【発明の詳細な説明】
マルチモードエマルジョン及びマルチモードエマルジョンの製造法
発明の背景
発明の分野
本発明は少なくとも1種のミクロエマルジョンを含むマルチモードエマルジョ
ン(multimodal emulsion)及びマルチモードエマルジョン
の製造法に関する。本発明の他の側面は少なくとも1種のミクロエマルジョン及
び少なくとも1種の第2のエマルジョンの安定化ブレンドに関する。
背景の技術
エマルジョンは合成ポリマー凝集剤、特に高分子量ポリマー類の製造及び輸送
に望ましいビヒクルであった。それらの人気の他の理由の中でも、エマルジョン
ポリマー類は以前の溶液ポリマー類より高いポリマー固体率を以て製造すること
ができ、実質的経費の節約を与えることができる。米国特許第4,956,39
9号;第4,956,400号;第5,037,863号;第5,132,02
3号及び第5,037,881号に記載されているミクロエマルジョンは、高い
固体量、衰弱させる架橋の減少及び優れた性能を与えることにより、エマルジョ
ンの状況でさえ望ましくない性質を示すポリマー類、例えばMannich(ア
ルカ)アクリルアミドポリマー凝集剤に関して追加の利点を与える。多くのポリ
マー類が粉末の形態で商業的に入手可能であるが、粉末は粉塵の問題を起こし、
乾燥固体を水性媒体に溶解する過程は時間のかかる段
階である。
エマルジョンポリマー類の使用の、溶液又は粉末ポリマー類に勝る前記の利点
にかかわらず、実際問題としてエマルジョン及びミクロエマルジョンは安定性の
問題、沈降の傾向及び、取り扱いを困難で経費のかかるものとする高い体積粘性
率を示し得るので、それらは一般的には用いられていない。これらの問題は米国
特許第4,619,967号及び第4,565,836号において軽減されたと
されており、それらの特許は2つの別の水滴寸法分布を有する水相中に1つの水
溶性ポリマーを含む逆転エマルジョン(inverse emulsion)を
開示している。しかしこれらの安定なエマルジョンの製造のために特許権所有者
が記載している方法は、エマルジョンの特定の部分に種々の剪断速度を適用して
2種類の水滴寸法分布を生み出すという骨の折れる一連の段階を含む。
本発明の発明者等は驚くべきことに、2種又はそれ以上の水滴寸法分布又はモ
ードを有する安定な逆転エマルジョンの製造のための、ずっと簡単でより有効な
方法を見いだした。低体積粘性率と共に高固体率及び、ある種のポリマーの場合
には優れた凝集性能を有する2モード又はマルチモードエマルジョンを与えるこ
とに加え、本発明の方法は製造の単純性及び柔軟性を与え、分散相又は水滴寸法
に関するより大きな制御を可能にし、2種又はそれ以上のポリマー類を含むエマ
ルジョンブレンドの製造に用いることができる。この最後の利点は、水処理の用
途のために2種類の水溶性ポリマー類を組み合わせることの既知の利益の観点か
ら特に重要である。
日本特許第20−09500号はカチオン性ポリマーを含む逆転エマ
ルジョン及びアニオン性ポリマーを含む逆転エマルジョンの混合を開示している
。得られるエマルジョン混合物はそれぞれ凝集性能における改良及び紙の製造に
おける利益を与えると記載されている。しかしその1種がミクロエマルジョンで
ある2種又はそれ以上のエマルジョンを混合し、本発明により達成されるような
より低い体積粘性率及びより高い固体率を有する所望のマルチモードエマルジョ
ンを製造することは記載されていない。
米国特許第5,213,693号において、廃水をカチオン性凝固剤ポリマー
及びカチオン性凝集剤ポリマーを用いて同時に処理する性能及び取り扱い上の利
益が記載されている。そこでは、凝固剤ポリマービーズ及び凝集剤ポリマービー
ズの粒子状混合物がスラッジ懸濁液の除水を容易にするために用いられている。
ビーズは一般に寸法が約70〜1000ミクロンの範囲であり、逆相懸濁重合及
びそれに続く乾燥及び液体からの乾燥ビーズの回収により作られる。特許権所有
者は、粒子状組成物は2つのポリマー類を含む逆相エマルジョン、又はより好ま
しくは逆相「実質的乾燥」分散液であることができると述べているが、ミクロエ
マルジョンの使用に関する言及はなく、その水滴寸法分布が異なるポリマー−含
有水相を有する2種又はそれ以上の逆転エマルジョンを合わせることは記載して
いない。特許権所有者のエマルジョン又は分散液における水滴は単に、寸法が最
高10ミクロンの範囲であると開示されている。エマルジョンの物理的性質にお
ける改良は示唆されてもいない。対照的に本発明の方法は、異なる平均液滴寸法
を有する水滴寸法分布を有し、その1つがミクロエマルジョンから生じている少
なくとも2種のエマルジョンを配合する。本発明の方法で用いられるミクロエマ
ルジョン
及び第2のエマルジョンにおける異なる液滴分布は得られるエマルジョンにおい
て保持されるようである。これらの得られる2モード及びマルチモードエマルジ
ョン(集合的に「マルチモードエマルジョン」と呼ばれる)は、より低い粘度を
示す。最終的マルチモードエマルジョンにおいて保持されるミクロエマルジョン
からの、より小さい液滴は、例えば米国特許第4,956,399号において開
示されているMannich(アルカ)アクリルアミドポリマー類のような架橋
する傾向のある水−膨潤性又は水溶性ポリマーを用いる場合に特に有益であり;
そのような場合、大規模架橋の衰弱効果が2モードエマルジョン内のより小さい
液滴により最小になる。
米国特許第4,916,812号(’812特許)は、水溶性アニオン性ポリ
マーを含む油−中−水型エマルジョン及び水溶性カチオン性ポリマーを含む油−
中−水型エマルジョンを配合し、壁装剤のための接着剤組成物として用いられる
エマルジョン混合物を形成することを開示している。2種のエマルジョンが配合
された後、得られるエマルジョンを高剪断に供し、約2〜5ミクロンの所望の特
定の寸法範囲を生み出す。明らかに異なる水滴寸法分布を有する2種のエマルジ
ョンの配合は記載されていないし、ミクロエマルジョンを用いてマルチモードエ
マルジョンを製造することも示唆されていない。’812特許に従って製造され
るエマルジョン混合物は本発明の利益を与えず、本発明の利益は’812特許に
記載されていない。
RubberWorld,138,877(1958)に記載されている通り
、少なくとも2種の粒径分布を有するマルチモード系は、粘度の低下を与えるこ
とが観察された。950オングストローム(Å)、1
710Å及び3250Åの平均粒径を有するラテックスを単独で、及び小、中及
び大粒子の種々の配合比において濃縮した。しかしこれらの水−不溶性スチレン
−ブタジエンラテックスは本発明のエマルジョンポリマー類と非常に異なり、異
なる用途を有し、異なる問題を提起し、水性連続相を有し、それらは逆転エマル
ジョンではない。
同様に、米国特許第4,456,726号は、構造粘性がない濃厚、2モード
合成樹脂分散液を製造する方法を開示している。そのような樹脂は製造及び使用
条件下で水に不溶性でなければならず、樹脂分散液は水性連続相を有する;かく
してそれらは本発明で用いられるポリマーと完全に異なる。
米国特許第5,100,591号(’951特許)は、高分子量カチオン性ポ
リマー類を含む逆転エマルジョンを低分子量カチオン性ポリマー類の水溶液と組
み合わせることができると記載している。ポリマー類の組み合わせを作る異なる
概念がその特許の9及び10欄に記載されており、それは油及び界面活性剤を加
え、強力な機械的撹拌を適用することによる溶液ポリマーの乳化を含む。乳化さ
れた液体ポリマーを次いで市販のエマルジョンポリマーと配合し、それも強力な
機械的撹拌を必要とする。安定なマルチモードエマルジョンの製造のために、本
発明ではそのような強力な撹拌は必要でない。’951特許は、ミクロエマルジ
ョンとマクロエマルジョンのような異なる液滴寸法分布を有する2種又はそれ以
上のエマルジョンの配合も示唆していない。2モードエマルジョンは’951特
許において開示されていない。’951特許における特許権所有者は、安定なブ
レンドを得るために、液体ポリマーをエマルジョン中に混合する前にエマルジョ
ンポリマーに追加の油及び界面活性剤を
加えることを記載している。非常に経費を増す追加の油及び界面活性剤の使用も
、本発明の方法において避けられている。
既知の方法と比較して、本発明のマルチモードエマルジョンは1種より多いポ
リマーを含むことができる低粘度油−中−水型エマルジョンを製造するための簡
単で柔軟な方法を与える。例えば2種のイオン電荷を有する2種のポリマー類を
組み合わせ、所望の中間の電荷を有する系を得ることができる。従って本発明の
方法により製造される逆転エマルジョンは、それらが低い体積粘性率及び高い固
体含有率を示すのみでなく、それらが1種より多いポリマーに適応できる故に、
当該技術分野におけるエマルジョンより優れている。
本発明の他の利点は、ポリマーミクロエマルジョンと第2のエマルジョンが混
合される特定の比率を単に変えることにより、又はミクロエマルジョンポリマー
対第2のエマルジョンにおけるポリマーの比率を変えることによりマルチモード
エマルジョンブレンドの性質を容易に調節できることである。これは、特定の種
類の水性分散液を処理するのに適した特定の2モード又はマルチモードエマルジ
ョンの形成において多様性を許すので、商業的観点から特に望ましい。例えば配
合される2種のエマルジョンの比率を特殊な要求を満たすように適合させ、次い
でそれに従って単に2種のエマルジョンを混合して最適2モードエマルジョンを
得ることができ;それは当該技術分野で用いられている方法よりずっと簡単であ
る。
本発明のさらに別の側面において、少なくとも2種のエマルジョンのブレンド
及びアルデヒド掃去剤を含む安定な組成物は優れた凝集性能を示す。これらのエ
マルジョンブレンドは、絶えず架橋することができる
官能基を有する水溶性ポリマーに基づくポリマーを含むミクロエマルジョンを用
いて製造される。さらに好ましくはミクロエマルジョン中のポリマーは第4ジメ
チルアミノメチル(アルカ)アクリルアミドである。ミクロエマルジョンは第2
のエマルジョン、好ましくは(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマーを含む
マクロエマルジョンと配合され、後者はカチオン性であることが好ましい。
本発明の好ましい安定なエマルジョンブレンドに関連する背景の技術に199
3年2月12日出願の米国特許出願番号08/018,858が含まれ、それは
水性酸性条件下(約3.6〜4.8の範囲のpH)でホルムアルデヒド掃去剤で
処理され、次いで約40〜80℃の範囲の温度に約3〜20時間加熱された第4
ジアルキルアミノメチル(Mannich)アクリルアミドポリマー(PAM)
ミクロエマルジョンを開示している。この熱処理は、逆転及び老化に伴う問題を
解決した。熱処理は、ポリマーのpH及び温度への依存性を低くすることにより
、ポリマー凝集剤としての性能及び効率を向上させ、保存寿命を延ばし、第4級
化MannichPAMの安定性を向上させた。
結局、熱処理された第4級化MannichPAMミクロエマルジョンが第2
のマクロエマルジョンと配合されると、得られるマルチモードエマルジョンは逆
転、ならびに熱処理された第4級化MannichPAMミクロエマルジョンに
より示される長期安定性の利益を示し続けることが予想された。しかし安定化さ
れた第4級化MannichPAMミクロエマルジョンと安定なポリマーマクロ
エマルジョンの組み合わせは低粘度マルチモードエマルジョンを生じ、それは最
初は安定であるが、時間を経ると性能が劣化する傾向があった。この問題は第4
級化Man
nichPAMミクロエマルジョンから作られるマルチモードエマルジョンブレ
ンドに関して研究していた者を困惑させ、当該技術分野における記載を否定した
。例えば日本特許出願63−218246は両性ポリマーエマルジョンを与える
アニオン性ポリマーエマルジョンのカチオン性ポリマーエマルジョンとの混合物
を開示している。カチオン性ポリマーエマルジョンは、多くのアクリルアミドに
基づくポリマーの中でも、Mannich修飾生成物を含むことができる。安定
剤は加えられず、pH調節も行われないが、得られる両性ポリマーエマルジョン
は「時間を経た優れた安定性」を示すと報告された。しかしこの結果は、本発明
におけるようにMannich(アルカ)アクリルアミドポリマーミクロエマル
ジョンなどのある種のポリマーミクロエマルジョンがアクリルアミドに基づくポ
リマーを含むエマルジョンと配合されると見いだされなかった。
出願人は本明細書に記載のいずれの科学的理論に縛られるつもりはないが、官
能基化ポリマー、好ましくは第4級化MannichPAMを含む逆転ミクロエ
マルジョンが第2のエマルジョンと配合されると、官能基化ポリマー−含有ミク
ロエマルジョン(例えばMannichPAMミクロエマルジョン)内のアルデ
ヒドなどの化合物が驚くべきことに第2のエマルジョンの水相に移動し、そこで
それらはその中の(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマーと反応し得ること
が推論された。エマルジョンブレンドへのアルデヒド掃去剤の添加が、より長期
間の安定性を与えることが見いだされた。安定なエマルジョンブレンドを得るた
めに加熱又はアルカリ性の調節は必要でない。
少なくとも2種のエマルジョンのブレンドを含む本発明の安定な組成
物が(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマーを含む第2のエマルジョン及び
、1993年2月12日出願の米国特許出願番号08/018,858に記載さ
れているようにあらかじめホルムアルデヒド掃去剤と共に酸性条件下及び加熱下
で熱処理されてはいない第4(quaternary)Mannich(アルカ
)アクリルアミドを含むミクロエマルジョンから製造できることは、さらに驚く
べきことである。その代わりにそのような2種のエマルジョンのブレンドは、本
発明に従ってブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤を加えることにより安定化す
ることができる。
ミクロエマルジョンの形態で本明細書で定義される官能基化ポリマー類を用い
ることは、そのような官能基化ポリマー類が溶液の形態又は逆転マクロエマルジ
ョン形態にある場合に生来観察される、衰弱させる大規模な架橋の問題を、克服
しないとしても軽減させる。結果として官能基化ポリマー類は懸濁された固体の
除水における有効な凝集剤としての優れた性能を保持する。
これに関し本発明の安定なエマルジョンは、安定なエマルジョンブレンドの製
造に用いられるエマルジョンのいずれかの単独の使用と比較して優れた性能を、
種々の凝集用途において示すことができる。さらにカチオン(又はアニオン)電
荷を有する安定なエマルジョンブレンドは多くの場合、同じ電荷を有する当該技
術分野における類似のポリマーミクロエマルジョン又はマクロエマルジョンより
良く性能する。
発明の概略
本発明は2モード又はマルチモード(本明細書では集合的に「マルチモード」
と呼ぶ)逆転エマルジョンの製造法を提供し、それは以下の段
階:(a)液滴の形態で存在する水−膨潤性又は水溶性ポリマー−含有不連続相
を含む逆転ミクロエマルジョンの製造;(b)組み合わされるミクロエマルジョ
ンにおける液滴の体積平均直径より大きい体積平均直径を有する液滴の形態の水
−膨潤性又は水溶性ポリマー−含有不連続相を含む第2の逆転エマルジョンの製
造;及び(c)ミクロエマルジョンと第2のエマルジョンの混合を含む。上記の
逆転ミクロエマルジョン及び逆転第2エマルジョンのブレンドを含む組成物も本
発明に含まれる。ミクロエマルジョン中のポリマーは第2のエマルジョンで用い
られるポリマーと同一又は異なることができる。
本発明のさらに別の実施態様は、少なくとも2種の逆転エマルジョンのブレン
ドを含み、該2種のエマルジョンの少なくとも1種がミクロエマルジョンであり
、それはその不連続層中に官能基化水−膨潤性、好ましくは水溶性ポリマーを含
み、該ブレンド中の該2種のエマルジョンの2番目が水−膨潤性、好ましくは水
溶性の(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマー及びブレンド安定化量のアル
デヒド掃去剤を含む安定な組成物である。
本発明のマルチモードエマルジョン及び安定なエマルジョンブレンドを用い、
水性分散液中に懸濁された固体を凝集する種々の方法も提供する。
発明の詳細な説明
液滴の形態のポリマー−含有不連続相を含む逆転ミクロエマルジョンを液滴の
形態のポリマー−含有不連続相を含む第2の逆転エマルジョンと組み合わせ、マ
ルチモード逆転エマルジョンを形成できることが見いだされた。第2のエマルジ
ョンはマクロエマルジョン又はミクロエマル
ジョンであることができ、但し第2のエマルジョンにおける液滴はそれが配合さ
れるミクロエマルジョンにおける液滴の体積平均直径より大きい体積平均直径を
有する。本明細書で言及されるミクロエマルジョン、マクロエマルジョン及び第
2のエマルジョンは逆転(油−中−水型)エマルジョンである。2種のエマルジ
ョンの異なる液滴寸法は、得られるエマルジョンにおいて保持され、最終的混合
物の不連続水相に少なくとも2種の液滴寸法分布が存在するようになることが観
察される。2種又はそれ以上の液滴寸法分布は2モード又はマルチモードエマル
ジョン(すなわち2種又はそれ以上のモード又は液滴寸法分布を有するエマルジ
ョン)を生じ、それは、それらが実質的により多くのポリマー固体に適応するこ
とができ、1種より多い種類のポリマーを含むことができ、マルチモードエマル
ジョンの製造のために配合されるミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンの
予想される平均粘度より一般に低い粘度を示す故に、従来のエマルジョンより優
れていることが見いだされている。多くの場合、特にミクロエマルジョン及び第
2のエマルジョンの粘度がある程度類似である場合、マルチモードエマルジョン
ブレンドの粘度はマルチモードエマルジョンの製造に用いられるミクロエマルジ
ョン又は第2のエマルジョンの粘度より低いであろう。
本発明のエマルジョンブレンドは1種より多い種類のポリマーを含むことがで
きるので、それらは種々の水−膨潤性、好ましくは水溶性ポリマー類の多様な組
み合わせ、例えば高分子量ポリマーと低分子量ポリマー、カチオン性ポリマーと
アニオン性ポリマー、あるいは中間の電荷を有するポリマーエマルジョンを与え
るために低電荷カチオン性ポリマーと組み合わされた高電荷カチオン性ポリマー
を含むことができる。種々
の水−膨潤性又は水溶性ポリマー類のいずれの組み合わせも、配合されるミクロ
エマルジョン及び第2のエマルジョンにおいて用いることができ、本発明のマル
チモードエマルジョンを与える。本発明で用いられるミクロエマルジョン及び第
2のエマルジョン中のポリマー類は、電荷における相違又はコモノマーの量にお
ける相違を含んでいかようにも異なることができ、あるいはそれらは化学的に異
なることができ、例えば異なる官能基を有することができる。本発明で用いるた
めのポリマーの組み合わせには2種又はそれ以上のカチオン性ポリマー類、2種
又はそれ以上のアニオン性ポリマー類、カチオン性及びアニオン性ポリマー、カ
チオン性及び非イオン性ポリマー、アニオン性及び非イオン性ポリマー、2種又
はそれ以上の非イオン性ポリマー類、ならびに溶液ポリマー類として混合される
と通常は不適合性であるポリマー類が含まれるがこれらに限られるわけではない
。両性ポリマー類も含まれ得る。
異なっていることに加え、ミクロエマルジョン中のポリマーは第2のエマルジ
ョン中のポリマーと同じであることができる。例えばミクロエマルジョン及び第
2のエマルジョンの両方において第4Mannich(アルカ)アクリルアミド
(PAM)又はアクリルアミドと(メタ)アクリルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロリドのコポリマーを用いるのが好ましいことがあり得る。しかしミ
クロエマルジョン中のポリマーは第2のエマルジョン中のポリマーと異なるのが
より好ましい。
本発明の方法で用いられるミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンに含ま
れるのに適したポリマー類の種類は、広くはいずれの種類の水−膨潤性又は水溶
性ポリマーをも含み、当該技術分野においてこれらの用語はいずれのカチオン性
、アニオン性、非イオン性又は両性ポリマー
をも含んで用いられる。明らかに水溶性ポリマー類が好ましい。本発明の方法で
用いられるミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンにおいて用いられるポリ
マー類は、水溶性エチレン性不飽和モノマー又はモノマー類のブレンドの乳化重
合により生成される。
配合されて安定なマルチモードエマルジョンを形成するポリマーミクロエマル
ジョン及び第2のエマルジョンの製造に適した水溶性モノマー類には、容易に付
加重合を行うであろうモノマー類が含まれる。好ましいカチオン性モノマー類に
は、それらの酸付加塩類又は第4アンモニウム塩類を含んでジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート類及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル
アミド類、ジアリルジアルキルアンモニウムハライド類、ビニルベンジルトリア
ルキルアンモニウム塩類、エピハロヒドリン又はジハロアルカンとアミンの間の
反応により生成されるポリマー類などが含まれる。第4級化Mannich又は
ジアルキルアミノメチル化(アルカ)アクリルアミドポリマー類、例えば(アル
カ)アクリルアミド又はポリ(アルカ)アクリルアミドの官能基化により製造さ
れる第4N−トリメチルアミノメチルアクリルアミドが特に好ましい。好ましい
カチオン性モノマー類の特定の例にはN−ジメチルアミノメチルアクリルアミド
;アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド;ジアリルジメチルア
ンモニウムクロリド;3−アクリルアミド−3−メチルブチルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、2−アクリルアミド−2−メチルプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサ
ルフェート、2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロリド、3−アクリルアミドプロピルジメチルアミノ−(3−トリ
メチル−2−ヒドロキシルプロピルアンモニウムクロリド)、ジメチルアミノエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート又は前記のいずれかの
混合物が含まれる。カチオン性コポリマーを製造するための上記のカチオン性モ
ノマー類のいずれかの、アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミドとの混合物
は有用であり、本発明にも好ましい。本発明は上記のカチオン性モノマー類のホ
モポリマー類、ならびに上記のカチオン性モノマー類又は下記のアニオン性もし
くは非イオン性モノマー類のコポリマー類も含む。
本発明で用いられるミクロエマルジョン及び/又は第2のエマルジョンの製造
で用いられるのに好ましいアニオン性モノマー類は一般にビニルアニオン性モノ
マー類であり、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸及びそれらのアルカリ
金属又はアンモニウム塩類、ビニルスルホン酸、アルキル基の炭素数が1〜6の
2−アクリルアミド−2−アルキルスルホン酸類、例えばアクリルアミド2−メ
チルプロパンスルホン酸、あるいは前記のいずれか及びそれらのアルカリ塩類の
混合物を含む。アニオン性モノマー類は(アルカ)アクリルアミド、好ましくは
アクリルアミド又はメタクリルアミドと共重合させることができる。(メタ)ア
クリル酸の塩類とのアクリルアミドコポリマー類もアクリルアミドの加水分解に
より製造することができるが、高いpH条件に耐えることができる適した界面活
性剤系を用いることに注意が向けられねばならない。特に好ましいアニオン性モ
ノマー類はアクリル酸塩類及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸塩類を含む。
本発明で用いられるミクロエマルジョン及び/又は第2のエマルジョ
ンの製造で用いられるのに好ましいエチレン性不飽和非イオン性モノマー類はア
クリルアミド;メタクリルアミド;ジアルキルアミノエチルアクリルアミド類;
N,N−ジアルキルアクリルアミド類;N−アルキルアクリルアミド類;N−ビ
ニル−アセトアミド;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルピロリドン及びそれ
らの混合物から選ばれる。特に好ましいのはアクリルアミド及びメタクリルアミ
ドである。
本発明で用いられるのに好ましい両性ポリマー類は前記のアニオン性モノマー
類の1つ又はそれ以上と上記のカチオン性エチレン性不飽和モノマー類又はアニ
オン性及びカチオン性官能基の両方を含むモノマー類のコポリマー類を含む。さ
らに少量の疎水性コモノマー類、例えばスチレン、メチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、炭素数が1〜16の(メタ)アクリレートエステル類、酢酸ビ
ニル及び高級エステル類、アクリロニトリル、塩化ビニルなどを本発明で用いら
れるミクロエマルジョン又は第2のエマルジョンにおいて用いられるポリマー類
に含むことができる。本発明は本明細書におけるモノマー類、コモノマー類、ポ
リマー類及びコポリマー類の説明に制限されないことが理解される。
本発明のマルチモードポリマーエマルジョンの製造に用いられるミクロエマル
ジョンに含まれるのに好ましい水−膨潤性又は水溶性ポリマー類はカチオン性ポ
リマー類、より好ましくは第4ジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルアミ
ド;ジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルアミド;第4ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリレート類;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ート類;第4ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;ジアリルジアルキルアンモニウムハ
ライド類か
ら選ばれるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー類、ならびに前記のモノマー
単位とのアクリルアミド又はメタクリルアミドのコポリマー類である。これらの
カチオン性ポリマーミクロエマルジョンは、第4ジアルキルアミノメチル(アル
カ)アクリルアミド;ジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルアミド;第4
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド類;第4ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ート類;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;ジアリルジアルキ
ルアンモニウムハライド類から選ばれるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー
、あるいは前記のモノマー単位とのアクリルアミド又はメタクリルアミドのコポ
リマー類を含む第2のエマルジョン、通常はマクロエマルジョンと配合されるの
が好ましい。本明細書で用いられる「モノマー単位を含むポリマー」という句は
、2種又はそれ以上のビニルモノマー類、ならびに官能基化されたホモポリマー
類の反応生成物を含む。
一般に好ましいエマルジョンポリマーの組み合わせは処理されるべき基質、な
らびにマルチモードエマルジョンが用いられる用途に従って変化するであろう。
例えば自治体の(municipal)スラッジ又は紙スラッジ中の懸濁固体を
凝集する場合、第4ジアルキルアミノメチル(Mannich)ポリアクリルア
ミド(PAM)を含むポリマーミクロエマルジョンをカチオン性ポリマーマクロ
エマルジョン、好ましくは(メタ)アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムハライドから作られるポリマー類又はアクリルアミドと(メタ)アクリルオキ
シエチルトリメチルアンモニウムハライドのコポリマー類を含むマクロエマルジ
ョンと組み合わせ、低粘度2モードエマルジョンを形成するのが好ましい。
炭塵からのスラッジの処理のためにはアニオン性ポリマーミクロエマルジョンを
アニオン性ポリマーマクロエマルジョンと組み合わせるのが好ましい。
ミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンで用いられるイオン性ポリマー類
は電荷において異なることもできる。例えばポリマー類は、モノマーに基づいて
わずか数モルパーセントのカチオン性又はアニオン性官能基から最高100モル
パーセントのカチオン性又はアニオン性官能基までの広範囲の電荷密度を有する
ことができる。例えばミクロエマルジョン内に含まれるカチオン性第4Mann
ichPAMをアニオン性の(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマーを含む
第2のエマルジョン、好ましくはマクロエマルジョンと配合することができる。
ミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンで用いられるポリマー類の分子量
は本発明にとって重要ではなく、数十万から1千万以上の範囲であることができ
る。しかし高分子量ポリマー及び低分子量ポリマーの組み合わせが望まれる場合
、特に第2のエマルジョンがマクロエマルジョンである場合には、高分子量ポリ
マーをミクロエマルジョンで用い、低分子量ポリマー類を第2のエマルジョンで
用いるのが好ましい。エマルジョンブレンドが有用である多くの凝集用途の場合
、ポリマー類の活性は分子量により影響されることが当該技術において認識され
ている。
本発明の2モード、及び安定エマルジョンを製造するために、少なくとも1種
のポリマーミクロエマルジョンが少なくとも1種の第2のエマルジョンと、合理
的な時間内にエマルジョンを混合するのにちょうど十分な撹拌を用いて配合され
る。強力な機械的撹拌又は剪断は必要ではない。しかし強力な機械的撹拌が用い
られても、用いられるエマルジョン
の少なくとも1種がミクロエマルジョンであれば配合法は本発明の範囲外とはな
らない。
1種又はそれ以上のミクロエマルジョンを少なくとも1種の第2のエマルジョ
ンと組み合わせる場合、エマルジョンが組み合わされる割合は重要ではない。一
般に少なくとも1パーセントのミクロエマルジョンが少なくとも1パーセントの
第2のエマルジョンと組み合わせられねばならない。好ましくは2種又はそれ以
上のエマルジョンを、99対1部のミクロエマルジョン対第2のエマルジョン〜
1対99部のミクロエマルジョン対第2のエマルジョンの範囲のいずれの割合で
も組み合わせることができ、より好ましくはミクロエマルジョン対第2のエマル
ジョンの比率は95:5部のミクロエマルジョン対第2のエマルジョン〜5:9
5部のミクロエマルジョン対第2のエマルジョンの範囲である。配合されるエマ
ルジョンの少なくとも1つがマクロエマルジョンと有意に異なるミクロエマルジ
ョンであることが重要である。
低粘度マルチモードエマルジョン、すなわち当該技術分野で用いられるいずれ
かの方法を用いて、例えば数平均液滴直径又は体積平均液滴直径の測定により測
定及び比較した時に、少なくとも2種の液滴寸法分布を有するエマルジョンを得
るために、少なくとも2種のエマルジョンが組み合わせられねばならない。本発
明のマルチモードエマルジョンにおける液滴寸法分布は、いずれかの特定の定量
的量により異なっている必要はないが、一般に体積平均液滴直径により測定して
、1種又はそれ以上の液滴寸法分布の極大は少なくとも約150Å、好ましくは
少なくとも約300Å、より好ましくは少なくとも約1000Å、及び最も好ま
しくは少なくとも約2000Å異なるであろう。しかしマルチモードエ
マルジョンを得るためには、2種又はそれ以上の異なる液滴寸法を有するエマル
ジョンが組み合わされねばならない。さらに特定すると、その体積平均液滴寸法
により示されるミクロエマルジョンの液滴寸法分布は、第2のエマルジョンのそ
れと異なっていなければならない。本明細書において体積平均液滴直径は、ミク
ロエマルジョンを、それが配合される第2のエマルジョンと区別するために用い
られるであろう。体積平均直径を決定する多くの既知の方法があるが、その用語
が本明細書で用いられる場合、体積平均液滴直径は透過型電子顕微鏡により、液
滴寸法分布の正確な統計図を得るのに十分な液滴のカウント数に適用される以下
の式を用いて得られる値である:
式中:
Xi=直径値
Ni=各直径値の液滴の数
Va=体積平均液滴直径
である。
本発明の方法を実行する場合、ミクロエマルジョンと組み合わされる第2のエ
マルジョンがミクロエマルジョンにおける液滴の体積平均直径より大きい体積平
均液滴直径を有することが重要である。第2のエマルジョンにおける液滴はミク
ロエマルジョンにおける液滴より少なくとも約150Å、好ましくは少なくとも
約300Å大きい、より好ましくは少なくとも約1000Å大きい、及び最も好
ましくは少なくとも約20
00Å大きいのが好ましい。
本発明の目的の場合ミクロエマルジョンは一般に、互いに不溶性である2つの
液体又は相を界面活性剤又は界面活性剤混合物と共に含む熱力学的に安定な組成
物として定義される。連続油相及びポリマー−含有不連続相(通常水性)を含む
ポリマー逆転ミクロエマルジョンは、熱力学的に安定なモノマーミクロエマルジ
ョンから製造される。逆転ミクロエマルジョンは狭い液滴寸法分布を有し、常に
ではないが通常光学的に透明である。ミクロエマルジョンの不連続ポリマー−含
有相は液滴又はミセルを形成し、それは通常水性であり、通常約2500Åより
小さい、好ましくは約2000Åより小さい、及び最も好ましくは約1000Å
より小さい体積平均液滴直径を有する。いくつかのミクロエマルジョンは約30
00Åもの大きな体積平均液滴直径を有し得る。
本発明の組成物の製造に用いられる第2のエマルジョンは、連続油相及び好ま
しくは水性である液滴又はミセルの形態の不連続相、及び界面活性剤を含むミク
ロエマルジョン又はマクロエマルジョンであることができるエマルジョンとして
定義される。本発明で用いられるマクロエマルジョンという用語は、熱力学的に
安定でなく、互いに不溶性の2種の液体又は相を界面活性剤又は乳化剤と共に含
むエマルジョンとして定義され;本発明で用いられるマクロエマルジョンは好ま
しくは水性の不連続ポリマー−含有相を液滴又はミセルの形態で含む。
第2のエマルジョンがマクロエマルジョンである場合、それは従来のマクロエ
マルジョン乳化重合法により生成することができる。マルチモードエマルジョン
が望まれる場合、第2のエマルジョンは下記のミクロ乳化重合法により製造され
るミクロエマルジョンであることができ、但
し方法は、それが配合されるミクロエマルジョンにおける液滴の体積平均直径よ
り大きい体積平均直径を有する水滴を有するミクロエマルジョンが製造されるよ
うに修正される。この場合も好ましくは第2のエマルジョン(ミクロエマルジョ
ン)における液滴の体積平均直径は、それが組み合わせられるミクロエマルジョ
ンにおける液滴の体積平均直径より一般に少なくとも約150Å、好ましくは少
なくとも約300Å大きい、より好ましくは少なくとも約1000Å大きい、及
び最も好ましくは少なくとも約2000Å大きくなければならない。
エマルジョンブレンドの製造のための方法で用いられるミクロエマルジョンは
、本明細書では一般に水−非混和性不活性有機液体及び界面活性剤又は界面活性
剤混合物を含む連続油相、ならびに好ましくは水性であり、水−膨潤性、好まし
くは水溶性ポリマーを含む不連続相を含む。水相対油相の比率は可能な限り高く
なければならず、水相が約0.5〜約3:1部油相を形成するほどである。比率
は1:1に近いのが好ましい。最も好ましくはミクロエマルジョンはミクロエマ
ルジョンの合計重量に基づいて約1〜約50重量%の水相を含む。ミクロエマル
ジョンの不連続相内に含まれるポリマーの量も可能な限り高くなければないが、
一般に水相の合計重量に基づいて数重量パーセント〜最高約100重量%である
ことができる。従って不連続水相は100%のポリマー及び0%の水を含むこと
ができる。ミクロエマルジョンを記載するために用いられる「水滴」という用語
は、本明細書では最高100%の量のポリマーを含む液滴を含む。
本明細書に記載の安定な組成物の製造に用いられるミクロエマルジョンで用い
られるポリマー類は、ある種の水溶性エチレン性不飽和モノマ
ー類又はモノマー類のブレンドのミクロ乳化重合により生成される。例えば米国
特許第5,037,881号;第5,037,863号;第4,681,912
号及び第4,521,317号に開示されているような従来のミクロ乳化重合法
を用いることができ、これらの特許のそれぞれの開示は引用することにより本明
細書の内容となる。
一般にミクロ乳化重合は(i)モノマー類の水溶液を適した量の界面活性剤又
は界面活性剤混合物を含む炭化水素液と混合して連続油相に分散された液滴を含
む油−中−水型ミクロエマルジョンを形成することによりモノマー含有ミクロエ
マルジョンを製造し、(ii)モノマー−含有ミクロエマルジョンを重合条件に
供することにより行われる。小滴を得るためにエマルジョンにエネルギーの適用
、例えば剪断の適用は必要ないが、本明細書に開示される通りに製造され、剪断
にも供されるミクロエマルジョンは本発明の範囲を越えるものではない。
逆転ミクロエマルジョンの生成は界面活性剤濃度の適した選択及び界面活性剤
又は界面活性剤混合物の親水性−疎水性バランス(HLB)に依存する。温度、
油相の性質及び水相の組成も逆転ミクロエマルジョンの生成に影響を与えるであ
ろう。
選択される1種又はそれ以上の界面活性剤は約8〜約12の範囲のHLB値を
与えなければならない。必要なHLBはモノマー類の性質、コモノマー類(もし
あれば)の性質及び割合、ならびに油相の性質に依存してこの値から変化し得る
。適したHLB範囲に加え、界面活性剤濃度が逆ミクロエマルジョンの生成に十
分でなければならない。低すぎる界面活性剤濃度はミクロエマルジョンの生成を
生じず、過剰に高い濃度は有意な利益を与えずに経費を増加させる。本発明に用
いられるミクロエ
マルジョンの製造において有用な典型的界面活性剤はアニオン性、カチオン性及
び非イオン性界面活性剤を含む。好ましい界面活性剤はポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタント
リオレート、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン
モノオレート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、オレアミドプロピルジメ
チルアミン、イソステアリル−2−乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビ
トールモノオレート又はそれらの混合物などを含む。
有機相の選択は、逆転ミクロエマルジョンを得るために必要な最低界面活性剤
濃度に実質的な影響を有し、炭化水素又は炭化水素混合物から成ることができる
。イソパラフィン性炭化水素又はそれらの混合物が、安価な組成物を得るのに最
も望ましい。典型的に有機相は鉱油、トルエン、燃料油、ケロセン、無臭ミネラ
ルスピリット、前記のいずれかの混合物などを含む。
ミクロエマルジョンの重合は当該技術分野における熟練者に既知のいずれの方
法においても行うことができる。開始は多様な熱的及び酸化還元ラジカル開始剤
を用いて行うことができ、それらには過酸、例えばt−ブチルヒドロパーオキシ
ド;アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル;無機化合物、例えば過硫
酸カリウム、及び酸化還元対、例えば硫酸アンモニウム第1鉄/過硫酸アンモニ
ウムが含まれる。開始剤の添加はそれ自体、実際の重合の前のいずれの時点にも
行うことができる。重合は光化学的照射法、例えば紫外線照射により、あるいは
コバルト60源からの電離線照射によっても行うことができる。
典型的に界面活性剤及び油が予備混合され、モノマー類及び場合によ
り上記で定義されるコモノマー類、ならびにこれらに限られるわけではないがキ
レート化剤、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、連鎖移動剤、二官能基性モノ
マー類、例えばメチレンビス(アクリルアミド)、pH調節剤、開始剤などの従
来の添加剤を含む水溶液に加えられる。水溶液及び油溶液が合わされたら、剪断
を必要とせずに逆転ミクロエマルジョンが生成される。
ジアルキルアミノメチル(Mannich)ポリアクリルアミドPAMを含む
架橋する、又は架橋することができるポリマー、例えば周囲条件において絶えず
架橋することができる官能基を有する水溶性ポリマーに基づくポリマーは、第2
のエマルジョンではなくミクロエマルジョンにおいて用いるのが好ましいことが
見いだされた。ミクロエマルジョンにおける比較的小さい水滴がポリマーの架橋
から生ずる望ましくない影響を軽減する傾向があるので、ミクロエマルジョンは
そのようなポリマー類の場合に好ましいビヒクルである。これは低い体積粘性率
及び高い固体率を保持しながらポリマーの性能を保持する。
さらに特定的に本発明の好ましい実施態様において、いずれの種類の水−膨潤
性又は水溶性ポリマーを含む第2のエマルジョンも、架橋することができる官能
基を有する水溶性ポリマーに基づくポリマーを含むミクロエマルジョンと配合さ
れる。これらのポリマーミクロエマルジョンは米国特許第4,956,400号
及び第5,037,863号に記載されており、その開示は引用することにより
本明細書の内容となる。
これらのポリマーの基礎を構成し得る水溶性ポリマー類は、官能基化剤と反応
してそれ自体に官能基を与えることができるポリマー類、あるいは官能基に変換
されることができる基を含み、官能基化剤との反応の
間、重合の間、変換の間、又は老化すると架橋を示すポリマー類である。官能基
を含むモノマー類から製造されるポリマー類も含まれる。適した水溶性ポリマー
類の例はアクリルアミド類、例えばアクリルアミド及びメタクリルアミド;N−
アルキルアクリルアミド類、例えばN−メチルアクリルアミド、N−オクチルア
クリルアミド;N,N−ジアルキルアミノアルキル(アルカ)アクリルアミド類
、例えばN,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミド;ヒドロキシアルキル(アルカ)アクリレート類、
例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート;N,
N−ジアルキルアミノアルキル(アルカ)アクリレート類、例えばN,N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート及びメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チルアクリレート及びメタクリレート;不飽和第1、第2及び第3アミン類、例
えばアリルアミン、ジアリルアミン、N−アルキルジアリルアミン類、それらの
混合物などのモノマー類から得られるポリマー類を含む。好ましいポリマー類は
(アルカ)アクリルアミド;ヒドロキシアルキル(アルカ)アクリレート;N,
N−ジアルキルアミノ−アルキル(アルカ)アクリレート;又はアリルアミンか
ら製造されるのが好ましい。
官能基を含むポリマー類の製造に用いられるこれらの水溶性ポリマー類は、既
知の重合法を介して、単独の、又はポリマーの合計重量に基づいて最高約99.
5重量%の追加の非イオン性、カチオン性又はアニオン性コモノマー類、例えば
アクリロイルモルホリン;N−ビニルピロリドン;N−ビニルホルムアミド;N
,N−ジアルキルアクリルアミド類、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジプロピルアクリル
アミド;N,N−ジアルキルアルカクリルアミド、例えばN,N−ジメチルメタ
クリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド;ジアリルジアルキルアン
モニウムクロリド類;N,N−ジアルキルアミノアルキル(アルカ)アクリレー
ト類、N,N−ジアルキルアミノアルキル(アルカ)アクリルアミド類などの塩
類及び第4級化物;アクリル酸:メタクリル酸;フマル酸;イタコン酸;マレイ
ン酸;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸;スチレンスルホン
酸、それらの塩類などと組み合わされた、上記で名前を挙げられたモノマー類の
重合により製造することができる。
同じに基づいて最高約10重量%の水−不溶性コモノマー類(例えばスチレン
;アクリロニトリル;アクリル酸メチル;メタクリル酸メチル;酢酸ビニルなど
)も基礎となるポリマー類に含まれることができる。
本発明で用いられるポリマー類が有する官能基は、(1)水溶性ポリマーをそ
こに官能基を付加することができる試薬と反応させる、又は(2)得られるポリ
マーに官能基を付加することができる試薬の存在下で水溶性ポリマーを生成する
ことができるモノマーを重合させる、又は(3)すでに官能基を有し、単独で、
又は他のモノマーと結合して水溶性ポリマーを生成することができるモノマーを
重合させることにより;又は(4)官能基に変換されることができる基を含み、
(1)単独で、又は他のモノマーと結合して、あるいは(2)該基が官能基に変
換された後に水溶性ポリマーを生成することができるモノマーを重合させること
によりそこに与えられ得る。
第1の場合、水溶性ポリマーをそこに官能基を付加することができる材料と反
応させる。例えば(1)アクリルアミドポリマー類をアルデヒ
ド類、例えばグリオキサル、ホルムアルドヒド;ハロゲン類、例えば塩素、臭素
などの材料と反応させることができる。(2)2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートポリマー類をエピクロロヒドリン;グリオキサル;水溶性ジイソシアナート
類などの材料と反応させることができ、(3)N,N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレートポリマー類はエピクロロヒドリン;ビスクロロメチルエーテル;1
,4−ジクロロブテン−2などの材料と反応させることができ;(4)ジアリル
アミンポリマー類はエピクロロヒドリン;ビスクロロメチルエーテル;グリオキ
サル;a,a−ジクロロキシレンなどと反応させることができる。
上記で議論されている第2の方法に関し、上記の反応物を重合の前又はその間
にポリマーの製造に用いられるモノマー類に加え、得られるポリマーに官能基を
付加することができる。
第3の方法の場合、上記の反応のいずれかを最初にモノマーについて行い、次
いで得られる官能基化モノマーを既知の条件下で重合させることができる。
製造の第4の方法の場合、重合させられるモノマーは官能基に変換されること
ができる基を含むか、又は含むようにされる。例えば酢酸ビニルをN−ビニルピ
ロリドンと共重合させ、アセテート基をアルコール基に加水分解し、それをグリ
オキサル、エピクロロヒドリンなどとの反応により官能基に変換することができ
る。同様にビニルホルムアミドを重合させ、次いで加水分解し、その後それをア
リルアミンモノマー類の場合に上記で記載されたと同様に反応させることができ
る。
モノマー類、ポリマー類、官能基化剤などの間の上記で議論された反応に加え
、ポリマー類上に含まれる以下の官能基の組み合わせが架橋の
傾向のあるポリマーを生ずることができ、本明細書に含まれる好ましい系の範囲
内に含まれる:
アミン類:エポキシド類
アミン類:反応性ハロゲン類
アミン類:アルデヒド類
アミン類:エステル類
アミン類:シラン類
アミン類:イソシアナート類
アミン類:酸ハライド類
アミン類:a,b−不飽和カルボニル化合物
メチロール:アミド類
メチロール:アミン類
ヒドロキシ:イソシアナート類
ヒドロキシ:エステル類
ヒドロキシ:アルデヒド類
ヒドロキシ:エポキシド類
ヒドロキシ:反応性ハロゲン類
ヒドロキシ:酸ハライド類
ヒドロキシ:シラン類
アルデヒド類:アミド類
アルデヒド類:チオール類
チオール類:反応性ハロゲン類
チオール類:イソシアナート類
チオール類:酸ハライド類。
官能基を含む好ましいポリマー類はグリオキサル化ポリ(アルカ)アクリルア
ミド及び第4又は第3Mannichポリ(アルカ)アクリルアミドを含む。
上記の4つの方法のいずれかにより製造される官能基−含有ポリマー類は水−
膨潤性、好ましくは水溶性でなくてはならず、そうでない場合は水−膨潤性又は
水溶性を得るために適した置換基と反応させなければならない。好ましくは少な
くとも約0.5重量パーセントの官能基で置換された、得られるポリマー類は、
ある場合には時間を経てポリマーの性能に悪影響を与える現象である架橋を行う
ことができる。しかしそのようなポリマー類がミクロエマルジョン中で用いられ
ると、架橋の悪影響が克服されないとしても有意に軽減される。この利益は本発
明のマルチモードエマルジョンにおいて、強化されないとしても保持される。官
能基を含むポリマーを含むミクロエマルジョン及びある程度の合計電荷を有する
第2のポリマーエマルジョンを組み合わせることから得られるマルチモードエマ
ルジョンは、実施例114に示す通り、同一の電荷を有するポリマーを含む単独
のエマルジョン(例えばマクロエマルジョン)より、スラッジの除水における凝
集剤として、より優れた性能を示す。
本発明の他の好ましい実施態様の場合、ジアルキルアミノメチル化(Mann
ich)(アルカ)アクリルアミド又は第4級化されたそれらの誘導体を含むミ
クロエマルジョンが、いずれかの水−膨潤性又は水溶性ポリマーを含む第2のエ
マルジョンとの配合のために製造される。Mannich(アルカ)アクリルア
ミドは少なくとも約1モルパーセントの第3アミノメチル基で置換されたアクリ
ルアミドポリマー、及び最も好ましくは第4誘導体であるのが好ましい。マクロ
エマルジョンである
のが好ましい第2のエマルジョンの場合、カチオン性ポリマー、及びより好まし
くはこれらに限られるわけではないが第4ジアルキルアミノメチル(アルカ)ア
クリルアミド;ジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルアミド、第4ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド類から選ばれるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー類、
ならびにそれらの、及び第4ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレトー類
、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類及びジアリルジアルキルア
ンモウムハライド類のアクリルアミド又は(メタ)アクリルアミドとのコポリマ
ー類を含む、(アルカ)アクリルアミドに基づくカチオン性ポリマーを用いるの
が好ましい。これらの中で、第4ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト類とのアクリルアミドのコポリマー類が特に好ましく、アクリルアミド及びメ
タクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩(ハライド類及び亜硫酸塩
類を含む)のコポリマー類が最も好ましく、モノマーに基づいて1〜60モルパ
ーセント、より好ましくは1〜20モルパーセントのカチオン性官能基を有する
ものが特別に好ましい。場合によりメチレンビスアクリルアミドなどの官能基性
モノマーを重合の前にモノマー溶液中に挿入することができる。モノマーに基づ
いて約1〜60モルパーセント、最も好ましくは1〜20モルパーセントのカチ
オン性官能基を含むカチオン性ポリマーを第2のエマルジョンで用いることがで
きる。カチオン性ポリマー、好ましくは第4級化又は第3MannichPAM
、より好ましくはモノマーに基づいて約20〜約100モルパーセントのカチオ
ン性官能基、より好ましくは約60〜約90モルパーセントのカチオン性官能基
を含むポリマーを含むミクロエマ
ルジョンを、上記の好ましいカチオン性(アルカ)アクリルアミドに基づくポリ
マーを含むいずれかの水−膨潤性又は水溶性ポリマーを含む第2のエマルジョン
と組み合わせることができる。第4Mannich(アルカ)アクリルアミドポ
リマーをミクロエマルジョンに含むのが最も好ましいが、非第4級化Manni
chアクリルアミドポリマーもこの好ましい実施態様の範囲内に含まれる。
さらに本発明の最も好ましい実施態様の場合、組成物は2種のエマルジョンの
ブレンドを含み、その1つはその不連続相に第4級化MannichPAMを含
むミクロエマルジョンであり、好ましくはマクロエマルジョンである第2のエマ
ルジョンはその不連続相にアクリルアミドと第4ジアルキルアミノアルキル(ア
ルカ)アクリレート、例えばハライド類及び亜硫酸塩類を含む(メタ)アクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモウニム塩のコポリマーを含む。第4級化Ma
nnichPAMはアクリルアミド/(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウム塩上のカチオン電荷と異なるカチオン電荷を持たねばならない
。一般にそのような好ましいブレンドは、モノマーに基づいて約20〜約100
モルパーセントのカチオン性官能基、より好ましくはモノマーに基づいて約60
〜約90モルパーセントのカチオン性官能基を含む第4級MannichPAM
を、好ましくはマクロエマルジョンであり、モノマーに基づいて約1〜約60モ
ルパーセントのカチオン性官能基、好ましくはモノマーに基づいて約1〜約20
モルパーセントのカチオン性官能基を含むアクリルアミド/(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルトリメチル塩コポリマーを含む第2のエマルジョンと配合されて
含む。例えば75%のカチオン電荷を有する第4級MannichPAMミクロ
エ
マルジョンの10%のカチオン電荷を有する(アルカ)アクリルアミド/(メタ
)アクリロイルオキシエチルトリメチルハライドコポリマーマクロエマルジョン
との組み合わせを種々の比率で、及びアルデヒド掃去剤と共に配合し、モノマー
に基づいて55%、35%及び20%の合計カチオン性官能基を有するポリマー
の組み合わせなどの多様な中間の電荷を有する安定なエマルジョンブレンドを得
ることができる。55%、35%又は20%カチオン電荷を有する単独のポリマ
ーエマルジョンの合成と反対に、この方法でこの2モードエマルジョンを製造す
ることにより大きな経費上の利点が得られる。そして、得られるポリマーエマル
ジョンブレンドは、同一のカチオン電荷の類似のポリマーを含む単独のミクロエ
マルジョン、マクロエマルジョン又は溶液より有効ではないとしても、それと同
じ凝集性能を示すことができる。
本発明のさらに別の実施態様の場合、ミクロエマルジョンMannichPA
M及びそれらの第4級化誘導体が、好ましくはマクロエマルジョンであり、いず
れかの水−膨潤性、好ましくは水溶性アニオン性ポリマー、最も好ましくは(ア
ルカ)アクリルアミドに基づくアニオン性ポリマー、最も好ましくはアクリル酸
、メタクリル酸、アクリレート類及びそれらのアルカリ金属又はアンモニウム塩
類;ビニルスルホン酸;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそ
れらの塩類から選ばれるアニオン性ポリマー、ならびにそれらから選ばれる1種
又はそれ以上のアニオン性モノマー類及び(メタ)アクリル酸、アクリル酸、ビ
ニルスルホン酸;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸;アクリルア
ミド−アルキルスルホン酸又はそれらのアルカリ金属塩類のホモポリマー類との
(アルカ)アクリルアミドのコポリマー類を含む第2の
エマルジョンと組み合わされる。本発明で用いられるミクロエマルジョンにおい
て用いられる好ましいアニオン性ポリマー類はモノマーに基づいて約20〜約1
00モルパーセントのアニオン性官能基、より好ましくはモノマーに基づいて約
60〜約90モルパーセントのアニオン性官能基を含む。本発明で用いられる第
2のエマルジョンにおいて用いられる好ましいアニオン性ポリマー類は、モノマ
ーに基づいて約1〜約60モルパーセントのアニオン性官能基、好ましくは約1
〜約20モルパーセントのアニオン性官能基を含む。
ポリマーミクロエマルジョン、好ましくは第4MannichPAMミクロエ
マルジョンを、好ましくはマクロエマルジョンであり、アクリルアミド又はメタ
クリルアミドなどのいずれかの非イオン性水溶性ポリマーを含む第2のエマルジ
ョンと共に含むエマルジョンブレンドも本発明の範囲内に含まれる。
広い意味で、以下の水溶性ポリマーエマルジョンのいずれかを組み合わせるこ
とも本発明の範囲内である:カチオン性ポリマーミクロエマルジョン、好ましく
は第4MannichPAMと非イオン性又はアニオン性ポリマー第2エマルジ
ョン、ならびに非イオン性又はアニオン性ポリマーミクロエマルジョンとカチオ
ン性又は非イオン性ポリマー、好ましくは(アルカ)アクリルアミドに基づくポ
リマー第2エマルジョンの組み合わせ。
Mannichアクリルアミドポリマー−含有ミクロエマルジョンはアクリル
アミドモノマーを含む水溶液を、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステルとソ
ルビタンセスキオレートの混合物などの適した界面活性剤を含む液体炭化水素、
例えば低臭パラフィン油と混合することによ
り製造される。場合により上記のような追加のビニルコモノマー類を上記の混合
物に含むことができ、重合触媒をさらに含むことができる。得られる混合物は油
−中−水型ミクロエマルジョンを生成し、それが重合条件に供され、有効量のホ
ルムアルデヒド及び第2アミン、又はホルムアルデヒドと第2アミンにより生成
される複合体と反応させられ、アミノメチル化ポリアクリルアミド又はMann
ichPAMを生成する。
Mannichアクリルアミドポリマー類の製造に有用なホルムアルデヒド化
合物はホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン又はホルマリン
水溶液などから選ばれる。有用な第2アミン類は一般に脂肪族、環状、直鎖状、
分枝鎖状又は置換されている2〜8個の炭素原子を含む第2アミン類から選ばれ
る。好ましい第2アミン類はジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルア
ミン、アミルメチルアミン、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、ピペリジン、
モルホリン、エタノールメチルアミン、ジエタノールアミン又はそれらの混合物
を含む。
アミノメチル化の好ましい方法は、ホルムアルデヒドがホルマリンを含み、第
2アミンがジメチルアミンを含む方法を含む。N,N−ジメチルアミノメチルア
ルコールなどのホルムアルデヒド−第2アミン複合体の使用も好ましい。ホルム
アルデヒド対アミンの比率は重要ではなく、それぞれモルにより約10:1〜1
:10の範囲であることができる。しかし一般に実用的である限り1:1に近い
モル比を用いるのが好ましい。(アルカ)アクリルアミドポリマーをアミノメチ
ル化して第3アミノメチル基を与える、好ましくは少なくとも1モルパーセント
の第3アミノメチル基を与えるのに十分な量のアミン及びホルムアルデヒド又は
それらの複合体が必要である。MannichPAMは、Mannic
hポリマー類を第4級化剤、例えばメチルクロリド、ジメチルサルフェート、ベ
ンジルクロリドなどと既知の条件下で反応させるなどの既知の方法により第4級
化することができる。
アミノメチル化又はMannich反応は、好ましくはミクロエマルジョンモ
ノマーの重合の後に、ホルムアルデヒド及び第2アミンをポリマーに加えてポリ
マー主鎖上に第3アミノメチル置換基を形成することにより行う。Mannic
h反応を逆転ミクロエマルジョンモノマーの重合に関する種々の段階に行うこと
もできる。例えば逆転ミクロエマルジョン生成の前、及びモノマー類の重合の前
に(アルカ)アクリルアミドモノマーをホルムアルデヒド及び第2アミンと反応
させることができる。ホルムアルデヒド及び第2アミンを重合の前に水溶液に加
え、次いで同時に(アルカ)アクリルアミドモノマーを重合させ、Mannic
h反応を行うことも含まれる。しかしこれらの別法は、逆転ミクロエマルジョン
モノマーの重合が完了した後にホルムアルドヒド及び第2アミンを加える方法よ
りあまり好ましくない。Mannichアクリルアミドポリマー類及びそれらの
第4級化誘導体の製造は、米国特許第5,037,881号にさらに記載されて
おり、その記載事項は引用することにより本明細書の内容となる。
第4級化Mannich(アルカ)アクリルアミドポリマー類は、第2のエマ
ルジョンと配合される前にそのミクロエマルジョンの形態で熱処理されるのが好
ましい。熱処理は1993年2月12日出願の米国特許出願番号08/018,
858における方法に従って行われ、該特許の記載事項は引用することにより本
明細書の内容となる。一般に熱処理は、(a)酸を含む水溶液を未処理の第4級
化MannichPAMミ
クロエマルジョンに撹拌しながら加え、得られる第4級化MannichPAM
ミクロエマルジョンのpH範囲が約3.6〜約4.8;好ましくは約3.8〜約
4.6となるようにし、ホルムアルデヒド掃去剤を加え、(b)水相のポリマー
含有率を約10〜約45重量パーセント、好ましくは約20〜40重量パーセン
トに調節し、(c)段階(b)で得られる第4級化MannichPAMポリマ
ーミクロエマルジョンを約40〜80℃の温度に約3〜約20時間加熱すること
により行われる。
この熱処理法において、いずれの水溶性酸も用いることができる。酸は好まし
くは水溶液として用い、好ましくは(i)得られるエマルジョンにおいて約3.
6〜約4.8のpHを与えるのに十分な量の有機カルボン酸、無機酸又はそれら
の組み合わせ;(ii)第4級化MannichPAMミクロエマルジョンの合
計モル数に基づいて約0.01〜約30モルパーセントのホルムアルデヒド掃去
剤;及び(iii)必要なら、ミクロエマルジョンに加えられると、得られる水
相が約10〜約45重量パーセントの第4級化アミノメチル化PAMミクロエマ
ルジョンを含むような量の水を含む。
酸、好ましくは有機カルボン酸、無機酸及び/又はそれらの組み合わせは、得
られるミクロエマルジョンのpHが約3.6〜4.8、好ましくは3.8〜4.
6となるのに十分な量で用いられる。安定化溶液において用いられるそれぞれの
個別の酸又は酸の組み合わせの量は、それぞれの個別の酸性成分の酸性度(pK
a)により決定される。本発明の実行において用いられる酸の合計量は、ミクロ
エマルジョン中に存在するポリマーの合計モル数に基づいて約1〜約40モルパ
ーセントで変化することができる。用いられる酸に関する唯一の制限は、それが
ミクロエ
マルジョン系に存在する成分、すなわち乳化剤、ポリマー、油及び他の一般に加
えられる成分に関して不活性であることである。
本明細書で用いるために採用することができる酸類は単及び多官能基性カルボ
ン酸類、例えば酢酸、マレイン酸、フマル酸、蟻酸、アクリル酸、コハク酸、乳
酸、クエン酸など;無機酸類、例えば亜硫酸、リン酸、亜リン酸及び硫酸、なら
びにこれらの酸類の塩類、例えば亜硫酸のアルカリ塩類、硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、硫酸ナトリウムなどを含むがこれらに限られるわけではない。
上記の酸類のいずれの組み合わせも、第4級化MannichPAMミクロエマ
ルジョンが安定化溶液の添加の後に上記で示した範囲内のpHを有する限り、採
用することができる。
ミクロエマルジョンの安定化に有用なホルムアルデヒド掃去剤は、ホルムアル
デヒドと反応することができる水溶性化合物である。本発明の第4級化Mann
ic(アルカ)アクリルアミドポリマーミクロエマルジョンにおけるホルムアル
デヒドの源は、理論的に未反応ホルムアルデヒドから、又はホルムアルデヒドを
放出する不安定なホルムアルデヒド成分から生ずる。本発明で用いられるホルム
アルデヒド掃去剤の量は、ミクロエマルジョン中のポリマーのモル数に基づいて
約0.01〜約30モルパーセントの範囲、好ましくは約0.6〜約15モルパ
ーセントの範囲である。
典型的ホルムアルデヒド掃去剤は当該技術分野において既知のものであり、ウ
レア、置換ウレア類、例えばエチレンウレア、グアニジン塩類、ジシアンジアミ
ド、亜硫酸及びそのアルカリ金属塩類のいずれか、例えば亜硫酸水素ナトリウム
、メタ亜硫酸水素ナトリウムなど、ならびに亜
リン酸及び前記のいずれかの混合物を含むが、これらに限られるわけではない。
好ましくは安定化溶液で用いられる水の量は、得られるミクロエマルジョンの
水相が水相全体の重量に基づいて約10〜約45重量パーセントのポリマー、好
ましくは同じ基礎で約15〜40重量パーセントを含むように選ばれる。
本文上記の、好ましくは水溶液の形態のホルムアルデヒド掃去剤及び酸を次い
で撹拌しながらミクロエマルジョンに加える。得られるミクロエマルジョンを次
いで約40〜約80℃の範囲の温度に約3〜約20時間加熱する。加熱段階は酸
、掃去剤及び/又は水の添加の直後に行うことができるが、凝集剤としてミクロ
エマルジョンを用いる所望の時点まで加熱を遅らせることもできる。
加熱段階の後に得られる安定化第4級化MannicPAMマクロエマルジョ
ンは、水に加えられると、用いられる水の温度又はpHに依存せずに逆転に成功
するであろう。エマルジョンブレンドの製造に用いられる第4級化Mannic
h(アルカ)アクリルアミドポリマー類を含むミクロエマルジョンにとって、前
記の熱処理段階は好ましいが必須ではない。熱処理が行われない場合、エマルジ
ョンブレンドの逆転はpH及び温度に、より依存性である。エマルジョンブンド
の製造に用いられるミクロエマルジョンが、他のポリマーの場合のようにホルム
アルデヒドを含まない場合、上記の熱処理段階を行う必要はない。
他の好ましい実施態様は、少なくとも2種のエマルジョンのブレンドを含み、
少なくとも1種のエマルジョンが水−膨潤性又は水溶性グリオキサル化(アルカ
)アクリルアミドを含むミクロエマルジョンであるマ
ルチモードエマルジョン及び安定化エマルジョンブレンドを目的とする。
グリオキサル化(アルカ)アクリルアミドポリマーを含むミクロエマルジョン
は当該技術分野において既知であり、それらの製造法と共に米国特許第4,95
4,538号に開示されており、その開示は引用することにより本明細書の内容
となる。
本発明に従ってグリオキサル化される(メタ)アクリルアミドポリマー類は、
アクリルアミド;メタクリルアミドそれ自体;N−アルキルアクリルアミド類、
例えばN−メチルアクリルアミド;N−ブチルアクリルアミドなど;N−アルキ
ルメタクリルアミド類、例えばN−エチルメタクリルアミドなどの(メタ)アク
リルアミドモノマー類から製造される。グリオキサル化(メタ)アクリルアミド
−含有ポリマーは(1)−CHOHCHO置換基が約0.5重量パーセント過剰
で存在し、架橋に十分な量のグリオキサル−反応性アミド置換基及びCHOHC
HO置換基、及び(2)約0.02〜約0.3μの範囲の液滴直径を有していな
ければならない。−CHOHCHO置換基は好ましくは約1.0重量パーセント
過剰で、最も好ましくは約5.0重量パーセント過剰で存在する。好ましい液滴
直径は約0.03μ〜約0.2μの範囲であり、さらに好ましくは約0.035
μ〜約0.1μの範囲である。
場合によりグリオキサル化ポリマーも、水性懸濁液においてそれをセルロース
繊維に対して自己実在的(self−substantive)とするのを助け
るのに十分なある程度のカチオン性を有するのが好ましい。好ましいカチオン性
基の割合は小さく、一般にポリマーの10モルパーセント未満であるが、必要な
らもっと大きい割合を用いることができる。
グリオキサル化ポリマー類の製造に有用な適したカチオン性モノマー類は次式
:
[式中、R1は水又はメチルであり、R2は水又はC1〜C4の低級アルキルであり
、R3及び/又はR4は水素、C1〜C12のアルキル、アリール、ヒドロキシエチ
ルであり、R2とR4又はR2とR3は組み合わされて1個又はそれ以上のヘテロ原
子を含む環を形成することができ、Zは酸の共役塩基であり、Xは酸素又は−N
R1であり、ここでR1は上記で定義された通りであり、AはC1〜C12のアルキ
レン基である]
あるいは
[式中、R5及びR6は水素又はメチルであり、R7は水素、C1〜C12のアルキル
又はベンジルであり、R8は水素、C1〜C12のアルキル、ベンジル又はヒドロキ
シエチルであり;Zは上記で定義された通りである]のカチオン性、エチレン性
不飽和モノマー類を含む。
好ましいカチオン性モノマー類はジアリルジアルキルアンモニウムクロリド類
、1−メタクリロイル−4−メチルピペリジン;N,N−ジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート類;N,N−ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、それらの塩類、第4級化物及び混合物
を含む。
さらに(メタ)−アクリルアミド含有ポリマーの最高約85モルパーセントは
、それと共重合可能な水溶性、非イオン性、エチレン性不飽和コモノマー、例え
ばN−ビニルピロリドン;N,N−ジメチルアクリルアミドを含むN,N−ジア
ルキル(メタ)アクリルアミド類;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類
;N−ビニルホルムアミドなどを含むことができる。
さらに本明細書で有用な(メタ)アクリルアミド含有ポリマー類は少量の、す
なわち最高約10モルパーセントの他の共重合可能なモノマー類、例えばアクリ
ル酸メチル;メタクリル酸メチル;アクリロニトリル;酢酸ビニル;スチレンな
どを含むことができる。
グリオキサル化(メタ)アクリルアミドポリマー類は数種の方法で製造するこ
とができる。1つの方法は、(メタ)アクリルアミド及び場合によりカチオン性
及び/又は他のモノマー(類)を含む逆転ミクロエマルジョンを製造し、それを
同時の重合条件に供することである。重合の完了後、重合媒体にグリオキサルを
加え、ポリマー含有水滴中でポリマーと反応させる。グリオキサルとポリマーの
反応速度は温度及びpHを用いて制御できる。約10℃〜約90℃の範囲の温度
及び約2〜約7のpHを用いることができる。反応速度は温度及びpHの上昇と
共に増加する。
第2の方法は、(メタ)アクリルアミド/グリオキサル及び場合によりカチオ
ン性又は他のモノマーを含む逆転ミクロエマルジョンを製造し、それを同時の重
合及びグリオキサル化条件に供することである。水滴中
に存在するグリオキサルは(メタ)アクリルアミドモノマー又は得られるポリマ
ー、あるいは両方と反応し、上記のグリオキサル化ポリマーを与える。これらの
方法の両方とも、グリオキサル化(メタ)アクリルアミドポリマー類を含む水滴
を有する逆転ミクロエマルジョンを生ずる。
本発明のさらに別の実施態様の場合、少なくとも1種のミクロエマルジョン、
少なくとも1種の第2のエマルジョン及びブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤
を含む安定化組成物を提供する。一般にブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤の
添加は、エマルジョンブレンドが:1)いずれかのアルデヒド化合物と反応する
ことができるポリマー、典型的に(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマー、
及び2)本明細書における発明の定義の目的で、エマルジョンブレンド中の(ア
ルカ)アクリルアミドに基づくポリマーと反応することができる化合物を含む、
それを生成する、又は生成することができるいずれかの、(アルカ)アクリルア
ミドに基づくポリマーである官能基化ポリマーを含む場合に用いられる。そによ
うな化合物は通常アルデヒド類、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
グリオキサル又は高級アルデヒド類である。典型的にそのようなアルデヒド化合
物は残留未反応アルデヒドから生じ得、又は例えば重合及びMannich反応
又はグリオキサル化などのいずれかのその後の反応を含む、ミクロエマルジョン
における官能基化ポリマーの製造の間に生成され得る。官能基化ポリマー類は水
−膨潤性、好ましくは水溶性でなければならない。官能基化ポリマー類は好まし
くは、(アルカ)アクリルアミド主鎖へのMannich又はグリオキサル化反
応が100パーセント未満の置換において行われている第4級化Mannich
PAM類、MannichPAM類及びグリオキサル化ポリ(ア
ルカ)アクリルアミド(PAM)、ならびにそのようなポリマーのバリエイショ
ン(variation)を含む。これを行う方法は1993年2月12日出願
の米国特許出願番号08/018,858及び米国特許第4,956,399号
及び第4,956,400号に開示されており、その開示は引用することにより
本明細書の内容となる。第4MannichPAM類、例えば第4N,N,N−
トリメチルアミノメチルアクリルアミドが一般に好ましく、モノマーに基づいて
約20〜約100モルパーセント、より好ましくは60〜90モルパーセントの
カチオン性官能基を含む第4MannichPAM類が最も好ましい。Mann
ich及びグリオキサル化(アルカ)アクリルアミドポリマー類の主鎖は最高約
90パーセントの量の上記の種々の水溶性エチレン性不飽和カチオン性又は非イ
オン性コモノマー類のいずれか、及びもっと少量のアニオン性コモノマー類と共
重合した(アルカ)アクリルアミドも含むことができ、それでも官能基化ポリマ
ーと考えられる。
ミクロエマルジョンにおいて用いるための官能基化ポリマーの製造に適したカ
チオン性コモノマー類は、それらの酸付加塩類又は第4アンモニウム塩類を含ん
でジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類及びジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリルアミド類、ジアリルジアルキルアンモニウムハライド類、
ならびにビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩類を含む。
本発明で用いられる官能基化ポリマーの製造に用いるのに好ましいアニオン性
コモノマー類は一般にビニルアニオン性モノマー類であり、アクリル酸、メタク
リル酸、エタクリル酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸及びそれらの塩類;
ビニルスルホン酸、アルキル基の炭素数が1
〜6の2−アクリルアミド−2−アルキルスルホン酸類、例えば2−アクリルア
ミド2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸又は前記のいず
れか及びそれらの塩類の混合物を含む。
本発明で用いられる官能基化ポリマー類の製造で用いるのが好ましいエチレン
性不飽和非イオン性モノマー類は、アクリルアミド;メタクリルアミド;ジアル
キルアミノメチルアクリルアミド類;N,N−ジアルキルメタクリルアミド類;
N−アルキルアクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、ヒドロキシアルキルメ
タクリレート類;N−ビニル−アセトアミド;N−ビニルホルムアミドなど、及
びそれらの混合物から選ばれる。特に好ましいのはアクリルアミド及び(メタ)
アクリルアミドである。スチレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート
類、炭素数が1〜16の(メタ)アクリレートエステル類、酢酸ビニル及び高級
エステル類、アクリロニトリル、塩化ビニルなどの少量の疎水性コモノマー類を
、安定な組成物において用いられるミクロエマルジョン又は第2のエマルジョン
において用いられるポリマーに含むことができる。
第2のエマルジョンにおいて用いられる(アルカ)アクリルアミドに基づくポ
リマー類は、水溶性(アルカ)アクリルアミド又は(アルカ)アクリルアミドに
基づくモノマー類の乳化重合により生成され、場合によりコモノマー類と重合さ
せられる。そのようなポリマー類の製造に適した水溶性モノマー類は(アルカ)
アクリルアミド、例えばアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、エタクリル
アミドなど;第4ジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルアミド;ジアルキ
ルアミノメチル(アルカ)アクリルアミド;第4ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド類;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、な
ら
びに前記のモノマー単位又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類
、第4ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ジアリルジアルキル
アンモニウムハライド類、アクリルアミド−アルキルスルホン酸及びその塩類、
例えば2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸及び(メタ)
アクリル酸から選ばれるモノマー単位とのアクリルアミド又はメタクリルアミド
のコポリマー類を含む。前記のモノマー類は単独重合又は共重合していることが
でき、アミノメチル化(Mannich)反応又はグリオキサル化などの当該技
術において既知の、そこにおけるその後の反応を行うことができる。前記のモノ
マー類のいずれも、上記の種々の水溶性エチレン性不飽和カチオン性又は非イオ
ン性又はアニオン性コモノマー類のいずれとも共重合することができる。前記の
モノマー類は少量の疎水性モノマー類と共重合することができる。従って第2の
エマルジョンにおける(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマー類は電荷にお
いてカチオン性、アニオン性又は非イオン性であることができる。
さらに好ましくは、第4MannichPam、MannichPAM又はグ
リオキサル化PAMミクロエマルジョンが、いずれかの(アルカ)アクリルアミ
ドに基づくポリマー、好ましくはジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルア
ミド;第4ジアルキルアミノメチル(アルカ)アクリルアミド;第4ジアルキル
アミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリルアミド類;アクリルアミド−2−アルキルスルホン酸から選ばれるモノ
マー単位を含むポリマー、あるいは前記のモノマーのいずれか、又は第4ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジアルキルアミノアルキ
ル
(アルカ)アクリレート類;第4級化アルキル(アミル)ハライド類;ジアリル
ジアルキルアンモニウムハライド類;及び(メタ)アクリル酸、アクリル酸及び
それらの塩類から選ばれるモノマーとのアクリルアミド又はメタクリルアミドの
コポリマー類を含む第2のエマルジョンと配合される場合、アルデヒド掃去剤が
用いられる。
官能基化ポリマーを含むミクロエマルジョンを(アルカ)アクリルアミドに基
づくポリマーを含む第2のエマルジョンと組み合わせる場合、処理されるべき基
質及び得られる安定化エマルジョンが用いられる用途に従って好ましいポリマー
の組み合わせは変化するであろう。例えば炭塵からのスラッジの処理のためには
、アニオン性官能基化ポリマーを含むミクロエマルジョンをアニオン性アルカ−
アクリルアミドに基づくポリマーを含むマクロエマルジョンと組み合わせるのが
好ましい。上記の好ましい組み合わせ、例えば(メタ)アクリルオキシエチルト
リメチルアンモウム塩類、あるいはアクリルアミドと(メタ)アクリルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩類のコポリマー類を含むマクロエマルジョンと配
合された第4級化Mannichアクリルアミドミクロエマルジョンを本発明の
安定な組成物の製造に用いることができる。
本明細書で用いられる「アルデヒド掃去剤」という用語は、いずれかのアルデ
ヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサルなどであるが
好ましくはホルムアルデヒドと反応することができる化合物、好ましくは水溶性
の化合物を意味し、含む。そのようなアルデヒド化合物は安定化組成物の製造の
ために第2のエマルジョンと配合されるミクロエマルジョンに存在するか、又は
そこから生成され、それらは理論的に未反応アルデヒドから、又はアルデヒドを
放出する成分から
生ずる。適したアルデヒド掃去剤は当該技術分野において既知のアルデヒド掃去
剤であり、ウレア、置換ウレア類、例えばエチレンウレア、グアニジン塩類、ジ
シアンアミド、ジメドン(5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン)
、亜硫酸及びそのアルカリ金属塩類のいずれか、例えば亜硫酸水素ナトリウム、
メタ亜硫水素ナトリウムなど、ならびに亜リン酸、及び前記のいずれかの混合物
を含むがこれらに限られるわけではない。ウレア、置換ウレア類及びジメドン、
ならびにそれらの混合物が好ましい。
「ブレンド安定化量」は一般に、エマルジョンブンドの安定化、すなわちエマ
ルジョンブレンドにおけるポリマー活性の性能の保持に必要なアルデヒド掃去剤
の量を言う。好ましくは「ブレンド安定化量」はポリマー、主に(アルカ)アク
リルアミドに基づくポリマーの分解(例えば架橋又は他を介した)を減少させる
のに必要なアルデヒド掃去剤の量を意味する。この量は組成物の合計重量に基づ
いて約0.1〜約10重量パーセントのアルデヒド掃去剤をエマルジョンブレン
ドに加えることにより与えられる。ブレンドにアルデヒド掃去剤を加える3つの
方法を下記に記載する。本発明で用いられるアルデヒド掃去剤の量は一般に安定
化組成物の重量に基づいて約0.1重量パーセントもの少量、好ましくは安定化
組成物の重量に基づいて少なくとも約0.7重量パーセントであることができる
。一般に安定化組成物の重量に基づいて最高約10.0重量パーセント、好まし
くは最高5.0重量パーセントの範囲の量を用いることができる。もっと多量の
アルデヒド掃去剤も有効であるが、通常は経費を考慮すると利益が相殺されるの
で、そのような量は通常あまり望ましくない。本発明で用いられるブレンド安定
化量のアルデヒド
掃去剤は、安定化組成物の合計重量に基づいて約0.7〜約5.0重量パーセン
トの範囲である。しかしこれらの量は下記に議論される通り、用いられるミクロ
エマルジョンに依存して変化し得る。ブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤は純
物質として加えることができ、あるいはそれを水溶液として、通常約40〜60
重量パーセント溶液として加えることができる。
少なくとも2種のエマルジョンのブレンドを含む本発明の安定化組成物は3種
類の方法により製造することができる。それらは:
(a)水−膨潤性又は水溶性官能基化ポリマーを含むミクロエマルジョンを製
造し;
(b)水−膨潤性又は水溶性(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマーを含
む第2のエマルジョンを製造し;
(c)ミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンを混合してエマルジョンの
ブレンドを生成し;
(d)ブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤をエマルジョンブレンドに加える
ことにより製造される。別の場合、アルデヒド掃去剤をエマルジョンブレンドに
加える代わりに、本発明の安定化マルチモードエマルジョンを:
(a)水−膨潤性又は水溶性官能基化ポリマーを含むミクロエマルジョンを製
造し;
(b)水−膨潤性又は水溶性(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマー及び
ブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤を含む第2のエマルジョンを製造し;
(c)ミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンを混合する
ことにより製造することができる。本発明の安定化マルチモードエマルジョンの
製造の第3の方法は:
(a)水−膨潤性又は水溶性官能基化ポリマーを含むミクロエマルジョンを製
造し;
(b)水−膨潤性又は水溶性(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマーを含
む第2のエマルジョンを製造し;
(c)ブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤化合物を段階(a)から生ずるミ
クロエマルジョンに加え;
(d)段階(c)から生ずるミクロエマルジョン及び第2のエマルジョンを混
合してエマルジョンのブレンドを生成する
ことによる。
特に第2のエマルジョンがマクロエマルジョンである場合、アルデヒド掃去剤
を第2のエマルジョンに加え、次いでそこにミクロエマルジョンを混合すること
が好ましい。ブレンド安定化量のアルデヒド掃去剤は、いずれの段階においても
第2のエマルジョンに加えることができるが、製造及び取り扱いの理由で、及び
固体含有率を最大にするために、重合の前に第2のエマルジョンの水性モノマー
相にそれを加えるのが好ましい。対照的に、配合の前にブレンド安定化量のアル
デヒド掃去剤を官能基化−ポリマー含有ミクロエマルジョンに加えることができ
るが、アルデヒド掃去剤はそのミクロエマルジョンの水性モノマー相に加えては
ならず、それが製造され、官能基化された後にミクロエマルジョンに加えられね
ばならない。これは安定化に十分なアルデヒド掃去剤が第2の逆転エマルジョン
の液滴に入るのを保証するためである。
ミクロエマルジョンが第4MannichPAM、MannichPAM又は
グリオキサル化PAMを含む場合、第2のエマルジョンと混合し、エマルジョン
ブレンドに、好ましくは配合の前に第2のエマルジョンに直接ブレンド安定化量
のアルデヒド掃去剤を加える前に、それを上記の通りにpHを約3.6〜4.8
に調節し、ホルムアルデヒド掃去剤を加え、加熱することにより熱処理すること
ができる。熱処理においてミクロエマルジョンに加えられるホルムアルデヒド掃
去剤の量は第2のエマルジョン又はエマルジョンブレンドに加えられるアルデヒ
ド掃去剤のブレンド安定化量を変え得る。
ミクロエマルジョンの加熱及びpH調節はミクロエマルジョンの熱処理に重要
であるが、エマルジョンの安定化ブレンドの製造の本方法は加熱又はpH調節を
必要としない。一般に、及び好ましくは、場合により熱処理されたミクロエマル
ジョンを単に、周囲温度で、及び穏やかに混合しながらブレンド安定化量のアル
デヒド掃去剤を含む第2のエマルジョンと混合する。アルデヒド掃去剤をミクロ
エマルジョンと第2のエマルジョンのブレンドに、又は周囲温度で、及び穏やか
な撹拌条件を用いて配合する前にミクロエマルジョンに加えることができるが、
あまり好ましくない。上記の方法は第2のエマルジョンがマクロエマルジョンで
あるか、又はミクロエマルジョンであるかにかかわらず適用される。
ある種のアルデヒド掃去剤はあるpHにおいて無効であり得る、すなわちそれ
らはホルムアルデヒドと反応しないことが当該技術において認識されており、従
って本発明の安定化法がいずれかの特定のpH範囲を必要としなくても、安定な
エマルジョンブレンドの製造に用いられる特定のアルデヒド掃去剤がエマルジョ
ンブレンドのpHにおいて有効であ
るとが重要である。かくして用いられるアルデヒド掃去剤の既知の化学に基づい
てpH調節を行うことができる。例えばウレアはpH7より高いアルカリ性のレ
ベルでホルムアルデヒドとの反応性が比較的低いことが既知であり、従ってエマ
ルジョンブレンドのpHを6〜2の範囲のpHに調節するのが好ましい。同様に
、ミクロエマルジョン又は第2のエマルジョンにおいて用いられる特定の(アル
カ)アクリルアミドに基づくポリマーの既知の化学によりpH調節が必要であり
得る。そのようなpH調節のいずれも当該技術における知識に基づいて、及び必
要なら日常的な実験を用いて行うことができる。
第2のエマルジョンはマクロエマルジョン、又は上記のような従来のミクロ乳
化重合法に従って製造されるミクロエマルジョンであることができる。低粘度マ
ルチモードエマルジョンブレンドが望まれる場合、第2のエマルジョンはマクロ
エマルジョンであるのが好ましく、あるいはそれはミクロエマルジョンであるこ
とができ、但しその不連続相の液滴はそれが配合されるミクロエマルジョンにお
ける液滴の体積平均直径より一般に少なくとも約150Å大きい、好ましくは3
00Å大きい、より好ましくは1000Å大きい、及び最も好ましくは少なくと
も約2000Å大きい体積平均直径を有する。簡単な実験と共に当該技術分野に
おける熟練者の通常の知識を用い、わずかに大きな水滴を得るようにミクロ乳化
重合を修正することができる。本明細書におけるマルチモードエマルジョンもア
ルデヒド掃去剤の添加により安定化することができる。
別の場合第2のエマルジョンは、例えばVanderhoff et alに
与えられ、その開示が引用することにより本明細書の内容となる米国特許第3,
284,393号に記載されている方法のような当該
技術分野において既知の従来のマクロ乳化重合法により製造される従来の油−中
−水型マクロエマルジョンであることができる。連続油相に不溶性の水−膨潤性
又は水溶性ポリマー類を与え、重合可能である、上記で特に記載したものを含む
いずれの既知の重合可能な水溶性エチレン性不飽和モノマーも、本発明の方法で
用いられる逆転マクロエマルジョンの製造に用いることができる。水溶性モノマ
ー類及びモノマー混合物は、油−中−水型乳化重合法を用いて低又は高分子量ポ
リマー類又はコポリマー類に重合させられ、その方法では水溶性モノマー類が油
−中−水型乳化剤を用いて油相中に乳化され、重合条件に供され、本発明の方法
で用いられる逆転マクロエマルジョンを生成する。水溶液中のモノマー含有率は
約5〜100重量%モノマーで変化し得るが、これはモノマー及び重合温度に依
存して変化し得る。かくして不連続相又は液滴は通常水性であるが、100%の
ポリマー及び0%の水から成ることができ、当該技術分野における既知の方法を
用いて製造される。本明細書においてマクロエマルジョンの説明に用いられる「
水滴」という用語は100%の量のポリマーを含む液滴を含む。
モノマー類又はポリマー及び水として定義される水相対油相の比率は約0.1
:1〜約4:1、好ましくは約1:1〜4:1の間で広く変化する。油相は炭化
水素液体及びそこに溶解又は分散された界面活性剤を含む。
モノマー−含有水相を油相中に乳化するために、油−中−水型の乳化剤が水相
の約1〜約6重量%の範囲の量で用いられる。マクロエマルジョンの製造に典型
的に用いられる多様な従来の油−中−水型乳化剤、例えばヘキサデシルナトリウ
ムフタレート、ソルビタンモノオレート、ソル
ビタンモノステアレート、セチル又はステアリルナトリウムフタレート、金属石
鹸などを用いることができる。比較的簡単な試験を行うと、当該技術分野におけ
る熟練者は特定の油−中−水型乳化剤又は乳化剤混合物が特定の系に適している
か否かを決定することができる。
油相は例えば炭化水素、パークロロエチレン、アリール炭化水素、例えばトル
エン及びキシレンなどのいずれの不活性疎水性液体であることもできる。好まし
くはパラフィン溶媒が用いられる。
マクロエマルジョンの重合は、ガンマ線照射Co60、紫外線照射などの高エネ
ルギー照射を含む当該技術分野において既知の方法に従って行うことができる。
過硫酸カリウム、ならびにアゾ化合物、過酸類及び酸化還元対などのラジカル開
始剤も用いることができる。ある種の重合法は高温で行うのが好ましい。
好ましくは乳化剤を油相に溶解し、モノマー−含有水相を水相が油相中で乳化
されるまで撹拌しながら油相に加える。キレート化剤、少量の連鎖移動剤及び2
官能基性モノマー類、例えばメチレン(ビス)アクリルアミドなどの追加の従来
の添加剤を水相に溶解するか、又は逆転エマルジョン中に混合することができる
。ラジカル開始剤などの重合剤は油相又は水相あるいはエマルジョンに溶解する
ことができる。重合は変換が実質的に完了するまで撹拌しながら行うのが好まし
い。得られるポリマーマクロエマルジョンは、続いて当該技術分野において既知
のいずれかの方法に従って安定化又は処理することができる。
本発明の好ましい実施態様は1種のポリマーミクロエマルジョンを好ましくは
マクロエマルジョンである1種の第2のエマルジョンと配合することを含むが、
特許請求されている本発明は2種より多くのエマルジョ
ンの配合、例えば2種又はそれ以上のミクロエマルジョンの1種のマクロエマル
ジョンとの配合、あるいは1種のミクロエマルジョンの2種又はそれ以上のマク
ロエマルジョンとの配合に適用される。低粘度マルチモードエマルジョンが望ま
しかったら、2種又はそれ以上のミクロエマルジョンが第2のエマルジョンと組
み合わされる場合、第2のエマルジョンの体積平均水滴直径はミクロエマルジョ
ンの中の最小の体積平均水滴直径より一般に少なくとも約150Å大きい、好ま
しくは少なくとも約300Å大きい、より好ましくは少なくとも約1000Å大
きい、及び最も好ましくは少なくとも約2000Å大きくなくてはならない。2
種又はそれ以上の第2のエマルジョンが1種のミクロエマルジョンと組み合わさ
れる場合、マルチモードエマルジョンを与えるために、最大の体積平均液滴直径
を有する第2のエマルジョンはミクロエマルジョンにおける液滴の体積平均液滴
直径より大きくなければならない。多様なポリマーの組み合わせを前記において
挿入することができる。
本発明において製造されるマルチモードエマルジョン及び安定化エマルジョン
ブレンドは、多様な固体−液体分離操作、例えば廃水処理又は製紙過程のための
凝集、脱インク(deinking)プロセス水の透明化などを容易にするのに
有用である。エマルジョンブレンド、好ましくはカチオン電荷を有するものを、
生物処理懸濁液、例えば下水及び他の自治体の及び工業的スラッジ、製紙業で見
られるもののようなセルロース性懸濁液の排水の除水において、廃紙の処理にお
いて、及び種々の懸濁液、すなわち製油所の廃棄物、食物廃棄物などの沈降に用
いることができる。本発明のエマルジョンは保持助剤(retention a
ids)、製紙における湿潤強度又は乾燥強度剤(wet stren
gth or dry strength agents)として、タンパク質
回収のために、ならびに採鉱廃棄物処理及び沈降剤としても用いることができる
。
凝集用途に関し、本明細書におけるマルチモード及び安定化エマルジョンはそ
れらのエマルジョンの形態で、又は、場合によりブレーカー界面活性剤(bre
aker surfactants)の存在下でエマルジョンを水中に逆転させ
ることにより製造されるポリマー−含有希水溶液の形態で用いることができる。
ブレーカー界面活性剤が加えられる場合、それは逆転ポリマー又はポリマーの組
み合わせがその最大の溶液粘度に達することを可能にするのに十分な量で加えら
れねばならない。場合によりブレーカー界面活性剤はミクロエマルジョン又は第
2のエマルジョン、あるいは両者に、2つが混合される前に加えることができる
。
本発明のエマルジョンを逆転させることに加え、エマルジョンブレンド中のポ
リマー類をエマルジョンから従来の手段により、例えばストリッピングにより、
又はポリマーを沈澱させる溶媒、例えばイソプロパノール又はアセトンにエマル
ジョンブレンドを加えることにより回収し、得られる固体を濾過し、乾燥し、水
に再分散させてポリマーを含む希水溶液を生成することができる。希水溶液は水
−膨潤性、ならびに水溶性ポリマー類を含む溶液を含む。本発明のエマルジョン
ブレンドをストリッピングし、ポリマー固体のパーセンテージを増加させること
もできる。
本明細書において製造される組成物は2種のポリマー類を含むことができるの
で、それらはカチオン性及びアニオン性ポリマーの両方、あるいは高分子量ポリ
マー及び低分子量ポリマーの両方を実質的に同時に与え、懸濁された固体を含む
水性分散液からの懸濁された固体の分離を容
易にするために用いることができる。この利点は、1個の取り扱い装置及び1個
の用量点(dosage point)を用いて2種のポリマー類を使用できる
ことである。
本発明の実行の別の方法は、処理されるべき水性媒体中に凝集量の1種又はそ
れ以上のミクロエマルジョンを第2のエマルジョンと共に実質的に同時に配合す
ることである。例えば自治体のスラッジの凝集のためにマルチモードエマルジョ
ン又は安定化エマルジョンブレンドを用いることが望まれている場合、ミクロエ
マルジョン及び第2のエマルジョンを実質的に同時に処理されるべきスラッジ分
散液に加え、分散液内で2種又はそれ以上のエマルジョンを混合することができ
る。これはあまり好ましくない。
凝集量は、水性分散液中に懸濁された固体を十分に凝集するためのエマルジョ
ン又は希水溶液の量である。その量は特定の用途及び提出されている問題の重度
に依存するであろう。例えば紙のスラッジ又は自治体のスラッジの凝集の場合、
乾燥スラッジの1トン当たり約0.02〜約200ポンドの合計ポリマー、より
好ましくは乾燥スラッジの1トン当たり約1〜約100ポンドの合計ポリマーを
与えることができる量のエマルジョン又は希水溶液を用いるのが好ましい。各用
途のために適した用量は簡単な実験により、又は当該技術分野における知識から
容易につきとめることができる。
当該技術分野における熟練者は前記の説明を用い、本発明をその最大の程度に
まで利用することができると思われる。
好ましい実施態様の説明
以下の実施例は単に説明の目的で示し、添付の特許請求の範囲に示さ
れる本発明への制限として理解されるべきではない。
標準粘度(SV)は8グラムの0.2%ポリマー水溶液を8.6グラムの2N
NaCl水溶液に加え、得られる混合物を5分間撹拌して塩を溶解し、pHをカ
チオン性ポリマーの場合は5.5、及びアニオン性ポリマーの場合は8に調節し
、60rpmにおいてULアダプターを有するBrookfield粘度計(L
VTモデル)を用いて25℃で粘度を決定することにより測定する。
実施例1〜12は多様なポリマー組成物の逆転ミクロエマルジョン調剤におけ
る製造を示す。
実施例1ポリ(アクリルアミド)逆転ミクロエマルジョンの製造
1820gの低臭パラフィン油、290gのポリオキシエチレンソルビトール
脂肪酸エステル及び126gのソルビタンセスキオレートを含む2236gの有
機溶液に、1000gのアクリルアミド(AMD)、60gの酢酸、2gのイソ
プロパノール、20.1gのエチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩、
1.5gの臭素酸ナトリウム、1.4gの硫酸及び1123.9gの水を含む2
208.9gのpH=3の水溶液をゆっくり加える。得られるモノマーエマルジ
ョンに窒素を60分間散布する。次いでSO2ガスを約2℃/分の温度上昇速度
が保持され、最高バッチ温度が65℃となる速度でエマルジョンを通して泡立た
せる。AMD変換率が99%より大きくなったらバッチを30℃に冷却する。結
果は3.0〜4.0cpsのSVを有する透明の安定なPAMミクロエマルジョ
ンである。
実施例2N,N−ジメチルアミノメタノール(DMAM−S)の製造
パラホルムアルデヒド450g(92%、414g有効)を640gの有効ジ
メチルアミン及び427gの水を含むジメチルアミン水溶液に30℃未満の温度
を保持しながら、固体が溶解するまでゆっくり加える。35℃より低温を保持し
ながらジシアンアミド60g及び70gのメタ亜硫酸水素ナトリウム及び378
gのH2Oを加え、DMAM−Sを得る。
実施例3PAM−Mannich−75逆転ミクロエマルジョンの製造
4425.4gの実施例1のPAMミクロエマルジョンを周囲温度で反応容器
に入れる。これに885.0gの低臭パラフィン油、続いて2025gの実施例
2のDMAM−Sをゆっくり加え、DMAM−Sは30〜35℃の温度を保持し
ながら1.5時間かけて加える。得られるPAM−Mannichミクロエマル
ジョンをこの温度でさらに16時間撹拌する。得られるPAM−Mannich
、7335.4gは不透明のミクロエマルジョンとして得られる
実施例4実施例#3のPAM−Mannichミクロエマルジョンの第4級化
7025.4gの実施例3のPAM−Mannichを撹拌耐圧反応器に入れ
、温度を25℃に調節する。これに839gのメチルクロリドを32℃より低温
及び30psiより低い反応器の圧力を保持するのに十分な速度で加える。得ら
れるミクロエマルジョンをこの温度でさらに18時間撹拌する。この時間の後、
エマルジョンのpHは5〜6であり、過剰のメチルクロリドを除去する。得られ
るミクロエマルジョンに14
0gの23%メタ亜硫酸水素ナトリウム溶液、続いて253gのエトキシル化ノ
ニルフェノールを加える。得られる生成物は赤外分光分析により測定して平均7
5±5%のカチオン電荷を有する透明で安定な第4級化MannichPAMミ
クロエマルジョンである。
実施例5実施例4のミクロエマルジョンの熱処理
8519.6gの実施例4の第4級化PAM−Mannichミクロエマルジ
ョンを周囲温度で反応容器に入れる。これに453.4gの低臭パラフィン油及
び、66.2gのウレア、111.6gの88.5%乳酸及び491.1gの水
を含む668.9gの緩衝溶液を撹拌しながらゆっくり加える。得られる混合物
を67℃に加熱し、撹拌しながら9時間保持する。得られる生成物は不透明のミ
クロエマルジョンである。
実施例6PAM−Mannich−55逆転ミクロエマルジョンの製造
4425.4gの実施例1のPAMミクロエマルジョンを周囲温度で反応容器
に入れる。これに885.0gの低臭パラフィン油、続いて1420.0gの実
施例2のDMAM−Sをゆっくり加え、DMAM−Sは30〜35℃の温度を保
持しながら1.5時間かけて加える。得られるPAM−Mannichミクロエ
マルジョンをこの温度でさらに16時間撹拌する。得られるPAM−Manni
ch、6730.4gは不透明のミクロエマルジョンである。
実施例7実施例6のPAM−Mannichミクロエマルジョンの第4級化
6700.0gの実施例6のPAM−Mannichを撹拌耐圧反応
器に入れ、温度を25℃に調節する。これに645.9gのメチルクロリドを3
2℃より低温及び30psiより低い反応器の圧力が保持される速度で加える。
得られるミクロエマルジョンをこの温度でさらに18時間撹拌する。この時間の
後、エマルジョンのpHは5〜6であり、過剰のメチルクロリドを除去する。得
られるミクロエマルジョンに215.9gのエトキシル化ノニルフェノールを加
える。得られる生成物は赤外分光分析により測定して平均55±5%のカチオン
電荷を有する透明で安定な第4級化MannichPAMミクロエマルジョンで
ある。
実施例8第4級化PAM−Mannichミクロエマルジョンの熱処理
7197.0gの実施例7の第4級化PAM−Mannichミクロエマルジ
ョンを周囲温度で反応容器に入れる。これに453.4gの低臭パラフィン油及
び、70.6gのウレア、93.5gの88.5%乳酸及び1868.5gの水
を含む2032.6gの緩衝溶液を撹拌しながらゆっくり加える。得られる混合
物を67℃に加熱し、撹拌しながら9時間保持する。得られる生成物は不透明の
ミクロエマルジョンである。
実施例9アクリル酸アンモニウム/アクリルアミドコポリマーミクロエマルジョンの製造
低臭パラフィン油(252.0g)、ソルビタンセスキオレート(8.5g)
及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸(39.5g)を反応器中で撹拌し
ながら合わせることにより有機溶液を調製する。この溶液にアクリルアミド(8
4.0g)、水酸化アンモニウム水溶液(35.7g)で中和されたアクリル酸
(36.0g)、tert−ブチルヒド
ロパーオキシド(0.048g)、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウ
ム塩(0.24g)及び水(144.0g)を含むpH=8.0の水溶液を加え
る。反応器を密閉し、窒素を30分間散布する。次いで約2.0℃/分の温度上
昇が保持される速度で二酸化硫黄ガスをエマルジョン内に泡立たせる。二酸化硫
黄流量は合わせたアクリル酸/アクリルアミド変換率が99%より大きくなるま
で保持する。
実施例102−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩/アク リルアミドコポリマーミクロエマルジョンの製造
低臭パラフィン油(252.0g)、ソルビタンセスキオレート(6.0g)
及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸(42.0g)を反応器中で撹拌し
ながら合わせることにより有機溶液を調製する。この溶液にアクリルアミド(5
0.8g)、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリ
ウム塩(69.2g)、tert−ブチルヒドロパーオキシド(0.048g)
、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩(0.24g)及び水(17
9.7g)を含む水溶液を加える。反応器を密閉し、窒素を30分間散布する。
次いで約2.0℃/分の温度上昇が保持される速度で二酸化硫黄ガスをエマルジ
ョン内に泡立たせる。二酸化硫黄流量は合わせたアクリルアミド−2−メチル−
1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩/アクリルアミド変換率が99%より大き
くなるまで保持する。
実施例11アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−クロリド/アクリルアミド コポリマーミクロエマルジョンの製造
低臭パラフィン油(208.4g)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ
ート(9.0g)及びポリオキシエチレンソルビタントリオレート(32.6g
)を反応器中で撹拌しながら合わせることにより有機溶液を調製する。この溶液
にアクリルアミド(24.0g)、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウムクロリド(80.2g)、臭素酸ナトリウム(0.01g)、エチレンジ
アミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩(0.21g)及び水(145.58g)
を含む、硫酸でpH=3.5に調節された水溶液を加える。反応器を密閉し、窒
素を30分間散布する。次いで約2.0℃/分の温度上昇が保持される速度で二
酸化硫黄ガスをエマルジョン内に泡立たせる。二酸化硫黄流量は合わせた2−ア
クリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩/アクリルア
ミド変換率が99%より大きくなるまで保持する。
実施例12ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマーミクロエマ ルジョンの製造
低臭パラフィン油(240.0g)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ
ート(10.0g)及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸(50.0g)
を反応器中で撹拌しながら合わせることにより有機溶液を調製する。この溶液に
アクリルアミド(33.8g)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(50
.7g)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸(0.25
g)、過硫酸アンモニウム(0.0032g)及び水(115.9g)を含むp
H=2.9の水溶液を加える。反応器を密閉し、窒素を30分間散布する。硫酸
アンモニウム第1鉄六水和物の溶液(水中の0.45重量%)を、30〜35℃
の反応温度が保持される速度で加える。硫酸アンモニウム第1鉄六水和物の流量
は20時間保持する。
実施例13〜25は逆転マクロエマルジョン調剤における多様なポリマー組成
物の製造を示す。
実施例13〜15アクリルアミド/アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド逆転エ マルジョンポリマー類の製造
一般的重合法。AMD、アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、硫酸アンモニウム、グルタル酸溶液、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナ
トリウム塩溶液、イソプロパノール、tert−ブチルヒドロパーオキシド溶液
及びDI水を合わせ、硫酸を用いてpHを3.5に調節する。ソルビタンモノオ
レートを低臭パラフィン油と合わせる。水溶液を油溶液にゆっくり加え、合わせ
た混合物を1200〜1500cpsの粘度が得られるまで均質化する。エマル
ジョンに窒素を散布する。エマルジョンを40℃に加熱する。メタ亜硫酸水素塩
(MBS)溶液を、反応温度を40〜45℃に保持する速度で加える。これを反
応の変換率が少なくとも99%となるまで保持する。
実施例16〜18アクリルアミド/アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド逆転エ マルジョンポリマーの製造
一般的重合法。下記に挙げる水相成分を合わせ、硫酸を用いてpHを3.5に
調節する。ソルビタンモノオレートを低臭パラフィン油と合わせる。水相を油相
にゆっくり加え、合わせた混合物を1200〜1500cpsの粘度が得られる
まで均質化する。エマルジョンに窒素を散布
し、40℃に加熱する。脱イオン(DI)H2O中0.8重量%のメタ亜硫酸水
素ナトリウム溶液の15mLを調製し、窒素と共に散布する。メタ亜硫酸水素ナ
トリウムは、混合物の温度を40〜45℃に保持するのに十分な速度で重合混合
物に加える。これを反応の変換率が少なくとも99%となるまで保持する。重合
の完了時にDI H2O中の30重量%のメタ亜硫酸水素ナトリウムの溶液の1
0.0gを、1及び5%電荷を有するポリマーを含むエマルジョンに15分かけ
て加える。
実施例192−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミ ドコポリマー(45/55モル%)逆転エマルジョンの製造 重合法
下記に挙げる油相及び水相を別々に調製する。その後それらを合わせ、均質化
してモノマーエマルジョンを得る。モノマーエマルジョンを窒素でパージし、エ
マルジョンの温度を最高40℃としてそれを保持するのに十分な速度でSO2を
エマルジョンを通して泡立たせる。これを重合が完了するまで続ける。エマルジ
ョンを室温に冷却し、エトキシル化アルコール−60%EOを撹拌しながら加え
る。
油相:
低臭パラフィン油 177.20g
ソルビタンモノオレート 8.10g
エトキシル化アルコール−60%EO 12.69g
合計油相: 197.99g
水相:
アクリルアミド(52.77%) 144.07g
アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロリド(80%) 315.41g
ジエチレントリアミンペンタ酢酸
ペンタナトリウム(40%) 0.82g
2−プロパノール 1.12g
クエン酸 19.68g
DI水 110.09g
臭素酸ナトリウム(2.51%) 0.65g
アンモニア水(29%) 2.16g
合計水相(pH3.5において): 594.00g
合計モノマーエマルジョン: 792.00g
エトキシル化アルコール−60%EO 8.00g
合計生成物エマルジョン: 800.00g
実施例20組織化(structured)2−アクリルオキシエチルトリメチルアンモニ ウムクロリド/アクリルアミドコポリマー(45/55モル%)逆転エマルジョ ンの製造 重合法
下記に挙げる油相及び水相を別々に調製する。その後それらを合わせ、均質化
してモノマーエマルジョンを得る。モノマーエマルジョンを窒素でパージし、エ
マルジョンの温度を最高40℃としてそれを保持するのに十分な速度でSO2を
エマルジョンを通して泡立たせる。これを重合が完了するまで続ける。エマルジ
ョンを室温に冷却し、リンゴ酸及びエトキシル化アルコール−60%EOを撹拌
しながら加える。
油相:
低臭パラフィン油 11939g
N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)オレアミド 524g
エトキシル化アルコール−60%EO 402g
合計油相: 12865g
水相:
アクリルアミド(50%) 8844g
アクリルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロリド(80%) 18430g
硫酸アンモニウム 250g
硫酸(10%) 230g
EDTA二ナトリウム二水和物 19g
2−プロパノール 245g
メチレンビス(アクリルアミド) 0.406g
DI水 4021g
t−ブチルヒドロパーオキシド(70%) 0.478g
合計水相(pH3.5において): 32039g
合計モノマーエマルジョン: 44904g
リンゴ酸(50%) 2300g
エトキシル化アルコール−60%EO 209g
合計生成物エマルジョン: 47413g
実施例21ウレアを含むアクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル アミドコポリマー(10/90モル%)逆転エマルジョンの製造 重合法
下記に挙げる油相及び水相を別々に調製する。その後それらを合わせ、均質化
してモノマーエマルジョンを得る。モノマーエマルジョンを窒素でパージし、エ
マルジョンの温度を最高40℃としてそれを保持するのに十分な速度でSO2を
エマルジョンを通して泡立たせる。これを重合が完了するまで続ける。エマルジ
ョンを室温に冷却し、リンゴ酸及びエ
トキシル化アルコール−60%EOを撹拌しながら加える。
油相:
低臭パラフィン油 175.06g
ソルビタンモノオレート 16.54g
エトキシル化アルコール−60%EO 4.00g
合計油相: 195.60g
水相:
アクリルアミド(52.33%) 387.14g
アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロリド(80%) 76.76g
ジエチレントリアミンペンタ酢酸
ペンタナトリウム(40%) 1.32g
2−プロパノール 3.43g
DI水 13.38g
ウレア 65.20g
臭素酸ナトリウム(2.51%) 1.05g
硫酸(濃) 0.52g
合計水相(pH3.5において): 518.00g
合計モノマーエマルジョン: 713.60g
リンゴ酸(50%) 58.80g
エトキシル化アルコール−60%EO 17.60g
合計生成物エマルジョン: 832.80g
実施例22ジアリルジメチルアンモニウムクロリド逆転エマルジョンの製造
油相及び水相を別々に調製する。その後それらを合わせ、均質化してモノマー
エマルジョンを得る。10mLのトルエン中の1.28gの2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(Vazo−52)を加え、モノマーエマ
ルジョンを窒素でパージする。エマルジョンを加熱し、60℃に7時間保持し、
その時点の後に得られるエマルジョンを室温に冷却する。
油相:
低臭パラフィン油 177.21g
ソルビタンモノオレート 8.10g
エトキシル化アルコール−60%EO 12.69g
合計油相: 198.00g
水相:
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(60%) 533.33g
ジエチレントリアミンペンタ酢酸
ペンタナトリウム(40%) 1.60g
DI水 59.07g
合計水相: 594.00g
合計モノマーエマルジョン 792.00g
実施例23アクリル酸アンモニウム/アクリルアミドコポリマー(30/70モル%)逆転 エマルジョンの製造
下記に挙げる油相及び水相を別々に調製する。その後それらを合わせ、均質化
してモノマーエマルジョンを得る。モノマーエマルジョンを窒素でパージし、エ
マルジョンの温度を最高40℃としてそれを保持するの
に十分な速度でSO2をエマルジョンを通して泡立たせる。これを重合が完了す
るまで続ける。エマルジョンを室温に冷却し、メタ亜硫酸水素ナトリウム溶液及
びエトキシル化アルコール−60%EOを撹拌しながら加える。
油相:
低臭パラフィン油 162.57g
ソルビタンモノオレート 14.64g
エトキシル化アルコール−60%EO 5.68g
合計油相: 182.89g
水相:
アクリルアミド(52.77%) 348.72g
アクリル酸(氷) 79.98g
乳酸(85%) 0.62g
ジエチレントリアミンペンタ酢酸
ペンタナトリウム(40%) 0.53g
t−ブチルヒドロパーオキシド(3.01%) 0.54g
アンモニア水(29%) 66.30g
DI水 89.12g
合計水相(pH7.5において): 585.81g
合計モノマーエマルジョン: 768.70g
メタ亜硫酸水素ナトリウム(30%) 17.12g
エトキシル化アルコール−60%EO 14.00g
合計生成物エマルジョン: 799.82g
実施例24アクリル酸アンモニウム/アクリルアミドコポリマー(30/70モル%)逆転 エマルジョンの製造 重合法
油及び界面活性剤を合わせる。別の容器でアクリルアミド及び氷アクリル酸を
合わせ、氷浴を用いて約10℃に冷却する。モノマー溶液の温度を氷浴を用いて
35℃より低く保持しながらアンモニア水をpH7.0までゆっくり加える。乳
酸、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩溶液及び脱イオン水をモノマー
溶液に加える。水相を油相にゆっくり加え、1200〜2000cpsの粘度に
達するまで均質化する。エマルジョンを40℃における水浴中に置き、t−ブチ
ルヒドロパーオキシド溶液を加える。エマルジョンを窒素で15分間パージする
。脱イオン水中の0.2%のメタ亜硫酸水素ナトリウム(MBS)の溶液の20
mLを調製し、窒素をパージする。MBS溶液を30〜50分以内に反応温度が
50℃に上昇するのに十分な速度で加える。MBS溶液の残りを重合が完了する
まで50℃を保持する速度で加える。反応物を室温に冷まし、アンモニア水、メ
タ亜硫酸水素ナトリウム及びエトキシル化アルコール−60%EOを連続して、
撹拌しながらそれぞれ30分かけて加える。
油相:
低臭パラフィン油 145.09g
N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)オレアミド 12.60g
エトキシル化アルコール−60%EO 1.40g
合計油相: 159.09g
水相:
アクリルアミド(50.0%) 334.18g
アクリル酸(氷) 72.62g
乳酸(85%) 0.56g
エチレンジアミンテトラ酢酸
ジナトリウム塩(10%溶液) 7.42g
アンモニア水(29%溶液) 67.20g
t−ブチルヒドロパーオキシド(1.48%) 1.00g
DI水 57.93g
合計水相(pH7.5において) 540.91g
合計モノマー溶液: 700.00g
アンモニア水(30%) 5.60g
メタ亜硫酸水素ナトリウム(30%) 17.12g
エトキシル化アルコール−60%EO 14.00g
合計生成物エマルジョン: 736.72g
実施例252−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩/アク リルアミドコポリマー逆転エマルジョンの製造 重合法
下記に挙げる油相及び水相を別々に調製する。その後それらを合わせ、均質化
してモノマーエマルジョンを得る。モノマーエマルジョンを窒素でパージし、エ
マルジョンの温度を最高40℃とし、それを保持するのに十分な速度でSO2を
エマルジョンを通して泡立たせる。これを重合が完了するまで続ける。エマルジ
ョンを室温に冷却し、エトキシル化ア
ルコール−60%EOを撹拌しながら加える。
油相:
低臭パラフィン油 175.87g
ソルビタンモノオレート 14.74g
エトキシル化アルコール−60%EO 5.89g
合計油相: 196.50g
水相:
アクリルアミド(52.89%) 249.57g
2−アクリルアミド−2−メチル−1−
プロパンスルホン酸ナトリウム塩(50%) 264.00g
2−プロパノール 0.26g
ジエチレントリアミンペンタ酢酸
ペンタナトリウム塩(40%) 1.32g
t−ブチルヒドロパーオキシド(3.01%) 1.32g
硫酸(濃) 0.13g
DI水 72.90g
合計水相(pH7.0〜7.2において) 589.50g
合計モノマー溶液: 786.00g
エトキシル化アルコール−60%EO 14.00g
合計生成物エマルジョン: 800.00g
実施例26〜52及び53〜72は、ミクロエマルジョン及びマクロエマルジ
ョンの混合により到達する多様なマルチモードエマルジョンブレンドの製造を示
す。表3のデータは、モノマーに基づいて10モルパーセントのカチオン性官能
基を有するマクロエマルジョン及びモノマー
に基づいて75モルパーセントのカチオン性官能基を有するポリマーミクロエマ
ルジョンから作られる種々のエマルジョンブレンドを示す。表4の実施例53〜
72に関するデータは、多様な異なる電荷を有するポリマーミクロエマルジョン
及びマクロエマルジョンを配合することにより所望の全体的電荷を得ることがで
きることを示す。表3及び4のデータは、本発明の方法を用い、及びあるパーセ
ンテージのカチオン性官能基を有するミクロエマルジョン及びマクロエマルジョ
ンの割合を変化させることにより、所望の電荷を有する安定なエマルジョンブレ
ンドを容易に得ることができることを示す。さらに配合されるミクロエマルジョ
ン及びマクロエマルジョンの標準粘度を変化させることにより、所望の標準粘度
を有するマルチモードブレンドを容易に得ることができる。所望の全体的電荷及
び標準粘度を有するポリマーエマルジョンを得るための柔軟的な方法は、、ポリ
マーの凝集性能がポリマーの電荷及び標準粘度により影響受けることが知られて
いるので価値がある。
実施例26〜52ブレンドの製造
一般的方法:ポリマー類
ミクロエマルジョンは実施例1〜5に従って製造する。実施例1のPAMミク
ロエマルジョンの製造に用いられるイソプロパノールの量を変化させることによ
り、種々のポリマーSVが得られる。マクロエマルジョンは実施例18に従って
製造する。乳化重合に加えられるイソプロパノールの量を変化させることにより
、種々のポリマーSVが調製される。ブレンドのSVは成分ポリマー類の重量平
均から予測される通りである。ブレンド製造
適した量の逆転マクロエマルジョンをビーカー中に量り込む。適した量の安定
剤の50重量%水溶液を撹拌しながら5分かけてエマルジョンに加える。逆転ミ
クロエマルジョンを次いで5分かけて加え、得られるブレンドを30分間撹拌す
る。
実施例53〜7255%の電荷におけるブレンドの製造
これらの実施例は、多様な2種の帯電エマルジョンを配合するための本発明の
方法の多様性を示す。多様な成分ポリマー類から所望の電荷を有するブレンドを
製造することが可能である。成分ポリマー類上の電荷を補償するためには、単に
マクロエマルジョンとミクロエマルジョンの相対的量を変化させる。下記のブレ
ンドの場合、適した量の50%ウレア水溶液をマクロエマルジョンに撹拌しなが
ら滴下した。次いでミクロエマルジョンを混合物に撹拌しながら加えた。種々の
ポリマーSVが、ミクロエマルジョン及びマクロエマルジョンの製造に用いられ
るイソプロパノールの量を変化させることにより得られる。ブレンドのSVは成
分ポリマー類の重量平均から予測される通りである。
実施例73〜93は本発明のブレンドに安定剤を加えることの有用性を示す。
実施例73〜79
ウレアの添加による40%電荷ブレンドの安定化
66.58gの実施例5のミクロエマルジョン及び35.64gの実施例18
のマクロエマルジョンから40%の全体的電荷を有するブレンドを製造する。ウ
レアを含む試料の場合、適した量の50%ウレア水溶液をマクロエマルジョンに
撹拌しながら加える。次いでミクロエマルジョンをこの混合物に加え、安定化ブ
レンドを得る。得られるブレンドを示されている時間、室温で保存する。ブレン
ドの試料を採取し、ブレンドのSVを測定した。
表5のデータは、酸及びホルムアルデヒド掃去剤と共に熱処理された第4級化
MannichPAMを含むミクロエマルジョンがアクリルアミド/アクリルオ
キシエチルトリメチルアンモニウムハライドコポリマーを含むマクロエマルジョ
ン(実施例18)と配合される場合、得られるブレンド中のポリマーは安定なま
までないか、又は新しいブレンドの
最初の標準粘度を達成するその能力を失うことを示す。しかしアルデヒド掃去剤
(ウレア)が配合の前にマクロエマルジョンに加えられると、ブレンド中のポリ
マーは安定なままである。表5において試験されたエマルジョンブレンドのいく
つかに関するスラッジ除水データを与えている表6に示される通り、ポリマーの
標準粘度は凝集性能に影響を与えることが知られている。表6のデータは、ブレ
ンドに安定剤を加えるとブレンドを安定化し、その性能の効率を保持することを
可能にするが、安定化されないブレンドの性能は実質的に時間と共に劣化するこ
とを示している。典型的自治体のスラッジを除水する効率を下記の通りにして表
6の実施例73、77及び78に関して決定する:200グラムのスラッジを注
意深くビーカー中に量り込む。ポリマー濃度が0.2重量パーセントとなるよう
にポリマーエマルジョン試料を水に加えることによりポリマー類及びブレンドの
水溶液を調製する。種々の用量のポリマー溶液をスラッジ試料に加え、水を加え
て合計重量を250グラムとし、混合物を1000rpmで5秒間撹拌し、得ら
れる凝集スラッジを60メッシュのスクリーンを有するBuchnerロートを
通して注ぐ。10秒間で集められる濾液の体積を記録することにより自由な排水
を測定する。得られる凝集スラッジを同じ条件下で試料を圧縮することによりさ
らに除水する。次いで圧縮されたスラッジを一定の重量に乾燥し、最終的スラッ
ジ固体含有率、すなわちケーク固体を決定する。
表7は50℃で行われた促進老化研究から得たデータを示す。このデータは表
5のデータと関連しており、従って室温老化研究を示すものである。
実施例80〜82マクロ
エマルジョンのモノマー水相へのウレアの添加によるブレンドの安定化の 方法
示されている量の実施例21のマクロエマルジョン及び実施例5のミクロエマ
ルジョンをビーカーに加えることによりブレンドを製造する。磁気撹拌棒を用い
てブレンドを数分間混合する。次いでブレンドを示されている時間、50℃にお
いて老化させる。SV測定により示される通り、マクロエマルジョン中のウレア
はブレンドの安定化に十分であり、それは50℃において少なくとも1週間経て
SVの損失がないことにより証明されている。対照的に、ウレアをマクロエマル
ジョンに加えないこと以外は同様に製造された標準ブレンド(実施例82A)の
SVは50℃において1日の老化の後に2.0に低下した。
実施例82A〜Cブレンド成分の添加順序のブレンドの安定性への影響
実施例5のミクロエマルジョン(80.6g)、実施例18のマクロエマルジ
ョン(19.4g)及び場合により50%ウレア水溶液(4.2g)を合わせる
ことにより55%の全体的電荷において安定なエマル
ジョンブレンドを製造した。表8Aに示す通り、ブレンドはミクロエマルジョン
又はマクロエマルジョンのいずれかを容器に加えることにより製造した。場合に
よりウレア水溶液を、撹拌しながら5分かけてこれに加えた。この混合物に他の
エマルジョンを加え、得られるブレンドを5分間撹拌した。SVの損失により証
明される通り、標準ブレンドは不安定であった。安定化ブレンドの両者は促進老
化の後、それらのSVを保持していた。表Aのデータは、アルデヒド掃去剤をエ
マルジョンの配合の前にミクロエマルジョン又は第2のエマルジョン(ここでは
マクロエマルジョン)のいずれに加えることもできることを示す。
実施例83ウレアの添加による低電荷ミクロエマルジョンブレンドの安定化
示されている量の実施例18のマクロエマルジョン、実施例8のミクロエマル
ジョン及び50%ウレア溶液を撹拌しながら加えることによりブレンドを製造す
る。エマルジョンブレンドの全体的合計電荷はモノマーに基づいて24%カチオ
ン性官能基を有する。次いでブレンドを50℃で示されている時間、老化させる
。SV測定により示される通り、ウレアは低電荷第4級化MannichPAM
を含むブレンドの安定化に十分である。
実施例84〜87
実施例18のマクロエマルジョンの安定化
以下の試験を用いてアルデヒド掃去剤の有効性を予測することができる。実施
例18のマクロエマルジョンに:a)(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマ
ーが水中における凝集有効粘度を達成する能力に影響を与えることができる化合
物(ホルムアルデヒド又はグリオキサル)、あるいはb)(a)におけるホルム
アルデヒド又はグリオキサル及びアルデヒド掃去剤のいずれかを加える。次いで
混合物をある時間加熱し、逆転させ、それらの標準粘度を測定する。結果は、ア
ルデヒド掃去剤が(アルカ)アクリルアミドに基づくポリマー及びホルムアルデ
ヒド又はグリオキサルを含む調剤を安定化することができることを示している。
グリオキサル化(アルカ)アクリルアミドミクロエマルジョンはグリオキサルを
含むか、又は生成するので、アルデヒド掃去剤はグリオキサル化(アルカ)アク
リルアミドポリマーを含む少なくとも1種のミクロエマルジョン及び(アルカ)
アクリルアミドに基づくポリマーを含む少なくとも1種の第2のエマルジョンの
ブレンドを安定化する。
実施例88
実施例4のミクロエマルジョンのブレンドの安定化
50gの実施例4のミクロエマルジョン、50gの実施例18のマクロエマル
ジョン及び10gの50%ウレア溶液を混合することにより安定化ブレンドを製
造する。ブレンドを室温で1カ月間老化させる。ブレンドは逆転し、SVは7の
溶液pHにおいて2.6cpsであった。これは製造した時のブレンドのSVか
ら本質的に変化しておらず、ウレアが実施例4の非−熱−処理ミクロエマルジョ
ンのブレンドの安定化に有効であることを示す。
実施例89〜93
ジメドンの添加によるブレンドの安定化
66.58gの実施例5のミクロエマルジョン及び35.64gの実
施例18のマクロエマルジョンから40%(モノマーに基づくモルパーセント)
の全体的カチオン電荷を有するブレンドを製造した。ジメドンを含む試料の場合
、適した量のジメドンを撹拌しながらマクロエマルジョンに加える。次いでミク
ロエマルジョンをこの混合物に撹拌しながら加え、安定化ブレンドを得る。得ら
れるブレンドを50℃で、示されている時間保存する。ブレンドの試料を採取し
、ブレンドのSVを測定する。結果は、ジメドン(5,5−ジメチル−1,3−
シクロヘキシルジオン)もエマルジョンブレンドの安定化に有効であることを示
している。
マルチモードエマルジョンブレンドの粘度データ
実施例94〜111は、マルチモードエマルジョンの製造のための本方法が、
2種の親エマルジョンの重量平均より低い体積粘性率を示すエマルジョンブレン
ドを簡単に与えることができることを示す。
実施例94
第4Mannichミクロエマルジョンを含む実施例5のミクロエマルジョン
及び実施例18の低電荷カチオン性マクロエマルジョンのブレンドを製造した。
ブレンドはマクロエマルジョン又はミクロエマルジョンのいずれよりも低い粘度
を有する。
実施例95〜111
ブレンドの粘度対組成
種々の逆転ミクロエマルジョン及び逆転マクロエマルジョンの多様なブレンド
を製造する。ポリマーの組み合わせはカチオン性/カチオン性、カチオン性/ア
ニオン性及びアニオン性/アニオン性ポリマーブレンドを含む。表13はこれら
の種類のブレンドの例、ならびに#2スピンドル及び12rpmを用いるBro
okfield粘度計を用いて室温でセンチポアズにおいて測定したブレンドの
粘度を示す。得られるブレン
ドはマルチモードであり、マルチモードエマルジョンブレンドの製造に用いられ
る2種の親逆転エマルジョンの重量平均の粘度より低い粘度を示す点で有利であ
る。
実施例111A
2種のミクロエマルジョンの低粘度エマルジョンブレンド
650Åの体積平均液滴直径(透過型電子顕微鏡により測定)を有する実施例
1のミクロエマルジョン及び約1000Åの体積平均液滴直径を有する実施例5
のミクロエマルジョンを下記に示す通りに一緒に配合する。得られるブレンドは
マルチモードエマルジョンブレンドであり、それは出発エマルジョン粘度の重量
平均により予測される粘度より低い粘度を有する。
実施例112〜118は種々の安定なマルチモードエマルジョンブレンドの性
能有用性を示す。
実施例112〜188
典型的自治体のスラッジの除水の効率を以下の通りにして実施例112〜11
8において決定する:200グラムのスラッジを注意深くビーカー中に量り込む
。ポリマー濃度が0.2重量パーセントとなるように
ポリマーエマルジョン試料を水に加えることによりポリマー類及びブレンドの水
溶液を調製する。種々の用量のポリマー溶液をスラッジ試料に加え、水を加えて
合計重量を250グラムとし、混合物を1000rpmで5秒間撹拌し、得られ
る凝集スラッジを60メッシュのスクリーンを有するBuchnerロートを通
して注ぐ。10秒間で集められる濾液の体積を記録することにより自由な排水を
測定する。得られる凝集スラッジを同じ条件下で試料を圧縮することによりさら
に除水する。次いで圧縮されたスラッジを一定の重量に乾燥し、最終的スラッジ
固体含有率、すなわちケーク固体を決定する。
実施例112〜118のデータにより示される通り、実施例114、115、
116及び117の安定なマルチモードエマルジョンブレンドは、類似の電荷の
ポリマー類を含む単一のマクロエマルジョンと比較して向上した凝集性能を示す
。
実施例112
典型的自治体スラッジ#2への55%電荷ブレンドの性能
実施例113
典型的自治体スラッジ#3への55%電荷ブレンドの性能
実施例114
典型的紙スラッジへの20%電荷ブレンドの性能
5秒間の500rpmの撹拌で試験した。濾液の質をHach濁度計を用い、
NTUにおいて透明度を測定することにより評価する。
実施例115
自治体スラッジ#4への55%電荷ブレンドの性能
実施例116
自治体スラッジ#5への55%電荷ブレンドの性能
実施例117
自治体スラッジ#6への20%電荷ブレンドの性能
実施例118ブレンドの製造と性能
実施例5及び20のエマルジョンを混合することにより実施例110のブレン
ドを製造し、次いで1.5〜2.0%の量のウレアにより安定化し、典型的スラ
ッジ#7を用いて試験する。実施例110及び30のブレンドは、エマルジョン
ブレンド110の製造に用いられるエマルジョンに匹敵する有効な性能を示す。
前記の実施例は、前記の実施例で用いられている反応及び/又は操作条件を、
本発明の一般的に又は特定的に記載されている反応及び/又は操作条件に置換す
ることにより、類似の結果を以て繰り返すことができる。
前記の説明から、当該技術分野における熟練者は本発明の必須の特性を容易に
突き止めることができ、本発明の精神又は範囲から逸脱せずに本発明の種々の修
正を行い、それを種々の用途に適合させることができる。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,CN,J
P,KR
(72)発明者 フアング, スン−イ
アメリカ合衆国コネチカツト州06903スタ
ンフオード・ニユーイングランドドライブ
106
(72)発明者 コザキービクズ, ジヨセフ・ジエイ
アメリカ合衆国コネチカツト州06612トラ
ンブル・バーンスワロウドライブ54
(72)発明者 ライス, リチヤード・エフ
アメリカ合衆国コネチカツト州06902スタ
ンフオード・アンドバーロード5
(72)発明者 ロザテイ, ルイス
アメリカ合衆国ニユーヨーク州10590サウ
スセイレム・ウエストロード30
(72)発明者 ウオーターマン,ポール・エス
アメリカ合衆国コネチカツト州06484シエ
ルトン・ジヨセフコート15