JP2004359947A - タンパク質付着防止用高分子化合物及びこれを含有する組成物 - Google Patents

タンパク質付着防止用高分子化合物及びこれを含有する組成物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 (A)(1)で表される単量体及び/又は(2)で表される単量体
【化1】
Figure 2004359947

(R1は水素又はメチル基、Aは酸素又はNH、R2、R3は水素又はアルキル基、R4及びR5はアルキル基)
【化2】
Figure 2004359947

(R6は水素又はメチル基、Aは酸素又はNH、R7、R8は水素又はアルキル基、R9、R10及びR11はアルキル基、nは0、1又は2、Xはハロゲン)
(B)(3)で表される単量体
CH2=C(R12)COOR13 (3)
(R12は水素又はメチル基、R13はアルキル基)
(C)ノニオン性水溶性単量体
を共重合してなるタンパク質付着防止用高分子化合物。
【効果】 ガラス、セラミック、ステンレス、プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維等の軟表面、ゲル表面及びコンタクトレンズ表面に対して、低濃度かつ短時間処理によっても、耐久性があり優れたタンパク質付着防止能を有するタンパク質付着防止用高分子化合物、並びにこれを含有してなる組成物を提供することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れたタンパク質付着防止能を有するタンパク質付着防止用高分子化合物、これを含有してなる組成物に関する。さらに詳しくは、医療用具等の材料として使用され、タンパク質に代表されるような生体由来物質が付着することによって材料の生体適合性が悪化することが懸念されるガラス、セラミック、ステンレス、プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維等の軟表面、及びゲル表面、特にコンタクトレンズ表面に対して、低濃度かつ短時間処理によっても該表面に吸着し、耐久性があり優れたタンパク質付着防止能を付与するタンパク質付着防止用高分子化合物及び該高分子化合物を含有する組成物に関する。
医療用具等の材料として使用され、タンパク質に代表されるような生体由来物質が付着することによって材料の生体適合性が悪化することが懸念されるものとして、ガラス、セラミック、ステンレス、各種プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維といった軟表面、あるいはゲル表面、コンタクトレンズ表面等が挙げられる。このようなものは、特殊な有機溶剤と接触すると簡単に表面を痛めてしまうものが多い。これらの表面を処理する表面処理剤としては、水溶性タイプの商品が望まれている。また、表面処理剤は、通常の使用によって、接触する水や濯ぎ水等で簡単に処理剤が取れないような耐久性があり、かつ使用性の点から短時間処理やできるだけ低濃度の処理剤によっても良好な効果が得られるものが望まれている。さらに、人体が接触する用途に対しては、安全性が考慮されているものが望まれている。
表面処理剤としては、3級アミノ基を含有する高分子化合物、洗浄剤組成物、防汚剤組成物及び洗浄性防汚剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1:特開2002−256030号公報参照)。具体的には、ポリオキシアルキレンオキサイドを含有するモノマーを必須成分とする高分子化合物からなることを特徴とするもので、コンタクトレンズ用洗浄剤に含有させることにより涙液由来のタンパク質の汚れ防止効果に優れるものである。しかし、タンパク質汚れに限った場合、長期間使用中に被覆表面から洗い流されず残るような耐久性について、さらなる効果が望まれていた。また、様々な汚染物質に対して付着防止性に優れているものの、タンパク質付着防止に対して、短時間処理や低濃度の高分子化合物溶液処理でさらなる効果が望まれていた。
また、コンタクトレンズへの汚れ付着防止技術として、4級アミン官能性基を10〜45mol%有する高分子化合物が提案されている(例えば特許文献2:特表2000−510186号公報参照)。具体的にはコンタクトレンズへのタンパク質の蓄積を阻害する組成物及び方法が提案されている。しかしながら、4級アミン官能性基の含有率が高すぎるために、本発明が目的とするタンパク質付着防止に関して、短時間処理や低濃度の高分子化合物溶液処理によっては、該表面に吸着して優れたタンパク質付着防止能を付与する機能は得られない。
一方、イオン性を有するコンタクトレンズ用途の高分子化合物が提案されている(例えば特許文献3:特開昭54−116947号公報参照)。具体的には、主にイオン性コンタクトレンズの表面を表面と反対の電荷をもつ水保持能が高い高分子化合物で被覆することにより、表面の潤いを高くする組成物及び方法が提案されている。しかしながら、本発明が目的とするタンパク質付着防止に関して、短時間処理や低濃度の高分子化合物溶液処理によっても該表面に吸着して優れたタンパク質付着防止能を付与する機能は得られない。
さらに、ビニルポリマーのカチオン性誘導体を有する高分子化合物が提案され(特許文献4:特開平1−50014号公報参照)、高分子化合物によりレンズを親水化することで脂質汚れが付着しにくい組成物及び方法が開示されているが、本発明が目的とするタンパク質付着防止に関して、短時間処理や低濃度の高分子化合物溶液処理によっても該表面に吸着して優れたタンパク質付着防止を付与する機能は得られない。
特開2002−256030号公報 特表2000−510186号公報 特開昭54−116947号公報 特開平1−50014号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、医療用具等の材料として使用されており、タンパク質に代表されるような生体由来物質が付着することによって材料の生体適合性が悪化することが懸念されるガラスやセラミック、ステンレス、プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維等の軟表面、ゲル表面及びコンタクトレンズ表面等に対して、低濃度かつ短時間処理によっても優れたタンパク質付着防止能を有し、かつその防止能が耐久性に優れたタンパク質付着防止用高分子化合物を提供することを目的とする。さらに、水での濯ぎによっても簡単に流されず、対象面に吸着して防汚性を発現する防汚剤組成物、洗浄と同時に防汚性を有する洗浄性防汚剤組成物、眼科用組成物及びコンタクトレンズ用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の3級アミノ基を有する単量体及び/又は特定の4級アンモニウム基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、ノニオン性水溶性単量体とを特定量で共重合させてなり、重量平均分子量が5,000〜1,000,000である高分子化合物が、上記硬表面、軟表面、ゲル表面に対して、低濃度かつ短時間処理によっても、耐久性のあるタンパク付着防止能を有することを知見した。さらに鋭意検討した結果、上記高分子化合物を水溶性組成物中に含有させることにより、低濃度かつ短時間処理によっても、対象面に吸着して優れたタンパク質付着防止能を有し、水での濯ぎを伴うような洗浄工程において上記共重合体が洗い流されず、有効成分として対象面に吸着して防汚性を発現することを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記(A)、(B)及び(C)を共重合してなり、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であるタンパク質付着防止用高分子化合物、並びにこの高分子化合物を含有してなる防汚剤組成物、洗浄性防汚剤組成物、眼科用組成物及びコンタクトレンズ用組成物を提供する。
(A)(A−1)下記一般式(1)で表される3級アミノ基を有する単量体0.1〜75質量%及び/又は(A−2)下記一般式(2)で表される4級アンモニウム基を有する単量体0.1〜7質量%
Figure 2004359947
(式中、R1は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又はNH、R2、R3は独立に、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R4、R5は独立に、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、mは0、1又は2である。)
Figure 2004359947
(式中、R6は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又はNH、R7、R8は独立に、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R9、R10及びR11は独立に、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、nは0、1又は2、Xは、ハロゲン、OH、1/2SO4、HSO4、1/3PO4、HCO2又はCH3CO2を示す。)
(B)下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体21〜80質量%
CH2=C(R12)COOR13 (3)
(式中、R12は水素原子又はメチル基であり、R13は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。)
(C)(A),(B)単量体以外のノニオン性水溶性単量体0.1〜78.9質量%
本発明によれば、医療用具等の材料として使用されて、タンパク質に代表されるような生体由来物質が付着することによって材料の生体適合性が悪化することが懸念されるガラス、セラミック、ステンレス、プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維等の軟表面、ゲル表面、及びコンタクトレンズ表面に対して、低濃度かつ短時間処理によっても、耐久性があり優れたタンパク質付着防止能を有し、防汚剤として有用な、タンパク質付着防止用高分子化合物、これを含有してなる防汚剤組成物、洗浄性防汚剤組成物、眼科用組成物及びコンタクトレンズ用組成物を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳しく説明する。本発明の高分子化合物は、上記(A)〜(C)の単量体を、単量体合計配合量(100質量%)に対して各単量体を特定割合で配合し共重合したものである。従って、本発明の共重合体における各単量体からなる構成単位の含有量は、共重合する際の各単量体の配合量と同様である。
本発明において用いられる(A)単量体は、(A−1)上記一般式(1)で表される3級アミノ基を有する単量体及び/又は(A−2)上記一般式(2)で表される4級アンモニウム基を有するものである。
ここで、上記一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又はNH、R2、R3は独立に、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R4、R5は独立に、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、mは0、1又は2である。炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。
ここで、上記一般式(2)において、R6は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又はNH、R7、R8は独立に、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R9、R10及びR11は独立に、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、nは0、1又は2、Xは、ハロゲン、OH、1/2SO4、HSO4、1/3PO4、HCO2又はCH3CO2を示す。炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。
(A−1)3級アミノ基を有する単量体として、より具体的には、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル(以下、(メタ)アクリルはアクリルとメタクリルを表す)、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジプロピルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジプロピルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド化合物であり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等である。
(A−2)4級アンモニウム基を有する単量体として、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチル硫酸、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルリン酸、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチルリン酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチル硫酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルメチルリン酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチルリン酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドメチルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチル硫酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドメチルリン酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチルリン酸等が挙げられる。この中でも(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチル硫酸、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエチル硫酸、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドメチルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドエチル硫酸が好ましく、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエチル硫酸がさらに好ましい。
(A−1)単量体と(A−2)単量体は各々単独で用いてもよいし、併用して用いてもよい。また、これらの単量体は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明においては、組成物の作りやすさと耐久性の点から、(A−1)単量体を1種又は2種以上用いることが好ましい。
(A)単量体の含有量は各々下記の範囲である。(A)単量体の含有量が多すぎると、水への溶解性が高いため、耐久性がなく、低濃度処理、単時間処理での性能が低下する。また、(A)単量体の含有量が少なすぎると、(A)単量体が高分子化合物中で吸着部位としてしっかりと機能せず、耐久性がなく、低濃度処理及び単時間処理での性能が低下する。
(A−1)3級アミノ基を有する単量体を含有する場合、その含有量は全単量体中に0.1〜75質量%、好ましくは2〜55質量%、より好ましくは3〜35質量%である。
(A−2)4級アンモニウム基を有する単量体を含有する場合、その含有量は全単量体中に0.1〜7質量%、好ましくは0.5〜6質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
本発明において用いられる(B)単量体は、下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体である。
CH2=C(R12)COOR13 (3)
ここで、上記一般式(3)において、R12は水素原子又はメチル基であり、R13は炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。
(B)単量体として、より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル等が挙げられる。この中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸t−ブチルがさらに好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(B)単量体の含有量は、全単量体中に21〜80質量%、好ましくは22〜55質量%、特に好ましくは23〜50質量%である。(B)単量体の含有量が21質量%未満だと低濃度処理、短時間処理によるタンパク質付着防止能が低下し、80質量%を超えると均一な溶解性を得ることが難しい。
本発明において用いられる(C)単量体は、(A),(B)単量体以外のノニオン性水溶性単量体である。(A)及び(B)単量体以外のノニオン性水溶性単量体を共重合することにより、タンパク質付着防止能を低下させずに高分子化合物の水溶性を向上させることができ、本発明の高分子化合物を含有する組成物にした場合に、不溶物の析出等の不具合を防ぐことができる。
(C)単量体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、糖類縁基含有単量体、下記一般式(4)で示されるポリアルキレンオキシド基含有単量体等が挙げられる。
CH2=C(R14)COO(Cp2pO)q15 (4)
(式中、R14は水素原子又はメチル基であり、R15は水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基又はフェニル基である。pは2〜4の整数、qは2〜250であり、分子中にpが異なる2種以上のアルキレンオキシド基があってもよい。)
上記一般式(4)で示されるポリアルキレンオキシド基含有単量体としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基でアルコキシ化されたアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
好ましい(C)単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくはN−ビニル−2−ピロリドン、(C24O)の平均繰り返し数が2〜25のメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである。(C)単量体は、上記化合物に限定されるものではなく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(C)単量体の含有量は、全単量体中に0.1〜78.9質量%、好ましくは15〜73質量%で、より好ましくは30〜65質量%である。(C)単量体の含有量が少なすぎると水溶性が減り、多すぎると対象とする表面への吸着性が劣る。
本発明の高分子化合物は、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であり、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは10,000〜400,000である。重量平均分子量が小さすぎると、例えばゲル表面に使用したときに、そのポアサイズより小さくなり、大きすぎると高分子化合物溶液の粘度が高くなりすぎて製剤設計上の制限が生じる。なお、重量平均分子量は、本発明においてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、0.5mol/L酢酸、0.5mol/L酢酸ナトリウムの水/エタノール=50/50(v/v%)溶液を移動相とし、ポリエチレングリコールを標準として求めることができる。
本発明の高分子化合物の製造方法は、上記(A)〜(C)単量体を共重合した共重合体を作製できれば特に限定されないが、例えば溶液重合、懸濁重合、塊状重合により重合することができる。工業的には、溶液重合、懸濁重合によるラジカル重合が好ましく、中でも溶液重合による方法が好ましい。なお、本発明の共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
溶液重合によって重合する場合、溶媒としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン等の芳香族、脂肪族又は複素環式化合物、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン等の各種有機溶剤が使用できる。重合濃度は特に制限されないが、通常10〜50質量%で重合するのがよい。
重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤濃度は、通常、使用する単量体合計量に対して0.1〜10モル%が好ましい。さらに、分子量を規制するためにアルキルメルカプタンのような連鎖移動剤、ルイス酸化合物等の重合促進剤、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等のpH調整剤を使用してもよい。重合温度は、用いられる溶媒、重合開始剤により適宜定められるが、通常、室温〜150℃がよい。
得られた高分子化合物中に含まれる残存単量体等の低分子量不純物は、活性炭、限界濾過、透析膜等を使用して処理することにより除去精製することができる。活性炭としては、一般的に用いられる木材、石炭、椰子殻等を薬品や蒸気で賦活した物等が挙げられ、その形状に関しても、粉体、破砕状、繊維状のもの等があるが特に限定されない。限外濾過膜の材質としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、酢酸セルロース、ニトロセルロース等が使用できる。その形状に関しても平膜状、中空糸状等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明のタンパク付着防止用高分子化合物は、医療用具等の材料として使用され、タンパク質に代表されるような生体由来物質が付着することによって材料の生体適合性が悪化することが懸念されるガラス、セラミック、ステンレス、プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維等の軟表面、ゲル表面及びコンタクトレンズ表面に対して、低濃度かつ単時間処理によっても優れたタンパク質付着防止能を有する。この高分子化合物は、これらの表面に吸着して防汚性を付与し、水での濯ぎによっても簡単に流されないことから、防汚性組成物に用いることができる。また、対象物を洗浄するとともに防汚性を付与することができ、水での濯ぎを伴うような洗浄工程においても高分子化合物が濯ぎによって流されず、対象面に吸着して防汚性を発現することから、洗浄性防汚剤組成物に用いることができる。
また、本発明のタンパク質付着防止用高分子化合物を含有してなる組成物は、上記特性を有することから眼科用組成物として好適であり、コンタクトレンズ用として特に好適である。眼科用組成物としては、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、人工涙液、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬等が挙げられる。コンタクトレンズ用組成物としては、具体的には、コンタクトレンズ用処理液、洗浄液、保存液、洗浄保存液、洗浄消毒液等が挙げられる。
上記各組成物における本発明の高分子化合物の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、各組成物全体に対して0.0001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.005〜5質量%である。高分子化合物の含有量が少なすぎると、その機能を充分に発揮できない場合があり、多すぎると製剤設計上の制限が生じる場合がある。
本発明の高分子化合物を各種組成物に含有させる場合、その用途に合わせて、アニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性の低分子量界面活性剤を1種単独で又は2種以上を併用してもよい。このような低分子量界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩、アルキルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、N−アルキレンベタイン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(例えば、HCO−60、日本サーファクタント工業(株)製)等のポリオキシエチレンオキシステアリン酸トリグリセライド、ポリソリベート80(例えばTO−10M、日本サーファクタント工業(株)製)等のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポロキサミン(例えば、TETRONIC1107、BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
各種組成物には、上記成分の他に消毒剤、防腐剤、酵素、緩衝剤、安定剤、等張化剤、溶解化剤、清涼化剤、粘稠化剤等を1種単独で又は2種以上併用してもよい。
具体的には、消毒剤として、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド、塩化ポリドロニウム等が挙げられる。防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。酵素として、トリプシン、キモトリプシン、パングレアチン、パパイン、コラベナーゼ、プロメライン、アミノペプチターゼ、アスペルギロ・ペプチターゼ、プロナーゼE、ディスパーゼ、ズブチリシンA、ズブチリシンB、リパーゼ、グルコシダーゼ、ムタナーゼ、α−アミラーゼ、デキストラナーゼ等が挙げられる。緩衝剤として、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモール、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、L−アスパラギン酸カリウム、イプシロン−アミノカプリン酸、グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。安定剤として、α−シクロデキストリン、エデト酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。等張化剤として、アミノエチルスルホン酸、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、グリセリン、ブドウ糖、D−マンニトール等が挙げられる。溶解化剤として、エタノール、尿素、プロピレングリコール、マグロゴール4000等のポリエチレングリコール、モノエタノールアミン等が挙げられる。清涼化剤として、ウイキョウ油、dl−カンフル、ゲラニオール、ハッカ油、ベルガモット油、d−ボルネオール、l−メントール、ユーカリ油等が挙げられる。粘稠化剤として、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸及びその塩、デキストラン70、ヒドロキシセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、必要に応じて低級アルコール、抗菌剤、色素及び香料等を、それぞれ1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
特に、本発明の高分子化合物を含有する組成物を、医療用具等の材料として使用されて、タンパク質に代表されるような生体由来物質が付着することによって材料の生体適合性が悪化することが懸念されるガラスやセラミック、ステンレス、プラスチック等の硬表面、毛髪、繊維等の軟表面、ゲル表面及びコンタクトレンズ表面に対し用いる場合、水溶性高分子化合物を配合することが好ましいことがある。特にコンタクトレンズ表面に用いる場合、本発明の高分子化合物と水溶性高分子化合物とを組み合せることにより、例えばこすり洗いをする際の摩擦が減少し、対象物の破損をより良好に防ぐことができる。
水溶性高分子化合物としては、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース系高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のポリビニル系高分子化合物、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸等のムコ多糖類、ポリエチレングリコール、デキストラン等が挙げられる。この中でも好ましい水溶性高分子化合物は、セルロース系高分子化合物、ポリビニル系高分子化合物、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸であり、特に好ましい化合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸である。
上記水溶性高分子化合物の配合量は、特に制限されるものではないが、通常、組成物全体に対して0.0001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.005〜5質量%である。水溶性高分子化合物の配合量が少なすぎると、対象面をこすり洗いする時の摩擦のため、対象物を破損する場合があり、多すぎると粘度が高くなりすぎて製剤設計上の制限が生じる場合がある。
本発明の各組成物の剤型、調製方法、使用方法は特に限定されず、各組成物の通常の剤型として各剤型の常法に準じて調製することができ、各剤型の常用量を通常の使用方法にて使用することによって、優れた防汚性、洗浄防汚性を発揮することができる。
なお、本発明の高分子化合物を配合して上記各種組成物を調製する場合、水性組成物として調製すると、表面処理後に水で濯いでも優れた防汚性を付与する防汚剤組成物、さらに、水での洗浄工程において上記高分子化合物が濯ぎによって脱離せず、有効成分として対象面に吸着して優れた防汚性を付与できる洗浄性防汚剤組成物が得られる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
冷却還流管、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール200gを仕込み、撹拌しながら窒素ガスを導入して78℃に加熱し、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(以下、DMと略す)40.1g、メタクリル酸メチル(以下、MMAと略す)44.7g、ビニルピロリドン(以下、VPと略す)65.2g(全単量体中のDM分=27質量%、全単量体中のMMA分=30質量%、全単量体中のVP分=43質量%)、及びエタノール35gの混合溶液と、2,2−(アゾビス(2−メチルブチロニトリル))0.78g及びエタノール115gの混合溶液とを連続的に3時間かけて加え、さらに3時間加熱し続けて、表1に示す組成の実施例1の高分子化合物(共重合体)を得た。
[実施例2〜25]
上記実施例1において、表1の組成となるように単量体の種類、配合割合を代えた以外は、上記実施例1と同様の方法によって表1に示す組成の実施例2〜25の高分子化合物を得た。
[実施例26]
冷却還流管、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール120gを仕込み、撹拌しながら窒素ガスを導入して内温を78℃に加熱し、DM11.5g、MMA25.7g、VP42.4g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ポリエチレン平均=9)(以下M−90Gと略す)10.3g(全単量体中のDM分=12.8質量%、全単量体中のMMA分=28.6質量%、全単量体中のVP分=47.1質量%、全単量体中のM−90G=11.5質量%)及びエタノール41gの混合溶液と、2,2−(アゾビス(2−メチルブチロニトリル))0.71g及びエタノール49.1gの混合溶液とを連続的に2時間かけて加え、さらに4時間加熱し続けて重合反応し共重合体を得た。共重合体の固形分が2質量%になるようにイオン交換水を加えると同時に1mol%Lの塩酸水溶液を加えてpHを6に調整し、再生セルロース製透析チューブ(UC36−32−100;Viskase Companies,Inc製)に入れ、イオン交換水を取り替えながら1週間透析を行なった。チューブ内の高分子化合物を含む水溶液を凍結乾燥機を用いて乾燥し、表3に示す組成の実施例26の高分子化合物(精製共重合体)を得た。
[実施例27〜62]
上記実施例26において、表3の組成となるように単量体の種類、配合割合を代えた以外は、上記実施例26と同様の方法によって表3に示す組成の実施例27〜62の高分子化合物を得た。
[比較例1,2]
市販の下記高分子化合物を比較例1,2とした。
比較例1:ポリビニルピロリドン(ポリビニルピロリドンK−90):BASF(株)製
比較例2:ポリアクリル酸(カーボポール934P):Noveon社製
[比較例3〜9]
上記実施例1において、表2の組成となるように単量体の種類、配合割合を代えた以外は、上記実施例1と同様の方法によって表2に示す組成の比較例3〜9の高分子化合物を得た。
上記実施例1〜25及び比較例1〜9の高分子化合物について、0.05質量%水溶液での防汚性1、防汚性2及び防汚性3の評価を下記方法に従って行った。また耐久性の評価に関しては、上記実施例1〜25の共重合体について、0.1質量%水溶液で、及び比較例1〜9について1.0質量%水溶液での評価を下記方法に従って行った。さらに上記実施例26〜62及び比較例1〜9の高分子化合物について、0.05質量%水溶液での防汚性4、洗浄性の評価を下記方法に従って行った。結果を表1〜4に併記する。
〈防汚性1の評価方法〉
ステンレス板(10cm×10cm)を濃度0.05質量%高分子化合物溶液又は分散液500mLに室温で1時間浸漬した。ステンレス板を取りだしてイオン交換水で濯ぎ、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取り、タンパク質の一種であるフィブリノーゲン0.60gをイオン交換水500mLに溶解させた液にステンレス板を浸漬した後、30℃で1時間加温震盪した。ステンレス板を取りだし、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った。このステンレス板は、ニンヒドリン指示薬を用いてステンレス版に付着したフィブリノーゲンを染色し、発色の状態を下記評価基準に従って評価した。
〈評価基準〉
5:全く染まらない(ステンレス板をフィブリノーゲン溶液に接触させず、ニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
4:ほとんど染まらない
3:僅かに染まる
2:かなり染まる
1:激しく染まる(ステンレス板を高分子化合物溶液による処理をせず、フィブリノーゲン溶液に接触させてニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
〈防汚性2の評価方法〉
EMAA(エチレン・メタクリル酸重合体)樹脂(10cm×10cm)(三井・デュポン ポリケミカル(株)製)を濃度0.05質量%高分子化合物溶液又は分散液500mLに室温で1時間浸漬した。EMAA樹脂を取りだしてイオン交換水で濯ぎ、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取り、タンパク質の一種である卵白リゾチーム溶液(和光純薬(株)製)0.60gをイオン交換水500mLに溶解させた液にEMAA樹脂を浸漬した後、30℃で1時間加温震盪した。EMAA樹脂を取りだし、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った。このEMAA樹脂は、ニンヒドリン指示薬を用いてEMAA樹脂に付着したリゾチームを染色し、発色の状態を下記評価基準に従って評価した。
〈評価基準〉
5:全く染まらない(EMAA樹脂を卵白リゾチーム溶液に接触させず、ニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
4:ほとんど染まらない
3:僅かに染まる
2:かなり染まる
1:激しく染まる(EMAA樹脂を高分子化合物溶液による処理をせず、卵白リゾチーム溶液に接触させてニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
〈防汚性3の評価方法〉
上記防汚性2の評価方法において、EMAA樹脂をソフトコンタクトレンズ[1DAY ACUVUE(ジョンソン アンド ジョンソン(株)製)]に代え、リゾチームの染色剤として0.05質量%エリスロシン水溶液を用いた以外は、上記防汚性2の評価方法と同様の方法によって、ソフトコンタクトレンズに付着した卵白リゾチームを染色し、発色の状態を下記評価基準に従って評価した。
〈評価基準〉
5:全く染まらない(ソフトコンタクトレンズを卵白リゾチーム溶液に接触させず、エリスロシン水溶液を用いた時の着色状態に相当)
4:ほとんど染まらない
3:僅かに染まる
2:かなり染まる
1:激しく染まる(ソフトコンタクトレンズを高分子化合物溶液による処理をせず、卵白リゾチーム溶液に接触させてエリスロシン水溶液を用いた時の着色状態に相当)
〈耐久性の評価方法〉
ソフトコンタクトレンズ[1DAY ACUVUE(ジョンソン・アンド・ジョンソン(株)製)]を、上記実施例1〜25及び比較例1〜9の高分子化合物溶液(実施例1〜25の高分子化合物0.1質量%水溶液、比較例1〜9の高分子化合物1.0質量%水溶液)500mLに、室温で1時間浸漬した。ソフトコンタクトレンズを取りだしてイオン交換水で濯ぎ、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取り、タンパク質の一種である卵白リゾチーム溶液(和光純薬(株)製)0.60gをイオン交換水500mLに溶解させた液にソフトコンタクトレンズを浸漬した後、30℃でそれぞれ15時間及び30時間加温震盪した。ソフトコンタクトレンズを取りだし、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った。このソフトコンタクトレンズについて、ニンヒドリン指示薬を用いてレンズに付着したリゾチームを染色し、発色の状態を下記評価基準に従って評価した。
〈評価基準〉
5:全く染まらない(ソフトコンタクトレンズを卵白リゾチーム溶液に接触させず、ニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
4:ほとんど染まらない
3:僅かに染まる
2:かなり染まる
1:激しく染まる(ソフトコンタクトレンズを高分子化合物溶液による処理をせず、卵白リゾチーム溶液に接触させてニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
〈防汚性4の評価方法〉
ソフトコンタクトレンズ[1DAY ACUVUE(ジョンソン・アンド・ジョンソン(株)製)]を上記実施例26〜62及び比較例1〜9の高分子化合物溶液(高分子化合物濃度0.05質量%、塩化ナトリウム0.9質量%)4mLに、室温で4時間浸漬した。ソフトコンタクトレンズを取りだしてイオン交換水で濯ぎ、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った。このソフトコンタクトレンズを、卵白リゾチーム(和光純薬(株)製)0.12質量%、牛血清アルブミン0.388質量%(fraction V,ナカライテスク(株)製)、γ−グロブリン0.161質量%(bovine,cohn F−2,ナカライテスク(株)製)、塩化ナトリウム0.9質量%及びリン酸水素二ナトリウム0.045質量%を混合した卵白リゾチーム溶液2mLに浸漬し、37℃で1時間加温震盪した。ソフトコンタクトレンズを取りだし、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った。このソフトコンタクトレンズについて、ニンヒドリン指示薬を用いてレンズに付着したタンパク質を染色し、発色の状態を下記評価基準に従って評価した。
〈評価基準〉
5:全く染まらない(ソフトコンタクトレンズを卵白リゾチーム溶液に接触させず、ニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
4:ほとんど染まらない
3:僅かに染まる
2:かなり染まる
1:激しく染まる(ソフトコンタクトレンズを高分子化合物溶液による処理をせず、卵白リゾチーム溶液に接触させてニンヒドリン指示薬を用いた時の着色状態に相当)
〈洗浄性の評価方法〉
ソフトコンタクトレンズ[1DAY ACUVUE(ジョンソン・アンド・ジョンソン(株)製)]をイオン交換水で濯ぎ、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った。このソフトコンタクトレンズを、卵白リゾチーム(和光純薬(株)製)0.12質量%、牛血清アルブミン0.388質量%(fraction V,ナカライテスク(株)製)、γ−グロブリン0.161質量%(bovine,cohn F−2,ナカライテスク(株)製)、塩化ナトリウム0.9質量%及びリン酸水素二ナトリウム0.045質量%を混合した卵白リゾチーム溶液2mLに浸漬した後、37℃で1時間加温震盪した。ソフトコンタクトレンズを取りだし、清浄な柔らかい紙で水分を吸い取った後、上記実施例26〜62及び比較例1〜9の高分子化合物溶液(高分子化合物濃度0.05質量%、塩化ナトリウム0.9質量%)を、コンタクトレンズ片面につき3mLづつ滴下して擦り洗いをした。このソフトコンタクトレンズについて、ニンヒドリン指示薬を用いてレンズに付着しているタンパク質を染色し、発色の状態を下記評価基準に従って評価した。
〈評価基準〉
5:全く染まらない(使用済みソフトコンタクトレンズに付着したタンパク質汚れがほぼ洗浄された状態に相当)
4:ほとんど染まらない
3:僅かに染まる
2:かなり染まる
1:激しく染まる(使用済みコンタクトレンズに付着したタンパク質汚れがほとんど取れていないことに相当)
Figure 2004359947
Figure 2004359947
Figure 2004359947
Figure 2004359947
[実施例63〜66,比較例10,11]
表5の組成に準じて、常法に基づき防汚剤組成物、防汚洗浄剤組成物を調製した。得られた防汚剤組成物、防汚洗浄剤組成物を前述の防汚性3の評価方法において、0.05質量%の高分子化合物溶液又は分散液を、防汚剤組成物、防汚洗浄剤組成物に変えた以外は同様の方法で評価した。結果を表5に併記する。
Figure 2004359947
表中の略号を下記に示す。
・DM:メタクリル酸ジメチルアミノエチル
・DMA:アクリル酸ジメチルアミノエチル
・DMAPAA:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
・DMAPMA:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
・DMC:メタクリ酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド
・MMA:メタクリル酸メチル
・EMA:メタクリル酸エチル
・BMA:メタクリル酸n−ブチル
・t−BMA:メタクリル酸t−ブチル
・VP:ビニルピロリドン
・M−90G:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール)(ポリエチレン平均=9)(新中村化学工業(株)製)
・M−230G:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール)(ポリエチレン平均=23)(新中村化学工業(株)製)
・HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
・AA:アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
・TETORONIC1107:ポロキサミン(BASFジャパン(株)製)
・ニューポールPE68:プルロニック型非イオン界面活性剤(三洋化成(株)製)

Claims (5)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)を共重合してなり、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であるタンパク質付着防止用高分子化合物。
    (A)(A−1)下記一般式(1)で表される3級アミノ基を有する単量体0.1〜75質量%及び/又は(A−2)下記一般式(2)で表される4級アンモニウム基を有する単量体0.1〜7質量%
    Figure 2004359947
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又はNH、R2、R3は独立に、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R4、R5は独立に、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、mは0、1又は2である。)
    Figure 2004359947
    (式中、R6は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又はNH、R7、R8は独立に、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、R9、R10及びR11は独立に、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、nは0、1又は2、Xは、ハロゲン、OH、1/2SO4、HSO4、1/3PO4、HCO2又はCH3CO2を示す。)
    (B)下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体21〜80質量%
    CH2=C(R12)COOR13 (3)
    (式中、R12は水素原子又はメチル基であり、R13は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。)
    (C)(A),(B)単量体以外のノニオン性水溶性単量体0.1〜78.9質量%
  2. 請求項1記載の高分子化合物を含有してなることを特徴とする防汚剤組成物。
  3. 請求項1記載の高分子化合物を含有してなることを特徴とする洗浄性防汚剤組成物。
  4. 請求項1記載の高分子化合物を含有してなることを特徴とする眼科用組成物。
  5. 請求項1記載の高分子化合物を含有してなることを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
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