JP2004321095A - 飲食品組成物 - Google Patents

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和加子 坂本
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Abstract

【課題】肌改善効果、特に肌荒れ改善効果に優れた飲食品組成物を提供する。
【解決手段】ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とが配合されてなる飲食品組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒトの肌改善効果、特に肌荒れ改善効果に優れた新規な飲食品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
卵殻膜は、鶏卵等の卵殻の内面を覆っている皮膜状の膜であり、その成分は、水分以外において、タンパク質約90%、脂質約3%、糖類約2%であると言われている。卵殻膜は、熱傷等による創傷部を被覆すると、卵殻膜が創傷部に付着し、皮膚の上皮形成が促進されることが知られている。また、卵殻膜はカルシウム源等として利用されている卵殻を採取する際に発生するものであり、従来は、その殆どを廃棄していた。
【0003】
一方、卵殻膜又はその加水分解物が皮膚内のIII型コラーゲンの合成亢進作用を有することが分り、卵殻膜を化粧品の原料として利用するようになった。そして経口用途に付いては、特公昭55−45176号公報(特許文献1)には飲食物の滋養増強方法、特開平6−65094号公報(特許文献2)には免疫賦活・感染防御剤、特開平9−40564号公報(特許文献3)には悪酔予防改善組成物等、種々提案されている。
【0004】
しかしながら、卵殻膜は化粧品の原料として利用されるようになったが、未だ使用量が少なく、上記経口用途に付いては、実用には至っていない。したがって、卵殻膜が十分に利用されているとは言い難く、その多くが廃棄されていることもあり、卵殻膜の更なる用途開発が切望されている。
【0005】
一方、近年、健康に対する関心が高まり、コンビニエンスストアーや通信販売等で簡単に栄養補助食品を入手できるようになり、その市場が年々拡大している。栄養補助食品には、一般的に、動植物の抽出物あるいはエキス、ビタミン類あるいはミネラルを有効成分として配合されているが、卵殻膜又はその加水分解物は未だ利用されておらず、経口摂取したときの肌改善効果に付いても何ら知られていない。
【0006】
そこで、本出願人は、卵殻膜又はその加水分解物を経口摂取したときに肌改善効果を有するか調べたところ、肌改善効果を有することを見出し、既に特許出願した(特願2002−47644号公報:特許文献4)。
【0007】
一方、本出願人は、化粧品原料として汎用的に用いられているヒアルロン酸又はその塩においても、これを経口摂取したとき肌改善効果を有することを見出し、既に特許出願した(特開2002−356432号公報:特許文献5)。
【0008】
以上、述べたとおり卵殻膜又はその加水分解物、あるいはヒアルロン酸又はその塩は、それぞれ経口摂取したとき優れた肌改善効果を有するが、肌の改善、特に肌荒れの改善は女性にとって永遠のテーマであり、更なる肌改善効果に優れた飲食品組成物が切望されている。
【0009】
【特許文献1】特公昭55−45176号公報
【特許文献2】特開平6−65094号公報
【特許文献3】特開平9−40564号公報
【特許文献4】特願2002−47644号公報
【特許文献5】特開2002−356432号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、肌改善効果、特に肌荒れ改善効果に優れた飲食品組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、意外にもヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とを組合わせるならば肌改善効果が相乗的に増強されることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とが配合されてなる飲食品組成物、
(2) 飲食品組成物の1日の摂取量に対し乾物換算で、ヒアルロン酸又はその塩の総合計で5mg以上、卵殻膜又はその加水分解物の総合計で100mg以上配合されている(1)の飲食品組成物、
である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を説明する。なお、本発明において特に限定していない場合は、「%」は「質量%」、また「部」は「質量部」を意味する。
本発明の飲食品組成物には、ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とが配合されている。
【0013】
ここでヒアルロン酸とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの2糖を反復構成単位とする多糖類であり、ヒアルロン酸の塩としては、食品で許容される塩であれば何れでもよく例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。ヒアルロン酸又はその塩は一般的に、鶏冠、臍の緒、眼球、皮膚、軟骨等の生物組織、あるいはストレプトコッカス属の微生物等のヒアルロン酸生産微生物を培養して得られる培養液等を原料として、これらの原料から抽出、さらに精製することで得られもので、本発明のヒアルロン酸又はその塩としては、当該粗抽出物あるいは精製物の何れを用いてもよいが、精製物、具体的には、ヒアルロン酸又はその塩の純度が90%以上のものが好ましい。純度が90%以上のヒアルロン酸又はその塩は、飲食品の一原料として用いた場合でも保存中に着色や異臭が発生することがない好ましい飲食品が得られ易いからである。前記純度は乾物換算で100%よりヒアルロン酸又はその塩以外の蛋白分解物、脂肪分(粗脂肪)、コンドロイチン硫酸等の不純物を除いた値として定義される。具体的に鶏冠を原料とする精製ヒアルロン酸又はその塩の純度は、以下式(1)で求めることができる。
【0014】
【数1】
ヒアルロン酸又はその塩の純度(%)=100−蛋白分解物(%)−粗脂肪(%)−コンドロイチン硫酸(%) (1)
【0015】
式(1)中、蛋白分解物(%)はLowry法により求めた値であり、粗脂肪(%)は新・食品分析法(光琳(株)発行)「第1章一般成分および関連成分、1−4脂質、1−4−2エーテル抽出法」により求めた値であり、また、コンドロイチン硫酸(%)は、以下に説明する方法により得られた値である。
【0016】
まず、ヒアルロン酸又はその塩を乾燥し、その50mgを精密に量り、精製水を加えて溶かし、正確に100mlとして試験溶液とし、その試験溶液4mlを試験管にとり、0.5mol/l濃度の硫酸1mlを加えて混和し、水浴中で10分間加熱し、その後冷却して得られた溶液に0.04mol/l濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2ml加えて混和し、室温で1時間放置し、層長10mm、波長660nmにおける吸光度を測定する。
【0017】
次に、得られた吸光度データをコンドロイチン硫酸の検量線に適用してヒアルロン酸又はその塩中のコンドロイチン硫酸量(%)を求める。ここで、その検量線は、クジラ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩(SG(Special Grade)、生化学工業(株)製)を乾燥(減圧、五酸化リン、60℃、5時間)させたものを精密に量り、精製水を加えて溶かし、1ml中に10μg、20μg、30μg、40μgのコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩を含む溶液をそれぞれ調製し、それぞれの溶液4mlについて、0.5mol/l濃度の硫酸1mlを加えて混和後、0.04mol/l濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2ml加えて混和し、室温で1時間放置後、同様に吸光度を測定し、その吸光度を縦軸に、対応するコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩溶液(μg/ml)を横軸にプロットすることによって作成したものである。
【0018】
以上純度が90%以上のヒアルロン酸又はその塩について説明したが、更に代表的な製造方法を入手容易で入手コストも廉価である鶏冠を原料とした場合で説明する。
まず、鶏冠に加熱処理を施す。これは、鶏冠に含まれる蛋白質を熱変性させたり、酵素を失活させるためである。加熱処理は如何なる方法をとってもよいが、熱水中に鶏冠を浸漬する方法をとると効率よく行うことができる。加熱温度や時間は、鶏冠中の蛋白質が熱変性したり、酵素が失活する範囲内であれば、特に制限がなく、熱水による加熱法を採用する場合は、60〜100℃の熱水中に原料を20〜90分間浸漬するとよい。なお、凍結した鶏冠を用いる場合は、鶏冠をそのまま加熱してもよいが、凍結鶏冠を流水中等に入れ緩慢解凍した後、加熱処理を施したほうが一定の品位のものが得られ易く好ましい。
【0019】
次に、加熱処理した鶏冠をペースト化する。このペースト化によりヒアルロン酸又はその塩の収率が向上する。このペースト化に先立ち、加熱処理後の鶏冠を細断機により薄く切断したり、または肉挽き用チョッパー等で細断しておくと、ペースト化がし易くなる。ペースト化の一例を示せば、鶏冠に対して約1〜5倍量の清水を加え、ホモゲナイザーにて10〜60分間ホモゲナイズを行えば、鶏冠は破砕・微粒子化され、ペースト状に仕上げることができる。ペースト化には、ホモゲナイザーの他に、高速撹拌機や擂潰機を用いてもよい。
【0020】
次に、ペースト化した鶏冠を必要に応じ、塩酸、硫酸等の酸剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤等を添加してヒアルロン酸又はその塩を低分子化する。その後、蛋白分解酵素を添加して、プロテアーゼ処理する。使用する蛋白分解酵素は、市販しているものであれば種類を問わず使用することができ、例えば、ペプシン、トリプシン、パパイン、プロメリン等が挙げられる。蛋白分解酵素の添加量は酵素活性によるが、鶏冠に対して0.01〜0.1%が適当である。また、プロテアーゼ処理の温度と時間は、35〜65℃で1〜10時間の範囲が適当である。
【0021】
次に、得られたプロテアーゼ処理物からヒアルロン酸又はその塩を抽出して、粗抽出物を得た後、この粗抽出物を精製することにより純度90%以上のヒアルロン酸又はその塩の精製物が得られる。
【0022】
ここで、ヒアルロン酸又はその塩の抽出・精製は、常法に従って行うことができる。例えば、まず、プロテアーゼ処理した原料を濾過して固形物を除去して、ヒアルロン酸又はその塩の粗抽出物を含有した濾液を得る。なお、濾過に先立ち、脱臭・脱色や一部の蛋白分解物を除去する目的で、プロテアーゼ処理物に活性炭を添加し処理してもよい。そして、得られた濾液に食塩を溶解させた後、エタノールを添加してヒアルロン酸又はその塩を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで純度90%以上のヒアルロン酸又はその塩の精製物を得ることができる。
【0023】
次に卵殻膜又はその加水分解物について説明する。卵殻膜とは、鳥類の卵(特に鶏卵)の殻部から常法により採取した湿潤状態のもの、該湿潤状態のものを天日乾燥、乾燥機等で乾燥させたもの、該乾燥物を粉砕機で粉砕したもの等が挙げられる。
【0024】
また、卵殻膜の加水分解物とは、卵殻膜(湿潤物、乾燥物、粉状物を問わず)に加水分解処理を施したものであり、加水分解処理としては、酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等)、アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、酵素(例えば、タンパク質分解酵素(パパイン、パンクレアチン等))等による処理を挙げることができる。これらの処理は単独でもよく、2種以上の処理を同時にもしくは別々に組合わせて実施してもよい。
【0025】
このような加水分解処理の一般的な操作の例を以下に具体的に説明する。
【0026】
酸加水分解処理
卵の殻部から得られた卵殻膜あるいは粉末状卵殻膜1部(乾物換算)に対し、5〜40部の0.5〜6mol/lの塩酸あるいは0.25〜8mol/lの硫酸を添加し、例えば常圧下で50〜100℃で30分〜24時間処理し、中和した後、濾過し、必要に応じて更に脱塩することにより酸加水分解処理を施した卵殻膜水溶液を得る。
【0027】
アルカリ加水分解処理
卵の殻部から得られる卵殻膜あるいは粉末状卵殻膜1部(乾物換算)に対し、5〜40部の0.5〜3mol/lの水酸化ナトリウムあるいは30〜70容量%のエタノールを含有する0.5〜3mol/lの水酸化ナトリウムを添加し、例えば40〜100℃で30分〜8時間処理し、中和した後、濾過し、必要に応じ更に脱塩することによりアルカリ加水分解処理を施した卵殻膜水溶液を得る。
【0028】
酵素加水分解処理
卵の殻部から得られる卵殻膜あるいは粉末状卵殻膜1部(乾物換算)に対し、5〜40部の水を加え、タンパク質分解酵素(例えば、パパイン、パンクレアチン等)を卵殻膜の乾物に対し0.5〜20%となるように添加し、酵素の至適pH及び温度範囲内で5〜40時間処理し、その後加熱により酵素を失活させ、濾過することにより酵素加水分解処理を施した卵殻膜水溶液を得る。
【0029】
酸加水分解処理と酵素加水分解処理との併用
卵の殻部から得られた卵殻膜あるいは粉末状卵殻膜1部(乾物換算)に対し、5〜40部の0.5〜6mol/lの塩酸あるいは0.25〜8mol/lの硫酸を添加し、例えば常圧下で50〜100℃で30分〜24時間処理し、次に、酵素の至適pHに調整した後、タンパク質分解酵素(例えば、パパイン、パンクレアチン等)を卵殻膜の乾物に対して0.1〜20%となるように添加し、酵素の至適温度範囲内で5〜40時間処理し、その後加熱により酵素を失活させ、濾過することにより酸加水分解及び酵素加水分解処理を施した卵殻膜水溶液を得る。
【0030】
なお、上述の各種の加水分解処理により得られる卵殻膜は、水溶液の状態であり、その状態でも使用することができるが、例えば、凍結乾燥法あるいは噴霧乾燥法等により乾燥し、必要に応じて粉末化した乾物状態にある卵殻膜が本発明の飲食品組成物として使用する際に、保存性に優れ、取り扱いやすいこと等の点で好ましい。また、加水分解処理を施していない卵殻膜に付いても同様に乾物状態が好ましい。ここで、乾物状態にある卵殻膜とは、該卵殻膜2gをガラス秤量瓶に精秤し、105℃で4時間乾燥して減少した質量分を水分とした時、該卵殻膜の水分量が10%以下の状態にあることを意味する。
【0031】
本発明の飲食品組成物は、上述したヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とを配合した肌改善効果、特に肌荒れ改善効果に優れた飲食品である。その形態は、飲食品のいずれの形態でもよいが、本発明のような機能性を有した飲食品は一般的に健康食品と称され、当該食品の形態は、錠剤タイプ、カプセルタイプ、顆粒タイプ、液状タイプ等があり、本発明も健康食品と同様な形態が好ましい。
【0032】
また、肌改善用食品組成物中の上記成分の含有量は、後述する1日の摂取量により適宜設定すればよい。
【0033】
本発明の飲食品組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で他の栄養成分や賦形剤等の各種食品原料を適宜選択し含有させると良い。例えば、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンE、アスコルビン酸又はその塩等のビタミン類、核酸、コンドロイチン硫酸、コラーゲンペプチド等の栄養成分、鉄、カルシウム、亜鉛等のミネラル成分、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸等の高度不飽和脂肪酸類や卵黄レシチン等の機能性油脂、増量剤、結合剤、滑沢剤、保存剤、酸化防止剤、香料等の賦形剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の飲食品組成物は、ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とを一原料として用いる他は常法に従って製造することができる。例えば、錠剤タイプを例として説明すると、ヒアルロン酸又はその塩、卵殻膜又はその加水分解物、そしてその他の栄養成分や賦形剤等を秤量し、必要に応じ篩等で異物を除去した後、全ての原料を混合機で均一に混合し、得られた混合物を打錠機で打錠すれば良い。
【0035】
本発明の飲食品組成物は、ヒアルロン酸又はその塩と卵殻膜又はその加水分解物とが配合されていれば良いが、肌改善効果がより優れたものとするためにそれぞれの配合量は、平均的な成人(約60kg)の1日あたりの摂取量に対し乾物換算で、ヒアルロン酸又その塩の総合計が好ましくは5mg以上、より好ましくは25mg以上、また卵殻膜又その加水分解物の総合計で好ましくは100mg以上、より好ましくは200mg以上である。
なお、本発明では配合量の上限は規定していないが、多すぎても配合量、つまり摂取量に見合う効果が得られ難いことから、それぞれの配合量は、平均的な成人(約60kg)の1日あたりの摂取量に対し乾物換算で、ヒアルロン酸又その塩の総合計が好ましくは1500mg以下、より好ましくは1000mg以下、また卵殻膜又その加水分解物の総合計で好ましくは2500mg以下、より好ましくは1500mg以下である。
【0036】
本発明において、ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とを組合わせて経口摂取すると肌改善効果が相乗的に増強される明確な理由は定かでないが、ヒアルロン酸は皮膚(真皮)の弾力性や柔軟性を担っている成分であり、経口摂取した場合、消化酵素、腸内細菌等で分解され消化管から吸収されると推定されている。一方、卵殻膜はそのアミノ酸組成において、シスチン及びプロリンが他のタンパク質に比べて多く含有しており、両成分を同時に経口摂取すると、消化器官内における卵殻膜由来のこれらのアミノ酸、あるいはペプタイドからなる分解物が腸管等から吸収される際に、ヒアルロン酸の吸収を促進すると共に、吸収された卵殻膜分解物は真皮内のヒアルロン酸やコラーゲン等の皮膚の弾力性や柔軟性を担っている成分等の生成を促進し、吸収されたヒアルロン酸は皮膚に到達し皮膚の弾力性や柔軟性の成分となるからではないかと考えられる。ここで、肌改善効果とは、肌の潤いを保持して肌荒れを改善し、皮膚の弾力性や柔軟性を保持する効果である。
【0037】
次に、本発明を実施例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
【実施例】
[実施例1]
<卵殻膜の製造方法>
まず、殻付き鶏卵を割卵して卵液を除いた後、残りの卵殻膜付きの卵殻を粗粉砕した。得られた粗粉砕物を清水中に入れて撹拌し、卵殻から分離して浮上してきた卵殻膜を採取し、遠心式脱水機で脱水し、湿潤状態の卵殻膜(水分量78%)を得た。得られた湿潤卵殻膜を乾燥機(ヤマト科学(株)製、「DV−41」)で乾燥して乾燥卵殻膜を製した。そして、乾燥卵殻膜を粉砕機(岡田精工(株)製、「ニュースピードミルND−10型」)で粉砕し、水分含量が約4%の粉末状の卵殻膜を得た。
【0039】
<飲食品組成物の製造方法>
下記に示す原料をそれぞれ秤量後、16メッシュ篩で篩過する。次に、各原料を混合機に投入し、十分に混合して均一とした後、1粒が約280mgとなるように打錠機で打錠し、錠剤タイプの飲食品組成物を得た。
なお、原料のヒアルロン酸は、キユーピー(株)製の商品名「ヒアルロンサンHA−F」を用い、当該ヒアルロン酸の純度は式(1)から99%であり、水分含量は約3%であった。
【0040】
<配合割合>
Figure 2004321095
【0041】
[実施例2]
<卵殻膜加水分解物の製造>
実施例1の卵殻膜の製造途中で得られた湿潤卵殻膜2kgに、1mol/l塩酸水溶液5リットルを加え、90℃で15時間、加熱撹拌した。次いで、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5に調整し、タンパク質分解酵素(ノボノルディックバイオインダストリー社製、「フレーバーザイムMG」)4gを添加し、55℃で4時間加温した後、pH7.0に調整し、更に、フレーバーザイムMGを4g添加し、50℃で4時間処理し、その後に90℃で30分間処理して酵素を失活させた。次いで、活性炭20gで脱色し、得られた卵殻膜の加水分解物の溶液を噴霧乾燥し、水分量が約3%の粉末状の卵殻膜加水分解物を得た。
【0042】
<飲食品組成物の製造方法>
実施例1の卵殻膜を卵殻膜加水分解物に換えた以外は、実施例1と同様な配合割合及び方法で、錠剤タイプの飲食品組成物を製した。
【0043】
[比較例1]
<肌改善用食品組成物の比較例の製造方法>
下記に示す原料を使用し、実施例1と同様な方法で製し、比較のための飲食品組成物を製した。つまり実施例1の原料のヒアルロン酸及び卵殻膜を乳糖に置き換えた。
【0044】
<配合割合>
Figure 2004321095
【0045】
[比較例2]
<飲食品組成物の比較例の製造方法>
下記に示す原料を使用し、実施例1と同様な方法で製し、比較のための飲食品組成物を製した。つまり、実施例1の原料のヒアルロン酸を2倍量とし、卵殻膜を除き、減少分を乳糖で調整した。
【0046】
<配合割合>
Figure 2004321095
【0047】
[比較例3]
<飲食品組成物の比較例の製造方法>
下記に示す原料を使用し、実施例1と同様な方法で製し、比較のための飲食品組成物を製した。つまり、実施例1の原料の卵殻膜を2倍量とし、ヒアルロン酸を除き、増加分を乳糖で調整した。
【0048】
<配合割合>
Figure 2004321095
【0049】
[試験例1]
本発明の飲食品組成物が、肌改善効果に優れていることを立証するため、以下の試験を行なった。
【0050】
実施例1及び2の飲食品組成物(本発明品)、及び比較例1〜3の飲食品組成物(比較品)を、慢性的に肌が乾燥し、肌荒れに悩んでいる75名の女性(平均年齢32歳)を被験者としてパネルテストを実施した。
【0051】
まず、肌の状態を確認するため、予め事前アンケートを実施し、この事前アンケート結果を基に、肌の状態が偏らないように1群15名の5群に分けた。1つの群に対し、上記何れか1つの錠剤タイプの飲食品組成物を朝夕2錠ずつ3週間にわたって摂取させ、摂取前後の肌の状態についてアンケート調査を行った。アンケート調査の内容は、肌の状態を以下の評価基準に照らして回答させたものである。得られた結果を表1に示す。
なお、被験者にはどの錠剤を摂取させたか明らかにしなかった。
【0052】
<肌状態評価基準>
ランク 肌状態
A: 非常に改善された場合
B: 改善された場合
C: やや改善された場合
D: 変化が認められない場合
【0053】
【表1】
Figure 2004321095
【0054】
表1より、ヒアルロン酸又は卵殻膜を配合した比較例2又は3の飲食品組成物でもある程度肌荒れ改善効果を有するが、両成分を組合わせた実施例1及び2の飲食品組成物は、その配合量がそれぞれ半分であるにも拘わらず比較例2又は3に比べ肌荒れ改善効果が明らかに優れていることが理解される。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の飲食品組成物は、ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物との両成分を配合されていることから、肌改善効果が相乗的に増強し、より良好な肌改善効果、特に肌荒れ改善効果を示す。

Claims (2)

  1. ヒアルロン酸又はその塩と、卵殻膜又はその加水分解物とが配合されてなることを特徴とする飲食品組成物。
  2. 飲食品組成物の1日の摂取量に対し乾物換算で、ヒアルロン酸又はその塩の総合計で5mg以上、卵殻膜又はその加水分解物の総合計で100mg以上配合されていることを特徴とする請求項1記載の飲食品組成物。
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