直に設けた被覆装置を用い、オリフィスから装置内に不
活性気体を導入する際に、オリフィスにおける気体の流
速を20m/sec〜70m/secとし、ガイド管内
の流速を20m/sec以下に調節して被覆を行なうも
のである。
【0005】一方、近頃は、特開平6ー9303号、特
開平6ー9304号、特開平6ー72805号、特開平
6ー80514号、特開平5ー29634号、特開平4
ー202078号、特開平4ー202079号、特開平
6ー87684号に開示されているような、施肥後一定
期間は活性成分が溶出されないか、若しくは溶出が極端
に抑制された期間(この期間を以後初期溶出期間と称
す)を有する、いわゆる時限溶出型のパターンを有する
被膜を肥料粒体の表面に被覆した被覆粒体肥料が開示さ
れている。
【0006】このような時限溶出型の溶出パターンを持
つ被膜を肥料粒体の表面に被覆した被覆粒体肥料を、前
記特公平2ー31939号に記載されている様に、噴流
塔を用いて安価、大量に製造する場合、粒体への被覆樹
脂溶液の付着のさせ方、及び付着した樹脂溶液からの溶
剤の飛散、乾燥の状態が、生産効率及び得られる被覆粒
体肥料の活性成分の溶出パターンに大きく影響を及ぼし
ていると考えられる。
【0007】大型噴流塔を用いて被覆粒体肥料を大量に
製造する場合、経済的に生産効率を上げるためには、乾
燥時間を短縮することが重要と考えられる。乾燥時間を
短縮するために、樹脂溶液の供給量を高め、更に粒体表
面に付着した樹脂溶液に含まれる溶剤を大量かつ高温の
噴流ガスを用いて飛散、乾燥させることがしばしば試み
られている。
【0008】しかし、噴流塔を用いて、例えば尿素粒体
の様な比較的低融点の粒体を被覆する場合は、噴流ガス
温度を尿素粒体の融点以下に保たなければならず、この
ため高温の噴流ガスを用いて生産効率を高めることはで
きない。即ち、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以上に
して被覆を行うと、噴流塔内で不均一な溶剤の飛散や乾
燥が起こり、このためガイド管外側に存在する尿素粒体
からなる環状の尿素粒体堆積層(固定層)の一部が融解
固結したり、また塔下部の逆円錐型先端の気体噴流用絞
りへの尿素粒体の融解固結等が起こり、このため粒体の
均一な循環が出来なくなることがあり、実質的な操業が
出来なくなることがある。
【0009】また、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以
下に保ちながら噴流ガスの量を高めた場合は、噴流塔下
部よりガイド管に送られる粒体の量が変動し、いわゆる
脈動現象を起こすので運転が不安定となる。この場合
は、尿素粒体の被覆被膜の損傷を生じ易く、得られる被
覆肥料は初期溶出抑制期間内の活性成分の溶出量が大き
なものになる。即ち、得られる被覆肥料は、施肥直後か
ら急激に活性成分が溶出し始めるものが多くなる。従っ
て、従来の噴流方式により所望の溶出機能を有する時限
溶出型被覆肥料を大量に、生産効率良く製造することは
極めて困難なものである。
【0010】更に、従来の絞りは、図3に示すような円
盤80の中央部に穿設した噴出孔82を有する絞り盤若
しくはオリフィスと呼ばれる、いわゆるドーナツ型の気
体噴出体84を塔下部の逆円錐型先端に設けて構成して
いた。このような気体噴出体84上面には、塔内を降下
してくる被覆粒体が堆積し、融解固結する問題もあっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の従
来技術の問題に鑑み、その原因が何処にあるかの究明に
努めた。その結果、噴流方式において、噴流ガスの温度
を尿素粒体の融点以上にして尿素粒体の表面に被膜を被
覆する場合、尿素粒体を被覆する樹脂溶液の噴霧が均一
でも、噴流ガス及び尿素粒体の脈動が起こり、溶剤の気
化熱による噴流ガスの温度の低下が部分的に起きない個
所が生じ、このため高温の噴流ガスによる尿素粒体の融
解、固結を生じることを発見した。
【0012】更に、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以
下に保っていても、噴流ガスの噴出量を増加すると噴流
ガスに偏流が生じること、このためガイド管に送られる
粒体の量が変動する、いわゆる脈動現象が起こり、被覆
された尿素粒体が噴流塔上部の壁に衝突して被覆粒体の
被膜が損傷することを発見した。
【0013】また更に、絞り部に粒体が融着すること
が、上記問題が起きる原因の一つであることも発見し
た。
【0014】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、噴流ガス、及び粒体の脈
動を防止し、均一で、安定した噴流状態を保持し、従っ
て均一に粒体表面に被膜を被覆でき、更に絞り部に粒体
が融着する事を防止し、工業的に大量処理することので
きる、粒体の被覆装置用絞り円盤、同絞り円盤を具備し
た粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、〔1〕 円盤の中心部に被覆液噴霧ノズル
挿入用かつ気体の流通用主孔を穿設すると共に、前記主
孔の外縁部に中心から外側に向かう所定数のスリットを
形成してなる絞り円盤であって、噴流塔の下部から噴流
塔内に気体を噴出させて前記噴流塔内に粒体の噴流層を
形成すると共に、前記噴流層を形成する粒体に被覆液を
噴霧して前記粒体を被膜で被覆する粒体の被覆装置の噴
流塔の下部に取り付けて気体を噴流塔内に噴出させるこ
とを特徴とする粒体の被覆装置用絞り円盤を提案するも
のである。
【0016】また、本発明は〔2〕 上記〔1〕に記載
の絞り円盤を具備することを特徴とする粒体の被覆装置
であり、〔3〕 〔2〕の被覆装置は、噴流塔内にその
軸方向を垂直に取り付けたガイド管を有する場合を含
む。
【0017】更に本発明は、〔4〕 噴流塔の下部に、
円盤の中心部に被覆液噴霧ノズル挿入用かつ気体の流通
用主孔を穿設すると共に、前記主孔の外縁部に中心から
外側に向かう所定数のスリットを形成してなる絞り円盤
を噴流塔の下部に設け、前記絞り円盤の主孔に噴霧ノズ
ルを挿入し、前記噴霧ノズルの上方に垂直にガイド管を
設けてなる粒体の被覆装置を用い、前記絞り円盤を通し
て噴流塔内に気体を噴出させて前記噴流塔内に粒体の噴
流層を形成すると共に、前記噴流層を形成する粒体に噴
霧ノズルから被覆液を噴霧して前記粒体を被膜で被覆す
ることを特徴とする粒体の被覆方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の粒体の被覆装置の構成の
一例を示すもので、図1中、2は垂直に設けた噴流塔で
ある。前記噴流塔2は、主要部を円筒状の槽主体4で構
成している。
【0020】前記槽主体4の形状には、特に制限が無
く、水平方向断面の形状が円形であっても、多角形のも
のであってもよい。しかし、粒体の槽主体4内における
循環の均一性の面から云えば、前記槽主体4の断面の形
状は円形であることが望ましい。
【0021】前記槽主体4の内部には、円筒状のガイド
管6を不図示の固定手段で取り付けてある。
【0022】前記ガイド管6の形状としては、円筒状の
他、パイプに穿孔したもの、或いは金網を筒状にしたも
の等が挙げられる。ガイド管6の形状や材質は特に限定
するものではないが、被覆時の被膜の損傷を最小限に抑
えたい場合には、孔や突起物の無い平滑なパイプ、或は
パイプの内面にフッ素樹脂をライニングしたものを用い
ることが好ましい。ガイド管6は前記絞り部10の上方
であって槽主体4内に、ガイド管6の軸方向を垂直にし
て固定若しくは懸垂する。
【0023】槽主体4の下部側は下方に向かうに従って
徐々に内径を小さく形成した逆錘状の底部8を有すると
共に、底部8の下端側を貫通して槽主体4よりも小径の
絞り部10を形成してある。絞り部10には別途種々の
オリフィス板やベンチュリを挿入できるように構成して
もよい。
【0024】前記絞り部10には、抜き出し管12の一
端が連結してあり、またその他端側は開閉弁14を介し
て被覆粒体抜き出し口16になっている。前記抜き出し
管12には気体供給管18の一端が連結してあり、この
気体供給管18はその中間に気体加熱器20を介して他
端をブロアー22に連結している。これにより、ブロア
ー22から供給される気体は気体加熱器20で加熱され
た後、絞り部10を通って槽主体4内に噴出される。な
お、24は気体供給管に介装した流量計である。
【0025】本発明に用いる気体は粒体及び溶剤に対し
て不活性のものであれば良く、特に限定されるものでは
ない。具体的には、空気、窒素ガス、ヘリウムガス、ま
たは噴流塔出口ガスより被覆液中の有機溶剤を一部除去
したリサイクルガス等が例示できる。
【0026】前記絞り部10の中心近傍には、噴霧ノズ
ル26が配設してある。噴霧ノズル26は前記絞り部1
0の中心軸方向に沿って絞り部10の近傍にあれば良
く、前記絞り部10よりも高い位置であっても、低い位
置であっても良い。噴霧ノズル10の位置、形状は噴霧
液体の性状、運転条件等によって適宜決定する。
【0027】前記噴霧ノズル26には、被覆液供給ポン
プ28を介装した被覆液供給管30の一端が連結してあ
ると共に、被覆液供給管30の他端は被覆液調製槽32
に連結してある。被覆液調製槽32で調製された被覆液
は、被覆液供給ポンプ28によって、被覆液供給管30
を通って噴霧ノズル26に送られ、その後槽主体4内に
噴霧される。なお、34は蒸気加熱用ジャケットであ
る。
【0028】36は前記槽主体4に形成した粒体投入口
で、この投入口を通して粒体が槽主体4内に供給され、
噴流層37を形成し、粒体表面に被膜が被覆される。な
お、38は粒体投入口バルブ、39は粒体である。
【0029】また、40は槽主体4の上部壁42に取り
付けた排出管で、これを通して槽主体4内の気体が外部
に放出される。
【0030】なお、44は噴流部周縁部46を落下した
粒体が堆積して形成した粒体堆積層である。
【0031】図2は絞り円盤52を示すもので、前記図
1における絞り部10に取り付けるものである。絞り円
盤52は、円盤主体54の中心に穿設した主孔56と、
前記主孔56の外縁部に形成した所定数(図2において
は12個)のスリット58を持つ。スリット58は絞り
円盤52の中心から外方向に向かうに従って幅狭に形成
した細長い略三角形状のものである。前記主孔56と、
スリット58とは一体に形成してあり、このため一筆書
きの歯車のような形状になっている。
【0032】スリットの数は特に制限がないが、一般に
3〜20個とすることが好ましく、特に5〜15個が好
ましい。スリット数が3個未満の場合は、円盤上面に粒
子の堆積固結が生じ易く、また20個を超える場合はス
リット数の増加に比例して粒子の堆積固結防止効果が向
上せず、むしろスリットの詰りが生じ易くなる。
【0033】スリットの形状は任意に形成でき、例えば
長方形、逆三角形、楕円形等各種の形状を採用できる。
【0034】また、絞り円盤52の開口率は、開孔する
前の円盤の面積を基準として、10〜70%とすること
が好ましく、より好ましくは20〜60%である。開口
率が10%未満の場合は円盤上面に粒子が固結し易く、
また開口率が70%を超える場合は円盤52の間隙60
(後述)における気体の流速を充分高めることができな
くなる。
【0035】この絞り円盤52を絞り部10に取り付け
るに際しては、前記噴霧ノズル26が主孔56の中心を
通るように、絞り円盤52を水平に絞り部10に取り付
けるものである。
【0036】絞り部10に絞り円盤52をこのように取
り付けることにより、ブロアー22から供給される気体
は、円盤主体54と被覆液供給管30又は噴霧ノズル2
6との間隙60、及び前記所定数のスリット58を通っ
て槽主体4内に噴出するものである。
【0037】絞り部10における気体流速は、噴出気体
量と絞り口径とによって決まる。また、ガイド管6内の
気体流速も同じ手法で計算することが出来る。ガイド管
6と絞り部10との間隔は粒体の循環を妨げない範囲で
選定することが好ましい。ガイド管6の口径は、絞り部
の主孔とスリットとの合計面積に相当する口径の1.2
から4倍が好ましく、1.5から3倍がより好ましい。
本発明においては絞り部10における気体の流速、及び
ガイド管内における気体の流速は特に限定するものでは
ないが、品質の安定のためには絞り部10から装置内に
不活性気体を送入する際の、絞り円盤52の間隙60に
おける気体の流速を20〜70m/secとし、ガイド
管6内の気体の流速を循環粒体の終端速度の0.5〜3
倍に調節して被覆を行う方法が推奨される。
【0038】本発明の被覆装置において、被覆される粒
体には特に制限がないが、本発明の被覆装置による被覆
は、粒体に含まれる活性成分の溶出速度を調節する必要
性のある粒体の場合に、特に有効である。活性成分はそ
の使用目的、用途等により異なるが、尿素、硫安、塩
安、硝安、塩化加里、硫酸加里、硝酸加里、硝酸ソー
ダ、燐酸アンモニア、燐酸加里、燐酸石灰、キレート
鉄、酸化鉄、塩化鉄、ホウ酸、ホウ砂、硫酸マンガン、
塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリ
ウム、モリブデン酸アンモニウム、OMUP(クロチリ
デンジウレア)、IBDU(イソブチリデンジウレア)
やオキザマイド等の肥料、殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の
農薬等が例示できる。
【0039】粒体は1種以上の活性成分の粒状物であっ
ても良く、更には活性成分の1種以上とベントナイト、
ゼオライト、タルク、クレー、ケイソウ土等の不活性担
体とからなる粒状物であっても良い。更には、前述の活
性成分粒体を樹脂や無機物で被覆したものであってもよ
い。
【0040】これらの粒体の粒径は、特に制限はない
が、0.1〜10mm、特に1〜5mmのものが好まし
い。
【0041】本発明の被覆装置において、粒体の被覆に
用いる被覆材は特に限定されるものではないが、時限溶
出型の被覆粒体を製造する場合は、粒体に含まれる活性
成分の溶出を厳密に制御できる材料、組成のものを選択
すればよい。このような被覆材としては、硫黄に代表さ
れる無機被覆材や、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィンやポリ塩化ビニリデン等の
熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0042】これらのうち、肥料や農薬のように厳密、
且つ長期に亘る溶出制御が求められる活性成分を含む粒
体を被覆する場合は、被覆材として熱硬化性樹脂や熱可
塑性樹脂を用いることが好ましく、より高度な溶出制御
が必要であれば、熱可塑性樹脂を用いることが特に好ま
しい。
【0043】好ましい熱可塑性樹脂としては、ポリオレ
フィン及びその共重合体と、ポリ塩化ビニリデン及びそ
の共重合体とを挙げることができる。好ましいポリオレ
フィン及びその共重合体としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・一酸化炭素共重合
体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチ
レン・アクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸
共重合体、ゴム系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタ
アクリレート等を挙げることができ、好ましいポリ塩化
ビニリデン及びその共重合体としては、ポリ塩化ビニリ
デン、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体等を挙げる
ことができる。更に、ポリ−2−ハイドロキシ−2−ア
ルキル酢酸、ポリ−3−ハイドロキシ−3−アルキルプ
ロピオン酸等に代表される生分解性ポリエステルも挙げ
ることができる。
【0044】これらの被覆材は有機溶剤に溶解させ、噴
流塔内において噴流状態にある粒体に噴霧して被覆を行
っても良く、また溶融状態で噴霧しても良いが、本発明
においては、上記樹脂の貧溶媒溶液を用い、これを粒体
に噴霧すると共に瞬間乾燥することによって被膜を形成
する製膜法において特に有効である。上記樹脂の貧溶媒
を用いて瞬間乾燥する場合には、樹脂と有機溶剤との組
み合わせにおいて、熱時には高濃度で溶解し、冷時には
樹脂が析出してゼリー状となる性質を有する組み合わせ
が好ましい。この組み合わせによる被膜は非常に緻密な
被膜を形成するので、特に時限溶出型の被膜形成に適し
ている。
【0045】上記以外の被覆材としては、タルクに代表
される無機フィラーや、界面活性剤等を用いることもで
きる。これらの被覆材は溶剤に溶解・分散、若しくは溶
融・分散され、噴霧用ノズルに送られ被覆に共される。
【0046】なお、上記説明においては、槽主体4内に
ガイド管6を設けた噴流塔を有する粒体の被覆装置につ
いて説明したが、これに限られない。本発明は、ガイド
管を有していない噴流塔を有する粒体の被覆装置を含む
ものである。この場合も、上記説明は同様に適用され
る。
【0047】更に、本発明粒体の被覆装置は、これをそ
のまま造粒装置として用いることもできるものである。
【0048】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0049】1.被覆装置 実施例、及び比較例で用いた被覆装置を図1に、また用
いた絞り円盤を図2(実施例)、図3(比較例)に示
す。
【0050】被覆装置の噴流塔2の内径は600mm、
高さは5000mmであった。また、ガイド管6は、直
径150mm、長さ880mmのものであった。実施例
に用いた絞り円盤52は、直径a=154mm、主孔5
6の直径b=63mm、スリット58の長さc=30m
m、スリットの頂角d=30度、スリット数12個(開
口率32%)であった。また、比較例に用いた絞り円盤
80は、直径x=154mm、噴出口82の内径y=9
5mm、開口率38%のものであった。
【0051】2.被覆方法 ブロアー22を用いて、所定の風量と温度に保持した空
気を噴流塔2に送りながら、所定量の粒体を粒体投入口
36から投入した。次いで塔内の粒体が70℃に達した
ら、被覆液供給ポンプ28を作動させて被覆液調製槽3
2内の被覆液を所定の速度で噴霧ノズル26に所定時間
送って被覆液を噴霧し、所定の被覆率とした後、ブロア
ー22を止めて被覆粒体抜き出し口16より被覆粒体を
抜き出した。
【0052】表1は尿素粒体を被覆した際の、被覆装置
の操作条件、及び結果を示すものである。なお、被覆率
は12重量%である。
【0053】比較例1〜3においては、「溶出率24時
間後」(初期溶出率(%))の値はガス温度、空気流量
の増加と共に著しく増加した。また、「噴流状態」につ
いては脈動が生じ、更に、「塔内の融解・固結の有無」
については、融解・固結があった。
【0054】これに対し、実施例1〜3においては、ガ
ス温度、空気流量に関係なく「溶出率24時間後」の値
は低いものであった。しかも、「噴流状態」については
脈動が認められず、更に「塔内の融解・固結の有無」に
ついても、融解・固結は皆無であった。
【0055】被覆液は下記表2に示す組成よりなる10
0℃の溶液、被覆粒体は表3に示す尿素である。
【0056】
【表1】 W:噴流塔への尿素粒子の投入量 Q:噴流用空気の流量 T:絞り部入口のガス温度 u0:絞り円盤の主孔及びスリットにおける空気流速 溶出率24時間後:25℃、24時間経過後の水中(被覆粒体10g、水200 ml)溶出率
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明の被覆装置用絞り円盤は、上記の
様に主孔及びスリットを形成してあるので、絞り円盤上
に粒体が堆積して融解固結する事を防止する。このた
め、装置の運転が安定し、被覆粒体を大量、かつ安定に
製造することができる。従って、この装置を用いて時限
溶出型の被覆粒体を製造する場合は、得られる被覆粒体
は溶出が安定しており、特に被膜組成によって決定され
る初期溶出抑制期間が安定した被覆粒体を、一度に、大
量に製造できる。また、本発明の被覆装置は槽主体内に
ガイド管を設けることもでき、この場合には更に安定し
た時限溶出型の被覆粒体を簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒体の被覆装置の構成の一例を示す概
略説明図である。
【図2】本発明の粒体の被覆装置用絞り円盤の一例を示
す拡大平面図である。
【図3】従来の粒体の被覆装置用絞り円盤の一例を示す
平面図である。
【符号の説明】
2 噴流塔 4 槽主体 6 ガイド管 8 底部 10 絞り部 20 気体加熱器 22 ブロアー 26 噴霧ノズル 32 被覆液調製槽 52 絞り円盤 54 円盤主体 56 主孔 58 スリット 60 間隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤の中心部に被覆液噴霧ノズル挿入用
    かつ気体の流通用主孔を穿設すると共に、前記主孔の外
    縁部に中心から外側に向かう所定数のスリットを形成し
    てなる絞り円盤であって、噴流塔の下部から噴流塔内に
    気体を噴出させて前記噴流塔内に粒体の噴流層を形成す
    ると共に、前記噴流層を形成する粒体に被覆液を噴霧し
    て前記粒体を被膜で被覆する粒体の被覆装置の噴流塔の
    下部に取り付けて気体を噴流塔内に噴出させることを特
    徴とする粒体の被覆装置用絞り円盤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の絞り円盤を具備するこ
    とを特徴とする粒体の被覆装置。
  3. 【請求項3】 噴流塔内にその軸方向を垂直に取り付け
    たガイド管を有する請求項2に記載の粒体の被覆装置。
  4. 【請求項4】 円盤の中心部に被覆液噴霧ノズル挿入用
    かつ気体の流通用主孔を穿設すると共に、前記主孔の外
    縁部に中心から外側に向かう所定数のスリットを形成し
    てなる絞り円盤を噴流塔の下部に設け、前記絞り円盤の
    主孔に噴霧ノズルを挿入し、前記噴霧ノズルの上方に垂
    直にガイド管を設けてなる粒体の被覆装置を用い、前記
    絞り円盤を通して噴流塔内に気体を噴出させて前記噴流
    塔内に粒体の噴流層を形成すると共に、前記噴流層を形
    成する粒体に噴霧ノズルから被覆液を噴霧して前記粒体
    を被膜で被覆することを特徴とする粒体の被覆方法。
JP15395698A 1998-05-19 1998-05-19 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 Pending JPH11319654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15395698A JPH11319654A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15395698A JPH11319654A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11319654A true JPH11319654A (ja) 1999-11-24

Family

ID=15573755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15395698A Pending JPH11319654A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11319654A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5395449A (en) Apparatus and process for coating particles
US7182282B2 (en) Fluid bed granulation apparatus
JP5065271B2 (ja) 尿素ペレットを製造するための方法
US7955566B2 (en) Fluid bed granulator
FI72056B (fi) Foerfarande foer framstaellning av granuler uppbyggda av en karna och ett hoelje
JPH06506394A (ja) スプレーノズル用シールディングを有する流動床
US5435945A (en) Method and apparatus for generating sulphur seed particles for sulphur granule production
US2774660A (en) Granulation of fertilizers
AU2002338492A1 (en) Fluid bed granulation apparatus
JP3921813B2 (ja) 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法
JPH11319654A (ja) 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法
JP3653988B2 (ja) 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法
JPS6366253B2 (ja)
JP3633148B2 (ja) 粒体の被覆方法
JP2003001091A (ja) 流動層造粒・コーティング方法
JP3661317B2 (ja) 粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法
JP2790399B2 (ja) 向流式造粒設備
JP3456355B2 (ja) 粒体被覆装置、及び粒体被覆方法
JPH10216499A (ja) 改良された造粒方法及び造粒器
JP3458630B2 (ja) 粒体被覆装置、及び粒体の被覆方法
WO2001036107A1 (fr) Dispositif de revetement de particules, papillon pour tour de pulverisation et procede de revetement de particules
JPH11319693A (ja) 芯材粒子の被覆方法
JPH0231039B2 (ja)
CN211329290U (zh) 一种造粒系统
JPH10113550A (ja) 粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Effective date: 20040921

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050208