JPH10103380A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

クラッチレリーズ軸受装置

Info

Publication number
JPH10103380A
JPH10103380A JP25974596A JP25974596A JPH10103380A JP H10103380 A JPH10103380 A JP H10103380A JP 25974596 A JP25974596 A JP 25974596A JP 25974596 A JP25974596 A JP 25974596A JP H10103380 A JPH10103380 A JP H10103380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring member
clutch release
bearing
release bearing
outer ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25974596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3963024B2 (ja
Inventor
Hideo Ouchi
英男 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP25974596A priority Critical patent/JP3963024B2/ja
Publication of JPH10103380A publication Critical patent/JPH10103380A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3963024B2 publication Critical patent/JP3963024B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外輪に不用意に半径方向の力が印加されて
も、容易に脱落することのないばね部材を設けたクラッ
チレリーズ軸受装置を提供する。 【解決手段】 ばね部材30における軸受静止輪12側
の端部に、半径方向に力が印加されたときに、ばね部材
が傾くことによって、端部が静止輪12から外れる前
に、ばね部材30の凹部の一つがフランジ部22と接触
し、それによりばね部材30の傾きが制限されるように
なっている。ばね部材30は、その傾きが制限されれば
容易に脱落することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッチレリーズ軸
受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両等に搭載され摩擦板を用いた動力断
続装置であるクラッチを動作させる場合において、入力
部材であるシフトフォークでクラッチカバーのダイヤフ
ラムスプリングを軸線方向に押圧することにより、スプ
リングの付勢力を摩擦板から解除して動力伝達の切り離
しが行なわれている。
【0003】ところで、シフトフォークは車体等の固定
側に通常配置されているが、クラッチカバーはエンジン
のフライホイール等に取り付けられてそれと一体的に回
転するようになっている。従って、クラッチカバーのダ
イヤフラムスプリングをシフトフォークが直に押圧する
となると、当接部の摩耗を招来することとなる。そこ
で、ダイヤフラムスプリングに当接して一体的に回転す
る回転輪を含むクラッチレリーズ軸受と、この軸受を所
定の状態に保持すると共にシフトフォークからの入力を
受けるようになっている回転しない軸受保持部材とから
なるクラッチレリーズ軸受装置を、例えば特開平7−2
86629号に示されているように、ダイヤフラムスプ
リングとシフトフォークとの間に設けている。
【0004】この特開平7−286629号に開示され
たクラッチレリーズ軸受装置においては、軸受の内輪の
先端部がダイヤフラムスプリングに対向し、一方軸受の
外輪の後端がガイドスリーブのフランジ部と当接してい
る。更に、ばね部材により外輪とフランジ部とを軸線方
向に挟み込むようにして、軸受はガイドスリーブに取り
付けられている。シフトフォークの先端によりガイドス
リーブのフランジ部がばね部材を介して後方から押され
れば、内輪先端部がダイヤフラムスプリングに当接する
よう、軸受装置全体が軸線方向に移動可能となってい
る。
【0005】ここで軸受外輪は、ガイドスリーブのフラ
ンジ部に対して半径方向に移動自在となるよう、ばね部
材によって付勢され弾性的に支持されているため、ガイ
ドスリーブのフランジ部が後方よりシフトフォークに押
されて軸受の外輪がクラッチのダイヤフラムスプリング
に当接したときに、互いの間に偏心があっても、自動的
に軸受が調心されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図15に、かかる従来
技術の構成によるクラッチレリーズ軸受装置の一部断面
を示す。ここで、ばね部材530は略U字形状であり、
その頂面はフラットになっている。従って、ばね部材5
30の外輪512側端部に半径方向に力Fを印加する
と、ばね部材530とフランジ部522との係合点Pを
支点として、比較的大きなモーメントMが生じ、よって
ばね部材530が変形することにより容易に外れてしま
う恐れがある。
【0007】本願発明の目的は、外輪に不用意に半径方
向の力が印加されても、容易に脱落することのないばね
部材を設けたクラッチレリーズ軸受装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決する手段】上記目的を達成すべく、本願発
明のクラッチレリーズ軸受装置は、互いに同心的に配置
されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が
固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材
に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、
ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部と、外方延在
部とを備える軸受保持手段と、該軸受保持手段に対し
て、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に
移動可能となるよう保持する連結部材とからなっている
クラッチレリーズ軸受装置において、前記連結部材は、
軸線方向に異なる2以上の幅を有する凹部を有し、前記
連結部材の一方の端部は、前記外方延在部に係合してお
り、前記連結部材の他方の端部は、前記クラッチレリー
ズ軸受の静止輪に係合し、前記外方延在部と前記静止輪
とが近接する方向に押圧力を印加するようになってお
り、前記連結部材の静止輪側の端部に、半径方向に力が
印加されたときに、前記連結部材が傾くことによって、
前記端部が前記静止輪から外れる前に、前記凹部の一つ
が前記外方延在部と接触し、それにより前記連結部材の
傾きが制限されるようになっている。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明のクラッチレリーズ軸受
によれば、前記連結部材の静止輪側の端部に、半径方向
に力が印加されたときに、前記連結部材が傾くことによ
って、前記端部が前記静止輪から外れる前に、前記凹部
の一つが前記外方延在部と接触し、それにより前記連結
部材の傾きが制限されるようになっている。前記連結部
材は、その傾きが制限されれば容易に脱落することがな
くなる。
【0010】
【実施例】以下、本願発明の実施例を図面を参照して以
下に詳細に説明する。図1は、本願発明の実施例である
クラッチレリーズ軸受装置をシフトフォーク側から見た
図である。図2は、図1のII-II線に沿って切断して矢
印方向に見た軸線方向断面図である。
【0011】図2において、クラッチレリーズ装置は、
クラッチレリーズ軸受10と、軸受保持手段であるガイ
ドスリーブ20と、連結部材であるばね部材30とから
なる。クラッチレリーズ軸受10は、左方端に当接部1
1aを有する略円管状の内輪11と、内輪11を同心的
に内包する短い円管状の外輪12と、内輪11と外輪1
2との間に転動自在に配置された複数のボール15と、
ボール15を所定間隔で保持する保持器16と、ボール
15の軸線方向両側で内輪11と外輪12とにより画成
される空間を防塵油密的に密封するシール17、18と
からなる。内輪11は外輪12に対して回転自在に支持
されている。また内輪11の当接部11aは、半径方向
外方にめくれたような形状をしており、図示しないクラ
ッチカバーのダイヤフラムスプリングに当接するように
なっている。また、内輪11の当接部11aと反対側の
端部はプレスによるブランク加工のままとし、切削加工
を行わず製作コストを安くするようにしている。
【0012】一方、ガイドスリーブ20は樹脂製であっ
て、円管状の本体21と、本体21の中央近傍の外周か
ら半径方向に延在するフランジ部(外方延在部)22
と、フランジ部22の半径方向外方端において軸線方向
左方に突出する外壁部23と、フランジ部22の半径方
向外方端において軸線方向に突出するガイド部25(図
1)とからなる。本体21の内方には図示しないガイド
軸が延在しており、本体21はガイド軸上を摺動自在と
なっている。なお、本体21の内方には拡径部24が設
けられている。この拡径部24は、本体21がガイド軸
上を摺動する際に異物を噛みこまないように機能するも
のである。外壁部23は、クラッチレリーズ軸受10の
外方に設けられ、その半径方向の移動制限部となってい
る。また、クラッチレリーズ軸受10を半径方向に移動
可能とするため、外輪12の外周と外壁23の内周との
間には隙間27が形成されている。フランジ部22の中
程には、水平溝26が設けられており、この水平溝26
にはシフトフォークを固定するクリップ(不図示)が挿
入されるようになっている。
【0013】更に、フランジ部22は、ばね部材30の
取付部に半径方向に延在する外方突起22hを有する。
ばね部材30と外方突起22hとの間には、スキマΔが
存在する。ばね部材30における外輪12の当接面の、
鉛直方向に対する傾き角αは0ないし5度である。
【0014】図3は、ガイドスリーブ20を図1と同一
方向に見た図であり、図4は、図3のガイドスリーブ2
0をIV方向に見た部分拡大図である。図3において、ガ
イドスリーブ20のフランジ部22の水平方向端部に
は、突起22fが形成されている。また、フランジ部2
2には、ばね部材30の取付位置に形成されたストッパ
22gと、一対の突起22cが形成されている。フラン
ジ部22の内方略全面部22aは、後述する補強部材4
0の板厚・形状に合わせてフランジ部22の周辺より低
くなっているが、ばね部材30の嵌合する部分22b
は、それより高くなっている。ガイド部25はばね部材
30の組付時にガイドの機能を有するものであり、図4
に示すようにばね部材30の両わきを軸線方向に延在し
ている。
【0015】図1より明らかなように、同一形状のもの
が2つ設けられたばね部材30は、クラッチレリーズ軸
受10をガイドスリーブ20に対して取り付ける機能を
有する。図5は、ばね部材30の斜視図である。ばね部
材30は、一枚のSK5等のばね鋼板をプレスで打ち抜
いた後折り曲げその後焼入処理することによって形成さ
れている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20のフラ
ンジ部に当接するベース部31と、軸受の外輪12に当
接する押圧部32と、ベース部31と押圧部32との間
に設けられ、押圧部32に外輪12を付勢するための弾
性力を付与する梁部33とからなっている。なお、押圧
部32はシール17に接触しないように、またばね部材
30の組付を容易にすべく、軸線方向外方に傾斜した傾
斜部32aを有する。
【0016】更にばね部材30は、ベース部31と梁部
33との略中間において、半径方向に突出するように形
成された凸部34を有し、この凸部34は、ガイドスリ
ーブ20のフランジ22部の端部に対応している。ま
た、ベース部31の両側部31aにおける下方端近傍に
おいては、切欠き37が形成され、更にその下縁部31
bには、比較的大きな切欠き38が形成されている。切
欠き38と下縁部31bとの交差部には、面取り39が
形成されている。ここで凸部34の内側が第1の凹部3
0aとなり、ベース部31と押圧部32との間が第2の
凹部30bとなる。
【0017】図6は、補強部材40の斜視図である。補
強部材40は、円筒部41と、円筒部41の略中央から
上方および下方へ突出した板状のアンビル部42と、円
筒部41の端部から半径方向に延在するフランジ部43
とからなり、比較的肉厚の薄い板をプレスし、その後ア
ンビル部42をチタンコーティングしている。これによ
りシフトフォークとの接触部にて著しい摩耗が発生しな
いようにしている。
【0018】円筒部41は、ガイドスリーブ20に取り
付けられた際に本体21に丁度嵌合する径を有し、それ
により補強部材40の半径方向の位置決めが達成される
ようになっている。円筒部41の上方および下方は、ア
ンビル部42と対応するように延長されて矩形部41a
を形成している。この矩形部41aは、シフトフォーク
をガイドする機能と、アンビル部の剛性を確保する機能
とを有する。アンビル部42とフランジ部43との間に
は段差が形成されている。
【0019】補強部材40のフランジ部43には、円周
部に矩形状切欠43aが形成されており、この切欠43
aは取付時に、ガイドスリーブ20のフランジ部22の
対応する位置に形成された突起22fと係合して、補強
部材40の回り止めを達成している。更に、フランジ部
43には、ガイドスリーブ20の突起22cとストッパ
22g及び部分22bを貫通させるためのC字形切欠き
43bが形成されている。
【0020】尚、ガイドスリーブ20のストッパ22g
は、図1から明らかなように、ばね部材30をガイドス
リーブ20に取り付ける際に、ばね部材30の切欠き3
8に係合して、それ以上ばね部材30が内方に押し込ま
れることを防止するよう機能する。ばね部材30の面取
り39は、その挿入を容易にする機能を有する。
【0021】図7は、図1のVII-VII線に沿って切断し
た部分を拡大して矢印方向に見た図である。ガイドスリ
ーブ20のフランジ部22には、更に突起22cが形成
されている。突起22cは、斜面22dと台部22eと
からなっており、ばね部材30が装着された際に切欠き
37に係合する形状となっている。フランジ部22の部
分22a(図3)と22bの段差は補強部材40の板厚
より大きいため、そこに補強部材40をセットすると、
ばね部材30と補強部材40との間にスキマδが生ずる
ようになっている。
【0022】次に、本願発明の実施例であるクラッチレ
リーズ軸受装置の動作につき以下に説明する。図1にお
いて、図示しないシフトフォークが枢動して、その先端
が補強部材40のアンビル部42に当接して一定の荷重
を印加する。補強部材40の板厚は比較的厚くその剛性
も十分であるため、シフトフォークより受ける大荷重を
受けることができる。シフトフォークとアンビル部42
の接触は滑り接触であるが、アンビル部42はチタンコ
ーティングされているので摩耗は小さく抑えられる。ク
ラッチレリーズ軸受装置は、シフトフォークからの入力
により図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図
示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内
輪11の当接部11aを当接させる。ダイヤフラムスプ
リングが回転していても、内輪11は回転自在であるの
で、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転する
こととなり、更に軸受装置が軸線方向に移動することに
よりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが動
作されるようになっている。
【0023】ばね部材30は適切な板厚となっていて、
ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受10
を、押圧部32と外輪12との間に作用する摩擦力のみ
で支持しているため、軸受10はガイドスリーブ20に
対して半径方向に移動可能となっている。従って、内輪
11の当接部11aがダイヤフラムスプリングに当接し
たとき、両者の間に偏心があれば、軸受10を同心に位
置させようとする公知の力が生じ、それにより軸受10
は半径方向に移動して、自動調心が達成されることとな
る。なお、ガイドスリーブ20の外壁部23は、軸受1
0が所定量以上半径方向外方に移動しないよう制限する
機能を有する。また、一般の玉軸受の外輪にはフランジ
がないタイプが多いので、本実施例のように外輪をばね
部材30で挟みこむように構成すれば、外輪自体を改造
する必要がなく既存のものを使用でき、コスト低減に寄
与しうる。
【0024】ばね部材30と補強部材40とは、図7に
示すようにスキマδが生ずる程度に離隔しているため、
クラッチレリーズ動作に伴いシフトフォークから補強部
材40に軸線に直角な方向の力が印加された場合でも、
かかる力はばね部材30に伝達されることはない。した
がって、ばね部材30は、シフトフォークからの力で変
形等することはない。
【0025】次に、クラッチレリーズ軸受装置の組付方
法について説明する。 ガイドスリーブ20の本体21
の周囲に、クラッチレリーズ軸受10および補強部材4
0が配置された後、図1の斜め上方及び斜め下方からば
ね部材30が、ガイドスリーブ20のガイド部25にガ
イドされつつ挿入される。ばね部材30は外周の一方向
から挿入できるようにしているため、組付が容易となっ
ている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20の突起2
2cを弾性変形しながら乗り越えて、切欠き37が突起
22cに係合し、かつ切欠き38がストッパ22gに当
接した段階で所定の形状に戻り、組付が完了する。斜面
22dの作用によりばね部材30の挿入は比較的容易に
行われるが、一旦係合した後は台部22eの作用により
不用意に抜けないように構成されている。
【0026】ところで、ばね部材30の剛性が高すぎる
と、ガイドスリーブ20は樹脂性であることから、突起
乗り上げ時に突起22cを削ってしまう恐れがあるの
で、適切な剛性とすることが必要である。そこで、図5
に示すように、本実施例においては、l1=5ないし8m
m、l2=3ないし4mm、l3=1.5ないし2.5mm 、
4=2ないし4mm、l5=0.5ないし1.5mmとし、
適切な剛性を得ている。かかる場合、突起22cの高さ
を0.6ないし0.9mm、ばね部材30の板厚を0.6
ないし0.9mmとすれば適切な剛性が得られるので、ば
ね部材30の組付時に突起22cが削られることがな
い。
【0027】図8は、図2のクラッチレリーズ軸受にお
いて、ばね部材30の近傍を取り出して拡大した図であ
る。図8において、ばね部材30の押圧部32近傍に半
径方向の力Fが印加されたとすると、ばね部材30は反
時計まわりのモーメントを受けて、押圧部32が軸受外
輪12から離隔する方向に曲がろうとする。しかしなが
ら、スキマΔ(図2)が適切な値となっているため、か
かる場合にはばね部材30の押圧部32が軸受外輪12
から外れる前に、凸部34の内面つまり第1の凹部30
aが外方突起22hと干渉し、それ以上の曲がりを制限
することになる。これにより、押圧部32が外輪12か
ら離隔することを防止し、もってばね部材30が脱落す
ることを防止するものである。なお、本実施例ではばね
部材30と外方突起22hとの間にスキマを持たせた構
造にしてあるが、組込み状態でスキマなく当初から接触
している構造にすることも可能である。ただし、この場
合にはばね部材30に過大な応力が働かないように、ま
た、しめ代が大きくなり過ぎないように考慮する必要が
ある。つまり、大きな荷重を負荷して無理にばね部材を
抜こうとするとガイドスリーブ20の外方突起22hが
せん断されてばね部材30が脱落してしまうおそれがあ
るが、ガイドスリーブ20の外方突起22hのせん断を
受ける面積が大きくなるように設計すれば、ばね部材3
0が壊れるまで大きな荷重を負荷しても脱落しないよう
にすることができる。
【0028】ところで、従来構造によるクラッチレリー
ズ軸受装置の場合、軸受外輪12の肉厚が薄いと、許容
偏心量の範囲内で軸受10を動かしたとき、ばね部材3
0の先端の押圧部32が外輪12の内径から外れて(つ
まり内側に落ち込んで)しまうことがある。ばね部材3
0の全てが同じような接触状態(先端32a全周が内側
に落ち込んだ状態)になれば、外輪12はどちらの方向
にもスムーズに動けるようになる。しかしながら、ばね
部材30と内輪11とが干渉しないような寸法としてい
るため、押圧部32が外れた部分と180度反対側の押
圧部32は、外輪12の端面から外れないこととなる。
このような状態になると、軸受外輪12は、抵抗の大き
い方(すなわちばね部材を押し広げる方向)には動きに
くくなり、このため調心機能が十分発揮できない恐れが
ある。
【0029】そこで、本実施例においては、図2に示す
ようにばね部材30の取付状態において、押圧部32の
鉛直方向に対する角度(接触角)αを0ないし5度とし
て、いかなる半径方向に外輪12が移動しても、押圧部
32の先端32aが外輪12の内径側に落ち込まないよ
うにしている。また、ばね部材の断面高さを小さくでき
るので、ばね部材30と内輪11との干渉がないよう設
計することが容易となる。なお、あまり大きな接触角は
問題があるので、5度程度にとどめるのが好ましい。
【0030】図9は、本願発明の第2の実施例のクラッ
チレリーズ軸受装置を示す、図2と同様な断面図であ
る。図9の実施例は図2の実施例とほぼ同様であるが、
外方突起122hの突出量Lが、図2の外方突起22h
の突出量lよりも大きい点において相違する。これによ
り、ばね部材30と外方突起22hとのスキマΔが、図
2の実施例と同一であっても、押圧部32に半径方向力
が印加されたとき、ばね部材30の傾きは比較的小さく
抑えることができる。
【0031】更に、本願発明の第3の実施例を図面を参
照して以下に詳細に説明する。図10は、本願発明の第
3の実施例であるクラッチレリーズ軸受装置をシフトフ
ォーク側から見た図である。図11は、図10のXI-XI
線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図であ
る。
【0032】第3の実施例が上述した実施例と最も異な
るのは、補強部材140の形状である。図12は、補強
部材140の斜視図である。図12において、補強部材
140は、大円筒141と小円筒142を直列に連結
し、それに断面がC字形状のアーム143、144を両
わきに連結した構成となっている。大円筒141は、そ
の外周から頂面にかけて2つの切欠145、146を形
成している。また、アーム143、144の自由端から
は、軸線方向に鈎状のタブ143a、144aがそれぞ
れ延在している。なお、補強部材140はプレス加工を
容易とすべく、SPCC等の軟鋼から形成されており、
タブ143a、144aは摩耗等を防止すべく浸炭窒化
処理がされている。
【0033】第3の実施例は、シフトフォークとの接触
部がシフトフォークの強度上のバックアップとなるガイ
ドスリーブ20の外径よりも外側に配置された場合、す
なわち図11の点Psにおいてシフトフォークが当接す
るような場合に、より効果的である。補強部材140の
小円筒142の内径は本体21の外径にほぼ等しく、大
円筒141の内径はフランジ部22の外径にほぼ等しく
なっており、図11に示すように、ガイドスリーブ20
と嵌合してすっぽりと包み込むような形状となってい
る。
【0034】本実施例においてばね部材30は、スリー
ブ部材20と軸受外輪12とを連結するので、図10に
示すように、補強部材140の切欠145、146内に
ばね部材30を設置することとなる。この切欠の存在に
より、補強部材140の強度低下が予想されるので、中
央の開口を軸線方向に折り曲げることによって小円筒1
42を形成し、強度を向上させている。
【0035】図13は、本願発明の第4の実施例のクラ
ッチレリーズ軸受を示す、図2と同様な断面図である。
図14は、図13のクラッチレリーズ軸受を矢印XIV か
ら見た部分図である。図13、14の実施例は図2の実
施例とほぼ同様であるが、補強部材240の形状、ばね
部材230の形状が若干相違する。より具体的には、補
強部材14の外周部240bが外方に突出し、かつシフ
トフォーク側の面にプレスにより形成された2つの突起
240aが設けられ、一方ばね部材230にはこれに対
応する部分に切欠230aのみが設けられている。突起
240aは、尖った工具により裏面から押されることに
より形成され、半径方向内方に向かって立ち上がる形状
となっている。尚、本実施例においては、軸受保持手段
はガイドスリーブ20と補強部材240とで構成し、外
方延在部は突起240aにより構成する。
【0036】ばね部材230を補強部材240に挿入す
ると、ばね部材230は、突起240aを弾性変形しな
がら乗り越えて、切欠き230aが突起240aに係合
した段階で所定の形状に戻り、組付が完了する。突起2
40aの形状によりばね部材230の挿入は比較的容易
に行われるが、一旦係合した後は不用意に抜けないよう
に構成されている。
【0037】一方、ばね部材230の押圧部232近傍
に半径方向の力Fが印加されたとすると、ばね部材23
0は反時計まわりのモーメントを受けて、押圧部232
が軸受外輪12から離隔する方向に曲がろうとする。し
かしながら、スキマΔ(図13)が適切な値となってい
るため、かかる場合にはばね部材230の押圧部232
が軸受外輪12から外れる前に、軸受保持手段を構成し
ている補強部材の外周部240bがばね部材230と干
渉し、それ以上の曲がりを制限することになる。これに
より、押圧部232が外輪12から離隔することを防止
し、もってばね部材230が脱落することを防止するも
のである。
【0038】以上、本発明を実施例を参照して説明して
きたが、本発明は上記実施例に限定して解釈されるべき
ではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろん
である。例えば、ばね部材は2つでなく3つでもよい。
また、連結部材の凹部は曲線形状になっていて、図16
に示すように局部的な最小幅が2つ以上有する構造にす
ることも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本願発明のクラッチ
レリーズ装置によれば、前記連結部材の静止輪側の端部
に、半径方向に力が印加されたときに、前記連結部材が
傾くことによって、前記端部が前記静止輪から外れる前
に、前記凹部の一つが前記フランジ部と接触し、それに
より前記連結部材の傾きが制限されるようになってい
る。前記連結部材は、その傾きが制限されれば容易に脱
落することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例であるクラッチレリーズ軸受
装置をシフトフォーク側から見た図である。
【図2】図1のII-II線に沿って切断して矢印方向に見
た軸線方向断面図である。
【図3】ガイドスリーブ20を図1と同一方向に見た図
である。
【図4】図3のガイドスリーブ20をIV方向に見た部分
拡大図である。
【図5】ばね部材30の拡大斜視図である。
【図6】補強部材40の斜視図である。
【図7】図1のVII-VII線に沿って切断した部分を拡大
して矢印方向に見た図である。
【図8】図2のクラッチレリーズ軸受において、ばね部
材30の近傍を取り出して拡大した図である。
【図9】本願発明の第2の実施例のクラッチレリーズ軸
受装置を示す、図2と同様な断面図である。
【図10】本願発明の実施例であるクラッチレリーズ軸
受装置をシフトフォーク側から見た図である。
【図11】図10のXI-XI線に沿って切断して矢印方向
に見た軸線方向断面図である。
【図12】補強部材140の斜視図である。
【図13】本願発明の第4の実施例のクラッチレリーズ
軸受を示す、図2と同様な断面図である。
【図14】図13のクラッチレリーズ軸受を矢印XIVか
ら見た部分図である。
【図15】従来技術による構成において、ばね部材が脱
落することを示す図である。
【図16】連結部材の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10………クラッチレリーズ軸受 20………ガイドスリーブ 30、230………ばね部材 40、140、240………補強部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同心的に配置されかつ相対回転す
    る内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する
    他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようにな
    っているクラッチレリーズ軸受と、 ガイド軸上に摺動自在に嵌合された円筒部と、外方延在
    部とを備える軸受保持手段と、 該軸受保持手段に対して、該クラッチレリーズ軸受の該
    一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結
    部材とからなっているクラッチレリーズ軸受装置におい
    て、 前記連結部材は、軸線方向に異なる2以上の幅を有する
    凹部を有し、 前記連結部材の一方の端部は、前記外方延在部に係合し
    ており、前記連結部材の他方の端部は、前記クラッチレ
    リーズ軸受の静止輪に係合し、前記外方延在部と前記静
    止輪とが近接する方向に押圧力を印加するようになって
    おり、 前記連結部材の静止輪側の端部に、半径方向に力が印加
    されたときに、前記連結部材が傾くことによって、前記
    端部が前記静止輪から外れる前に、前記凹部の一つが前
    記外方延在部と接触し、それにより前記連結部材の傾き
    が制限されるようになっているクラッチレリーズ軸受装
    置。
JP25974596A 1996-09-30 1996-09-30 クラッチレリーズ軸受装置 Expired - Fee Related JP3963024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25974596A JP3963024B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 クラッチレリーズ軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25974596A JP3963024B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 クラッチレリーズ軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10103380A true JPH10103380A (ja) 1998-04-21
JP3963024B2 JP3963024B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=17338367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25974596A Expired - Fee Related JP3963024B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 クラッチレリーズ軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3963024B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1035342A2 (en) 1999-03-09 2000-09-13 Nsk Ltd Clutch release bearing
JP2009074627A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Nsk Ltd クラッチレリーズ軸受装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1035342A2 (en) 1999-03-09 2000-09-13 Nsk Ltd Clutch release bearing
US6561337B2 (en) 1999-03-09 2003-05-13 Nsk Ltd. Clutch release bearing
JP2009074627A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Nsk Ltd クラッチレリーズ軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3963024B2 (ja) 2007-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0155331B2 (ja)
JPH10103380A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP3956413B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP3804160B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2004011832A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP3752681B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP3864475B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JPH10169672A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JPH09177828A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP3613924B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2004011658A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP4238521B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP3915466B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP5083529B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2000314433A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP4877491B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置及びクラッチレリーズ軸受装置の組付方法
JP3864479B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP4038978B2 (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP4761208B2 (ja) 軸受装置
JP2006090360A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2004183728A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2004138182A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JP2006090359A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JPH09137837A (ja) クラッチレリーズ軸受装置
JPH10196676A (ja) クラッチレリーズ軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070501

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100601

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140601

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees