JPH0966013A - 床面自動清掃機用バッテリ交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で製造コストが安く、取扱いと点
検を容易に、且つ、安全に行うことができると共に、取
り出したバッテリの移動を少い力で容易に行うことがで
きるバッテリ交換装置を提供する。 【解決手段】 移動用の車輪２２を取付けたバッテリＶ
Ａ用のバッテリ台２０を、該車輪２２を載置面から外し
た状態で清掃機の機体１内に設けた収納台１０の内部に
対して引出し自在に収納せしめると共に、収納台１０の
側板１２にバッテリ台２０を水平に引出すとバッテリ台
２０に設けた抜け防止爪２０Ｔに係合し、バッテリ台２
０を傾けて引出すと、抜け防止爪に係合せずにバッテリ
台２０の引出しを可能にするフック溝１２ａ１を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転ブラシを回転
して床面を掃除する床面掃除機（スイーパー）とか、同
じく回転ブラシを回転して床面を洗浄する床面洗浄機
（スクラバー）、或は、パッドを回転して床面の艶出し
を行う床面艶出機（ポリッシャー）と云った各種床面掃
除機（以下単に床面自動清掃機と云う）の技術分野で利
用されるものであって、具体的には、床面自動清掃機の
動力源として使用するバッテリの交換を容易に行うこと
ができるバッテリ交換装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】床面自動清掃機の動力源としては、バッ
テリが機動性、低騒音性、衛生面等の全ての点で、１０
０Ｖ交流電源とかガソリンエンジンと云った他の動力源
よりも優れているが、床面自動清掃機に使用されるバッ
テリは、通常の場合、１個の重量が５０〜６０Ｋｇと非
常に重く造られているため、清掃作業中にこのバッテリ
を交換する場合は頗る面倒で、且つ、危険でもあった。

【０００３】そこで、このバッテリ交換を簡単に、且
つ、安全に行うために、本出願人は実開平３−３９６１
号公報及び実開平６−８１４４４号公報に開示されてい
るようなバッテリ交換装置を開発した。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記前者のバッテリ交
換装置は、バッテリを載せるトレイに車輪を取付け、こ
のトレイをバッテリを載せたまま清掃機の機体内部に設
けた収納室から引出して台車に載せ、次いで、同じく台
車に載せていた交換用のバッテリをトレイごと収納室内
に押込んで交換するものであって、重いバッテリを少い
力で円滑に、且つ、安全に交換できる利点を備えてい
る。

【０００５】しかし、このバッテリ交換装置はトレイに
車輪を取付けているため、収納室の内部にトレイの移動
を防止する複雑なストッパ機構を設けなくてはならず、
また、同様のストッパ機構を備えた専用の台車を使用し
たり、台車を機体側に連結する特殊な連結機構を使用す
るため、装置全体が大掛かりになってコストが高くなる
とか、清掃機に加えて略同じ大きさの台車を使用するた
め、その収納スペースも約２倍に成ってしまって、狭い
場所では使用できないと云った問題があった。

【０００６】これに対して、上記後者のバッテリ交換装
置は、重いバッテリをトレイに載せたまま収納室の載置
面と、この載置面と同一平面に支持された扉板の内側面
上を滑らせて収容室の外に引出して取り出すことができ
るため、複雑なストッパ機構を設ける必要がなく、ま
た、上記前者のバッテリ交換装置で使用している台車の
ような大掛かりな装置を使用しなくても、バッテリを簡
単に、且つ、安全に交換できる利点を備えている。

【０００７】ところが、この後者のバッテリ交換装置
は、収容室の載置面と扉板の内側面上を滑らせて取り出
した重いバッテリを、トレイに載せたまま紐を持って釣
り上げて交換するため、交換には可成りの力を必要と
し、またその移動には別途台車等を使用する必要があっ
て、移動性及び運搬性に欠ける問題があった。

【０００８】従って本発明の技術的課題は、構造が簡単
で製造コストが安く、取扱いと点検を容易に、且つ、安
全に行うことができると共に、取り出したバッテリの移
動を少い力で容易に行えるように工夫したバッテリ交換
装置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。

【００１０】機体内に搭載したバッテリを動力源として
各部を作動して床面の掃除、艶出し、又は、洗浄を行う
ように構成した床面自動清掃機に於いて、

【００１１】（１） 移動用の車輪を取付けたバッテリ
搭載用のバッテリ台を、該車輪を載置面から外した状態
で清掃機の機体内に設けた収納台の内部に対して引出し
自在に収納せしめると共に、この収納台の側板にバッテ
リ台を水平に引出すとバッテリ台に設けた抜け防止爪に
係合してその抜き出しを防止し、バッテリ台を一側に傾
けて引出すと上記の抜け防止爪に係合せずにその抜き出
しを可能にするように構成したフックを設けること。

【００１２】（２） バッテリ台に取付けた移動用の車
輪を、バッテリ台を清掃機の収納台内に収納せしめた時
に、床面から若干離間した状態で収納台の載置面に形成
した切欠溝内に嵌合するように構成すると共に、上記バ
ッテリ台の引出し時にこの車輪を床面に接地させた状態
で転動させながら引出すと、バッテリ台の全体が傾斜し
て抜け防止爪をフックに係合せずにバッテリ台を収納台
から抜き出すことができるように構成すること。

【００１３】（３） バッテリ搭載用のバッテリ台に、
引出し用の取手と、バッテリ台を収納台の内部に収めた
状態に係止するロック手段と、バッテリ台から抜き出し
た時に、車輪との間でバッテリ台を水平に支持するネジ
軸を取付けること。

【００１４】上記（１）、（２）、（３）で述べた各手
段は以下の如く作用する。

【００１５】上記（１）で述べた手段によれば、バッテ
リ搭載用のバッテリ台に車輪を取付けているため、この
バッテリ台を台車として使用して機体内部から取り出し
た後のバッテリの移動（運搬）を円滑に行うことができ
ると共に、このバッテリ台を機体内部の収納台に収める
時は、上記の車輪が収納台の載置面からはずれるため、
車輪の移動を停止する複雑なストッパ機構を設ける必要
がないから、構造を簡単にして低コスト化することを可
能にする。

【００１６】更に上記（１）で述べた手段によれば、バ
ッテリ台を水平状態のまま収納台の内部から引出した場
合は、抜け防止爪がフックに係合してその引抜きを制止
するため、バッテリを水平に維持した状態でその位置で
バッテリ溶液等のチエックを行うことができる一方、バ
ッテリ台を一側に傾けた状態で引出すと、上記フックに
対して抜け防止爪を係止せずにバッテリ台を収納台から
引出して移動できるため、バッテリの移動と交換を容易
に行うことを可能にする。

【００１７】上記（２）で述べた手段によれば、バッテ
リ台を収納台の内部に収納した時は、車輪が載置面に形
成した切欠溝内に嵌合するため、バッテリ台の抜き差し
を車輪に邪魔されずにスムーズに行うことができる一
方、バッテリ台を収納台の内部に収めている時は、車輪
が床面から少し離間する状態に造られているため、清掃
機の走行をこの車輪に影響されることなく円滑に行うこ
とができ、また、バッテリ台の引出しに当ってこの車輪
を床面に接地、転動させた状態で行うと、バッテリ台の
全体が傾いて抜け防止爪をフックに係合せずに収納台か
ら抜き出して、バッテリを車輪を用いて任意の場所に容
易に移動することを可能にする。

【００１８】上記（３）で述べた手段によれば、重いバ
ッテリを搭載したバッテリ台の抜き差しを、取手を持っ
て容易に行うことができると共に、機体内部の収納台に
収めたバッテリ台は、ロック手段によってその収納状態
が維持されるため、清掃機の移動中にバッテリが外に落
下する危険を防止でき、また、収納台から抜き出したバ
ッテリ台は車輪とネジ軸によって水平状態に維持できる
ため、バッテリの交換とか保守作業を水平状態を維持し
たまま容易に行うことを可能にする。

【００１９】以上の如くであるから、上記の手段によっ
て上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問
題点を解消することができる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下に、上述した本発明に係る床
面自動清掃機用バッテリ交換装置の実施の形態を添付し
た図面と共に詳細に説明する。

【００２１】図１は本発明に係るバッテリ交換装置を備
えた床面清掃機の外観を示した側面図、図２はバッテリ
を引出している状態を示した側面図、図３はバッテリを
完全に抜き出した状態を示した側面図であって、これ等
の図面に於いて１は洗浄機の機体、２は操作ハンドル、
３と４は走行用の駆動輪とキャスタ、５は機体１の底面
に取付けたブラシカバー、６はこのブラシカバー５の内
部でモータ６Ｍによって回転して床面を洗浄する回転ブ
ラシ、８は洗浄後の汚水を床面より吸い取るスキージ、
７はこのスキージ８を取付けた汚水吸引ホース、９は汚
水排水ホースを示す。

【００２２】ＶＡは上記のモータ６Ｍや、駆動輪３用の
モータ及び汚水吸引用ブロアー（いずれも図示せず）等
の駆動源となるバッテリ、２０はこのバッテリＶＡを搭
載したバッテリ台、１０は機体１の後部内側に設けたバ
ッテリ台２０用の収納台であって、このバッテリ台２０
を収納台１０に対して抜き差しする時は、図２並びに図
３に示す如くスキージ８の連結杆８ａを機体１側から取
外し、且つ、汚水吸引ホース７を邪魔にならないように
上方、又は、側方に屈曲して行う仕組に成っている。

【００２３】上記の収納台１０は、図４に示した平面図
に記載の如く載置面と成る底板１１と、その左右両側に
相対向させて並設した断面略Ｌ字形のアングル状に形成
した側板１２，１３とによって構成されていて、これ等
各アングル状の側板１２，１３には底板１１上に沿設し
た滑り板１２ｂ，１３ｂと、取付用のブラケット板１２
ｃ，１３ｃが連設されている。

【００２４】また、上記底板１１の前縁には、その左右
に後述する車輪を嵌込むための切欠溝１１ａ，１１ａが
形成され、後縁には後述するネジ軸の下端を受ける略三
角状の受板１１ｂを連設すると共に、その底面には図６
にに示すように軸受板３Ｔによって前記駆動輪３のシャ
フト３Ｓが回転自在に支持されている。

【００２５】更に、上記収納台１０の一方の側板１２の
先端部上面には、図６に示すようにフック溝１２ａ１を
横向きに凹設したフック片１２ａが連設され、また他方
の側板１３の先端部分には、後述するロックピンが挿入
されるロック穴１３ａが穿孔されている。

【００２６】以上の如く構成した収納台１０に対して後
部横方向から抜き差し自在に構成したバッテリ台２０
は、底板２０ａの左右と前後の四方に枠板２０ｂ，２０
ｃ，２０ｄ，２０ｅを設けたトレー構造に造られてい
て、内部に重いバッテリＶＡを搭載自在に構成する一
方、その底面の左右両側に設けた車輪受け２１，２１
に、車軸２１ａ，２１ａを用いて車輪２２，２２が回転
自在に取付けられている。

【００２７】２３は上記前部の枠板２０ｅに取付けた引
出し用の取手、２４は同じく枠板２０ｅの一側上面に略
Ｌ字状に穿設したロック溝、２５は枠板２０ｅの内部に
横方向にスライド自在に嵌込んだロックピン、２５Ｓは
ロックピン２５を弾発して常時その先端部２５ａを側方
に突出するように作用する圧縮バネで、図４に示すよう
に上記ロックピン２５に突設したレバー２５Ｔをロック
溝２４のＬ字状の屈曲部分に係止している時は、先端部
２５ａを枠板２０ｅの内側に引き込んでいるが、図５に
示すようにレバー２５Ｔの係止を解いてフリーにする
と、ロックピン２５が圧縮バネ２５Ｓによって弾発され
てその先端部２５ａを外方に突出し、図５及び図７に示
すように収納台１０側のロック穴１３ａに係合する仕組
になっている。

【００２８】２６は上記収納台１０の後部に突設した支
持板２０ｆのネジ穴部（図示せず）に上下螺動自在に取
付けたネジ軸で、２０ａはその上端に取付けた頭部、２
６ｂはその下端部に取付けたゴム足部であって、このネ
ジ軸２６と前述した車輪２２，２２によって、上記収納
台１０から取り出したバッテリ台２０を、図３に示すよ
うに水平に支持することができ、また、このネジ軸２６
のゴム足部２６ｂを少し床面より浮かすようにバッテリ
台２０の全体を少し手前に傾斜させれば、バッテリ台２
０を車輪２２，２２を用いて自由に移動して、バッテリ
ＶＡを搬送することができるように構成されている。

【００２９】次に、２０Ｔはバッテリ台２０の一方の枠
板２０ｂの内部上面に横向きに突設した抜け防止爪であ
って、バッテリＶＡを搭載したバッテリ台２０を機体１
の収納台１０から図２に示すように水平状態のまま引出
した場合は、この抜け防止爪２０Ｔが図６に示した矢印
Ｚの方向に進んで前記フック片１２ａのフック溝１２ａ
１に係合し、バッテリ台２０の引出しを図２に示した位
置で制止する仕組に成っている。

【００３０】しかし、図１或は図７に示した断面図に記
載の如く床面に対して離間した状態にある左右の車輪２
２，２２を床面に接地させた状態、即ち、バッテリ台２
０の全体を手前側に少し傾斜させた状態で収納台１０の
内部から引出した場合には、上述した抜け防止爪２０Ｔ
は上方に持ち上げられて図６に示した矢印Ｙの方向に移
動するため、上記のフック溝１２ａ１に係合せずにバッ
テリ台２０を図３に示すように収納台１０の内部から引
出すことができる。

【００３１】本発明に係る床面自動清掃機用バッテリ交
換装置は以上述べた如き構成であるから、バッテリ溶液
のチエックとか掃除と云ったメンテナンスを行う場合
は、ロックピン２５のロックを外して取手２３を持って
バッテリ台２０をそのまま図２の如く水平に引出せば、
抜け防止爪２０Ｔがフック溝１２ａ１に係合して引抜き
を制止し、この係合部と車輪２２，２２がバッテリ台２
０を略水平状態に支持するため、バッテリＶＡに対する
各種メンテナンスを容易に行うことができる。

【００３２】また、バッテリＶＡを交換する場合には、
先ずロックピン２５のロックを外した後、取手２３を持
ってバッテリ台２０の手前側を車輪２２，２２が床面に
接地するように少し押し下げた状態で引出せば、抜け防
止爪２０Ｔをフック溝１２ａ１に係合させることなく収
納台１０の内部から引出すことができ、引出し後は車輪
２２，２２を利用して重たいバッテリＶＡを任意の場所
に移動したり、ネジ軸２６を下方に螺動操作して図３に
示した水平状態に置いて、バッテリＶＡの交換を容易
に、且つ、安全に進めることを可能にする。

【００３３】図２の状態にバッテリ台２０を引出してバ
ッテリＶＡに対して各種メンテナンスを行った後は、そ
のままバッテリ台２０を図５並びに図７に示すように収
納台１０の内部に押込んでロックピン２５でロックすれ
ばよく、また、図３の如くバッテリ台２０を完全に引出
してバッテリＶＡを交換した後は、先ずネジ軸２６を引
上げ螺動した後、バッテリ台２０を図５並びに図７の状
態に収納台１０内に押込んでロックピン２５でロックす
ればよい。

【００３４】

【発明の効果】本発明に係る床面自動清掃機用バッテリ
交換装置は以上述べた如くであるから、重いバッテリを
出来るだけ楽に引出して各種メンテナンスゃバッテリ交
換を安全に、且つ、容易に実施することができると共
に、機体内から引出したバッテリを任意の場所に移動し
て交換作業等を容易に行える利点も発揮できるものであ
って、構成が頗る簡単で低コストにて製造できる経済性
を備える点と相俟って、床面洗浄機、床面掃除機、床面
艶出機と云った各種の床面自動清掃機に用いて頗る好適
なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバッテリ交換装置を備えた床面洗
浄機の側面図である。

【図２】バッテリを水平に引出している状態を示した床
面洗浄機の側面図である。

【図３】バッテリを完全に引出した状態を示した床面洗
浄機の側面図である。

【図４】本発明の要部の構成を説明した平面図である。

【図５】バッテリ台を収納台の内部に嵌込んだ状態を示
した平面図である。

【図６】収納台の側面図である。

【図７】図５のＸ−Ｘ線に沿った断面図である。

【符号の説明】

１ 床面洗浄機の機体 ＶＡ バッテリ １０ 収納台 １１ 底板（載置面） １１ａ 切欠溝 １２，１３ 側板 １２ａ フック片 １２ａ１ フック溝 １３ａ ロック穴 ２０ バッテリ台 ２０Ｔ 抜け防止爪 ２２ 車輪 ２３ 取手 ２５ ロックピン ２６ ネジ軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体内に搭載したバッテリを動力源とし
   て各部を作動して床面の掃除、艶出し、又は、洗浄を行
   うように構成した床面自動清掃機に於いて、 移動用の車輪を取付けたバッテリ搭載用のバッテリ台
   を、該車輪を載置面から外した状態で清掃機の機体内に
   設けた収納台の内部に対して引出し自在に収納せしめる
   と共に、この収納台の側板にバッテリ台を水平に引出す
   とバッテリ台に設けた抜け防止爪に係合してその抜き出
   しを防止し、バッテリ台を一側に傾けて引出すと上記の
   抜け防止爪に係合せずにその抜き出しを可能にするよう
   に構成したフックを設けたことを特徴とする床面自動清
   掃機用バッテリ交換装置。
2. 【請求項２】 バッテリ台に取付けた移動用の車輪を、
   バッテリ台を清掃機の収納台内に収納せしめた時に、床
   面から若干離間した状態で収納台の載置面に形成した切
   欠溝内に嵌合するように構成すると共に、上記バッテリ
   台の引出し時にこの車輪を床面に接地させた状態で転動
   させながら引出すと、バッテリ台の全体が傾斜して抜け
   防止爪をフックに係合せずにバッテリ台を収納台から抜
   き出すことができるように構成したことを特徴とする請
   求項１記載の床面自動清掃機用バッテリ交換装置。
3. 【請求項３】 バッテリ搭載用のバッテリ台に、引出し
   用の取手と、バッテリ台を収納台の内部に収めた状態に
   係止するロック手段と、バッテリ台から抜き出した時
   に、車輪との間でバッテリ台を水平に支持するネジ軸を
   取付けたことを特徴とする請求項１記載の床面自動清掃
   機用バッテリ交換装置。