JP3921813B2 - 粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 - Google Patents

粒体の被覆装置用絞り円盤、同円盤を具備する粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粒体の被覆装置用絞り円盤、同絞り円盤を備えた粒体の被覆装置、及び同装置を用いる粒体の被覆方法に関する。更に詳述すれば、槽内で粒体の噴流層を形成すると共に、これに被覆液を噴霧して粒体を被膜で被覆する粒体の被覆装置用絞り円盤、同被覆装置、及び同装置を用いる粒体の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
噴流方式を用いた粒体の被覆方法は、例えば特公昭38ー13896号に記載されているように、円筒状の槽の下部を逆円錐形とし、その下端側を水平方向に切断して気体噴流用の絞り部となし、該絞り部を通して高速気体流を該槽内に垂直上方向に噴流せしめて槽内の被覆すべき粒体を吹き上げ、同時に被覆液を吹き付けて粒体に被膜を被覆する方法である。特公昭38ー2294号は、粒体を噴流塔内の中央噴流部に設けた案内管を通して粒体を吹き上げ、該管内に設けた噴霧ノズルから被覆液を噴霧する方法を開示している。更に特公昭50ー1355号には、噴流部に案内管を設け、その周辺部にも気体を通すことにより、粒体を流動状態、或いはそれに近い無重力の状態におき、粒体同士の付着等のトラブルを回避している。
【0003】
これらの被覆方法は、何れも医薬品を被覆対象にしたもので、小規模、且つ丁重に被覆する場合には好ましい方法である。しかし、例えば肥料等を被覆対象とする場合のように、安価に、大量に被覆する必要がある場合には、この方法は適切な方法とは言い難い。大量の粒体を被覆する場合は、大きな径の噴流塔を用いる必要があるが、噴流塔の径が大きくなると粒体全体が流動状態となり、噴流層が形成できない問題がある。
【0004】
この問題点に対し、特公平2ー31939号は、噴流槽が大型化しても噴流状態が得られる技術を開示している。即ち、肥料の様に、大量に生産し、供給するために、大きな径の噴流塔を用いた噴流装置内にガイド管をオリフィス上部に垂直に設けた被覆装置を用い、オリフィスから装置内に不活性気体を導入する際に、オリフィスにおける気体の流速を20m/sec〜70m/secとし、ガイド管内の流速を20m/sec以下に調節して被覆を行なうものである。
【0005】
一方、近頃では特開平6ー9303号、特開平6ー9304号、特開平6ー72805号、特開平6ー80514号、特開平5ー29634号、特開平4ー202078号、特開平4ー202079号、特開平6ー87684号に開示されているような、施肥後一定期間は活性成分が溶出されないか、若しくは溶出が極端に抑制された期間(この期間を以後初期溶出期間と称す)を有する、いわゆる時限溶出型のパターンを有する被膜を肥料粒体の表面に被覆した被覆粒体肥料が開示されている。
【0006】
このような時限溶出型の溶出パターンを持つ被膜を肥料粒体の表面に被覆した被覆粒体肥料を、前記特公平2ー31939号に記載されている様に、噴流塔を用いて安価、大量に製造する場合、粒体への被覆樹脂溶液の付着のさせ方、及び付着した樹脂溶液からの溶剤の飛散、乾燥の状態が、生産効率及び得られる被覆粒体肥料の活性成分の溶出パターンに大きく影響を及ぼすと考えられる。
【0007】
大型噴流塔を用いて被覆粒体肥料を大量に製造する場合、経済的に生産効率を上げるためには、乾燥時間を短縮することが重要と考えられ、従来も乾燥時間を短縮するために、樹脂溶液の供給量を高め、更に粒体表面に付着した樹脂溶液に含まれる溶剤を大量かつ高温の噴流ガスを用いて飛散、乾燥させることがしばしば試みられている。
【0008】
しかし、噴流塔を用いて、例えば尿素粒体の様な比較的低融点の粒体を被覆する場合は、噴流ガス温度を尿素粒体の融点以下に保たなければならず、このため高温の噴流ガスを用いて生産効率を高めることができない。即ち、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以上にして被覆を行うと、噴流塔内で不均一な溶剤の飛散や乾燥が起こり、このためガイド管外側に存在する尿素粒体からなる環状の尿素粒体堆積層(固定層)の一部が融解固結したり、また塔下部の逆円錐型先端の気体噴流用絞りへの尿素粒体の融解固結等が起こり、このため粒体の均一な循環が出来なくなることがあり、実質的な操業が出来なくなることがある。
【0009】
また、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以下に保って噴流ガスの量を高めた場合は、噴流塔下部よりガイド管に送られる粒体の量が変動し、いわゆる脈動現象を起こすので運転が不安定となる。この場合は、尿素粒体の被覆被膜の損傷を生じ易く、得られる被覆肥料は初期溶出抑制期間内の活性成分の溶出量が大きなものになる。即ち、得られる被覆肥料は、施肥直後から急激に活性成分が溶出し始めるものが多くなる。従って、従来の噴流方式により所望の溶出機能を有する時限溶出型被覆肥料を大量に、生産効率良く製造することは極めて困難なものである。
【0010】
更に、従来の絞りは、図4に示すような、円盤80の中央部に穿設した噴出孔82を有する絞り盤若しくはオリフィスと呼ばれる、いわゆるドーナツ型の気体噴出体84を塔下部の逆円錐型先端に設けることにより構成している。このような気体噴出体84上面には、塔内を降下してくる被覆粒体が堆積し、融解固結する問題もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記の従来技術の問題に鑑み、その原因が何処にあるかの究明に努めた。その結果、噴流方式において、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以上にして尿素粒体の表面に被膜を被覆する場合、尿素粒体を被覆する樹脂溶液の噴霧が均一でも、噴流ガス及び尿素粒体の脈動が起こり、溶剤の気化熱による噴流ガスの温度の低下が部分的に起きない個所が生じ、このため高温の噴流ガスによる尿素粒体の融解、固結を生じることを発見した。
【0012】
更に、噴流ガスの温度を尿素粒体の融点以下に保っていても、噴流ガスの噴出量を増加すると噴流ガスに偏流が生じること、このためガイド管に送られる粒体の量が変動する、いわゆる脈動現象が起こり、被覆された尿素粒体が噴流塔上部の壁に衝突して被覆粒体の被膜が損傷することを発見した。
【0013】
また更に、絞り部に粒体が融着することが、上記問題が起きる原因の一つであることも発見した。
【0014】
本発明は上記知見に基づきなされたもので、その目的とするところは、噴流ガス、及び粒体の脈動を防止し、均一で、安定した噴流状態を保持し、従って均一に粒体表面に被膜を被覆でき、更に絞り部に粒体が融着する事を防止し、工業的に大量処理することのできる、粒体の被覆装置用絞り円盤、同絞り円盤を具備した粒体の被覆装置、及び粒体の被覆方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、
〔1〕 所定数の噴出孔を均一に円盤主体に穿設してなり、その開口率が10〜70%である粒体の被覆装置用絞り円盤であって、前記絞り円盤の噴出孔の少なくとも1個に被覆液噴霧ノズルを挿入して噴流塔の下部に取り付けられ、噴流塔の下部から前記噴出孔を通して噴流塔内に気体を噴出させて前記噴流塔内に粒体の噴流層を形成すると共に、前記噴流層を形成する粒体に前記ノズルから被覆液を噴霧して前記粒体を被膜で被覆する粒体の被覆装置の噴流塔の下部に取付けて気体を噴流塔内に噴出させることを特徴とする粒体の被覆装置用絞り円盤を提案するものである。
【0016】
また、本発明は
〔2〕 上記〔1〕に記載の絞り円盤が取り付けられていることを特徴とする粒体の被覆装置であり、
〔3〕 〔2〕の被覆装置は、噴流塔内にその軸方向を垂直に取り付けたガイド管を有する場合を含む。
【0017】
更に本発明は、
〔4〕 所定数の噴出孔を均一に円盤主体に穿設してなり、その開口率が10〜70%である絞り円盤を噴流塔の下部に取り付けると共に、前記絞り円盤の噴出孔の少なくとも1個に噴霧ノズルを挿入し、前記噴霧ノズルの上方であって前記噴流塔内に垂直にガイド管を設けてなる噴流塔を有する粒体の被覆装置を用い、前記絞り円盤の噴出孔を通して噴流塔内に気体を噴出させて前記噴流塔内に粒体の噴流層を形成すると共に、前記噴流層を形成する粒体に噴霧ノズルから被覆液を噴霧して前記粒体を被膜で被覆することを特徴とする粒体の被覆方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の粒体の被覆装置の構成の一例を示すもので、図1中、2は垂直に設けた噴流塔である。前記噴流塔2は、主要部を円筒状の槽主体4で構成している。
【0020】
前記槽主体4の形状には、特に制限が無く、水平方向断面の形状が円形であっても、多角形のものであってもよい。しかし、粒体の槽主体4内における循環の均一性の面から云えば、前記槽主体4の断面の形状は円形であることが望ましい。
【0021】
前記槽主体4の内部には、円筒状のガイド管6を不図示の固定手段で取り付けてある。
【0022】
前記ガイド管6の形状としては、円筒状の他、パイプに穿孔したもの、或いは金網を筒状にしたもの等が挙げられる。ガイド管6の形状や材質は特に限定するものではないが、被覆時の被膜の損傷を最小限に抑えたい場合には、孔や突起物の無い平滑なパイプ、或いはパイプの内面にフッ素樹脂をライニングしたものを用いることが好ましい。ガイド管6は前記絞り部10の上方であって槽主体4内に、ガイド管6の軸方向を垂直にして固定若しくは懸垂する。
【0023】
槽主体4の下部側は下方に向かうに従って徐々に内径を小さく形成した逆錘状の底部8を有すると共に、底部8の下端側を貫通して槽主体4よりも小径の絞り部10を形成してある。絞り部10には別途種々のオリフィス板やベンチュリを挿入できるように構成してもよい。
【0024】
前記絞り部10には、抜き出し管12の一端が連結してあり、またその他端側は開閉弁14を介して被覆粒体抜き出し口16になっている。前記抜き出し管12には気体供給管18の一端が連結してあり、この気体供給管18はその中間に気体加熱器20を介して他端をブロアー22に連結している。これにより、ブロアー22から供給される気体は気体加熱器20で加熱された後、絞り部10を通って槽主体4内に噴出される。なお、24は気体供給管に介装した流量計である。
【0025】
本発明に用いる気体は粒体及び溶剤に対して不活性のものであれば良く、特に限定されるものではない。具体的には、空気、窒素ガス、ヘリウムガス、又は噴流塔出口ガスから被覆液中の有機溶剤を一部除去したリサイクルガス等が例示できる。
【0026】
前記絞り部10の中心近傍には、噴霧ノズル26が配設してある。噴霧ノズル26は前記絞り部10の中心軸方向に沿って絞り部10の近傍にあれば良く、前記絞り部10よりも高い位置であっても、低い位置であっても良い。噴霧ノズル10の位置、形状は噴霧液体の性状、運転条件等によって適宜決定する。
【0027】
前記噴霧ノズル26には、被覆液供給ポンプ28を介装した被覆液供給管30の一端が連結してあると共に、被覆液供給管30の他端は被覆液調製槽32に連結してある。被覆液調製槽32で調製された被覆液は、被覆液供給ポンプ28によって、被覆液供給管30を通って噴霧ノズル26に送られ、その後槽主体4内に噴霧される。なお、34は蒸気加熱用ジャケットである。
【0028】
36は前記槽主体4に形成した粒体投入口で、この投入口を通して粒体が槽主体4内に供給され、噴流層37を形成し、粒体表面に被膜が被覆される。なお、38は粒体投入口バルブ、39は粒体である。
【0029】
また、40は槽主体4の上部壁42に取り付けた排出管で、これを通して槽主体4内の気体が外部に放出される。
【0030】
なお、44は噴流部周縁部46を落下した粒体が堆積して形成した粒体堆積層である。
【0031】
図2は、前記図1において、絞り部10に取り付ける絞り円盤52の一例を示すものである。絞り円盤52は、円盤主体54に、その中心を中心とする同心円上に中心を持つ、互いにほぼ等間隔離れた所定数(本図では4個)の噴出孔56を穿設してある。前記噴出孔56を同心円上でほぼ等間隔離れて円盤主体54に均一に穿設する事により、各噴出孔56を通過する気体を均一に噴流塔内に噴出させることができるものである。
【0032】
なお、図2においては、噴出孔56を4個穿設したが、これに限られず2個以上の任意の個数の噴出個を穿設する事ができるものであるが、通常4〜10個とすることが実用上好ましい。また、図2においては噴出孔56を同心円上に形成したが、例えば碁盤目の格子点状、千鳥状、その他任意の配列を採用することができ、要するに噴出孔56を円盤主体54に均一になるように穿設し、各噴出孔を通過する気体が均一に噴流塔内に噴出できる様に配列にすれば良いものである。
【0033】
前記噴出孔56の円盤主体54に対する開口率、即ち下記式(1)
開口率(%)=(噴出孔面積の合計/穿孔前の円盤主体の面積)×100 (1)
で示される開口率は、10〜70%が好ましく、特に20〜60%が好ましい。開口率が10%未満の場合は、絞り円盤の上面に粒体が堆積固結し易くなる。また、開口率が70%を超える場合は、絞り部の絞り作用が不十分になり、充分な気体の噴流速度を得難くなる傾向にある。
【0034】
前記絞り円盤52を噴流塔の絞り部10に取り付ける場合は、図2に示すように、噴霧ノズル26が噴出孔56の中心を通るように、絞り円盤52を水平に絞り部10に取り付けるものである。絞り円盤52をこのように取り付けることにより、ブロアー22から供給される気体は、円盤主体54と被覆液供給管30又は噴霧ノズル26との間隙60を通って槽主体4内に噴出するものである。
【0035】
なお、図2においては各噴出孔毎に噴霧ノズル26をそれぞれ設けているが、これに限られず、図3に示すように噴霧ノズル26を設けない噴出孔56a、56bがあっても良い。この場合も、噴霧ノズル26はなるべく円盤主体52内において、均一に配置することが望ましい。
【0036】
絞り部10における気体流速は、噴出気体量と絞り口径とによって決まる。また、ガイド管6内の気体流速も同じ手法で計算することが出来る。ガイド管6と絞り部10との間隔は粒体の循環を妨げない範囲で選定することが好ましい。ガイド管6の口径は、絞り円盤52に穿設した噴出口56の合計面積に相当する口径の1.2〜4倍が好ましく、特に1.5〜3倍がより好ましい。本発明においては、絞り部10における気体の流速、及びガイド管内における気体の流速は特に限定するものではないが、品質の安定のためには絞り部10から装置内に不活性気体を送入する際の、絞り円盤52に穿設した噴出口56における気体の流速を20〜から70m/secとし、ガイド管6内の気体の流速を循環粒体の終端速度の0.5〜3倍に調節して被覆を行う方法が推奨される。
【0037】
本発明の被覆装置において、被覆される粒体には特に制限がないが、本発明の被覆装置による被覆は、粒体に含まれる活性成分の溶出速度を調節する必要性のある粒体の場合に、特に有効である。活性成分はその使用目的、用途等により異なるが、尿素、硫安、塩安、硝安、塩化加里、硫酸加里、硝酸加里、硝酸ソーダ、燐酸アンモニア、燐酸加里、燐酸石灰、キレート鉄、酸化鉄、塩化鉄、ホウ酸、ホウ砂、硫酸マンガン、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、OMUP(クロチリデンジウレア)、IBDU(イソブチリデンジウレア)やオキザマイド等の肥料、殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の農薬等が例示できる。粒体は1種以上の活性成分の粒状物であっても良く、更には活性成分の1種以上とベントナイト、ゼオライト、タルク、クレー、ケイソウ土等の不活性担体とからなる粒状物であっても良い。更には、前述の活性成分粒体を樹脂や無機物で被覆したものであってもよい。
【0038】
これらの粒体の粒径は特に制限はないが、0.1〜10mm、特に1〜5mmのものが好ましい。
【0039】
本発明の被覆装置において、粒体の被覆に用いる被覆材は特に限定されるものではないが、時限溶出型の被覆粒体を製造する場合は、粒体に含まれる活性成分の溶出を厳密に制御できる材料、組成のものを選択すればよい。このような被覆材としては、硫黄に代表される無機被覆材や、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0040】
これらのうち、肥料や農薬のように、厳密、且つ長期に亘る溶出制御が求められる活性成分を含む粒体を被覆する場合は、被覆材として熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、より高度な溶出制御が必要であれば、熱可塑性樹脂を用いることが特に好ましい。
【0041】
好ましい熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン及びその共重合体と、ポリ塩化ビニリデン及びその共重合体とを挙げることができる。好ましいポリオレフィン及びその共重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・一酸化炭素共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・アクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ゴム系樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート等を挙げることができ、好ましいポリ塩化ビニリデン及びその共重合体としては、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体等を挙げることができる。更に、ポリ−2−ハイドロキシ−2−アルキル酢酸、ポリ−3−ハイドロキシ−3−アルキルプロピオン酸等に代表される生分解性ポリエステルも挙げることができる。
【0042】
これらの被覆材は有機溶剤に溶解させ、噴流塔内において噴流状態にある粒体に噴霧して被覆を行っても良く、また溶融状態で噴霧しても良いが、本発明においては、上記樹脂の貧溶媒溶液を用い、これを粒体に噴霧すると共に瞬間乾燥することによって被膜を形成する製膜法において特に有効である。上記樹脂の貧溶媒を用いて瞬間乾燥する場合には、樹脂と有機溶剤との組み合わせにおいて、熱時には高濃度で溶解し、冷時には樹脂が析出してゼリー状となる性質を有する組み合わせが好ましい。この組み合わせによる被膜は非常に緻密な被膜を形成するので、特に時限溶出型の被膜形成に適している。
【0043】
上記以外の被覆材としては、タルクに代表される無機フィラーや、界面活性剤等を用いることもできる。これらの被覆材は溶剤に溶解・分散、若しくは溶融・分散され、噴霧用ノズルに送られ被覆に共される。
【0044】
なお、上記説明においては、槽主体4内にガイド管6を設けた噴流塔を有する粒体の被覆装置について説明したが、これに限られない。本発明は、ガイド管を有していない噴流塔を有する粒体の被覆装置を含むものである。この場合も、上記説明は同様に適用される。
【0045】
更に、本発明粒体の被覆装置は、これをそのまま造粒装置として用いることもできるものである。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0047】
1.被覆装置
実施例及び比較例で用いた被覆装置を図1に、また用いた絞り円盤を図2(実施例)、図4(比較例)に示す。
【0048】
被覆装置の噴流塔2の内径は600mm、高さは5000mmであった。また、ガイド管6は、直径150mm、長さ880mmのものであった。実施例に用いた絞り円盤は、直径154mm、噴出孔56の内径45mm、噴出孔数4個(開口率34%)、各噴出口56の中央にそれぞれ噴出ノズルを設けたものであった。なお、噴出ノズル26は、絞り円盤の中心を中心とする直径95mmの円上に配置した。
【0049】
また、比較例に用いた絞り円盤は、直径154mm、噴出口82の内径95mm(開口率38%)のものであった。
【0050】
2.被覆方法
ブロアー22を用いて、所定の風量と温度に保持した空気を噴流塔2に送りながら、所定量の粒体を粒体投入口36から投入した。次いで塔内の粒体が70℃に達したら、被覆液供給ポンプ28を作動させて被覆液調製槽32内の被覆液を所定の速度で噴霧ノズル26に所定時間送って被覆液を噴霧し、所定の被覆率とした後、ブロアー22を止めて被覆粒体抜き出し口16より被覆粒体を抜き出した。
【0051】
表1は尿素粒体を被覆した際の、被覆装置の操作条件、及び結果を示すものである。なお、被覆率は12重量%である。
【0052】
比較例1〜3においては、「溶出率24時間後」(初期溶出率(%))の値はガス温度、空気流量の増加と共に著しく増加した。また、「噴流状態」については脈動が生じ、更に、「塔内の融解・固結の有無」については、融解・固結があった。
【0053】
これに対し、実施例1、2、参考例1、2においては、ガス温度、空気流量に関係なく「溶出率24時間後」の値は低いものであった。しかも、「噴流状態」については脈動が認められず、更に「塔内の融解・固結の有無」についても、融解・固結は皆無であった。
【0054】
被覆液は下記表2に示す組成よりなる100℃の溶液、被覆粒体は表3に示す尿素である。
【0055】
【表1】
Figure 0003921813
【0056】
【表2】
Figure 0003921813
【0057】
【表3】
Figure 0003921813
【0058】
【発明の効果】
本発明の被覆装置用絞り円盤は、上記の様に所定数の噴出孔を円盤主体に均一に穿設してあるので、絞り円盤上に粒体が堆積して融解固結する事を防止すると共に、噴流塔内に均一かつ滑らかに噴流気体を噴出する。このため、装置の運転が安定し、被覆粒体を大量かつ安定に製造することができる。従って、この装置を用いて時限溶出型の被覆粒体を製造する場合は、得られる被覆粒体は溶出が安定しており、特に被膜組成によって決定される初期溶出抑制期間が安定した被覆粒体を一度に、大量に製造できる。また、本発明の被覆装置は槽主体内にガイド管を設けることもでき、この場合には更に安定した時限溶出型の被覆粒体を簡単に製造できる。
【0059】
更に、本発明装置は、粒体表面にポリオレフィン被膜を均質に被覆する必要がある場合であって、被覆材の溶媒としてポリオレフィン等の貧溶媒を用いる場合に、特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒体の被覆装置の構成の一例を示す概略説明図である。
【図2】本発明の粒体の被覆装置用絞り円盤の一例を示す拡大平面図である。
【図3】本発明の粒体の被覆装置用絞り円盤の他の例を示す拡大平面図である。
【図4】従来の粒体の被覆装置用絞り円盤の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
2 噴流塔
4 槽主体
6 ガイド管
8 底部
10 絞り部
20 気体加熱器
22 ブロアー
26 噴霧ノズル
32 被覆液調製槽
52 絞り円盤
54 円盤主体
56 噴出孔
60 間隙

Claims (4)

  1. 所定数の噴出孔を均一に円盤主体に穿設してなり、その開口率が10〜70%である粒径が1〜5mmの尿素粒体の被覆装置用絞り円盤であって、この絞り円盤が同心円上に4〜10個の噴出孔が等間隔で穿孔された絞り円盤であり、前記絞り円盤の噴出孔に被覆液噴霧ノズルを挿入して噴流塔の下部に取り付けられ、噴流塔の下部から前記噴出孔を通して噴流塔内に気体を20〜45m/secの噴出口流速で噴出させて前記噴流塔内に当該尿素粒体の噴流層を形成すると共に、前記噴流層を形成する当該尿素粒体に前記ノズルから被覆液を噴霧して前記尿素粒体を被膜で被覆する当該尿素粒体の被覆装置の噴流塔の下部に取付けて気体を噴流塔内に噴出させることを特徴とする尿素粒体の被覆装置用絞り円盤。
  2. 請求項1に記載の絞り円盤が取り付けられていることを特徴とする尿素粒体の被覆装置。
  3. 噴流塔内にその軸方向を垂直に取り付けられたガイド管を有する請求項2に記載の尿素粒体の被覆装置。
  4. 所定数の噴出孔を均一に円盤主体に穿設してなり、その開口率が10〜70%であり、同心円上に4〜10個の噴出孔が等間隔で穿孔された絞り円盤を噴流塔の下部に取り付けると共に、前記絞り円盤の噴出孔に噴霧ノズルを挿入し、前記噴霧ノズルの上方であって前記噴流塔内に垂直にガイド管を設けてなる噴流塔を有する粒径が1〜5mmの尿素粒体の被覆装置を用い、前記絞り円盤の噴出孔を通して噴流塔内に気体を20〜45m/secの噴出口流速で噴出させて前記噴流塔内に前記尿素粒体の噴流層を形成すると共に、前記噴流層を形成する尿素粒体に噴霧ノズルから被覆液を噴霧して前記尿素粒体を被膜で被覆することを特徴とする尿素粒体の被覆方法。
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