JPH10100823A - 車両の衝突安全装置 - Google Patents

車両の衝突安全装置

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JPH10100823A
JPH10100823A JP8275239A JP27523996A JPH10100823A JP H10100823 A JPH10100823 A JP H10100823A JP 8275239 A JP8275239 A JP 8275239A JP 27523996 A JP27523996 A JP 27523996A JP H10100823 A JPH10100823 A JP H10100823A
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JP
Japan
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master cylinder
collision
core member
safety device
energy absorber
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JP8275239A
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English (en)
Inventor
Jun Takeshima
潤 竹島
Michio Yugawa
美知夫 湯川
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の衝突時におけるドライバの特に膝の保
護を図り、かつ膝とブレーキマスタシリンダ等の車両の
固形部との干渉を防止して安全性の向上を図る車両の衝
突安全装置を提供する。 【解決手段】 インストルメントパネルに装着されるメ
ータクラスタパネル28の左側舌状部30および右側舌
状部31には着脱式,固定式の衝突エネルギ吸収体1
a,1が装備される。衝突エネルギ吸収体1(1a)の
衝撃受面体2(2a)はドライバ側に突出する最突出面
10(10a)が空間部29側に形成され、最突出面か
ら下り傾斜する傾斜面12,13,14,15(12
a,13a,14a,15a)が形成されるため、衝突
時には膝が外側にずらされる。そのため、膝と固形部と
が位置ずれし両者は干渉しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時にお
けるドライバの安全装置に係り、特に、衝突時にドライ
バの大腿部を横にずらしてドライバの膝等を保護すると
共に、レインフォースやクラッチマスタシリンダおよび
ブレーキマスタシリンダ等の車両の固形部の車室内への
侵入を防止する車両の衝突安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】衝突時等においてドライバを保護する手
段としてシートベルトやエアバッグが使用されている。
勿論、これ等の保護具は衝突時においてドライバを有効
に保護するものではあるが、生命に影響を与えないよう
な比較的衝撃力の小さい場合においても特にドライバの
膝まわりが車両の固形部に当り損傷を受けるという問題
点がある。図12乃至図14はその状況を示すものであ
る。
【0003】車両のキャブの運転席の前方側には図3に
示すようなインストルメントパネル32が装着されてい
る。このインストルメントパネル32は同図に示すレイ
ンフォース33により補強されている。インストルメン
トパネル32は図示のように各種の機器類が取り付けら
れるよう複雑な形状をしたものからなるが、図の右方に
は開口部36が形成され、開口部36にはメータクラス
タパネル28が着脱可能に連結される。
【0004】メータクラスタパネル28は、図示のよう
にメータ(図略)の装着される上方側の開放部34とそ
の下方に形成される舌状部35とからなり、舌状部35
には空間部29とこれを挟んで左側舌状部30と右側舌
状部31が形成される。図12および図13に示すよう
に、左側舌状部30および右側舌状部31にはスイッチ
取り付けパネル38や化粧パネル39が取り付けられて
いる。また、スイッチ取り付けパネル38および化粧パ
ネル39により挟まれた空間部29にはステアリングカ
ウル37等が通過する。
【0005】一方、図12に示すように、レインフォー
ス33にはクラッチ用ブラケット40およびブレーキ用
ブラケット41を介してクラッチマスタバック42およ
びブレーキマスタバック43が固持される。クラッチマ
スタバック42およびブレーキマスタバック43にはそ
の後方側にクラッチマスタシリンダ44およびブレーキ
マスタシリンダ45が突出して設けられると共に、前方
側にクラッチペダルサポートブラケット46およびブレ
ーキペダルサポートブラケット47がフロントパネル4
8側に向かって突出して配置される。
【0006】図12に示すように、クラッチマスタシリ
ンダ44はその後端面44aが前記のスイッチ取り付け
パネル38と適宜間隔を介して相対向するように配置さ
れ、ブレーキマスタシリンダ45はその後端面45aが
前記の化粧パネル39と適宜間隔を介して相対向するよ
うに配置される。また、図12および図14に示すよう
に、運転席に着座したドライバ49の大腿部50の膝5
1はスイッチ取り付けパネル38および化粧パネル39
と相対向する位置に配置される。なお、図12および図
14には明確に示されていないが、ステアリングカウル
37と相対向する位置に両膝の中心を合わせた場合、ス
イッチ取り付けパネル38の方が化粧パネル39よりも
車幅方向において膝51から離れた位置に配置されるの
が普通であり、また、膝51はスイッチ取り付けパネル
38や化粧パネル39に当接し得る位置に配置されるの
が普通である。また、図12に示すように、ステアリン
グカウル37等はステアリングサポートブラケット5
2,ブラケット支持部材53を介してクラッチ用ブラケ
ット40およびブレーキ用ブラケット41と連結する。
【0007】以上の従来技術のメータクラスタパネル2
8まわりの構造においては車両の衝突時において次のよ
うな問題点がある。衝突によりフロントパネル48が押
圧され、それに伴ってクラッチマスタバック42やブレ
ーキマスタバック43等が後退する。一方、ドライバ4
9は慣性力により前進する。この前進により、図12お
よび図14に示すように、ドライバ49の膝51が前進
し、両膝51がそれぞれスイッチ取り付けパネル38お
よび化粧パネル39に当る。一方、前記したようにスイ
ッチ取り付けパネル38および化粧パネル39と対峙す
る位置にクラッチマスタシリンダ44およびブレーキマ
スタシリンダ45の後端面44a,45aがあり、これ
等がスイッチ取り付けパネル38および化粧パネル39
に当る。その結果、膝51はクラッチマスタシリンダ4
4およびブレーキマスタシリンダ45のような硬い固形
部に衝突し、強い衝撃力をうける恐れがある。勿論、シ
ートベルトの着用によりその衝撃力は緩和されるが、衝
突の度合により保護が不十分となる。
【0008】一方、以上の問題点を解決する公知技術の
1つとして、実開平7−31516号公報が挙げられ
る。この「自動車のニープロテクター」はクラッチマス
タシリンダやブレーキマスタシリンダのような硬い干渉
部材(2)とドライバの脚部(K)との間の空間内に、
弧状のガイドパネル部(6)の内側にこれより変形強度
の弱い変形パネル部(10)を配置したニープロテクタ
ー(4)を配置し、衝突時に干渉部材(2)の衝撃力を
変形パネル部(10)で吸収すると共に、脚部(K)を
弧状のガイドパネル部(6)のカーブに沿って車幅方向
の外方に移動させて脚部(K)と干渉部材(2)との衝
突を防止するようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、メー
タクラスタパネル28とドライバ49の膝51との間に
何等のニープロテクターが介在されない場合には、衝突
の強度により、メータクラスタパネル28側と膝51と
の衝突が生ずる問題点がある。また、前記の実開平7−
31516号公報の公知技術の場合には、ニープロテク
ター(4)により脚部(K)と干渉部材(2)との衝突
は緩和されるが、次のような問題点がある。まず、この
ニープロテクター(4)のガイドパネル部(6)と脚部
(K)との間には図面内に記載されていないが前記した
ようなメータクラスタパネルが介在する。そのため、脚
部(K)は直接ガイドパネル部(6)に当接せずにメー
タクラスタパネルに当接する。すなわち、脚部(K)と
メータクラスタパネルとの衝突が避けられない。また、
この公知技術の説明では、脚部(K)とガイドパネル部
(6)との接触によって脚部(K)が車幅方向に逃げる
としているが、前記のようにメータクラスタパネルがそ
の間に介在するため脚部(K)が車幅方向に円滑に逃げ
ることは実際上不可能である。また、前記のように脚部
(K)側に当接可能な固形部(干渉物)はクラッチマス
タシリンダやブレーキマスタシリンダだけに限らず、イ
ンストルメントパネルのレインフォースも含まれる。し
かしながら、この公知技術のニープロテクター(4)は
レインフォースとの干渉を考慮していない。
【0010】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、衝突時にドライバの大腿部を横にずらしてドラ
イバの膝と固形部との衝突を防止して膝の保護を図る車
両の衝突安全装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、レインフォースにより支持されるイン
ストルメントパネルに設けられるメータクラスタパネル
のステアリングカウル等の通過する空間部を挟む両端部
のクラッチマスタシリンダ又はブレーキマスタシリンダ
と相対向する位置の双方又はいずれか一方側に装備され
ドライバの膝等を保護する衝突安全装置であって、該衝
突安全装置は、前記メータクラスタパネルと連なり、一
体的及び/又は着脱可能に装着される衝突エネルギ吸収
体からなり、該衝突エネルギ吸収体は、前記膝等と相対
向する側に衝撃受面を形成し内部に空洞を有する衝撃受
面体と、該衝撃受面体の前記空洞内に収納される芯部材
とからなり、前記衝撃受面体の衝撃受面は、前記空間部
側にドライバ側に向かって最も突出する最突出面を形成
し、該最突出面から上下左右方向に滑らかな下り傾斜面
を形成するものからなり、前記芯部材は前記クラッチマ
スタシリンダ又はブレーキマスタシリンダと相対向する
側に配置される基板と、該基板から前記衝撃受面の裏面
に向かって伸延し立脚して形成されその伸延端が前記裏
面に当接又は近接する複数個の柱部と、隣接する前記柱
部間に一体的に架設されるリブとからなり、前記柱部お
よびリブが高剛性に形成される車両の衝突安全装置を構
成するものである。また、前記衝撃受面体と前記芯部材
とが一体的に成形され、該芯部材が前記衝撃受面体にヒ
ンジを介して回動自在に支持され、前記芯部材は前記衝
撃受面体の裏に収納されて前記衝突エネルギ吸収体が形
成されることを特徴とする。また、前記芯部材の基板の
前記クラッチマスタシリンダ又はブレーキマスタシリン
ダ側及び/又は前記衝撃受面の裏面に補強板が固着され
ることを特徴とする。また、前記基板には、車両の前方
側に向かって突出するフランジ部が一体的に形成され、
該基板と前記レインフォースおよび前記クラッチマスタ
シリンダ又はブレーキマスタシリンダとの前後および上
下間に適宜の間隔が形成されることを特徴とするもので
ある。
【0012】車両の衝突時には前記したようにクラッチ
マスタシリンダやブレーキマスタシリンダが後退すると
共に、ドライバは慣性力により前進する。ドライバの前
進により、その膝が衝突エネルギ吸収体に当る。衝突エ
ネルギ吸収体の衝撃受面はステアリングカウル側に最突
出面が形成されその最突出面から上下左右方向に下り傾
斜する傾斜面が形成されるため、最突出面に当った膝は
ステアリングカウルから離れる横方向,具体的には外側
に向かって逃げる。なお、本発明では芯部材の柱部やリ
ブが高剛性に形成されるため、衝突力によりこれ等が簡
単に座屈しない。そのため、膝は容易に、かつ確実に横
方向に逃げ、膝と車両の固形部との干渉が防止される。
一方、基板やその補強板が車両の固形部と適宜間隔を介
して配置されるため、衝突時に固形部がこれ等に当接し
ても、固形部はこれ等により支持され、膝と固形部との
直接接触は防止される。また、衝突エネルギ吸収体は衝
撃受面体と芯部材とが一体成形されるため、構造が簡便
で組み付け性がよく、安価に実施される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両の衝突安全装
置の実施の形態を図面を参照して詳述する。図1に示す
ように、本発明の車両の衝突安全装置はメータクラスタ
パネル28に装備される衝突エネルギ吸収体1,1aか
らなる。なお、前記したように、メータクラスタパネル
28は図3に示すようにレインフォース33により補強
保持されたインストルメントパネル32に装着されるも
のであり、衝突エネルギ吸収体1はメータクラスタパネ
ル28の右側舌状部31に設けられ、衝突エネルギ吸収
体1aは左側舌状部30に装備される。なお、左側舌状
部30と右側舌状部31との間の空間部29にはステア
リングカウル37(図12)等が通過して配置される。
【0014】本例では、図1に示すように、衝突エネル
ギ吸収体1,1aの双方をメータクラスタパネル28に
装備した場合について以下に説明するが、本発明は衝突
エネルギ吸収体1,1aのいずれか1つだけを選択的に
使用する場合も含まれる。これは、車両の構造とインス
トルメントパネル32の構造や配置により、双方の衝突
エネルギ吸収体1,1aを必ずしも必要としない場合も
あることを想定したためである。但し、一般的な車両構
造では双方の衝突エネルギ吸収体1,1aがメータクラ
スタパネル28に装備される。また、本例では右側舌状
部31に固定式の衝突エネルギ吸収体1を装備し、左側
舌状部30に着脱式の衝突エネルギ吸収体1aを装備し
ているが、これはメータクラスタパネル28の構造とし
て図1乃至図3に示すものを採用した場合に限定される
もので逆の場合も当然考えられ、更には両方を着脱式又
は固定式としてもよい。
【0015】図1に示すように、メータクラスタパネル
28の右側舌状部31は固定式の衝突エネルギ吸収体1
の装備し易いフラット状のものからなり、左側舌状部3
0は着脱式の衝突エネルギ吸収体1aの装備し易い枠体
状の構造からなる。なお、左側舌状部30は図12に示
したクラッチマスタシリンダ44と相対向する位置に配
置され、右側舌状部31はブレーキマスタシリンダ45
と相対向する位置に配置される。
【0016】まず、固定式の衝突エネルギ吸収体1を図
1,図2,図4乃至図8により説明する。この衝突エネ
ルギ吸収体1はメータクラスタパネル28と別体のもの
を固着してもよいが、本例ではメータクラスタパネル2
8と連なり一体的構造に形成されたものが採用される。
衝突エネルギ吸収体1は図4に示すように、衝撃受面体
2と、これにヒンジ8を介してこれと回動可能に一体的
に形成される芯部材3とからなる。
【0017】衝撃受面体2は、ドライバ側を向いて配置
される衝撃受面4と、その内部に形成される空洞5とか
らなる。衝撃受面4の形状は、図1,図5に示すよう
に、ドライバ49(図12等)に向かって最も突出する
最突出面10と、この部分から上下左右方向に下り傾斜
する傾斜面14,15,13,12とからなり、傾斜面
14等の傾斜端11はメータクラスタパネル28の右側
舌状部31の表面と一致する。最突出面10は衝撃受面
4の中央に形成されるものではなく、図1,図2に示す
ように、メータクラスタパネル28の空間部29側,す
なわち、ステアリングカウル37の配置されている側に
寄って形成される。従って、図5に示すように空間部2
9側の傾斜面13(左側の傾斜面)は他の傾斜面14,
15,12に較べて急傾斜で小面積のものから形成され
る。
【0018】一方、図4に示すように、衝撃受面4の裏
面には衝撃受面体2に芯部材3を固定するための突起部
21が空洞5内に突出して一体的に形成される。また、
衝撃受面4の裏面には補強板16が固着される。補強板
16は衝撃受面体2の剛性を高めるためのもので図7に
示す形状のものからなり、突出面60とその傾斜面1
7,18は衝撃受面4の最突出面10や傾斜面12,1
5に当接係合する形状のものからなる。
【0019】一方、図4に示すように芯部材3は、ほぼ
平板状の基板6と、基板6の面上からほぼ垂直に伸延す
る複数個の柱部7と、隣接する柱部7,7間に架設され
一体的に形成されるリブ9とからなる。なお、図示のよ
うに芯部材3は、ヒンジ8を介して衝撃受面4に連結し
一体的構造に形成される。また、基板6には取り付け座
22が一体的に形成される。取り付け座22は芯部材3
を衝撃受面体2の空洞5内に収納した際に突起部21に
当接係合する位置および形状のものからなり、ボルト2
3で両者を連結することにより芯部材3は衝撃受面体2
に固定される。また、本例では図4に示すように基板6
の柱部7と逆面側に平板状の補強板19が固定される。
【0020】柱部7は前記したように基板6からほぼ垂
直に伸延したものからなり、その伸延長は芯部材3を衝
撃受面体2の空洞5内に収納した際にその伸延端が衝撃
受面4の裏面に接触又は近接するように設定される。ま
た、柱部7は図4乃至図6に示すように太目の棒状部材
からなり、高剛性に形成される。また、柱部7,7間に
架設されるリブ9も厚肉のものからなり、同じく高剛性
に形成される。以上の構造により、本例の柱部7および
リブ9の組み合わせ体は外力を受けても簡単に座屈しな
い高剛性のものからなる。また、図5,図6に示すよう
に、リブ7は四方が囲まれた升目状の空間部20を形成
する。
【0021】次に、図1,図2により左側舌状部30に
着脱可能に装着される衝突エネルギ吸収体1aの構造を
説明する。衝突エネルギ吸収体1aは前記の衝突エネル
ギ吸収体1と同様に衝撃受面体2aと、これにヒンジ8
a(図8のヒンジ8bと同じもの)を介して回動可能に
一体的に形成される芯部材3a(図2)等からなる。こ
れ等の形状は着脱機構を除き前記の衝撃受面体2および
芯部材3とほぼ同様の構造からなる。すなわち、衝撃受
面体2aは最突出面10a,傾斜面12a,13a,1
4a,15aを形成する衝撃受面4aと、その内部に形
成される空洞5a(図8の空洞5bと同じもの)を有す
るものからなる。また、芯部材3aは複数個の柱部7a
とリブ9a(図8,図9の柱部7b,リブ9bと同じも
の)を有するものからなり、高剛性に形成される。この
衝突エネルギ吸収体1aには係止具54,取り付け孔5
5,図略の係止片,位置決めピン等が形成され、これ等
を左側舌状部30に形成される係止孔58,取り付け孔
59,係止孔57,位置決め孔56にそれぞれ係合する
ことにより、衝突エネルギ吸収体1aは左側舌状部30
に着脱可能に固定される。また、衝撃受面体2aの芯部
材3aへの固定は、図8の下方に示すように取り付け孔
55,59にボルト26を挿入し、これにクリップ27
を挿着することにより行われる。勿論、衝突エネルギ吸
収体1aの取り付け構造はこれに限定されるものではな
い。また、衝突エネルギ吸収体1aの最突出面10aは
メータクラスタパネル28の空間部29側に形成され、
ドライバ49側に向かって突出して形成される。
【0022】次に、本例の作用を図10,図11により
説明する。なお、図10は衝突エネルギ吸収体1側のみ
しか示していないが、衝突エネルギ吸収体1aについて
も同様の作用を呈する。図示のように、本例の衝突エネ
ルギ吸収体1はメータクラスタパネル28に連なり一体
的に形成され、ドライバ49の膝51とほぼ相対向する
位置に適宜間隔を介して配置される。衝突エネルギ吸収
体1の芯部材3の基板6の前方にはブレーキマスタシリ
ンダ45の後端面45aが適宜間隔を介して配置され
る。
【0023】車両の衝突時には、ブレーキマスタシリン
ダ45は後退すると共に、ドライバ49は衝突時の慣性
力により前進する。そのため、ブレーキマスタシリンダ
45の後端面45aは芯部材3の補強板19に当り、膝
51は衝撃受面体2の衝撃受面4に当る(具体的には最
突出面10に当る)。しかしながら、最突出面10に当
接した膝51は図11に示すように下り傾斜している傾
斜面12に沿って点線から実線に示すように矢印B方向
に移動され、ドライバ49は股を開く状態になる。これ
により膝51はブレーキマスタシリンダ45の後端面4
5aから離隔し、万一ブレーキマスタシリンダ45がド
ライバ49側に向かってきても膝51との干渉は防止さ
れる。
【0024】一方、ブレーキマスタシリンダ45の後退
によりその後端面45aが補強板19に当るが、この衝
突力は高剛性の柱部7とリブ9により保持され、膝51
の傾斜面12に沿う移動が妨害されない。勿論、柱部7
およびリブ9はある程度以上の衝突力に対しては変形
し、衝突エネルギを吸収すべく作用する。
【0025】また、本例の衝突エネルギ吸収体1,1a
は衝撃受面体2,2aと芯部材3,3aとが一体構造か
らなり、両者の係合は単に芯部材3,3aをヒンジ8,
8aを介して折り曲げればよく、組み立てが極めて容易
である。また、衝突エネルギ吸収体1aのメータクラス
タパネル28側への固定も極めて簡単である。更に、本
例の衝突エネルギ吸収体1はメータクラスタパネル28
に連なり一体構造のため、メータクラスタパネル28の
成形と同時に行なって製作コストの低減を図ることがで
きる。
【0026】図8は本発明の衝突エネルギ吸収体の別の
実施の形態を示す。本例では着脱式の衝突エネルギ吸収
体1aの変形例として着脱式の衝突エネルギ吸収体1b
が示されているが、固定式のものについても本例とほぼ
同様の構造のものが適用される。本例の衝突エネルギ吸
収体1bは前記の衝突エネルギ吸収体1aと同様に衝撃
受面体2bと芯部材3bとからなるが、衝撃受面体2b
の構造は衝撃受面体2aと同一のものからなり、芯部材
3bが芯部材3aと大きく相異する。
【0027】芯部材3bは基板6bと、これからほぼ垂
直に伸延する柱部7bと、柱部7b,7b間に架設され
るリブ9b等からなる。柱部7bおよびリブ9bは前記
の芯部材3aと同様に高剛性のものからなる。また、リ
ブ9bもリブ9aと同様に升目状に形成される(図
9)。一方、基板6bには、図示のように柱部7bの伸
延方向と逆方向に伸びるフランジ部24と、垂直方向に
伸びるフランジ部25とが形成される。また、フランジ
部24,25および基板6bのクラッチマスタシリンダ
44側およびレインフォース33側は補強板19bによ
り覆われる。また、図に示すように、衝撃受面体2bの
衝撃受面4bの裏面にも補強板16bが設けられてい
る。
【0028】基板6およびフランジ部24,25を覆う
補強板19bの表面と、レインフォース33の下面およ
び後面との間、およびクラッチマスタシリンダ44の上
側および後端面44aとの間には、図示のようにa,
b,c,dの適宜の間隔が形成される(図8)。この間
隔は衝突時にレインフォース33やクラッチマスタシリ
ンダ44等が後退した場合にこれ等と補強板19bとが
同時に接触し得る寸法が望ましいが、それに限定するも
のではない。以上の構造により衝突時において、前記と
同様にドライバの安全が確保されると共に、補強板19
bによりレインフォース33やクラッチマスタシリンダ
44等が支持され、これ等が車両の車室内に侵入してド
ライバ等に損傷を与えることが確実に防止される。
【0029】本例の衝突エネルギ吸収体は前記のような
構造のものからなるが、その外観形状や芯部材の特にそ
の柱部,リブの形状,数等も図示のものに限定するもの
ではない。また、前記したように、衝突エネルギ吸収体
のメータクラスタパネル側への取り付け構造についても
図示のものに限定するものではない。
【0030】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載の車両の衝突安全装置によ
れば、クラッチマスタシリンダやブレーキマスタシリン
ダのような固形部と膝との間に本発明の衝突エネルギ吸
収体を介設させることにより衝突時に膝が確実に横方向
に案内されてずれ、固形部との干渉が確実に防止され、
膝の損傷が防止され安全性が確保される。 2)本発明の請求項2に記載の車両の衝突安全装置によ
れば、衝撃受面体と芯部材とが一体的に形成されるた
め、製作コストが安く、かつ組み付けも容易である。ま
た、本発明の着脱可能式の衝突エネルギ吸収体は衝突に
より破損されても簡単に交換することができる。そのた
め、従来のメータクラスタパネル自体又はインストルメ
ントパネル全体を交換するものに較べて低コストで交換
が行われる。 3)本発明の請求項3および4に記載の車両の衝突安全
装置によれば、芯部材のレインフォースやクラッチマス
タシリンダ,ブレーキマスタシリンダ側に補強板が設け
られているため、衝突時にはこれ等が補強板により支持
され、車室内への侵入が防止されドライバ等の安全性が
確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の衝突安全装置の装備されるメー
タクラスタパネルの形状と着脱式の衝突エネルギ吸収体
の概要構造を示す斜視図。
【図2】本発明の車両の衝突安全装置を設けたメータク
ラスタパネルの正面図。
【図3】本発明の車両の衝突安全装置が挿着されるメー
タクラスタパネルとこれを支持するインストルメントパ
ネルおよびレインフォースを示す斜視図。
【図4】固定式の衝突エネルギ吸収体の断面図。
【図5】図4の正面図。
【図6】衝突エネルギ吸収体の芯部材の柱部およびリブ
の詳細構造を示す部分斜視図。
【図7】衝撃受面体に固着される補強板の正面図。
【図8】着脱式の衝突エネルギ吸収体の別の実施の形態
を示す断面図。
【図9】図8の柱部およびリブを示す平面図。
【図10】本発明の衝突時の作用を説明するための模式
図。
【図11】本発明の衝突時の作用を説明するための模式
図。
【図12】従来の膝まわりの衝突時におけるキャブ側と
の係合状態を示す模式図。
【図13】従来のメータクラスタパネルとステアリング
カウルとの係合状態を示す斜視図。
【図14】従来のメータクラスタパネルとドライバの膝
との衝突時の係合状態を示す模式図。
【符号の説明】
1 衝突エネルギ吸収体 1a 衝突エネルギ吸収体 1b 衝突エネルギ吸収体 2 衝撃受面体 2a 衝撃受面体 2b 衝撃受面体 3 芯部材 3a 芯部材 3b 芯部材 4 衝撃受面 4a 衝撃受面 4b 衝撃受面 5 空洞 5a 空洞 5b 空洞 6 基板 6a 基板 6b 基板 7 柱部 7a 柱部 7b 柱部 8 ヒンジ 8a ヒンジ 8b ヒンジ 9 リブ 9a リブ 9b リブ 10 最突出面 10a 最突出面 10b 最突出面 11 傾斜端 12 傾斜面 12a 傾斜面 13 傾斜面 13a 傾斜面 14 傾斜面 14a 傾斜面 15 傾斜面 15a 傾斜面 16 補強板 16b 補強板 17 傾斜面 18 傾斜面 19 補強板 19b 補強板 20 空間部 21 突起部 22 取り付け座 23 ボルト 24 フランジ部 25 フランジ部 26 ボルト 27 クリップ 28 メータクラスタパネル 29 空間部 30 左側舌状部 31 右側舌状部 32 インストルメントパネル 33 レインフォース 34 開放部 35 舌状部 36 開口部 37 ステアリングカウル 38 スイッチ取り付けパネル 39 化粧パネル 40 クラッチ用ブラケット 41 ブレーキ用ブラケット 42 クラッチマスタバック 43 ブレーキマスタバック 44 クラッチマスタシリンダ 44a 後端面 45 ブレーキマスタシリンダ 45a 後端面 46 クラッチペダルサポートブラケット 47 ブレーキペダルサポートブラケット 48 フロントパネル 49 ドライバ 50 大腿部 51 膝 52 ステアリングサポートブラケット 53 ブラケット支持部材 54 係止具 55 取り付け孔 56 位置決め孔 57 係止穴 58 係止穴 59 取り付け孔 60 突出面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レインフォースにより支持されるインス
    トルメントパネルに設けられるメータクラスタパネルの
    ステアリングカウル等の通過する空間部を挟む両端部の
    クラッチマスタシリンダ又はブレーキマスタシリンダと
    相対向する位置の双方又はいずれか一方側に装備されド
    ライバの膝等を保護する衝突安全装置であって、該衝突
    安全装置は、前記メータクラスタパネルと連なり、一体
    的及び/又は着脱可能に装着される衝突エネルギ吸収体
    からなり、該衝突エネルギ吸収体は、前記膝等と相対向
    する側に衝撃受面を形成し内部に空洞を有する衝撃受面
    体と、該衝撃受面体の前記空洞内に収納される芯部材と
    からなり、前記衝撃受面体の衝撃受面は、前記空間部側
    にドライバ側に向かって最も突出する最突出面を形成
    し、該最突出面から上下左右方向に滑らかな下り傾斜面
    を形成するものからなり、前記芯部材は前記クラッチマ
    スタシリンダ又はブレーキマスタシリンダと相対向する
    側に配置される基板と、該基板から前記衝撃受面の裏面
    に向かって伸延して立脚形成されその伸延端が前記裏面
    に当接又は近接する複数個の柱部と、隣接する前記柱部
    間に一体的に架設されるリブとからなり、前記柱部およ
    びリブが高剛性に形成されることを特徴とする車両の衝
    突安全装置。
  2. 【請求項2】 前記衝撃受面体と前記芯部材とが一体的
    に成形され、該芯部材が前記衝撃受面体にヒンジを介し
    て回動自在に支持され、前記芯部材は前記衝撃受面体の
    裏に収納されて前記衝突エネルギ吸収体が形成される請
    求項1に記載の車両の衝突安全装置。
  3. 【請求項3】 前記芯部材の基板の前記クラッチマスタ
    シリンダ又はブレーキマスタシリンダ側及び/又は前記
    衝撃受面の裏面に補強板が固着されてなる請求項1又は
    2のいずれかに記載の車両の衝突安全装置。
  4. 【請求項4】 前記基板には、車両の前方側に向かって
    突出するフランジ部が一体的に形成され、該基板と前記
    レインフォースおよび前記クラッチマスタシリンダ又は
    ブレーキマスタシリンダとの前後および上下間に適宜の
    間隔が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の車両の衝突安全装置。
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