JPH0951793A - 酵素単量体、重合体およびコンタクトレンズ用汚れ除去剤 - Google Patents

酵素単量体、重合体およびコンタクトレンズ用汚れ除去剤

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JPH0951793A
JPH0951793A JP14580596A JP14580596A JPH0951793A JP H0951793 A JPH0951793 A JP H0951793A JP 14580596 A JP14580596 A JP 14580596A JP 14580596 A JP14580596 A JP 14580596A JP H0951793 A JPH0951793 A JP H0951793A
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group
solution
monomer
polymer
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JP14580596A
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English (en)
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Hidejiro Sakaki
秀次郎 榊
Motohiro Mitani
元宏 三谷
Satoshi Yamada
智 山田
Kenshirou Shiyudou
健志郎 首藤
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶液状態で保存しても酵素活性を高い状態
で長期間にわたって安定に保つことができる酵素重合体
を得る。またこの酵素重合体からなり、酵素の作用によ
りコンタクトレンズの汚れを効率的に分解除去すること
ができ、しかも洗浄効果が長期間維持されるコンタクト
レンズ用汚れ除去剤を得る。 【解決手段】 加水分解酵素に、R1-(X)m-R2(R1
酵素中の官能基と結合可能な官能基、R2はラジカル重
合可能な重合性基、Xは2価の有機残基、mは0または
1)で表わされる修飾剤を反応させ、E-[(Y)k-(X)m-
2]n(Eは酵素の残基、Yは酵素中の官能基とR1
官能基とから形成された基、kは0または1、nは1以
上の数)で表わされる修飾酵素単量体を得た後、この単
量体を(共)重合して得られる酵素(共)重合体からな
るコンタクトレンズ用汚れ除去剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素重合体、これ
を重合するための単量体、および前記酵素重合体からな
るコンタクトレンズ用汚れ除去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズは、主成分がメチルメ
タクリレートやシリコン含有メタクリレートからなるハ
ードコンタクトレンズと、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートやメタクリル酸からなるソフトコンタクトレン
ズが広く利用されている。しかしながら、前者のハード
コンタクトレンズでは、シリコン含有メタクリレートと
涙液中の分泌物(蛋白質、脂質)との親和性が高く、レ
ンズに蛋白質や脂質が付着して汚れやすいため、長期間
にわたり装用すると蛋白質、脂質、化粧品等により汚染
され、レンズに曇りが発生して視力の低下や眼の障害を
引起こす場合がある。また、含水性ソフトコンタクトレ
ンズでも、涙液中の分泌物が付着し、さらに微生物や細
菌による汚染を生じやすく、このためレンズの曇り、眼
への損傷を与える場合がある。
【0003】そこで従来、コンタクトレンズの汚れを除
去するために、蛋白質汚れには蛋白質分解酵素が、脂質
汚れには界面活性剤が、さらに固着汚れには研磨剤が洗
浄剤として使用されている。しかし、界面活性剤および
研磨剤からなる洗浄剤は、特定の汚れに対しては洗浄効
果があるが、洗浄力が不十分であったり、レンズを傷つ
ける場合があるという問題点がある。また特公昭53−
47810号には、蛋白質分解酵素を含む洗浄液が記載
されている。しかし、この洗浄液は、水溶液中での酵素
活性に寿命があるため、水溶液の状態で24時間静置す
ると酵素活性が低下してしまうという問題点がある。ま
たコンタクトレンズ用洗浄液の中には眼に対して刺激性
のあるビルダー、カルボン酸等が含まれている場合が多
く、改善が望まれている。
【0004】特開平6−9504号にはグリセロール中
にセリンプロテアーゼ、陰イオン性界面活性剤等を配合
した洗浄剤が記載されている。また特公平5−3376
8号にはタンパク質分解酵素をポリエチレングリコール
に分散させてなる洗浄剤を用いてコンタクトレンズをこ
すり洗いすることを特徴とする洗浄方法が記載されてい
る。しかしこれら洗浄剤は、希釈すると酵素活性が低下
するという問題点がある。
【0005】ところで、「有機合成化学」第42巻第4
号283〜292頁(1984)には、N−(m−ベン
ゾイルオキシ)スクシンイミドなどの蛋白質の修飾剤を
用いて蛋白質を選択的に修飾し、反応性を有する修飾蛋
白質を製造する方法が記載されている。しかし、この方
法で得た修飾蛋白質は、その反応性を利用してさらに酵
素で標識して酵素免疫測定法に利用するための修飾蛋白
質であり、修飾蛋白質同士を重合することは記載されて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾燥
状態はもちろん溶液状態で長期間保存しても、酵素活性
を高く維持したまま安定して保存することが可能な酵素
重合体、およびその製造原料となる単量体を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、上記酵素重合体からな
り、汚れ除去能が高く、しかも溶液状態で長期間保存し
ても汚れ除去能が低下することなく保存安定性に優れて
いるコンタクトレンズ用汚れ除去剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の修飾酵素単
量体、これを重合してなる酵素重合体、およびこれから
なるコンタクトレンズ用汚れ除去剤である。 (1) 酵素に、一般式(1) R1−(X)m−R2 …(1) (式中、R1は酵素中の官能基と結合可能な官能基、R2
はラジカル重合可能な重合性基、Xは2価の有機残基、
mは0または1を示す。)で表わされる修飾剤を反応さ
せて得られる、一般式(2) E−[(Y)k−(X)m−R2]n …(2) (式中、Eは酵素の残基、Yは酵素中の官能基と前記R
1の官能基とから形成された基、Xは2価の有機残基、
kは0または1、mは0または1、R2はラジカル重合
可能な重合性基、nは1以上の数を示す。)で表わされ
る修飾酵素単量体。 (2) 上記(1)記載の修飾酵素単量体を重合してな
る酵素重合体。 (3) 酵素が加水分解酵素である上記(2)記載の酵
素重合体。 (4) 上記(3)記載の酵素重合体からなることを特
徴とするコンタクトレンズ用汚れ除去剤。
【0008】本発明において、「(メタ)アクリ」は
「アクリおよび/またはメタクリ」を意味する。
【0009】前記一般式(1)においてR1で表わされ
る官能基としては、酵素中の官能基と結合可能な官能基
であれば特に限定されるものではないが、水酸基、カル
ボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、メルカプト基、
スクシニミジルオキシカルボニル基、イミドエステル
基、ハロゲノニトロアリル基、ピリジノジスルフィド
基、マレイミド基、フタルイミドチオ基、ハロゲノメチ
ルカルボニル基、ハロゲノカルボニル基、ハロゲノスル
ホニル基、ニトロアジドフェニル基、ジアゾトリフルオ
ロアセチル基、イソシアネート基などがあげられる。こ
れらの中では、酵素中のアミノ基との結合が容易な、ス
クシニミジルオキシカルボニル基、イソシアネート基、
ハロゲノカルボニル基、ハロゲノスルホニル基などが好
ましい。
【0010】前記一般式(1)または(2)においてR
2で表わされるラジカル重合可能な重合性基としては、
ラジカル重合可能な不飽和結合を含む基であれば特に限
定されるものではないが、アクリロイル基、メタクリロ
イル基、マレイミド基、スチリル基、ビニル基などがあ
げられる。これらの中では、一般式(2)で表わされる
化合物同士、または一般式(2)で表わされる化合物と
他のモノマーとの重合性がよい、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、マレイミド基、スチリル基などのエチレ
ン性不飽和結合を有する基が好ましくあげられる。
【0011】前記一般式(1)または(2)においてX
で表わされる2価の有機残基は特に限定されるものでは
ないが、アミド基、エステル基、チオエステル基、エー
テル基、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキ
シアルキレン基、アルキレンウレタン基、スルホニル基
などがあげられる。
【0012】前記一般式(1)で表わされる修飾剤の具
体的なものとしては、次のものが例示される。R2
(メタ)アクリロイル基である重合性基を有する修飾剤
としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクロレイ
ン、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリロイ
ルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチル
イソシアネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
ルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、6−((メタ)アクリロイルアミノ)カプロン酸、
3−((メタ)アクリロイルアミノ)プロピオン酸など
をあげることができる。これらの中では、酵素との反応
が容易な(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリ
ロイルイソシアネートなどが好ましい。
【0013】またR2がマレイミド基である重合性基を
有する修飾剤としては、N−(6−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド、N−(4−マレイミドブチ
リルオキシ)スクシンイミド、N−(8−マレイミドカ
プリルオキシ)スクシンイミド、N−(11−マレイミ
ドウンデカノイル)スクシンイミド、N−(6−マレイ
ミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウ
ム塩、N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スルホス
クシンイミドナトリウム塩、N−(8−マレイミドカプ
リルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、N−
(11−マレイミドウンデカノイル)スルホスクシンイ
ミドナトリウム塩、N,N′−オキシジメチレンジマレ
イミド、N,N′−o−フェニレンジマレイミド、N,
N′−p−フェニレンジマレイミド、スクシニミジル
4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カ
ルボキシレート、スルホスクシニミジル 4−(N−マ
レイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒ
ドロキシスルホスクシンイミドエステル、スクシニミジ
ル 4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、スル
ホスクシニミジル 4−(p−マレイミドフェニル)ブ
チレートなどをあげることができる。これらの中では、
水溶性を有し、酵素との反応が容易な、N−(6−マレ
イミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドナトリ
ウム塩、N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スルホ
スクシンイミドナトリウム塩、N−(8−マレイミドカ
プリルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、N
−(11−マレイミドウンデカノイル)スルホスクシン
イミドナトリウム塩などが好ましい。
【0014】さらに、R2がスチリル基である重合性基
を有する修飾剤としては、カルボキシスチレン、ホルミ
ルスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、ス
チレンカルボン酸クロリド、スチレンスルホン酸クロリ
ドなどをあげることができる。これらの中では、酵素と
の反応が容易なスチレンカルボン酸クロリド、スチレン
スルホン酸クロリドなどが好ましい。
【0015】前記一般式(1)で表わされる修飾剤と反
応させる酵素は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、
各種糖鎖を開環させたアルデヒド基等の反応性官能基を
有し、生体触媒作用を有するペプチドまたは蛋白質であ
れば特に限定されない。酵素の具体的なものとしては、
加水分解酵素、酸化還元酵素、転移酵素、脱離酵素、異
性化酵素、合成酵素などがあげられる。上記加水分解酵
素の具体的なものとしては、プロテアーゼ等のペプチド
加水分解酵素;リパーゼ、フォスフォリパーゼ、アルカ
リフォスファターゼ等のエステル加水分解酵素;β−D
−ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセ
ルラーゼ、サッカラーゼ、ペクチナーゼ等の糖加水分解
酵素などがあげられる。
【0016】酵素としては市販品を使用することもで
き、例えばビオプラーゼ(ナガセ生化学工業(株)製、
商標、ペプチド加水分解酵素)、リパーゼサイケン(ナ
ガセ生化学工業(株)製、商標、エステル加水分解酵
素)などがあげられる。また酵素の起源は限定されず、
バシルス(Bacillus)などあらゆる起源のものが使用で
きる。本願発明の酵素重合体をコンタクトレンズ用汚れ
除去剤として使用する場合、酵素としては加水分解酵素
を使用し、特にペプチド加水分解酵素および/またはエ
ステル加水分解酵素を使用するのが好ましい。
【0017】上記のような酵素に前記一般式(1)で表
わされる修飾剤を反応させることにより、酵素中の前記
官能基と修飾剤中の前記反応性官能基とが結合し、前記
一般式(2)で表わされる修飾酵素単量体が得られる。
【0018】前記一般式(2)においてEで示される基
は、前記酵素の残基である。前記一般式(2)において
Yで示される基は、前記酵素中の官能基と修飾剤中との
官能基(R1)とから形成される基(結合)であり、具
体的なものとしてはアミド基、ジカルバミド結合、ウレ
ア結合、ウレタン結合、ジスルフィド結合、イミド酸ア
ミド結合、3−チオスクシンイミド基(マレイミド基に
チオール基が反応して形成された結合)などがあげられ
る。
【0019】前記一般式(2)においてnは1以上の
数、好ましくは酵素の種類にもよるが1〜100、さら
に好ましくは1〜10である。nが100を超えると、
酵素の種類にもよるが、酵素活性が低下する場合があ
る。なお、合成した修飾酵素単量体中のnの数は、合成
した修飾酵素単量体中の官能基を定量することにより決
定することができる。例えば、この官能基がアミノ基の
場合、反応前および反応後の単量体中のアミノ基を定量
し、修飾剤により修飾されたアミノ基の割合(修飾率)
を求め、この修飾率からnの数を決定することができ
る。
【0020】酵素と前記一般式(1)で表わされる修飾
剤との反応は、次のようにして行うことができる。例え
ば、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス/
塩酸緩衝液または各種生理食塩水等に酵素を溶解した溶
液に、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフランまたはこれら
の混合液等に修飾剤を溶解した溶液を加え、反応温度0
〜50℃、好ましくは4〜25℃、反応時間15分間〜
24時間、好ましくは1〜12時間反応させる。反応生
成物は精製することなく修飾酵素単量体として使用する
ことができるし、必要により透析、塩析、ゲルろ過など
の方法により精製することもできる。
【0021】このようにして得られた修飾酵素単量体
は、ラジカル重合可能な重合性基を有しているため、容
易に重合可能である。このため酵素重合体を製造するた
めの単量体として使用することができる。
【0022】本発明の酵素重合体は、前記一般式(2)
で表わされる修飾酵素単量体をラジカル重合してなるも
のであり、修飾酵素単量体の単独重合体または2種以上
の共重合体、あるいは1種または2種以上の修飾酵素単
量体と他のモノマーとの共重合体である。他のモノマー
を共重合すると酵素活性の安定性が向上する。
【0023】本発明の酵素重合体は、下記一般式(3)
で表される構造単位を有している。
【化1】 (式中、R3は一般式(2)のR2がラジカル重合するこ
とにより形成された基であって、R2の残基を示す。q
は1以上の数、rは0以上の数であり、q+r=nを満
たす。ここでnは一般式(2)のnと同じである。E、
2、X、Y、m、およびkは一般式(2)と同じもの
である。)
【0024】前記一般式(3)においてR3で表される
基は、前記一般式(2)で表される修飾酵素単量体をラ
ジカル重合することにより、R2から形成された基であ
って、R2の残基である。すなわちR3は、R2の中に存
在する重合性不飽和結合がラジカル重合した結果形成さ
れる基である。R3の具体的なものとしては下記のもの
が例示されるが、これらに限定されない。
【0025】
【化2】 上記の基はそれぞれアクリロイル基、メタクリロイル
基、マレイミド基、スチリル基およびビニル基(これら
の基はR2としてすでに例示した基である)から形成さ
れる基である。
【0026】修飾酵素単量体と共重合させる他のモノマ
ーとしてはラジカル共重合可能なモノマーであれば特に
限定されるものではないが、例えば(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリル酸アミド、N−ヒドロキシ(メ
タ)アクリル酸アミド、N,N−ジアルキル(メタ)ア
クリル酸アミド、N,N−ジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、ピ
ロリドン、スチレン、α−メチルスチレン、メチル核置
換スチレン、核アルキル置換スチレン、クロロ核置換ス
チレン、核ハロゲン置換スチレン、スチレンスルフォン
酸ナトリウム、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニル
エーテル、ジエチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタ
コネート等のビニル系モノマーなどがあげられる。これ
らは1種単独で使用することもできるし、2種以上を混
合して使用することもできる。他のモノマーとしては、
水溶性ビニル系モノマーが好ましい。
【0027】本発明の酵素重合体の重合度は、通常2〜
1000、好ましくは2〜100である。酵素重合体の
分子量は出発原料となる酵素の種類により一般的に規定
することはできないが、通常平均分子量30000〜1
000000程度である。また酵素重合体中に占める修
飾酵素単量体の割合は特に限定されるものではないが、
0.01〜100モル%で、好ましくは0.1〜90モ
ル%である。
【0028】本発明の酵素重合体は、例えば一般式
(2)で表わされる修飾酵素単量体および必要により用
いられる他のモノマーを、開始剤の存在下にラジカル重
合させることにより製造することができる。上記開始剤
としては、通常のラジカル開始剤が制限されることなく
使用できる。具体的なものとしては、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイ
ル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブ
チルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチ
ルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソ
ブチレート、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−
2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロ
リド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−
2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−ア
ゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−
1,3−ジアジピン−2−イル)プロパン]ジヒドロク
ロリド、2,2′−アゾビス[2−(3,4,5,6−
テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒド
ロクロリド、過硫酸塩および過硫酸一亜硫酸水素塩など
があげられる。開始剤の使用量は、全モノマー100重
量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部とするのが望ましい。
【0029】酵素重合体を製造する際、アルキルメルカ
プタン、アルキルジチオールなどの重合度調整剤を使用
することもできる。具体的なものとしては、エチルメル
カプタン、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、ア
ミノエタンチオール、エタンジチオールなどがあげられ
る。重合度調整剤の使用量は全モノマー100重量部に
対して0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜1
0重量部とするのが望ましい。
【0030】重合反応は修飾酵素単量体の酵素活性を低
下させない反応媒体中で行うのが好ましい。反応媒体と
しては、例えばリン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩衝
液、トリス/塩酸緩衝液等の緩衝液;水;メタノール、
エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼ
ン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフ
ラン、クロロホルム等の有機溶媒などがあげられる。有
機溶媒は酵素活性を失活させない濃度、例えば0.1〜
40体積%の濃度になるように緩衝液と混合して使用す
るのが好ましい。
【0031】また重合反応は、重合系を不活性ガス、例
えば窒素、アルゴン、ヘリウムなどで置換して行うのが
好ましい。反応条件は、重合温度15〜70℃、好まし
くは20〜60℃、重合時間2〜96時間程度、好まし
くは5〜72時間とするのが望ましい。このようにして
得られる酵素重合体の重合度(分子量)は、重合温度、
重合時間、開始剤の種類または使用量、重合度調整剤の
種類または使用量などを選択することにより調整するこ
とができる。
【0032】本発明のコンタクトレンズ用汚れ除去剤
は、上記のようにして得られる酵素重合体からなるもの
であり、酵素重合体を製造した反応液をそのまま汚れ除
去剤として使用することもできるし、反応生成物を透
析、塩析、ゲルろ過などの分離精製法により精製した後
汚れ除去剤として使用することもできる。コンタクトレ
ンズの汚れは主に蛋白質または脂質であるので、汚れ除
去剤として使用する酵素重合体としてはペプチド加水分
解酵素の重合体または共重合体、エステル加水分解酵素
の重合体または共重合体、あるいはペプチド加水分解酵
素とエステル加水分解酵素とを含む共重合体が好まし
い。また本発明の汚れ除去剤は、一種類の酵素重合体か
らなっていても、2種以上の酵素重合体からなっていて
もよい。
【0033】本発明のコンタクトレンズ用汚れ除去剤に
は、従来コンタクトレンズ用の汚れ除去剤または洗浄剤
(液)の成分として使用されている成分を他の成分とし
て配合することができる。このような他の成分として
は、界面活性剤、等張化剤、防腐剤、キレート剤、pH
調整剤などがあげられる。界面活性剤としてはカチオン
性、アニオン性、ノニオン性または両性のいずれのもの
でも配合することができる。界面活性剤の好ましいもの
としては、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチ
レングリコールエーテル、ポリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコールなどのノニオン性または中性の
界面活性剤があげられる。等張化剤としては、塩化ナト
リウム、塩化カリウム等の無機塩などがあげられる。キ
レート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)またはそのアルカリ金属塩、クエン酸、酒石酸など
があげられる。
【0034】本発明のコンタクトレンズ用汚れ除去剤
は、粉末、錠剤などの乾燥状態で保管し、使用時に適当
な媒体に溶解して使用することもできるし、始めから溶
液の状態としておくこともできる。後者の場合でも、本
発明の汚れ除去剤(液)は酵素が重合されて安定化され
ているため、長期間液状で保存しても酵素活性は高く維
持され、このため汚れ除去能(洗浄能)はほとんど低下
しない。
【0035】本発明の汚れ除去剤を用いてコンタクトレ
ンズの汚れを除去するには、溶液状態の汚れ除去剤にコ
ンタクトレンズを浸すか、あるいは溶液状態または乾燥
状態の汚れ除去剤を緩衝液、等張液またはコンタクトレ
ンズ用保存液などで希釈した後、この希釈液にコンタク
トレンズを浸し、15〜120分間静置しておくだけで
よい。このとき加熱してもよい。また擦り洗いしてもよ
いが、多くの場合擦り洗いしなくても酵素の作用により
効率的に汚れを分解除去することができる。汚れを除去
した後は適当なリンス液ですすいで装着可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明の修飾酵素単量体は、ラジカル重
合可能な重合性基を有しているので、酵素活性を維持し
たまま容易に重合することができ、酵素重合体の製造原
料として使用することができる。
【0037】本発明の酵素重合体は上記修飾酵素単量体
をラジカル重合して得られる重合体であり、酵素活性を
高い状態で維持したまま重合されているので、溶液状態
で長期間保存しても酵素活性はほとんど低下せず、この
ためコンタクトレンズ用汚れ除去剤として使用すること
ができる。
【0038】本発明のコンタクトレンズ用汚れ除去剤は
上記酵素重合体からなっているので、汚れ除去能が高
く、しかも溶液状態で長期間保存しても汚れ除去能が低
下することなく保存安定性に優れている。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施例および比
較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。 実施例1−1(マレイミド基修飾ビオプラーゼの調製) 100mM炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液
(pH9.0)に溶解した50mg/ml濃度のビオプ
ラーゼ(ナガセ生化学工業(株)製、商標、分子量約2
7,000)1200μlに、ジメチルホルムアミドに
溶解した50mg/ml濃度のN−(6−マレイミドカ
プロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS、同仁化学
社製、商標)68.5μlを修飾剤として加え、4℃で
12時間ビオプラーゼ中の遊離アミノ基と修飾剤中のス
クシニミジルオキシカルボニル基とを反応させ、ビオプ
ラーゼ中に修飾剤をアミド結合により導入した。
【0040】反応終了後、反応液を、100mMリン酸
水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(p
H6.0)で平衡化したSephadex−G25(Pharmacia
LKBBiotechnology社製、商標)充填カラム(カラムサイ
ズ:内径13mm×390mm)に、流速0.5ml/
minで通液して分画した(分画体積=1.0ml/各
分画)。各分画を280nmの吸光度を測定することに
より、マレイミド基修飾ビオプラーゼおよび未反応の修
飾剤のピークを確認し、収分画番号22〜33を分取し
て、下式(4)で表わされるマレイミド基修飾ビオプラ
ーゼを得た。
【化3】 (Eはビオプラーゼの残基を示す。nは4.1であ
る。)
【0041】ビオプラーゼ中の遊離アミノ基が修飾剤中
のスクシニミジルオキシカルボニル基とアミド結合を形
成した割合(修飾率(%))を、グリシン溶液を標準
液、未修飾のビオプラーゼの修飾率を0%として、遊離
アミノ基の定量法(AnalyticalBiochemistry 14,328-33
6(1966))により求めた。その結果、修飾率は45.8
%であり、nは4.1となった。また、上記マレイミド
基修飾ビオプラーゼをドデシル硫酸ナトリウム−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供し
たところ、マレイミド基修飾ビオプラーゼは、未修飾の
ビオプラーゼの分子量と比較することにより、会合また
は重合などの高分子化は起きていないことが確認され
た。
【0042】実施例1−2(メタクリロイル基修飾ビオ
プラーゼの調製) 実施例1−1の修飾剤溶液の代わりに、脱水1,4−ジ
オキサンに溶解した25mg/ml濃度のメタクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート溶液16.7μlを用い
た以外は実施例1−1と同様にして、下式(5)で表わ
されるメタクリロイル基修飾ビオプラーゼを得た。この
メタクリロイル基修飾ビオプラーゼの修飾率を実施例1
−1と同様にして求めたところ42.7%であり、nは
3.8となった。またメタクリロイル基修飾ビオプラー
ゼは、未修飾のビオプラーゼの分子量と比較することに
より、会合または重合などの高分子化は起きていないこ
とが確認された。
【化4】 (Eはビオプラーゼの残基を示す。nは3.8であ
る。)
【0043】実施例1−3(アクリロイル基修飾ビオプ
ラーゼの調製) 実施例1−1の修飾剤溶液の代わりに、脱水1,4−ジ
オキサンに溶解した25mg/ml濃度のアクリル酸ク
ロリド溶液40.2μlを用いた以外は実施例1−1と
同様にして、下式(6)で表わされるアクリロイル基修
飾ビオプラーゼを得た。このアクリロイル基修飾ビオプ
ラーゼの修飾率を実施例1−1と同様にして求めたとこ
ろ41.9%であり、nは3.8となった。またアクリ
ロイル基修飾ビオプラーゼは、未修飾のビオプラーゼの
分子量と比較することにより、会合または重合などの高
分子化は起きていないことが確認された。
【化5】 (Eはビオプラーゼの残基を示す。nは3.8であ
る。)
【0044】実施例1−4(マレイミド基修飾リパーゼ
サイケンの調製) 実施例1−1のビオプラーゼの代わりにリパーゼサイケ
ン(ナガセ生化学工業(株)製、商標、分子量30,0
00)を用い、また修飾剤溶液の使用量を61.6μl
とした以外は実施例1−1と同様にして、下式(7)で
表わされるマレイミド基修飾リパーゼサイケンを得た。
このマレイミド基修飾リパーゼサイケンの修飾率を実施
例1−1と同様にして求めたところ39.8%であり、
nは2.2となった。またマレイミド基修飾リパーゼサ
イケンは、未修飾のリパーゼサイケンの分子量と比較す
ることにより、会合または重合などの高分子化は起きて
いないことが確認された。
【化6】 (Eはリパーゼサイケンの残基を示す。nは2.2であ
る。)
【0045】実施例2−1 実施例1−1で調製したマレイミド基修飾ビオプラーゼ
を100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナ
トリウム緩衝液(pH6.0)に溶解し、25mg/m
l濃度のビオプラーゼ単量体溶液を得た。またこれとは
別に、他の共重合モノマーとしてのメタクリルアミドを
上記リン酸緩衝液に溶解し、160.0mg/mlのメ
タクリルアミド溶液を得た。さらに、ラジカル重合開始
剤としての2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリドを上記リン
酸緩衝液に溶解し、7.2mg/ml濃度の開始剤溶液
を得た。
【0046】上記ビオプラーゼ単量体溶液800μl
に、メタクリルアミド溶液100μlおよび開始剤溶液
100μlを加え、窒素雰囲気下に、35℃で3日間、
暗所で振とうしながらインキュベートし、ビオプラーゼ
単量体とメタクリルアミドとを共重合させた。反応終了
後、反応液を生理食塩水100mlに対して、4℃にお
いて暗所で透析し、開始剤を除去した。
【0047】透析終了後、TSK−GEL G4000
SWXL(TOSOH社製、商標)の充填カラム、およ
びTSK−GEL G3000SWXL(TOSOH社
製、商標)の充填カラムをこの順序で直列に接続し、こ
れを用いて分析した。すなわち透析した反応液を、0.
3M NaCl、50mMリン酸水素二ナトリウム/リ
ン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化し
た上記カラムに、流速=1.0ml/min、カラム温
度=40℃、サンプル体積=50μl、サンプル濃度=
1.0mg/mlの条件で通液した。その結果、フェリ
チン(分子量=440,000)以上、チオグロビン
(分子量=669,000)以下にピークが確認され、
ビオプラーゼ共重合体が調製されたことが確認された。
【0048】実施例2−2 実施例2−1において、マレイミド基修飾ビオプラーゼ
単量体の代わりに実施例1−2で得たメタクリロイル基
修飾ビオプラーゼ単量体を用いた以外は実施例2−1と
同様にして行った。その結果、フェリチン(分子量=4
40,000)以上、チオグロビン(分子量=669,
000)以下にピークが確認され、ビオプラーゼ共重合
体が調製されたことが確認された。
【0049】実施例2−3 実施例2−1において、マレイミド基修飾ビオプラーゼ
単量体の代わりに実施例1−3で得たアクリロイル基修
飾ビオプラーゼ単量体を用い、またメタクリルアミド溶
液の代りに133.6mg/ml濃度のアクリルアミド
溶液100μlを用いた以外は実施例2−1と同様にし
て行った。その結果、フェリチン(分子量=440,0
00)以上、チオグロビン(分子量=669,000)
以下にピークが確認され、ビオプラーゼ共重合体が調製
されたことが確認された。
【0050】実施例3−1 実施例1−1で調製したマレイミド基修飾ビオプラーゼ
を100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナ
トリウム緩衝液(pH6.0)に溶解し、25mg/m
l濃度のビオプラーゼ単量体溶液を得た。またこれとは
別に、ラジカル重合開始剤としての2,2′−アゾビス
[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒ
ドロクロリドを上記リン酸緩衝液に溶解し、2.0mg
/ml濃度の開始剤溶液を得た。
【0051】上記ビオプラーゼ単量体溶液800μl
に、開始剤溶液200μlを加え、窒素雰囲気下に、3
5℃で3日間、暗所で振とうしながらインキュベート
し、ビオプラーゼ単量体を重合させた。反応終了後、反
応液を生理食塩水100mlに対して、4℃において暗
所で透析し、開始剤を除去した。透析終了後、実施例2
−1と同様にして分析を行った。その結果カタラーゼ
(分子量=232,000)以上、フェリチン(分子量
=440,000)以下にピークが確認され、ビオプラ
ーゼ重合体が調製されたことが確認された。
【0052】実施例3−2 実施例3−1において、マレイミド基修飾ビオプラーゼ
単量体の代わりに実施例1−3で得たアクリロイル基修
飾ビオプラーゼを用いた以外は実施例3−1と同様にし
て行った。その結果、カタラーゼ(分子量=232,0
00)以上、フェリチン(分子量=440,000)以
下にピークが確認され、ビオプラーゼ重合体が調製され
たことが確認された。
【0053】実施例4−1 実施例2−1において、酵素単量体溶液としてビオプラ
ーゼ単量体溶液800μlおよびリパーゼサイケン単量
体溶液800μlを用い、またメタクリルアミド溶液お
よび開始剤溶液の使用量をそれぞれ200μlに変更し
た以外は実施例2−1と同様にして行った。その結果、
フェリチン(分子量=440,000)以上、チオグロ
ビン(分子量=669,000)以下にピークが確認さ
れ、酵素共重合体が調製されたことが確認された。
【0054】実施例4−2 実施例3−1において、酵素単量体溶液としてビオプラ
ーゼ単量体溶液800μlおよびリパーゼサイケン単量
体溶液800μlを用い、また開始剤溶液の使用量を4
00μlに変更した以外は実施例3−1と同様にして行
った。その結果、カタラーゼ(分子量=232,00
0)以上、フェリチン(分子量=440,000)以下
のピークが確認され、酵素共重合体が調製されたことが
確認された。
【0055】実施例5−1 実施例2−1で得た酵素共重合体を生理食塩水に0.4
重量%の濃度になるように溶解し、汚れ除去液とした。
この汚れ除去液に蛋白質を付着させたコンタクトレンズ
を浸漬し、静置した状態で洗浄した。洗浄効果は2時間
後に目視にて行い、付着蛋白質がほとんど除かれている
場合を良好、それ以外を不良として判定した。結果を表
1に示す。なお蛋白質を付着させたコンタクトレンズは
次のようにして調製した。すなわち、人工涙液(アルブ
ミン0.6g、グロブリン0.3g、リゾチーム0.2
g、ムチン0.1gを生理食塩水に溶解させ100ml
としたもの)にコンタクトレンズ(セイコーコンタクト
レンズ社製、スーパーEX1、商標)を浸し、65℃に
加熱して蛋白質を付着させた。
【0056】また上記汚れ除去液の蛋白質分解酵素の酵
素活性を、汚れ除去液調製直後および14週間後(40
℃で保存)に、カゼイン−フォリン法により測定した。
結果を表1に示す。
【0057】実施例5−2ないし5−7 実施例5−1において、実施例2−1の酵素共重合体の
代わりに、実施例2−2(実施例5−2)、実施例2−
3(実施例5−3)、実施例3−1(実施例5−4)、
実施例3−2(実施例5−5)、実施例4−1(実施例
5−6)または実施例4−2(実施例5−7)で得た酵
素(共)重合体を用いた以外は実施例5−1と同様にし
て行った。結果を表1に示す。
【0058】比較例1 実施例5−1において、実施例2−1の酵素共重合体の
代わりに、重合していないビオプラーゼを用いた以外は
実施例5−1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】 *1 汚れ除去液調製直後の酵素活性に対する14週間後の酵素活性
【0060】表1の結果から、酵素(共)重合体からな
る各実施例の汚れ除去液は洗浄効果が良好であり、しか
も水溶液状態で長期間保存しても酵素活性はほとんど低
下せず、高く維持されていることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素に、一般式(1) R1−(X)m−R2 …(1) (式中、R1は酵素中の官能基と結合可能な官能基、R2
    はラジカル重合可能な重合性基、Xは2価の有機残基、
    mは0または1を示す。)で表わされる修飾剤を反応さ
    せて得られる、一般式(2) E−[(Y)k−(X)m−R2]n …(2) (式中、Eは酵素の残基、Yは酵素中の官能基と前記R
    1の官能基とから形成された基、Xは2価の有機残基、
    kは0または1、mは0または1、R2はラジカル重合
    可能な重合性基、nは1以上の数を示す。)で表わされ
    る修飾酵素単量体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の修飾酵素単量体を重合し
    てなる酵素重合体。
  3. 【請求項3】 酵素が加水分解酵素である請求項2記載
    の酵素重合体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の酵素重合体からなること
    を特徴とするコンタクトレンズ用汚れ除去剤。
JP14580596A 1995-06-09 1996-06-07 酵素単量体、重合体およびコンタクトレンズ用汚れ除去剤 Pending JPH0951793A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000017299A (ja) * 1998-07-01 2000-01-18 San Contact Lens:Kk 蛋白分解酵素含有洗浄液、および酵素洗浄液中の蛋白分解酵素を安定化する方法
JP2010286513A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Menicon Co Ltd 眼用レンズ用ケア用品及び樹脂基材の親水化方法
WO2018164189A1 (ja) * 2017-03-10 2018-09-13 Spiber株式会社 タンパク質成形体及びこれを製造する方法、並びにタンパク質溶液

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