JPH0965801A - 中通し竿の糸通し - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中通し竿内部の糸挿通路に釣り糸を通す際、
容易に釣り糸を通すことができるようにする。 【解決手段】 この中通し竿の糸通し２０は、手元側に
糸導入孔５を有するとともに先端部に糸導出口１１ａを
有する中通し竿の糸挿通路Ｐに釣り糸を通すためのもの
であり、糸通し本体２１と糸止め部２２とを有してい
る。糸通し本体２１は、中通し竿の収納状態における糸
導出口１１ａから糸導入孔５までの長さにほぼ等しい長
さを有するとともに糸挿通路Ｐを挿通可能な外径を有
し、糸挿通路内を挿通する際に塑性変形しない程度の剛
性を有している。糸止め部２２は、前記糸通し本体２１
の端部に装着され、釣り糸が係止可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中通し竿の糸通
し、特に、手元側に糸導入孔を有するとともに先端部に
糸導出口を有する中通し竿の糸挿通路に釣り糸を通すた
めの糸通しに関する。

【０００２】

【従来の技術】中通し竿は、竿体内部に釣り糸の挿通経
路を有するとともに、手元側に挿通経路と外部とを連通
させる糸導入孔を有し、さらに穂先先端には釣り糸を外
部に導き出す糸導出口を有している。このような中通し
竿では、リールからの釣り糸は糸導入孔を通して竿体内
部の経路に導入され、さらに穂先の糸導出口に導かれ
る。

【０００３】この種の中通し竿において、糸導入孔を通
して糸挿通経路に釣り糸を導入し、さらに糸導出口から
取り出すために、糸通しが用いられる。従来の糸通し
は、細長いワイヤで形成されており、このワイヤの後端
に釣り糸を係止する糸止め部が設けられている。このよ
うな糸通しを用いて釣り糸を中通し竿に通す場合は、ま
ず、糸通しの糸止め部に釣り糸を係止する。次に、糸通
しの先端を元竿の糸導入孔から内部の糸挿通経路に挿入
する。そして、糸通しを穂先側に送っていき、糸通しの
先端を穂先の糸導出口から外部に導出する。その後、糸
通しの先端を外部から引っ張り、糸止め部に係止されて
いる釣り糸を糸導出口から導出する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の糸通しで
は、中通し竿内部の糸挿通路内においてワイヤを通過さ
せる際、ワイヤの先端が糸挿通路内部のガイドリングや
内壁に接触し、スムーズに先端の糸導入口まで挿通させ
ることが困難である。特に、従来のワイヤの糸通しで
は、先端がガイド等に当たることによって糸挿通路内部
で曲がってしまう場合がある。

【０００５】本発明の課題は、中通し竿内部の糸挿通路
に釣り糸を通す際、容易に釣り糸を通すことができるよ
うにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明１に係る中通し竿の
糸通しは、手元側に糸導入孔を有するとともに先端部に
糸導出口を有する中通し竿の糸挿通路に釣り糸を通すた
めの糸通しであり、糸通し本体と糸止め部とを有してい
る。糸通し本体は、中通し竿の収納状態における糸導出
口から糸導入孔までの長さにほぼ等しい長さを有すると
ともに糸挿通路を挿通可能な外径を有し、糸挿通路内を
挿通する際に塑性変形しない程度の剛性を有している。
糸止め部は、前記糸通し本体の端部に装着され、釣り糸
が係止可能である。

【０００７】糸挿通路に釣り糸を通す場合は、まず、中
通し竿を収納状態とし、この状態で竿内部の糸挿通路内
に糸通しを穂先側から挿入する。糸通しの長さは糸導入
孔から糸導出口までの長さとほぼ等しいので、糸挿通路
内に糸通しを挿入すると、その後端の糸止め部は糸導入
孔の近傍に位置することになる。そこで、糸導入孔から
糸止め部を外部に引き出し、この引き出された糸止め部
に釣り糸を係止する。次に、穂先側の糸通しの先端を糸
挿通路から引き出すように、先とは逆の操作で糸通し全
体を中通し竿から引き出す。これにより、糸止め部に係
止されている釣り糸が穂先の糸導出口から引き出され
る。

【０００８】ここでは、糸通し本体が所定の剛性を有し
ているので、糸通しを穂先側から差し込んでいく際、糸
挿通路内部で変形したりするのが抑えられ、糸通しをス
ムーズに通すことができる。発明２に係る中通し竿の糸
通しは、発明１の糸通しにおいて、前記糸通し本体は熱
可塑性樹脂で形成されている。

【０００９】発明３に係る中通し竿の糸通しは、発明１
又は２の糸通しにおいて、前記糸通し本体は外径が０．
２mm以上３mm以下である。発明４に係る中通し竿の糸通
しは、発明１〜３のいずれかの糸通しにおいて、前記中
通し竿は、元竿と、前記元竿に対して連結可能な複数の
穂先側の竿体とを有するとともに、前記複数の竿体は伸
長状態で前記元竿に最も近い位置に配置される竿体内部
に収納可能である。そして、前記糸通し本体の穂先側先
端部に装着され、伸長状態で前記元竿に最も近い位置に
配置された竿体の先端開口部を塞ぐ口栓をさらに有して
いる。

【００１０】この場合は、収納状態において糸挿通路内
部に異物が侵入するのを防止できるとともに、糸通し作
業が容易になる。発明５に係る中通し竿の糸通しは、発
明１〜４のいずれかの糸通しにおいて、前記糸止め部
は、前記収納状態の中通し竿に前記口栓を装着した状態
で前記糸導入孔の近傍に位置し、前記糸導入孔から外部
に引き出し可能である。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１及び図２において、本発明の
一実施形態による中通し竿は、元竿１と、元竿１に振出
形式で装着された穂先側竿体ユニット２とを有してい
る。なお、図１は穂先側竿体２を使用状態とした場合を
示し、図２は収納した状態を示している。

【００１２】元竿１は、わずかに先細りの筒状に形成さ
れ、その一面にはリール３が装着されるリールシート４
が形成されている。また、元竿１の先端部（穂先側）に
は外方に突出する糸導入部１ａが形成されており、この
糸導入部１ａにはリール３からの釣り糸Ｌを竿内部に導
入するための糸導入孔５が形成されている。なお、糸導
入孔５の開口縁部にはセラミックス製の硬質リング６が
装着されている。

【００１３】穂先側竿体ユニット２は、トップガイド１
０を有する最も先端（穂先側）の１番竿１１と、１番竿
１１を支持するとともにこの１番竿１１を内部に収納可
能な２番竿１２と、２番竿１２を内部に収納可能でかつ
元竿１に挿入可能な３番竿１３とを有している。このよ
うに、穂先側竿体ユニット２を構成する３本の竿１１、
１２、１３は振出形式で連結されている。各竿１１〜１
３は先細りの筒状に形成されている。そして、これらの
竿の内部には、釣り糸Ｌが挿通する糸挿通路Ｐ（図２参
照）が形成される。また、１番竿１１の先端には、釣り
糸Ｌを外部に導出するための糸導出口１１ａが形成され
ている。なお、１番竿１１、２番竿１２及び３番竿１３
のそれぞれの後端部（元竿側の端部）には、開口縁部を
覆うようにセラミック製の硬質リング１５、１６、１７
が装着されている。これらの硬質リング１５、１６、１
７は、各竿１１、１２、１３を展開した状態において、
釣り糸Ｌのガイドとなるものである。

【００１４】穂先側竿体ユニット２を収納した状態にお
いて、口栓付の糸通し２０が装着される。この糸通し２
０は、糸通し本体２１と、糸通し本体２１の後端に装着
された糸止め部２２と、糸通し本体２１の先端に固定さ
れた口栓部２３とを有している。糸通し本体２１は、ナ
イロン、テトロン、ＡＢＳ等の熱可塑性樹脂製であり、
外径は、糸挿通路Ｐの内径より小さく、０．２以上３mm
以下に形成されている。このような糸通し本体２１で
は、適度な剛性を有しており、糸挿通路Ｐ内を挿通させ
る際に壁面等に衝突しても塑性変形してしまうことはな
い。また、この糸通し本体２１は、穂先側竿体ユニット
２を収納した状態で、３番竿１３の長さより若干長くな
るように形成されている。

【００１５】糸止め部２２は、釣り糸Ｌを係止するため
のものであり、弾性変形あるいは塑性変形が可能な針金
で細長いリング状に形成されている。口栓部２３は、ゴ
ム等の弾性部材で形成されており、３番竿１３の先端開
口部に装着可能である。次に、糸通し２０の使用方法に
ついて説明する。

【００１６】糸挿通路Ｐ内に釣り糸Ｌを通す場合は、ま
ず、穂先側竿体ユニット２を図２に示すような収納状態
とする。次に、糸通し２０を、その後端側から１番竿の
糸導出口１１ａに挿入する。糸通し２０を、口栓部２３
が３番竿１３の先端開口部にまで達すると、糸止め部２
２は図２に示すように、糸導入孔５の近傍にまで到達す
る。ここで、糸通し本体２１は適度な剛性を有している
ので、糸挿通路Ｐ内部を通過させる際に壁面等に衝突し
ても、塑性変形してしまうことはなく、スムーズに挿通
させることができる。

【００１７】糸通し２０を口栓部２３が３番竿１３に当
たるまで挿入した状態では、糸導入孔５を通して糸止め
部２２が見える。そこで、糸導入孔５から糸止め部２２
を外部に引き出す。そしてこの糸止め部２２にリール３
から繰り出した釣り糸Ｌを係止する。次に、糸通し２０
の口栓部２３をもって糸通し２０全体を先端側に引き出
す。これにより、糸止め部２２に係止された釣り糸Ｌが
１番竿１１の先端から外部に引き出され、糸通しが完了
する。

【００１８】なお、竿を使用しない収納状態では、糸通
し２０を糸挿通路Ｐ内に収納し、さらに口栓部２３を３
番竿１３の開口にはめ込む（図２に示す状態）。これに
より、竿内部の糸挿通路Ｐ内に異物が侵入するのを防止
でき、しかも使用時には、口栓部２３を引き出すだけ
で、即座に糸通しが行える。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、糸通
しをスムーズに行うことができる。また、糸通し本体の
先端に口栓部を設けることにより、竿内部への異物の侵
入を防止しながら糸通し作業を簡単化することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を採用した中通し竿の伸長
時の側面図。

【図２】その中通し竿の収縮時の側面断面部分図。

【符号の説明】

１ 元竿 ２ 穂先側竿体ユニット ５ 糸導入孔 １１ １番竿 １１ａ 糸導出口 １２ ２番竿 １３ ３番竿 ２０ 糸通し ２１ 糸通し本体 ２２ 糸止め部 ２３ 口栓部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】手元側に糸導入孔を有するとともに先端部
   に糸導出口を有する中通し竿の糸挿通路に釣り糸を通す
   ための糸通しであって、 前記中通し竿の収納状態における前記糸導出口から糸導
   入孔までの長さにほぼ等しい長さを有するとともに前記
   糸挿通路を挿通可能な外径を有し、前記糸挿通路内を挿
   通する際に塑性変形しない程度の剛性を有する糸通し本
   体と、 前記糸通し本体の端部に装着され、釣り糸が係止可能な
   糸止め部と、を備えた中通し竿の糸通し。
2. 【請求項２】前記糸通し本体は熱可塑性樹脂で形成され
   ている、請求項１記載の中通し竿の糸通し。
3. 【請求項３】前記糸通し本体は外径が０．２mm以上３mm
   以下である、請求項１又は２記載の中通し竿の糸通し。
4. 【請求項４】前記中通し竿は、元竿と、前記元竿に対し
   て連結可能な複数の穂先側の竿体とを有するとともに、
   前記複数の竿体は伸長状態で前記元竿に最も近い位置に
   配置される竿体内部に収納可能であり、 前記糸通し本体の穂先側先端部に装着され、伸長状態で
   前記元竿に最も近い位置に配置された竿体の先端開口部
   を塞ぐ口栓をさらに有している、請求項１〜３のいずれ
   かに記載の中通し竿の糸通し。
5. 【請求項５】前記糸止め部は、前記収納状態の中通し竿
   に前記口栓を装着した状態で前記糸導入孔の近傍に位置
   し、前記糸導入孔から外部に引き出し可能である、請求
   項１〜４のいずれかに記載の中通し竿の糸通し。