JPH0959172A - Ngf産生誘導剤及び飲食品 - Google Patents
Ngf産生誘導剤及び飲食品Info
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- JPH0959172A JPH0959172A JP7240852A JP24085295A JPH0959172A JP H0959172 A JPH0959172 A JP H0959172A JP 7240852 A JP7240852 A JP 7240852A JP 24085295 A JP24085295 A JP 24085295A JP H0959172 A JPH0959172 A JP H0959172A
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】簡単な操作で分離でき、優れたNGF産生誘導
効果を示すNGF産生誘導剤を提供する。 【解決手段】ヤマブシタケの子実体或は菌糸体を水で抽
出し、その抽出液を除去した後、抽出残渣を極性有機溶
媒で抽出し、その抽出物として得られる複合成分を有効
成分とする。
効果を示すNGF産生誘導剤を提供する。 【解決手段】ヤマブシタケの子実体或は菌糸体を水で抽
出し、その抽出液を除去した後、抽出残渣を極性有機溶
媒で抽出し、その抽出物として得られる複合成分を有効
成分とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はNGF(神経成長因
子)産生誘導剤及び飲食品に関する。アルツハイマー型
痴呆症や虚血性脳血管型痴呆症等の老年性痴呆症がNG
Fの消長と深く関係していることが知られている。本発
明は上記のような老年性痴呆症の予防或は治療が期待さ
れるNGF産生誘導剤及び飲食品に関する。
子)産生誘導剤及び飲食品に関する。アルツハイマー型
痴呆症や虚血性脳血管型痴呆症等の老年性痴呆症がNG
Fの消長と深く関係していることが知られている。本発
明は上記のような老年性痴呆症の予防或は治療が期待さ
れるNGF産生誘導剤及び飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、NGF産生誘導剤として、ベンジ
ルアルコール誘導体(特開平4−266848)、クロ
マン誘導体(特開平4−275285)及びシアタン誘
導体(特開平6−256352、特開平6−25637
8、特開平7−69961、特開平7−70133、特
開平7−70168)が知られている。これらの誘導体
はいずれも、ハリタケ科( Hydnaceae )、サンゴハリ
タケ属( Hericium )のキノコであるヤマブシタケ( H
ericium erinaceum )の子実体或は菌糸体から単離され
たものである。ところが、これらの誘導体には、その単
離操作が誠に煩雑であり、その割にはNGF産生誘導効
果が不充分という欠点がある。
ルアルコール誘導体(特開平4−266848)、クロ
マン誘導体(特開平4−275285)及びシアタン誘
導体(特開平6−256352、特開平6−25637
8、特開平7−69961、特開平7−70133、特
開平7−70168)が知られている。これらの誘導体
はいずれも、ハリタケ科( Hydnaceae )、サンゴハリ
タケ属( Hericium )のキノコであるヤマブシタケ( H
ericium erinaceum )の子実体或は菌糸体から単離され
たものである。ところが、これらの誘導体には、その単
離操作が誠に煩雑であり、その割にはNGF産生誘導効
果が不充分という欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のNGF産生誘導剤では、その有効成
分である誘導体の単離操作が誠に煩雑であり、その割に
はNGF産生誘導効果が不充分という点である。
する課題は、従来のNGF産生誘導剤では、その有効成
分である誘導体の単離操作が誠に煩雑であり、その割に
はNGF産生誘導効果が不充分という点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記の課題を解決するべく研究した結果、ヤマブシタケ
の子実体或は菌糸体を水で抽出し、その抽出液を除去し
た後、抽出残渣を極性有機溶媒で抽出し、その抽出物と
して得られる複合成分が優れたNGF産生誘導効果を有
しており、また最も簡便には該複合成分を飲食品として
供し得ることを見出した。
上記の課題を解決するべく研究した結果、ヤマブシタケ
の子実体或は菌糸体を水で抽出し、その抽出液を除去し
た後、抽出残渣を極性有機溶媒で抽出し、その抽出物と
して得られる複合成分が優れたNGF産生誘導効果を有
しており、また最も簡便には該複合成分を飲食品として
供し得ることを見出した。
【0005】したがって本発明に係るNGF産生誘導剤
は、ヤマブシタケの子実体或は菌糸体を水で抽出し、そ
の抽出液を除去した後、抽出残渣を極性有機溶媒で抽出
し、その抽出物として得られる複合成分を有効成分とす
ることを特徴としている。また本発明に係る飲食品は上
記の複合成分を含有することを特徴としている。
は、ヤマブシタケの子実体或は菌糸体を水で抽出し、そ
の抽出液を除去した後、抽出残渣を極性有機溶媒で抽出
し、その抽出物として得られる複合成分を有効成分とす
ることを特徴としている。また本発明に係る飲食品は上
記の複合成分を含有することを特徴としている。
【0006】本発明では、ハリタケ科、サンゴハリタケ
属のキノコであるヤマブシタケの子実体或は菌糸体を原
料として用いる。ヤマブシタケの子実体或は菌糸体とし
ては、それ自体(所謂生の状態のもの)の他に、その破
砕物、その磨砕物、その乾燥物、その乾燥粉砕物を用い
ることができる。ヤマブシタケの菌糸体はヤマブシタケ
の菌体を固体培養したものでも或は液体培養したもので
もよいが、液体培養したもの、特に通気撹拌下に液体培
養したものが好ましい。所望の菌糸体を簡便に得ること
ができるからである。例えば、炭素源及び窒素源を含有
し、更に無機塩類やビタミン類等の微量成分を含有する
液体培地であって、殺菌済みのpH4.5〜6.0に調
整された液体培地に、ヤマブシタケの菌体を接種し、2
5〜30℃で10〜30日間、通気下に振盪培養して菌
糸体を得る。
属のキノコであるヤマブシタケの子実体或は菌糸体を原
料として用いる。ヤマブシタケの子実体或は菌糸体とし
ては、それ自体(所謂生の状態のもの)の他に、その破
砕物、その磨砕物、その乾燥物、その乾燥粉砕物を用い
ることができる。ヤマブシタケの菌糸体はヤマブシタケ
の菌体を固体培養したものでも或は液体培養したもので
もよいが、液体培養したもの、特に通気撹拌下に液体培
養したものが好ましい。所望の菌糸体を簡便に得ること
ができるからである。例えば、炭素源及び窒素源を含有
し、更に無機塩類やビタミン類等の微量成分を含有する
液体培地であって、殺菌済みのpH4.5〜6.0に調
整された液体培地に、ヤマブシタケの菌体を接種し、2
5〜30℃で10〜30日間、通気下に振盪培養して菌
糸体を得る。
【0007】本発明では先ず、上記のようなヤマブシタ
ケの子実体或は菌糸体を水で抽出し、その抽出液を除去
して、抽出残渣を得る。ヤマブシタケの子実体或は菌糸
体に含まれる水溶性成分を除去するのである。例えば、
ヤマブシタケの子実体或は菌糸体(共に生の状態のも
の)の磨砕物に2〜3倍重量の水を加え、好ましくは室
温下で10〜50時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、
濾過或は遠心分離により抽出液を除去して、抽出残渣を
得る。この抽出残渣に同様の抽出操作を2〜3回繰り返
し、充分に水溶性成分を除去した抽出残渣を得る。
ケの子実体或は菌糸体を水で抽出し、その抽出液を除去
して、抽出残渣を得る。ヤマブシタケの子実体或は菌糸
体に含まれる水溶性成分を除去するのである。例えば、
ヤマブシタケの子実体或は菌糸体(共に生の状態のも
の)の磨砕物に2〜3倍重量の水を加え、好ましくは室
温下で10〜50時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、
濾過或は遠心分離により抽出液を除去して、抽出残渣を
得る。この抽出残渣に同様の抽出操作を2〜3回繰り返
し、充分に水溶性成分を除去した抽出残渣を得る。
【0008】本発明では次に、上記のような抽出残渣を
極性有機溶媒で抽出し、その抽出物として複合成分を得
る。用いる極性有機溶媒としては、特にその種類に制限
はないが、メチルアルコール、エチルアルコール及びア
セトンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。優れ
たNGF産生誘導効果を有する複合成分を収率良く、簡
便に得ることができるからである。例えば、抽出残渣に
3〜5倍重量の極性有機溶媒を加え、好ましくは室温下
で10〜50時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、濾過
或は遠心分離して抽出液を得る。抽出残渣に同様の抽出
操作を2〜3回繰り返し、これらの抽出液を合わせる。
合わせた抽出液を好ましくは35〜45℃の温度条件下
で減圧濃縮し、更に乾燥して複合成分を得る。通常、生
の子実体或は菌糸体からは収率0.5〜3.0重量%で
複合成分を得ることができる。
極性有機溶媒で抽出し、その抽出物として複合成分を得
る。用いる極性有機溶媒としては、特にその種類に制限
はないが、メチルアルコール、エチルアルコール及びア
セトンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。優れ
たNGF産生誘導効果を有する複合成分を収率良く、簡
便に得ることができるからである。例えば、抽出残渣に
3〜5倍重量の極性有機溶媒を加え、好ましくは室温下
で10〜50時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、濾過
或は遠心分離して抽出液を得る。抽出残渣に同様の抽出
操作を2〜3回繰り返し、これらの抽出液を合わせる。
合わせた抽出液を好ましくは35〜45℃の温度条件下
で減圧濃縮し、更に乾燥して複合成分を得る。通常、生
の子実体或は菌糸体からは収率0.5〜3.0重量%で
複合成分を得ることができる。
【0009】かくして得られる複合成分は、前述したよ
うなベンジルアルコール誘導体、クロマン誘導体及びシ
アタン誘導体の他に各種の化合物を含んでおり、これら
の協力効果によるものと推察されるが、優れたNGF産
生誘導効果を示す。
うなベンジルアルコール誘導体、クロマン誘導体及びシ
アタン誘導体の他に各種の化合物を含んでおり、これら
の協力効果によるものと推察されるが、優れたNGF産
生誘導効果を示す。
【0010】上記の複合成分を最も簡便に供し得る手段
はそれを飲食品として供する場合である。この場合、飲
食品の種類に特に制限はなく、複合成分を、ふりかけの
材料として、野菜ジュースや果実ジュース等のジュース
類の添加材料として、トマトケチャップやウスターソー
ス等の調味料の添加材料として、或はパンやクッキー等
のベーク品の添加材料として使用することができる。
はそれを飲食品として供する場合である。この場合、飲
食品の種類に特に制限はなく、複合成分を、ふりかけの
材料として、野菜ジュースや果実ジュース等のジュース
類の添加材料として、トマトケチャップやウスターソー
ス等の調味料の添加材料として、或はパンやクッキー等
のベーク品の添加材料として使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としては、下
記の1)〜4)が好適例として挙げられる。 1)ヤマブシタケの子実体(生の状態のもの)3kgを磨
砕し、その磨砕物に水6kgを加え、室温下で48時間、
緩やかに撹拌しながら抽出し、遠心分離により抽出液を
除去して、抽出残渣を得る。この抽出残渣に同様の抽出
操作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去した抽出
残渣を得る。そしてこの抽出残渣にエチルアルコール6
kgを加え、室温下で48時間、緩やかに撹拌しながら抽
出し、遠心分離して抽出液を得る。抽出残渣に同様の抽
出操作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせる。合
わせた抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮
し、更に凍結乾燥して、複合成分27gを得る。この複
合成分は、詳しくは後述するように、優れたNGF産生
誘導効果を示す。
記の1)〜4)が好適例として挙げられる。 1)ヤマブシタケの子実体(生の状態のもの)3kgを磨
砕し、その磨砕物に水6kgを加え、室温下で48時間、
緩やかに撹拌しながら抽出し、遠心分離により抽出液を
除去して、抽出残渣を得る。この抽出残渣に同様の抽出
操作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去した抽出
残渣を得る。そしてこの抽出残渣にエチルアルコール6
kgを加え、室温下で48時間、緩やかに撹拌しながら抽
出し、遠心分離して抽出液を得る。抽出残渣に同様の抽
出操作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせる。合
わせた抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮
し、更に凍結乾燥して、複合成分27gを得る。この複
合成分は、詳しくは後述するように、優れたNGF産生
誘導効果を示す。
【0012】2)通気下に振盪培養し、その液体培地か
ら遠心分離したヤマブシタケの菌糸体(生の状態のも
の)2kgを磨砕し、その磨砕物に水5kgを加え、室温下
で24時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、濾過により
抽出液を除去して、抽出残渣を得る。この抽出残渣に同
様の抽出操作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去
した抽出残渣を得る。そしてこの抽出残渣にアセトン5
kgを加え、室温下で24時間、緩やかに撹拌しながら抽
出し、濾過して抽出液を得る。抽出残渣に同様の抽出操
作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせる。合わせ
た抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮し、更
に凍結乾燥して、複合成分28gを得る。この複合成分
は、詳しくは後述するように、優れたNGF産生誘導効
果を示す。
ら遠心分離したヤマブシタケの菌糸体(生の状態のも
の)2kgを磨砕し、その磨砕物に水5kgを加え、室温下
で24時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、濾過により
抽出液を除去して、抽出残渣を得る。この抽出残渣に同
様の抽出操作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去
した抽出残渣を得る。そしてこの抽出残渣にアセトン5
kgを加え、室温下で24時間、緩やかに撹拌しながら抽
出し、濾過して抽出液を得る。抽出残渣に同様の抽出操
作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせる。合わせ
た抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮し、更
に凍結乾燥して、複合成分28gを得る。この複合成分
は、詳しくは後述するように、優れたNGF産生誘導効
果を示す。
【0013】3)トマトの搾汁液(全可溶性固形分濃度
5.6重量%)8kgに上記の1)で得た複合成分5gを
加えて混合し、トマトジュースを製造する。
5.6重量%)8kgに上記の1)で得た複合成分5gを
加えて混合し、トマトジュースを製造する。
【0014】4)糖類、酸類、塩類、香辛料類、アミノ
酸液及び水を混合したウスターソース原液(全可溶性固
形分濃度40重量%、食塩濃度13重量%)1kgに上記
の2)で得た複合成分10gを加えて混合し、ウスター
ソースを製造する。
酸液及び水を混合したウスターソース原液(全可溶性固
形分濃度40重量%、食塩濃度13重量%)1kgに上記
の2)で得た複合成分10gを加えて混合し、ウスター
ソースを製造する。
【0015】
試験区分1(複合成分の抽出) ・子実体からの複合成分の抽出 ヤマブシタケの子実体(生の状態のもの)3kgを磨砕
し、その磨砕物に水6kgを加え、室温下で48時間、緩
やかに撹拌しながら抽出し、遠心分離により抽出液を除
去して、抽出残渣を得た。この抽出残渣に同様の抽出操
作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去した抽出残
渣を得た。そしてこの抽出残渣にエチルアルコール6kg
を加え、室温下で48時間、緩やかに撹拌しながら抽出
し、遠心分離して抽出液を得た。抽出残渣に同様の抽出
操作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせた。合わ
せた抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮し、
更に凍結乾燥して、複合成分27gを得た(以下、複合
成分Aという)。
し、その磨砕物に水6kgを加え、室温下で48時間、緩
やかに撹拌しながら抽出し、遠心分離により抽出液を除
去して、抽出残渣を得た。この抽出残渣に同様の抽出操
作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去した抽出残
渣を得た。そしてこの抽出残渣にエチルアルコール6kg
を加え、室温下で48時間、緩やかに撹拌しながら抽出
し、遠心分離して抽出液を得た。抽出残渣に同様の抽出
操作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせた。合わ
せた抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮し、
更に凍結乾燥して、複合成分27gを得た(以下、複合
成分Aという)。
【0016】・菌糸体からの複合成分の抽出 デンプン2重量%、酵母エキス0.4重量%、リン酸2
カリウム0.01重量%及び硫酸マグネシウム0.00
1重量%を含有するpH5.5の液体培地を、121℃
で5分間殺菌した後、これにヤマブシタケの菌体を接種
し、30℃で3週間、通気下に振盪培養した。培養物を
遠心分離して菌糸体を得た。この菌糸体(生の状態のも
の)2kgを磨砕し、その磨砕物に水5kgを加え、室温下
で24時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、濾過により
抽出液を除去して、抽出残渣を得た。この抽出残渣に同
様の抽出操作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去
した抽出残渣を得た。そしてこの抽出残渣にアセトン5
kgを加え、室温下で24時間、緩やかに撹拌しながら抽
出し、濾過して抽出液を得た。抽出残渣に同様の抽出操
作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせた。合わせ
た抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮し、更
に凍結乾燥して、複合成分28gを得た(以下、複合成
分Bという)。
カリウム0.01重量%及び硫酸マグネシウム0.00
1重量%を含有するpH5.5の液体培地を、121℃
で5分間殺菌した後、これにヤマブシタケの菌体を接種
し、30℃で3週間、通気下に振盪培養した。培養物を
遠心分離して菌糸体を得た。この菌糸体(生の状態のも
の)2kgを磨砕し、その磨砕物に水5kgを加え、室温下
で24時間、緩やかに撹拌しながら抽出し、濾過により
抽出液を除去して、抽出残渣を得た。この抽出残渣に同
様の抽出操作を2回繰り返し、充分に水溶性成分を除去
した抽出残渣を得た。そしてこの抽出残渣にアセトン5
kgを加え、室温下で24時間、緩やかに撹拌しながら抽
出し、濾過して抽出液を得た。抽出残渣に同様の抽出操
作を2回繰り返し、これらの抽出液を合わせた。合わせ
た抽出液を35〜40℃の温度条件下で減圧濃縮し、更
に凍結乾燥して、複合成分28gを得た(以下、複合成
分Bという)。
【0017】試験区分2(複合成分のNGF産生誘導効
果) ・複合成分AのNGF産生誘導効果 古川らの方法{バイオケミカル アンド バイオフィジ
カル リサーチ コミュニケーションズ( Biochemical
and Biophysical Research Communications),13
6,57−63(1986)及びジャーナル オブ ニ
ューロケミストリー( Journal of Neurochemistry
),40,734−744(1983)}にしたが
い、胎生後期(19日令)のラットの大脳皮質から調製
した初代アストログリア細胞を無菌的に培養し、コンフ
ルエントになった状態から更に9日間培養を継続した。
試験区分1で得た複合成分Aをこの初代アストログリア
細胞培養液に所定の濃度になるよう添加し、添加24時
間後の培養液中のNGF濃度を、酸素免疫測定法で測定
した。結果を表1に示した。表1において、ベンジルア
ルコール誘導体は特開平4−266848号公報記載の
方法にしたがってヤマブシタケの子実体から単離した化
合物(同公報中ではヘリセノンC)であり、またクロマ
ン誘導体は特開平4−275285号公報記載の方法に
したがってヤマブシタケの子実体から単離した化合物
(同公報中では化合物A)であって、前述した本願発明
の複合成分Aに代えてこれらの化合物を添加した。表1
中、*印はベンジルアルコール誘導体、クロマン誘導体
に対して、複合成分Aが5%以下の危険率で有意である
ことを示す。
果) ・複合成分AのNGF産生誘導効果 古川らの方法{バイオケミカル アンド バイオフィジ
カル リサーチ コミュニケーションズ( Biochemical
and Biophysical Research Communications),13
6,57−63(1986)及びジャーナル オブ ニ
ューロケミストリー( Journal of Neurochemistry
),40,734−744(1983)}にしたが
い、胎生後期(19日令)のラットの大脳皮質から調製
した初代アストログリア細胞を無菌的に培養し、コンフ
ルエントになった状態から更に9日間培養を継続した。
試験区分1で得た複合成分Aをこの初代アストログリア
細胞培養液に所定の濃度になるよう添加し、添加24時
間後の培養液中のNGF濃度を、酸素免疫測定法で測定
した。結果を表1に示した。表1において、ベンジルア
ルコール誘導体は特開平4−266848号公報記載の
方法にしたがってヤマブシタケの子実体から単離した化
合物(同公報中ではヘリセノンC)であり、またクロマ
ン誘導体は特開平4−275285号公報記載の方法に
したがってヤマブシタケの子実体から単離した化合物
(同公報中では化合物A)であって、前述した本願発明
の複合成分Aに代えてこれらの化合物を添加した。表1
中、*印はベンジルアルコール誘導体、クロマン誘導体
に対して、複合成分Aが5%以下の危険率で有意である
ことを示す。
【0018】
【表1】
【0019】・複合成分BのNGF産生誘導効果 複合成分Aの場合と同様にして、試験区分1で得た複合
成分BのNGF産生誘導効果を試験した。結果を表2に
示した。表2において、シアタン誘導体Aは特開平6−
256352号公報記載の方法にしたがってヤマブシタ
ケの菌糸体から単離した化合物、またシアタン誘導体B
は特開平7−69961号公報記載の方法にしたがって
ヤマブシタケの菌糸体から単離した化合物、更にシアタ
ン誘導体Cは特開平7−70168号公報記載の方法に
したがってヤマブシタケの菌糸体から単離した化合物で
あって、前述した本願発明の複合成分Bに代えてこれら
の化合物を添加した。表2中、*印はシアタン誘導体
A、シアタン誘導体B、シアタン誘導体Cに対して、複
合成分Bが5%以下の危険率で有意であることを示す。
成分BのNGF産生誘導効果を試験した。結果を表2に
示した。表2において、シアタン誘導体Aは特開平6−
256352号公報記載の方法にしたがってヤマブシタ
ケの菌糸体から単離した化合物、またシアタン誘導体B
は特開平7−69961号公報記載の方法にしたがって
ヤマブシタケの菌糸体から単離した化合物、更にシアタ
ン誘導体Cは特開平7−70168号公報記載の方法に
したがってヤマブシタケの菌糸体から単離した化合物で
あって、前述した本願発明の複合成分Bに代えてこれら
の化合物を添加した。表2中、*印はシアタン誘導体
A、シアタン誘導体B、シアタン誘導体Cに対して、複
合成分Bが5%以下の危険率で有意であることを示す。
【0020】
【表2】
【0021】試験区分3(複合成分A又はBを含有する
飲食品の製造) ・トマトジュースの製造 完熟トマト10kgを洗浄し、破砕して、75℃で予熱し
た後、孔径2mmの濾過網を装着したパルパーで搾汁し、
搾汁液8kgを得た。この搾汁液に試験区分1で得た複合
成分A5gを添加し、混合して、トマトジュースを製造
した。
飲食品の製造) ・トマトジュースの製造 完熟トマト10kgを洗浄し、破砕して、75℃で予熱し
た後、孔径2mmの濾過網を装着したパルパーで搾汁し、
搾汁液8kgを得た。この搾汁液に試験区分1で得た複合
成分A5gを添加し、混合して、トマトジュースを製造
した。
【0022】・ウスターソースの製造 液糖(Brix70%)360g、食塩120g、醸造酢1
10g、アミノ酸液50g、香辛料類(ケイヒ120g
/ニクズク60g/セージ60g/タイム60g/クロ
コショウ50g/チョウジ40g/ウイキョウ40g/
トウガラシ25g/セロリーシード25gの割合の混合
香辛料類)2g及び水358g(合計1000g)を混
合し、食塩濃度13重量%、全可溶性固形分濃度40重
量%のウスターソース原液を調製した。このウスターソ
ース原液に試験区分1で得た複合成分B10gを添加
し、混合してウスターソースを製造した。
10g、アミノ酸液50g、香辛料類(ケイヒ120g
/ニクズク60g/セージ60g/タイム60g/クロ
コショウ50g/チョウジ40g/ウイキョウ40g/
トウガラシ25g/セロリーシード25gの割合の混合
香辛料類)2g及び水358g(合計1000g)を混
合し、食塩濃度13重量%、全可溶性固形分濃度40重
量%のウスターソース原液を調製した。このウスターソ
ース原液に試験区分1で得た複合成分B10gを添加
し、混合してウスターソースを製造した。
【0023】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、簡単な操作で分離でき、優れたNGF産生誘導
効果を示すという効果がある。
明には、簡単な操作で分離でき、優れたNGF産生誘導
効果を示すという効果がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 2/38 A23L 2/00 F A61K 38/22 A61K 37/24 (72)発明者 坂本 秀樹 栃木県那須郡西那須野町大字井口47番地12 (72)発明者 石黒 幸雄 栃木県那須郡西那須野町東三島5丁目96番 地19
Claims (5)
- 【請求項1】 ヤマブシタケの子実体を水で抽出し、そ
の抽出液を除去した後、抽出残渣を極性有機溶媒で抽出
し、その抽出物として得られる複合成分を有効成分とす
ることを特徴とするNGF産生誘導剤。 - 【請求項2】 ヤマブシタケの菌糸体を水で抽出し、そ
の抽出液を除去した後、抽出残渣を極性有機溶媒で抽出
し、その抽出物として得られる複合成分を有効成分とす
ることを特徴とするNGF産生誘導剤。 - 【請求項3】 菌糸体がヤマブシタケの菌体を液体培養
したものである請求項2記載のNGF産生誘導剤。 - 【請求項4】 極性有機溶媒がメチルアルコール、エチ
ルアルコール及びアセトンから選ばれる1種又は2種以
上である請求項1、2又は3記載のNGF産生誘導剤。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の複合成分
を含有することを特徴とする飲食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7240852A JPH0959172A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | Ngf産生誘導剤及び飲食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7240852A JPH0959172A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | Ngf産生誘導剤及び飲食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959172A true JPH0959172A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=17065678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7240852A Pending JPH0959172A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | Ngf産生誘導剤及び飲食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959172A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003007977A1 (fr) * | 2001-07-16 | 2003-01-30 | Takara Bio Inc. | Remèdes |
JP2005350391A (ja) * | 2004-06-10 | 2005-12-22 | Noevir Co Ltd | アルツハイマー病予防・治療剤 |
JP2007039365A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Pokka Corp | オオバギ抽出物の製造方法 |
US8871492B2 (en) | 2008-05-02 | 2014-10-28 | Masaki Shirota | Anti-dementia substance from Hericium erinaceum and method of extraction |
JP2017132747A (ja) * | 2016-01-30 | 2017-08-03 | 育宏 南 | AGEs産生抑制剤 |
-
1995
- 1995-08-25 JP JP7240852A patent/JPH0959172A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003007977A1 (fr) * | 2001-07-16 | 2003-01-30 | Takara Bio Inc. | Remèdes |
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JP4698167B2 (ja) * | 2004-06-10 | 2011-06-08 | 株式会社ノエビア | アルツハイマー病予防・治療剤 |
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JP2017132747A (ja) * | 2016-01-30 | 2017-08-03 | 育宏 南 | AGEs産生抑制剤 |
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