JP5065271B2 - 尿素ペレットを製造するための方法 - Google Patents

尿素ペレットを製造するための方法

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Description

本発明は請求項1の上位概念部記載の特徴を有する、尿素ペレットを製造するための方法もしくは手法に関する。
エンジン産業、特に車両産業には、たとえば自動車におけるディーゼルエンジンの排ガスから窒素酸化物(NO)を除去する(「脱窒」)という問題がある。このことは環境保護に役立ち、このようにしてしかユーロ規制5およびユーロ規制6に対する公的条件をクリアすることはできない。SCRテクノロジ(選択触媒還元、Selective Catalytic Reduction=selektive katalytische Reduktion)によるこの種の排ガスの脱硝のためにアンモニアが必要である。瓶内のアンモニアを車両と共に連行することは余り有効ではなく、安全技術的な理由から可能でない。簡単に取扱い可能なアンモニア担持体が求められ、尿素の形で発見された。尿素はディーゼルエンジンの排ガスから窒素酸化物を触媒除去するために必要なアンモニアを搬送する。ディーゼル排ガスの脱硝のためにこの尿素を投入することができるように、尿素は高い出力のために濃縮した形で、つまり固体造粒体として存在しなければならない。このことは同様に使用可能な水性の溶液と比べても、凝固の回避のためにタンクを加熱する必要はないという利点を有している。尿素からアンモニアを解放するための適切な装置への尿素造粒体の精確な調量が必要であるため、尿素造粒体への高い質的な要求が必要である。特に粒子サイズ、密度および強度が規定の値を保持していなければならない。
尿素造粒体は公知の形式では肥料産業において使用される。製造のために、プリルタワー、流動層設備、ドラム乾燥器等は先行技術である。
DE2908136A1から、尿素粒子を流動層において製造するための方法が公知である。この方法では、製造しようとする尿素粒子のための核として働く、固体の粉末状の尿素が流動層に提供される。この核は流動層では、尿素核粒子に混加しようとする材料を含む液体が噴霧される。液体は尿素核粒子に付着し、こうしてもたらされた材料粒子は、流動層において乾燥され硬化する。
この方法における欠点は、尿素粒子の凝集が避けられず、噴霧により製造したい製品の均一な構造を達成することはできず、その結果、種々異なった不統一な品質と組成とがもたらされるということである。
DE19724142A1から、溶融懸濁液の使用下で造粒された混合肥料の製造が公知である。溶融懸濁液は、溶融された尿素と、微細粒状の無機塩との混合物から成っている。この混合物は溶融点を上回る温度において、完成物の分粒排出部を備えた自体公知の流動層装置に流動層底部を介して供給され、圧力ノズルを介して下方から流動媒体の流れ方向で流動層に噴出される。流動層の形成および保持、および供給された溶解懸濁液の結晶化熱の吸収のために供給される流動空気の温度は、溶融物の溶融温度の下方に位置しているので、溶融懸濁液の規定の凝固および造粒は95〜105℃の温度の流動層内で行われ顆粒が形成される。この顆粒においては材料の95%が1,6〜5mmの粒度を有していて、前記顆粒のビウレット含有量は0,8M−%より小さい。ビウレットは尿素の分解製品であり、この分解製品はとりわけ加熱時にアンモニア分離下でもたらされる。
DE3117892A1から、造粒体を製造する噴流層装置が公知である。この噴流層装置では液体を噴流層造粒器の固体流に供給する。噴流層装置は円形の横断面を有している。この横断面の下側の部分は円錐状に縮径されて構成されている。噴流層造粒器の中央の円錐状の部分にはガス通路が通じている。このガス通路には液体を噴出するためのノズルが配置されている。ガス通路により噴流層を保持する適切なガスが供給される。中央に供給されたガスはノズルを介して供給された液体と、噴流層造粒器内にある材料の一部分を引きさらう。この場合、多かれ少なかれ1つの規定された噴流通路がもたらされ、この噴流通路内で材料粒子が液体と接触することができる。噴霧された材料は円錐状の底部を介して再び噴流通路に供給されるので、噴霧された材料は粒子循環を行う。適切な造粒体サイズに達した後に粒子は噴流層造粒器から搬出される。
この種の噴流層造粒器ではガスの供給が行われ噴流層が形成され、液体が噴流層造粒器の下側の部分の共通の個所に供給される。逆戻りする粒子は鉛直に流れる流動化手段(空気)によって減速され、引きさらわれ、上方に変向される。特に比較的大きな粒子量においては脈動が起こることがあり、噴霧ノズル周辺の種々異なる粒子濃度に繋がり得る。これにより粒子濡れは定まらない場合がある。円環の形をしたガス流入口の比較的大きな自由な面は、空気束を形成する傾向にあり、ひいては均一な流れに繋がらない。安定したプロセス条件を得るために前記噴流層造粒器は比較的高い空気速度において運転されなければならない。これにより流動化条件は最適なプロセス条件に応じて自由に調節可能ではない。こうして獲得されたノズル付近での過度なガス速度は噴霧乾燥もしくは噴霧結晶化による塵発生に繋がり、発生した塵は噴射過程中に別の粒子表面に堆積し、表面品質と製品の均一性(新円度)とを落とす。この理由から取り扱おうとする全材料粒子を液体で均一に濡らすことは実現し難いか、もしくは実現することはできない。幾つかの材料粒子は過多な液体で噴霧され、別の材料粒子は過少な液体で噴霧されるので、同じ粒度と同じ材料構造とを有する最終製品を獲得することはできない。さらにこの噴流層造粒器は、僅かな材料通過による造粒にしか適していない。比較的多い通過の場合には、噴流通路の形成および保持に関して問題が起こる。
さらなるDE3117892、DEOS10252734、DE69310629、EP026918およびEP1136465といった明細書には部分的に尿素ペレットを製造するための方法も含まれている。しかし尿素ペレットは、自動車産業にとって必要な尿素ペレットに対して高い要求をし、特に極めて狭い粒度領域、高い球形度、平坦な表面および定義された僅かな残留湿分を獲得するには適していない。
尿素造粒体を製造する全ての公知な方法は、製造された質量体製品である尿素造粒体が、ディーゼルエンジンの排ガス脱硝の要求に不十分にしか適応しないか、または全く適応していないという共通の欠点を有している。造粒体は十分に円形ではなく、広幅な粒度領域を有し、平坦な表面は有していない。
他方においてドイツ連邦共和国特許出願公開第10322062号明細書から、噴流層装置の固体流に液体を提供するための方法並びに設備が公知である。この構成では、噴流層装置の反応室の軸線方向で位置する円形に類似した固体流内に、固体流の形成時に必要な供給空気が下側の領域内および反応室の軸線方向の方向に位置するギャップを介して供給される。液体は1つ以上の個所に設けられた単項ノズルおよび/または多項ノズルによってこの固体流内に供給される。これにより噴射領域における流れ条件を調節することができ、その結果、液体は有利に調節可能に固体流に提供することができる。この場合にもたらされる最終製品は、同じ材料特性を有するほぼ同じ粒度を特徴とする。純粋な液体、溶液、溶融物等を1つ以上の単項ノズルおよび/または多項ノズルにより固体流内に噴霧することによって、種々異なる最終製品が製造される恐れがある。
本発明の課題は、尿素ペレットを製造するための方法を改良して、尿素ペレットの特性が、エンジン産業、特に車両産業の、ディーゼルエンジンの排ガス脱硝物として使用するための要求を、既に公知の方法の上記限界および弱点を克服して満たすことである。
本発明によればこの課題は、有利には一項以上の従属請求項との組合せにおいて、請求項1の特徴である特徴部により驚異的に良好に解決される。
周辺温度と尿素の溶融温度を上回る温度との間の温度を有する尿素含有液体を、噴流層装置の円形に類似したガス材料流の噴射ゾーンの高い粒子密度の領域へと材料の粒子表面に噴霧し、純粋な尿素の溶融温度を最高で少し下回る温度、特に最高で130℃の温度のガス流内で、制御可能な熱・物質移動時に同時に分離しながら乾燥して造粒することにより、狭い粒度領域と、75%より高い球形度(Spherizitaet)(Wadellによれば実際の表面に対する同容量の球体の表面の比率として定義されていて、以下、%で表す)と、0,5%以上の定義された残留湿分と、特に、粒度分布の平均値を基準として±10パーセント以下の粒度分布、有利には±8パーセント以下の粒度分布、またはさらに有利には平均値を基準として最大で±4パーセントよりも低い粒度分布とを備えた最終材料が形成されるので、製造された尿素ペレットの凝集は避けられる。定義された残留湿分は、特に経験的または理論的に予め規定することができ、こうして再現可能に保つことができる。
本発明による方法の別の利点は、当該方法により尿素造粒体サイズが、たとえば1〜5mmの要求された所定の粒度範囲で調節することができる、という点にある。製造された尿素ペレットはダストフリーで易流動性あり、平坦な表面と僅かな粗さとを備えた円形のジオメトリを有している。生成物の造粒体サイズは、有利には直径の変化形に対して10%以下の許容誤差を有している。噴流層装置内で形成された、当該方法により調節可能な粒度と密度と強度とを備えた前記尿素ペレットは、排ガス脱硝物としてディーゼルエンジンにおいて使用するために車両産業の要求に対応している。
本発明によるプロセスのさらに別の利点として、根底にある噴流層装置の極めて簡潔な構造を挙げることができる。噴流層装置は高い運転安全性と阻害耐性とを極めて良好な浄化可能性に結び付け、さらに大きな量の製造も可能にする。
さらに有利には、尿素ペレットは通常、特に車両内でアンモニアを製造するための使用に際して適した、つまり尿素からのアンモニアの解放の条件下で、排ガスの脱硝時に有利には残留物を形成しない(たとえば分解および/または気化する)、たとえばワックス、ポリオレフィン、脂肪酸のアンモニウム塩等の無機質または特に有機質の分離剤でコンディショニング、特にコーティングされる。このことは尿素ペレットの形成と同じ装置内で、下流側の(=当該噴流層装置の端部に対してさらに設けられた)当該噴流層装置の区分で、または有利には(特にコーティングの事例では)付加的な1つ以上の装置(たとえば流動層装置、噴流層装置、ドラムコーティング器等)において行うことができる。
さらに有利な構成は従属請求項に記載されている。従属請求項およびそこで使用されている概念は、明細書の中で有利な構成の作用と共に説明されている。本発明は特にディーゼルエンジンからの排ガスの脱窒のための尿素ペレットを製造するための、有利には前記方法による(有利には上記および以下で定義されているように構成された)噴流層装置の使用にも関する。
本発明に係る尿素ペレットを製造するための方法は、狭い粒度範囲と、75%より高い球形度と、0,5%以下の定義された残留湿分とを備えた尿素ペレットを製造する方法において、周辺温度と尿素の溶融温度を上回る温度との間の温度を有する尿素含有液体を、噴流層装置の円形に類似したガス材料流の噴射ゾーンの高い粒子密度の領域へと材料の粒子表面に噴霧し、前記尿素含有液体を最高で純粋な尿素の溶融温度を下回る温度のガス流内で、制御されていないかまたは制御された熱および/または物質移動下で同時に分離しながら乾燥し、造粒することを特徴とする。
本発明に係る方法は、有利には、尿素含有液体を噴霧し、最高で130℃の温度のガス流において乾燥する。
本発明に係る方法は、有利には、尿素含有液体として、尿素溶液、尿素懸濁液、尿素溶融物または尿素溶融溶液を使用する。
本発明に係る方法は、有利には、噴流層装置に、−20℃から250℃の間の温度を有するプロセスガスを供給する。
本発明に係る方法は、有利には、円形に類似したガス材料流における材料温度を、40℃から120℃に保持する。
本発明に係る方法は、有利には、材料特性に影響を与える噴射ゾーンに、有機質または無機質の分離剤として1つ以上の添加剤を液状の形で供給する。
本発明に係る方法は、有利には、少なくとも1つの脱塵設備によって、固体充填された排気から分離された固体を、円形に類似したガス材料流に供給する。
本発明に係る方法は、有利には、尿素含有液体と添加剤とを、上方に噴霧する1つ以上の噴霧ノズルおよび/または任意の方向で噴霧する1つ以上の噴霧ノズルを介して円形に類似したガス材料流に噴射する。
本発明に係る方法は、有利には、円形に類似したガス材料流を、1つ以上のギャップ開口および/または好ましくはプロセススペースに設けられている1つ以上のガイドプレートのサイズおよび構成の変更により制御可能に調節する。
本発明に係る方法は、有利には、円形に類似したガス材料流に、1つ以上の搬入システムを介して固体材料粒子を供給する。
本発明に係る方法は、有利には、円形に類似したガス材料流のリターンゾーンにおいて、1つ以上の粉砕装置によって、造粒体形成プロセスのための核として微細材料を製造する。
本発明に係る方法は、有利には、噴流層装置の1つ以上の側壁を、1つ以上の熱伝達装置により冷却可能かまたは加熱可能である。
本発明に係る方法は、有利には、獲得された尿素ペレットに、当該噴流層装置自体の下流側の区分の内側における少なくとも1つの別のステップにおいて、または好ましくは付加的な装置において、無機的なまたは好ましくは有機的な少なくとも1つの分離剤を提供する。
本発明に係る方法は、有利には、獲得された尿素ペレットが、平均粒径の±10%以下の極めて狭い粒度範囲を有しており、好ましくは±8%以下の粒度範囲、殊に±4%以下の粒度範囲を有している。
本発明に係る方法は、有利には、材料特性に影響を与えるために、有機質の分離剤である1つ以上の添加剤を液状の形で供給する。
本発明に係る方法は、有利には、円形に類似したガス材料流を、1つ以上の不動に調節されたまたは調整可能なギャップ開口、および/または1つ以上の不動に調節されたまたは調整可能なガイドプレートにより制御可能に調節し、調整可能にすることができる1つ以上の変向部分を、それぞれギャップ状の(複数の)開口の領域において、当該噴流層装置の内部にある前記開口の中央の領域に設け、流入領域において噴流層装置の長手方向平面に対してほぼ垂直に、噴流層装置の長手方向平面の方向から、少なくとも1つのギャップ開口、好ましくはほぼ平行な2つのギャップ開口を通って、流出領域、つまりプロセススペースへの合流領域において、前記変向部分が、長手方向平面に対してほぼ平行に上方にプロセスガスを曲げて案内する。
本発明に係る方法は、有利には、プロセススペースが、上方から見ると、少なくとも1つのほぼ方形の横断面を有している。
本発明に係る方法は、有利には、円形に類似したガス材料流を、ローラに類似した形状を有しており、1つ以上、好ましくは2つのこの種のローラに類似した材料流を噴流層装置内に設ける。
以下に、本発明を実施例につき詳しく説明する。本実施例は本発明を図解して、制限することなく詳細に説明している。付属の図面(図1)には、本発明による方法を実行するための設備が概略的に示されていて、有利には前記設備は、紙面の前方および後方に突出して、図示の横断面、つまり上方から見てほぼ方形の横断面と同じ形状と、縦長の形状とを有するように提供することができる。このことは、特にギャップ状のギャップ開口と相俟って、粒子ローラを形成しながら生成物搬送部へと良好に配向された運動をもった、装置全体内における特に均一な粒子運動に繋がる。比較的均一な粒子運動および間隔の狭い滞留時間配分によって、先行技術における造粒体の成長よりも均一な造粒体の成長が噴射により可能である。
尿素ペレットを製造するために、周辺温度と尿素の溶融温度を上回る温度との間の温度を有する尿素含有液体を、噴流層装置の円形に類似した(有利にはローラに類似した、つまり有利には1つ以上のギャップ開口(1)に対してほぼ平行に位置する長手方向軸線を中心にして発生する環円形状ではない)ガス材料流れ15の噴射ゾーン22の高い粒子密度の領域に材料の粒子表面へと噴霧し、純粋な尿素の溶融温度を下回るまでの温度、有利には最高で130℃の温度のガス流において、制御可能な、有利には制御された熱・物質移動時に同時に分離しながら乾燥し造粒する。この場合、1つ以上の噴霧ノズル7および/または噴霧ノズル6を介して噴流層装置のプロセススペース8に供給された尿素含有液体は、有利には尿素溶液、尿素懸濁液、尿素溶融物または尿素溶融溶液であり、水といった溶剤をほんの僅かに付加することにより形成された、純粋な尿素と比べて低下された溶融点を有する混合物である。この場合、僅かな溶剤含量は最終生成物には保たれてはおらず、これにより比較的ゆっくりとした乾燥のおかげで特に均一な造流体を形成することができる。
尿素含有液体を造粒するために、必要なプロセスガス10の量が、ここではほぼ方形の横断面9と仕切り側壁5とをもった、少なくとも1つの(しかし単に1つでも有利である)供給空気室17を介して供給される。供給されたプロセスガス10は−20℃〜250℃までの範囲の温度を有している。供給空気室17においてプロセスガス10は分配され、1つ以上(特に2つ)の(有利には縦長の、水平に対してほぼ平行に延在している)ギャップ開口1を介して、1つ以上(有利には2つ)のガス噴流2の形でプロセススペース8に進入する。少なくとも1つのギャップ開口1に有利には水平に進入するプロセスガス流は、1つ以上(有利には2つ)の変向部分3により変向される。これらの変向部分3は調整可能にすることができ、有利にはほぼ次のように成形されている。つまり流入領域において噴流層装置の長手方向平面に対してほぼ垂直に、つまり噴流層装置の長手方向平面への方向から、少なくとも1つのギャップ状の開口1を通して、流出領域(プロセススペース8への合流領域)において長手方向平面に対して平行に上方に、有利にはプロセススペース8内へと上方に、前記変向部分3はプロセスガスを曲げて案内する。プロセスガス流はそれぞれ一種の自由噴流として前記噴流層装置内に流入する。この配置形式により、特に、粒子がリターンゾーン24の側壁によって減速され側方でガス流に進入することにより(先行技術とは異なる)戻り流が発生する場合、均一な粒子流が調節可能である。さらに、装置横断面を自由選択的に拡張ゾーン14において拡大することができる。その結果、プロセスガス流の速度は上方に向かって連続的に減じられる。ガスは排ガス11として拡張ゾーン14の上方で排気部分19を介して前記噴流層装置を離れる。排気部分19に、たとえば1つ以上のフィルタカートリッジおよび/または繊維フィルタエレメント等の少なくとも1つの脱塵装置25を自由選択的に組み込むことができる。
プロセススペース8には、プロセスガス噴流により上方へと引きさらわれる尿素粒子(「材料」)の量がある。プロセススペース8の上側の領域およびプロセススペース8の上方に位置する拡張ゾーン14ではガス速度は減速するので、上方に流れる粒子はガス噴流23から側方で進出し、プロセススペース8に戻る。プロセススペース8は、下方の領域において1つまたは有利には複数の(ここでは2つ)の傾斜した側壁29によって仕切られる。この側方傾斜に起因して、粒子は重力の作用を受けリターンゾーン24を介して1つ以上のガス流入ギャップ1の方向に搬送される。そこで粒子は続いて再びプロセスガスによってプロセススペース8内に引きさらわれる。有利には、差圧は有利なスリット状のガス流入ギャップ1により、プロセス要求に相応に先行技術とは異なって調節することができ、従って、ガス流入の均一性と、場合によっては存在するデッドゾーンの縮小を達成することができる。有利には流れ横断面は、先行技術よりも小さく調節することができるので、流動条件をより精確に調節することができる。
この機構により1つ以上(有利には2つ)の円形に類似した(有利にはほぼローラに類似した、つまりローラ状またはほぼローラ状の)ガス材料流15での極めて均一な固体循環が形成される。この場合、円形に類似した各ガス材料流15は、上方流およびプロセスガス流入口の方向への環流から成っている。これによりプロセススペース8において粒子の量が極めて僅かであっても、各変向部分3の上側のコアゾーンでは高い粒子密度が存在する。この領域では1つ以上の噴霧ノズル7が配置される。これらの噴霧ノズル7はプロセスガス噴流に対して同方向に向けられて上方に噴霧し、固体含有の液体の供給のために働く。円形に類似したガス材料流15の材料温度は、有利な可能な構成では40〜120℃である。
コアゾーンの高い粒子装填により、噴射ゾーン22では熱・物質移動のための極めて有利な条件がもたらされる。さらに液体は十分に粒子に付着し、ひいては粒子が粒子表面において均一に濡らされることが達成される。噴射領域とリターンゾーン24との間で高い固体循環時と同時に均一に濡らすことにより、極めて均一な液膜が材料粒子に形成されるようになる。凝固プロセスにより液体は固まり、固体は粒子表面に留まる。これにより造流体は極めて均一におよび均質に成長する。これにより極めて狭い粒度分布と均質の粒子構造とがもたらされる。
プロセススペース8に供給されたプロセスガス10は、粒子の一部分と微粉体および粉塵とを固体充填排気20としてプロセススペース8から搬出することができる。この粒子の分離のために、排気部分19に脱塵装置25として自由選択的に組み込まれた少なくとも1つのフィルタシステム、または噴流層装置に後続された別様の1つまたは複数の脱塵装置25を使用することができる。組み込まれた脱塵装置25の事例では、たとえば圧縮空気パルス18を使用することができる。これによって引き留められた粒子は分離された固体21としてプロセススペース8に戻される。
組み込まれたフィルタ設備を有する流動層装置とは異なり粉塵戻し案内は、上方に配向されたプロセス流が実質的に局地的に制限されていて、ひいては戻り案内粒子はガス噴流の外側で確実に下降することができる。ガス流入ギャップ1の近くの吸引作用により、この機構は付加的に促進される。択一的には排気から分離された粒子は、プロセススペース8へと戻ることができる。このために傾斜した側壁29の下側の領域において、種々異なる形式の1つ以上の供給部26が配置されていてよい。1つ以上のガス流入ギャップ1近辺のプロセスガス噴流の高い速度に起因して、繊細な粒子が吸い上げられ、噴射ゾーン22に供給される。そこで粒子は液体で濡らされ成長プロセスに関与する。
自由選択的(有利には1つ以上のギャップ開口1に対してほぼ平行)に取り付けられた1つ以上(有利には2つ)のガイドプレート16は、有利な構成ではガス噴流をサポートすることができ、吸引効果を強化し噴射ゾーン22内への固体の供給を改良する。噴射ゾーン22では極めて高い流速、ひいては噴流層において発生するよりも高い分離力が発生するので、場合によって起こる凝集効果は最小にされる。これにより粒子は分離され、極めて球状の造粒体に成長する。
さらにプロセススペース8のプロセスガスの流れプロフィルは、自由選択的に組み込まれたフィルタ設備からプロセススペースに戻された繊細粒子が、噴射ゾーン22に戻らないようにしている。これにより繊細粒子の接着、およびこれ続く凝集形成プロセスは阻止される。
連続的なプロセスガイドのために、当該噴流層装置に自由選択的に固体のための1つ以上の種々異なる搬入システム13を備え付けることができる。たとえばこれにより、たとえば非常に大きな造粒体の粉砕により得ることができる、または/および非常に小さな造粒体から成っている粒子をプロセスに供給することができる。それからこれらの粒子は造粒核として働くかまたは運転開始時間の短縮のための開始充填物として働く。さらにここでは添加剤は造粒体に埋め込みたい1つ以上の添加剤(上述の分離剤)を、固体の形でプロセスに投入することができる。
さらに噴流層装置には、粒子をプロセススペース8から取り去ることができるように1つ以上の搬出機構4を備え付けることができる。このことはたとえば少なくとも1つのオーバーフロー、および/またはたとえばロータリベーンフィーダといった少なくとも1つの容量式の搬出機構、またはたとえば篩分けガスで負荷されるジグザグシフタまたは上昇管シフタといった重力シフタにより行うことができる。
自由選択的には1つ以上の粉砕装置27がプロセススペース8に取り付けることができるが、有利にはリターンゾーン24の領域において傾斜した1つ以上の側壁29に取り付けることができる。その結果、粉砕により造粒体形成プロセスのための核である繊細粒子が十分に製造される。さらに1つ以上のリターンゾーン24は、それぞれ1つ以上のヒータおよび/または別の熱伝達装置28の自由選択的な位置決めのために使用することができる。たとえば当該噴流層装置壁は、たとえば壁の加熱または冷却のための液状またはガス状の伝熱体の利用下で使用するために二重壁に構成することができる。従って、たとえば生成物体積は避けるために最適な表面温度を調節することができる。
プロセススペース8またはこのプロセススペース8の上方に位置する装置部分、つまり拡張ゾーン14および排気部分19には、自由選択的には1つ以上の、有利には下方に向かって噴霧することができ、また部分的に上方に噴霧することもできる噴霧ノズル6を配置することができる。ここでは、たとえば噴流層装置で噴霧乾燥/噴霧凝固により造粒体核を、特に初期段階で形成するためにノズル7による噴射の他またはノズル7による噴射の代わりに、液状の配合物を噴出することができる。これによって、択一的には噴霧装置6および/または噴霧装置7の一部分を介して、有機質または無機質のコーティング剤(特に分離剤)の形をした添加剤または液状の形をした別の成分を噴出することができ、ひいては造粒体構造内に(少なくとも十分に)均質に埋め込むことができる。噴霧ノズル7が温度負荷された供給空気室17を通過している場合には、自由付加的に液体案内部に、隔離部または1つ以上の種々異なる冷却・加熱システム12を備え付けることができる。これによって液状の配合物の損傷が阻止される。
使用例1:水性の尿素溶液の造粒
空気分配底部を備えておらず0,2mの横断面を有する小技術的な噴流層装置では、水性尿素溶液が60kg/hで噴出され、噴霧造粒により尿素ペレットに移行する。供給空気温度は120℃である。
これによりもたらされる尿素ペレットは、以下の特性、つまり:
±0,1mmの許容誤差を有する2,5mmの直径、
球形度92%、
平坦な表面、
残留湿分0,1%、
という特性を有している。
使用例2:尿素溶融物の造粒
空気分配底部を備えておらず0,2mの横断面を有する小技術的な噴流層装置では、尿素溶融液が50kg/hで噴出され、噴霧造粒(噴霧結晶化)により尿素ペレットに移行する。供給空気温度は90℃である。
これによりもたらされる尿素ペレットは、以下の特性、つまり:
±0,2mmの許容誤差を有する2,5mmの直径、
球形度90%、
平坦な表面、
という特性を有している。
使用例3:尿素溶融溶液の造粒
空気分配底部を備えておらず0,2mの横断面を有する小技術的な噴流層装置では、尿素溶融溶液が60kg/hで噴出され、噴霧造粒(噴霧結晶化)により尿素ペレットに移行する。液体は溶融点を超えて加熱され、水含有率は10%である。供給空気温度は90℃である。
これによりもたらされる尿素ペレットは、以下の特性、つまり:
±0,1mmの許容誤差を有する2,5mmの直径、
球形度90%、
平坦な表面、
残留湿分0,1%、
という特性を有している。
使用例4:尿素ペレットのコーティング
使用例3により製造された尿素ペレットは、空気分配底部を備えておらず0,2mの横断面を有する小技術的な噴流層装置では、30kg/hの一定の量で有機質の分離剤でコーティングされる。結果的に未処理の尿素ペレットの凝集傾向を回避することができる。
本発明による方法を実施するための装置を示した図である。

Claims (22)

  1. 75%より高い球形度と、0.5%以下の定義された残留湿分とを備えた尿素ペレットを製造するための方法であって、周辺温度と尿素の溶融温度を上回る温度との間の温度を有する尿素含有液体を、噴流層装置の固体流内に供給し、該固体流を、下方から供給されるガス流により保持する方法において、
    −ガス流を供給空気室(17)においてギャップ開口(1)により水平に案内して前記ガス流を供給空気室(17)に設けられた変向部分(3)により、供給空気室(17)の上方にある噴流層装置のプロセススペース(8)にガス噴流(2)として変向し
    −ガス噴流(2)に、プロセススペース(8)への流入領域で、前記プロセススペース(8)において形成されている円形に類似したガス材料流(15)から成る材料粒子流を側方で供給し、
    ガス噴流(2)の吸引効果によって材料粒子を、円形に類似したガス材料流(15)から引きさらい、これによって高い粒子充填を備えた流れを形成するように、プロセススペース(8)へのガス噴流(2)の流入領域と噴射ゾーン(22)との間のガス材料流の流速をガイドプレート(16)にり高上方に案内し、
    −尿素含有液体を、噴射ゾーン(22)の高い粒子充填の領域へと材料の粒子表面に噴霧し、純粋な尿素の溶融温度を最高で下回る温度のガス流において、制御されていないかまたは制御された熱移動および/または物質移動下で、同時に分離しながら乾燥して造粒する、
    ことを特徴とする、尿素ペレットを製造するための方法。
  2. 尿素含有液体を噴霧し、最高で130℃の温度のガス流において乾燥する、請求項1記載の方法。
  3. 尿素含有液体として、尿素溶液、尿素懸濁液、尿素溶融物または尿素溶融溶液を使用する、請求項1または2記載の方法。
  4. 噴流層装置に、−20℃から250℃の間の温度を有するプロセスガス(10)を供給する、請求項1から3までのいずれか一項記載の方法。
  5. 円形に類似したガス材料流(15)における材料温度を、40℃から120℃に保持する、請求項1から4までのいずれか一項記載の方法。
  6. 材料特性に影響を与える噴射ゾーン(22)に、有機質または無機質の分離剤として1つ以上の添加剤を液状の形で供給する、請求項1から5までのいずれか一項記載の方法。
  7. 脱塵設備(25)によって固体充填排気(20)から分離した固体(21)を、円形に類似したガス材料流(15)に供給する、請求項1から6までのいずれか一項記載の方法。
  8. 尿素含有液体と添加剤とを、上方に噴霧する1つ以上の噴霧ノズル(7)および/または任意の方向で噴霧する1つ以上の噴霧ノズル(6)を介して、円形に類似したガス材料流(15)内に噴射する、請求項1から7までのいずれか一項記載の方法。
  9. 円形に類似したガス材料流(15)を、1つ以上のギャップ開口(1)および/またはプロセススペース(8)に設けられている1つ以上のガイドプレート(16)のサイズおよび構成の変更により制御可能に調節する、請求項1から8までのいずれか一項記載の方法。
  10. 円形に類似したガス材料流(15)に、1つ以上の搬入システム(13)を介して固体材料粒子を供給する、請求項1から9までのいずれか一項記載の方法。
  11. 円形に類似したガス材料流(15)のリターンゾーン(24)において、1つ以上の粉砕装置(27)によって、造粒体形成プロセスのための核として微細材料を製造する、請求項1から10までのいずれか一項記載の方法。
  12. 噴流層装置の1つ以上の側壁(29)、1つ以上の熱伝達装置(28)により冷却可能または加熱可能である、請求項1から11までのいずれか一項記載の方法。
  13. 獲得された尿素ペレットに、当該噴流層装置自体の下流側の区分の内側における少なくとも1つの別のステップにおいて、または付加的な装置において、無機的なまたは有機的な少なくとも1つの分離剤を提供する、請求項1から12までのいずれか一項記載の方法。
  14. 獲得された尿素ペレットが、平均粒径の±10%以下の粒度範囲を有している、請求項1から13までのいずれか一項記載の方法。
  15. 前記粒度範囲が平均粒径の±8%以下である、請求項14記載の方法。
  16. 前記粒度範囲が平均粒径の±4%以下である、請求項14又は15記載の方法。
  17. 材料特性に影響を与えるために、有機質の分離剤である1つ以上の添加剤を液状の形で供給する、請求項1から16までのいずれか一項記載の方法。
  18. 円形に類似したガス材料流(15)を、1つ以上の不動に調節されたまたは調整可能なギャップ開口(1)、および/または1つ以上の不動に調節されたまたは調整可能なガイドプレート(16)により制御可能に調節し、調整可能にすることができる1つ以上の変向部分(3)を、それぞれギャップ状の(複数の)開口の領域において、当該噴流層装置の内部にある前記開口の中央の領域に設け、前記変向部分(3)がプロセスガスを、流入領域において噴流層装置の長手方向平面に対して垂直に、噴流層装置の長手方向平面の方向少なくとも1つのギャップ開口(1)を通って案内し、流出領域、つまりプロセススペース(8)への合流領域において、前記長手方向平面に対して平行に上方に案内する、請求項1から15までのいずれか一項記載の方法。
  19. 前記ギャップ開口は平行な2つのギャップ開口(1)である、請求項18記載の方法。
  20. プロセススペース(8)が、上方から見ると、少なくとも1つの方形の横断面を有している、請求項1から19までのいずれか一項記載の方法。
  21. 円形に類似したガス材料流(15)、ローラに類似した形状を有しており、1つ以上ローラに類似した材料流噴流層装置内に設けられている、請求項1から20までのいずれか一項記載の方法。
  22. 2つのローラに類似した材料流を噴流装置内に設ける、請求項21記載の方法。
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