JPH1192260A - 分解性被覆粒状肥料とその製造方法 - Google Patents

分解性被覆粒状肥料とその製造方法

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JPH1192260A
JPH1192260A JP9259581A JP25958197A JPH1192260A JP H1192260 A JPH1192260 A JP H1192260A JP 9259581 A JP9259581 A JP 9259581A JP 25958197 A JP25958197 A JP 25958197A JP H1192260 A JPH1192260 A JP H1192260A
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weight
rosin
granular fertilizer
fertilizer
coating material
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JP9259581A
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Inventor
Keiji Tada
啓司 多田
Tsutomu Takizawa
勉 滝沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 力学的強度、溶出コントロール性、ことに初
期の溶出抑制、環境下での分解性などを同時に満足でき
る被覆粒状肥料、及びその製造方法の提供。 【解決手段】 ロジン系樹脂30〜90重量%とα−オ
レフィン(共)重合体10〜70重量%を含む皮膜材で
被覆してなる被覆粒状肥料。 【効果】 初期の溶出抑制効果などの溶出コントロール
性に優れ、力学的な実用物性に優れるとともに、分解性
に優れた被覆粒状肥料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】施肥の省力化、ないしは植物
の生育に応じた肥効を発現させる目的で、種々の緩効性
肥料が開発されている。緩効性肥料の代表的なものとし
ては、肥料の表面を種々の樹脂や無機物などでコートし
た被覆肥料がある。本発明は、かかる被覆粒状肥料に関
するものであり、ことに皮膜が土壌中で速やかな分解性
を有し、且つ、溶出特性や力学的特性等の実用物性に優
れた被覆粒状肥料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被覆肥料は、その肥料成分を作物の生育
に応じて供給できるという特徴を有することから、幅広
い農業分野などで使用されている。被覆肥料には多くの
物性が要求される。本来の特徴である肥料成分の溶出性
が十分にコントロールされていること、輸送、保管、使
用時に負荷される種々の応力に対し必要な力学的強度を
有すること、さらには製造する際の生産性が優れている
こと等が要求される。
【0003】従来、被覆肥料の皮膜材としては、ポリオ
レフィン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、硫黄な
どが使用されているが、近年、この皮膜の自然環境下で
の分解性を改良しようとする試みが多くなされている。
分解性を付与する具体的手段としては、光による分解、
酸化分解、土壌中での生物的な分解などがあげられる。
これらのうち、生分解は、光の当たらない土中において
も分解が進行する点で優れているといえる。
【0004】生分解性を有する皮膜からなる被覆肥料を
製造する例として、特開平7−33577号公報、およ
び特開平7−61884号公報にはポリ乳酸を使用する
技術が開示されている。また、特開平3−146492
号公報にはポリカプロラクトンを使用する技術が、特開
昭63−40789号公報、および特開平7−3159
76号公報にはポリエステルを使用する技術が開示され
ている。これらのいわゆる生分解性ポリマーを使用する
方法で製造された被覆肥料は、確かに高い生分解性を有
するものの、溶出のコントロール性、ことに長期に亘る
溶出コントロール性や、力学的物性等は未だ十分満足の
いくものではなかった。
【0005】一方、目的は異なるものの、本発明に用い
る物質であるロジン類を被覆粒状肥料の被覆材として使
用する技術もいくつか知られている。特公昭47−13
681号公報には、肥料粒子およびこれと反応性を有す
る有機肥効物質の改質を目的にロジン類や熱可塑性合成
樹脂の低重合物を使用する方法が示されている。また、
特開平2−196079号公報、特開平3−60486
号公報には粒状肥料の表面を、農業資材を含んだ皮膜で
被覆する技術が開示されており、ロジンが皮膜材として
使用されている。また、特開平5−279158号公報
にはロジンと高分子物質を使用する技術が開示されてい
る。しかしながら、これらの方法はα−オレフィン
(共)重合体を併用していないか、ないしはその分子量
が非常に低いため、耐衝撃性などの力学的強度が極端に
劣るものであった。
【0006】さらにα−オレフィン(共)重合体と併用
することもなされており、特公平7−91143号公
報、特公平7−505号公報、特公平5−29634号
公報にはポリエチレン樹脂と併用して被覆肥料を製造す
る技術が開示されている。しかしながら、これらの技術
においてもロジン類の量が少ないためか、分解性、溶出
コントロール性など、充分満足のいく性能のものは得ら
れなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上述したように力学的強度、溶出コントロ
ール性、ことに長期の溶出コントロール性、皮膜の速や
かな分解性、生産性などを同時に満足できる被覆粒状肥
料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
について鋭意検討した結果、ロジン系樹脂の特定量とα
−オレフィン(共)重合体を特定量含む皮膜材で被覆さ
れた被覆粒状肥料が上記問題点を解決することを見出
し、本発明の完成に至った。即ち、本発明は下記の通り
である。
【0009】1)ロジン系樹脂30〜90重量%とα−
オレフィン(共)重合体10〜70重量%を含む皮膜材
で被覆してなる被覆粒状肥料。 2)噴流ないしは転動状態の粒状肥料に、ロジン系樹脂
30〜90重量%とα−オレフィン(共)重合体10〜
70重量%を含む樹脂成分を供給し、該粒状肥料を被覆
することを特徴とする上記1に記載の被覆粒状肥料の製
造方法。
【0010】以下、本発明につき詳述する。本発明にお
けるロジン系樹脂とは、ガムロジン、トールロジン、ウ
ッドロジン等とカルシウム塩などのそれらの塩、および
これらを水添した水添ロジン、不均化ロジンおよびアル
キルアルコールやグリセリンなどのアルコール類とエス
テル化したエステル化ロジンなどである。ロジン系樹脂
は、1種のみを使用しても良いし、任意の2種以上を混
合して使用することも可能である。これらの樹脂は、α
−オレフィン(共)重合体などを含めた皮膜成分中に含
まれる全樹脂成分を基準に30〜90重量%であること
が必要である。この範囲を下回ると、溶出制御性や分解
性に問題が生じ、この量を上回ると耐熱強度などの物性
に低下が見られる。ロジン系樹脂は、好ましくは30〜
70重量%、さらに好ましくは40〜70重量%であ
る。
【0011】本発明において、α−オレフィン(共)重
合体とは、α−オレフィンの単独重合体、ないしはα−
オレフィンと他の1種以上のビニル単量体との共重合体
をいう。具体例としては、高密度ないしは低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテンなどのα−
オレフィンの単独重合体、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−オ
クテン共重合体、ブテン・エチレン共重合物、ブテン・
プロピレン共重合物等のα−オレフィン類の共重合体、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・一酸化炭素
共重合体などのα−オレフィンとビニルモノマーないし
はその他の単量体との共重合体等が挙げられる。
【0012】これらは1種または2種以上の併用でもよ
く、また、これらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン・酢酸ビニル共重合体は好ましい例とし
てあげることができる。上記α−オレフィン(共)重合
体は、その強度上、分子量が一定以上であることが好ま
しい。とりわけ、分子量が2000以上、好ましくは5
000以上さらに好ましくは10000を越える分子量
を有する重合体を使用することが好ましい。また、ポリ
エチレンの場合でいえば、いわゆるMI値(メルトイン
デックス)が0.1ないし100g/10minである
ことが好ましく、さらに好ましくは0.5ないし70g
/10minである。これらのα−オレフィン(共)重
合体は皮膜材中の全樹脂成分を基準に10〜70重量%
であることが必要である。この上限を逸脱すると分解性
に問題が生じ、この下限を逸脱すると耐熱強度などの力
学物性に低下が見られる。α−オレフィン(共)重合体
は、好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは3
0〜60重量%である。
【0013】本発明の被覆粒状肥料は、粒状肥料の表面
に皮膜材が被覆されてなるものである。皮膜材は、上記
ロジン系樹脂、α−オレフィン(共)重合体のほか、必
要により無機ないし有機充填剤を含むことができる。無
機充填剤とは、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ベン
トナイト、シリカ、ケイソウ土、酸化チタンなどの金属
酸化物、硫黄粉末などをいう。これらの中でも、タル
ク、クレーは好ましい例としてあげることができる。有
機充填剤とは澱粉、及び変性澱粉、寒天、キサントンな
どの粉末等をいう。
【0014】タルクなどの無機充填剤と有機充填剤の合
計量は、全皮膜材重量に対し、80重量%以下、好まし
くは70重量%以下である。これらの充填剤の種類と量
は皮膜の力学的強度や溶出性、分解性等に影響を及ぼす
ので、これらの点を勘案しその量を決定すべきである。
また、澱粉などの親水性ポリマーは溶出コントロール性
に大きな影響を与えるので、この見地からも考慮してそ
の量を決定されるべきである。
【0015】本発明において、皮膜材混合物は、上記ロ
ジン系樹脂、α−オレフィン(共)重合体、無機ないし
有機充填剤の他に、従来公知の乳化剤、着色剤、潤滑剤
その他添加剤等を含むことができる。使用することので
きる乳化剤に特に制限はなく、アニオン、ノニオン、カ
チオン等従来公知の乳化剤を使用することができるが、
中でもノニオン系乳化剤が好ましい例としてあげられ
る。乳化剤は通常、10重量%以下、好ましくは5重量
%以下の範囲で使用される。着色剤としてはカーボンブ
ラック、チタンホワイトなどの着色顔料および染料など
が使用できる。添加剤の例としては、粒子同士の固着を
防ぐことを目的としたブロッキング防止剤、光照射条件
下での重合体の分解促進を目的とした従来公知の鉄、ニ
ッケル錯体等の光分解触媒、さらにはワックス類などで
ある。
【0016】なお、上述した基準の皮膜材全樹脂成分と
は、ロジン系樹脂、α−オレフィン(共)重合体の他に
これらの乳化剤や添加剤等を含むものとする。本発明
は、粒状肥料の表面に上記皮膜材混合物が被覆されてな
る被覆粒状肥料である。用いる粒状肥料に特に制限はな
く、従来公知のものが使用できる。好ましい態様例を列
挙するならば、尿素、アルデヒド縮合尿素、イソブチル
アルデヒド縮合尿素、ホルムアルデヒド縮合尿素、硫酸
グアニル尿素オキサミド等の含チッソ有機化合物、石灰
窒素、硝酸アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐
酸水素二アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム等のアンモニウム化合物、硝酸カリウム、燐酸カ
リウム 硫酸カリウム、塩化カリウムなどのカリウム
塩、燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウ
ム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、硝酸マグネシ
ウム、塩化マグネシウム、燐酸マグネシウム、硫酸マグ
ネシウムなどのマグネシウム塩、硝酸第一鉄、硝酸第二
鉄、燐酸第一鉄、燐酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄などの鉄塩、及びこれらの
複塩、ないしはこれらを2つ以上複合したものを使用す
ることができる。
【0017】これらの粒状肥料は、粒状としての形態と
力学的強度を維持する目的で従来公知の結着剤が含まれ
ている場合がある。結着剤の例としては、糖蜜、リグニ
ン、およびそれらの変性物がその例としてあげられる。
粒状肥料は表面が平滑で球形に近い方が好ましい。具体
的には粒状粒子を平面画像としてとらえたときの面積を
S、外周長さをAとするとき、A2/4πSが1.00
から1.15の範囲にある粒子が、全体の60%以上で
あることが好ましい。また、粒状肥料の押しつぶし強度
は0.4kg以上あることが好ましく、さらに好ましく
は1.0kg以上である。
【0018】本発明の被覆粒状肥料は、粒状肥料の表面
に上記皮膜が形成されてなる被覆粒状肥料であるが、さ
らに該皮膜の表面が表面処理されていてもよい。例え
ば、肥料粒子のブロッキングを改良する目的で無機粉体
を処理したり、安息角を改良する目的でワックス等をコ
ートしたりすることが可能である。粒状肥料を被覆する
皮膜の重量は、粒状肥料100重量部に対し1〜30重
量部であり、好ましくは、3〜20重量部、さらに好ま
しくは、3〜15重量部である。この下限を逸脱する
と、肥料としての溶出成分のコントロールが困難となる
場合があり、また、この上限を逸脱すると、肥料として
の品位の低下という問題が生じる。
【0019】本発明の被覆粒状肥料の粒子径に特に制限
はないが、通常0.5〜10mm、好ましくは1〜5m
mである。被覆粒状肥料の形状は原肥の形状にも依存す
るが、同様に、球状に近いことが好ましく、凹凸の少な
い真球状に近いことが好ましい。本発明の被覆粒状肥料
の製造方法は、噴流ないしは転動状態の粒状肥料に、ロ
ジン系樹脂30〜90重量%とα−オレフィン(共)重
合体10〜70重量%を含む樹脂成分等を供給し、該粒
状肥料を被覆することを特徴とする被覆粒状肥料の製造
方法である。
【0020】例えば、噴流ないしは転動装置に粒状肥料
を導入し、次にこの装置を所定温度に保持しながら、所
定の物質を所定量含有する分散(溶)液を供給すること
により目的のものを製造することができる。噴流装置な
いし転動装置は従来公知のものを使用することができ
る。これらの装置については、例えば、特公昭54−3
104号公報に開示されている。即ち、噴流塔や転動槽
本体に、熱風を送風するためのブロアー、被覆用分散
(溶)液を送液するための溶液ポンプ、及びスプレーノ
ズル、温度計などを取り付けた装置である。該装置内に
被覆しようとする粒状肥料を導入し、ブロアー等から所
定の温度のガスを送風する。噴流塔の場合には、装置内
で肥料の噴流が安定に起こるように調整する。装置内が
所望の温度になったら、スプレーノズルから所定の分散
(溶)液を供給することにより粒状肥料の表面に皮膜を
形成させることができる。
【0021】粒状肥料に特に制限はなく、上述したもの
が使用できる。粒状肥料の粒子径は最終製品の目標粒
径、および皮膜の重量を勘案し、適宜設定すればよい。
粒状肥料の形状は被覆肥料の性能に大きな影響を及ぼす
可能性があり、好ましくは真球状である。真球状からの
逸脱が大きいと、溶出性や力学的強度に悪影響を及ぼす
ことがある。
【0022】次に、皮膜を形成させるための分散(溶)
液について説明する。本分散(溶)液は、ロジン系樹脂
を30〜90重量%とα−オレフィン(共)重合体を1
0〜70重量%を含む樹脂成分と必要により無機ないし
有機充填剤、各種添加剤、およびこれらを溶解分散させ
た溶剤との混合物である。ロジン系樹脂、α−オレフィ
ン(共)重合体、無機ないし有機充填剤、各種添加剤は
上述したものと同じものを使用することができる。ま
た、好ましいものとして例示したものを同様に使用する
ことができる 使用する溶剤は、ロジン系樹脂、α−オレフィン(共)
重合体を溶解する溶剤が好ましい。好ましいものを例示
するなら、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン
などの芳香族系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、n−オクタ
ン、2−エチルヘキサン、2−エチルシクロヘキサンな
どのパラフィン類、ジクロルメタン、トリクロロメタ
ン、テトラクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラ
クロロエチレンなどの塩素化炭化水素などが挙げられ
る。製造に供される上記分散(溶)液は含まれるものが
溶解ないしは分散されていればよい。かかる見地から本
明細書においてはこれらの混合物を「分散(溶)液」と
記述した。上記の溶剤に対し、ロジン系樹脂、α−オレ
フィン(共)重合体は溶解することが好ましいが、無機
ないし有機充填剤は溶解しないで分散体として使用され
ることが多い。
【0023】本発明に於ける分散(溶)液の固型分濃度
は、1〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜
15重量%である。この下限を逸脱すると、生産性が低
下し、上限を逸脱すると溶出特性に悪影響が出たり、ブ
ロッキングなどの問題を起こしやすくなる。該分散
(溶)液中の全固型分量は、粒状肥料100重量部につ
き、1〜30重量部であり、3〜20重量%、さらに好
ましくは、3〜15重量%である。
【0024】皮膜を形成させるに当たり、皮膜形成時の
噴霧温度に特に制限はないが、通常、30℃以上で、且
つ、粒子同士の付着が起こらない温度が設定される。具
体的には30〜150℃程度の範囲、さらに好ましくは
30〜100℃の範囲は選ばれる。熱風は、肥料粒子を
安定に転動ないしは噴流させ、かつ、上記温度を維持す
るに必要な温度と風量に設定されるべきである。これら
の技術は従来公知の技術を応用することが可能である。
【0025】本発明の被覆肥料は、優れた力学的強度、
溶出コントロール性、皮膜の分解性を有するため、徐放
性を有する肥料として広く使用することができる。こと
に皮膜の分解性に優れるため、環境への負荷が少ない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例、及び比較
例を具体的に示す。なお、実施例、比較例中の試験は下
記の方法によった。 <溶出試験>10gの被覆粒状肥料を200mlの脱イ
オン水に浸漬し、25℃の恒温槽に保管した。一定時間
経過後に水に溶出した肥料成分を、全農型土壌分析器Z
A−II型にて各成分の濃度を測定した。溶出率は、も
との被覆粒状肥料に含まれていた肥料成分に対する溶出
してきた成分の百分率で表示する。
【0027】<耐荷重試験>ポリエチレン製の袋に入っ
た20kgの被覆粒状肥料を50℃の雰囲気下で400
kgの荷重をかけ、6日放置した。この時の被覆粒状肥
料同士の融着、凝結の状況を観察するとともに、荷重を
かける前後での3日目の溶出率の差(ΔA)を測定する
ことにより耐荷重性を評価した。
【0028】<落袋試験>10gの被覆粒状肥料をポリ
エチレン製の袋に入れ、ほぼ1層になる程度に広げた
後、20kg肥料袋の下面に張り付け、2mの高さから
20回落下させた。落下させる前後での3日目の溶出率
の差(ΔB)を測定することにより落袋強度を測定し
た。
【0029】<分解試験>被覆粒状肥料の表面に針で小
さな穴をあけた後、水に浸漬して内部の肥料を溶出させ
た。かくして得られたほぼもとの形状を維持した皮膜材
のみをステンレス製の網に入れ、ディープシャフト型活
性汚泥処理装置の曝気槽に浸漬し、一定期間毎に取り出
して分解状況を観察した。
【0030】
【実施例1】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)0.5重量部、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(商標;エバフレックス31
0、三井デュポンポリケミカル(株)製)0.25重量
部、ロジン系樹脂(デヒドロアビエチン酸ペンタエリス
リトールエステル、商標;スーパーエステルT−12
5、荒川化学(株)製)6.0重量部、ノニオン乳化剤
(商標;エマルゲン909、花王(株)製)0.25重
量部に300重量部のテトラクロルエチレンを加え、該
溶剤の沸点まで加熱リフラックスさせてこれらを溶解し
た。さらにこの溶液にタルク3.0重量部を加え、十分
攪拌して分散液を調整した。
【0031】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから10分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は55±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0032】製造された被覆粒状肥料は110重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=0.1%、ΔB=
1.3%であった。チッソの溶出率は10日目で0.5
%、30日目で13.5%、50日目で38.4%、チ
ッソの溶出率が全体の80%に達する日数は88日であ
った。
【0033】上記活性汚泥処槽に3ヶ月浸漬した皮膜材
は白化しぼろぼろになっていた。
【0034】
【実施例2】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)1.12重量部、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体(商標;エバフレックス31
0、三井デュポンポリケミカル(株)製)0.72重量
部、ロジン系樹脂(アビエチン酸カルシウム、商標;ラ
イムレジンNo.1、荒川化学(株)製)2.0重量
部、ノニオン乳化剤(商標;エマルゲン909、花王
(株)製)0.16重量部に300重量部のテトラクロ
ルエチレンを加え、該溶剤の沸点まで加熱リフラックス
させてこれらを溶解した。さらにこの溶液にタルク4.
0重量部を加え、十分攪拌して分散液を調整した。
【0035】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから10分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は55±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0036】製造された被覆粒状肥料は108重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=0.3%、ΔB=
2.1%であった。試験後の被覆粒状肥料の巨視的表面
状況は実施例2のものと有意差は見られなかった。チッ
ソの溶出率は10日目で3.0%、30日目で40.2
%、50日目で69.3%、チッソの溶出率が全体の8
0%に達する日数は65日であった。
【0037】上記活性汚泥処槽に3ヶ月浸漬した皮膜材
は白化しぼろぼろになっていた。
【0038】
【実施例3】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)1.08重量部、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体(商標;エバフレックス31
0、三井デュポンポリケミカル(株)製)0.42重量
部、ロジン系樹脂(商標;スーパーエステルT−12
5、荒川化学(株)製)0.78重量部、ノニオン乳化
剤(商標;エマルゲン909、花王(株)製)0.12
重量部に300重量部のテトラクロルエチレンを加え、
該溶剤の沸点まで加熱リフラックスさせてこれらを溶解
した。さらにこの溶液にタルク3.6重量部を加え、十
分攪拌して分散液を調整した。
【0039】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから10分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は55±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0040】製造された被覆粒状肥料は106重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=0.8%、ΔB=
6.2%であった。チッソの溶出率は10日目で6.2
%、20日目で40.3%、30日目で58.7%、チ
ッソの溶出率が全体の80%に達する日数は38日であ
った。
【0041】上記活性汚泥処槽に4ヶ月浸漬した皮膜材
は白化しぼろぼろになっていた。
【0042】
【比較例1】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)1.44重量部、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体(商標;エバフレックス31
0、三井デュポンポリケミカル(株)製)1.44重量
部、ロジン系樹脂(商標;ライムレジンNo.1、荒川
化学(株)製)1.04重量部、ノニオン乳化剤(商
標;エマルゲン909、花王(株)製)0.08重量部
に300重量部のテトラクロルエチレンを加え、該溶剤
の沸点まで加熱リフラックスさせてこれらを溶解した。
さらにこの溶液にタルク4.0重量部を加え、十分攪拌
して分散液を調整した。
【0043】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから10分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は55±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0044】製造された被覆粒状肥料は108重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=0.1%、ΔB=
1.8%であった。チッソの溶出率は10日目で11.
0%、30日目で39.4%、50日目で68.3%、
チッソの溶出率が全体の80%に達する日数は80日で
あった。
【0045】上記活性汚泥処槽に4ヶ月浸漬しても皮膜
材に殆ど変化は見られなかった。
【0046】
【比較例2】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)0.16重量部、ロジ
ン系樹脂(商標;ライムレジンNo.1、荒川化学
(株)製)3.68重量部、ノニオン乳化剤(商標;エ
マルゲンA−90、花王(株)製)0.16重量部に3
00重量部のテトラクロルエチレンを加え、該溶剤の沸
点まで加熱リフラックスさせてこれらを溶解した。さら
にこの溶液にタルク4.0重量部を加え、十分攪拌して
分散液を調整した。
【0047】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから10分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は55±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0048】製造された被覆粒状肥料は108重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=7.3%、ΔB=
54%であった。チッソの溶出率は10日目で23.1
%、20日目で41.1%、30日目で51.2%、チ
ッソの溶出率が全体の80%に達する日数は56日であ
った。
【0049】上記活性汚泥槽に4ヶ月浸漬した皮膜材は
白化しぼろぼろになっていた。
【0050】
【比較例3】図1に示す噴流装置を使用し被覆粒状肥料
を製造した。即ち、ポリエチレン(商標;サンテックM
2270、旭化成工業(株)製)2.0重量部、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(商標;エバフレックス31
0、三井デュポンポリケミカル(株)製)1.92重量
部、ノニオン乳化剤(商標;エマルゲンA−90、花王
(株)製)0.08重量部に300重量部のテトラクロ
ルエチレンを加え、該溶剤の沸点まで加熱リフラックス
させてこれらを溶解した。さらにこの溶液にタルク4.
0重量部を加え、十分攪拌して分散液を調整した。
【0051】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから10分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は55±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0052】製造された被覆粒状肥料は108重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=0.1%、ΔB=
1.4%であった。上記活性汚泥槽に浸漬した皮膜は6
ヶ月経過後も大きな変化は見られなかった。
【0053】
【比較例4】ロジン系樹脂(商標;ライムレジンNo.
1、荒川化学(株)製)4.3重量部、パラフィンワッ
クス0.7重量部に300重量部のテトラクロルエチレ
ンを加え、該溶剤の沸点まで加熱リフラックスさせてこ
れらを溶解した。さらにこの溶液にタルク5.0重量部
を加え、十分攪拌して分散液を調整した。
【0054】2−4mmで篩分した平均粒子径3.0m
mの粒状燐硝安カリ(N、P25、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風し
て装置内の温度が60℃で安定な噴流状態を起こさせ
た。次に、上記で調製した分散液を送液ポンプによりス
プレーノズルから15分を要して噴流装置に供給した。
この間、噴流装置内は50±2℃となるよう熱風の温度
を調節した。その後、熱風を冷風に切り替え、35℃以
下になった時点で噴流装置から内容物を取り出した。
【0055】製造された被覆粒状肥料は110重量部で
あり、供給された固形分のほぼ全量が被覆されているこ
とがわかった。得られた被覆粒状肥料の耐荷重試験、お
よび落袋試験を実施した結果、ΔA=8.2%、ΔB=
89%であった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、皮膜が速やかな分解性
を有するとともに、溶出特性や力学特性に優れた被覆粒
状肥料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法に使用する噴流装置の一例であ
る。
【符号の説明】
1 ブロアー 2 オリフィス 3 加熱器 4 貯槽 5 送液ポンプ 6 スプレーノズル 7 肥料 8 投入口 9 温度計 10 排出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジン系樹脂30〜90重量%とα−オ
    レフィン(共)重合体10〜70重量%を含む皮膜材で
    被覆してなる被覆粒状肥料。
  2. 【請求項2】 噴流ないしは転動状態の粒状肥料に、ロ
    ジン系樹脂30〜90重量%とα−オレフィン(共)重
    合体10〜70重量%を含む樹脂成分を供給し、該粒状
    肥料を被覆することを特徴とする請求項1に記載の被覆
    粒状肥料の製造方法。
JP9259581A 1997-09-25 1997-09-25 分解性被覆粒状肥料とその製造方法 Pending JPH1192260A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105885860A (zh) * 2016-04-13 2016-08-24 湖南省土壤肥料研究所 一种以过氧化钙为基质石蜡-松香为包膜的缓释氧化剂及制备方法

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