JPH10110007A - エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

エネルギー線硬化型樹脂組成物

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JPH10110007A
JPH10110007A JP28606496A JP28606496A JPH10110007A JP H10110007 A JPH10110007 A JP H10110007A JP 28606496 A JP28606496 A JP 28606496A JP 28606496 A JP28606496 A JP 28606496A JP H10110007 A JPH10110007 A JP H10110007A
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JP
Japan
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meth
compound
curable resin
cyclic terpene
resin composition
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JP28606496A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Morikawa
敏行 森川
Seiji Fujii
清司 藤井
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Yasuhara Chemical Co Ltd
Original Assignee
Yasuhara Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 硬化物の基材に対する密着性や可とう性、
耐熱性、電気絶縁性、耐水性などの性能を向上したエネ
ルギー線硬化型樹脂組成物を提供すること。 【構 成】 分子中に環状テルペン多価フェノール系化
合物の基本骨格を有する(メタ)アクリル化合物を含有
するエネルギー線硬化型樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエネルギー線硬化型
樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、硬化物の基材に
対する密着性や可とう性、耐熱性、電気絶縁性、耐水性
などに優れたエネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線、電子線などのいわゆるエ
ネルギー線を照射することによって硬化するエネルギー
線硬化型樹脂組成物は、無溶剤、省エネルギー、低温で
の高速硬化など様々な利点からレジストインキ等のプラ
スチック、金属、木材、紙などの塗装や印刷などに使用
されている。このような目的に使用されるエネルギー線
硬化型樹脂組成物として種々のアクリル化合物、メタク
リル化合物が使用されている。
【0003】例えば、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート等の多価(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジア
クリレート、オキシエチレン化ビスフェノールAジアク
リレート等のアルコキシ(メタ)アクリル酸エステル、
ビスフェノールA型グリシジルエーテルの(メタ)アク
リル酸エステル、フェノールノボラック型ポリエポキシ
化合物の(メタ)アクリレート等のエポキシアクリレー
ト等、種々の(メタ)アクリル化合物が使用されてい
る。
【0004】しかしながら、これらの化合物は、硬化物
の基材に対する密着性、可とう性、耐熱性、電気絶縁
性、耐水性などの性能が必ずしも満足するものではなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の課題を背景になされたもので、エネルギー線硬化
型樹脂組成物において、硬化物の基材に対する密着性や
可とう性、耐熱性、電気絶縁性、耐水性などの性能を向
上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、分子内に環状テ
ルペン多価フェノール系化合物を基本骨格とする(メ
タ)アクリル化合物を含有するエネルギー線硬化型樹脂
組成物を用いることにより上記目的を達成できることを
見出し本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は分子内に環状テルペン多価
フェノール系化合物を基本骨格とする(メタ)アクリル
化合物を含有することを特徴とするエネルギー線硬化型
樹脂組成物であり、分子内に環状テルペン多価フェノー
ル系化合物を基本骨格とする(メタ)アクリル化合物は
例えば次の化合物を指す。
【0008】(1)環状テルペン多価フェノール系化合
物の(メタ)アクリル酸エステル (2)環状テルペン多価フェノール系化合物のアルコキ
シ(メタ)アクリル酸エステル (3)環状テルペン多価フェノール系化合物のエポキシ
アクリレート (4)環状テルペン多価フェノール系化合物のウレタン
アクリレート
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明で使
用される分子内に環状テルペン多価フェノール系化合物
を基本骨格とする(メタ)アクリル化合物の環状テルペ
ン多価フェノール系化合物は環状テルペンとフェノール
化合物の反応物で、例えば下記一般式(3)または下記
一般式(4)で表される環状テルペン化合物1モルとフ
ェノールまたは炭素数1〜5のアルキル基及びまたは水
酸基の置換したフェノール化合物(以下フェノール類と
表す)2モルが付加した環状テルペン/フェノール類1
モル/2モル付加体を挙げることができる。
【0010】
【化3】
【0011】一般式(3)中、X1,X2,X3,X4
は、同一または異なり、水素原子、または、炭素数1〜
5のアルキル基、もしくは水酸基を示す。
【0012】
【化4】
【0013】一般式(4)中、X1,X2,X3,X4
は、同一または異なり、水素原子、または、炭素数1〜
5のアルキル基、もしくは水酸基を示す。
【0014】また本発明で使用される環状テルペン多価
フェノール系化合物として、上記化合物の他に、上記環
状テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体と、ア
ルデヒド類やケトン類との縮合反応で得られたポリ環状
テルペン/フェノール類1モル/2モル付加体、あるい
は環状テルペンとフェノール類を共重合させた環状テル
ペンフェノール共重合体、および環状テルペン1分子と
フェノール類1分子の割合で付加させた環状テルペン/
フェノール類1モル/1モル付加体と、アルデヒド類や
ケトン類との縮合反応で得られたポリ環状テルペン/フ
ェノール類1モル/1モル付加体等を挙げることもでき
るが、これらの化合物に限定されない。
【0015】本発明で使用される環状テルペン多価フェ
ノール系化合物を製造するための原料の環状テルペン化
合物は、単環のテルペン化合物であってもよいし、双環
のテルペン化合物であってもよい。その具体的な例とし
て例えば次のものが挙げられるがこれらに限定されるも
のではない。
【0016】α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リ
モネン、α−フェランドレン、β−フェランドレン、α
−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テル
ピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、
α−ターピネオール、β−ターピネオール、γ−ターピ
ネオール、4−ターピネオール、カンフェン、トリシク
レン、パラメンテン−1、パラメンテン−2、パラメン
テン−3、パラメンタジエン類、カレン等。
【0017】また、これらの環状テルペン化合物は単独
で使用することもできるし2種以上を混合して使用して
もかまわない。
【0018】本発明で使用される環状テルペン多価フェ
ノール系化合物を製造するための他方の原料であるフェ
ノール類としては、フェノールまたは炭素数1〜5のア
ルキル基及びまたは水酸基の置換したフェノール化合物
が挙げられる。
【0019】炭素数が1〜5のアルキル基が付加したフ
ェノール化合物としては、o−クレゾール、p−クレゾ
ール、m−クレゾール、2,6−キシレノール、2,4
キシレノール、プロピルフェノール、o−エチルフェノ
ール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、
o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブ
チルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシ
レノール、2,5−キシレノール、2,6ーキシレノー
ル、3,4ーキシレノール、3,6ーキシレノール、p
−フェニルフェノール等の化合物が挙げれるが、これら
の化合物に限定されない。
【0020】また水酸基の置換したフェノール化合物と
しては、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピ
ロガロール等の化合物が挙げられるが、これらの化合物
に限定されるものではない。
【0021】また、上記フェノール類の他にp−メトキ
シフェノール、m−メトキシフェノール、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ナフトール等の化合物を使用
することもできる。これらのフェノール類は、単独もし
くは2種以上混合して使用することができる。
【0022】本発明で使用される環状テルペン多価フェ
ノール系化合物の製造方法は、一般に環状テルペン化合
物とフェノール類を酸性触媒、またはフリーデルクラフ
ツ型触媒等の存在下で反応させることにより製造するこ
とができる。
【0023】例えば、一般式(3)または一般式(4)
で表される環状テルペン/フェノール類1モル/2モル
付加体を得るための付加反応は、環状テルペン化合物1
モルに対してフェノール類を1〜12モル、好ましくは
2〜8モル使用し、酸性触媒の存在下で20〜150℃
の温度で1〜10時間行わせる。その酸性触媒として
は、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、三フッ化硼素も
しくはその錯体、陽イオン交換樹脂、ヘテロポリ酸、活
性白土等が挙げられる。反応溶媒は使用しなくてもよい
が、芳香族系炭化水素類、アルコール類、エーテル類等
の溶媒を使用することもできる。
【0024】本発明で使用される分子内に環状テルペン
多価フェノール系化合物を基本骨格とする(メタ)アク
リル化合物は、(メタ)アクリル化合物の酸置換基の部
分が、環状テルペン多価フェノール系化合物を基本単位
とする化合物で構成されており、例えば環状テルペン多
価フェノール系化合物のヒドロキシル基の部分に(メ
タ)アクリル基を導入しエステル基としたもの、あるい
はヒドロキシル基を他の官能基を有する化合物と反応さ
せ、さらに(メタ)アクリル基を導入した化合物等を挙
げることができる。
【0025】例えば、 (1)環状テルペン多価フェノール系化合物の(メタ)
アクリル酸エステル (2)環状テルペン多価フェノール系化合物のアルコキ
シ(メタ)アクリル酸エステル (3)環状テルペン多価フェノール系化合物のエポキシ
アクリレート (4)環状テルペン多価フェノール系化合物のウレタン
アクリレート が挙げられる。
【0026】環状テルペン多価フェノール系化合物の
(メタ)アクリル酸エステルは環状テルペン多価フェノ
ール系化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化合物
であり、例えば、環状テルペン多価フェノール系化合物
と(メタ)アクリル酸によるエステル化反応、(メタ)
アクリル酸エステルによるエステル交換反応、(メタ)
アクリル酸クロリドによる縮合反応等により製造するこ
とができる。
【0027】環状テルペン多価フェノール系化合物のア
ルコキシ(メタ)アクリル酸は、環状テルペン多価フェ
ノール系化合物とエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド等のアルコキサイドとの反応物に(メタ)アクリ
ル酸を反応させたエステル化合物であり、例えば環状テ
ルペン多価フェノール系化合物のアルコキサイド反応物
と(メタ)アクリル酸によるエステル化反応、(メタ)
アクリル酸エステルによるエステル交換反応、(メタ)
アクリル酸クロリドによる縮合反応等により製造するこ
とができる。
【0028】環状テルペン多価フェノール系化合物のエ
ポキシアクリレートは、環状テルペン多価フェノール系
化合物とエピクロルヒドリン等との反応物に(メタ)ア
クリル酸を反応させたエステル化物であり、例えば環状
テルペン多価フェノール系化合物とエピクロルヒドリン
等とを縮合反応させエポキシ化合物とした後、(メタ)
アクリル酸と付加反応させることにより製造することが
できる。
【0029】環状テルペン多価フェノール系化合物のウ
レタンアクリレートは、環状テルペン多価フェノール系
化合物とジイソシアネート化合物の反応物に(メタ)ア
クリル酸のヒドロキシル含有エステルを反応させた化合
物、あるいは環状テルペン多価フェノール系化合物とエ
チレンオキサイド等のアルコキサイドとの反応物にジイ
ソシアネート化合物を反応させ、これにさらに(メタ)
アクリル酸のヒドロキシル含有エステルを反応させた化
合物である。例えば前者の例として、環状テルペン多価
フェノール系化合物とジイソシアネートを付加反応させ
た後、(メタ)アクリル酸アルキレングリコールモノエ
ステルを付加反応させることにより製造することができ
る。また、後者の例として、環状テルペン多価フェノー
ル系化合物のエチレンオキサイド反応物にジイソシアネ
ートを付加反応させた後、(メタ)アクリル酸アルキレ
ングリコールモノエステルをさらに付加反応させること
により製造することができる。
【0030】ここで用いられるジイソシアネート化合物
としては、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0031】また、(メタ)アクリル酸アルキレングリ
コールモノエステルは、アルキレングリコールと(メ
タ)アクリル酸のモノエステル体である。例えば、2ー
ヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート
等が挙げられる。
【0032】これらの環状テルペン多価フェノール系化
合物の(メタ)アクリル酸エステル、環状テルペン多価
フェノール系化合物のアルコキシ(メタ)アクリル酸エ
ステル、環状テルペン多価フェノール系化合物のエポキ
シアクリレート、環状テルペン多価フェノール系化合物
のウレタンアクリレート等は単独で使用することもでき
るし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0033】本発明のエネルーギー線硬化型樹脂組成物
に使用される上記分子内に環状テルペン多価フェノール
系化合物を基本骨格とする(メタ)アクリル化合物の使
用量は、組成物に対して5重量%以上、好ましくは10
重量%以上である。5重量%未満だと硬化物の密着性等
の性能を満足することができない。
【0034】また、本発明のエネルーギー線硬化型樹脂
組成物に、上記環状テルペン多価フェノール系化合物の
(メタ)アクリル酸エステル、環状テルペン多価フェノ
ール系化合物のアルコキシ(メタ)アクリル酸エステ
ル、環状テルペン多価フェノール系化合物のエポキシア
クリレート、環状テルペン多価フェノール系化合物のウ
レタンアクリレートに他の(メタ)アクリル化合物を併
用することができる。
【0035】他の(メタ)アクリル化合物としては、例
えば、エチレングリコール等の多価アルコールとフタル
酸等の多塩基酸との反応で得られるポリエステルを(メ
タ)アクリル化して製造されるポリエステルアクリレー
トやビスフェノールA型またはノボラック型または脂環
型エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル酸でエ
ステル化することにより得られるエポキシアクリレー
ト、あるいはジフェニルメタンジイソシアネート等のジ
イソシアネート化合物に2ーヒドロキシ(メタ)アクリ
レートのようなヒドロキシ基を有するアクリレートを反
応させて得られるウレタンアクリレート、更にはポリエ
ーテルアクリレート、メラミンアクリレート、アルキッ
ドアクリレート、シリコンアクリレート等が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0036】これら他の(メタ)アクリル化合物の使用
量は、組成物に対して、70重量%未満、好ましくは5
0重量%未満である。70重量%を越えると硬化物の密
着性等の性能を満足することができない。
【0037】分子内に環状テルペン多価フェノール系化
合物を基本骨格とする(メタ)アクリル化合物と上記他
の(メタ)アクリル化合物は、分子末端にアクリル基ま
たはメタクリル基が2個以上結合した化合物を指すが、
エネルギー線による反応性は一般に、アクリル基のほう
がメタクリル基よりも高くその有用性は大きい。本発明
のエネルーギー線硬化型樹脂組成物にはアクリル化合
物、メタクリル化合物ともに使用可能であるが、上記の
理由よりアクリル化合物のほうがより好ましく用いられ
る。
【0038】本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物に
は、硬化反応を促進させるため通常光開始剤が添加され
る。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインフェニ
ルエーテル、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、ミヒラーケトン、4ー
ジアルキルアミノアセトフェノン、2−フェニルチオア
セトフェノン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、
ベンゾイルベンゾエート、アンスラキノン、2ーエチル
アンスラキノン、ナフトキノン、2,4−ジイソプロピ
ルチオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジフェニルジサルファイド、テトラメチルチウラム
モノサルファイド、テトラエチルチウラムジサルファイ
ド、ベンゾフェノン、ビバロインエチルエーテル、ジベ
ンジルサルファイド、シンナモイルクロライド、ジメチ
ルジフェニレンジサルファイド、ジベンゾチアゾールジ
サルファイド等が挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0039】この光開始剤の使用量は、エネルギー線硬
化型樹脂組成物に対して0.01重量%以上、5重量%
以下、好ましくは,0.05重量%以上、3%以下であ
る。0.01重量%未満だと硬化速度が遅く実用的でな
い。また、5重量%を越えると硬化速度向上効果がもは
や得られず、且つ硬化皮膜の性能が低下するので好まし
くない。
【0040】本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物に
は、光開始剤の効果を増強させる目的で、増感剤を添加
することができる。増感剤は単独ではエネルギー線照射
によって活性化しないが、光開始剤と一緒に使用する
と、光開始剤単独よりも効果を上げるものである。例え
ば、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、n−
ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチ
ルホスフィン、アリルチオ尿素、s−ベンジルイソチウ
ロニウムーpートルエンスルフィネート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート等が挙げられるがこれらに限定
されない。
【0041】この増感剤の使用量は、エネルギー線硬化
型樹脂組成物に対して0.01重量%以上、5重量%以
下、好ましくは,0.05重量%以上、3%以下であ
る。0.01重量%未満だと硬化速度が遅く実用的でな
い。また、5重量%を越えると増感剤としての向上効果
がもはや得られず、且つ硬化皮膜の性能が低下するので
好ましくない。
【0042】本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物に
は、実用に際して粘度を下げ作業性を向上させる目的で
光重合性希釈剤を用いることができる。例えば、2−エ
チルヘキシルアクリレート、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2
ーヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、ジシクロペンテニルアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ビス(アクリロキシエチル)ビスフェノール
A、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート等が挙げられるがこれ
らに限定されるものではない。
【0043】この光重合性希釈剤の使用量はエネルギー
線硬化型樹脂組成物に対して70重量%以下、好ましく
は50重量%以下である。70重量%を越えると、硬化
物の実用性能に劣り好ましくない。
【0044】本発明で必要に応じて無機充填剤、レベリ
ング剤、顔料や染料等の着色剤、消泡剤、密着性付与
剤、可塑剤、溶剤、貯蔵安定剤等の成分を添加すること
ができる。
【0045】本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物に
照射して硬化反応させるためのエネルギー線としては、
紫外線、電子線、X線等が挙げられる。紫外線照射に用
いる光源としては、太陽光線、ケミカルランプ、低圧水
銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンラ
ンプ、カーボンアーク等が使用できる。
【0046】本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物を
用いることにより、皮膚刺激性が少なく、硬化物の基材
に対する密着性や、耐摩擦強度などの耐久性、さらには
耐熱性、耐水性、可とう性などの性能が向上する。これ
は環状のテルペン骨格を(メタ)アクリル化合物に導入
したことに起因すると考えられる。即ち、炭素原子と水
素原子で構成されたメンタン骨格、ピナン骨格、ボルナ
ン骨格などの環状テルペン骨格が、皮膚刺激性の少ない
組成物を与え、硬化物の耐久性、耐熱性、耐水性、可と
う性を与えるものと考えられる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示すが、
本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではな
い。尚、実施例中、部および%は特に断らない限り、重
量基準を示す。
【0048】合成例1 環状テルペン多価フェノール系
化合物のアクリル酸エステルの合成 温度計、環流冷却管、滴下ロート、攪拌装置を付けたガ
ラス製フラスコに、一般式(3)で示される化合物の実
例である下記構造式(1)に示す1,3−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−p−メンタン(ガスクロマトグラ
フィーによる純度99.4%)を32.4g、メタノー
ルを150ml、水酸化ナトリウムを8.0g仕込み、
攪拌し溶解させた。滴下ロートに塩化アクリロイル1
8.1gにハイドロキノン0.1gを溶解させたものを
仕込み、窒素ガスシール下、50℃で滴下反応させた。
滴下終了後、同温度で2時間攪拌した。反応生成物にト
ルエンを300ml加え溶解させ、水500mlを加え
攪拌し、下層を分液し上層液をさらに水300mlで3
回水洗を行った。得られた反応油にハイドロキノンを
0.1g加え、減圧下トルエンを留去し、1mmHgの
真空下軽沸点化合物を留去させ、釜残として黄色粘ちょ
う液状の目的物38.6gを得た。液体クロマトグラフ
ィーによる分析の結果、目的の環状テルペンジフェノー
ル化合物のアクリル酸エステルの純度は82%であっ
た。
【0049】
【化5】
【0050】合成例2 環状テルペン多価フェノール系
化合物のアルコキシアクリル酸エステルの合成 ガラス内張りのオートクレーブに一般式(4)で示され
る化合物の実例である下記構造式(2)に示す2,8−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン(ガス
クロマトグラフィーによる純度98.3%)を32.4
g、粉末状水酸化ナトリウムを0.0162g仕込み、
160℃に加熱攪拌し、次いで反応容器内を10mmH
gの減圧にし、8.8gのエチレンオキサイドを3気圧
の窒素圧の下に流入を調節しながら圧入し反応を行っ
た。続いて、環流装置付き油水分離器を装着した反応器
に先の反応物とトルエンを100g、アクリル酸を1
5.8g、濃硫酸を0.32g、ハイドロキノンを0.
1g仕込み、加熱攪拌しながら、110℃で環流した。
生成してくる水を油水分離器で除去しながら、10時間
反応した。次に反応油を水洗し、減圧下蒸留を行い、ト
ルエン、未反応物を留去させ、釜残として黄色粘ちょう
液状の目的物35.8gを得た。液体クロマトグラフィ
ーによる分析の結果、目的の環状テルペンジフェノール
化合物のアルコキシアクリル酸エステルの純度は84%
であった。
【0051】
【化6】
【0052】合成例3 環状テルペン多価フェノール系
化合物のエポキシアクリレートの合成 温度計、攪拌装置、冷却管を付けたフラスコに構造式
(1)の1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p
−メンタン(ガスクロマトグラフィーによる純度99.
4%)を32.4g、エピクロルヒドリンを92.5
g、イソプロピルアルコールを50g仕込み溶解させ
た。次いでこの溶液を40℃に保ちながら45重量%の
水酸化ナトリウム水溶液19.5gを1時間で滴下し
た。その後内温を60℃に昇温させ1時間攪拌した。反
応液は水洗し、さらに減圧下で過剰のエピクロルヒドリ
ンとイソプロピルアルコールを留去しエポキシ化合物を
得た。次に、このエポキシ化合物にアクリル酸を14.
7g、メトキシハイドロキノンを0.05g、テトラメ
チルアンモニウムブロマイドを0.3g加え、130℃
で4時間反応させた。その後室温まで冷却し、目的とす
る黄色粘ちょう液状のエポキシアクリレート50.2g
を得た。
【0053】合成例4 環状テルペン多価フェノール系
化合物のウレタンアクリレートの合成 温度計、攪拌装置、冷却管、窒素ガスシール管を付けた
フラスコに構造式(2)の2,8−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−p−メンタン(ガスクロマトグラフィー
による純度98.3%)を32.4gを仕込み、130
℃に加熱し溶解させる。これを60torrの減圧下、
撹拌しながら脱泡した。次に、4,4’ージフェニルメ
タンジイソシアネートを50g加え、窒素ガスシール下
130℃で1時間撹拌反応させた。次に、130℃で2
ーヒドロキシエチルアクリレートを23.2gを30分
間で滴下し、その後同温度で30分間後反応を行い、目
的とする黄色粘ちょう液状のウレタンアクリレート10
5.6gを得た。
【0054】実施例1 合成例1で得られた環状テルペン多価フェノール系化合
物のジアクリレートを用いて、表1に示す配合処方の紫
外線硬化型ソルダーレジストインキ組成物とした。この
配合物を三本ロールで均一に混練りし、300メッシュ
のポリエステルスクリーン版を用い、ポリイミド基板フ
レキシブル銅張積層板に印刷し、80W/cm高圧水銀
灯下、15cmの距離で1,000mJ/平方cmの積
算光量で硬化させた。硬化物は下記の方法で密着性、可
とう性、ハンダ耐熱性、電気絶縁性、耐水性についての
評価を行った。得られたレジスト膜の諸性能の測定結果
を表2に示す。
【0055】評価方法 〈密着性〉レジスト膜のゴバン目クロスカット・セロフ
ァンテープ剥離試験(JISD0202) 〈可とう性〉180度の外折り内折り試験(MIT試
験)によるクラック発生までの折り曲げ回数で判定し
た。(径=4mmφ) 〈半田耐熱性〉250℃の半田浴に1分間浸漬後の外観
変化を評価した。 〈電気絶縁抵抗〉エッチング法により形成したくし型電
極(JISZ−3197)を用い、その絶縁抵抗値を測
定した。 〈耐水性〉試験片を、沸騰水中に100時間入れ、重量
の変化を吸水率(%)として測定した。
【0056】比較例1 実施例1で用いたジアクリレート体に代えて、ネオペン
チルグリコールジアクリレートを用いる以外は実施例1
と同様の配合で硬化させレジスト膜を得た。得られたレ
ジスト膜の諸性能の測定結果を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】実施例2〜4 合成例2〜4で得られた環状テルペン多価フェノール系
化合物のアルコキシアクリル酸エステル(実施例2)、
環状テルペン多価フェノール系化合物のエポキシアクリ
レート(実施例3)、環状テルペン多価フェノール系化
合物のウレタンアクリレート(実施例4)をそれぞれ用
いて、表1に示す配合処方の紫外線硬化型ソルダーレジ
ストインキ組成物とし、実施例1と同様に評価した。得
られたレジスト膜の諸性能の測定結果を表3〜4に示
す。
【0060】比較例2〜4 実施例2〜4で用いたジアクリレート体に代えて、ビス
(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA(比較例
2)、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(比較
例3)、4,4’ージフェニルメタンジイソシアネート
と2ーヒドロキシエチルアクリレートとの反応で得られ
るウレタンアクリレート(比較例4)をそれぞれ用いる
以外は実施例2〜4と同様の配合で硬化させレジスト膜
を得た。得られたレジスト膜の諸性能の測定結果を表3
〜5に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】表2および表3〜5より、本発明に使用さ
れるジアクリレートを用いた硬化物は、密着性、可とう
性、半田耐熱性、電気絶縁性および耐水性の向上が認め
られた。
【0065】
【発明の効果】本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物
はレジストインキ等のプラスチック、金属、木材、紙な
どの塗装や印刷などに用いることにより、密着性、可と
う性、耐熱性、電気絶縁性、耐水性等を向上させる目的
に好適である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に環状テルペン多価フェノール系
    化合物の基本骨格を有する(メタ)アクリル化合物を含
    有することを特徴とするエネルギー線硬化型樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル化合物が、(メタ)ア
    クリル酸エステルである請求項1記載のエネルギー線硬
    化型樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル化合物が、アルコキシ
    (メタ)アクリル酸エステルである請求項1記載のエネ
    ルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリル化合物がエポキシアク
    リレートである請求項1記載のエネルギー線硬化型樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 (メタ)アクリル化合物がウレタンアク
    リレートである請求項1記載のエネルギー線硬化型樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 環状テルペン多価フェノール系化合物が
    下記 【化1】 の一般式(1)で表される請求項1または請求項2また
    は請求項3または請求項4または請求項5記載のエネル
    ギー線硬化型樹脂組成物。 【化1】
  7. 【請求項7】 環状テルペン多価フェノール系化合物が
    下記 【化2】 の一般式(2)で表される請求項1または請求項2また
    は請求項3または請求項4または請求項5記載のエネル
    ギー線硬化型樹脂組成物。 【化2】
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