JPH1160369A - 被覆粒状肥料とその製造方法 - Google Patents

被覆粒状肥料とその製造方法

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JPH1160369A
JPH1160369A JP9218402A JP21840297A JPH1160369A JP H1160369 A JPH1160369 A JP H1160369A JP 9218402 A JP9218402 A JP 9218402A JP 21840297 A JP21840297 A JP 21840297A JP H1160369 A JPH1160369 A JP H1160369A
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granular fertilizer
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JP9218402A
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Keiji Tada
啓司 多田
Tsutomu Takizawa
勉 滝沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた力学的強度、溶出コントロール性こと
に初期の溶出抑制、生産性などを同時に満足できる被覆
粒状肥料を提供する。 【解決手段】 テルペン系樹脂10〜90重量%と熱可
塑性樹脂(例えば、ポリエチレンなど)10〜90重量
%とを含む樹脂成分を含有する皮膜で被覆してなる被覆
粒状肥料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】施肥の省力化、ないしは植物
の生育に応じた肥効を発現させる目的で、種々の緩効性
肥料が開発されている。緩効性肥料の代表的なものとし
ては、肥料の表面を種々の樹脂や無機物などでコートし
た被覆肥料がある。本発明は、かかる被覆粒状肥料に関
するものであり、ことに溶出特性や力学的特性等の実用
物性に優れるとともに、製造性が高く、かつ、欠陥粒が
少なく初期溶出抑制に優れた被覆粒状肥料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】被覆肥料は、その肥料成分を作物の生育
に応じて供給できるという特徴を有することから、幅広
い農業分野で使用されている。被覆肥料には多くの物性
が要求される。まず第一には、本来の特徴である肥料成
分の溶出性が十分に制御されていることが要求される。
即ち、チッソ、燐、カリ等の各成分が施用される作物の
生育に応じた溶出性を有することは重要である。生育期
間に必要とされる肥料の量と種類は植物によって異な
り、生育初期から後期に亘るまで、ほぼ一定であるも
の、生育後期に多くの肥料を必要とするもの、あるいは
この逆のものなど様々である。発芽直後や苗など植物の
生育初期には多量の肥料成分が溶出することは好ましく
ない場合が多い。この意味からは被覆肥料にとって初期
溶出の抑制は1つの重要な要求性能となる。
【0003】第二には、輸送、保管、使用時に負荷され
る種々の応力に対し必要な力学的強度を有することであ
る。輸送、保管時には、被覆肥料に対し一定の圧力、押
圧が負荷される。かかる条件において被覆肥料の皮膜成
分が傷つけられたり、剥離を起こしたりすると被覆肥料
本来の性能が発現されない。また、肥料粒子同士の融着
などが起こらないことも必要である。
【0004】さらには製造する際の生産性が優れている
ことなどが要求される。従来、被覆肥料の皮膜材として
は、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド
樹脂、硫黄などが使用されている。初期溶出を抑制する
従来技術としては、特開平6−87684号公報に糖重
合体を使用する技術が、特開平9−132493号公報
にはポリアルキレングリコールを使用する技術が開示さ
れている。しかしながらこれらの方法は、溶出制御期間
や工業上の生産性という見地からは未だ十分満足行くも
のではなかった。
【0005】また、特公平5−29634号公報、およ
び特開平9−30883号公報に記載されているよう
に、水膨潤性物質やワックス類などを使用してダブルコ
ートする方法がある。これらの方法では組成の異なる物
質を2度被覆しなければならないという製造上の問題点
がある。また特開平9−30884号公報には被覆肥料
の原肥の形状を球形に近くする方法が開示されている
が、この方法でも原肥の種類によっては目的を達成する
のが困難なものもがあったり、所定の形状にするのに多
大な労力を要するものがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上述したように力学的強度、溶出コントロ
ール性ことに初期の溶出抑制と長期の溶出性、生産性な
どを同時に満足できる被覆粒状肥料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
について鋭意検討した結果、テルペン系樹脂の特定量と
熱可塑性樹脂を特定量含む被覆肥料が上記問題点を解決
することを見出し、本発明の完成に至った。即ち、本発
明は下記の通りである。
【0008】1)テルペン系樹脂10〜90重量%と熱
可塑性樹脂10〜90重量%とを含む樹脂成分を含有す
る皮膜で被覆してなる被覆粒状肥料。 2)噴流ないしは転動状態の粒状肥料に、テルペン系樹
脂10〜90重量%と熱可塑性樹脂10〜90重量%と
を含む樹脂成分を溶解ないしは分散した分散(溶)液を
供給し、該粒状肥料を被覆することを特徴とする上記1
に記載の被覆粒状肥料の製造方法。
【0009】以下、本発明につき詳述する。本発明にお
けるテルペン系樹脂とは、ピネン類、リモネン等よりな
るテレピン油、オレンジ油等を重合した樹脂をいい、具
体的には、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテ
ン樹脂、およびテルペンフェノール樹脂、芳香族変性テ
ルペン樹脂などのこれらの変性品、さらにはこれらの水
添物をいう。テルペン系樹脂は、1種のみを使用しても
良いし、任意の2種以上を混合して使用することも可能
である。
【0010】これらの樹脂は、熱可塑性樹脂を含めた皮
膜成分中に含まれる全樹脂成分を基準に10〜90重量
%であることが必要である。この範囲を下回ると、初期
溶出の抑制効果に問題が生じ、この量を上回ると耐熱強
度、磨耗強度などの力学的物性に低下が見られる。テル
ペン系樹脂は30〜80重量%であることが好ましく、
さらに好ましくは、35〜70重量%である。テルペン
系樹脂のうち、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペ
ンテン樹脂は好ましい態様例であり、その中でもジペン
テン樹脂は力学的強度の面からさらに好ましい例として
挙げられる。
【0011】本発明における熱可塑性樹脂とは、例え
ば、高密度ないしは低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテンなどのポリオレフィン類、およびエチレ
ン・プロピレン共重合物、エチレン・オクテン共重合
物、ブテン・エチレン共重合物、ブテン・プロピレン共
重合物等のα−オレフィン共重合物、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合物などのポリオレフィン・ビニルエステル共
重合物、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンなど
の芳香族ビニル化合物重合体、ポリ(メタ)アクリル酸
メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)
アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸共重合
体、、エチレン・一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン
共重合物、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロ
ロブレン、ブタジエン・スチレン共重合物、EPDM、
スチレン・イソプレン共重合物などのジエン系(共)重
合物、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ
ブタン酸などのポリエステル類をいう。これらの中で
も、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニルは好ましい例として挙げ
ることができる。これらの熱可塑性樹脂は1種以上を任
意に組み合わせて使用することができる。
【0012】また、これらの熱可塑性樹脂は、皮膜材全
樹脂成分を基準に10〜90重量%であることが必要で
ある。この上限を逸脱すると初期溶出抑制効果に問題が
生じ、この下限を逸脱すると耐熱強度、機械的強度など
の力学物性に低下が見られる。熱可塑性樹脂は20〜7
0重量%であることが好ましく、さらに好ましくは30
〜65重量%である。
【0013】本発明における皮膜材混合物は、必要によ
り無機ないし有機充填剤を含むことができる。無機充填
剤としては、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ベント
ナイト、シリカ、ケイソウ土、酸化チタンなどの金属酸
化物、硫黄粉末などを使用することができる。これらの
中でも、タルク、クレーは好ましい例として挙げること
ができる。有機充填剤としては、澱粉、及び変性澱粉、
寒天、キサントンなどの天然有機物、架橋されたポリス
チレンやポリメチルメタクリレート、尿素樹脂等をい
う。
【0014】無機充填剤と有機充填剤の合計量は、全皮
膜重量のうち80重量%以下の範囲で使用することが好
ましく、さらに好ましくは70重量%以下である。これ
らの充填剤の種類と量は皮膜の力学的強度や溶出性等に
影響を及ぼすので、この点を勘案しその量を決定すべき
である。例えば、タルクをはじめとする無機充填剤は皮
膜の比重を上昇させる効果を有するが、上記範囲を逸脱
すると皮膜強度の低下をもたらす。また、澱粉などの親
水性有機充填剤は溶出コントロール性に大きな影響を与
えるので、この見地からも考慮してその量を決定される
べきである。
【0015】本発明において、皮膜材混合物は、上記テ
ルペン系樹脂、熱可塑性樹脂、無機ないし有機充填剤の
他に、従来公知の乳化剤、着色剤、潤滑剤その他添加剤
等を含むことができる。使用することのできる乳化剤に
特に制限はなく、アニオン、ノニオン、カチオン等従来
公知の乳化剤を使用することができるが、中でもノニオ
ン系乳化剤が好ましい例として挙げられる。乳化剤は、
通常、全皮膜重量のうち、10重量%以下の範囲で使用
される。
【0016】着色剤としては、カーボンブラック、チタ
ンホワイトなどの着色顔料および染料などが使用でき
る。添加剤の例としては、粒子同士の固着を防ぐことを
目的としたブロッキング防止剤、光照射条件下での重合
体の分解促進を目的とした従来公知の鉄、ニッケル錯体
等の光分解触媒、さらにはワックス類などである。な
お、上述した基準の皮膜材全樹脂成分とは、これらの乳
化剤や添加剤等を含むものとする。
【0017】本発明は、粒状肥料の表面に上記皮膜材混
合物が被覆されてなる被覆粒状肥料である。本発明に用
いられる粒状肥料には特に制限はなく、従来公知のもの
が使用できる。好ましい態様例を列挙するならば、尿
素、アルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿
素、ホルムアルデヒド縮合尿素、硫酸グアニル尿素オキ
サミド等の含チッソ有機化合物、硝酸アンモニウム、燐
酸二水素アンモニウム、燐酸水素二アンモニウム、硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム等のアンモニウム化合
物、硝酸カリウム、燐酸カリウム 硫酸カリウム、塩化
カリウムなどのカリウム塩、燐酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシ
ウム塩、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、燐酸マ
グネシウム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、
硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、燐酸第一鉄、燐酸第二鉄、硫
酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄などの
鉄塩、及びこれらの複塩、ないしはこれらを2つ以上複
合したものを使用することができる。
【0018】これらの粒状肥料は、粒状としての形態と
力学的強度を維持する目的で従来公知の結着剤が含まれ
ている場合がある。結着剤の例としては、糖蜜、リグニ
ン、およびそれらの変性物がその例として挙げられる。
粒状肥料の粒子径は最終製品の目標粒径、および皮膜の
重量を勘案し、適宜設定すればよい。粒状肥料の形状
は、被覆肥料の性能に大きな影響を及ぼす可能性があ
り、好ましくは真球状である。より具体的には、粒子の
平均の短径/長径が0.80以上、より好ましくは0.
85以上である。粒子の平均の短径/長径は、CCDカ
メラなどを装備した画像解析装置により平面画像として
取り込み、不作為に抽出された少なくとも50個の粒子
について、粒子毎の最も短い径、最も長い径をそれぞれ
短径、長径とし、その比を求める。真球状からの逸脱が
大きい場合や、表面の凹凸が大きいと、溶出性や力学的
強度に悪影響を及ぼすことがある。
【0019】本発明の被覆粒状肥料は、粒状肥料の表面
に上記皮膜が形成されてなる被覆粒状肥料であるが、さ
らに該皮膜の表面に表面処理されていてもよい。例え
ば、肥料粒子のブロッキングを改良する目的で無機粉体
を処理したり、安息角を改良する目的でワックス等をコ
ートしたりすることが可能である。粒状肥料を被覆する
皮膜の重量は、粒状肥料100重量部に対し1〜30重
量部であり、好ましくは、3〜20重量部、さらに好ま
しくは、3〜15重量部である。この下限を逸脱する
と、肥料としての溶出成分のコントロールが必ずしも十
分ではなく、また、この上限を逸脱すると、肥料として
の品位の低下という問題が生じる場合がある。
【0020】本発明の被覆粒状肥料の粒子径には特に制
限はないが、通常0.5〜10mm、好ましくは1〜5
mmである。被覆粒状肥料の形状は球状であることが好
ましく、凹凸の少ない真球状に近いことが好ましい。次
に、本発明の被覆粒状肥料の製造方法につき説明する。
噴流ないしは転動装置に粒状肥料を導入し、この装置を
所定温度に保持できるよう熱風などを吹き込みながら、
所定の物質を所定量含有する分散(溶)液を供給するこ
とにより目的のものを製造することができる。
【0021】噴流装置ないし転動装置は従来公知のもの
を使用することができる。これらの装置については、例
えば、特公昭54−3104号公報に開示されている。
即ち、噴流塔や転動槽本体に、熱風を送風するためのブ
ロアー、被覆分散(溶)液を送液するための溶液ポン
プ、及びスプレーノズル、温度計などを取り付けた装置
である。該装置内に被覆しようとする粒状肥料を導入
し、ブロアー等から所定の温度のガスを送風して装置内
で肥料の噴流が安定に起こるように調整する。装置内が
所望の温度になったら、スプレーノズルから所定の分散
(溶)液を供給することにより粒状肥料の表面に皮膜を
形成させることができる。
【0022】粒状肥料に特に制限はなく、上述したもの
が使用できる。粒状肥料の粒子径は最終製品の目標粒
径、および皮膜の重量を勘案し、適宜設定すればよい。
粒状肥料の形状は被覆粒状肥料の性能に大きな影響を及
ぼす可能性があり、好ましくは真球状である。真球状か
らの逸脱が大きいと、溶出性や力学的強度に悪影響を及
ぼすことがある。
【0023】次に、皮膜を形成させるための分散(溶)
液について説明する。本発明における分散(溶)液は、
テルペン系樹脂を10〜90重量%と熱可塑性樹脂を1
0〜90重量%を含む樹脂成分と、必要により無機ない
し有機充填剤、各種添加剤、その他添加剤およびこれら
を溶解、分散させた溶剤との混合物である。
【0024】テルペン系樹脂、熱可塑性樹脂、無機ない
し有機充填剤、各種添加剤は上述したものと同じものが
使用できる。また、好ましいものを好ましい量使用する
ことができる使用する溶剤は、テルペン系樹脂を溶解
し、且つ、熱可塑性樹脂を溶解する溶剤が好ましい。好
ましいものを例示するなら、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、メシチレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサン、ヘプ
タン、n−オクタン、2−エチルヘキサン、2−エチル
シクロヘキサンなどのパラフィン類、ジクロルメタン、
トリクロロメタン、テトラクロロメタン、トリクロロエ
チレン、テトラクロロエチレンなどの塩素化炭化水素な
どが挙げられる。製造に供される上記分散(溶)液は含
まれるものが溶解ないしは分散されていればよい。かか
る見地から本発明においては、これらの混合物を「分散
(溶)液」と記述した。本発明に用いる溶剤に対し、テ
ルペン系樹脂、熱可塑性樹脂は溶解することが好ましい
が、無機ないし有機充填剤は溶解しないで分散体として
使用されることが多い。
【0025】本発明に於ける分散(溶)液の固型分濃度
は、1〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜
15重量%である。分散(溶)液中の全固型分量は、粒
状肥料100重量部につき、1〜30重量部であり、3
〜20重量%、さらに好ましくは、3〜15重量%であ
る。皮膜を形成させるに当たり、皮膜形成時の噴霧温度
に特に制限はないが、通常、30℃以上で、且つ、粒子
同士の付着が起こらない温度が設定される。具体的には
30〜150℃程度の範囲、さらに好ましくは30〜1
00℃の範囲は選ばれる。熱風は、肥料粒子を安定に転
動ないしは噴流させ、かつ、上記温度を維持するに必要
な温度と風量に設定されるのが好ましい。これらの技術
は従来公知の技術を応用することが可能である。
【0026】本発明の被覆粒状肥料は、優れた力学的強
度、溶出コントロール性を有するため、徐放性を有する
肥料として広く使用することができる。また、本発明に
おける、テルペン系樹脂と熱可塑性樹脂を含む樹脂成分
は、溶剤に対する溶解速度が速く、ポリエチレン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂だけの場
合と比較し、1/2ないし1/15程度の時間で溶解す
る。
【0027】本発明の被覆粒状肥料は、製造時のブロッ
キングや構造体への付着が少なく、生産性が高いという
特徴も兼備していることが確認されており、さらに、皮
膜の環境分解性に優れており、環境への負荷が少ないこ
とが確認されている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例、及び比較
例を具体的に示す。なお、実施例、比較例中の試験は下
記の方法によった。 <溶出試験>10gの被覆肥料を200mlの脱イオン
水に浸漬し、25℃の恒温槽に保管した。一定時間経過
後に水に溶出した肥料成分を、全農型土壌分析器ZA−
II型にて各成分の濃度を測定した。尿素については該
液を紫外吸光光度法により定量した。溶出率は、もとの
被覆肥料に含まれていた肥料成分に対する溶出してきた
成分の百分率で表示する。
【0029】<耐磨耗試験>内径12cm、高さ12c
mの円筒状ボールミル用磁性容器に、15gの被覆肥
料、250gのシリカサンド日光4号(川鉄鉱業(株)
製)、20gの磁性ボール(直径約2.5cm)3個を
入れ、77rpmにて24時間回転させた。この試験前
と試験後の被覆肥料について各々溶出試験を行い、3日
目の溶出率の差(ΔA)で表す。数値が大きいものほど
耐磨耗性が低い。
【0030】<耐荷重試験>ポリエチレン製袋に入った
20kgの被覆肥料を50℃の雰囲気下で400kgの
荷重をかけ、3日放置した。この時の被覆肥料同士の融
着、凝結の状況を観察するとともに、荷重をかける前後
での3日目の溶出率の差(ΔB)を測定することにより
耐荷重性を評価した。
【0031】<落袋試験>10grの被覆肥料をポリエ
チレン製の袋に入れ、ほぼ1層になる程度に広げた後、
20kg肥料袋の下面に張り付け、3mの高さから20
回落下させた。落下させる前後での3日目の溶出率の差
(ΔC)を測定することにより落袋強度を測定した。
【0032】
【実施例1】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)1.2重量部、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(商標;エバフレックス31
0、三井デュポンポリケミカル(株)製)1.04重量
部、ジペンテン樹脂(商標;YSレジンD105、ヤス
ハラケミカル(株)製)1.6重量部、およびノニオン
乳化剤(商標;エマルゲンA−90、花王(株)製)
0.16重量部に157重量部のテトラクロルエチレン
を加え、該溶剤の沸点まで加熱リフラックスさせてポリ
エチレン、およびテルペン樹脂を溶解した。さらにこの
溶液にタルク4重量部を加え、十分攪拌して分散液を調
整した。
【0033】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
m、粒子の平均短径/長径比が0.86の粒状燐硝安カ
リ(N、P2 5 、K2 O成分は各々15%)100重
量部を噴流装置に投入し、熱風を送風して装置内の温度
が70℃で安定な噴流状態を起こさせた。次に、上記で
調製した分散液を送液ポンプによりスプレーノズルから
8分を要して噴流装置に供給した。この間、噴流装置内
は70±2℃となるよう熱風の温度を調節した。その
後、熱風を冷風に切り替え、35℃以下になった時点で
噴流装置から内容物を取り出した。
【0034】製造された被覆粒状肥料は108重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が、被覆されている
ことがわかった。得られた被覆粒状肥料を粉砕し、粒状
燐硝安カリを水に溶解させる方法により皮膜のみの重量
を測定した結果、皮膜は粒状燐硝安カリ100重量部当
たり8重量部が形成されていることがわかった。得られ
た被覆粒状肥料の溶出試験と力学的強度の測定をした結
果、溶出10日目のチッソの溶出率は1.4%、40日
目は4.8%、80日目は28.3%、120日目は5
5.2%、チッソ成分の80%が溶出する日数は167
日であった。また、ΔA=15%、ΔB=3.1%、Δ
C=3.6%であった。耐荷重試験における粒子同士の
融着は見られなかった。
【0035】
【実施例2】エチレン・酢酸ビニル共重合体1.08重
量部、テルペン樹脂4.8重量部、およびノニオン乳化
剤0.12重量部に157重量部のテトラクロルエチレ
ン、タルク6重量部を使用した以外は、実施例1と同様
の方法により被覆粒状肥料を製造した。
【0036】収量測定の結果、ほぼ全量が、被覆されて
いることがわかった。得られた被覆粒状肥料を粉砕し、
粒状燐硝安カリを水に溶解させる方法により皮膜のみの
重量を測定した結果、皮膜は粒状燐硝安カリ100重量
部当たり12重量部が形成されていることがわかった。
得られた被覆粒状肥料の溶出試験と力学的強度の測定を
した結果、溶出10日目のチッソの溶出率は0.8%、
60日目は3.9%、120日目は15.5%、200
日目は49.0%、チッソ成分の80%が溶出する日数
は285日であった。また、ΔA=39%、ΔB=4.
2%、ΔC=5.3%であった。耐荷重試験における粒
子同士の融着は見られなかった。
【0037】
【実施例3】ポリエチレン1.6重量部、エチレン・酢
酸ビニル共重合体1.36重量部、テルペン樹脂0.8
重量部、およびノニオン乳化剤0.24重量部に157
重量部のテトラクロルエチレン、タルク4重量部を使用
し、原肥、粒状肥料として2−4mmで篩分した平均粒
径3mm、平均の短径/長径比が0.92の尿素を使用
した以外は、実施例1と同様の方法により被覆粒状肥料
を製造した。
【0038】収量測定の結果、ほぼ全量が、被覆されて
いることがわかった。得られた被覆粒状肥料を粉砕し、
尿素を水に溶解させる方法により皮膜のみの重量を測定
した結果、皮膜は粒状尿素100重量部当たり8重量部
が形成されていることがわかった。得られた被覆粒状肥
料の溶出試験と力学的強度の測定をした結果、溶出10
日目の尿素の溶出率は2.4%、30日目は7.2%、
50日目は22.7%、70日目は63.9%、尿素成
分の80%が溶出する日数は81日であった。また、Δ
A=6%、ΔB=3.1%、ΔC=2.1%であった。
耐荷重試験における粒子同士の融着は見られなかった。
【0039】
【比較例1】ポリエチレン0.16重量部、テルペン樹
脂3.84重量部に157重量部のテトラクロルエチレ
ン、タルク4重量部を使用した以外は、実施例1と同様
の方法により被覆粒状肥料を製造した。収量測定の結
果、ほぼ全量が、被覆されていることがわかった。得ら
れた被覆粒状肥料を粉砕し、燐硝安カリを水に溶解させ
る方法により皮膜のみの重量を測定した結果、皮膜は粒
状燐硝安カリ100重量部当たり8重量部が形成されて
いることがわかった。
【0040】得られた被覆粒状肥料の溶出試験と力学的
強度の測定をした結果、溶出10日目のチッソの溶出率
は0.6%、チッソ成分の80%が溶出する日数は40
3日であった。また、ΔA=98%、ΔB=32.5
%、ΔC=20.4%であった。耐荷重試験において少
量の粒子同士の融着が見られた。
【0041】
【発明の効果】本発明の被覆粒状肥料は、溶出特性、こ
とに初期の溶出抑制にすぐれ、磨耗強度などの力学的実
用物性に優れるとともに、製造の容易性に優れた被覆粒
状肥料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に使用する噴流装置の一例であ
る。
【符号の説明】
1 ブロワー 2 オリフィス 3 加熱器 4 供給液 5 送液ポンプ 6 スプレーノズル 7 肥料 8 肥料投入口 9 温度計 10 排出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テルペン系樹脂10〜90重量%と熱可
    塑性樹脂10〜90重量%とを含む樹脂成分を含有する
    皮膜で被覆してなる被覆粒状肥料。
  2. 【請求項2】 噴流ないしは転動状態の粒状肥料に、テ
    ルペン系樹脂10〜90重量%と熱可塑性樹脂10〜9
    0重量%とを含む樹脂成分を溶解ないしは分散した分散
    (溶)液を供給し、該粒状肥料を被覆することを特徴と
    する請求項1に記載の被覆粒状肥料の製造方法。
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