JP2004229534A - 加水分解卵殻膜含有飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚に生じた種々の障害、生体内損傷部位の回復、生体における免疫力向上や代謝促進、生体内に生成した活性酸素の低減又は消去、育毛、発毛促進及び/又は脱毛防止、皮膚の老化、肌荒れ防止、皮膚疾病の予防や改善等の作用を有し、生体を良好な状態にすることのできる、経口摂取型の製品の提供。
【解決手段】加水分解卵殻膜を有効成分として含有する飲料。該飲料は、β−カロチン、ビタミン類及びローヤルゼリーのうちの少なくも1種を更に含有することが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】加水分解卵殻膜を有効成分として含有する飲料。該飲料は、β−カロチン、ビタミン類及びローヤルゼリーのうちの少なくも1種を更に含有することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加水分解卵殻膜を含有する飲料に関する。加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、皮膚に生じた擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの治癒効果、生体内損傷部位の回復、生体における免疫力向上や代謝促進、生体内に生成した活性酸素の低減または消去、育毛、発毛促進および/または脱毛防止、皮膚の老化、肌荒れ防止、皮膚疾病の予防や改善などの作用を有し、生体を良好な状態にすることができる。
【0002】
【従来の技術】
卵殻膜は、鶏卵などの鳥類の卵の卵殻の内側にある膜で、内外2枚からなり、外卵殻膜は卵殻内面に密着し、内卵殻膜は卵白を包んでいる。卵殻膜は、強靭な繊維性のタンパク質よりなりなり、オポケラチンとオポムシンを主成分とする。
卵殻膜は、皮膚の再生を促進する働きを有することが従来から知られており、かかる点から、相撲部屋などでは、擦り傷に卵殻膜を擦りつけて傷の手当を行うことが従来か行われていた。
【0003】
一方、ヒトの皮膚は、表面にある上皮層と、その下の結合組織性の真皮層からなっており、真皮層を構成するタンパク質は主としてコラーゲンであり、他にエラスチン、アルブミン、グロブリン、ムチンよりなっている。
真皮層を構成するコラーゲンは、主としてα1(I)型コラーゲン[以下「(I)型コラーゲン」という]およびα1(III)型コラーゲン[以下「(III)型コラーゲン」という]であり、(I)型コラーゲンは主として皮膚の構造維持、また(III)型コラーゲンは主として皮膚への柔軟性の付与とそれぞれ異なった機能を果たしている。
皮膚における(I)型コラーゲンと(III)型コラーゲンの割合は定常的ではなく、加齢に伴って変化する。(III)型コラーゲンは胎児型コラーゲンとも呼ばれるように皮膚の老化と密接な関係があり、胎児のときに最も多く、10代から減り始め、その後は減少の一途をたどる。
【0004】
皮膚における(III)型コラーゲンの割合を増すことができれば、加齢による皮膚の老化を止め、肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態に保つことができる。
かかる点から、皮膚におけるコラーゲン、特に(III)型コラーゲンの生成を促進したり、保湿作用を発揮させるために、皮膚の再生を促進する作用を有する卵殻膜を加水分解して水溶性にし、その加水分解卵殻膜を化粧料に添加することが行われるようになっており、一部実用化されている。
【0005】
上記のように、卵殻膜および加水分解卵殻膜は、従来から使用されてきたが、その使用形態は人体に外部から施す場合(外用)に限られており、経口で積極的に摂取することは従来行われていない。そのため、卵殻膜や加水分解卵殻膜を経口で摂取した際の作用効果は知られていなかった。
【0006】
一方、スポーツ活動、特に各種競技用スポーツ活動では、激しいトレーニングなどによって、皮膚だけでなく、筋肉、腱、靭帯、骨などに損傷や障害を受けることが多い。スポーツ活動で生じた損傷や障害の治療に際しては、従来、炎症の治療や、皮膚に受けた外傷の治療が大半であって、筋肉、腱、靭帯などの身体内の組織や器官などに生じた損傷や障害については有効な治療方法がないのが現状であった。かかる点から、皮膚に生じた外傷だけではなく、筋肉、腱、靭帯などの身体内の組織や器官などに生じた損傷や障害をも効果的に治癒できる物質の開発が求められていた。
【0007】
さらに、生体内に活性酸素が蓄積すると、老化、心疾患、ガン、疲労、細胞の侵食などの様々な疾病が生じ易いことが近年広く知られるようになっており、赤ワイン、緑茶、ウーロン茶、ブドウ種子抽出物などに含まれるポリフェノール類が活性酸素消去能を有することが数多く報告されている。しかしながら、活性酸素の低減作用や消去能を有する薬剤や食品の多様化の点から、前記した製品以外のより多くの薬剤や食品の開発が望まれている。
【0008】
また、育毛や発毛促進用として種々の医薬品が販売されているが、その大半は頭髪や頭部に直接施す液状の外用薬である。従来の外用の育毛・発毛促進剤は、頭部に振りかける液剤の量の調整がしにくいという欠点があり、また必ずしも優れた育毛・発毛促進作用を示すとは限らず、かかる点から、決められた所定の量を経口で簡単に摂取することができ、それによって優れた育毛、発毛促進、脱毛防止作用を示す製品の開発が求められてきた。しかしながら、そのような要求を十分に満足する、経口摂取型の育毛、発毛促進、脱毛防止用の製品は未だ得られていないのが現状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スポーツ活動やその他の原因で生じた皮膚の損傷などの外傷だけではなく、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害をも効果的に治癒することのできる、経口摂取型の製品を提供することである。
さらに、本発明の目的は、生体に種々の弊害をもたらす活性酸素の低減または消去作用を有し、また身体の免疫力の向上、代謝促進による身体機能の向上や肥満防止作用などを有する、経口摂取型の製品を提供することである。
そして、本発明の目的は、外用薬ではなく、経口で摂取することによって、育毛、発毛促進、脱毛防止などの効果を発揮することのできる、経口摂取型の育毛・発毛促進用の製品を提供することである。
また、本発明の目的は、皮膚に含まれるコラーゲンの形成を促進して、皮膚の老化や肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にすることができ、更には湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進に有効な、経口で摂取可能な製品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、加水分解卵殻膜を含有する飲料が、皮膚に生じた擦り傷などの外傷の治癒に効果があり、しかもそれだけではなくて、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害を効果的に治癒する効果を有すること、また生体に種々の弊害をもたらす活性酸素の低減または消去作用を有し、さらには身体の免疫力の向上、代謝促進作用などを有することを見出した。
さらに、本発明者らは、加水分解卵殻膜を含有する飲料は、育毛、発毛促進、脱毛防止などの効果を発揮すること、また皮膚に含まれるコラーゲンの形成を促進して、皮膚の老化や肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にし、さらに湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進にも有効であることを見出した。
【0011】
また、本発明者らは、加水分解卵殻膜を含有する飲料中に、β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーの少なくとも1種を更に含有させると、加水分解卵殻膜の有する上記した種々の優れた作用効果がより促進されることを見出し、そられの知見に基づいて本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1) 加水分解卵殻膜を有効成分として含有することを特徴とする、飲料である。
【0013】
そして、本発明は、
(2) 加水分解卵殻膜を0.001〜5質量%の割合で含有する前記(1)の飲料;および、
(3) β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーのうちの少なくも1種をさらに含有する前記(1)または(2)の飲料;
である。
【0014】
そして、本発明は、
(4) スポーツ飲料である前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;
(5) 生体内損傷部位の回復用の飲料である前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;
(6) 免疫力向上用および/または代謝促進用の飲料である前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;
(7) 生体内に生成した活性酸素の低減または消去用の飲料である前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;
(8) 育毛、発毛促進および/または脱毛防止用の飲料である前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;および、
(9) 皮膚の老化、肌荒れおよび/または皮膚疾病の予防および/または改善用の飲料である前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;
である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる加水分解卵殻膜は、鳥類の卵の卵殻の内側にある膜(外卵殻膜および/または内卵殻膜)を加水分解して、水やアルコールなどの溶媒に可溶性にしたものである。本発明では、鳥類の卵殻膜を加水分解して水やアルコールなどの溶媒に可溶にした加水分解卵殻膜であればいずれも使用でき、そのうちでも、鶏卵の卵殻膜を加水分解してなる加水分解卵殻膜が入手の容易性、コストなどの点から好ましく用いられる。加水分解卵殻膜は、従来から知られており、例えば、キューピー株式会社から粉末の形態(キューピー株式会社製「EM−プロテイン−P」)または溶液の形態(キューピー株式会社製「EM−プロテインL])で市販されている。本発明では、そのような市販の加水分解卵殻膜をそのまま使用することができる。
特に、粉末形態の加水分解卵殻膜を使用すると、本発明の飲料中での加水分解卵殻膜の濃度の調整を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の飲料における加水分解卵殻膜の含有量は特に制限されないが、皮膚における擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの外傷の治癒効果、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害の治癒効果、生体内での活性酸素の低減効果、身体の免疫力の向上効果、代謝促進効果、育毛、発毛促進、脱毛防止効果、皮膚の老化や肌荒れを防止効果、コストなどの点から、飲料の全質量に対して、加水分解卵殻膜を0.001〜5質量%の割合で含有することが好ましく、0.01〜3質量%の割合で含有することがより好ましく、0.05〜2.5質量%の割合で含有することが更に好ましい。
飲料における加水分解卵殻膜の含有量が0.001質量%未満であると、上記した種々の効果を奏しにくくなる。一方、飲料における加水分解卵殻膜の含有量が5質量%を超えると、飲みにくくなったり、コストの上昇などを招き易い。
【0017】
本発明の飲料は、加水分解卵殻膜の体内での吸収を速め、本発明による上記した種々の効果を十分に発揮させるために、加水分解卵殻膜と共に、β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーのうちの少なくも1種を含有することが好ましく、β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーの3者を含有することがより好ましい。
【0018】
本発明の飲料中に含有させるビタミンの種類は特に制限されず、ヒトが摂取可能なビタミンであればいずれでもよく、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンKなどの脂溶性ビタミン類、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンH、ビタミンLなどの水溶性ビタミン類などを挙げることができ、これらのビタミン類の1種または2種以上を含有することができる。
β−カロチンおよびビタミン類の含有量は、ヒトが摂取するのに適するそれぞれのビタミンの量に応じて適宜決めることができる。
【0019】
また、ローヤルゼリーの含有量は、本発明の加水分解卵殻膜含有飲料の上記した作用効果を十分に発揮させ得る点、コストなどの点から、飲料の質量に対して0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
【0020】
本発明の飲料は、上記した成分以外に、必要に応じて、糖類(砂糖、蜂蜜、ブドウ糖など)、乳酸カルシウム、食塩、アミノ酸などの1種または2種以上を含有していてもよい。
特に、本発明の飲料が、スポーツ飲料である場合は、汗と共に失われた塩分を補うための食塩やミネラルなどを含有していることが好ましい。
【0021】
本発明の飲料は、飲用可能な水を媒体として用い、それに加水分解卵殻膜を溶解状態で含有し、更に必要に応じて上記した成分の1種または2種以上を溶解または分散した状態で含有していることが望ましい。
【0022】
本発明の飲料の摂取量は、摂取するヒトの体調や身体状況、体重、年齢などに応じて異なり得るが、例えば、成人男子の場合は、本発明の効果を十分に発揮させるために、加水分解卵殻膜の摂取量が1日当たり50mg〜2,000mg程度になるような量で摂取するとよい。
【0023】
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料を摂取すると、擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚外傷の治癒、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害の治癒、活性酸素の低減、身体の免疫力の向上、代謝促進による身体内外の損傷や障害の治癒促進や肥満防止、育毛、発毛促進、脱毛防止効果、皮膚の老化や肌荒れの防止効果などの種々の優れた効果が奏される。そのような効果が奏されることは、以下の実施例に記載した試験例や動物実験の結果からも検証される。
【0024】
すなわち、加水分解卵殻膜を含有する飲料をラットに給与して動物実験を行ったところ、血液中の赤血球数が正常領域の範囲内で低減し、赤血球の形状がきれいな球形になり、更には血漿中での血小板や血漿粒子の数が著しく増加した。その上、血漿脂質における遊離脂肪酸の低下、トリグリセリドの増加およびホスファチジルコリンの増加が確認され、血液中の赤血球数が正常領域の範囲内で減少したことが確認された。さらに、赤血球膜脂質においてホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジミン酸およびホスファチジルコリンの増加が確認され、赤血球膜タンパク質の増加が確認された。また、加水分解卵殻膜を給与したラットの体重が給与しないものに比べて低いものであった。そのため、そのような動物実験の結果から、本発明の飲料に含まれる加水分解卵殻膜が、生体の免疫力の向上、代謝機能の促進や正常化などに作用すると共に、赤血球が血管中を流れ易くなり、それらの相互作用によって、本発明の上記した種々の効果が奏されることが裏付けられた。
【0025】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
【0026】
《実施例1》[加水分解卵殻膜含有飲料の製造]
以下の表1に示すように、精製水115mlに、表1に記載した成分を表1に示す割合で添加して、常温で均一に混合して、加水分解卵殻膜を含有する飲料(スポーツ飲料)(容量:120ml)を製造した。
【0027】
【表1】
【0028】
《試験例1》
実施例1と同じスポーツ飲料を製造し、それを、東海大学所属の長距離ランナー(大学対抗箱根駅伝への出場にノミネートされている選手)のうちで、激しいトレーニングによってヒザ、アキレス腱などに故障を生じている者4名に、1日3回、食後に120mlずつ(1日当たり360ml:加水分解卵殻膜の摂取量=240mg/1名)、60日間にわたって継続して飲んでもらったところ、4名共にトレーニングにより生じた故障が回復して、良好な状態で走れるようになった。
前記4名全員が選登録され、そのうちの1名は、平成15年1月2〜3日に行われた大学対抗箱根駅伝の第9区を担当し、完走することができた。
【0029】
《試験例2》
治験者A(男性、52歳)、治験者B(男性、63歳)および治験者C(男性、58歳)は、いずれも頭部の毛髪が薄くなり、市販の種々の外用育毛・発毛促進剤を試みたが効果が認められなかった。そこで、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を、1日3回食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg/1名)を継続して飲んだところ、治験者A〜Cのいずれにおいても、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて2.5カ月弱で産毛が増え始め、抜け毛が減り、髪に張り・腰しが出て太くなり、全体に髪の毛が増えた。さらに、治験者A〜Cのいずれもが、育毛・発毛促進効果だけでなく、体調が良くなった。また、治験者AとBは、白髪がかなりあったが、この試験後に白髪が減り、全体に髪の毛が黒くなった。
【0030】
《試験例3》
治験者D(女性、38歳)は湿疹体質で、皮膚科に長年通院治療してきたが完治せず、良くなったり悪くなったりを繰り返していた。そこで、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日3回食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)を継続して飲んだところ、飲み始めて約2週間後にかゆみが殆どなくなり、約1カ月後には湿疹が完治した。
【0031】
《試験例4》
治験者E(男性、45歳)は、慢性の肩凝りで、腕が上がらなくなることもあったが、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日3回食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)を継続して飲んだところ、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて約1カ月後に肩凝りが少なくなり、1.5カ月後には肩凝りが殆どなくなった。
【0032】
《試験例5》
治験者F(女性、60歳)は、乾燥肌で、靴下や下着のゴムの当たっていた部分がかゆく、皮膚が白い粉状に剥がれて軽いアトピー状態を呈し、市販の外用薬を色々試したがあまり改善されなかった。そこで、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日2回朝夕食後に120mlずつ(1日合計240ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=160mg)を継続して飲んだところ、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて約1.5カ月後に靴下や下着のゴムの当たって部位のアトピー状態がなくなって、健康な皮膚に回復した。
【0033】
《試験例6》
植木バサミで腕に傷をつけた治験者G(男性、55歳)は、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日3回朝夕食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)を継続して飲んだところ、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて約2週間後に傷がきれいに治癒した。
【0034】
《試験例6》
(1) 年齢が30歳〜60歳までの女性10名にパネラーになってもらい、10名のパネラーに、2週間にわたって、1日3回食後に実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を120mlずつ(1日合計360ml;加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)の割合で飲んでもらった。
2週間後の皮膚の状態を評価してもらったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0035】
【表2】
【0036】
上記の表2の結果にみるように、加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、継続して服用することによって、肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にすることがわかる。
【0037】
《実験例1》[動物実験]
(1) Wister系雄ラット(体重100g前後)(Charles River社)を8匹準備し、4匹ずつ2群[加水分解卵殻膜給与群(発明群)と対照群]に分けた。
(2) 加水分解卵殻膜粉末(キューピー株式会社製「EMプロテイン−P」)40mgを水400mlを溶かして加水分解卵殻膜含有水溶液を調製し、この水溶液を、発明群(以下「EPプロテイン摂取群」ということがある)のラット4匹に、通常の飼料と共に、4週間にわたって継続して飲料水として給与した。実験期間中の飲料水の摂取量は55ml/日・匹であった。なお、加水分解卵殻膜含有水溶液は、加水分解卵殻膜の腐敗を防ぐために、毎日調製して給与した。
(3) 対照群のラット4匹には、EPプロテイン摂取群に給与したのと同じ飼料を同じ量で給与すると共に、4週間にわたって継続して、加水分解卵殻膜を含有しない水をそのまま給与した。実験期間中の飲料水の摂取量はEPプロテイン摂取群と同じように、55ml/日・匹であった。
【0038】
(4) 上記(2)および(3)の4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットの平均体重を測定したところ、EPプロテイン摂取群のラットの平均体重は365g/匹、対照群のラットの平均体重は384g/匹であり、EPプロテイン摂取群のラットの方が、対照群のラットに比べて平均体重が少なかった。
かかる結果から、加水分解卵殻膜は、生体全体における代謝を促進し、過度の体重増加を防いで、肥満防止に寄与したことが観察された。
【0039】
(5) 上記(2)および(3)の4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから血液を採取し、血液中の赤血球数、赤血球容積比(ヘマトクリット)およびヘモグロビン量を測定すると共に、1個の赤血球の平均サイズおよび1個の赤血球中に含まれるヘモグロビン量を測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0040】
【表3】
【0041】
上記の表3にみるように、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットとでは、1個の赤血球の大きさおよび1個の赤血球中に含まれるヘモグロビン量では大差がないが、EPプロテイン摂取群のラットの方が対照群のラットに比べて、血液中の赤血球数が少なくなっていて、それに伴って血液中の赤血球容積およびヘモグロビン量も少なくなっている。しかしながら、上記の表3におけるEPプロテイン摂取群のラットのおける赤血球数の減少は、正常領域内での減少であり、貧血をもたらすものではない。
かかる結果から、加水分解卵殻膜は、血液中の赤血球数を正常領域内で低減させて、血液が血管内を流れ易くしていることが理解される。
【0042】
(6) 上記(2)および(3)の4週間にわたる給与期間の終了後にEPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した血液中に含まれる赤血球の状態を顕微鏡で観察したところ、加水分解卵殻膜含有水溶液を給与したEPプロテイン摂取群のラットの血液では、図1に示すように、赤血球はきれいな球状を呈していた。一方、加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群のラットの血液では、図2に示すように、EPプロテイン摂取群のラットの赤血球に比べて、表面などに荒れがあった。
【0043】
(7) また、上記4週間にわたる給与期間の終了後にEPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した血液における血小板とプラズマ粒子(血漿粒子)の数について調べたところ、図3に示すように、加水分解卵殻膜含有水溶液を給与したEPプロテイン摂取群では、加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群(Control)に比べて、血小板とプラズマ粒子の数が大幅に増加していた。かかる結果から、加水分解卵殻膜は生体内損傷部の修復や代謝変動などに大きく関与していることが理解される。
【0044】
(8) 上記4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した血液中に含まれる血漿(プラズマ)について、その脂質(プラズマ脂質)を抽出し、薄層クロマトグラフィーにて分析したところ、EPプロテイン摂取群のプラズマ脂質では、対照群のプラズマ脂質中に含まれていた不明物質に相当する帯部分が消失しており、さらに対照群のプラズマ脂質に比べて、トリグリセリドおよびホスファチジルコリンの含有量が増加し、遊離脂肪酸の含有量が低下していた。かかる結果は、摂取された加水分解卵殻膜が、単に筋肉、腱、靭帯に対して作用するだけではなく、全身的な脂質代謝の動員にも関与していることを示している。
【0045】
(9) 上記4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した赤血球から赤血球膜に含まれる脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーにて分析したところ、EPプロテイン摂取群では、対照群に比べて、赤血球膜脂質中でのホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジミン酸およびホスファチジルコリンの含有量が増加していた。かかる結果は、摂取された加水分解卵殻膜が赤血球の構造変化をもたらし、赤血球の機能の向上に関与していることを示している。
【0046】
【発明の効果】
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、皮膚に生じた擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの治癒効果、並びに筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害の治癒効果を有する。
更に、加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、生体に種々の弊害をもたらす活性酸素の低減または消去作用を有し、さらには身体の免疫力の向上、代謝促進による体重増加の防止作用などを有する。
また、加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料を摂取することにより、赤血球の機能や状態の向上(例えば赤血球数の正常領域内での減少により血液が血管内を流れ易くする作用や赤血球の形状を荒れのない正常な状態にする作用など)、血液中の血小板やプラズマ粒子数の増加による免疫機能の向上効果を有する。
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料を摂取することにより、血漿脂質や赤血球膜脂質における成分組成が変化することにより、生体をより健康な状態へと変えることができる。
【0047】
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、育毛、発毛促進、脱毛防止効果に優れており、毎日所定の量を継続して服用することによって、薄毛の解消、発毛、毛髪への張り・腰の付与、白髪の解消などの効果を得ることができる。
さらに、加水分解卵殻膜を含有する飲料は、皮膚に含まれるコラーゲン、特に皮膚の柔軟化をもたらず(III)型コラーゲンの形成を促進する加水分解卵殻膜を高濃度で含有しているので、継続して服用することにより、皮膚の老化や肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にすることができる。
【0048】
加水分解卵殻膜と共にβ−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーの少なくとも1種、特にβ−カロチン、ビタミン類(特にビタミンE、ビタミンB2、ビタミンCなどの抗酸化作用を有するビタミン類)およびローヤルゼリーの3者を更に含有する本発明の加水分解卵殻膜含有飲料は、加水分解卵殻膜の体内での吸収により優れており、加水分解卵殻膜の有する上記した種々の作用効果を一層良好に発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】加水分解卵殻膜を含有する水溶液を給与したEPプロテイン摂取群のラットの血液中に含まれる赤血球の状態を撮影した写真である。
【図2】加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群のラットの血液中に含まれる赤血球の状態を撮影した写真である。
【図3】加水分解卵殻膜を含有する水溶液を給与したEPプロテイン摂取群のラットと、加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群のラットのそれぞれの血液中に含まれる血小板と血漿粒子(プラズマ粒子)の数を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は加水分解卵殻膜を含有する飲料に関する。加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、皮膚に生じた擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの治癒効果、生体内損傷部位の回復、生体における免疫力向上や代謝促進、生体内に生成した活性酸素の低減または消去、育毛、発毛促進および/または脱毛防止、皮膚の老化、肌荒れ防止、皮膚疾病の予防や改善などの作用を有し、生体を良好な状態にすることができる。
【0002】
【従来の技術】
卵殻膜は、鶏卵などの鳥類の卵の卵殻の内側にある膜で、内外2枚からなり、外卵殻膜は卵殻内面に密着し、内卵殻膜は卵白を包んでいる。卵殻膜は、強靭な繊維性のタンパク質よりなりなり、オポケラチンとオポムシンを主成分とする。
卵殻膜は、皮膚の再生を促進する働きを有することが従来から知られており、かかる点から、相撲部屋などでは、擦り傷に卵殻膜を擦りつけて傷の手当を行うことが従来か行われていた。
【0003】
一方、ヒトの皮膚は、表面にある上皮層と、その下の結合組織性の真皮層からなっており、真皮層を構成するタンパク質は主としてコラーゲンであり、他にエラスチン、アルブミン、グロブリン、ムチンよりなっている。
真皮層を構成するコラーゲンは、主としてα1(I)型コラーゲン[以下「(I)型コラーゲン」という]およびα1(III)型コラーゲン[以下「(III)型コラーゲン」という]であり、(I)型コラーゲンは主として皮膚の構造維持、また(III)型コラーゲンは主として皮膚への柔軟性の付与とそれぞれ異なった機能を果たしている。
皮膚における(I)型コラーゲンと(III)型コラーゲンの割合は定常的ではなく、加齢に伴って変化する。(III)型コラーゲンは胎児型コラーゲンとも呼ばれるように皮膚の老化と密接な関係があり、胎児のときに最も多く、10代から減り始め、その後は減少の一途をたどる。
【0004】
皮膚における(III)型コラーゲンの割合を増すことができれば、加齢による皮膚の老化を止め、肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態に保つことができる。
かかる点から、皮膚におけるコラーゲン、特に(III)型コラーゲンの生成を促進したり、保湿作用を発揮させるために、皮膚の再生を促進する作用を有する卵殻膜を加水分解して水溶性にし、その加水分解卵殻膜を化粧料に添加することが行われるようになっており、一部実用化されている。
【0005】
上記のように、卵殻膜および加水分解卵殻膜は、従来から使用されてきたが、その使用形態は人体に外部から施す場合(外用)に限られており、経口で積極的に摂取することは従来行われていない。そのため、卵殻膜や加水分解卵殻膜を経口で摂取した際の作用効果は知られていなかった。
【0006】
一方、スポーツ活動、特に各種競技用スポーツ活動では、激しいトレーニングなどによって、皮膚だけでなく、筋肉、腱、靭帯、骨などに損傷や障害を受けることが多い。スポーツ活動で生じた損傷や障害の治療に際しては、従来、炎症の治療や、皮膚に受けた外傷の治療が大半であって、筋肉、腱、靭帯などの身体内の組織や器官などに生じた損傷や障害については有効な治療方法がないのが現状であった。かかる点から、皮膚に生じた外傷だけではなく、筋肉、腱、靭帯などの身体内の組織や器官などに生じた損傷や障害をも効果的に治癒できる物質の開発が求められていた。
【0007】
さらに、生体内に活性酸素が蓄積すると、老化、心疾患、ガン、疲労、細胞の侵食などの様々な疾病が生じ易いことが近年広く知られるようになっており、赤ワイン、緑茶、ウーロン茶、ブドウ種子抽出物などに含まれるポリフェノール類が活性酸素消去能を有することが数多く報告されている。しかしながら、活性酸素の低減作用や消去能を有する薬剤や食品の多様化の点から、前記した製品以外のより多くの薬剤や食品の開発が望まれている。
【0008】
また、育毛や発毛促進用として種々の医薬品が販売されているが、その大半は頭髪や頭部に直接施す液状の外用薬である。従来の外用の育毛・発毛促進剤は、頭部に振りかける液剤の量の調整がしにくいという欠点があり、また必ずしも優れた育毛・発毛促進作用を示すとは限らず、かかる点から、決められた所定の量を経口で簡単に摂取することができ、それによって優れた育毛、発毛促進、脱毛防止作用を示す製品の開発が求められてきた。しかしながら、そのような要求を十分に満足する、経口摂取型の育毛、発毛促進、脱毛防止用の製品は未だ得られていないのが現状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スポーツ活動やその他の原因で生じた皮膚の損傷などの外傷だけではなく、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害をも効果的に治癒することのできる、経口摂取型の製品を提供することである。
さらに、本発明の目的は、生体に種々の弊害をもたらす活性酸素の低減または消去作用を有し、また身体の免疫力の向上、代謝促進による身体機能の向上や肥満防止作用などを有する、経口摂取型の製品を提供することである。
そして、本発明の目的は、外用薬ではなく、経口で摂取することによって、育毛、発毛促進、脱毛防止などの効果を発揮することのできる、経口摂取型の育毛・発毛促進用の製品を提供することである。
また、本発明の目的は、皮膚に含まれるコラーゲンの形成を促進して、皮膚の老化や肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にすることができ、更には湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進に有効な、経口で摂取可能な製品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、加水分解卵殻膜を含有する飲料が、皮膚に生じた擦り傷などの外傷の治癒に効果があり、しかもそれだけではなくて、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害を効果的に治癒する効果を有すること、また生体に種々の弊害をもたらす活性酸素の低減または消去作用を有し、さらには身体の免疫力の向上、代謝促進作用などを有することを見出した。
さらに、本発明者らは、加水分解卵殻膜を含有する飲料は、育毛、発毛促進、脱毛防止などの効果を発揮すること、また皮膚に含まれるコラーゲンの形成を促進して、皮膚の老化や肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にし、さらに湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚疾患の予防や治癒の促進にも有効であることを見出した。
【0011】
また、本発明者らは、加水分解卵殻膜を含有する飲料中に、β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーの少なくとも1種を更に含有させると、加水分解卵殻膜の有する上記した種々の優れた作用効果がより促進されることを見出し、そられの知見に基づいて本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1) 加水分解卵殻膜を有効成分として含有することを特徴とする、飲料である。
【0013】
そして、本発明は、
(2) 加水分解卵殻膜を0.001〜5質量%の割合で含有する前記(1)の飲料;および、
(3) β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーのうちの少なくも1種をさらに含有する前記(1)または(2)の飲料;
である。
【0014】
そして、本発明は、
(4) スポーツ飲料である前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;
(5) 生体内損傷部位の回復用の飲料である前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;
(6) 免疫力向上用および/または代謝促進用の飲料である前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;
(7) 生体内に生成した活性酸素の低減または消去用の飲料である前記(1)〜(4)のいずれかの飲料;
(8) 育毛、発毛促進および/または脱毛防止用の飲料である前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;および、
(9) 皮膚の老化、肌荒れおよび/または皮膚疾病の予防および/または改善用の飲料である前記(1)〜(3)のいずれかの飲料;
である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる加水分解卵殻膜は、鳥類の卵の卵殻の内側にある膜(外卵殻膜および/または内卵殻膜)を加水分解して、水やアルコールなどの溶媒に可溶性にしたものである。本発明では、鳥類の卵殻膜を加水分解して水やアルコールなどの溶媒に可溶にした加水分解卵殻膜であればいずれも使用でき、そのうちでも、鶏卵の卵殻膜を加水分解してなる加水分解卵殻膜が入手の容易性、コストなどの点から好ましく用いられる。加水分解卵殻膜は、従来から知られており、例えば、キューピー株式会社から粉末の形態(キューピー株式会社製「EM−プロテイン−P」)または溶液の形態(キューピー株式会社製「EM−プロテインL])で市販されている。本発明では、そのような市販の加水分解卵殻膜をそのまま使用することができる。
特に、粉末形態の加水分解卵殻膜を使用すると、本発明の飲料中での加水分解卵殻膜の濃度の調整を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の飲料における加水分解卵殻膜の含有量は特に制限されないが、皮膚における擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの外傷の治癒効果、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害の治癒効果、生体内での活性酸素の低減効果、身体の免疫力の向上効果、代謝促進効果、育毛、発毛促進、脱毛防止効果、皮膚の老化や肌荒れを防止効果、コストなどの点から、飲料の全質量に対して、加水分解卵殻膜を0.001〜5質量%の割合で含有することが好ましく、0.01〜3質量%の割合で含有することがより好ましく、0.05〜2.5質量%の割合で含有することが更に好ましい。
飲料における加水分解卵殻膜の含有量が0.001質量%未満であると、上記した種々の効果を奏しにくくなる。一方、飲料における加水分解卵殻膜の含有量が5質量%を超えると、飲みにくくなったり、コストの上昇などを招き易い。
【0017】
本発明の飲料は、加水分解卵殻膜の体内での吸収を速め、本発明による上記した種々の効果を十分に発揮させるために、加水分解卵殻膜と共に、β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーのうちの少なくも1種を含有することが好ましく、β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーの3者を含有することがより好ましい。
【0018】
本発明の飲料中に含有させるビタミンの種類は特に制限されず、ヒトが摂取可能なビタミンであればいずれでもよく、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンKなどの脂溶性ビタミン類、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンH、ビタミンLなどの水溶性ビタミン類などを挙げることができ、これらのビタミン類の1種または2種以上を含有することができる。
β−カロチンおよびビタミン類の含有量は、ヒトが摂取するのに適するそれぞれのビタミンの量に応じて適宜決めることができる。
【0019】
また、ローヤルゼリーの含有量は、本発明の加水分解卵殻膜含有飲料の上記した作用効果を十分に発揮させ得る点、コストなどの点から、飲料の質量に対して0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
【0020】
本発明の飲料は、上記した成分以外に、必要に応じて、糖類(砂糖、蜂蜜、ブドウ糖など)、乳酸カルシウム、食塩、アミノ酸などの1種または2種以上を含有していてもよい。
特に、本発明の飲料が、スポーツ飲料である場合は、汗と共に失われた塩分を補うための食塩やミネラルなどを含有していることが好ましい。
【0021】
本発明の飲料は、飲用可能な水を媒体として用い、それに加水分解卵殻膜を溶解状態で含有し、更に必要に応じて上記した成分の1種または2種以上を溶解または分散した状態で含有していることが望ましい。
【0022】
本発明の飲料の摂取量は、摂取するヒトの体調や身体状況、体重、年齢などに応じて異なり得るが、例えば、成人男子の場合は、本発明の効果を十分に発揮させるために、加水分解卵殻膜の摂取量が1日当たり50mg〜2,000mg程度になるような量で摂取するとよい。
【0023】
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料を摂取すると、擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの皮膚外傷の治癒、筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害の治癒、活性酸素の低減、身体の免疫力の向上、代謝促進による身体内外の損傷や障害の治癒促進や肥満防止、育毛、発毛促進、脱毛防止効果、皮膚の老化や肌荒れの防止効果などの種々の優れた効果が奏される。そのような効果が奏されることは、以下の実施例に記載した試験例や動物実験の結果からも検証される。
【0024】
すなわち、加水分解卵殻膜を含有する飲料をラットに給与して動物実験を行ったところ、血液中の赤血球数が正常領域の範囲内で低減し、赤血球の形状がきれいな球形になり、更には血漿中での血小板や血漿粒子の数が著しく増加した。その上、血漿脂質における遊離脂肪酸の低下、トリグリセリドの増加およびホスファチジルコリンの増加が確認され、血液中の赤血球数が正常領域の範囲内で減少したことが確認された。さらに、赤血球膜脂質においてホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジミン酸およびホスファチジルコリンの増加が確認され、赤血球膜タンパク質の増加が確認された。また、加水分解卵殻膜を給与したラットの体重が給与しないものに比べて低いものであった。そのため、そのような動物実験の結果から、本発明の飲料に含まれる加水分解卵殻膜が、生体の免疫力の向上、代謝機能の促進や正常化などに作用すると共に、赤血球が血管中を流れ易くなり、それらの相互作用によって、本発明の上記した種々の効果が奏されることが裏付けられた。
【0025】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
【0026】
《実施例1》[加水分解卵殻膜含有飲料の製造]
以下の表1に示すように、精製水115mlに、表1に記載した成分を表1に示す割合で添加して、常温で均一に混合して、加水分解卵殻膜を含有する飲料(スポーツ飲料)(容量:120ml)を製造した。
【0027】
【表1】
【0028】
《試験例1》
実施例1と同じスポーツ飲料を製造し、それを、東海大学所属の長距離ランナー(大学対抗箱根駅伝への出場にノミネートされている選手)のうちで、激しいトレーニングによってヒザ、アキレス腱などに故障を生じている者4名に、1日3回、食後に120mlずつ(1日当たり360ml:加水分解卵殻膜の摂取量=240mg/1名)、60日間にわたって継続して飲んでもらったところ、4名共にトレーニングにより生じた故障が回復して、良好な状態で走れるようになった。
前記4名全員が選登録され、そのうちの1名は、平成15年1月2〜3日に行われた大学対抗箱根駅伝の第9区を担当し、完走することができた。
【0029】
《試験例2》
治験者A(男性、52歳)、治験者B(男性、63歳)および治験者C(男性、58歳)は、いずれも頭部の毛髪が薄くなり、市販の種々の外用育毛・発毛促進剤を試みたが効果が認められなかった。そこで、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を、1日3回食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg/1名)を継続して飲んだところ、治験者A〜Cのいずれにおいても、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて2.5カ月弱で産毛が増え始め、抜け毛が減り、髪に張り・腰しが出て太くなり、全体に髪の毛が増えた。さらに、治験者A〜Cのいずれもが、育毛・発毛促進効果だけでなく、体調が良くなった。また、治験者AとBは、白髪がかなりあったが、この試験後に白髪が減り、全体に髪の毛が黒くなった。
【0030】
《試験例3》
治験者D(女性、38歳)は湿疹体質で、皮膚科に長年通院治療してきたが完治せず、良くなったり悪くなったりを繰り返していた。そこで、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日3回食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)を継続して飲んだところ、飲み始めて約2週間後にかゆみが殆どなくなり、約1カ月後には湿疹が完治した。
【0031】
《試験例4》
治験者E(男性、45歳)は、慢性の肩凝りで、腕が上がらなくなることもあったが、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日3回食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)を継続して飲んだところ、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて約1カ月後に肩凝りが少なくなり、1.5カ月後には肩凝りが殆どなくなった。
【0032】
《試験例5》
治験者F(女性、60歳)は、乾燥肌で、靴下や下着のゴムの当たっていた部分がかゆく、皮膚が白い粉状に剥がれて軽いアトピー状態を呈し、市販の外用薬を色々試したがあまり改善されなかった。そこで、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日2回朝夕食後に120mlずつ(1日合計240ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=160mg)を継続して飲んだところ、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて約1.5カ月後に靴下や下着のゴムの当たって部位のアトピー状態がなくなって、健康な皮膚に回復した。
【0033】
《試験例6》
植木バサミで腕に傷をつけた治験者G(男性、55歳)は、実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を1日3回朝夕食後に120mlずつ(1日合計360ml;1日当たりの加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)を継続して飲んだところ、加水分解卵殻膜含有飲料を飲み始めて約2週間後に傷がきれいに治癒した。
【0034】
《試験例6》
(1) 年齢が30歳〜60歳までの女性10名にパネラーになってもらい、10名のパネラーに、2週間にわたって、1日3回食後に実施例1で製造したのと同じ本発明の加水分解卵殻膜含有飲料を120mlずつ(1日合計360ml;加水分解卵殻膜の摂取量=240mg)の割合で飲んでもらった。
2週間後の皮膚の状態を評価してもらったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0035】
【表2】
【0036】
上記の表2の結果にみるように、加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、継続して服用することによって、肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にすることがわかる。
【0037】
《実験例1》[動物実験]
(1) Wister系雄ラット(体重100g前後)(Charles River社)を8匹準備し、4匹ずつ2群[加水分解卵殻膜給与群(発明群)と対照群]に分けた。
(2) 加水分解卵殻膜粉末(キューピー株式会社製「EMプロテイン−P」)40mgを水400mlを溶かして加水分解卵殻膜含有水溶液を調製し、この水溶液を、発明群(以下「EPプロテイン摂取群」ということがある)のラット4匹に、通常の飼料と共に、4週間にわたって継続して飲料水として給与した。実験期間中の飲料水の摂取量は55ml/日・匹であった。なお、加水分解卵殻膜含有水溶液は、加水分解卵殻膜の腐敗を防ぐために、毎日調製して給与した。
(3) 対照群のラット4匹には、EPプロテイン摂取群に給与したのと同じ飼料を同じ量で給与すると共に、4週間にわたって継続して、加水分解卵殻膜を含有しない水をそのまま給与した。実験期間中の飲料水の摂取量はEPプロテイン摂取群と同じように、55ml/日・匹であった。
【0038】
(4) 上記(2)および(3)の4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットの平均体重を測定したところ、EPプロテイン摂取群のラットの平均体重は365g/匹、対照群のラットの平均体重は384g/匹であり、EPプロテイン摂取群のラットの方が、対照群のラットに比べて平均体重が少なかった。
かかる結果から、加水分解卵殻膜は、生体全体における代謝を促進し、過度の体重増加を防いで、肥満防止に寄与したことが観察された。
【0039】
(5) 上記(2)および(3)の4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから血液を採取し、血液中の赤血球数、赤血球容積比(ヘマトクリット)およびヘモグロビン量を測定すると共に、1個の赤血球の平均サイズおよび1個の赤血球中に含まれるヘモグロビン量を測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0040】
【表3】
【0041】
上記の表3にみるように、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットとでは、1個の赤血球の大きさおよび1個の赤血球中に含まれるヘモグロビン量では大差がないが、EPプロテイン摂取群のラットの方が対照群のラットに比べて、血液中の赤血球数が少なくなっていて、それに伴って血液中の赤血球容積およびヘモグロビン量も少なくなっている。しかしながら、上記の表3におけるEPプロテイン摂取群のラットのおける赤血球数の減少は、正常領域内での減少であり、貧血をもたらすものではない。
かかる結果から、加水分解卵殻膜は、血液中の赤血球数を正常領域内で低減させて、血液が血管内を流れ易くしていることが理解される。
【0042】
(6) 上記(2)および(3)の4週間にわたる給与期間の終了後にEPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した血液中に含まれる赤血球の状態を顕微鏡で観察したところ、加水分解卵殻膜含有水溶液を給与したEPプロテイン摂取群のラットの血液では、図1に示すように、赤血球はきれいな球状を呈していた。一方、加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群のラットの血液では、図2に示すように、EPプロテイン摂取群のラットの赤血球に比べて、表面などに荒れがあった。
【0043】
(7) また、上記4週間にわたる給与期間の終了後にEPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した血液における血小板とプラズマ粒子(血漿粒子)の数について調べたところ、図3に示すように、加水分解卵殻膜含有水溶液を給与したEPプロテイン摂取群では、加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群(Control)に比べて、血小板とプラズマ粒子の数が大幅に増加していた。かかる結果から、加水分解卵殻膜は生体内損傷部の修復や代謝変動などに大きく関与していることが理解される。
【0044】
(8) 上記4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した血液中に含まれる血漿(プラズマ)について、その脂質(プラズマ脂質)を抽出し、薄層クロマトグラフィーにて分析したところ、EPプロテイン摂取群のプラズマ脂質では、対照群のプラズマ脂質中に含まれていた不明物質に相当する帯部分が消失しており、さらに対照群のプラズマ脂質に比べて、トリグリセリドおよびホスファチジルコリンの含有量が増加し、遊離脂肪酸の含有量が低下していた。かかる結果は、摂取された加水分解卵殻膜が、単に筋肉、腱、靭帯に対して作用するだけではなく、全身的な脂質代謝の動員にも関与していることを示している。
【0045】
(9) 上記4週間にわたる給与期間の終了後に、EPプロテイン摂取群のラットと対照群のラットから採取した赤血球から赤血球膜に含まれる脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーにて分析したところ、EPプロテイン摂取群では、対照群に比べて、赤血球膜脂質中でのホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジミン酸およびホスファチジルコリンの含有量が増加していた。かかる結果は、摂取された加水分解卵殻膜が赤血球の構造変化をもたらし、赤血球の機能の向上に関与していることを示している。
【0046】
【発明の効果】
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、皮膚に生じた擦り傷、湿疹、炎症、ヤケドなどの治癒効果、並びに筋肉、腱、靭帯、骨、その他の身体内の組織や器官に生じた損傷や障害の治癒効果を有する。
更に、加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、生体に種々の弊害をもたらす活性酸素の低減または消去作用を有し、さらには身体の免疫力の向上、代謝促進による体重増加の防止作用などを有する。
また、加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料を摂取することにより、赤血球の機能や状態の向上(例えば赤血球数の正常領域内での減少により血液が血管内を流れ易くする作用や赤血球の形状を荒れのない正常な状態にする作用など)、血液中の血小板やプラズマ粒子数の増加による免疫機能の向上効果を有する。
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料を摂取することにより、血漿脂質や赤血球膜脂質における成分組成が変化することにより、生体をより健康な状態へと変えることができる。
【0047】
加水分解卵殻膜を含有する本発明の飲料は、育毛、発毛促進、脱毛防止効果に優れており、毎日所定の量を継続して服用することによって、薄毛の解消、発毛、毛髪への張り・腰の付与、白髪の解消などの効果を得ることができる。
さらに、加水分解卵殻膜を含有する飲料は、皮膚に含まれるコラーゲン、特に皮膚の柔軟化をもたらず(III)型コラーゲンの形成を促進する加水分解卵殻膜を高濃度で含有しているので、継続して服用することにより、皮膚の老化や肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態にすることができる。
【0048】
加水分解卵殻膜と共にβ−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーの少なくとも1種、特にβ−カロチン、ビタミン類(特にビタミンE、ビタミンB2、ビタミンCなどの抗酸化作用を有するビタミン類)およびローヤルゼリーの3者を更に含有する本発明の加水分解卵殻膜含有飲料は、加水分解卵殻膜の体内での吸収により優れており、加水分解卵殻膜の有する上記した種々の作用効果を一層良好に発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】加水分解卵殻膜を含有する水溶液を給与したEPプロテイン摂取群のラットの血液中に含まれる赤血球の状態を撮影した写真である。
【図2】加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群のラットの血液中に含まれる赤血球の状態を撮影した写真である。
【図3】加水分解卵殻膜を含有する水溶液を給与したEPプロテイン摂取群のラットと、加水分解卵殻膜を含有しない水を給与した対照群のラットのそれぞれの血液中に含まれる血小板と血漿粒子(プラズマ粒子)の数を示す図である。
Claims (9)
- 加水分解卵殻膜を有効成分として含有することを特徴とする飲料。
- 加水分解卵殻膜を0.001〜5質量%の割合で含有する請求項1に記載の飲料。
- β−カロチン、ビタミン類およびローヤルゼリーのうちの少なくも1種をさらに含有する請求項1または2に記載の飲料。
- スポーツ飲料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
- 生体内損傷部位の回復用の飲料である請求項1〜4のいずれか1項の記載の飲料。
- 免疫力向上用および/または代謝促進用の飲料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
- 生体内に生成した活性酸素の低減または消去用の飲料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
- 育毛、発毛促進および/または脱毛防止用の飲料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
- 皮膚の老化、肌荒れおよび/または皮膚疾病の予防および/または改善用の飲料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
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