JPH098097A - 物体浮揚装置及びこれを具備した物体搬送装置 - Google Patents

物体浮揚装置及びこれを具備した物体搬送装置

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JPH098097A
JPH098097A JP7172766A JP17276695A JPH098097A JP H098097 A JPH098097 A JP H098097A JP 7172766 A JP7172766 A JP 7172766A JP 17276695 A JP17276695 A JP 17276695A JP H098097 A JPH098097 A JP H098097A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェーハ等の物体を完全に非接触状態にて搬
送し得ると共に、水平方向のみならず垂直方向及び斜め
方向の搬送も可能とし、しかも方向転換も自在に行える
など、搬送経路の制限がない物体浮揚装置及び物体搬送
装置を提供すること。 【構成】 物体20を浮揚せしめるべく振動体15が発
生する音波の放射圧を、該振動体の外周側が中央側に比
して大であるようになし、以て、該物体を該振動体の中
央位置に静止状態とする。そして、この振動体をアーム
式ロボット3やエレベータ等の搬送手段により適宜の方
向に搬送することとし、上記の効果を得ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波の放射圧を利用し
て物体を空中に浮揚させる物体浮揚装置と、該物体浮揚
装置を具備した物体搬送装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】ICチップの元となるシリコンウェーハ
や液晶ディスプレイなどとして利用されるガラス基板等
の基板は、塵埃の付着、並びに、微細にても傷が発生す
ることを可能な限り避けねばならない。従って、これら
の基板を取り扱う場合、特にシリコンウェーハに関して
は回路形成のための工程にその前段の工程から搬送する
際、注意を要する。従来、シリコンウェーハを搬送する
搬送手段として、下記の種々のものが採用されている。
【0003】まず、シリコンウェーハを1枚ずつ搬送す
る、すなわち枚葉形式の搬送手段の一例として、図12
に示すアーム式ロボット151が挙げられる。
【0004】図示のように、このアーム式ロボット15
1は、先端部がシリコンウェーハ(以下、単にウェーハ
と呼ぶ)153を担持する担持部155aとされたアー
ム155と、該アーム155を往復動(矢印X6にて示
す)自在に支持すると共に駆動する支持駆動手段156
と、該支持駆動手段156を搭載してこれを回転(矢印
R6にて示す)させるθテーブル158とを有してい
る。但し、図示のように、該アーム155の往復動と支
持駆動手段156の回転は、水平面内でなされる。
【0005】上記アーム式ロボット151の側方にはエ
レベータ160が配設されており、該エレベータ160
が具備して昇降動作(矢印Z6にて示す)を行う昇降台
160a上には、複数枚のウェーハ153を配列して収
容し得るキャリア162が載置されている。
【0006】かかる構成においては、例えば、図示のよ
うにキャリア162とは反対側に突出した状態にあるア
ーム155の担持部155a上に、図示しない別のロボ
ットあるいは作業者によって、1枚のウェーハ153が
載置される。すると、該アーム155が引込み動作させ
られると共に、支持駆動手段156がθテーブル158
の作動によって180°回転せしめられる。続いて、該
支持駆動手段156の作動によってアーム155が突出
させられ、該ウェーハ153はこれを担持した担持部1
55aと共にキャリア162内に挿入される。この状態
で、エレベータ160の昇降台160aが僅かに上昇
し、該ウェーハ153はキャリア162に形成された棚
部(図示せず)によって持ち上げられるようにして担持
部155aから離脱し、該棚部上に乗る。
【0007】この後、アーム式ロボット151は図12
に示す状態へと復帰動作し、キャリア162内に所定枚
数のウェーハ153が収容されるまで、この一連の動作
が繰り返される。
【0008】なお、逆に、キャリア162内に収容され
ているウェーハ153を順に取り出して供給する場合
は、上記とは逆の過程を辿って行われる。
【0009】次に、枚葉形式の他の搬送手段であるベル
トローダを図13に示す。
【0010】図示のように、このベルトローダ165
は、平行に配置されてウェーハ153を協働して担持す
る例えば2本の無端状ベルト167と、該各ベルト16
7が掛け回されるべく列設された複数のプーリ168
と、該各プーリ168のうち所要のものを回転駆動する
駆動手段(図示せず)とを有している。
【0011】当該ベルトローダ165においては、上記
駆動手段によってプーリ168が回転駆動され、これに
よって両ベルト167が送給され、ウェーハ153が搬
送される。但し、ウェーハ153の搬送(矢印X7にて
示している)は水平方向においてなされる。
【0012】続いて、キャリア形式の搬送手段の一例で
あるアーム式搬送装置を図14に基づいて説明する。該
キャリア形式とは、前述した枚葉形式に対するものであ
り、複数枚のウェーハ153を配列したキャリア171
を搬送の対象とする。
【0013】図示のように、このアーム式搬送装置17
2では、搬送すべき経路に沿って延在する案内レール1
74と、該案内レール174によって案内される可動ベ
ース175と、該可動ベース175を移動させる駆動手
段(図示せず)と、該可動ベース175上に設けられて
キャリア171を保持するアーム176とを有してい
る。
【0014】当該アーム式搬送装置172においては、
上記駆動手段の作動によって可動ベース175が移動
(矢印Z8及びα8にて示している)し、キャリア17
1が搬送される。
【0015】なお、このアーム式搬送装置172では、
キャリア171の搬送は、水平方向のみならず垂直方向
及び斜め方向と、その経路の設定は自在である。
【0016】図15は、キャリア形式の他の搬送手段で
あるリニアモータ式搬送装置を示すものである。
【0017】図示のように、当該リニアモータ式搬送装
置181は、可動マグネット型のものにて、一列に並ぶ
多数の電機子コイル183からなる一次側を固定ベース
184上に設け、二次側である界磁マグネット186を
該各電機子コイル183と対向可能にスライダ187の
下面に固着している。そして、複数枚のウェーハ153
を配列収容したキャリア189が、このスライダ187
上に搭載される。
【0018】このリニアモータ式搬送装置181におい
ては、上記電機子コイル183各々に所定タイミングを
以て電流を供給することによって、一次側及び二次側の
両者間にフレミングの左手の法則に基づく推力が生じて
スライダ187が移動し、キャリア189が搬送され
る。但し、キャリア189の搬送(矢印X9及びX10
にて示す)は水平方向にて行われる。
【0019】図16に、キャリア形式の搬送手段の第3
例としてのロボット移動式搬送装置を示す。
【0020】図示のように、このロボット移動式搬送装
置192は、車輪193aを有して自走するロボット本
体193を備えている。複数枚のウェーハ153を配列
収容したキャリア195は該ロボット本体193上に搭
載され、該ロボット本体193が走行することによって
水平方向に搬送(矢印X11及びX12にて示してい
る)される。
【0021】なお、上記ロボット本体193上には、該
ロボット本体193上に対するキャリア195の搬入及
び搬出を行うアームロボット197が設けられている。
【0022】上述した各種の搬送手段においては、いず
れも、ウェーハ153がアーム155(の担持部155
a)、ベルト167、キャリア171,189,195
に接触した状態にて搬送される。それ故、これら各接触
対象とウェーハ153との摩擦によってウェーハ153
にミクロ的な傷が生じたり塵埃が少なからず発生し、し
かも静電気等によって該塵埃がウェーハ153に付着し
易いという不都合がある。
【0023】従って、特に、後工程でウェーハ153に
微細な加工を施す場合、例えば4メガビットのICを得
るべく回路形成を行う場合などは、この塵埃の発生や付
着が大きな問題となり、生産されるICの不良率を低減
して歩留りの向上を図る上で解決されるべき問題となっ
ていた。
【0024】そこで、この問題を解消するために、超音
波の放射圧を利用して物体を空中に浮揚させる物体浮揚
装置を具備し、物体を完全に非接触の状態で搬送し得る
物体搬送装置が本願出願人によって提案された。この提
案は特開平7−24415号公報において開示されてお
り、その開示内容の一部である物体搬送装置を図17乃
至図20に示す。
【0025】図示のように、当該物体搬送装置は、矩形
板状に形成された振動体201を有している。この振動
体201はその中心部にてホーン202の先端に螺子2
03(図18に図示)によって締結されている。
【0026】図17において、ホーン202による超音
波振動の振動方向を矢印Uにて示す。このように、ホー
ン202は縦振動を行う。振動体201は、ホーン20
2から伝達される振動に基づいて、図17において曲線
Wにて示すような撓み振動をする。この撓み振動は振動
体201の長さ方向及び幅方向において生じ、従って振
動体201は全体として格子状の振動モードにて振動す
る。なお、振動体201の寸法を適切な寸法にすれば、
稿状振動モードのみの振動となる。
【0027】図17に示すように、ホーン202は、振
動体201に対する結合部とは反対側において振動子2
04と結合されている。この振動子204の電極204
aと発振器205とが接続されており、振動子204は
該発振器205によって励振されて超音波振動を発生す
る。ホーン202は、この振動子204が発する振動を
機械的に増幅するものである。
【0028】なお、ホーン202にはフランジ部202
bが形成されており、振動子204及び該ホーン202
を内蔵するケース206に対して該フランジ部202b
がパッキン202cを介して締結されている。
【0029】上述したホーン202と、振動子204
と、発振器205とによって、振動体201を励振する
超音波励振手段が構成される。
【0030】図18及び図19に示すように、物体20
7が搬送されるべき物体搬送路の両側に沿って板状の音
波反射部材208が配設されており、且つ、上記ケース
206に取り付けられている。
【0031】次に、上記した構成よりなる物体搬送装置
の作用について説明する。
【0032】まず、当該物体搬送装置が含む物体浮揚装
置の作用について説明する。
【0033】装置の作動に際し、図17に示すように、
振動体201が仮想水平面210に対して平行となるよ
うに装置の姿勢が調整される。この状態で超音波励振手
段への給電がなされ、発振器205によって振動子20
4が励振され、振動体201が撓み振動を行う。振動体
201が振動することにより、該振動体201から音波
(図示せず)が放射される。
【0034】上記のように振動体201が振動を開始し
たら、物体207を振動体201上に持ち来し、静かに
手を離す。但し、物体207は、振動体201の振動開
始以前に予め振動体201上に載置しておいてもよい。
【0035】図17に示すように、振動体201から発
せられる音波の放射圧によって、物体207は振動体2
01の表面から距離e2 を隔てた状態で浮揚する。
【0036】また、超音波励振手段への給電を断てば振
動体201よりの音波は直ちに停止し、物体207は振
動体201に接触する。
【0037】なお、当該装置によれば、磁性体であるや
否やなど、扱う物体207の材質等の制約を受けること
がなく、また、磁界中におくことができないもの等、あ
らゆる物体を浮揚させ、搬送することができる。しか
も、扱う物体の重量及び寸法が比較的大きくとも、浮揚
させ、搬送させることができるものである。
【0038】続いて、上述した物体浮揚装置を含む物体
搬送装置の作用について説明する。この物体搬送装置
は、前述した物体浮揚装置の構成に、浮揚した状態の物
体207を走行させる走行手段を付加したものである。
【0039】この走行のための手段の一例として、図2
0に示すような構成を採用している。すなわち、振動体
201の表面が仮想水平面210に対して角度θ2 だけ
傾斜するようになされる。この傾斜により、浮揚状態の
物体207に重力に基づく加速度が生じ、走行する訳で
ある。
【0040】ところで、上記のようにして物体207が
搬送される際、下記の作用によって物体搬送路からの逸
脱が防止される。
【0041】すなわち、図18及び図19に示すよう
に、該物体搬送路の両側に沿って音波反射部材208が
配設されている。図19から明らかなように、これらの
音波反射部材208は振動体201とは非接触の状態で
あり、図において矢印にて示すように振動体201の下
面側より放射される音波を反射しつつ上記物体搬送路の
側方へと導く。物体搬送路の側方にはこのように導かれ
た音波が存在することとなるため、これが壁となり、物
体207が搬送路から逸脱しようとするとこれを押し戻
す作用をなす。よって、物体207は搬送路から逸脱す
ることがなく、また、音波反射部材208と接触するこ
ともなく、完全に非接触の状態にて搬送される。
【0042】次に、上述のように重力を利用して物体2
07を走行させる形式とは異なる走行手段を備えた他の
物体搬送装置について、図21に基づいて説明する。但
し、この物体搬送装置は、以下に説明する部分以外は図
17乃至図20に示した第1例目の物体搬送装置と同様
に構成されているので、装置全体としての説明は重複す
る故に省略し、要部のみの説明に留める。また、以下の
説明において、図17乃至図20に示した物体搬送装置
の構成部分と同一の構成部分については同じ参照符号を
用いて示している。
【0043】図21に示すように、当該物体搬送装置に
おいては、振動体201が、仮想水平面210に対して
平行となされている。そして、物体207を走行させる
走行手段が、該物体207が走行すべき方向に沿って所
定間隔を隔てて並設された複数のノズル215を有して
いる。これらのノズル215は例えば振動体201の上
方に配設され、斜め後方より物体207に向けて圧搾空
気を噴出する。物体207はこの噴出する圧搾空気によ
って加速され、搬送される。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】上述した物体搬送装置
によれば、前述したウェーハ153(図12など参照)
を上記物体107として、完全に非接触の状態にて搬送
することができる。
【0045】しかしながら、当該物体搬送装置では、搬
送方向は水平方向に限られ、垂直方向や斜め方向へは搬
送できない。
【0046】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
であって、その主目的とするところは、ウェーハ等の物
体を完全に非接触状態にて搬送し得ると共に、水平方向
のみならず垂直方向及び斜め方向の搬送も可能とし、し
かも方向転換も自在に行えるなど、搬送経路の制限がな
い物体浮揚装置及び物体搬送装置を提供することであ
る。
【0047】また、本発明は、更に、上記効果に加えて
他の効果をも併せ奏し得る物体浮揚装置及び物体搬送装
置を提供することを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明による物体浮揚装
置は、振動体と、該振動体を励振する超音波励振手段と
を備え、該振動体の音波の放射圧によって該振動体の表
面上に物体を浮揚させ、前記放射圧が、前記振動体の外
周側が中央側に比して大であるように設定されているも
のである。また、本発明による物体搬送装置は、振動体
と、該振動体を励振する超音波励振手段と、該振動体を
保持して搬送する搬送手段とを備え、該振動体の音波の
放射圧によって該振動体の表面上に物体を浮揚させ、前
記放射圧が、前記振動体の外周側が中央側に比して大で
あるように設定されている。
【0049】
【作用】上記構成の物体浮揚装置によれば、浮揚状態の
物体には振動体の中央に留めようとする力が常に作用
し、物体が該中央から外周側に逸脱しようとすると外周
側の大きな放射圧によって中央側へと押し戻される。
【0050】また、上記構成の物体搬送装置によれば、
上記と同様にして浮揚状態の物体が振動体の中央位置に
保たれ、この状態で搬送手段によって任意の方向へと搬
送される。
【0051】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付図面を
参照しつつ説明する。
【0052】図1に、本発明の第1実施例として、物体
浮揚装置1を含む物体搬送装置を示す。
【0053】図示のように、当該物体搬送装置は、上記
物体浮揚装置1に加え、該物体浮揚装置のうち発振器
(後述)を除く部分を保持して搬送する搬送手段として
のアーム式ロボット3を備えている。但し、該発振器も
搬送するようにしてもよい。
【0054】このアーム式ロボット3は、物体浮揚装置
1のうち発振器を除く部分が先端に装着されたアーム5
と、該アーム5を往復動(矢印X1 にて示す)自在に支
持すると共に駆動する支持駆動手段6と、該支持駆動手
段6を搭載してこれを回転(矢印R1 にて示す)させる
θテーブル8とを有している。但し、図示のように、該
アーム5の往復動と支持駆動手段6の回転は、水平面内
にてなされる。
【0055】上記アーム5及び支持駆動手段6は、具体
的には、例えば、該アーム5を出力ロッドとするエアシ
リンダ若しくは油圧シリンダからなる。
【0056】なお、物体浮揚装置1の振動部など、比較
的大きな重量を先端にて支える上記アーム5の出没動作
に基づく当該物体搬送装置全体としてのバランスを維持
すべく、支持駆動手段6の後端部にカウンターウェイト
10が設けられている。更に、このカウンターウェイト
10は、アーム5の出没動作と連動して往復動(矢印X
2 にて示す)を行うように構成され、アーム5の突出量
に応じて装置全体のモーメントが完全に釣り合うように
なされている。
【0057】一方、上記物体浮揚装置1は、次のように
構成されている。
【0058】すなわち、図1乃至図3に示すように、略
円盤状に形成された振動体15と、超音波振動発生部1
6と、発振器17(図1に図示)とを備えている。該超
音波振動発生部16及び発振器17は、該振動体15を
励振する超音波励振手段を構成する。振動体15は、該
超音波励振手段によって励振され、搬送されるべき物体
としてのシリコンウェーハ(以下、単にウェーハと呼
ぶ)20をその表面上で浮揚させる。
【0059】図1乃至図3に示すように、上記超音波振
動発生部16は、上記振動体15と結合されるホーン2
2を有している。このホーン22は、後述する振動子が
発する振動の振幅を機械的に増幅するものであり、その
材質としてジュラルミン等が選定される。
【0060】図4に示すように、振動体15は、ホーン
22に対し、その主面中央部において皿ねじ24によっ
て締着されている。詳しくは、ホーン22の先端部に該
皿ねじ24が螺合するねじ孔22aが形成され、振動体
15の上面側には該皿ねじ24の頭部が嵌合するテーパ
状の座ぐり部15aが形成されている。この座ぐり部1
5aは、皿ねじ24の頭部の高さ寸法より深く形成され
ており、それ故に、該頭部が振動体15の上面から突出
することがない。
【0061】上記した皿ねじ24と、ホーン22のねじ
孔22aと、振動体15に形成された座ぐり部15aと
を、締結手段と総称する。このように締結手段によって
振動体15とホーン22とを結合した構成においては、
締結を解除すること、すなわち皿ねじ24を緩めて取り
外すことによって振動体15の着脱が可能である。
【0062】なお、振動体15とホーン22との結合
は、上記した締結手段による他、半田付け、ロウ付け、
溶接、接着、嵌合(焼きばめ等)などを用いてもよい。
但し、上述のように締結手段を用いて着脱可能に結合す
れば、振動体15上に浮揚させるべき物体の大きさ、形
状、重量等に応じて振動体15を適当なものに自在に交
換することができ、実作業上有用である。これら各種の
結合手段は、後述する他の実施例においても同様に適用
される。
【0063】続いて、上記ホーン22を含む超音波振動
発生部16について詳述する。
【0064】図2及び図3から明らかなように、該超音
波振動発生部16において、ホーン22は、振動体15
に対する結合部とは反対側、すなわち下端側において振
動子26と結合されている。この振動子26の電極26
aと図1に示す発振器17とが接続ケーブル28によっ
て接続されており、振動子26は該発振器17によって
駆動されて超音波振動を発生する。
【0065】なお、図2において、振動子26及びホー
ン22による超音波振動の振動方向を矢印Uにて示して
いる。このように、振動子26及びホーン22は縦振動
を行う。
【0066】上記ホーン22にはフランジ部22bが形
成されており、振動子26及び該ホーン22を内蔵する
ケース30に対して該フランジ部22bが、ボルト31
によって、且つパッキン22cを介して締結されてい
る。
【0067】上記ケース30の上端部側面には、ハンド
33がその一端で溶接あるいはボルト締め等にて取り付
けられている。図1に示すように、このハンド33の他
端と、アーム式ロボット3が有するアーム5の先端とに
は、夫々フランジ部33a,5aが設けられている。そ
して、該両フランジ部33a,5aをボルト35及びナ
ット36によって互いに締結することにより、発振器1
7を除いた物体浮揚装置1が該アーム5に装着されてい
る。
【0068】なお、図2及び図3に示すように、上記ハ
ンド33は中空とされ、前述した接続ケーブル28は該
ハンド33内をグロメット39等を介して案内され、図
1に示した発振器17に導かれる。但し、該接続ケーブ
ル28は、アーム式ロボット3の出没動作に追従するよ
うに、余裕をもった長さに設定されている。
【0069】ここで、振動体15の形状について詳述す
る。
【0070】この振動体15は材質をジュラルミン等と
する単一の部材からなり、前述したように全体としては
略円盤状に形成され、図2から明らかなように、その上
面15cは平坦となされている。そして、下面側はホー
ン22に向って縮径するテーパ面15dとされている。
これにより、振動体15の厚みが、該振動体15の中央
部から外周部に向って漸次、この場合連続的に薄くなる
ように変化している。
【0071】次に、上記した構成の物体搬送装置の動作
を説明する。
【0072】まず、図1に示す発振器17が予め作動せ
しめられ、振動体15が励振される。振動体15は、ホ
ーン22を通じて伝達される縦振動に基づいて、半径方
向の撓み振動を行う。このため、振動体15の直径は共
振長に設定されている。すなわち、振動体15には、何
箇所かに定常波の腹及び節が同心的に生ずる。
【0073】この振動状態で、図1に示したアーム式ロ
ボット3のアーム5が突出せしめられ、振動体15及び
超音波振動発生部16が、同図において実線で示す位置
から二点鎖線にて示す位置に移動する。そして、搬送さ
れるべきウェーハ20が、図示しない他のロボットある
いは作業者によって該振動体15上に供給される。
【0074】すると、該ウェーハ20は、振動体15が
発する音波の放射圧によって、該振動体15の上面15
c(図2参照)から浮揚した状態となる。図2におい
て、この浮揚の高さを記号e1 にて示している。
【0075】ところで、上記振動体15は、前述したよ
うに、その厚みが中央部から外周部に向って漸次変化、
具体的には漸次小となるように設定されている。かかる
構成の故、該振動体15の撓み振動の振幅は、図2にお
いて記号Hにて示すように、中央部から外周に向って漸
次大となる。これにより、同図において多数の矢印41
と曲線Iとで示すように、振動体15が発する音波の放
射圧は、該振動体15の外周側が中央側に比して大とな
る。
【0076】上記構成によれば、ウェーハ20には振動
体15の中央に留めようとする力が常に作用し、ウェー
ハ20が該中央から外周側に逸脱しようとすると外周側
の大きな放射圧によって中央側へと押し戻される。
【0077】上記のようにして振動体15上へのウェー
ハ20の供給が完了したら、図1において、アーム式ロ
ボット3のアーム5が引込み動作させられると共に、θ
テーブル8の作動によって支持駆動手段6が180°回
転(紙面に直角な水平面内での回転)せしめられる。続
いて、該支持駆動手段6の作動によってアーム5が突出
させられ、ウェーハ20はこれを担持した振動体15と
共に後段の工程へ向けて送り込まれ、回収される。
【0078】この後、アーム式ロボット3は図1におい
て実線で示す状態へと復帰動作し、以降、次々と前段工
程から供給されるウェーハについて上記一連の動作が繰
り返される。
【0079】上記から明らかなように、当該物体搬送装
置においては、搬送物体としてのウェーハ20は完全に
非接触状態にて水平方向に搬送され、また、180°の
方向転換がなされる。
【0080】なお、上記構成では、ウェーハ20は振動
体15の中央位置にほぼ静止した状態にて搬送される
故、搬送による該ウェーハ20の位置決めの精度は、上
記アーム式ロボット3自体が有する高い作動精度に基づ
いて高められている。
【0081】また、上記のような振動体15上における
ウェーハ20の逸脱防止作用は、本実施例のように振動
体15にその半径方向において厚みの変化をもたせるこ
と等によって比較的簡単に実施できるからコストが安く
済むものであり、しかも、物体浮揚装置1の構造の簡略
化と小型化も併せて達成され、実用上非常に有効であ
る。
【0082】特に、上記のように、振動体15の厚みを
中央部から外周部に向って漸次変化させて上記音波の放
射圧の変化を得る構成では、複雑な加工を要することも
なく、安価であり、放射圧の強弱や変化の率を自在に設
定できるものである。具体的には、本実施例のように、
振動体15の厚みを連続的に変化させる構成では、厚さ
t(図2参照)を有するジュラルミン製等の平板状の単
一の素材に切削加工や研削加工を施すことによって容易
に形成することができる。
【0083】図5は、本発明の第2実施例としての物体
搬送装置の要部にしてホーン22に結合される略円盤状
の振動体45について、その直径に沿って縦に切断した
状態を示す縦断面図である。但し、当該物体搬送装置
は、この振動体45を除いては図1乃至図4に示した第
1実施例としての物体搬送装置と同様に構成されてお
り、装置全体としての構成及び動作の説明は重複する故
に省略し、該振動体45のみの説明に留める。また、以
下の説明において、上記第1実施例の物体搬送装置の構
成部分と同一又は対応する構成部分については同じ参照
符号を付して示している。また、このことは、後述する
第3実施例乃至第8実施例に関しても同様である。
【0084】図示のよう、この振動体45も単一の部材
からなり、その下面側に複数、この場合7段の段差部4
5a乃至45gが同心的に形成されている。これによ
り、該振動体45の厚みが、中央部から外周部に向って
段階的に小さくなるように変化している。
【0085】図6に、本発明の第3実施例としての物体
搬送装置の要部であって略円盤状に形成された振動体4
6について、その直径に沿って縦に切断した断面形状を
示す。図示のように、この振動体46は、直径の異なる
例えば7枚の板状部材46a乃至46gを直径の大きさ
の順に重ねて結合してなる。そして、該各板状部材46
a乃至46gの外周部の下面側にはテーパ面が形成さ
れ、各板状部材46a乃至46gはその各々のテーパ面
が面一に連なるようになされている。従って、当該振動
体46は、全体として、その下面側にテーパ面を有し、
これによって、該振動体46の厚みが、中央部から外周
部に向って漸次連続的に小さくなるように変化してい
る。
【0086】図7は、本発明の第4実施例としての物体
搬送装置の要部である略円盤状の振動体47について、
その直径に沿って縦に切断した断面形状を示すものであ
る。
【0087】図示のように、この振動体47も、直径の
異なる複数、この場合8枚の板状部材47a乃至47h
を直径の大きさの順に重ねて結合してなる。但し、この
場合、各板状部材47a乃至47hは単に円形の平板状
に形成され、外周部にテーパ面は形成されていない。こ
の構成によって、該振動体47の厚みが、中央部から外
周部に向って漸次変化、具体的には段階的に小さくなる
ように変化している。
【0088】上記第2実施例乃至第4実施例側の各物体
搬送装置においても、夫々の物体搬送装置が備える各振
動体45,46及び47が発する音波の放射圧は、該各
振動体の外周側が中央側に比して大となる。従って、前
述した第1実施例の物体搬送装置と同様に、これら振動
体45乃至47上で浮揚するウェーハ20には該各振動
体の中央に留めようとする力が常に作用し、ウェーハ2
0が該中央から外周側に逸脱しようとすると外周側の大
きな放射圧によって中央側へと押し戻される。よって、
搬送物体としてのウェーハ20は、完全に非接触の状態
で搬送される。
【0089】なお、図5に示した振動体45のように単
一の部材の厚みを段階的に変化させる構成では、図1乃
至図4に示した第1実施例の物体搬送装置が備える振動
体15、すなわち厚みが連続的に変化するものと同様、
平板状の素材に切削加工等を施すことによって容易に形
成することができる。
【0090】一方、図6及び図7に示した振動体46,
47のように、直径の異なる複数の薄い板状部材46a
乃至46g、47a乃至47hを重ねて結合する構成で
は、これら薄い板状部材は素材を単に切断(但し、図6
に示すものでは外周部下面側にテーパ面を形成すべくプ
レス加工等も併用)するだけで得られ、該各板状部材を
重ねて結合する作業も特に困難ではないので、上記切削
加工等による場合に比して大量生産に適する。
【0091】図8乃至図10は、夫々、本発明の第5実
施例乃至第7実施例としての各物体搬送装置の要部であ
る振動体とその周辺の部材を示す図である。
【0092】なお、これら第5実施例乃至第7実施例の
各物体搬送装置が具備する振動体は、前述した第1実施
例の物体搬送装置が有する振動体15と同じものとされ
ている。
【0093】図8に示す第5実施例においては、振動子
26がホーン(22:図2等を参照)などを介さず、振
動体15に直結結合されている。従って、該ホーン等を
設けない分、装置の小型化、具体的には、ウェーハ20
を浮揚状態にて担持する部分(図8に示す構成)の薄型
化が達成され、狭いスペースでも物体浮揚装置を用いる
ことができる。
【0094】なお、この第5実施例のものでは、図示の
ように、上記振動子26にフランジ部26cが形成され
ており、このフランジ部26cが図1に示すアーム式ロ
ボット3のアーム5の先端に取り付けられる。この取付
けのための構造については、その説明を省略する。
【0095】図9に示す第6実施例においては、振動子
としてリング型振動子51が採用され、該リング型振動
子51が振動体15に直接結合されている。該リング型
振動子51は薄形であり、装置全体の更なるコンパクト
化、特に、ウェーハ20を浮揚状態にて担持する部分
(図9に示す構成)の薄型化が図られている。
【0096】一方、この第6実施例においては、図示の
ように、振動体15がリング状の受け治具53によって
支持される。該受け治具53は、ハンド33を介して図
1に示すアーム式ロボット3のアーム5に取り付けられ
る。この受け治具53は、振動体15の振動の節位に結
合され、これによって該振動体15が搬送される。この
ように振動の節位を保持することによって、搬送手段と
してのアーム式ロボット3(図1に図示)に対して振動
のエネルギーが無駄に伝わることがなく、ウェーハ20
の浮揚に有効に費される。この構成は、本実施例のよう
にリング型振動子51を用い、該振動子51自体によっ
ては振動体15を支え持たせることをしない構成におい
て有効である。
【0097】図10に示す第7実施例においては、振動
子として更に薄形のディスク型振動子55が採用されて
おり、該ディスク型振動子55が振動体15に直接結合
されている。この構成では、物体浮揚装置、特に、ウェ
ーハ20を浮揚状態にて担持する部分(図10に示す構
成)を極限まで薄くすることが可能となっている。
【0098】この第7実施例においても、振動体15が
リング状の受け治具53によって支持される。該受け治
具53は、ハンド33を介して図1に示すアーム式ロボ
ット3のアーム5に取り付けられる。この受け治具53
は、振動体15の振動の節位に結合され、これによって
該振動体15が搬送される。このように振動の節位を保
持することにより、前述した第6実施例のものと同様、
搬送手段としてのアーム式ロボット3(図1に図示)に
対して振動のエネルギーが無駄に伝わることがなく、ウ
ェーハ20の浮揚に有効に費される。
【0099】図11に、本発明の第8実施例として、エ
レベータ形式の物体搬送装置を示す。
【0100】図示のように、当該物体搬送装置において
は、振動体15及び超音波振動発生部16が可動ベース
57上に搭載されている。該可動ベース57には、スラ
イダ58が取り付けられ、該スライダ58を直線的に案
内するトラックレール59が設けられている。該トラッ
クレール59は、斜めに設置された架台60上に固定さ
れている。すなわち、可動ベース57は斜め方向におい
て往復動自在となっている。なお、超音波振動発生部1
6が含む振動子(26:図2参照)を駆動する発振器1
7(図1参照)は、固定側である該架台60上の所定位
置に設けられている(図示はしない)。
【0101】上記可動ベース57を移動させる駆動手段
が設けられており、該駆動手段は下記のように構成され
ている。
【0102】すなわち、上記架台60の上下には、一対
の歯付ベルト車63及び64が、ブラケット65,66
を各々介して取り付けられている。そして、該両歯付ベ
ルト車63,64に歯付ベルト68が掛け回されてい
る。図示のように、該歯付ベルト68は、上記可動ベー
ス57に連結されている。また、図示してはいないが、
該歯付ベルト68を送給すべく、該両歯付ベルト車6
3,64の少なくとも一方に駆動力を付与するためのモ
ータが設けられている。
【0103】上記構成において、上記モータの作動によ
って歯付ベルト68が送給されることにより、可動ベー
ス57が移動(矢印Dにて示す)する。これによって、
振動体15上に浮揚している搬送物体としてのウェーハ
20は、完全に非接触状態にて斜め方向に搬送される。
【0104】当該物体搬送装置はエレベータ形式のもの
であるが、この構成では、ウェーハ20は振動体15の
中央位置にほぼ静止した状態にて搬送される故、搬送に
よる該ウェーハ20の位置決めの精度は、エレベータが
有する高い作動精度に基づいて高められている。
【0105】本実施例においては、ウェーハ20が斜め
に搬送されるが、垂直方向あるいは水平方向に搬送する
ようにすることも可能である。
【0106】なお、上記各実施例においては、各振動体
15,45,46及び47が撓み振動を行うものとして
いるが、縦振動など、他の形態の振動とすることも可能
であり、これら各種振動形態においてウェーハ20等が
浮揚することが実験によって確認されている。
【0107】また、これら振動体15,45,46及び
47は円盤状に形成されているが、ウェーハ20を浮揚
状態で担持する上面の形状は楕円形、三角形、四角形
等、必要に応じてどのような形状としてもよい。
【0108】更に、上記各実施例においては、上記各振
動体15,45,46,47を超音波振動発生部16と
共に搬送する搬送手段として、アーム式ロボット3(図
1参照)やエレベータ(図11参照)を採用している
が、他に、図13乃至図16に示したものなど、各種の
搬送手段を適用可能であることは勿論である。
【0109】また、上記各実施例においては、各振動体
15、45、46、47は、その厚みの変化が中央部か
ら外周部にわたっているが、外周部及びその近傍のみに
ついて厚みを変化させて中央部を含むその他の部分につ
いては平板状としてもよい。この構成でも、該各振動体
の外周側の音波放射圧が中央側に比して大となる。
【0110】更に、図9に示した構成に関しては、実施
例のように振動体15に厚みの変化を持たせることをせ
ず、単純な平板状のものとし、その代わり、リング型振
動子51を大径のものとして該平板状振動体の外周部に
対して振動を加えるようになしてもよい。この構成によ
っても該振動体の音波の放射圧が、外周側が中央側より
も大となる。
【0111】また、本発明は、前述した各実施例の構成
に限らず、これら各実施例が含む構成の一部ずつを互い
に組み合わせたり、応用させ合うことなどにより、多岐
にわたる構成を実現できるものである。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による、物
体浮揚装置及び物体搬送装置においては、ウェーハ等の
物体を表面上にて浮揚させるための振動体に生ずる音波
の放射圧が、該振動体の外周側が中央側に比して大であ
るように設定されている。かかる構成によれば、物体に
はこれを振動体の中央に留めようとする力が常に作用
し、物体が該中央から外周側に逸脱しようとすると外周
側の大きな放射圧によって中央側へと押し戻される。従
って、上記振動体を保持して搬送する搬送手段としてア
ーム式ロボットやエレベータなど適宜のものを選定して
用いることにより、物体を完全に非接触状態にて搬送し
得ると共に、水平方向、垂直方向及び斜め方向の搬送、
並びに方向転換も自在に行うことができ、搬送経路を選
ばず、汎用性が高い。更に、上記の構成では、上記物体
は上記振動体の中央位置にほぼ静止した状態にて搬送さ
れる故、搬送による該物体の位置決めの精度は、上記ア
ーム式ロボット等が有する高い作用精度に基づいて高め
られる。また、上記のような物体の逸脱防止作用は、振
動体にその半径方向において厚みの変化をもたせること
等によって比較的簡単に実施できるからコストが安く済
むものであり、しかも、物体浮揚装置の構造の簡略化と
小型化も併せて達成され、実用上非常に有効である。特
に、振動体の厚みを外周側に向って漸次変化させて上記
放射圧の変化を得る構成では、複雑な加工を要すことも
なく、安価であり、放射圧の強弱や変化の率を自在に設
定できるものである。具体的には、振動の厚みを連続的
若しくは段階的に変化させる構成では、平板状の素材に
切削加工などを施すことによって容易に形成することが
できる。また、振動体の厚みを変化させるには、上記の
ように比較的厚手の単一の素材に切削加工等を施すこと
による他、直径の異なる複数の薄い板状部材を直径の大
きさの順に重ねて結合することによっても実施できる。
この構成では、これら薄い板状部材は素材を単に切断す
るだけで得られ、各板状部材を重ねて結合する作業も特
に困難ではないので、上記切削加工等による場合に比し
て大量生産に適する。また、本発明による物体浮揚装置
においては、上記振動体が、超音波励振手段に対して締
結手段を用いて着脱可能に結合されている。故に、浮揚
させるべき物体の大きさ、形状、重量等に応じて振動体
を適当なものに自在に交換することができ、実作業上有
用である。更に、本発明による物体浮揚装置において
は、上記振動体を励振する超音波励振手段が、超音波振
動を発する振動子と、該振動子を駆動する発振器とを有
し、該振動子がホーンなどを介さず上記振動体に直接結
合されている。従って、該ホーン等を設けない分、装置
の小型化、具体的には、物体を浮揚状態にて担持する部
分の薄型化が達成され、狭いスペースでも当該物体浮揚
装置を用いることができる。また、本発明による物体浮
揚装置においては、この構成を基に、具体的に下記の構
成が採用され、夫々固有の効果が奏される。まず、第1
例として、上記振動子としてリング型振動子が用いられ
る。リング型振動子は薄形であり、装置全体の更なるコ
ンパクト化、特に、物体を浮揚状態にて担持する部分の
薄型化が図られる。次に、第2例として、更に薄形のデ
ィスク型振動子を用いるものである。この構成では、物
体浮揚装置をほぼ極限まで薄くすることが可能となる。
一方、本発明による物体搬送装置においては、上記振動
体はその振動の節位を前述の搬送手段によって保持され
て搬送される。よって、振動のエネルギーが該搬送手段
側に無駄に伝わることがなく、物体の浮揚に有効に費さ
れる。この構成は、特に、上記したリング型やディスク
型の振動子を用いる場合など、振動子自体によっては振
動体を支え持たせることをしない構成において有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例として、物体浮揚
装置を含む物体搬送装置(アーム式ロボット形式)の側
面図である。
【図2】図2は、図1に示した物体搬送装置が具備する
振動体と超音波振動発生部を示す、一部断面を含む側面
図である。
【図3】図3は、図2に示した構成の、一部断面図を含
む斜視図である。
【図4】図4は、図2及び図3に示した構成が含む振動
体とその周辺の部材の一部を示す、拡散分解斜視図であ
る。
【図5】図5は、本発明の第2実施例としての物体搬送
装置の要部である振動体とホーンの縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施例としての物体搬送
装置の要部である振動体とホーンの縦断面図である。
【図7】図7は、本発明の第4実施例としての物体搬送
装置の要部である振動体とホーンの側面図である。
【図8】図8は、本発明の第5実施例としての物体搬送
装置の要部である振動体と振動子を示す、一部断面を含
む側面図である。
【図9】図9は、本発明の第6実施例としての物体搬送
装置の要部である振動体、リング型振動子等を示す側面
図である。
【図10】図10は、本発明の第7実施例としての物体
搬送装置の要部である振動体、ディスク型振動子等を示
す、一部断面を含む側面図である。
【図11】図11は、本発明の第8実施例としての物体
搬送装置(エレベータ形式)の要部の側面図である。
【図12】図12は、従来の搬送手段の第1例であるア
ーム式ロボットを含む装置の斜視図である。
【図13】図13は、従来の搬送手段の第2例であるベ
ルトローダの要部の斜視図である。
【図14】図14は、従来の搬送手段の第3例であるア
ーム式搬送装置の要部の斜視図である。
【図15】図15は、従来の搬送手段の第4例であるリ
ニアモータ式搬送装置の一部の、縦断面図である。
【図16】図16は、従来の搬送手段の第5例であるロ
ボット移動式搬送装置の側面図である。
【図17】図17は、従来の超音波浮揚型物体搬送装置
の、一部断面を含む正面図である。
【図18】図18は、図17に示した物体搬送装置の平
面図である。
【図19】図19は、図17に関するP−P矢視図であ
る。
【図20】図20は、図17乃至図19に示した物体搬
送装置の動作説明図である。
【図21】図21は、他の従来例としての物体搬送装置
の要部を示す正面図である。
【符号の説明】 1 物体浮揚装置 3 アーム式ロボット(搬送手段) 5 アーム 6 支持駆動手段 8 θテーブル 15 振動体 16 超音波振動発生部 17 発振器 20 シリコンウェーハ(搬送物体) 22 ホーン 26 振動子 30 ケース 33 ハンド 45,46,47 振動体 51 リング型振動子 53 受け治具 55 ディスク型振動子 57 可動ベース 58 スライダ 59 トラックレール 60 架台 63,64 歯付ベルト車 68 歯付ベルト

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体と、該振動体を励振する超音波励
    振手段とを備え、該振動体の音波の放射圧によって該振
    動体の表面上に物体を浮揚させ、前記放射圧が、前記振
    動体の外周側が中央側に比して大であるように設定され
    ていることを特徴とする物体浮揚装置。
  2. 【請求項2】 前記振動体の厚みが外周側に向って漸次
    変化していることを特徴とする請求項1記載の物体浮揚
    装置。
  3. 【請求項3】 前記振動体の厚みが連続的に変化してい
    ることを特徴とする請求項2記載の物体浮揚装置。
  4. 【請求項4】 前記振動体の厚みが段階的に変化してい
    ることを特徴とする請求項2記載の物体浮揚装置。
  5. 【請求項5】 前記振動体は、直径の異なる複数の板状
    部材を直径の大きさの順に重ねて結合してなることを特
    徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1記載の
    物体浮揚装置。
  6. 【請求項6】 前記振動体は、前記超音波励振手段に対
    して締結手段を用いて着脱可能に結合されていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1記載
    の物体浮揚装置。
  7. 【請求項7】 前記超音波励振手段は、超音波振動を発
    する振動子と、該振動子を駆動する発振器とを有し、該
    振動子が前記振動体に直接結合されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項6のうちいずれか1記載の物体
    浮揚装置。
  8. 【請求項8】 前記振動子はリング型振動子からなるこ
    とを特徴とする請求項7記載の物体浮揚装置。
  9. 【請求項9】 前記振動子はディスク型振動子からなる
    ことを特徴とする請求項7記載の物体浮揚装置。
  10. 【請求項10】 振動体と、該振動体を励振する超音波
    励振手段と、該振動体を保持して搬送する搬送手段とを
    備え、該振動体の音波の放射圧によって該振動体の表面
    上に物体を浮揚させ、前記放射圧が、前記振動体の外周
    側が中央側に比して大であるように設定されていること
    を特徴とする物体搬送装置。
  11. 【請求項11】 前記搬送手段は前記振動体を振動の節
    位で保持することを特徴とする請求項10記載の物体搬
    送装置。
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