JP2003155689A - 紙の製造方法 - Google Patents

紙の製造方法

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JP2003155689A
JP2003155689A JP2001348993A JP2001348993A JP2003155689A JP 2003155689 A JP2003155689 A JP 2003155689A JP 2001348993 A JP2001348993 A JP 2001348993A JP 2001348993 A JP2001348993 A JP 2001348993A JP 2003155689 A JP2003155689 A JP 2003155689A
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健自 境
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小高衣美子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙や機械パルプの配合比率が増加しても、
高い歩留率を維持できる抄紙方法を開発することであ
る。そのため特定の両性高分子物質を用いて、抄紙系の
クローズド化の進展などにより抄紙工程で係る種々のせ
ん断力に強く、しかも抄紙後の紙の地合崩れをおこさな
い適度な強度を有するフロックを生成する歩留向上剤を
開発し、それを用いた歩留向上方法を提供する。 【解決手段】 特定のカチオン性単量体から選択される
二種を5〜95モル%、アニオン性単量体5〜50モル
%及び非イオン性単量体0〜90からなる両性水溶性高
分子を、抄紙前の製紙原料中に添加し処理した後、抄紙
することによって達成できる。また、アニオン性水溶性
高分子と併用することによって達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙の製造方法に関する
ものであり、詳しくは特定のカチオン性単量体から選択
される二種、アニオン性単量体及び非イオン性単量体か
らなる両性水溶性高分子を、抄紙前の製紙原料中に添加
し処理した後、抄紙することによって抄紙時、原料の歩
留を向上させる紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙工業において抄紙工程におけるワイ
ヤ−上の歩留率を向上させることは、排水負荷の軽減、
製造コストの低下、填量分を効率良くリサイクルするこ
となど重要な意味を有している。そのため現在まで種々
の歩留向上法が提案されている。たとえば、カチオン性
または両性高分子を添加、混合した後、コロイドシリカ
を添加、混合して抄紙する方法(特開平3−27676
号公報)、カチオン性高分子を添加、混合した後、ベン
トナイトを添加する方法(特開昭62−191598号
公報)、カチオン性高分子を添加、混合した後、アニオ
ン性高分子とベントナイトの混合物を添加する方法(特
開昭64−61588号公報)などである。
【0003】近年、資源節約の観点からリサイクル化が
重視され、古紙の配合比率が増加している。また、化学
パルプに較べ製造工程が短く、化学薬品の使用量が少な
くてすみ、しかも製造排水も減少する機会パルプの使用
量も増加傾向にある。機会パルプは、製造コストは低く
いが、パルプ繊維が短くワイヤ−上の歩留りはどうして
も低下する。また、原料木材から抽出されるアニオン性
物質が、技術的あるいはコスト的に完全には除去され
ず、抄紙原料中に混入してくる。そのため従来の歩留処
方ではなかなか歩留率を向上させることは難しいと言う
問題が、発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、古紙
や機械パルプの配合比率が増加しても、高い歩留率を維
持できる抄紙方法を開発することである。そのため具体
的には特定の両性高分子物質を用いて、抄紙系のクロー
ズド化の進展などにより抄紙工程で係る種々のせん断力
やしかも抄紙後の紙の地合崩れをおこさない適度な強度
を有するフロック生成をする歩留向上剤を開発し、それ
を用いた歩留向上方法を開発する。
【0005】
【発明が解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、以下に述べるような発明に達し
た。すなわち請求項1の発明は、下記一般式(1)〜
(3)で表されるカチオン性単量体から選択される二種
を5〜95モル%、下記一般式(4)で表されるアニオ
ン性単量体5〜50モル%及び非イオン性単量体0〜9
0モル%からなる両性水溶性高分子を歩留向上及び/又
は濾水性向上を目的として、抄紙前の製紙原料中に添加
することを特徴とする紙の製造方法に関する。
【化1】 一般式(1)
【化2】 一般式(2)
【化3】 一般式(3) R1、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはア
ルコキシル基、R4、R5、R6は炭素数1〜3のアル
キルあるいはアルコキシル基、R7は水素又はメチル
基、R8、R9は炭素数1〜3のアルキルあるいはアル
コキシル基、R10はベンジル基であり、Aは酸素原子
またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはア
ルコキシレン基を表わす、X1、X2、X3は陰イオン
をそれぞれ表わす。
【化4】 一般式(4) R11は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、A
はSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2C
H2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R12は
水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または
陽イオンをそれぞれ表す。
【0006】請求項2の発明は、前記両性水溶性高分子
が、塩水溶液中、該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共
存させ、前記一般式(1)〜(3)で表されるカチオン
性単量体から選択される二種を5〜95モル%、下記一
般式(4)で表されるアニオン性単量体5〜50モル%
及び非イオン性単量体0〜90からなる単量体混合物
を、攪拌下、分散重合することによって製造される粒径
100μm以下の微粒子からなる分散液であることを特
徴とする請求項1に記載の紙の製造方法である。
【0007】請求項3の発明は、前記高分子分散剤が、
イオン性であることを特徴とする請求項1に記載の紙の
製造方法である。
【0008】請求項4の発明は、前記塩水溶液を構成す
る塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法である。
【0009】請求項5の発明は、前記両性水溶性高分子
が、前記一般式(1)〜(3)で表されるカチオン性単
量体から選択される二種を5〜95モル%、下記一般式
(4)で表されるアニオン性単量体5〜50モル%及び
非イオン性単量体0〜90からなる単量体混合物水溶液
を不連続相とし、油溶性乳化剤を含有する液状炭化水素
を連続相とする油中水型エマルジョンを形成させ、攪拌
下、乳化重合することによって製造される分散液からな
ることを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法であ
る。
【0010】請求項6発明は、前記一般式(1)〜
(3)で表されるカチオン性単量体が各々、メタクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、アク
リロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物及
びアクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニ
ウム塩化物であり、アニオン性単量体が(メタ)アクリ
ル酸であり、非イオン性単量体が(メタ)アクリルアミ
ドであることを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方
法である。
【0011】請求項7の発明は、前記アニオン性水溶性
高分子が、塩水溶液中、該塩水溶液に可溶な高分子分散
剤を共存させ、前記一般式(4)で表されるアニオン性
単量体5〜100モル%及び非イオン性単量体0〜95
からなる単量体混合物を、攪拌下、分散重合することに
よって製造される粒径100μm以下の微粒子からなる
分散液であることを特徴とする請求項7に記載の紙の製
造方法である。
【0012】請求項8の発明は、前記アニオン性水溶性
高分子が、塩水溶液中、該塩水溶液に可溶な高分子分散
剤を共存させ、前記一般式(4)で表されるアニオン性
単量体5〜100モル%及び非イオン性単量体0〜95
からなる単量体混合物を、攪拌下、分散重合することに
よって製造される粒径100μm以下の微粒子からなる
分散液であることを特徴とする請求項8に記載の紙の製
造方法である。
【0013】請求項9の発明は、前記高分子分散剤が、
イオン性であることを特徴とする請求項8に記載の紙の
製造方法である。
【0014】請求項10の発明は、前記塩水溶液を構成
する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有する
ことを特徴とする請求項9に記載の紙の製造方法であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用する両性水溶性高分
子は、前記一般式(1)〜(3)で表されるで表される
カチオン性単量体から選択される二種を5〜95モル
%、前記一般式(4)で表されるアニオン性単量体5〜
50モル%及び非イオン性単量体0〜90からなる。一
般的な合成法は、これら単量体を水媒体中に溶解、混合
し、その水溶液pHを2〜5に調整した後、窒素雰囲気
中、重合開始剤を添加し共重合する。重合方法は水溶液
重合、油中水型重合、油中水型分散重合あるいは塩水溶
液中分散重合などを用いることができる。
【0016】用いるカチオン性単量体のうち、一般式
(1)で表される単量体は、ジアルキルアミノアルキル
メタアクリレートのモノハロゲン化物による四級アンモ
ニウム塩である。その例としては、メタクリロイルオキ
シエチルトリメチルアンモニウム塩化物、メタアクリロ
イルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニ
ウム塩化物、メタアクリロイルアミノプロピルトリメチ
ルアンモニウム塩化物などがあげられる。
【0017】また一般式(2)で表されるカチオン性単
量体は、ジアルキルアミノアルキルアクリレートのモノ
ハロゲン化物による四級アンモニウム塩である。その例
としては、アククリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウム塩化物、アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプ
ロピルトリメチルアンモニウム塩化物、アクリロイルア
ミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物などがあげ
られる。
【0018】また一般式(3)で表されるカチオン性単
量体は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
トのベンジル基を有するモノハロゲン化物による四級ア
ンモニウム塩である。その例とし(メタ)アクリロイル
オキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモ
ニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジ
メチルベンジルアンモニウム塩化物あるいは(メタ)ア
クリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム
塩化物などがあげられる。
【0019】さらに一般式(4)で表されるアニオン性
単量体の例としては、スルフォン基でもカルボキシル基
でもさしつかいなく、両方を併用しても良い。スルフォ
ン基含有単量体の例は、ビニルスルフォン酸、ビニルベ
ンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリルアミド2−メ
チルプロパンスルフォン酸などである。またカルボキシ
ル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレン
などである。
【0020】非イオン性水溶性高分子を重合する場合
は、アクリルアミドを使用することが最も好ましいが、
アクリルアミド以外の非イオン性単量体を共重合しても
良い。そのような例としてN,N−ジメチルアクリルア
ミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセ
トンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイ
ルモルホリンなどがあげられる。
【0021】これら単量体のうち最も好ましい単量体の
組み合わせとしては、メタクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウム塩化物、アクリロイルオキシエチル
トリメチルアンモニウム塩化物、アクリル酸及びアクリ
ルアミド あるいはメタクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウム塩化物、アクリロイルオキシエチルベ
ンジルジメチルアンモニウム塩化物、アクリル酸及びア
クリルアミド、あるいはアクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウム塩化物、アクリロイルオキシエチル
ベンジルジメチルアンモニウム塩化物、アクリル酸及び
アクリルアミドである。
【0022】本発明で使用する両性水溶性高分子中のカ
チオン性単量体のモル比は、5〜95モル%であり、好
ましくは10〜90モル%であり、さらに好ましくは2
0〜80モル%である。アニオン性単量体のモル比は、
5〜50モル%が好ましく、さらに好ましくは10〜5
0モル%である。非イオン性単量体のモル比は、は0〜
90モル%であり、好ましくは0〜80モル%である。
これら両性水溶性高分子の分子量としては、100万〜
2000万であり、好ましくは300万〜1500万で
ある。
【0023】また、N,N−メチレンビスアクリルアミ
ドやエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−トなどの多
官能性単量体、あるいはN,N−ジメチル(メタ)アク
リルアミドやN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド
など熱架橋性単量体を共重合して架橋や分岐した重合体
を合成し、改質することも可能である。
【0024】本発明で使用する両性水溶性高分子中のイ
オン性基は、そのバランスを調節することにより特に効
果を発揮する。すなわち、カチオン性単量体から選択さ
れる二種を5〜95モル%、アニオン性単量体5〜50
モル%及び非イオン性単量体0〜90からなる範囲にお
いて、更に下記の条件を満たす場合である。すなわち、
両性水溶性高分子中のカチオン性単量体総量のモル数を
Cで表し、アニオン性単量体のモル数をAで表したと
き、1.0≦C/A≦6.0この意味は、カチオン性単
量体のモル数が、アニオン性単量体のモル数に対し等量
から6倍であることを表す。一般的に両性水溶性高分子
は、重合時、pHを2〜5に調節し重合する。処理対象
水に添加する希釈溶液もこのpHになるよう考慮されて
いる。pH5〜8付近の処理対象水に添加すると、イオ
ンコンプレクッスを生成し、見かけ分子量の増加など種
々の効果を発現する。上記比率にあるとき最もイオンコ
ンプレクッスを生成しやすく、両性水溶性高分子として
好ましい。たま、カチオン性単量体が過剰であるため全
体としてカチオン性であり、アニオン性水溶性高分子と
併用する場合も優れた効果を発現する。
【0025】本発明の両性水溶性高分子は、一般式
(1)で示されるようなメタアクリレ−ト系四級アンモ
ニウム塩基含有単量体、一般式(2)で示されるような
アクリレ−ト系四級アンモニウム塩基含有単量体及び一
般式(3)で示されるベンジル基含有四級アンモニウム
塩基含有単量体を同時に含有するので独特の効果を発現
する。すなわち、メタアクリレ−トはα−炭素にメチル
基が結合しているため、アクリレ−ト較べ反応性が低く
高重合度品が得られにくいが、耐加水分解性がある、α
−炭素に水素が結合していないため分岐構造が起き難
く、その結果、架橋による高分子の不溶化が起き難い、
適度な疎水性がある。逆にアクリレートは、親水性が強
いが、反応性が高く高分子の製造は容易である。従って
本発明の両性水溶性高分子は、疎水性と親水性のバラン
スによって古紙や機械パルプに由来するアニオン性物質
に代表される共雑物が存在しても凝集性を発揮し、適度
の強度を有するフロックを形成しワイヤ−上の歩留率を
向上させるものと推定される。
【0026】重合条件は通常、使用する単量体や共重合
モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜10
0℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使
用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちら
でも良く、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれで
も重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例
としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−
ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチ
ル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶
解し添加する。
【0027】水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。ま
たレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモ
ニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ト
リメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどと
の組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例として
は、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、
過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペ
ルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニ
ックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘ
キサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤
の中で最も好ましいのは、水溶性アゾ開始剤である2、
2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物である。
【0028】本発明で使用する両性水溶性高分子は、ど
のような形態でも適用可能であるが、最も好ましい製品
形態としては、油中水型エマルジョン重合品あるいは塩
水溶液中分散重合品である。この理由としては、水溶液
重合品に較べ高濃度にできること、粉末品に較べ溶解時
間が短縮できることが第一にあげられる。また塩水溶液
中分散重合品を水に溶解した場合、水溶液品、粉末品に
較べ水溶液粘度が低く、製紙白水への分散性が良好であ
る。
【0029】塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液
からなる水溶性高分子は、特開昭62−15251号公
報などを基本にして製造することができる。すなわち塩
水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤共
存下で、攪拌しながら製造された粒系100mμ以下の
高分子微粒子の分散液を得ることができる。高分子分散
剤は、非イオン性あるいはイオン性を用いるが、イオン
性高分子が好ましい。例えばジメチルジアリルアンモニ
ウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量
体との共重合体を使用する。
【0030】上記イオン性高分子の分子量としては、
5、000から300万、好ましくは5万から150万
である。また、非イオン性高分子分の分子量としては、
1,000〜100万であり、好ましくは1,000〜
50万である。これら高分子分散剤の添加量としては、
単量体に対して1/100〜1/10であり、好ましく
は2/100〜8/100である。
【0031】塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニ
オン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当で
あり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素ア
ンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等
を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の
水溶液として用いることが好ましい。
【0032】また、エマルジョン重合品は、単量体混合
物水溶液を不連続相とし、油溶性乳化剤を含有する液状
炭化水素を連続相とする油中水型エマルジョンを形成さ
せ、攪拌下、乳化重合することによって製造することが
できる。
【0033】分散媒として使用する液状炭化水素の例と
しては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの
鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度
などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれら
の混合物があげられる。
【0034】油中水型エマルジョンを形成するに有効な
量とHLBを有する油溶性乳化剤の例としては、HLB
3〜11の乳化剤であり、非イオン性がより好ましい。
その具体例としては、ソルビタンモノオレ−ト、ソルビ
タンモノステアレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−トな
どがあげられる。これら界面活性剤の添加量としては、
油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10重量%
であり、好ましくは1〜5重量%である。
【0035】本発明の製紙白水処理方法は、両性水溶性
高分子を添加、混合後、アニオン性水溶性高分子を添
加、混合し処理することもできる。この処理方法は両性
水溶性高分子単独では処理しにくい製紙白水には効果を
発揮する。アニオン性水溶性高分子は、水溶液重合品、
油中水型エマルジョン品、油中水型分散重合による粉末
品などどのような形態でも使用可能であるが、塩水溶液
中分散重合品が最も好ましい。塩水溶液中に分散した高
分子微粒子分散液からなる水溶性高分子は、前述の方法
によって製造することができる。分散剤も同様に塩水溶
液中に可溶な高分子を使用する。非イオン性ではスチレ
ン/無水マレイン酸共重合物あるいはブテン/無水マレ
イン酸共重合物の完全アミド化物などである。イオン性
高分子が好ましく、特にこの場合はアニオン性高分子が
好ましい。すなわちアニオン性高分子の例としては、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリ
ルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)やスチレ
ンスルホン酸(塩)などのアニオン性単量体の(共)重
合体である。さらに非イオン性の単量体であるアクリル
アミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリ
ルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなど
との共重合体も使用可能である。
【0036】上記分散剤として使用するイオン性高分子
の分子量、単量体に対する添加量また塩水溶液を構成す
る無機塩類としては、両性水溶性高分子の場合と同様で
ある。
【0037】アニオン性水溶性高分子を重合するため使
用するアニオン性単量体は、スルフォン基でもカルボキ
シル基でも使用可能であり、両方を共重合しても良い。
スルフォン基含有単量体の例は、ビニルスルフォン酸、
ビニルベンゼンスルフォン酸あるいは2−アクリルアミ
ド2−メチルプロパンスルフォン酸などである。またカ
ルボキシル基含有単量体の例は、メタクリル酸、アクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシ
スチレンなどである。また他の非イオン性の単量体との
共重合体でも良い。例えば(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげら
れ、これら一種または二種以上との共重合が可能であ
る。
【0038】アニオン性水溶性高分子の分散液を製造す
る場合のアニオン性単量体のモル比は、1〜100モル
%であり、好ましくは5〜100モル%でり、さらに好
ましく10〜100モル%である。また、分子量として
は、100万〜2000万であり、好ましくは500万
〜1500万である。
【0039】本発明で使用する両性水溶性高分子の製紙
白水への添加量としては、白水中の固形分濃度により異
なるが、両性水溶性高分子単独の場合、対白水液量当た
り高分子純分として、凡そ0.1〜10ppmであり、
好ましくは0.2〜5ppmである。また、アニオン性
水溶性高分子と併用する場合は、両性水溶性高分子が凡
そ0.1〜5ppmであり、好ましくは0.2〜3pp
mである。組み合わせるアニオン性水溶性高分子は、凡
そ0.1〜5ppmであり、好ましくは0.2〜3pp
mである。
【0040】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0041】(合成例1)撹拌器、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、
イオン交換水185.7g及び60%水溶液アクリル酸
16.3gを仕込み、この中に30%水溶液の水酸化ナ
トリウム16.3g(対アクリル酸90当量%)を加え
中和した。その後、分散剤としてアクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合物(20%
水溶液、分子量120万)、30g(対単量体6.0
%)、硫酸アンモニウム125.0g、アクリルアミド
50%水溶液19.2g、アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液65.6g
及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ム塩化物、80%水溶液35.2gを仕込み、各々完全
に溶解させた。また、重合度調節剤としてイソプロピル
アルコール0.2gを加えた。内温を33〜35℃に保
ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾ
ビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液4.0g
(対単量体0.1%)を加え重合を開始させた。開始
2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測され、2
5分間その状態が継続したが、その後すぐに収まり分散
液に移行した。開始8時間後、前記開始剤溶液を1.0
g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液の
しこみ単量体濃度は20%であり、ポリマー粒径は10
μm以下、分散液の粘度は510mPa・sであった。
また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製D
LS−7000)によって重量平均分子量を測定した。
この試料を試作−1とする。結果を表2に示す。
【0042】(合成例2)撹拌器、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、
イオン交換水185.0g及び60%水溶液アクリル酸
15.4gを仕込み、この中に30%水溶液の水酸化ナ
トリウム15.4g(対アクリル酸90当量%)を加え
中和した。その後、分散剤としてアクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合物(20%
水溶液、分子量120万)、30g(対単量体6.0
%)、硫酸アンモニウム125.0g、アクリルアミド
50%水溶液18.2g、アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液62.1g
及びアクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモ
ニウム塩化物、80%水溶液39.9gを仕込み、各々
完全に溶解させた。また、重合度調節剤としてイソプロ
ピルアルコール0.2gを加えた。内温を33〜35℃
に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−
アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−
イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液4.0g
(対単量体0.1%)を加え重合を開始させた。開始
2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測され、1
5分間その状態が継続したが、その後すぐに収まり分散
液に移行した。開始8時間後、前記開始剤溶液を1.0
g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液の
しこみ単量体濃度は20%であり、ポリマー粒径は10
μm以下、分散液の粘度は450mPa・sであった。
また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製D
LS−7000)によって重量平均分子量を測定した。
この試料を試作−2とする。結果を表2に示す。
【0043】(合成例3)撹拌器、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、
イオン交換水1605.0g及び60%水溶液アクリル
酸15.4gを仕込み、この中に30%水溶液の水酸化
ナトリウム14.2g(対アクリル酸90当量%)を加
え中和した。その後、分散剤としてアクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合物(20
%水溶液、分子量120万)、27.5g(対単量体
5.5%)、硫酸アンモニウム125.0g、アクリル
アミド50%水溶液16.8g、メタクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液3
8.3g及びアクリロイルオキシエチルベンジルジメチ
ルアンモニウム塩化物、80%水溶液73.3gを仕込
み、各々完全に溶解させた。また、重合度調節剤として
イソプロピルアルコール0.2gを加えた。内温を33
〜35℃に保ち、30分間窒素置換後、開始剤として
2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶
液2.0g(対単量体0.05%)を加え重合を開始さ
せた。開始2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観
測され、30分間その状態が継続したが、その後すぐに
収まり分散液に移行した。開始8時間後、前記開始剤溶
液を1.0g追加しさらに8時間重合を行った。得られ
た分散液のしこみ単量体濃度は20%であり、ポリマー
粒径は10μm以下、分散液の粘度は600mPa・s
であった。また、静的光散乱法による分子量測定器(大
塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を
測定した。この試料を試作−3とする。結果を表2に示
す。
【0044】(合成例4)撹拌器、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、
イオン交換水192.0g及び60%水溶液アクリル酸
10.6gを仕込み、この中に30%水溶液の水酸化ナ
トリウム8.8g(対アクリル酸90当量%)を加え中
和した。その後、分散剤としてアクリロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合物(20%水
溶液、分子量120万)、30g(対単量体6.0
%)、硫酸アンモニウム125.0g、アクリルアミド
50%水溶液10.6g、アクリロイルオキシエチルト
リメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液53.7g
及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ム塩化物、80%水溶液38.4gを仕込み、各々完全
に溶解させた。また、重合度調節剤としてイソプロピル
アルコール0.2gを加えた。内温を33〜35℃に保
ち、30分間窒素置換後、開始剤として2、2’−アゾ
ビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕二塩化水素化物の1%水溶液4.0g
(対単量体0.1%)を加え重合を開始させた。開始
2.5時間後、反応物はやや粘度の上昇が観測され、2
5分間その状態が継続したが、その後すぐに収まり分散
液に移行した。開始8時間後、前記開始剤溶液を1.0
g追加しさらに8時間重合を行った。得られた分散液の
しこみ単量体濃度は20%であり、ポリマー粒径は10
μm以下、分散液の粘度は510mPa・sであった。
また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製D
LS−7000)によって重量平均分子量を測定した。
この試料を試作−4とする。結果を表2に示す。
【0045】(合成例5〜6)合成例4と同様な操作に
より、表1に示す組成により、塩水溶液中分散重合法を
用い試作−5〜試作−6を合成した。結果を表2に示
す。
【0046】(合成例7)イオン交換水117.5g及
び60%水溶液アクリル酸28.5gを仕込み、この中
に30%水溶液の水酸化ナトリウム28.5g(対アク
リル酸90当量%)を加え中和した。この中にアクリル
アミド50%水溶液33.6g、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液11
4.8g及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウム塩化物、80%水溶液61.6gおよびイソ
プロピルアルコール0.35gを仕込み、各々完全に溶
解させた。別に沸点190°Cないし230°Cのイソ
パラフィン126.0gにソルビタンモノオレート1
5.0gを加え溶解させ、前記単量体溶液を混合し、ホ
モジナイザーにて3000rpmで10分間乳化した。
生成したエマルジョンを攪拌機および温度制御装置を備
えた反応槽に仕込み、内温を33〜35に保ち、窒素置
換を30分間行った。その後、4、4−アゾビス(4−
メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルをジオキサ
ンに溶解した5%溶液を1.8g(対単量体0.05
%)を加え重合を開始した。開始5時間後、前記開始剤
溶液を0.9g追加し更に5時間重合を継続した。これ
を試作−7とする。また、静的光散乱法による分子量測
定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均
分子量を測定した。結果を表2に示す。
【0047】(合成例8〜9)合成例7と同様な操作に
より、表1に示す組成により、油中水型エマルジョン重
合法を用い試作8〜9を合成した。結果を表2に示す。
【0048】(合成例10)イオン交換水50.5g及
び60%水溶液アクリル酸62.1gを仕込み、この中
に30%水溶液の水酸化ナトリウム62.1g(対アク
リル酸90当量%)を加え中和した。この中にアクリル
アミド50%水溶液18.6g、アクリロイルオキシエ
チルトリメチルアンモニウム塩化物、80%水溶液9
4.0g及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウム塩化物、80%水溶液62.7gおよびイソ
プロピルアルコール0.07g(対単量体0.04%)
を仕込み、各々完全に溶解させた。別に沸点190°C
ないし230°Cのイソパラフィン126.0gにソル
ビタンモノオレート15.0gを加え溶解させ、前記単
量体溶液を混合し、ホモジナイザーにて3000rpm
で10分間乳化した。生成したエマルジョンを攪拌機お
よび温度制御装置を備えた反応槽に仕込み、内温を33
〜35に保ち、窒素置換を30分間行った。その後、
4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バ
レロニトリルをジオキサンに溶解した5%溶液を1.8
g(対単量体0.05%)を加え重合を開始した。開始
5時間後、前記開始剤溶液を0.9g追加し更に5時間
重合を継続した。これを試作−10とする。また、静的
光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−70
00)によって重量平均分子量を測定した。結果を表2
に示す。
【0049】(合成例11〜12)合成例9と同様な操
作により、表1に示す組成により、油中水型エマルジョ
ン重合法を用い試作11〜12を合成した。結果を表2
に示す。
【0050】(合成例13)攪拌機、還流冷却管、温度
計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブ
ルフラスコに脱イオン水:131.7g、60%アクリ
ル酸:50.0g、50%アクリルアミド:140.3
gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム8.3gによ
りアニオン性単量の15モル%を中和した。この溶液に
硫酸アンモニウム135.4g、また20質量%水溶液
のアクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸重合体
(分子量:20万、20当量%中和物)25.0g(対
単量体5.0質量%)を添加した。その後、攪拌しなが
ら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。
この間恒温水槽により25℃に内部温度を調整する。窒
素導入30分後、0.2質量%のペルオキソニ硫酸アン
モニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.2質量%水
溶液をそれぞれこの順で2.5g(対単量体、40pp
m)添加し重合を開始させた。重合開始後8時間たった
ところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15
時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品を試作
−13とする。この試作−13のアクリル酸/アクリル
アミドのモル比は30/70であり、粘度は610mP
a・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、2〜20μ
mの粒子であることが判明した。結果を表2に示す。
【0051】(比較合成例1〜4)合成例と同様な操作
により、表1に示す組成からなる両性水溶性高分子を塩
水溶液中分散重合法あるいは油中水型エマルジョン重合
法を用いて比較−1〜4を合成した。結果を表2に示
す。
【0052】
【実施例1〜12】上質紙原料(LBKPに古紙を配
合、pH5.85、全ss分2.14%、灰分0.20
%)を検体として、パルプ濃度0.9重量%に水道水を
用いて希釈し、ブリット式ダイナミックジャ−テスタ−
により歩留率を測定した。添加薬品として、カチオン性
デンプン、対製紙原料0.5重量%(以下同様)、軽質
炭酸カルシウム、20%、中性ロジンサイズ、0.3
%、硫酸バンド0.8%、表2の両性水溶性高分子、試
作−1〜試作−12、0.02%をそれぞれこの順で1
5秒間隔により下記試験条件で添加し、攪拌を開始す
る。全薬品添加後のpHは6.7であった。全ての薬剤
添加30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を
採取し、下記条件で総歩留率を測定した。なお、攪拌条
件は、回転数1000r.p.m.、ワイヤー125P
スクリーン(200メッシュ相当)、総歩留率(SS濃
度)はADVANTEC NO.2にて濾過し測定し
た。また乾燥後、濾紙を600℃で焼却し灰分を測定す
ることにより炭酸カルシウムの歩留率を算出した。結果
を表3に示す。
【0053】
【比較例1〜4】実施例1〜12と同様な操作により、
比較−1〜比較−4について歩留率の試験を行なった。
結果を表3に示す。
【0054】
【実施例13〜24】中質紙原料(LBKP、古紙及び
機械パルプからなる配合、pH7.1、全ss2.53
%、灰分0.15%)を用い、実施例1〜12と同様な
操作により歩留率を測定した。添加薬品としてポリアク
リルアミド系両性紙力増強剤、対製紙原料0.15%、
タルク5.5%、エマルジョン型ロジンサイズ、0.1
%、硫酸バンド2.5%、表2の両性水溶性高分子試作
−1〜試作−12、0.025%をそれぞれこの順で添
加した。全薬品添加後のpHは5.75であった。結果
を表4に示す。
【0055】
【比較例5〜8】実施例13〜24と同様な操作によ
り、比較−1〜比較−4について歩留率の試験を行なっ
た。結果を表4に示す。
【0056】
【実施例25〜36】実施例1〜12と同じ上質紙原料
(LBKPに古紙を配合、pH5.85、全ss分2.
14%、灰分0.20%)を用い、両性水溶性高分子と
アニオン性水溶性高分子とを組み合わせ歩留率を測定し
た。添加薬品としてポリアクリルアミド系両性紙力増強
剤、対製紙原料0.1%、タルク20%、エマルジョン
型ロジンサイズ、0.15%、硫酸バンド2.8%、表
2の両性水溶性高分子試作−1〜試作−12、0.02
%及びアニオン性水溶性高分子0.015%をそれぞれ
この順で添加した。全薬品添加後のpHは4.9であっ
た。以下の操作は実施例1〜12と同様である。結果を
表5に示す。
【0057】
【比較例9〜12】実施例25〜36と同様な操作によ
り、比較−1〜比較−4について歩留率の試験を行なっ
た。結果を表5に示す。
【0058】
【表1】 DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニ
ウム塩化物 DMC:メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウム塩化物 ABC:アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルア
ンモニウム塩化物 AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド
【0059】
【表2】 分散液粘度:mPa・s、分子量:万
【0060】
【表3】 総歩留率:重量%、填料歩留率:重量%
【0061】
【表4】 総歩留率:重量%、填料歩留率:重量%
【0062】
【表5】 総歩留率:重量%、填料歩留率:重量%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/58 C08F 220/58 220/60 220/60 228/02 228/02 D21H 21/10 D21H 21/10 Fターム(参考) 4J011 KA08 KA15 KB08 KB29 LA04 LA06 LB09 LB10 4J100 AB07Q AJ02Q AJ08Q AL08P AM15R AM21Q AP01Q BA03P BA32P BA56Q BC43P CA04 CA05 CA06 EA06 EA09 FA20 FA30 JA13 4L055 AA03 AC06 AC09 AG12 AG48 AG71 AG73 AH09 AH16 AH18 BD10 EA30 EA32 FA10 GA35

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)〜(3)で表されるカ
    チオン性単量体から選択される二種を5〜95モル%、
    下記一般式(4)で表されるアニオン性単量体5〜50
    モル%及び非イオン性単量体0〜90モル%からなる両
    性水溶性高分子を歩留向上及び/又は濾水性向上を目的
    として、抄紙前の製紙原料中に添加することを特徴とす
    る紙の製造方法。 【化1】 一般式(1) 【化2】 一般式(2) 【化3】 一般式(3) R1、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはア
    ルコキシル基、R4、R5、R6は炭素数1〜3のアル
    キルあるいはアルコキシル基、R7は水素又はメチル
    基、R8、R9は炭素数1〜3のアルキルあるいはアル
    コキシル基、R10はベンジル基であり、Aは酸素原子
    またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはア
    ルコキシレン基を表わす、X1、X2、X3は陰イオン
    をそれぞれ表わす。 【化4】 一般式(4) R11は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、A
    はSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2C
    H2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R12は
    水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または
    陽イオンをそれぞれ表す。
  2. 【請求項2】 前記両性水溶性高分子が、塩水溶液中、
    該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、前記一般
    式(1)〜(3)で表されるカチオン性単量体から選択
    される二種を5〜95モル%、下記一般式(4)で表さ
    れるアニオン性単量体5〜50モル%及び非イオン性単
    量体0〜90からなる単量体混合物を、攪拌下、分散重
    合することによって製造される粒径100μm以下の微
    粒子からなる分散液であることを特徴とする請求項1に
    記載の紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子分散剤が、イオン性であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塩水溶液を構成する塩が、少なくと
    も一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請
    求項1に記載の紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記両性水溶性高分子が、前記一般式
    (1)〜(3)で表されるカチオン性単量体から選択さ
    れる二種を5〜95モル%、下記一般式(4)で表され
    るアニオン性単量体5〜50モル%及び非イオン性単量
    体0〜90からなる単量体混合物水溶液を不連続相と
    し、油溶性乳化剤を含有する液状炭化水素を連続相とす
    る油中水型エマルジョンを形成させ、攪拌下、乳化重合
    することによって製造される分散液からなることを特徴
    とする請求項1に記載の紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記一般式(1)〜(3)で表されるカ
    チオン性単量体が各々、メタクリロイルオキシエチルト
    リメチルアンモニウム塩化物、アクリロイルオキシエチ
    ルトリメチルアンモニウム塩化物及びアクリロイルオキ
    シエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物であり、
    アニオン性単量体が(メタ)アクリル酸であり、非イオ
    ン性単量体が(メタ)アクリルアミドであることを特徴
    とする請求項1に記載の紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記一般式(1)〜(3)で表されるカ
    チオン性単量体から選択される二種を5〜95モル%、
    前記一般式(4)で表されるアニオン性単量体5〜50
    モル%及び非イオン性単量体0〜90モル%の範囲にあ
    り、かつ前記単量体中のカチオン性単量体総量のモル数
    をCで表し、アニオン性単量体のモル数をAで表したと
    き、CとAが1.0≦C/A≦6.0の関係にある単量
    体組成からなる前記両性水溶性高分子とアニオン性水溶
    性高分子を併用し、凝集処理することを特徴とする紙の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アニオン性水溶性高分子が、塩水溶
    液中、該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、前
    記一般式(4)で表されるアニオン性単量体5〜100
    モル%及び非イオン性単量体0〜95からなる単量体混
    合物を、攪拌下、分散重合することによって製造される
    粒径100μm以下の微粒子からなる分散液であること
    を特徴とする請求項7に記載の紙の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記高分子分散剤が、イオン性であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の紙の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記塩水溶液を構成する塩が、少なく
    とも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする
    請求項8に記載の紙の製造方法。
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