JPH0971760A - 接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた紙管 - Google Patents

接着剤組成物及び該接着剤組成物を用いた紙管

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JPH0971760A
JPH0971760A JP31652995A JP31652995A JPH0971760A JP H0971760 A JPH0971760 A JP H0971760A JP 31652995 A JP31652995 A JP 31652995A JP 31652995 A JP31652995 A JP 31652995A JP H0971760 A JPH0971760 A JP H0971760A
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JP
Japan
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vinyl acetate
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adhesive composition
weight
resin emulsion
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Application number
JP31652995A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Hayazaki
達夫 早崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性や耐熱性等の諸特性に優れると共に、
貯蔵安定性の良好な酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを主
成分とする接着剤組成物、及び、該接着剤組成物を用い
て製せられた紙管を提供することを課題とする。 【解決手段】 カルボキシル基変性ポリビニルアルコー
ル系重合体を保護コロイドとして得られる酢酸ビニル系
樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対し、アセチ
ルアセトン金属塩が0.1〜40重量部含有されている
ことを特徴とする接着剤組成物、又は、ポリビニルアル
コール系重合体を保護コロイドとして得られる酢酸ビニ
ル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対し、ア
セチルアセトン金属塩が0.1〜40重量部及びカルボ
キシル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が1〜40
重量部含有されていることを特徴とする接着剤組成物、
及び、上記いずれかの接着剤組成物を用いて製せられて
いることを特徴とする紙管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙管用、紙包装
用、木工用、一般用等として用いられる酢酸ビニル系樹
脂エマルジョンを主成分とする接着剤組成物、及び、該
接着剤組成物を用いて製せられた紙管に関する。
【0002】
【従来の技術】紙管は、帯状紙片を金属心棒に複数層に
巻回し、その帯状紙片の重合部を接着剤で接着すること
により製造されているが、この場合に用いられる接着剤
としては、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶液、及
びポリビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニ
ル系樹脂エマルジョンなどの1種もしくは2種以上を主
成分とする接着剤組成物が知られている。
【0003】一方、紙管用接着剤には、金属心棒に巻か
れた帯状紙片の復元力に耐える初期接着力や紙管に製管
したあとの接着力、耐水性、耐熱性等が要求される。
【0004】一般に、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを
主成分とする接着剤組成物は、性能のバランスが比較的
良好であると共に低コストでもあるので、汎用接着剤と
して広く用いられているが、耐水性や耐熱性等の諸特性
は未だ十分満足出来るものではない。
【0005】上記に対応するため種々の試みが成されて
おり、例えば、カルボキシル基変性ポリビニルアルコー
ル系重合体を保護コロイドとする酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョンに架橋剤を添加して、架橋させることにより耐
水性や耐熱性等を向上させる方法(特開平6−1079
56号公報)が提案されている。
【0006】しかし、上記提案による方法は、架橋剤を
添加して長時間を経過すると、酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョン中で架橋反応が進行して、却って耐水性や耐熱性
等が低下するという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、耐水性や耐熱性等の諸特性に優
れると共に、貯蔵安定性の良好な酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョンを主成分とする接着剤組成物、及び該接着剤組
成物を用いて製せられた紙管を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による接着剤組成物は、カル
ボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体を保護コ
ロイドとし、酢酸ビニルモノマー単独もしくは酢酸ビニ
ルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノ
マーとを乳化重合して得られる酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョンの固形分100重量部に対し、アセチルアセトン
金属塩が0.1〜40重量部が含有されていることを特
徴とし、そのことにより上記課題が解決される。
【0009】又、請求項2記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)による接着剤組成物は、ポリビニルアルコ
ール系重合体を保護コロイドとし、酢酸ビニルモノマー
単独もしくは酢酸ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマ
ーと共重合可能なモノマーとを乳化重合して得られる酢
酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対
し、アセチルアセトン金属塩が0.1〜40重量部及び
カルボキシル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が1
〜40重量部が含有されていることを特徴とし、そのこ
とにより上記課題が解決される。
【0010】さらに、請求項3記載の発明(以下、「第
3発明」と記す)による紙管は、帯状紙片が管状に巻回
され、この管状に巻回された帯状紙片の重合部が第1発
明又は第2発明による接着剤組成物により接着されてい
ることを特徴とする。
【0011】第1発明及び第2発明による接着剤組成物
の主成分である酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに用いら
れる酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとして
は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル
酸、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。尚、ここで言う「(メ
タ)アクリル」とは「アクリル」又は「メタクリル」を
意味する。
【0012】第1発明による接着剤組成物の主成分であ
る酢酸ビニル系樹脂エマルジョンにおいては、乳化重合
時の保護コロイドとしてカルボキシル基変性ポリビニル
アルコール系重合体が用いられることが必要である。
【0013】上記カルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ール系重合体としては、分子内にカルボキシル基を有す
るポリビニルアルコール系重合体であれば良く特に限定
されるものではないが、例えば、酢酸ビニルモノマーに
代表されるビニルエステル系モノマーを、(メタ)アク
リル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無
水)イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸と共重
合した後、鹸化して得られるランダム共重合体や、末端
にチオール基を有するポリビニルアルコール系重合体の
存在下、上記エチレン性不飽和カルボン酸をラジカル重
合して得られるブロック共重合体等が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。尚、上記
ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニルモノマ
ー以外に、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の各モノマーの1種
もしくは2種以上が用いられても良い。
【0014】上記カルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ール系重合体のカルボキシル基による変性量は、特に限
定されるものではないが、0.1〜50モル%のものが
好ましく、なかでも0.5〜10モル%のものがより好
ましい。
【0015】上記カルボキシル基による変性量が0.1
モル%未満であると、得られる接着剤組成物の耐水性が
不十分となり、逆にカルボキシル基による変性量が50
モル%を超えると、安定な酢酸ビニル系樹脂エマルジョ
ンを得ることが困難となったり、又、安定な酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンが得られても、一般にポリビニルア
ルコール系重合体を保護コロイドとすることによって得
られる接着性や流動特性等を発現し難くなる。
【0016】又、第2発明による接着剤組成物の主成分
である酢酸ビニル系樹脂エマルジョンにおいては、乳化
重合時の保護コロイドとしてポリビニルアルコール系重
合体が用いられることが必要である。
【0017】上記ポリビニルアルコール系重合体として
は、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニ
ルモノマーに代表される前記ビニルエステル系モノマー
を重合した後、鹸化して得られるランダム重合体や、末
端にチオール基を有するポリビニルアルコール系重合体
等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に
用いられる。
【0018】前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ール系重合体及び上記ポリビニルアルコール系重合体の
鹸化度は、特に限定されるものではないが、80〜99
モル%のものが好ましく、なかでも94〜98モル%の
ものがより好ましい。鹸化度が80モル%未満である
と、得られる接着剤組成物の乾燥皮膜の耐水性が低下す
るし、逆に99モル%を超えると乳化重合時の安定性が
悪くなる。
【0019】又、前記カルボキシル基変性ポリビニルア
ルコール系重合体及び上記ポリビニルアルコール系重合
体の平均重合度は、特に限定されるものではないが、1
000〜2500のものが好ましく、なかでも1500
〜2000のものがより好ましい。平均重合度が100
0未満であると、得られる接着剤組成物の乾燥皮膜強度
が弱くなるし、逆に2500を超えると、得られる接着
剤組成物の粘度が高くなり過ぎる。
【0020】さらに、前記カルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコール系重合体及び上記ポリビニルアルコール系
重合体の使用量は、特に限定されるものではないが、酢
酸ビニルモノマー100重量部もしくは酢酸ビニルモノ
マーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマーと
の合計量100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコール系重合体又はポリビニルアルコール系
重合体が0.1〜30重量部であることが好ましく、な
かでも1〜20重量部であることがより好ましい。
【0021】モノマー100重量部に対するカルボキシ
ル基変性ポリビニルアルコール系重合体又はポリビニル
アルコール系重合体の使用量が0.1重量部未満である
と、初期重合を起こし難くなるし、逆に30重量部を超
えると、得られる接着剤組成物の乾燥皮膜強度が弱くな
る。
【0022】第1発明及び第2発明における酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンにおいては、本発明の課題解決を阻
害しない範囲で必要に応じ、カルボキシル基変性ポリビ
ニルアルコール系重合体(第1発明)又はポリビニルア
ルコール系重合体(第2発明)以外に、α−オレフィン
と不飽和カルボン酸との共重合体又はその誘導体の塩基
性物質による水溶化物等が保護コロイドとして併用され
ても良い。
【0023】第1発明及び第2発明における酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンは、特別な重合方法によるものでは
なく、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合
体(第1発明)又はポリビニルアルコール系重合体(第
2発明)を保護コロイドとして用い、過酸化水素水もし
くは過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム等の過硫酸塩等の過酸化物や酒石酸、蟻酸、蓚酸
等の還元剤等の1種もしくは2種以上を重合触媒として
用い、常法により乳化重合することにより得られる。
【0024】上記重合触媒の量は、特に限定されるもの
ではないが、酢酸ビニルモノマー100重量部もしくは
酢酸ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可
能なモノマーとの合計量100重量部に対し、重合触媒
が0.01〜2重量部であることが好ましい。
【0025】第1発明及び第2発明による接着剤組成物
に用いられるアセチルアセトン金属塩とは、アセチルア
セトンと金属とのキレートにより形成される錯塩であ
り、下記一般式(1)で示される。
【化1】 (式中、MはAl、Cr、Cu、Ni、Zn、Ca、M
n等の金属を表し、nは金属の価数を表す)
【0026】上記アセチルアセトン金属塩は、酢酸ビニ
ル系樹脂エマルジョンの乳化重合時に保護コロイドとし
て用いられるカルボキシル基変性ポリビニルアルコール
系重合体中のカルボキシル基との相互作用により、得ら
れる接着剤組成物の耐水性を維持しながら耐熱性を著し
く向上させる。
【0027】第1発明による接着剤組成物は、カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコール系重合体を保護コロイ
ドとして得られる酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを主成
分とし、該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形分10
0重量部に対し、上記アセチルアセトン金属塩が0.1
〜40重量部、好ましくは1〜5重量部、含有されてい
ることが必要である。
【0028】酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形分1
00重量部に対するアセチルアセトン金属塩の含有量が
0.1重量部未満であると、得られる接着剤組成物の耐
熱性が十分向上せず、逆に40重量部を超えると、得ら
れる接着剤組成物の耐水性が低下する。
【0029】第2発明による接着剤組成物に用いられる
カルボキシル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と
は、特に限定されるものではないが、例えば、通常のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体に、触媒、アルコール等の
溶媒、及び、(メタ)アクリル酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等のエチレン
性不飽和カルボン酸を加え、グラフト反応させて得られ
る三元共重合体である。
【0030】上記カルボキシル基変性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体は、その含有するカルボキシル基と併用さ
れるアセチルアセトン金属塩との相互作用により、得ら
れる接着剤組成物の耐水性を維持しながら耐熱性を著し
く向上させる。
【0031】第2発明による接着剤組成物は、ポリビニ
ルアルコール系重合体を保護コロイドとして得られる酢
酸ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とし、該酢酸ビニ
ル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対し、前
記アセチルアセトン金属塩が0.1〜40重量部、好ま
しくは1〜5重量部、及び、上記カルボキシル基変性エ
チレン−酢酸ビニル共重合体が1〜40重量部、好まし
くは5〜10重量部、含有されていることが必要であ
る。
【0032】酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形分1
00重量部に対するアセチルアセトン金属塩の含有量が
0.1重量部未満であると、得られる接着剤組成物の耐
熱性が十分向上せず、逆に40重量部を超えると、得ら
れる接着剤組成物の耐水性が低下する。
【0033】又、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形
分100重量部に対するカルボキシル基変性エチレン−
酢酸ビニル共重合体の含有量が1重量部未満であると、
得られる接着剤組成物の耐熱性が十分向上せず、逆に4
0重量部を超えると、得られる接着剤組成物の貯蔵安定
性が低下する。
【0034】第1発明及び第2発明による接着剤組成物
には、アセチルアセトン金属塩(第1発明及び第2発
明)及びカルボキシル基変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体(第2発明)以外に、本発明の課題解決を阻害しな
い範囲で必要に応じ、粘着付与樹脂、界面活性剤、可塑
剤、充填剤、顔料、染料、消泡剤、防腐剤、有機溶剤等
の各種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていて
も良い。
【0035】又、第1発明及び第2発明による接着剤組
成物は、紙管用に限らず、紙包装用、木工用、一般用等
としても用いられる事は言う迄もない。
【0036】(作用)第1発明による接着剤組成物は、
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体を保
護コロイドとして得られる酢酸ビニル系樹脂エマルジョ
ンの固形分100重量部に対しアセチルアセトン金属塩
が0.1〜40重量部含有されているので、優れた耐水
性や耐熱性等の諸特性を発揮すると共に、貯蔵安定性も
良好である。
【0037】又、第2発明による接着剤組成物は、ポリ
ビニルアルコール系重合体を保護コロイドとして得られ
る酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部
に対しアセチルアセトン金属塩が0.1〜40重量部及
びカルボキシル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が
1〜40重量部含有されているので、優れた耐水性や耐
熱性等の諸特性を発揮すると共に、貯蔵安定性も良好で
ある。
【0038】さらに、第3発明による紙管は、第1発明
又は第2発明による接着剤組成物を用いて製せられるの
で、製管時の作業性が良好であると共に、耐水性や耐熱
性等の諸特性に優れる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0040】(実施例1)
【0041】(1)酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの重
攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた反応
容器に、水112部及びカルボキシル基変性ポリビニル
アルコール系重合体(商品名「クラレPVA−Kポリマ
ーKL118」、鹸化度96モル%、平均重合度170
0、クラレ社製)11部を仕込み、攪拌しながら90℃
で1時間加熱してカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ール系重合体の水溶液を得た。次に、この水溶液を70
℃に冷却し、これに酢酸ビニルモノマー8部と重合触媒
(過酸化水素水0.1部及び酒石酸0.1部)を投入し
て初期重合を行わせた。次いで、酢酸ビニルモノマー9
2部と重合触媒(過酸化水素水0.4部及び酒石酸0.
4部)を滴下して70℃で乳化重合を行った後、90℃
で1時間熟成して、粘度(30℃)6000cps、固
形分50%の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0042】(2)接着剤組成物の調整 上記で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの固形分
100部に対し、アセチルアセトン金属塩(商品名「ナ
ーセムアルミニウム」、日本化学産業社製)4部を添加
した後、さらに可塑剤や希釈水等の添加剤を添加して均
一に混合し、粘度(30℃)2000cps、固形分4
3%の接着剤組成物を得た。
【0043】(3)評価 上記で得られた接着剤組成物の耐水性(落下時間)及
び耐熱性(基材破壊率)を以下の方法で評価した。そ
の結果は表1に示すとおりであった。尚、上記評価は、
調整直後の接着剤組成物(初期)及び40℃の雰囲気下
に20日間放置後の接着剤組成物(貯蔵後)の両方につ
いて行った。
【0044】耐水性(落下時間) 25mm×50mmに裁断したB級紙管用原紙(0.5
K、280g/m2 、岡山製紙社製)2枚を試験片と
し、一方の試験片の片面の半分に接着剤組成物を塗布面
積25mm×25mm、塗布量0.05g/(25m
m)2 となるように塗布し、この塗布面に他方の試験片
の片面の半分を互い違いに貼り合わせ、この貼り合わせ
部分を1kg/(25mm)2 の圧力で60秒間圧着し
た後、20℃−65%RHの雰囲気下で24時間養生し
て接着試験片を作成した。次いで、この接着試験片の一
方の試験片の下端に100gの分銅を吊り下げた状態で
60℃の温水中に垂直に浸漬し、試験片が接着面で剥離
して落下する迄の最短時間(分)を測定した。
【0045】耐熱性(基材破壊率) 25mm×50mmに裁断した上記と同様のB級紙管用
原紙2枚を試験片とし、一方の試験片の片面に接着剤組
成物を塗布面積25mm×50mm、塗布量30g/m
2 となるように塗布し、この塗布面に他方の試験片の片
面を貼り合わせ、この貼り合わせ部分を70g/cm2
の圧力で60秒間圧着した後、20℃−65%RHの雰
囲気下で24時間養生して接着試験片を作成した。次い
で、この接着試験片の表面に表面温度を250℃とした
アイロンを接触させ60秒間加熱した後、直ちに、ピン
セットで接着面を剥離して接着試験片の接着面の基材破
壊率(面積%)を測定した。
【0046】(実施例2)
【0047】酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの重合にお
いて、モノマー組成を酢酸ビニルモノマー98部及びエ
チレングリコールジメタクリレート2部としたこと以外
は実施例1と同様にして酢酸ビニル系樹脂エマルジョン
及び接着剤組成物を得た。
【0048】(実施例3)
【0049】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するアセチル
アセトン金属塩「ナーセムアルミニウム」の量を20部
としたこと以外は実施例1と同様にして接着剤組成物を
得た。
【0050】(比較例1)
【0051】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するアセチル
アセトン金属塩「ナーセムアルミニウム」の量を0.0
2部としたこと以外は実施例1と同様にして接着剤組成
物を得た。
【0052】(比較例2)
【0053】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するアセチル
アセトン金属塩「ナーセムアルミニウム」の量を60部
としたこと以外は実施例1と同様にして接着剤組成物を
得た。
【0054】(比較例3)
【0055】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対し、アセチル
アセトン金属塩の代わりに、エポキシ樹脂(商品名「ク
ラタックB−1」、クラレ社製)4部を添加したこと以
外は実施例1と同様にして接着剤組成物を得た。
【0056】実施例2〜3、及び、比較例1〜3で得ら
れた接着剤組成物の耐水性(落下時間)及び耐熱性
(基材破壊率)を実施例1と同様にして評価した結果は
表1に示すとおりであった。
【0057】
【表1】
【0058】(実施例4)
【0059】攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下漏斗
を備えた反応容器に、水112部及びポリビニルアルコ
ール系重合体(商品名「クラレPVA−CST」、鹸化
度96モル%、平均重合度1700、クラレ社製)11
部を仕込み、攪拌しながら90℃で1時間加熱してポリ
ビニルアルコール系重合体の水溶液を得た。次に、この
水溶液を70℃に冷却し、これに酢酸ビニルモノマー8
部と重合触媒(過酸化水素水0.1部及び酒石酸0.1
部)を投入して初期重合を行わせた。次いで、酢酸ビニ
ルモノマー92部と重合触媒(過酸化水素水0.4部及
び酒石酸0.4部)を滴下して70℃で乳化重合を行っ
た後、90℃で1時間熟成して、粘度(30℃)600
0cps、固形分50%の酢酸ビニル系樹脂エマルジョ
ンを得た。
【0060】上記で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジ
ョンの固形分100部に対し、アセチルアセトン金属塩
「ナーセムアルミニウム」4部及びカルボキシル基変性
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「スミカフレッ
クスS−500」、住友化学工業社製)6部を添加した
後、さらに可塑剤や希釈水等の添加剤を添加して均一に
混合し、粘度(30℃)2000cps、固形分43%
の接着剤組成物を得た。
【0061】(実施例5)
【0062】酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの重合にお
いて、モノマー組成を酢酸ビニルモノマー98部及びエ
チレングリコールジメタクリレート2部としたこと以外
は実施例4と同様にして酢酸ビニル系樹脂エマルジョン
及び接着剤組成物を得た。
【0063】(実施例6)
【0064】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するアセチル
アセトン金属塩「ナーセムアルミニウム」の量を20部
としたこと以外は実施例4と同様にして接着剤組成物を
得た。
【0065】(実施例7)
【0066】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するカルボキ
シル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体「スミカフレ
ックスS−500」の量を20部としたこと以外は実施
例4と同様にして接着剤組成物を得た。
【0067】(比較例4)
【0068】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するアセチル
アセトン金属塩「ナーセムアルミニウム」の量を0.0
2部としたこと以外は実施例4と同様にして接着剤組成
物を得た。
【0069】(比較例5)
【0070】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するアセチル
アセトン金属塩「ナーセムアルミニウム」の量を60部
としたこと以外は実施例4と同様にして接着剤組成物を
得た。
【0071】(比較例6)
【0072】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対し、アセチル
アセトン金属塩の代わりに、エポキシ樹脂「クラタック
B−1」4部を添加したこと以外は実施例4と同様にし
て接着剤組成物を得た。
【0073】(比較例7)
【0074】接着剤組成物の調整において、カルボキシ
ル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体「スミカフレッ
クスS−500」を含有させなかったこと以外は実施例
4と同様にして接着剤組成物を得た。
【0075】(比較例8)
【0076】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するカルボキ
シル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体「スミカフレ
ックスS−500」の量を0.4部としたこと以外は実
施例4と同様にして接着剤組成物を得た。
【0077】(比較例9)
【0078】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
系樹脂エマルジョンの固形分100部に対するカルボキ
シル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体「スミカフレ
ックスS−500」の量を50部としたこと以外は実施
例4と同様にして接着剤組成物を得た。
【0079】(比較例10)
【0080】接着剤組成物の調整において、カルボキシ
ル基変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりに、通
常の未変性のエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名
「スミカフレックスSF−400」、住友化学工業社
製)を用いたこと以外は実施例4と同様にして接着剤組
成物を得た。
【0081】実施例4〜7、及び、比較例4〜10で得ら
れた接着剤組成物の耐水性(落下時間)及び耐熱性
(基材破壊率)を実施例1と同様にして評価した結果は
表2に示すとおりであった。
【0082】
【表2】
【0083】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明及び第2発
明による接着剤組成物は、優れた耐水性や耐熱性等の諸
特性を発揮すると共に、貯蔵安定性も良好である。又、
上記いずれかの接着剤組成物を用いて製せられる第3発
明による紙管は、製管時の作業性が良好であると共に、
耐水性や耐熱性等の諸特性に優れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基変性ポリビニルアルコー
    ル系重合体を保護コロイドとし、酢酸ビニルモノマー単
    独もしくは酢酸ビニルモノマーと該酢酸ビニルモノマー
    と共重合可能なモノマーとを乳化重合して得られる酢酸
    ビニル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対
    し、アセチルアセトン金属塩が0.1〜40重量部含有
    されていることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系重合体を保護コ
    ロイドとし、酢酸ビニルモノマー単独もしくは酢酸ビニ
    ルモノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノ
    マーとを乳化重合して得られる酢酸ビニル系樹脂エマル
    ジョンの固形分100重量部に対し、アセチルアセトン
    金属塩が0.1〜40重量部及びカルボキシル基変性エ
    チレン−酢酸ビニル共重合体が1〜40重量部含有され
    ていることを特徴とする接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 帯状紙片が管状に巻回され、この管状に
    巻回された帯状紙片の重合部が請求項1又は請求項2記
    載の接着剤組成物により接着されていることを特徴とす
    る紙管。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116376475A (zh) * 2023-04-17 2023-07-04 长沙乐远化工科技有限公司 一种快干型高速搭口胶及制备方法

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