JPH09501615A - クランクシャフトの研削装置及び研削方法 - Google Patents

クランクシャフトの研削装置及び研削方法

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Abstract

(57)【要約】 特に、クランクシャフトを研削するための装置を提案し、該装置は、それぞれクランクシャフトの軸線の延長に軸受を有するワーク主軸台と心押台を有し、また、クランクシャフトを長手方向の端部で収容するようになっている。また、ワーク主軸台及び心押台はそれぞれスパイクを有し、クランクシャフトはスパイクで、ワーク主軸台及び心押台に取り付けられ、かつ長手方向の圧力なしで固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】 クランクシャフトの研削装置及び研削方法 本発明はクランクシャフトの研削装置及び研削方法に関する。 既知の方法では、クランクシャフトは複数の工程で研削される。第1の工程で 、クランクシャフトの主軸受が予め研削され、第2の工程で、リフティング軸受 (lifting bearing)が研削される。第3の工程で、主軸受の研削が終了する。中 央軸受及びクランクピンが、引続いて第4の工程で研削される。更なる工程で、 リフティング軸受の研削が終了する(第5の工程)。第6の工程で、クランクシ ャフト端部が加工され、最後の第7の工程で、クランクシャフトのフランジが研 削される。 そのような既知の装置の場合では、クランクシャフトは、端部が、ワーク主軸 台と心押台との間で、チャックによって又はコレット及びスパイクによって締付 けられる。そのようにクランクシャフトを締付けることによって、高回転速度に おいても、必要とされる確りとした取付けが明らかに提供される。しかし、それ は、クランクシャフトに長手方向の力を与え、弾性領域で変形させてしまうとい う深刻な欠点を有する。これによって、必ずしもクランクシャフトを損傷させる 結果となるわけではない。しかし、クランクシャフトは締付けが外された後、弾 性的に跳ね返るので、弾性変形によって質と精度の問題が生じる。これらの装置 の更なる欠点は、チャック又はコレットが、研削すべきクランクシャフトの部分 、特に、フランジ及び中央軸受を覆ってしまうことにある。クランクシャフトの これらの部分をも研削することができるようにするために、チャック又はコレッ トをクランクシャフトから緩めなければならず、更に、クランクシャフトを装置 から取り外さなければならない。最後に、クランクシャフトのこれらの部分を、 別々の工程で研削しなければならない。従って、クランクシャフトを研削する既 知の方法では、かなりの時間が費やされ、また、費用も高額となる。 ドイツ特許第727,220号では、クランクピンが、回動可能なセグメント に着座している締付けジョーに長手方向の圧力なしで締付けられている、クラン クシャフト研削装置用の締付け装置が説明されている。このセグメントは、ピン を中心として回転可能であり、ピンは行程の大きさに相当する距離だけ、面板の 中心から取り外される。それ以上、クランクシャフトの取付けに関する詳細につ いてはこの特許に記載されていない。 従って、本発明の目的は、請求項2の導入部に記載された種類の方法及び装置 であって、クランクシャフト全体を、長手方向の力を与えずに又は著しい長手方 向の力を与えずに、1回の締付けで研削することができる方法及び装置を提供す ることにある。 本発明によれば、本発明の目的を、請求項1の格別な特徴を有する方法によっ て達成することができる。 本発明によれば、本発明の目的を更に、請求項2の格別な特徴を有する装置に よって達成することができる。 本発明は更に、従属項に記載されている。 本発明は複数の利点を有する。1つの著しい利点は、スパイクを長手方向に変 形させないように、研削すべきクランクシャフトをスパイクの間に中心で締付け 可能である。この利点によって、更に、長手方向の圧力なしで又は僅かな所定の 長手方向の張力を与えた所定の締付け位置のクランクシャフトの全体の面を、少 なくとも2つの別々に設けられた適切な輪郭を有する研削盤を備える研削工具に 近づけることができることである。 クランクシャフトは、一方が所定の僅かな長手方向の張力で、また他方が高回 転速度であっても確りと保持されるように強く装置に締付けられる。これはまた 、偏心部分がいかなる質量を有するクランクシャフトであっても同様である。所 定の僅かな長手方向の張力で、また長手方向の圧力のない本発明による締め付け により、研削すべきクランクシャフトのすべての部分を、研削工具に近づけるこ とが可能となる。従って、クランクシャフトの研削は、1回の締付けで完了する ことができる。 本発明の装置は、また、技術的に複雑ではなく、容易に保守することができる 。 更なる利点は、本発明の実施例の下記の説明及び添付図面から分かるであろう 。 図1は、締付けられたクランクシャフトを有する装置を示す。 図2は、締付けられたクランクシャフトと締付け要素を有する図1の装置の部 分断面図である。 図3は、締付けられたクランクシャフトを有する図1の装置の更なる実施例の 部分断面図である。 図4は、左側で、クランクピンに係合する固定要素によって、ワークの主軸台 側でスパイクの方向に長手方向に引張って締付けられたクランクシャフトを有す る装置を概略的に示す。 図5は、外方の固定要素を有する装置の部分断面図である。 図6(a)〜図6(d)は、締付けられたクランクシャフトを有する装置の部 分断面図であり、使用される連結ピン及び研削工具、研削盤の位置を異なる加工 段階で示している。 図1に示す研削装置は、テーブル1と、テーブル1の上に配置されたワーク主 軸台2と、テーブル1の上に同様に配置された心押台13とを有する。公知の態 様で、例えば、ワーク主軸台2と心押台13はスリーブを有し、スリーブは、例 えば、図示しない油圧シリンダーによって水平方向に移動可能である。スパイク 3がワーク主軸台2に配置され、スパイク14が、スリーブの心押台側に配置さ れている。好ましい実施例のスパイク3及び14の設計を図2及び図3に示し、 また、後に説明する。クランクシャフト15は、スパイク3の主軸台側端部16 で締付けられており、クランクシャフト15の心押台側の端部は、スパイク14 で締付けられている。研削すべきクランクシャフト15の面全体を、かくして、 使用される研削盤に近づけることができる。同時に、クランクシャフトは、長手 方向の圧力なしで、又は所定の僅かな長手方向の張力で、スパイク3及び14の 間に締付けられかつ固定されている。長手方向の張力は、次いで、スリーブを移 動させる油圧シリンダーによって与えられる。 図2は、スパイク3の設計を示す。スパイク14は、同様な構成を有する。ワ ーク主軸台2のスパイク3は、クランクシャフト15の主軸台側端部16の対応 する中央ボア孔22に挿入される。スパイク3は、円筒状の長手方向の通路を有 し、その通路に、締付け要素4と協働する連結棒9が配置されている。締付け要 素4は、少なくとも3つの締付けジョー(clamping jaws)5を有し、締付けジョ ー5は、対応するクランクシャフト端部に係合するスパイクの部分の周回りに配 設され、かつ、対称的に配置され、スパイクの周囲の対応する溝に挿入され、か つそこに固定される。連結棒9は浮動状態に設けられ、図示しない油圧シリンダ ーによって、長手方向に移動可能である。締付け要素4の領域では、連結棒9は 円錐形又は切頭円錐形に形成されており、また、スパイク21の自由端と反対方 向にテーパされている。 図2に示す実施例の場合では、締付け要素4は締付けジョー5を有し、ロッド 9の円錐状ヘッド部分が長手方向に移動してクランクシャフト15の主軸台側端 部16から遠ざかる場合には、締付けジョーはクランクシャフト15のボア孔壁 に係合して、クランクシャフト15を締付ける。連結棒9によって締付けジョー 5に与えられ、またそれによってクランクシャフト15に、スパイク3に対応す る溝穴の領域で与えられる圧力は、連結棒9の水平位置によって調節することが できる(図の左に又は右に)。締付けジョー5は、外周に、締付けリング7を収 容するための溝孔を有する。締付けリング7、更なる締付けリング8は、スパイ ク3の締付けジョー5を保持し、締付けジョーの水平方向の移動を防止する。締 付けジョーは、垂直方向、すなわち、クランクシャフトの軸線に対して垂直方向 にのみ移動可能である。これらの締付けリングは、好ましくは、ゴムリングであ る。 図2から、クランクシャフト15は、連結棒9及び締付けジョー5によって、 クランクシャフトの軸線に対して垂直方向に与えられる圧力によって、ワーク主 軸台2又は心押台13に確りと連結される。心押台13とワーク主軸台2の相互 作用による、クランクシャフト15への長手方向の圧力は与えられず、又は、与 えられても、既知の研削装置の締付け装置の場合の長手方向の圧力よりもかなり 低い程度だけである。更に、心押台13のスリーブには圧力が与えられないよう になっていることから、長手方向の圧力を低減することができる。 締付けジョー5は、周回りに対称的に、かつ、それぞれ中心点に対して120 °だけ偏位して配置されているのが好ましい。ワーク主軸台2又は心押台13の スパイク又は案内端部21は、2つの隣接する締付けジョー5の間で、クランク シャフト15のそれぞれの端部の中央ボア孔22に延びるように構成されている 。 ワークは、所定の僅かな長手方向の張力を与えて締付けられている。連結棒9 は浮動状態で取付けられていると説明したが、これに関して、締付けジョー5は クランクシャフト15を径方向につかむのに役立ち、スパイクがクランクシャフ ト15の中央ボア孔に導入される間の径方向の案内は、クランクシャフト15の 長手方向端面と中央ボア孔との間の傾斜移行領域で、スパイク及びクランクシャ フト15の中央ボア孔によって引き継がれ、(傾斜移行領域は、例えば、スパイ クの60°の円錐状形状に対応)すなわち、スパイク及び切頭円錐体は、クラン クシャフト15を中央に案内する役割を果たす。 図3に示す実施例では、締付け要素は、スパイク3を締付ける締付けボール6 を有する。ボール6及び切頭円錐状ヘッド10を有する連結棒9は、図2を参照 しつつ説明した第1実施例の締付けジョー及び連結棒と同様な方法で相互作用す る。 図4に示す実施例では、研削装置は固定要素11を有し、固定要素11は、ク ランクシャフト15の主軸台側の端部16に押しつけ可能な外部チャックとして 構成されている。外部チャックは、また、クランクシャフト15(図1)の心押 台側の端部17に設けらていてもよい。クランクシャフトに押しつけられたチャ ック11は、長手方向の圧力なしで、又は所定の僅かな長手方向の張力を与えて 、クランクシャフト15の取付けと固定を支援する。なぜなら、チャック11は 、クランクシャフト15を対応するスパイクに引き寄せるからである。2つの締 付けジョーの形態で設けられたチャック11は、例えば、図4に示す位置に回動 可能に設けられ、また締付け位置から垂直方向に遠ざかって移動され、それによ り、他の研削工程によれば、チャック11によって覆われるクランクシャフト1 5の主軸台側の端部16をも研削するのが可能になる。 図4に示すように、前進可能であり、また適切な輪郭を有する2つの異なる研 削盤I及びIIが、クランクシャフト面を研削するのに使用される。この目的で 、研削盤Iは、クランクシャフトの円筒状端部だけでなく、その軸受L1、L6 、更に径方向の面をも共に研削することができるように案内される。研削盤II は、クランクシャフトの残りの領域を研削し、かくして、クランクシャフトの研 削を1回の締付けで完了することができる。 更なる固定要素12を、クランクシャフト15の主軸台側の端部16及び心押 台側の端部17に配置することができる。図5に示す実施例の場合では、この固 定要素12は、クランクシャフト15のフランジに配置されている。固定装置又 は固定要素12は、クランクシャフト15を基本的にはクランクシャフト軸線の 方向、かつ、クランクシャフト15の端部に隣接するワーク主軸台の方向に、又 は、もし、固定装置12が、クランクシャフト15の心押台端部に配置されてい るなら、心押台13の方向に、基本的に長手方向に引っ張り、かつ、締付ける。 固定要素12は、クランクシャフト15のそれぞれの端部のフランジの後部を把 持し、指定されたスパイク3又は14に抗して締付ける。 図6は、異なる位置に位置決めできる研削工具19に与えられた装置の更なる 実施例を示す。図6(a)〜図6(d)に示す実施例の場合には、それぞれ、ス パイクとして構成されているキャッチ18によって、ワーク主軸台2がクランク シャフト15に、又は、心押台13がそれに向かって位置しているクランクシャ フト15に連結される。スパイク18によって、ワーク主軸台2はクランクシャ フト15に、更には、クランクシャフト15を心押台13に連結することができ る。 スパイク18は、水平方向に、クランクシャフトの軸線と平行に移動させるこ とができる。スパイク18は、研削工具19のそれぞれの位置による、挿入可能 である。特に、研削工具19がクランクシャフト(図6(b))の心押台端部に 位置決めされているとき、スパイク18は、ワーク主軸台2とクランクシャフト 15との間に延びる。他方、研削工具19が、クランクシャフト15の主軸台側 の端部に位置決めされているとき、スパイク18は、クランクシャフト15と心 押台13(図6(c))との間に挿入される。これらのスパイク18はクランク シャフト15のクランクアームに向かって位置していて、それらに係合する。ク ランクシャフト15のクランクアームと確実に係合する部品は、また、スパイク 18として使用することができ、この領域でクランクシャフトを研削するときは 、邪魔にならないように、これらの部品を旋回させることができる。 最後に、上記の方法によって、特にクランクシャフトの研削をクランクシャフ トに作用する長手方向の圧縮力を与えることなく、必要な研削盤を用いて、ワー クの1回の締付けで、1つかつ同じ研削装置での一連の工程によって完了するこ とが初めて可能になることを強調する。従来必要であった、締付けたり、外した りを繰り返すことがなくなるので、これによって、製造コストをかなり削減でき 、また、精度をかなり向上させることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.クランクシャフトを、研削装置のワーク主軸台と心押台のスパイクとの間に 、長手方向の張力を与えて締付け、クランクシャフトのすべての軸受、リフティ ング軸受、フランジ、クランクピン及び端面の研削を、適切な輪郭を有する少な くとも2つの研削盤を使用して、1回の締付けで完了させるクランクシャフトの 研削方法。 2.それぞれが、クランクシャフト軸線の延長に配置され、クランクシャフト( 15)を長手方向端部(16、17)で収容することを意図した軸受を有する、 ワーク主軸台(2)と心押台(13)とを備え、クランクシャフト(15)が、 長手方向の圧力なしで軸受に収容される装置において、クランクシャフトの中央 取付けのために、ワーク主軸台(2)と心押台(13)のそれぞれは、クランク シャフトの両端の芯だしボア孔と係合するスパイクを有し、更に、クランクシャ フト(15)を、ワーク主軸台(2)と心押台(13)との間で長手方向の張力 を与えて締付ける装置が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載され た方法を行うための装置。 3.少なくともワーク主軸台(2)のスパイク(3)は長手方向に延びるボア孔 を有し、スパイク内で長手方向に移動可能な連結棒(9)の作用で、クランクシ ャフト(15)の心出しボア孔の内壁を押圧して、クランクシャフト(15)を 長手方向にスパイクに抗して引張る締付け要素(4)が配置されていること、を 特徴とする請求項2に記載の装置。 4.締付けジョー(5)が締付け要素として配置されること、を特徴とする請求 項3に記載の装置。 5.締付けボール(6)が締付け要素として配置されること、を特徴とする請求 項3に記載の装置。 6.連結棒(9)は、締付け要素(6)の領域に円錐状端部を有すること、を特 徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の装置。 7.クランクシャフト(15)とワーク主軸台(2)及び/又はクランクシャフ トと(15)と心押台(13)を連結するキャッチ(18)が、ワーク主軸台 (2)とクランクシャフト(15)との間、及び/又は心押台(13)とクラン クシャフト(15)との間にクランクシャフト軸線と平行に配置されていること 、を特徴とする請求項2に記載の装置。 8.キャッチ(18)が長手方向に移動可能であること、を特徴とする請求項7 に記載の装置。 9.キャッチ(18)が、ピンとして又は確実に嵌まるキャッチとして構成され ていること、を特徴とする請求項7又は8に記載の装置。 10.クランクシャフト(15)の締付けられた端部に抗して、クランクシャフト 軸線に対して垂直に押しつける締付け要素(11)が、主軸台側端部(16)及 び/又はクランクシャフト(15)の心押台端部(17)に配置されていること 、を特徴とする請求項2に記載の装置。 11.クランクシャフト(15)の端部(16)を取り囲み、それをスパイク(3 )に抗して長手方向に引っ張る固定要素(11)が、回動可能な締付けジョーと して構成されていること、を特徴とする請求項10に記載の装置。 12.クランクシャフトを長手方向の張力で締め付ける装置は、2つの回動可能な 締付けジョーの形態の固定要素(12)であり、固定要素(12)は、クランク シャフトの主軸台側の端部(16)及び/又は心押台側の端部(17)に、クラ ンクシャフトの軸線に基本的に平行で、かつ、クランクシャフト(15)のそれ ぞれの端部(16、17)に隣接するワーク主軸台(2)又は心押台(13)の 方向に係合し、かつクランクシャフト(15)のそれぞれの端部フランジの後部 を把持して、クランクシャフトを所定のスパイク(3、14)に抗して締付ける こと、を特徴とする請求項10に記載の装置。
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