JPH0940564A - 悪酔予防改善用組成物 - Google Patents

悪酔予防改善用組成物

Info

Publication number
JPH0940564A
JPH0940564A JP7211145A JP21114595A JPH0940564A JP H0940564 A JPH0940564 A JP H0940564A JP 7211145 A JP7211145 A JP 7211145A JP 21114595 A JP21114595 A JP 21114595A JP H0940564 A JPH0940564 A JP H0940564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
acid
shell membrane
hydrolysate
membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7211145A
Other languages
English (en)
Inventor
Senji Sakanaka
專二 阪中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP7211145A priority Critical patent/JPH0940564A/ja
Publication of JPH0940564A publication Critical patent/JPH0940564A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 卵殻膜の加水分解物を用いることにより、飲
酒による悪酔い、二日酔いを予防、治療することを目的
とする。 【解決手段】 卵殻膜の加水分解物を有効成分として含
有する悪酔いの予防改善用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲酒による悪酔
い、二日酔いの予防および治療に関し、特に卵殻膜より
調製した加水分解物を主成分として含有することによ
り、飲酒による悪酔い、二日酔いを軽減する悪酔いの予
防改善用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】「酒は百薬の長」という言葉があるよう
に、人類の長い歴史の中で種々のアルコール飲料が作り
出されてきた。一方で、「酒は百害あって一利なし」と
いう言葉が示すように度が過ぎると弊害を起こすことも
経験により知られている。アルコール飲料による弊害を
除くため、従来から宗教、教育または法的規制による飲
酒の取り締まり等が行われてきた。しかしながら、古来
から続く飲酒の習慣をなくすことが極めて難しいこと
は、飲酒の経験者が体験することである。アルコールの
過剰摂取による急性および慢性アルコール中毒などの疾
患やアルコールに起因した直接的、間接的な種々の疾患
が、わが国だけでなく諸外国においても社会的な問題と
なっている。わが国の飲酒人口は6400万人にも達
し、日本酒換算で5.5合以上を毎日飲酒する人数も2
20万人に達すると報告されている。また、わが国では
遺伝的にアルコール代謝能が弱い人が多くアルコールの
過剰摂取への何らかの予防処置が必要である。飲酒、特
に飲み過ぎによる悪酔い症状は、例えば皮膚紅潮、熟
感、動悸、頻脈、頭痛、悪心、嘔吐、口臭、気臭などの
症状として現れる。このような悪酔い症状の主な原因
は、アルコール代謝の代謝生成物であるアセトアルデヒ
ドが十分に代謝されず、そのまま体内に残留しているた
めであると考えられている。
【0003】従って、アルコール摂取に起因する症状を
緩和するには、アルコールの吸収を抑制する、またはア
ルコール代謝を促進し、アセトアルデヒドの毒性を低減
することにより悪酔い、二日酔いの症状の改善が可能で
あると考えられる。このような目的で、アルコール代謝
を促進する、またはアセトアルデヒドの急性毒性に対す
る予防効果のある物質として、これまでアラニン、グル
タミン酸、アスパラギン、システインなどのアミノ酸、
フラクトース、ピルビン酸、D−グリセルアルデヒド、
アスコルビン酸等が報告されている。また、蛋白質分解
物では、コーンペプチド、絹ペプチドのアルコール代謝
に関する報告がみられる。しかしながらこれらは体内へ
の吸収性、有効性評価、味覚、及び価格、供給等の面か
ら満足できるものではなく、目的とする効果を十分に発
揮する商品の開発は未だなされていない現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は悪酔
い、二日酔い改善に優れた効果を有する悪酔いの予防改
善用組成物を提供することを目的とするものである。鶏
卵は世界各地で食される重要なタンパク源である。しか
しながら卵殻膜は通常の蛋白質と異なり、ペプシン、ト
リプシンなどの消化酵素の作用を受けにくいものである
ため、卵殻膜は食品として十分に利用し難いという欠点
があり、大部分が廃棄されているのが現状である。そこ
で、本発明は卵殻膜を予め加水分解して消化酵素の作用
を受けやすく、またはそのまま消化吸収し易くし、卵殻
膜から得られる特殊かつ有用なペプチド類を利用してア
ルコール代謝を調節し、悪酔いを予防改善する組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様によ
れば、卵殻膜の加水分解物を有効成分とする悪酔いの予
防改善用組成物が提供される。本発明の第二の態様によ
れば、卵殻膜の加水分解物が,酸,アルカリ,またはタ
ンパク質分解酵素により加水分解したものである悪酔い
の予防改善用組成物が提供される。以下に本発明を更に
詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、卵殻膜を加水分解して
得られる卵殻膜加水分解物を有効成分とする組成物及び
これを添加することを特徴とする飲食品及び医薬の製造
法に関するものである。ここでいう組成物とは、通常、
人が摂取できるものであれば形状等は、特に限定するも
のではなく、一般に使用される種々の添加剤(香料、着
色料、糊料、膨化剤、保存剤、酸味料、甘味料、安定
剤、乳化剤)などを含んでいても良い。飲食品として、
清涼飲料、乳飲料、ジュース、チューインガム、チョコ
レート、キャンディー、キャラメル、焼き菓子、錠剤、
カプセル剤、トローチ剤、顆粒剤、麺、蒲鉾、カスター
ドクリーム、アルコール飲料、鶏卵加工品、炊飯米、ハ
ム、ソーセージ、ふりかけ、漬け物等があげられる。次
に、上述した卵殻膜について簡単に説明する。鶏卵の卵
殻部はクチクラ、卵殻、および卵殻膜から構成され、中
でも卵殻膜はおよそ90%のタンパク質を含み網目状と
なって内膜、外膜を形成している。卵殻膜タンパク質は
構成アミノ酸としてシステイン含量が多いことが特徴で
ある。システインはアセトアルデヒドの毒性を低減さ
せ、肝臓保護作用を有することが知られている。また卵
殻膜は同時に肝臓強化、アルデヒド代謝促進効果を有す
るアラニン、グルタミン等も構成成分として含んでい
る。しかし、卵殻膜そのままでは消化吸収性が悪く、体
内への利用効率が劣っている。本発明では予め加水分解
して、消化吸収性を高め、以て抗アルコール効果を増大
させている。
【0007】原料となる卵殻膜は以下のようにして得る
ことができる。すなわち、割卵工程において得られた生
卵殻(100kg)をパワーミル等で破砕し、シフター
で篩別(5〜10メッシュ)することによりシフター上
に卵殻膜を含有する画分(15kg)を得ることができ
る。これをさらに水洗、脱水、乾燥後(7kg)、混入
する卵殻を除去し卵殻膜が得られる(1.6kg)。得
られた卵殻膜を酸、アルカリ、またはタンパク質分解酵
素により加水分解することにより本発明の有効成分であ
る卵殻膜の加水分解物を得ることができる。本発明で用
いられる酸、アルカリとしては、特に限定されるもので
はないが、酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の
無機酸や、酢酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、乳
酸、フマル酸等の有機酸が、アルカリとしては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸
化アルミニウム、炭酸ナトリウム等が好適に使用され
る。例えば1Nのリン酸を用いた場合、80〜85℃で
10〜15時間反応させることにより加水分解物を得る
ことができる。酸、アルカリによる加水分解は、分解後
の中和により塩が生成されるため膜処理、イオン交換樹
脂等による脱塩工程を組み合わせることにより塩を除去
した後、卵殻膜の加水分解物として使用することもでき
る。
【0008】また、タンパク質分解酵素を用いる場合、
酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼおよびアルカリプ
ロテアーゼのいずれでも良く、特に限定するものではな
いが、酸性またはアルカリプロテアーゼを至適条件下で
処理した場合は、中和によって塩が生成されるため酸も
しくはアルカリによる加水分解と同様に脱塩工程を行っ
た後、卵殻膜の加水分解物として使用してもよい。本発
明で使用されるタンパク質分解酵素として市販の酵素
類、例えばパパイン、パンクレアチン、ペプシン、トリ
プシン、エラスターゼ、サモアーゼ(大和化成)、プロ
チン(大和化成)、フレーバーザイム(ノボノルディス
ク)、プロタメックス(ノボノルディスク)、ニュート
ラーゼ(ノボノルディスク)、アルカラーゼ(ノボノル
ディスク)、ニューラーゼ(天野製薬)、プロテアーゼ
M(天野製薬)、プロテアーゼA(天野製薬)、プロテ
アーゼN(天野製薬)、プロテアーゼP(天野製薬)、
プロテアーゼS(天野製薬)、プロレザー(天野製
薬)、モルシンF(盛進)、PD酵素(盛進)、IP酵
素(盛進)、AOプロテアーゼ(盛進)、オリエンター
ゼ(上田化学)、GODO−BNP(合同酒精)、GO
DOーBAP(合同酒精)、パンチターゼ(ヤクル
ト)、アロアーゼ(ヤクルト)、スミチーム(新日本化
学)、デビトラーゼ(萬邦通商)、ビオプラーゼ(ナガ
セ生化学)などが挙げられる。反応条件は用いる酵素に
より異なるが、例えばプロテアーゼMを用いる場合、p
Hは3〜6の範囲で、好ましくは4〜5が望ましく、温
度は30℃〜60℃、好ましくは50℃で反応を行うの
が良い。
【0009】卵殻膜の加水分解の程度は用いる用途によ
っても変わるが、一般に平均分子量が300〜2000
0の範囲となるようにすることが望ましい。平均分子量
が20000より大きいと消化、吸収および物性が低下
し、また300より小さいと加水分解物中の遊離アミノ
酸の割合が多くなり吸収性が低下する。このような加水
分解物を得るための分解条件は、用いる酵素の種類、量
および分解の温度、時間、pHならびに基質の濃度等を
適宜調整することにより得られる。ここで平均分子量は
既知の測定方法であれば特に限定することなく用いるこ
とができるが、例えばゲルろ過法により、既知の分子量
を持つ物質の溶出時間との比較により算出することがで
きる。本発明の有効成分である卵殻膜の加水分解物は、
アルコール飲用前または飲用中に体重1kg当たり0.
001g以上、好ましくは0.05g以上を摂取するこ
とにより効果を示すことができる。0.001gより少
ない場合は悪酔いの予防改善効果を十分に発揮すること
ができない。また、摂取上限値は特に限定されないが体
重1kg当たり10g以上の摂取は効果、コストの面か
ら必要ではない。以下,実施例、試験例により本発明を
更に詳しく説明する。
【0010】
【実施例】
実施例1 (酸による加水分解) 卵殻膜粉末10gに水500mlを加え、攪拌し懸濁液
を得た。得られたものに2Nのリン酸500mlを加
え、温度を85℃に保持して、12時間攪拌反応した。
その後、これに固形の水酸化カルシウムを徐々に加えな
がら冷却し、温度を20℃、pHを6.5に調整した。
沈殿を濾別し得られた溶液を凍結乾燥して、白色粉末を
得た。得られた粉末は無味で水に溶けやすい性質を示し
た。分子量分布をスーパーデックス・ペプチドカラム
(溶媒0.02Mリン酸バッファー+0.25M塩化ナ
トリウム、pH7.2)を用い標準物質としてビタミン
12(MW1355)、アプロチニン(MW650
0)、チトクロームC(MW12400)、リボヌクレ
アーゼA(MW13700)、ミオグロビンC(MW1
7600)、オボアルブミン(MW43000)を用い
たゲルろ過法により調べた結果、ほとんど1000以下
に分布していた。なお、沈殿の濾別による歩留まりは、
窒素に換算して73%であった。
【0011】実施例2 (アルカリによる加水分解) 卵殻膜粉末10gに水1000mlを加え、攪拌し懸濁
液を得た。得られたものに固形の水酸化ナトリウム6g
を徐々に添加し、温度を95℃に保持して24時間静置
した。その後、これに6Nの塩酸を加えてpHを7.5
に調整し、凍結乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末
は、やや塩味があり、水に容易に溶解する性質を示し、
実施例1と同様にゲルろ過法により分子量分布を確認し
たところ、2000〜6000の間に分布していた。 実施例3 (タンパク質分解酵素による加水分解) 卵殻膜粉末10gを200mlの水に懸濁し、プロテア
ーゼS(天野製薬)を50mg添加し、pH8.0、6
0℃で18時間反応させた。分解の度合いは、酵素処理
した試料のアミノ末端をTNBS(2,4,6ートリニ
トロベンゼンスルホン酸ナトリウム)を用いて発色させ
て、発色量の増加によって判断した。85℃、10分間
加熱し反応終了後、セライトろ過により沈殿を除去し
た。得られたろ液を凍結乾燥し白色粉末を得た。歩留ま
りは窒素に換算して68%であった。得られた粉末は水
に容易に溶解する性質を示し、実施例1と同様にゲルろ
過法により分子量分布を確認したところ、分子量200
00以下、平均分子量1000〜2000にまで分解さ
れていた。
【0012】実施例4 (タンパク質分解酵素による加
水分解) 卵殻膜粉末200gを1500mlの水に懸濁し、プロ
テアーゼ(DEBITRASE HYW20(萬邦通
商))を2g添加し、pH7.0、50℃で12時間反応
させた。分解の度合いは実施例3と同様の方法で判断し
た。85℃、10分間加熱処理し反応を終了させ、セラ
イトろ過により沈殿を除去した。得られたろ液を噴霧乾
燥し白色粉末144gを得た。得られた粉末はほとんど
苦みが無く、水に容易に溶解する性質を示した。実施例
1と同様にゲルろ過法により分子量分布を確認したとこ
ろ、平均分子量2000〜4000にまで分解されてい
た。
【0013】 実施例5 (清涼飲料) 濃縮レモン果汁 6 (重量部) クエン酸 0.2 クエン酸ナトリウム 0.2 Lーアスコルビン酸 0.02 香料 0.01 実施例1で得た卵殻膜の加水分解物 5 炭酸水 残 量 計 100.00 上記処方に従って清涼飲料を製造した。清涼飲料100
g中には本発明の有効成分である卵殻膜の加水分解物が
5g含まれている。
【0014】 実施例6 (ジュース) 濃縮グレープ果汁 5 (重量部) 砂糖 7 クエン酸 0.2 Lーアスコルビン酸 0.02 香料 0.15 実施例3で得た卵殻膜の加水分解物 6 水 残 量 計 100.00 上記処方に従ってジュースを製造した。ジュース100
g中には本発明の有効成分である卵殻膜の加水分解物が
6g含まれている。
【0015】 実施例7 (チューインガム) ガムベース 25 (重量部) 炭酸カルシウム 0.5 砂糖 53.5 水飴 10 グリセリン 0.5 香料 0.5 実施例2で得た卵殻膜の加水分解物 10 計 100.0 上記処方に従ってチューインガムを製造した。チューイ
ンガム100g中には本発明の有効成分である卵殻膜の
加水分解物が10g含まれている。
【0016】 実施例8 (チョコレート) カカオマス 18.0(重量部) カカオバター 18.0 粉乳 15.0 砂糖 38.5 レシチン 0.5 実施例3で得た卵殻膜の加水分解物 10.0 計 100.0 上記処方に従ってチョコレートを製造した。チョコレー
ト100g中には本発明の有効成分である卵殻膜の加水
分解物が10.0g含まれている。
【0017】 実施例9 (キャンディー) 砂糖 40.0(重量部) 水飴 54.0 香料 1.0 実施例2で得た卵殻膜の加水分解物 5.0 計 100.0 上記処方に従ってキャンディーを製造した。キャンディ
ー100g中には本発明の有効成分である卵殻膜の加水
分解物が5.0g含まれている。
【0018】 実施例10 (キャラメル) 砂糖 30.0(重量部) 水飴 20.0 粉乳 34.0 硬化油 4.0 食塩 0.6 バニラフレーバー 0.02 実施例1で得た卵殻膜の加水分解物 8.0 水 3.38 計 100.0 上記処方に従ってキャラメルを製造した。キャラメル1
00g中には本発明の有効成分である卵殻膜の加水分解
物が8.0g含まれている。
【0019】 実施例11 (錠剤) コーンスターチ 12.0(重量部) 結晶セルロース 14.0 ステアリン酸マグネシウム 1.0 乳糖 43.0 実施例3で得た卵殻膜の加水分解物 30.0 計 100.0 上記処方に従って均一に混合した後、圧縮成型し、1錠
150mgの錠剤を製造した。この錠剤中には本発明の
有効成分である卵殻膜の加水分解物が45.0mg含ま
れている。
【0020】 実施例12 (カプセル剤) 乳糖 52.0(重量部) コーンスターチ 6.7 ポリビニルピロリドン 1.3 実施例3で得た卵殻膜の加水分解物 40.0 計 100.0 上記処方に従って均一に混合し、ゼラチンカプセルに各
々、混合物400mgを充填した。このカプセルには本
発明の有効成分である卵殻膜の加水分解物が160.0
mg含まれている。
【0021】試験例1 5週令のSD系ラット(雄)20匹を1週間予備飼育の
後に1夜絶食させ実施例1で得られた本発明の有効成分
である卵殻膜の加水分解物10mgを2mlの生理食塩
水に溶解し経口投与した。30分後に、50%エタノー
ル液3mlを経口投与し、一般症状の変化を観察した。
さらに投与後の体重、摂餌量の変化も観察した。その結
果、対照として投与した生理食塩水の場合は50%エタ
ノール液投与直後から死亡ないし重度の昏睡例がみられ
たのに対し、本発明の有効成分である卵殻膜の加水分解
物を投与した場合は、軽度の昏睡例がみられたのみであ
った。また、体重増加、摂餌量は生理食塩水投与群では
減少したが、本発明の有効成分投与群では体重増加、摂
餌量の減少は全く見られなかった。このことから本発明
の有効成分はアルコールの大量摂取による生体への悪影
響を軽減することが確認された。また、加水分解を行っ
ていない卵殻膜、及び卵白由来の加水分解物も同様に試
験したが、生理食塩水投与群と同様アルコール大量摂取
による生体への悪影響の軽減効果はみられなかった。
【0022】試験例2 実施例3で得られた本発明の有効成分である卵殻膜の加
水分解物を用い、飲酒の習慣をもち、かつ二日酔いの経
験のある成年男子20名を対象にし飲酒30分前に一人
当たり4.0gを摂取させた後、各人が過去において二
日酔いを経験したときのアルコール量に合わせて飲酒し
て貰い、本発明の有効成分である卵殻膜の加水分解物の
摂取し易さ、および二日酔い症状の発生状況等を調べ
た。その結果、本発明の有効成分である卵殻膜の加水分
解物を摂取したすべての被験者において、飲みやすく、
かつ飲酒後の二日酔いの症状は全く見られなかった。か
つ、被験者20人中15人から本発明の有効成分である
卵殻膜の加水分解物を摂取後は極めて爽快であったとの
感想を得た。
【0023】試験例3 実施例5〜12で得られた本発明の悪酔いの予防改善用
組成物を用いて、飲酒の経験をもち、かつ二日酔いの経
験のある成年男女18名を対象にし飲酒30分前に各組
成物を各2人が摂取した結果を下記表に記した。各組成
物を摂取した後、各人が過去において二日酔いを経験し
たときのアルコール量に合わせて飲酒して貰い、各製品
の摂取し易さ、および二日酔い症状の発生状況等を調べ
た。対照として飲酒前に何も摂取しない群(対照)も同
時に試験した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】摂取し易さの評価は、◎;非常に良い、
○;良い、△;普通、×;悪い、××;非常に悪い、の
5段階で行った。また、二日酔い症状は、◎;全くな
し、○;なし、△;わずかあり、×;かなりあり、×
×;ひどくあり、の5段階で行った。表1に示すように
本発明の悪酔いの予防改善用組成物を含有する実施例5
〜12の製品は摂取し易さに優れ、かつ二日酔い症状の
予防、改善において良好な結果を示し、何も摂取しなか
った対照群と比べ明らかな差異がみられた。
【0026】本発明の実施態様ならびに目的成生物を挙
げれば以下のとおりである。 (1)卵殻膜の加水分解物を有効成分とする悪酔いの予
防改善用組成物。 (2)卵殻膜の加水分解物が酸、アルカリ、またはタン
パク質分解酵素により加水分解したものである(1)記
載の悪酔いの予防改善用組成物。 (3)酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン
酸、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸より選ばれる
1種または2種以上である前記(2)の悪酔いの予防改
善用組成物。 (4)酸が塩酸である前記(2)の悪酔いの予防改善用
組成物。 (5)酸が硫酸である前記(2)の悪酔いの予防改善用
組成物。 (6)酸が硝酸である前記(2)の悪酔いの予防改善用
組成物。 (7)酸がリン酸である前記(2)の悪酔いの予防改善
用組成物。 (8)酸が酢酸である前記(2)の悪酔いの予防改善用
組成物。 (9)酸がクエン酸である前記(2)の悪酔いの予防改
善用組成物。
【0027】(10)酸がコハク酸である前記(2)の
悪酔いの予防改善用組成物。 (11)酸がリンゴ酸である前記(2)の悪酔いの予防
改善用組成物。 (12)酸が乳酸である前記(2)の悪酔いの予防改善
用組成物。 (13)酸がフマル酸である前記(2)の悪酔いの予防
改善用組成物。 (14)アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸ナト
リウムより選ばれる1種または2種以上である前記
(2)の悪酔いの予防改善用組成物。 (15)アルカリが水酸化ナトリウムである前記(2)
の悪酔いの予防改善用組成物。 (16)アルカリが水酸化カリウムである前記(2)の
悪酔いの予防改善用組成物。 (17)アルカリが水酸化カルシウムである前記(2)
の悪酔いの予防改善用組成物。 (18)アルカリが水酸化アルミニウムである前記
(2)の悪酔いの予防改善用組成物。 (19)アルカリが炭酸ナトリウムである前記(2)の
悪酔いの予防改善用組成物。
【0028】(20)タンパク質分解酵素がアルカリプ
ロテアーゼ、中性プロテアーゼ、酸性プロテアーゼより
選ばれる1種または2種以上である前記(2)の悪酔い
の予防改善用組成物。 (21)タンパク質分解酵素がアルカリプロテアーゼで
ある前記(2)の悪酔いの予防改善用組成物。 (22)タンパク質分解酵素が中性プロテアーゼである
前記(2)の悪酔いの予防改善用組成物。 (23)タンパク質分解酵素が酸性プロテアーゼである
前記(2)の悪酔いの予防改善用組成物。 (24)悪酔いの予防改善用組成物として(2)記載の
組成物を添加することを特徴とする飲食品の製造法。 (25)飲食品が清涼飲料、乳飲料、ジュース、チュー
インガム、チョコレート、キャンディー、キャラメル、
焼き菓子、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、顆粒剤、
麺、蒲鉾、カスタードクリーム、アルコール飲料、鶏卵
加工品、炊飯米、ハム、ソーセージ、ふりかけ、漬け物
より選ばれることを特徴とする(24)記載の製造法。
【0029】(26)飲食品が清涼飲料であることを特
徴とする(24)記載の製造法。 (27)飲食品が乳飲料であることを特徴とする(2
4)記載の製造法。 (28)飲食品がジュースであることを特徴とする(2
4)記載の製造法。 (29)飲食品がチューインガムであることを特徴とす
る(24)記載の製造法。 (30)飲食品がチョコレートであることを特徴とする
(24)記載の製造法。 (31)飲食品がキャンディーであることを特徴とする
(24)記載の製造法。 (32)飲食品がキャラメルであることを特徴とする
(24)記載の製造法。 (33)飲食品が焼き菓子であることを特徴とする(2
4)記載の製造法。 (34)飲食品が錠剤であることを特徴とする(24)
記載の製造法。
【0030】(35)飲食品がカプセル剤であることを
特徴とする(24)記載の製造法。 (36)飲食品がトローチ剤であることを特徴とする
(24)記載の製造法。 (37)飲食品が顆粒剤であることを特徴とする(2
4)記載の製造法 (38)飲食品が麺であることを特徴とする(24)記
載の製造法。 (39)飲食品が蒲鉾であることを特徴とする(24)
記載の製造法。 (40)飲食品がカスタードクリームであることを特徴
とする(24)記載の製造法。 (41)飲食品がアルコール飲料であることを特徴とす
る(24)記載の製造法。 (42)飲食品が炊飯米であることを特徴とする(2
4)記載の製造法。
【0031】(43)飲食品がハムであることを特徴と
する(24)記載の製造法。 (44)飲食品がソーセージであることを特徴とする
(24)記載の製造法。 (45)飲食品がふりかけであることを特徴とする(2
4)記載の製造法。 (46)飲食品が漬け物であることを特徴とする(2
4)記載の製造法。 (47)悪酔いの予防改善用組成物として(2)記載の
組成物を添加することを特徴とする医薬品の製造法。 (48)卵殻膜の加水分解物の平均分子量が300〜2
0000の範囲であることを特徴とする(1)〜(4
7)記載の組成物。 (49)卵殻膜の加水分解物の添加量が体重1kg当た
り0.001g以上であることを特徴とする(1)〜
(48)記載の組成物。
【0032】
【発明の効果】本発明の悪酔いの予防改善用組成物は、
飲酒の前後または飲酒中に摂取すれば飲酒により惹起さ
れる不快感、悪酔いを防止することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵殻膜の加水分解物を有効成分とする悪
    酔いの予防改善用組成物。
  2. 【請求項2】 卵殻膜の加水分解物が、酸,アルカリ,
    またはタンパク質分解酵素により加水分解したものであ
    る請求項1記載の悪酔いの予防改善用組成物。
JP7211145A 1995-07-26 1995-07-26 悪酔予防改善用組成物 Pending JPH0940564A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7211145A JPH0940564A (ja) 1995-07-26 1995-07-26 悪酔予防改善用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7211145A JPH0940564A (ja) 1995-07-26 1995-07-26 悪酔予防改善用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0940564A true JPH0940564A (ja) 1997-02-10

Family

ID=16601133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7211145A Pending JPH0940564A (ja) 1995-07-26 1995-07-26 悪酔予防改善用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0940564A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000204038A (ja) * 1999-01-12 2000-07-25 Masatsugu Tanaka ピルビン酸欠乏症及び/または高乳酸血症の予防及び/または治療剤
JP2001081036A (ja) * 1999-09-09 2001-03-27 Nichiro Corp 悪酔いや二日酔いの予防用および改善用組成物とその製造方法
JP2002530335A (ja) * 1998-11-23 2002-09-17 フアーマシア アクチエボラグ 急速経粘膜吸収を与えるニコチン含有医薬組成物
JP2003246741A (ja) * 2002-02-25 2003-09-02 Q P Corp 経口用肌改善剤及び肌改善用食品組成物、並びに肌改善方法
JP2004203812A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Kanebo Ltd 経口組成物及びそれを有効成分とする美白剤
JP2004229534A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Yukio Hasebe 加水分解卵殻膜含有飲料
JP2004321095A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Q P Corp 飲食品組成物
JP2008007419A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Ifuji Sangyo Co Ltd 鶏卵卵殻膜を原料とするタンパク質分解酵素による卵殻膜加水分解物とその製法、並びにこれらを添加した機能物
US20100029564A1 (en) * 2007-10-17 2010-02-04 Biova, L.L.C. Novel process of solubilizing protein from a proteinaceous material and compositions thereof
WO2012029529A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 天野エンザイム株式会社 酵素を用いた卵殻膜の可溶化方法
US8197852B2 (en) * 2007-10-17 2012-06-12 Biova, L.L.C. Process for solubilizing protein from a proteinaceous material and compositions thereof
JP2016098206A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 長谷部 由紀夫 加水分解卵殻膜粉末およびその製造方法
JP2017128521A (ja) * 2016-01-19 2017-07-27 ロート製薬株式会社 コラーゲンリモデリング剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法。
JP2017128520A (ja) * 2016-01-19 2017-07-27 ロート製薬株式会社 ルミカン産生促進剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法。
CN109045286A (zh) * 2018-08-27 2018-12-21 微康细胞生命科技(深圳)有限公司 一种减小饮酒反应、降低酒精肝损伤的组合物及应用
CN110699411A (zh) * 2019-11-07 2020-01-17 江南大学 一种蛋壳膜多肽的制备方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002530335A (ja) * 1998-11-23 2002-09-17 フアーマシア アクチエボラグ 急速経粘膜吸収を与えるニコチン含有医薬組成物
JP2000204038A (ja) * 1999-01-12 2000-07-25 Masatsugu Tanaka ピルビン酸欠乏症及び/または高乳酸血症の予防及び/または治療剤
JP2001081036A (ja) * 1999-09-09 2001-03-27 Nichiro Corp 悪酔いや二日酔いの予防用および改善用組成物とその製造方法
JP2003246741A (ja) * 2002-02-25 2003-09-02 Q P Corp 経口用肌改善剤及び肌改善用食品組成物、並びに肌改善方法
JP2004203812A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Kanebo Ltd 経口組成物及びそれを有効成分とする美白剤
JP2004229534A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Yukio Hasebe 加水分解卵殻膜含有飲料
JP2004321095A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Q P Corp 飲食品組成物
JP2008007419A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Ifuji Sangyo Co Ltd 鶏卵卵殻膜を原料とするタンパク質分解酵素による卵殻膜加水分解物とその製法、並びにこれらを添加した機能物
US8197852B2 (en) * 2007-10-17 2012-06-12 Biova, L.L.C. Process for solubilizing protein from a proteinaceous material and compositions thereof
US20100029564A1 (en) * 2007-10-17 2010-02-04 Biova, L.L.C. Novel process of solubilizing protein from a proteinaceous material and compositions thereof
US8211477B2 (en) * 2007-10-17 2012-07-03 Biova, L.L.C. Solubilized protein composition obtained from eggshell membrane
US8425943B2 (en) 2007-10-17 2013-04-23 Biova, L.L.C. Method of treatment using solubilized protein composition obtained from eggshell membrane
WO2012029529A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 天野エンザイム株式会社 酵素を用いた卵殻膜の可溶化方法
CN103069000A (zh) * 2010-08-31 2013-04-24 天野酶株式会社 使用了酶的蛋壳膜的溶解方法
US10526423B2 (en) 2010-08-31 2020-01-07 Amano Enzyme Inc. Eggshell membrane solubilization method using enzymes
JP2016098206A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 長谷部 由紀夫 加水分解卵殻膜粉末およびその製造方法
JP2017128521A (ja) * 2016-01-19 2017-07-27 ロート製薬株式会社 コラーゲンリモデリング剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法。
JP2017128520A (ja) * 2016-01-19 2017-07-27 ロート製薬株式会社 ルミカン産生促進剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法。
CN109045286A (zh) * 2018-08-27 2018-12-21 微康细胞生命科技(深圳)有限公司 一种减小饮酒反应、降低酒精肝损伤的组合物及应用
CN110699411A (zh) * 2019-11-07 2020-01-17 江南大学 一种蛋壳膜多肽的制备方法
CN110699411B (zh) * 2019-11-07 2021-10-22 江南大学 一种蛋壳膜多肽的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5890175B2 (ja) 血中移行性の高いコラーゲンペプチド組成物及びこれを含有する飲食品
JPH0940564A (ja) 悪酔予防改善用組成物
JP3487215B2 (ja) 苦味の低減した食品及び飲料
US5389371A (en) Areca food additives and its foods
JP3782122B2 (ja) 経口摂取用新陳代謝促進剤およびそれを配合した食品
EA029869B1 (ru) Способ получения обогащенного триптофаном гидролизата лизоцима и композиция, содержащая гидролизат
JP2623044B2 (ja) 透明なローヤルゼリー溶液の製造法
JPS6049751A (ja) 食品組成物
JP2006273850A (ja) 血中乳酸値上昇抑制組成物及びそれを含有する飲食品
JP2008118887A (ja) 飲食品及び苦味マスキング剤
JP5224680B2 (ja) 抗疲労剤
US20100286034A1 (en) Uses for aqueous streams containing proteins
JP4045401B2 (ja) 蛋白質分解酵素によるローヤルゼリーの分解組成物とそれを含有する食品組成物
JP7428480B2 (ja) 睡眠改善用組成物及び組成物を含む食品、医薬品、飼料
US8357776B2 (en) Composition for suppressing re-elevation of cholesterol, and usage thereof
KR20090046250A (ko) 항고혈압 및 항산화 기능성 난백 펩티드의 제조방법
KR20170069464A (ko) 카르시니아캄보지아 추출물을 함유한 건강보조식품
KR100228743B1 (ko) 고에너지 과자 조성물
JP3905989B2 (ja) 飲食品用水
JPH0198445A (ja) 経口摂食組成物
JP2019041696A (ja) 経口用組成物
JP6514502B2 (ja) 焦燥感改善剤
JPH0523134A (ja) 骨強度増強促進剤及びこれを含有する食品類
JP2020097535A (ja) 血圧を降下させるための組成物
JP6514500B2 (ja) 関節痛及び腰痛改善剤