JPH09509919A - 尿素からカルシウムシアンアミドを製造する方法 - Google Patents
尿素からカルシウムシアンアミドを製造する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
尿素と酸素を含有するカルシウム化合物との反応による、少なくとも2工程のカルシウムシアンアミドの製造において、a)第1工程で反応成分を圧縮下および/または回転下に、または120〜500℃の温度での高温の表面への塗布により固体を形成するまで反応させ、b)形成された固体反応混合物を引き続き600〜900℃でか焼する。その際第1および第2反応工程後のコストのかかる反応生成物の後処理を必要とせず、カルシウムシアンアミドの高い収率と処理量が得られる。
Description
【発明の詳細な説明】
尿素からカルシウムシアンアミドを製造する方法
本発明は尿素、および酸素を含有するカルシウム化合物から、カルシウムシア
ンアミド(石灰窒素)を製造する方法に関する。
石灰窒素の大規模工業的製造はこれまで、炭化カルシウムのアゾ化によって行
われてきた。それに代わる手段として、尿素とカルシウムを含有する化合物との
反応を基礎とする方法はすでに公知となった。こうしてソ連特許第812713
号明細書により、まず尿素を酸化カルシウムまたは酸化カルシウム水和物と高温
で反応させ、引き続き形成された中間生成物を焼成するという2工程方式の方法
が公知となっている。この方法における欠点は、途中に形成された中間生成物の
コストのかかる精製にある。
酸化カルシウムまたは酸化カルシウム水和物と尿素の反応をまず130〜22
0℃で不活性有機媒体内で実施し、引き続き反応材料を700〜900℃で加熱
するソ連特許第1333638号明細書記載の方法は著しく容易であるとみなさ
れる。この方法によって、カルシウムシアンアミドの収率は約80〜90%に達
し、その際シアンアミド−窒素の含有率はN28〜32%である。
ほぼ同等の収率がフランス特許公開第2640610号明細書の方法より、炭
酸カルシウム1モルを尿素2モルに135〜200℃の温度で反応させ、引き続
き該反応混合物をさらに300〜500℃で加熱処理することによって得られる
。
以上列記した方法は全て、工業的規模においては実施が非常に困難であるか全
く不可能である。なぜなら該方法の経済性を考慮すると著しく問題となる、一部
大変コストのかかる後処理工程が必要だからである。
従って、本発明の課題は、前述の従来の技術の欠点を有せず、技術的に容易な
方法でカルシウムシアンアミドの高い収率を保証する、尿素と酸素を含有するカ
ルシウム化合物との少なくとも2工程の反応によってカルシウムシアンアミドを
製造する方法を提供することである。該課題は本発明により、
a)第1反応工程で、反応成分を圧縮下および/または回転下に、または12
0〜500℃の温度での高温の表面への塗布により固体が形成されるまで反応さ
せ、
b)形成された固体反応混合物を引き続き600〜900℃の温度で焼成する
ことにより解決される。
意外にも本発明により、第1および第2工程後のコストのかかる反応生成物の
後処理を必要とせずに、カルシウムシアンアミドの高い収率が得られることが判
明した。さらに本発明の方法により、短い反応時間で高い処理量が達成される、
このことは同様に予測できなかったことである。
本発明の方法には少なくとも2つの反応工程がある。第1反応工程では、尿素
と酸素含有カルシウム化合物とを120〜500℃、有利には150〜400℃
の温度で相互に反応させる。この場合、酸素含有カルシウム化合物としてここで
はまず第一に、生石灰(酸化カルシウム(CaO))、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)、または炭酸カルシウム(CaCO3)が挙げられるが、カルシウム
アルコラートも該当する。カルシウム化合物は有利には0.1−1.0mmの粒
度で使用される。有利な実施形態によれば、炭酸カルシウムは1〜200μmの
粒度を有し、この微細度に基づき特に際立った反応性を有している、沈降した状
態で使用する。この場合、本発明の範囲内において、例えば石灰窒素を継続して
処理してシアンアミド、ジシアンジアミドまたはチオ尿素に加工する際にたいて
い不要の副生成物として生成するような沈降炭酸カルシウムを、未精製の状態で
使用することが可能である。酸素含有カルシウム化合物と尿素のモル比は広い範
囲内で変動することができるが、このモル比を1:1〜1:4に調整する特に有
利であることが立証された。
本発明は重要なことは、反応成分を第1反応工程で
圧縮下および/または回転下に、または高温の表面への塗布により反応させるで
ある。反応成分の圧縮もしくは回転は有利には、反応を押出機、ニーダおよび回
転炉内で実施することによって実現できる。その際酸素を含有するカルシウム化
合物と尿素を有利には混合物として、その都度使用してきた反応器に装入する。
押出機、ニーダとしては工業的に通常の装置を使用する。例えば、一軸スクリュ
ー押出機もしくは多軸スクリュー押出機の形状のスクリュー押出機、あるいは一
軸ミキサー、二軸ミキサーもしくは多軸ミキサーの形状のニーダである。これら
のニーダ内または押出機内で反応混合物を圧縮し、均質化し、そして同時に搬送
する。さらにこの方法により、反応器内に移転、焼き付きなどが起こるのも防げ
る。
反応成分の圧縮および/または回転の代わりに、該反応成分を第1反応工程で
高温の表面に、有利には動かしながら塗布することも可能である。技術的にはこ
の方法の変形は、反応成分を塗布するドラム乾燥機もしくはベルト乾燥機を使用
することによって目的通り実行される。反応終了後、固体反応生成物を機械によ
って、例えばドクタ、スクレーパーなどを使用して、高温の装置表面から再び剥
がすことができる。第1反応工程は固体が形成されるまで、またはアンモニアの
成長が終了するまで実施される。これは通常、反応温度により0.25〜2時間
後である。有利には第1反
応工程a)は継続して実施される。
有利な実施形態に応じて反応成分は第1反応工程の実施前に全部または一部を
液体に移動させる。このことは130〜250℃の温度での反応成分の加熱によ
り目的通りに起こる。その際反応混合物は少なくとも一部が溶解し、所望の反応
に使用される。有利にはこの出発生成物の溶解反応は加熱した管型反応器、特に
加熱したスクリュー押出機内もしくは撹拌容器内で実施される。この溶解装置内
での滞留時間は通常は大きさにより5〜30分である。反応成分のこの前処理に
よって、所望する反応生成物への著しく迅速かつ完全な反応が可能となる。この
前処理工程および第1反応工程中に形成されたアンモニアを掬いとり実際に定量
再使用する。
第2反応工程では、第1反応工程で得られた反応混合物を後処理または精製せ
ずに600〜900℃の温度でか焼する。この反応は通常の装置内、例えば回転
炉、固定炉内あるいは流動層内でも行えるが、その際継続して実施することが望
ましい。この第2反応工程を回転炉内で実施したら、素材縮小および熱伝導改善
のために不活性素材、例えば有利には1〜100mmの直径を有する磁器または
銅からなる粉砕体の存在下にか焼することをお薦めする。顕著な収率喪失をもた
らすおそれのある所望しない従属反応を避けるために、第2反応工程は有利には
酸素および水の除外下で実
施する。そのため特に有利には、不活性気体雰囲気下、例えば窒素下、あるいは
空気除外下なら反応排気下でか焼する。
基本的には同様に0.25〜2時間で終了する第2反応工程は、カルシウムシ
アンアミドを高純度かつ高収率でもたらす。カルシウムシアンアミドの収率は9
7%にまでなり、そのシアンアミド−窒素の含有率は34%である。この良好な
収率および技術的に容易な反応の実施によって、本発明の方法は工業的規模に特
に良好に適している。
以下の例により発明がより明確に解説できる。
実施例
例1
尿素500gと、その都度モル比を適合させた酸化カルシウム(粒度<500
μm)適量(186もしくは155g)を管型反応器内で150℃で完全に溶か
し(滞留時間7分)、引き続き表1に記した通り異なる温度で加熱した、回転し
ているドラム乾燥機上に塗布した。発生した固体反応生成物を、10分間の滞留
時間の後ドクタを使用して掻き落とし、その後回転炉内で窒素雰囲気下で750
℃の温度で1時間か焼する。結果は表1が示す通りである。
例2
尿素500gと、その都度モル比を適合させた沈殿した石灰(粒度<200μ
m)適量(233または186g)を管型反応器内で150℃で完全に溶かし(
滞留時間12分)、引き続き回転炉内で350℃で1時間、磁製ボール(直径2
0mm)の存在下に反応させる。
第1反応工程の終了後、反応生成物を固定炉内で窒素雰囲気下で750℃で1
時間か焼する。結果は表2に記した。
例3
尿素73kg/hと、CaO27kg/hを撹拌容器内で約160℃で完全に
溶かし(滞留時間約10分)、融成物を後から設置した加熱したスクレーパー内
で継続して回転させ圧縮する。スクレーパー装入口の
温度は約235℃、生成物出口は約275℃である。反応混合物1400kgの
処理量によって、回転炉内で空気除外下での750℃(20分)のか焼により、
一個につきN含有量30重量%を有する石灰窒素へ移動した生成物884kgが
得られる。結果は表3が示す通りである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 フーベルトゥス クリマ
ドイツ連邦共和国 D−83313 ズィーク
スドルフ ライヒェンハラー シュトラー
セ 10
(72)発明者 ヨハン ヴォルファーシュテッター
ドイツ連邦共和国 D−83308 トロース
トベルク リンダッハー シュトラーセ
28
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.尿素からカルシウムシアンアミドを製造する方法において、尿素を酸素を 含有するカルシウム化合物に加熱して反応させることにより、反応を2工程で実 施し、 a)第1反応工程で、反応成分を圧縮下および/または回転下に、または12 0〜500℃の温度での高温の表面への塗布により固体が形成されるまで反応さ せ、 b)第2反応工程で、形成された固体反応混合物を引き続き600〜900℃ の温度でか焼する ことを特徴とする、尿素からカルシウムシアンアミドを製造する方法。 2.酸素を含有するカルシウム化合物が生石灰および/または水酸化カルシウ ムおよび/または炭酸カルシウムである、請求項1記載の方法。 3.酸素を含有するカルシウム化合物として沈降炭酸カルシウムを使用する、 請求項1記載の方法。 4.沈降炭酸カルシウムを未精製の状態で使用する、請求項3記載の方法。 5.酸素を含有するカルシウム化合物と尿素のモル比を1:1〜1:4とする 、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 6.第1反応工程を押出機内で実施する、請求項1 から5までのいずれか1項記載の方法。 7.第1反応工程をスクレーパー内で実施する、請求項1から6までのいずれ か1項記載の方法。 8.反応成分を第1反応工程で高温の表面に塗布し、形成された固体を表面か ら機械によって剥がす、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。 9.反応成分をドラム乾燥機もしくはベルト乾燥機上に塗布する、請求項8記 載の方法。 10.第1反応工程a)を継続して実施する、請求項1から9までのいずれか 1項記載の方法。 11.反応成分を第1反応行程実施前に130〜250℃の温度での加熱によ り、全部または一部を液状に移動させる、請求項1から10までのいずれか1項 記載の方法。 12.反応成分の溶解を加熱した管型反応器内、特に加熱したスクリュー押出 機または撹拌容器内で実施する、請求項11記載の製造方法。 13.第1反応工程で形成されたアンモニアを掬いとり再使用する、請求項1 から12までのいずれか1項記載の方法。 14.第2反応行工程を回転炉内で実施する、請求項1から13までのいずれ か1項記載の方法。 15.か焼を回転炉内で不活性素材の球の存在下に実施する、請求項14記載 の製造方法。 16.第2反応工程を固定炉内で実施する、請求項 1から15までのいずれか1項記載の方法。 17.第2反応工程を流動層反応器内で実施する、請求項1から16までのい ずれか1項記載の方法。 18.第2反応工程を酸素の除外下および水の除外下で実施する、請求項1か ら17までのいずれか1項記載の方法。 19.第2反応工程を不活性気体下で実施する、請求項18記載の製造方法。 20.第2反応工程b)を継続して実施する、請求項1から19までのいずれ か1項記載の方法。
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