JPH07228849A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH07228849A
JPH07228849A JP31884894A JP31884894A JPH07228849A JP H07228849 A JPH07228849 A JP H07228849A JP 31884894 A JP31884894 A JP 31884894A JP 31884894 A JP31884894 A JP 31884894A JP H07228849 A JPH07228849 A JP H07228849A
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JP
Japan
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vinyl acetate
adhesive composition
copolymer emulsion
emulsion
ethylene
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Pending
Application number
JP31884894A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichiro Nakajima
潤一郎 中島
Nobuyuki Okinaga
信幸 沖永
Kunio Hanashita
国雄 花下
Toshihiro Nishikawa
俊宏 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた初期接着性と低温接着性及び優れた耐
熱性と塗工作業性等を有し、主として化粧合板用及び塩
ビオーバーレイ化粧合板用等として好適に用いられる接
着剤組成物を提供することを目的とする。 【構成】 エチレン含有量が10〜30重量%であり、
樹脂分が60重量%以上である酢酸ビニル−エチレン共
重合体エマルジョンと、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
とが混合されて成ることを特徴とする接着剤組成物、又
は、エチレン含有量が18〜25重量%であり、ガラス
転移温度が0〜4℃である酢酸ビニル−エチレン共重合
体エマルジョンと、酢酸ビニル−アクリル共重合体エマ
ルジョンとが混合されて成ることを特徴とする接着剤組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として化粧合板用、
塩ビオーバーレイ化粧合板用等として好適に用いられる
接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧紙とラワン等の合板を接着し
て得られる化粧合板用接着剤としては、主として酢酸ビ
ニル樹脂系エマルジョン接着剤が用いられてきた。しか
し、上記酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤では、近
年の接着作業の高速化に伴って要求が強まっている優れ
た初期接着性や低温接着性に充分対応出来ないという問
題点がある。
【0003】一方、軟質もしくは半硬質の塩化ビニルシ
ートとラワン等の合板を接着して得られる塩ビオーバー
レイ化粧合板(以下、「塩ビ合板」と記す)は、塩ビシ
ートの有する重厚さ、加工性、耐燃性等が評価され、弱
電用キャビネット、家具類、建材用等に広く使用されて
おり、特に弱電用キャビネットは殆ど塩ビ合板である。
上記塩ビ合板の塩ビシートと合板の接着には、従来より
主として酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン接
着剤が用いられてきた。
【0004】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョン接着剤は、一般に初期接着性、低温接着性、常温
の接着強度等は良好であるが、耐熱性や塗工作業性等が
不充分であるという問題点があり、又、価格が前記酢酸
ビニル樹脂系エマルジョン接着剤の約2倍以上であると
いう問題点もある。
【0005】塩ビ合板用接着剤に要求される耐熱性はキ
ャビネット用途に欠くことのできない特性であり、熱に
よる塩ビシートの剥離、膨れ、収縮等の無いことが必要
である。又、塗工作業性は塩ビ合板の生産上の重要な要
素であり、塗工作業性が悪いと単に生産性が低下するの
みならず塩ビ合板の仕上がりが悪くなるなど品質上の問
題も発生する。
【0006】塩ビ合板用接着剤の耐熱性を改良するため
種々の試みが行われており、例えば、ベンゼン不溶分が
10〜80重量%でエチレン含有量が10〜25重量%
の酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと、ガラ
ス転移温度が0〜30℃の範囲にありベンゼン不溶分が
80重量%以下で塩化ビニル含有量が20〜70重量%
の塩化ビニル−酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジ
ョンとを一定比率で混合する方法が提案されている(特
公昭62−12276号公報)が、この方法の場合、塗
工作業性は改良されておらず耐熱性も未だ不充分であ
り、上記問題点は依然として未解決である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、優れた初期接着性と低温接着性
及び優れた耐熱性と塗工作業性等を有し、主として化粧
合板用及び塩ビオーバーレイ化粧合板用等として好適に
用いられる接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による接着剤組成物は、エチ
レン含有量が10〜30重量%であり、樹脂分が60重
量%以上である酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジ
ョンと、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとが混合されて
成ることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0009】請求項2記載の発明(以下、「第2発明」
と記す)による接着剤組成物は、エチレン含有量が18
〜25重量%であり、ガラス転移温度が0〜4℃である
酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと、酢酸ビ
ニル−アクリル共重合体エマルジョンとが混合されて成
ることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成され
る。尚、ここで言うガラス転移温度とは、酢酸ビニル−
エチレン共重合体の粘弾性スペクトルのtanδのピー
ク値で示されるTgを意味する。
【0010】第1発明による接着剤組成物に用いられる
酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンは、エチレ
ン含有量が10〜30重量%であり、樹脂分が60重量
%以上、好ましくは65重量%以上、であることが必要
である。
【0011】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンのエチレン含有量が10重量%未満であると、得
られる接着剤組成物の低温接着性や初期接着性が不充分
となり、逆に30重量%を超えると、得られる接着剤組
成物の耐熱性が低下する。
【0012】又、上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エ
マルジョンの樹脂分が60重量%未満であると、得られ
る接着剤組成物の初期接着性が充分向上しない。
【0013】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンの製造方法は、特別なものではなく、例えば、鹸
化度75〜97モル%程度、平均重合度300〜270
0程度のポリビニルアルコール等を保護コロイドとし、
界面活性剤やセルロース系誘導体等を乳化分散剤とし
て、酢酸ビニルモノマーとエチレンとを常法により乳化
共重合すれば良い。
【0014】又、上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エ
マルジョンは、エチレン含有量及び樹脂分が上述の規定
範囲を逸脱しない限り、カルボキシル基、エポキシ基、
スルホン酸基、水酸基、メチロール基、アルコキシル基
等の官能基を有するビニルモノマーをさらに共重合させ
た酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンであって
も良い。
【0015】第1発明による接着剤組成物に用いられる
酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、α−オ
レフィンと不飽和カルボン酸との共重合体もしくはその
誘導体等の水溶性高分子の水溶液、又は該水溶性高分子
の水溶液と界面活性剤との混合水溶液等を保護コロイド
とし、過酸化水素水や過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、酒石酸、蟻酸、
蓚酸等の還元剤等の1種もしくは2種以上を重合触媒と
して、酢酸ビニルモノマー単独、もしくは酢酸ビニルモ
ノマーと該酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモノマー
とを、常法により乳化(共)重合して得られる。
【0016】上記酢酸ビニルモノマーと共重合可能なモ
ノマーの種類としては、特に限定されるものではない
が、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル
系モノマーや、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリ
ル、クロロプレン、イソプレン、平均炭素数10の第3
級カルボン酸ビニル等のモノマー等が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。尚、ここ
で言う「(メタ)アクリル」とは「アクリル」又は「メ
タクリル」を意味する。
【0017】第1発明による接着剤組成物は、前記エチ
レン含有量が10〜30重量%であり、樹脂分が60重
量%以上である酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジ
ョンと、上記酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとが混合さ
れて成る。
【0018】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンと酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとの混合比率
は、特に限定されるものではないが、重量比で酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体エマルジョン/酢酸ビニル樹脂系
エマルジョン=0.1〜1程度であることが好ましい。
【0019】上記比率が0.1程度未満であると、得ら
れる接着剤組成物の初期接着性や低温接着性が充分向上
せず、逆に1程度を超えると、得られる接着剤組成物の
耐熱性が低下すると共に価格が高くなる。
【0020】次に、第2発明による接着剤組成物に用い
られる酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンは、
エチレン含有量が18〜25重量%であり、ガラス転移
温度が0〜4℃であることが必要である。
【0021】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンのエチレン含有量が18重量%未満であると、得
られる接着剤組成物の低温接着性や耐水性が不充分とな
り、逆に25重量%を超えると、得られる接着剤組成物
の耐熱性が低下する。
【0022】又、上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エ
マルジョンのガラス転移温度が0℃未満であると、得ら
れる接着剤組成物の耐熱性が低下し、逆に4℃を超える
と、得られる接着剤組成物の低温接着性が低下する。
【0023】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンの樹脂分は、特に限定されるものではないが、6
0重量%程度以上であることが好ましく、なかでも65
重量%程度以上であることがより好ましい。上記酢酸ビ
ニル−エチレン共重合体エマルジョンの樹脂分が60重
量%程度未満であると、得られる接着剤組成物の初期接
着性が不充分となる。
【0024】第2発明による接着剤組成物に用いられる
上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンも、第
1発明による接着剤組成物に用いられる前記酢酸ビニル
−エチレン共重合体エマルジョンと同様の製造方法で得
ることが出来る。
【0025】第2発明による接着剤組成物に用いられる
酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョンの種類とし
ては、特に限定されるものではないが、酢酸ビニルモノ
マーと、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等のア
ルキル(メタ)アクリレートの1種もしくは2種以上と
を通常の乳化重合法により共重合して得られる酢酸ビニ
ル−アクリル共重合体エマルジョンが挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、なかで
も酢酸ビニル−ブチルアクリレート共重合体エマルジョ
ンがより好適に用いられる。
【0026】又、上記酢酸ビニル−アクリル共重合体エ
マルジョンは、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に
応じ、(メタ)アクリル酸等のα、β−不飽和カルボン
酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の1分子
中に2個以上の重合性二重結合を有する多官能性モノマ
ー、N−ビニルピロリドン、N−イソプロピルアクリル
アミド等の共重合性モノマー、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、スチレン等のエチレン性不飽和
モノマー等をさらに共重合させたものであっても良い。
【0027】上記酢酸ビニル−アクリル共重合体エマル
ジョンにおいて、酢酸ビニルモノマーとアクリル系モノ
マーとの共重合比(重量比)は、特に限定されるもので
はないが、酢酸ビニルモノマー/アクリル系モノマー=
2〜2.5程度であることが好ましい。
【0028】又、上記酢酸ビニル−アクリル共重合体エ
マルジョンの樹脂分は、特に限定されるものではない
が、40重量%程度以上であることが好ましく、なかで
も45重量%程度以上であることがより好ましい。酢酸
ビニル−アクリル共重合体エマルジョンの樹脂分が40
重量%程度未満であると、得られる接着剤組成物の初期
接着力の発現が遅くなる。
【0029】第2発明による接着剤組成物は、前記エチ
レン含有量が18〜25重量%であり、ガラス転移温度
が0〜4℃である酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンと、上記酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジ
ョンとが混合されて成る。
【0030】上記酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンと酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョンと
の混合比率は、特に限定されるものではないが、重量比
で酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン/酢酸ビ
ニル−アクリル共重合体エマルジョン=1.5〜9程度
であることが好ましい。
【0031】上記比率が1.5程度未満であると、得ら
れる接着剤組成物の耐熱性が不充分となり、逆に9程度
を超えると、得られる接着剤組成物の塗工作業性が悪く
なる。
【0032】第1発明及び第2発明による接着剤組成物
には、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン及び
酢酸ビニル樹脂系エマルジョンもしくは酢酸ビニル−ア
クリル共重合体エマルジョン以外に、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、酢酸エチル等の有機溶剤の1種も
しくは2種以上を10重量%以下程度含有させることが
好ましい。上記有機溶剤を10重量%以下程度含有させ
ることにより、得られる接着剤組成物の初期接着力や塩
ビシートに対する接着性がより向上する。
【0033】又、第1発明及び第2発明による接着剤組
成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応
じ、硬化剤、可塑剤、粘着付与樹脂、増粘剤、消泡剤、
防腐剤、PH調整剤等の各種添加剤の1種もしくは2種
以上が含有されていても良い。
【0034】第1発明及び第2発明による接着剤組成物
に含有され得る好適な硬化剤として、酸性化アミノエチ
ル化ビニルインターポリマーが挙げられ、その含有量
は、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと酢酸
ビニル樹脂系エマルジョンもしくは酢酸ビニル−アクリ
ル共重合体エマルジョンとの混合エマルジョン100重
量部に対し、1〜5重量部程度であることが好ましい。
【0035】又、第1発明及び第2発明による接着剤組
成物は、化粧合板用、塩ビオーバーレイ化粧合板用に限
らず、木工用、紙包装用、一般用等としても用いられる
事は言う迄もない。
【0036】
【作用】第1発明による接着剤組成物は、エチレン含有
量が10〜30重量%であり、樹脂分が60重量%以上
である酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと、
酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとが混合されて成るの
で、優れた初期接着性と低温接着性を発揮すると共に、
価格も安い。
【0037】又、第2発明による接着剤組成物は、エチ
レン含有量が18〜25重量%であり、ガラス転移温度
が0〜4℃である酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンと、酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョン
とが混合されて成るので、優れた耐熱性と塗工作業性を
発揮する。
【0038】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するため、以下に
実施例をあげる。尚、実施例中の「部」は「重量部」を
意味し、「%」は「重量%」を意味する。
【0039】(実施例1)
【0040】(1)酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの重
攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた反応
容器に、水111部及びポリビニルアルコール(商品名
「クラレPVA−CST」、鹸化度96モル%、平均重
合度1700)11部を仕込み、攪拌しながら90℃で
1時間加熱してポリビニルアルコールの水溶液を得た。
次に、この水溶液を70℃に冷却し、これに酢酸ビニル
モノマー8部及び重合触媒(過酸化水素水0.1部及び
酒石酸0.1部)を投入して初期重合を行わせた。次い
で、酢酸ビニルモノマー92部及び重合触媒(過酸化水
素水0.4部及び酒石酸0.4部)を3時間かけて滴下
し、70℃で乳化重合を行った後、90℃で1時間熟成
して、粘度(30℃)10000cps、樹脂分50%
の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(A)を得た。
【0041】(2)接着剤組成物の調整 上記で得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(A)1
00部に対し、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジ
ョンとして商品名「スミカフレックスS−467」(エ
チレン含有量18%、ガラス転移温度0℃、樹脂分65
%、住友化学工業社製)50部を均一に混合して、樹脂
分55%の接着剤組成物を得た。
【0042】(3)評価 上記で得られた接着剤組成物の性能を以下の方法で評価
した結果は表1に示すとおりであった。尚、評価は、特
に記載の無い限り、20℃−60%RHの雰囲気下で行
った。
【0043】初期接着性:得られた接着剤組成物を、
幅25mm、長さ100mm、厚み2.5mmのラワン
合板(JASI類)に塗布量が60g/m2 となるよう
に塗布速度0.5m/秒で塗布し、30秒後に、幅25
mm、長さ100mm、厚み0.5mmの市販の化粧紙
を上記塗布面に接着長さが50mmとなるように互い違
いに貼り合わせ、この貼り合わせ部分を10kg/cm
2 の圧力で5秒間圧着して接着試験片を作成した。次い
で、20℃−60%RHの雰囲気下で、圧着20秒後の
接着試験片の引張剪断強度(kg/cm2 )を、テンシ
ロン試験機を用いて20mm/分の引張速度で測定し
た。
【0044】低温接着性:初期接着性の場合と同様に
して作成した接着試験片を0℃の雰囲気下に20秒間放
置した後、同雰囲気下で、初期接着性の場合と同様にし
て引張剪断強度(kg/cm2 )を測定した。
【0045】(実施例2)
【0046】接着剤組成物の調整において、実施例1で
得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(A)100部
に対する「スミカフレックスS−467」の量を30部
としたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂分54%
の接着剤組成物を得た。
【0047】(実施例3)
【0048】酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの重合にお
いて、モノマー組成を酢酸ビニルモノマー90部、2−
エチルヘキシルアクリレート5部及びアクリル酸5部の
混合モノマーとしたこと以外は実施例1と同様にして、
粘度(30℃)10000cps、樹脂分50%の酢酸
ビニル樹脂系エマルジョン(B)を得た。
【0049】上記で得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジ
ョン(B)100部に対し、「スミカフレックスS−4
67」50部を均一に混合して、樹脂分55%の接着剤
組成物を得た。
【0050】(実施例4)
【0051】接着剤組成物の調整において、実施例3で
得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(B)100部
に対する「スミカフレックスS−467」の量を30部
としたこと以外は実施例3と同様にして、樹脂分54%
の接着剤組成物を得た。
【0052】(比較例1)
【0053】接着剤組成物の調整において、実施例1で
得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(A)100部
に対し、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと
して商品名「クラレOM−2000」(エチレン含有量
28%、樹脂分49%、クラレ社製)30部を均一に混
合して、樹脂分50%の接着剤組成物を得た。
【0054】(比較例2)
【0055】接着剤組成物の調整において、実施例1で
得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(A)100部
に対し、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと
して商品名「クラレOM−4000」(エチレン含有量
15%、樹脂分55%、クラレ社製)30部を均一に混
合して、樹脂分51%の接着剤組成物を得た。
【0056】(比較例3)
【0057】接着剤組成物の調整において、実施例1で
得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(A)100部
に対し、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンと
して商品名「スミカフレックスCY−186」(エチレ
ン含有量5%、樹脂分62%、住友化学工業社製)30
部を均一に混合して、樹脂分53%の接着剤組成物を得
た。
【0058】(比較例4)
【0059】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
−エチレン共重合体エマルジョンを混合することなく、
実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
(A)そのものを接着剤組成物とした。
【0060】(比較例5)
【0061】接着剤組成物の調整において、酢酸ビニル
−エチレン共重合体エマルジョンを混合することなく、
実施例3で得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
(B)そのものを接着剤組成物とした。
【0062】実施例2〜4及び比較例1〜5で得られた
8種類の接着剤組成物の性能を実施例1と同様の方法で
評価した結果は表1に示すとおりであった。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示されたように、第1発明による実
施例1〜4の接着剤組成物は、優れた初期接着性と低温
接着性を発揮する。これに対し、樹脂分の低い酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体エマルジョンを用いた比較例1〜
2の接着剤組成物、エチレン含有量の低い酢酸ビニル−
エチレン共重合体エマルジョンを用いた比較例3の接着
剤組成物、及び、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマル
ジョンを混合しなかった比較例4〜5の接着剤組成物
は、いずれも初期接着性と低温接着性が劣る。
【0065】(実施例5)
【0066】(1)酢酸ビニル−アクリル共重合体エマ
ルジョンの重合 攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下漏斗を備えた反応
容器に、水134部及びポリビニルアルコール「クラレ
PVA−CST」10部を仕込み、攪拌しながら90℃
で1時間加熱してポリビニルアルコールの水溶液を得
た。次に、この水溶液を75℃に冷却し、これに酢酸ビ
ニルモノマー/ブチルアクリレート=7/3(重量比)
の混合モノマー10部及び重合触媒(過酸化水素水0.
06部及び酒石酸0.04部)を投入して初期重合を行
わせた。次いで、上記混合モノマー90部及び重合触媒
(過酸化水素水0.24部及び酒石酸0.16部)を3
時間かけて滴下し、75℃で乳化重合を行った後、80
℃で1時間熟成して、樹脂分45%、粘度(30℃)5
00cps、樹脂分45%の酢酸ビニル−アクリル共重
合体エマルジョンを得た。
【0067】(2)接着剤組成物の調整 酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン「スミカフ
レックスS−467」90部、上記で得られた酢酸ビニ
ル−アクリル共重合体エマルジョン10部及びトルエン
6部を均一に混合して、粘度(30℃)300cps、
樹脂分59%の接着剤組成物を得た。
【0068】(3)評価 上記で得られた接着剤組成物の性能を以下の方法で評価
した結果は表2に示すとおりであった。尚、評価は、特
に記載の無い限り、20℃−60%RHの雰囲気下で行
った。
【0069】常態剥離強度:得られた接着剤組成物
を、幅25mm、長さ100mm、厚み2.5mmのラ
ワン合板(JASI類)に塗布量が110g/m2 とな
るように塗布し、直ちに、幅25mm、長さ100m
m、厚み0.1mmの軟質塩化ビニルシートを上記塗布
面に接着長さが75mmとなるように同一方向に貼り合
わせ、この貼り合わせ部分を1kg/cm2 の圧力で圧
締して20℃−60%RHの雰囲気下に24時間放置
後、圧締を解き同雰囲気下でさらに24時間養生して接
着試験片を作成した。次いで、同雰囲気下で、接着試験
片の180度角剥離強度(kg/25mm)を、テンシ
ロン試験機を用いて200mm/分の引張速度で測定し
た。
【0070】耐熱クリープ性:幅25mm、長さ30
0mm、厚み2.5mmのラワン合板(JASI類)と
幅25mm、長さ300mm、厚み0.1mmの軟質塩
化ビニルシートを用い、接着長さ250mmで常態剥離
強度の場合と同様にして接着試験片を作成した。得られ
た接着試験片を、軟質塩化ビニルシートを下側にして両
端を固定した状態で水平に置き、軟質塩化ビニルシート
の接着されていない部分を垂下したまま60℃のギヤー
オーブン中に1時間放置した。次いで、垂下している軟
質塩化ビニルシートの下端に500gの荷重を懸けて6
0℃でさらに1時間放置した後の接着部の剥離長さ(m
m/時間)を測定した。
【0071】塗工作業性:30cm角のラワン合板
(JASI類)に接着剤組成物をゴムロールで塗布量が
110g/m2 になるように塗布し、ロールさばき性、
ラワン合板上での接着剤組成物の伸びを官能的に評価し
3点法で判定した。
【0072】低温接着性:5℃の雰囲気下で、30c
m角のラワン合板(JASI類)に接着剤組成物をゴム
ロールで塗布量が110g/m2 になるように塗布し、
直ちに軟質塩化ビニルシートを貼り合わせ、24時間後
に手で剥離して接着状態を目視で観察した。
【0073】最低造膜温度:2℃の雰囲気下で、30
cm角のガラス板に接着剤組成物をドクターブレードで
塗布厚が50μmになるように塗布し、1時間後の造膜
性を目視で観察した。
【0074】(実施例6〜8)
【0075】表2に示すように、酢酸ビニル−エチレン
共重合体エマルジョン「スミカフレックスS−467」
と実施例5で得られた酢酸ビニル−アクリル共重合体エ
マルジョンとの混合比率を変えたこと以外は実施例5と
同様にして3種類の接着剤組成物を得た。
【0076】(実施例9)
【0077】実施例6で得られた接着剤組成物106部
に対し、硬化剤として酸性化アミノエチル化ビニルイン
ターポリマー「C−110」(大鹿振興社製)3部を配
合したこと以外は実施例6と同様にして接着剤組成物を
得た。
【0078】(比較例6)
【0079】酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョ
ンとして商品名「クラレOM−4200」(エチレン含
有量20%、ガラス転移温度5℃、樹脂分56%、クラ
レ社製)80部、実施例5で得られた酢酸ビニル−アク
リル共重合体エマルジョン20部、可塑剤(DBP)2
部及びトルエン6部を均一に混合して接着剤組成物を得
た。
【0080】(比較例7〜8)
【0081】表2に示すように、酢酸ビニル−エチレン
共重合体エマルジョンとして商品名「クラレOM−3
6」(エチレン含有量20%、ガラス転移温度5℃、樹
脂分60%、クラレ社製)を用い、実施例5で得られた
酢酸ビニル−アルリル共重合体エマルジョンとの混合比
率を変えたこと以外は実施例5と同様にして2種類の接
着剤組成物を得た。
【0082】実施例6〜9及び比較例6〜8で得られた
7種類の接着剤組成物の性能を実施例5と同様の方法で
評価した結果は表2に示すとおりであった。
【0083】
【表2】
【0084】表2に示されたように、第2発明による実
施例5〜9の接着剤組成物は、いずれも耐熱クリープ性
及び塗工作業性に優れており、全体的な性能のバランス
も良好である。これに対し、ガラス転移温度の高い酢酸
ビニル−エチレン共重合体エマルジョンを用いた比較例
6〜8の接着剤組成物は、いずれも耐熱クリープ性と塗
工作業性が劣る。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明による接着
剤組成物は、優れた初期接着性と低温接着性を有すると
共に、価格も適正であるので、主として化粧合板用接着
剤等として好適に使用出来るものである。
【0086】又、第2発明による接着剤組成物は、優れ
た耐熱性と塗工作業性を有すると共に、全体的な性能の
バランスも良好であるので、主として塩ビオーバーレイ
化粧合板用接着剤等として好適に使用出来るものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 西川 俊宏 大阪府堺市築港新町3−5−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量が10〜30重量%であ
    り、樹脂分が60重量%以上である酢酸ビニル−エチレ
    ン共重合体エマルジョンと、酢酸ビニル樹脂系エマルジ
    ョンとが混合されて成ることを特徴とする接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 エチレン含有量が18〜25重量%であ
    り、ガラス転移温度が0〜4℃である酢酸ビニル−エチ
    レン共重合体エマルジョンと、酢酸ビニル−アクリル共
    重合体エマルジョンとが混合されて成ることを特徴とす
    る接着剤組成物。
JP31884894A 1993-12-21 1994-12-21 接着剤組成物 Pending JPH07228849A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294833A (ja) * 2000-04-10 2001-10-23 Aica Kogyo Co Ltd 接着剤組成物
CN103773288A (zh) * 2014-02-18 2014-05-07 南通高盟新材料有限公司 烟包用水性pet复合胶及其制备方法

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JP2001294833A (ja) * 2000-04-10 2001-10-23 Aica Kogyo Co Ltd 接着剤組成物
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