JPH09331693A - 直流モータの回転角および負荷トルク検出方法、直流モータ制御装置および電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

直流モータの回転角および負荷トルク検出方法、直流モータ制御装置および電動式パワーステアリング装置

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JPH09331693A
JPH09331693A JP8147531A JP14753196A JPH09331693A JP H09331693 A JPH09331693 A JP H09331693A JP 8147531 A JP8147531 A JP 8147531A JP 14753196 A JP14753196 A JP 14753196A JP H09331693 A JPH09331693 A JP H09331693A
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雅則 高木
Takayuki Kifuku
隆之 喜福
Shigeki Otagaki
滋樹 太田垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置を複雑にすることなく正確に負荷トルク
を検出する直流モータの回転角検出方法を得る。 【解決手段】 所定の駆動トルクにて直流モータ(1
3)の角加速度がほぼ一定であるよう設定した駆動時間
だけ直流モータ(13)を駆動し、直流モータ(13)
の駆動時間と駆動後の直流モータ(13)の発電電圧に
よりこの直流モータ(13)の駆動中の回転角を推定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流モータの回
転角検出方法および負荷トルク検出方法、その方法を使
用した直流モータ制御装置およびその装置を備える電動
式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、モータは、モータ自体の故障、
あるいはモータから負荷に動力を伝達するためのギヤ等
の伝達機構の故障等により、ロック状態になることがあ
る。このようなロック状態は、モータが車両の操舵系に
使用されている場合等においてはハンドルが固定されて
操舵不可能となる虞れがある。従来、このような問題を
解決するため、モータの駆動電流と角度ないしは角速度
からモータの負荷トルクを推定し、推定された負荷トル
クが異常であるときはモータの出力軸を操舵装置より機
械的に離脱するようにクラッチを制御することが行われ
ている。また、モータ制御装置の構成上、モータの角度
ないしは角速度が得られない場合には、モータを定電流
で駆動し、電機子電流を検出することで負荷トルクを推
定している。
【0003】図10は、例えば1993年3月にコロナ
社より発行された土手,原島共著「モーションコントロ
ール」に記載されたモータの駆動電流と角速度から負荷
トルクを推定する方法を模式的に示す図である。図にお
いて、駆動回路1からモータ3に供給される駆動電流を
電流検出器2で検出し、また、モータ3に連結され、実
質的にモータのトルク定数,外乱トルク,モータの慣性
および粘性摩擦係数等で表される負荷4より例えばタコ
ジェネレータからなる角速度検出器5を用いてモータ3
の角速度を検出する。
【0004】そして、電流検出器2で検出された駆動電
流を、乗算器61,加算器62および演算器63等で構
成されるマイクロコンピュータ6の乗算器61に供給
し、これにモータのトルク定数を乗じて加算器52の一
方の入力端子に印加する。一方、角速度検出器4で検出
された角速度を演算器63に供給し、ここで所定のモー
タの慣性と角速度を乗じたものを微分すると共に、所定
の粘性摩擦係数と角速度を乗じ、両方の値を加算して加
算器62の他方の入力端子に印加する。加算器62では
乗算器61の出力値より演算器61の出力値を減じ、こ
れを例えば1次遅れ回路からなるローパスフィルタ7を
通すことにより出力端子8に負荷トルクの推定値が得ら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のモータの回転角
検出方法は、モータにエンコーダ等の専用の角度検出器
を用いる必要があった。また、従来のモータの負荷トル
クの検出方法は、以上のように負荷トルクの推定を行っ
ていたため、モータを定電流で駆動した状態で負荷トル
クを推定するには専用の電流検出器やタコジェネレータ
等の角速度検出器を用いる必要があり、従って、タコジ
ェネレータ等の角速度検出器やポテンショメータ等のモ
ータ角度検出器を具備しない場合には負荷トルクの推定
は困難で、構成が複雑で高価となる等の問題点があっ
た。
【0006】また、上記の場合においても、モータの発
電電圧を検出すれば、角速度を検出したことと等価とな
るが、一般にモータを駆動中にはモータへの印加電圧と
発電電圧とが混在するので発電電圧のみを抽出して検出
することは困難であり、従って、この場合も負荷トルク
の推定は困難で、構成の複雑さ、コストアップを余儀な
くされる等の問題点があった。
【0007】さらに、モータやギヤは、異物等をかみ込
んで急にロック状態に陥る場合よりも、徐々に特性が劣
化して負荷トルクが増加していく場合が多く、従って、
モータが車両の操舵系に使用されている場合等において
は、車両のシステムの異常な状態を事前に検知するため
に、できる限り正確に負荷トルクを検出できることが所
望されている。また、モータのコイルが途中でショート
した場合には1回転中でもモータ電流に対する発生トル
クが少なくなる部分があるためフィールングを悪化させ
るという問題点があった。
【0008】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、構成簡単にして正確に回転角およ
び負荷トルクを検出することができる廉価な直流モータ
の回転角および負荷トルク検出方法、その方法を使用し
た直流モータ制御装置およびその装置を備える電動式パ
ワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項第1項の発明に係
る直流モータの回転角検出方法は、所定の駆動トルクに
て直流モータの角加速度がほぼ一定であるよう設定した
駆動時間だけ直流モータを駆動し、直流モータの駆動時
間と駆動後の直流モータの発電電圧により該直流モータ
の駆動中の回転角を推定するようにしたものである。こ
のような構成によれば、駆動停止後の直流モータの発電
電圧より直流モータの角速度が検出でき、駆動中の角加
速度がほぼ一定であれば駆動時間と角速度の積により直
流モータの回転角を正確に検出することができる。
【0010】請求項第2項の発明に係る直流モータの回
転角検出方法は、所定の駆動トルクにて所定の駆動時間
だけ直流モータを駆動し、駆動後の一定時間ごとの直流
モータの発電電圧を積分することにより該直流モータの
非駆動時の回転角を推定するようにしたものである。こ
のような構成によれば、直流モータの駆動後の一定時間
ごとの直流モータ発電電圧を積分することにより、駆動
後の直流モータの回転角を正確に検出することができ
る。
【0011】請求項第3項の発明に係る直流モータの回
転角検出方法は、所定の駆動トルクにて直流モータの角
加速度がほぼ一定であるよう設定した駆動時間だけ直流
モータを駆動し、直流モータの駆動時間と駆動後の直流
モータの発電電圧により該直流モータの駆動中の回転角
を推定し、所定の駆動トルクにて所定の駆動時間だけ直
流モータを駆動し、駆動後の一定時間ごとの直流モータ
の発電電圧を積分することにより該直流モータの非駆動
時の回転角を推定し、駆動中の回転角と非駆動時の回転
角の和を求め、駆動時と非駆動時を含む全回転角を推定
するようにしたものである。このような構成によれば、
直流モータの駆動中と駆動後の回転角の和をとれば直流
モータの駆動開始からの全回転角を正確に検出できる。
【0012】請求項第4項の発明に係る直流モータの回
転角検出方法は、請求項第1項〜第3項のいずれかの発
明において、直流モータに対する通電電流を可変とする
ものである。このような構成によれば、直流モータに対
する通電電流を可変とし、慣性モーメントが違う直流モ
ータであっても角加速度がほぼ一定となるよう設定でき
るため回転角を正確に検出できる。
【0013】請求項第5項の発明に係る直流モータの回
転角検出方法は、請求項第1項〜第3項のいずれかの発
明において、直流モータに対する通電時間を可変とする
ものである。このような構成によれば、直流モータに対
する通電時間を可変とし、慣性モーメントが違う直流モ
ータであっても角加速度がほぼ一定となるよう設定でき
るため回転角を正確に検出できる。
【0014】請求項第6項の発明に係る直流モータの負
荷トルク検出方法は、請求項第1項または第2項記載の
回転角または請求項第3記載の全回転角から直流モータ
の負荷トルクを推定するものである。このような構成に
よれば、直流モータの負荷トルクが大きいくなるに従っ
て駆動中の角加速度は小さく、回転角も小さくなる。そ
のため、直流モータの負荷トルクを正確に検出すること
ができる。
【0015】請求項第7項の発明に係る直流モータ制御
装置、直流モータを所定の駆動トルクにて所定の時間だ
け駆動制御する駆動トルク制御手段と、直流モータの駆
動停止から該直流モータの発電電圧を検出する発電電圧
検出手段と、直流モータの発電電圧より該直流モータの
回転角を推定する回転角推定手段と、回転角から直流モ
ータの負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段とを備
えたものである。このような構成によれば、直流モータ
の負荷トルクが大きいくなるに従って駆動中の角加速度
は小さく、回転角も小さくなる。そのため、直流モータ
の負荷トルクを正確に検出することができる。
【0016】請求項第8項の発明に係る直流モータ制御
装置、請求項第7項の発明において、駆動トルク制御手
段が直流モータの電流を制御するモータ電流制御手段を
含むものである。このような構成によれば、駆動トルク
制御手段にモータ電流制御手段を設けて実質的にハード
ウェア的にモータ電流を制御するようにしたため、それ
だけ使用されるマイクロコンピュータの負担が軽減され
てこれを安価なものにすることが可能となる。
【0017】請求項第9項の発明に係る直流モータ制御
装置、請求項第7項または第8項の発明において、駆動
トルクおよび駆動時間を直流モータが少なくとも所定の
角度以上回転するように設定するものである。このよう
な構成によれば、回転角および負荷トルクの推定時に直
流モータを少なくとも所定の角度以上回転させることに
より、異物のかみ込み等による負荷トルクの増大または
機械的ロックをより確実に検出できることが可能とな
る。
【0018】請求項第10項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第7項〜第9項のいずれかの発明におい
て、回転角推定手段で推定された直流モータの回転角が
あるしきい値回転角に到達しないと判断した場合には、
警報器を駆動して異常警報を行うものである。このよう
な構成によれば、直流モータの回転角が所定の回転角に
到達しないと判断した場合には警報器を駆動して異常警
報をするため、回転角の異常を知らせることが可能とな
る。
【0019】請求項第11項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第7項〜第9項のいずれかの発明におい
て、負荷トルク推定手段で推定された直流モータの負荷
トルクが、異常であると判断した場合には、警報器を駆
動して異常警報を行うものである。このような構成によ
れば、直流モータの負荷トルクが異常であると判断した
場合には警報器を駆動して異常警報をするため、負荷ト
ルクの異常を知らせることが可能となる。
【0020】請求項第12項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第9項〜第11項のいずれかの発明にお
いて、直流モータの端子を接地側または電源側に接続す
るためのスイッチング素子を有する直流モータ駆動手段
を備え、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を導
通または非導通とし、発電電圧検出手段では接地電圧基
準で直流モータの発電電圧を検出するものである。この
ような構成によれば、接地側または電源側のスイッチン
グ素子を導通または非導通とすることで、接地電圧基準
で直流モータの発電電圧を検出でき、例えばマイコンへ
の入力インターフェース回路等の発電電圧の検出回路を
簡略化することが可能となると共に、発電電圧の測定分
解能の向上が可能となる。
【0021】請求項第13項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第9項〜第11項のいずれかの発明にお
いて、直流モータ駆動手段は直流モータの端子を電源側
または接地側に選択的に接続するための複数のスイッチ
ング素子を有し、直流モータの非駆動時に直流モータ駆
動手段の接地側のスイッチング素子を導通させ、発電電
圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの発電電圧を
検出するものである。このような構成によれば、電源側
のスイッチング素子を非導通、接地側のスイッチング素
子を導通とすることで、接地電圧基準で正逆転が可能な
直流モータの発電電圧を検出でき、例えばマイコンの入
力インターフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略
化することが可能となると共に、発電電圧の測定分解能
の向上が可能となる。
【0022】請求項第14項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第9項〜第11項のいずれかの発明にお
いて、直流モータ駆動手段は直流モータの接地側と反対
の端子を電源側に接続するための単一のスイッチング素
子を有し、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を
非導通とし、発電電圧検出手段では接地基準で直流モー
タの発電電圧を検出するものである。このような構成に
よれば、電源側のスイッチング素子を非導通とすること
で、接地電圧基準で単一方向に回転する直流モータの発
電電圧を検出でき、例えばマイコンの入力インターフェ
ース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化することが可
能となると共に、発電電圧の測定分解能の向上が可能と
なる。
【0023】請求項第15項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、移動体の操舵または操舵時の補助
負荷付勢を行う直流モータと、直流モータの出力軸を操
舵装置に機械的に連結または離脱を行うクラッチと、ク
ラッチの連結または離脱を制御するクラッチ制御手段
と、直流モータを所定の駆動トルクにて所定の時間だけ
駆動制御する駆動トルク制御手段、直流モータの駆動停
止後の該直流モータの発電電圧を検出する発電電圧検出
手段、直流モータの発電電圧より、該直流モータの回転
角を推定する回転角推定手段、および回転角から前記直
流モータの負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段を
有する直流モータ制御装置とを備え、クラッチ制御手段
は回転角推定手段または負荷トルク推定手段で推定され
た直流モータの回転角または負荷トルクに応じてクラッ
チの連結または離脱を制御するようにしたものである。
このような構成によれば、直流モータの負荷トルクが大
きいくなるに従って駆動中の角加速度は小さく、回転角
も小さくなる。そのため、直流モータの負荷トルクを正
確に検出することができ、そのモータ回転角または負荷
トルクが異常と判断した場合には直流モータを操舵装置
より離脱する事ができ、斯かる異常による悪影響を受け
なくすることが可能となる。
【0024】請求項第16項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項の発明において、
直流モータ制御装置における駆動トルクおよび駆動時間
を直流モータが少なくとも所定の角度以上回転するよう
に設定するものである。このような構成によれば、負荷
トルクの推定時に直流モータを少なくとも所定の角度以
上回転させることにより、異物のかみ込み等による負荷
トルクの増大をより確実に検出することが可能となる。
【0025】請求項第17項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項または第16項の
発明において、直流モータ駆動手段は直流モータの端子
を接地側または電源側に接続するためのスイッチング素
子を有し、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を
導通または非導通とし、発電電圧検出手段では接地電圧
基準で直流モータの発電電圧を検出するものである。こ
のような構成によれば、接地側または電源側のスイッチ
ング素子を導通とすることで、接地電圧基準で直流モー
タの発電電圧を検出でき、例えばマイコンへの入力イン
タフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化するこ
とが可能となると共に、発電電圧の測定分解能の向上が
可能となる。
【0026】請求項第18項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項または第16項の
発明において、直流モータ駆動手段は直流モータの端子
を電源側または接地側に選択的に接続するための複数の
スイッチング素子を有し、直流モータの非駆動時に直流
モータ駆動手段の接地側のスイッチング素子を導通さ
せ、発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの
発電電圧を検出するものである。
【0027】請求項第19項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項〜第18項のいず
れかの発明において、回転角推定手段で推定された直流
モータの回転角がしきい値回転角に到達しないと判定し
た場合には、警報器を駆動して異常警報を行うものであ
る。このような構成によれば、直流モータの回転角が所
定の回転角に到達しないと判断した場合には警報器を駆
動して異常警報をするため、運転者等に直流モータの回
転角の異常を知らせることが可能となる。
【0028】請求項第20項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項〜第18項のいず
れかの発明において、負荷トルク推定手段で推定された
直流モータの負荷トルクが異常であると判定した場合に
は、警報器を駆動して異常警報を行うものである。この
ような構成によれば、直流モータの負荷トルクが異常で
あると判断した場合には警報器を駆動して異常警報をす
るため、運転者等に負荷トルクの異常を知らせることが
可能となる。
【0029】請求項第21項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項〜第20項のいず
れかの発明において、移動体が車両であるものである。
このような構成によれば、移動体として車両に適用した
場合であるため、車両のシステムが確実に作動している
ことを確認できる。
【0030】
【発明に実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図を参照して説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の一実施例による直流
モータ制御装置を示す構成図である。図において、マイ
クロコンピュータ(以下、「マイコン」という)11
は、種々の演算処理を行う負荷トルク推定手段としての
CPU11a、予め図3に示すようなプログラム等が格
納されたROM11b、CPU11aが演算処理する際
に情報の読み書きを行うためのRAM11c、後述の直
流モータからの電機子電流や発電電圧をディジタル信号
に変換するA/D変換器11d、CPU11aからの制
御出力をパルス幅変調(PWM)し駆動信号として出力
するパルス幅変調回路11eおよび同じくCPU11a
からの制御出力を駆動信号として出力する入出力インタ
フェース11fから成る。
【0031】直流モータ13を駆動するためのH形ブリ
ッジ回路12は、スイッチング素子としてのパワーMO
SFET12a〜12dよりなる。すなわち、FET1
2a,12bの直列回路とFET12c,12dの直列
回路とを並列接続し、FET12a,12bの接続点Q
1を直流モータ13の一端に接続し、FET12c,1
2dの接続点Q2を直流モータ13の他端に接続する。
【0032】また、FET12a,12cの接続点を電
機子電流を検出するための抵抗器16を介して直流電圧
が供給される電源端子31に接続し、FET12
b,12dの接続点を接地する。また、FET12a,
12cのゲートにはマイコン11のパルス幅変調回路1
1eよりパルス幅変調された駆動信号をゲート駆動回路
14を介して供給すると共に、FET12b,12dの
ゲートにはマイコン11の入出力インタフェース11f
よりゲート駆動回路14を介して駆動信号を供給する。
【0033】また、接続点Q1,Q2の間に得られるモ
ータ13の発電電圧Vを入力インタフェース回路15
を介し、さらにA/D変換器11dでディジタル信号に
変換してCPU11aに供給する。また、抵抗器16の
両端間に得られる電機子電流の検出信号を入力インタフ
ェース回路17を介し、さらにA/D変換器11dでデ
ィジタル信号に変換してCPU11aに供給する。な
お、抵抗器16,入力インタフェース回路17およびA
/D変換器11dは駆動トルク制御手段を構成し、入力
インタフェース回路15およびA/D変換器11dは発
電電圧検出手段を構成し、ブリッジ回路12,ゲート駆
動回路14,パルス幅変調回路11eおよび入出力イン
タフェース11fは直流モータ駆動手段を構成する。
【0034】次に、図2および図3を参照しながら図1
の動作についての説明する。まず、所定時間tの間、
図1に破線の矢印で示す方向にモータ電流Iを所定の
電流Iだけ流して通電状態とする(図2参照)。この
動作を、図3のフローチャートに基づいて説明する。モ
ータ電流Iを抵抗器16にて検出し、入力インタフェ
ース回路17およびA/D変換器11dを介してCPU
11aに入力する。このモータ電流Iの検出値をステ
ップS2の入力処理にて読み込む。
【0035】そして、モータ電流IがステップS3で
設定された目標電流Iと一致するように、ステップS
4でフィードバック制御し、パルス幅変調回路11eの
出力信号のデューティ比を決定する。そして、後述のス
テップS5をパスして最後に、ステップS6の出力処理
で、FET12aをPWM駆動し、FET12b,12
cをオフとし、FET12dをオン(一定のデューティ
で駆動)とし、直流モータ13の通電電流とその方向を
制御する。勿論、FET12a,12dを同時にまたは
個別にPWM駆動してもよい。以上の動作を、t時間
だけ継続して行う。
【0036】次に、FET12a〜12dを全てオフと
して直流モータ13への通電を停止し、この通電停止後
の直流モータ13の発電電圧V1から回転角θ1を演算す
る。この動作を、図3のフローチャートに基づいて説明
する。ステップS3にて、目標電流Iをゼロに設定
し、ステップS6にてFET12a〜12dを全てオフ
とする。この状態で、接続点Q1,Q2の間に得られる
電圧Vを入力インタフェース回路15およびA/D変
換器11dを介してCPU11aに入力する。この電圧
をステップS2の入力処理にて読み込み、直流モー
タ13の発電電圧V1、つまり直流モータ13が慣性力
で回っているときの逆起電力を得る。そして、後述され
るように、次のサイクルでこの発電電圧V1と通電時間
1から、ステップS5にて直流モータ13の駆動中の
回転角θ1を演算する。また、通電停止から所定の一定
時間毎の発電電圧VMから非駆動時の回転角θ2を演算す
る。
【0037】ステップS5における駆動中の回転角θ1
の演算方法について説明する。所定の電流Iを直流モ
ータ13に通電した場合、直流モータ13の軸受け等の
ベアリングの摩擦等速度に比例する項を無視すれば、以
下の(1)式および(2)式が成立する。なお、Tはモ
ータ駆動トルク、TLは直流モータ13の負荷トルク、
Jはモータ慣性モーメント、ωはモータ角速度、k
モータトルク定数、θはモータ回転角である。
【0038】 T−T=J・dω/dt ・・・(1) T=k・I ・・・(2) ω=dω/dt ・・・(3)
【0039】ここで、Tは定トルク負荷であるとし、
直流モータ13の初速度=0と仮定し、所定時間t
け経過後のモータ角速度ωを、(1)式、(2)式よ
り求めると、以下の(4)式で示すようになる。
【0040】 ω=t(k−T)/J ・・・(4)
【0041】上記(3)式と(4)式より所定時間t1
経過後のモータ回転角θ1を求めると、以下の(5)式
で示すようになる。
【0042】 θ=t 2(k・I−T)/2J=θ/2 ・・・(5)
【0043】ここで、モータの逆起電力定数をKCとす
ると、モータの発電電圧VMより(6)式となる。
【0044】 ω=V1/KC ・・・(6)
【0045】上記(6)式を上記(5)式に代入する
と、以下の(7)式となる
【0046】 ω=V11/2KC ・・・(7)
【0047】上記(7)式の右辺はKCが定数であるか
ら、t1とV1が分かれば、駆動中の回転角θ1を演算す
ることが可能である。
【0048】次に、ステップS5における非駆動中の回
転角θ2の演算方法について説明する。通電停止から時
間t2経過後までの回転角をθ2とすると上記(3)式よ
り以下の(8)式となる。
【0049】 ω2=∫t1 t2ωdt ・・・(8)
【0050】一定のサンプル時間Δt2ごとのモータ角
速度をωn2とすると、下記の(9)式となる。
【0051】 ω2=ω12+ω22+ω32+・・・ωn2 ・・・(9)
【0052】上記(6)式を上記(9)式に代入して、
上記(10)式となる。
【0053】 ω2=(V12+V22+V32+・・・Vn2)/KC ・・・(10)
【0054】上記(10)式の右辺はKCが定数である
から、Δt2とVn2が分かれば、非駆動中の所定時間t2
のモータ回転角θ2を演算することが可能である。すな
わちΔt2ごとにモータの発電電圧VMに係数1/KC
掛けて積算すればよい。また、モータの通電中および通
電後t2までの全回転角を求めるにはθ1とθ2の合計値
を求めればよいことになる。次に、上記モータの回転角
θ1より負荷トルクの演算方法について説明する。上記
(5)式をTLに関して整理すると、下記の(11)式
となる。
【0055】 TL=k・I−2J・θ・1/t 2 ・・・(11)
【0056】上記(11)式のKT、Jは定数であるか
ら、I1とt1とθ1が分かれば、負荷トルクTLを演算す
ることが可能となる。またモータのコイルがショートす
ればKTが小さくなることより負荷トルクTLの異常を検
出することが可能となる。すなわち、直流モータ13へ
の通電電流Iと、通電時間tを、例えば負荷トルク
が異常な場合でも不都合がないような適当な値に定めて
おけば、通電を停止して所定時間tだけ経過後のモー
タ発電電圧Vは、図2に示すように負荷トルクT
大きくなるに従って低くなるため、つまり、図2に示す
ような特性を得ることことによりモータの回転角θ1
検出し、上記(11)式によって負荷トルクTを求め
ることができる。
【0057】なお、図3におけるステップS1はA/D
変換器11d等の周辺装置の初期化処理であり、ステッ
プS7は以上の一連の処理が一定周期で実行されるよう
に管理し、時間t,tの計測が容易に行えるように
するための待機処理である。
【0058】このように本実施例においては、直流モー
タ13を定電流駆動するモータ制御装置において、直流
モータ13の発電電圧VMから回転角θ、負荷トルクT
を演算して得るため、タコジェネレータ等のモータ角
速度検出器を具備しない場合にも、装置を複雑にするこ
となく正確に回転角θおよび負荷トルクTを検出でき
る。また、以上の動作を、モータ制御装置の起動後少な
くとも1回実行するようにすれば、つまり、直流モータ
13を常にオンさせないで1回だけオンさせるだけで、
直流モータ13がロック状態に陥る危険な故障を事前に
検知でき、フェールセーフ処理をすることが可能とな
り、信頼性が向上する。さらに、負荷トルクTに応じ
た直流モータ13の制御を行うことも可能となる。
【0059】実施の形態2.図4は、この発明の実施の
形態2による直流モータ制御装置を示す構成図である。
この図4において、図1と対応する部分には同一符号を
付し、その詳細説明は省略する。図1の例は実質的にソ
フトウェアでモータ電流IMを制御するものであった
が、本実施の形態はモータ電流制御手段18を設けて、
ハードウェアでモータ電流IMを制御するものである。
従って、本実施の形態におけるマイコン11Aはマイク
ロコンピュータ11で使用されたパルス幅変調回路11
eは省略され、モータ電流制御手段18内に含まれるよ
うになされている。その他は、図1の例と同様に構成す
る。
【0060】図5はモータ電流制御手段18の具体的回
路構成の一例を示す構成図である。図において、モータ
電流制御手段18はCPU11aより入出力インタフェ
ース11fを介して設定されたモータ目標電流をアナロ
グの電圧V1に変換するD/A変換器18a、モータ電
流IMを電圧V2に変換するモータ電流検出回路18b、
例えば演算増幅器OPとコンデンサCからなり、電圧V
1と電圧V2が一致するように出力電圧V3を制御するモ
ータ電流制御回路18c、例えば三角波比較によりモー
タ電流制御回路18cの出力電圧V3を所定のデューテ
ィ比のパルス信号に変換するパルス幅変調回路18d、
およびパルス幅変調回路18dからのパルス信号を駆動
信号としてFET12a,12cに供給するゲート駆動
回路18eを備える。
【0061】かかる構成により、CPU11aの設定し
た直流モータ13の目標電流と実電流が一致するように
FET12a,12cがPWM駆動される。従って、本
実施の形態においては、図1の例と同様に回転角θおよ
び負荷トルクTLを正確に検出できる他に、マイコン1
1Aはソフトウェア的には図3のステップS4を省くこ
とができ、マイコン11Aの負担が軽減され、マイコン
11Aとして安価なものを使用できる利益がある。
【0062】実施の形態3.なお、上記実施の形態1お
いては、通電電流I1および通電時間t1は任意でそれら
をどのように設定するかについては述べていないが、こ
れらを負荷トルクTLが所定の値以下の場合に、直流モ
ータ13の回転角θや直流モータ13に接続される減速
ギヤ等(図示せず)が例えば360度以上回転するよう
に設定すれば、異物のかみ込み等による負荷トルクTL
の増大をより確実に検出することが可能となる。
【0063】このように、本実施例においては、負荷ト
ルクTLが所定の値以下の場合、直流モータ13の回転
角θや直流モータ13に接続される減速ギヤ等が所定角
度以上回転するように設定したので、異物のかみ込み等
による負荷トルクTLの増大をより確実に検出すること
ができる。
【0064】実施の形態4.また、上記実施の形態にお
いては、通電電流I1を一定値としたが、時間に応じて
変化するようにしてもよい。例えば、図6に示すように
ランプ関数とすれば、上述した(5)式および(11)
式は、それぞれ以下の(12)式および(13)式に示
すようになる。
【0065】 θ1=t1 2(kT・I2−TL)/2J=ω11/2 ・・・(12) TL=kT・I2−2Jθ1・1/t1 2 ・・・(13)
【0066】従って、通電電流I1を一定値とした場合
には、モータ電流IMの目標値がステップ状に変化する
ため、通電電流と通電時間の設定および電流制御(フィ
ードバック制御)系の設計によっては、電流のオーバー
シュート等により検出トルクの誤差が大きくなることも
懸念されるが、本実施の形態のように目標モータ電流の
時間に対する変化量を小さくすれば、つまり、図5にお
いて、フィードバック制御により時間0より所定の時間
1に向かって徐々にモータ電流を上昇させることによ
りオーバシュートが出なくなるので、上記のような問題
は回避できる。このように、本実施例においては、目標
モータ電流の時間に対する変化量を小さくすることによ
り、電流のオーバーシュート等により検出トルクの誤差
が大きくなることがなくなる。
【0067】実施の形態5.また、上記実施例において
は、直流モータ13の発電電圧の測定時に、FET12
a〜12dを全てオフとしていたが、接地側のFET、
つまりFET12b,12dをオンにした状態で直流モ
ータ13の発電電圧の読み込みを行ってもよい。例え
ば、図1に示す方向にモータ電流IMを流して通電状態
とした後、FET12b,12cをオフ、FET12d
をオンとしたままの状態でFET12aをオフして、図
1中の電圧VMを測定すれば、接地電位基準で正側の電
圧として直流モータ13の発電電圧VMを検出すること
ができる。
【0068】これにより、上記実施の形態の場合、FE
T12dがオフのとき直流モータ13の両端の電圧を検
出する必要があるのでインタフェース回路15内に差動
アンプ(図示せず)を設ける必要があるが、本実施の形
態では、接地側にFETであるFET12dをオンとし
ているので、直流モータ13のFET12dと反対側の
端子と接地との間の電圧を検出すればよいので、上述の
ような差動アンプは不要となり、それだけ入力インタフ
ェース回路15の構成を簡略化することができる。
【0069】また、上記実施の形態では、FET12d
をオフして直流モータ13の両端の電圧を見ているの
で、例えばA/D変換器11dの基準電圧を5Vとする
と、その1/2の0〜2.5Vの範囲しか使用できない
が、本実施の形態では、FET12dをオンして接地電
位基準で見ているので、0〜5Vの全範囲に亙って使用
でき、それだけ直流モータ13の発電電圧の測定分解能
を向上させることができる。
【0070】実施の形態6.図7は、この発明の実施の
形態6による直流モータ制御装置を示す構成図である。
本実施の形態は、上記実施の形態のように直流モータ1
3の正逆転が可能な回路ではなく、直流モータ13を単
一方向に回転させる回路の例である。この図7におい
て、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細
説明は省略する。図において、直流モータ13の一端を
接地し、その他端をスイッチング素子例えばPNP形ト
ランジスタ20のコレクタ・エミッタおよび電機子電流
検出用の抵抗器16の直列回路を介して電源端子31に
接続する。トランジスタ20のベースにはモータ電流設
定手段としての例えばD/A変換器19より駆動信号を
供給する。
【0071】また、直流モータ13と並列にフライホイ
ールダイオード21を接続する。そして、直流モータ1
3およびトランジスタ20のコレクタの接続点に得られ
る電圧を入力インタフェース回路15を介し、さらにA
/D変換器11dでディジタル信号に変換してCPU1
1aに供給する。
【0072】次に動作について説明する。まず、CPU
11aよりインタフェース回路11fおよびD/A変換
器19を介して目標電流を電圧V4としてトランジスタ
20のベースに設定する。ここで、トランジスタ20が
ダーリントン接続等により十分電流増幅率が高くされ、
ベース電流IBがエミッタ電流IE,コレクタ電流IC
比べて無視できるものとすれば、直流モータ13を流れ
るモータ電流IMは、次式のように表される。
【0073】 IM=IC≒IE=(VB−VBE−V4)/RE ・・・(14)
【0074】ここで、VBEはトランジスタ20のベース
−エミッタ間電圧,REは抵抗器16の抵抗値である。
従って、電源電圧VB,ベースーエミッタ間電圧VBE
抵抗値REが一定ならば、直流モータ13は、電圧V4
設定すると定電流駆動されることになる。また、直流モ
ータ13の一端が接地されているため、駆動停止後の電
圧VMを測定すれば、接地電位基準で正側の電圧として
直流モータ13の発電電圧V2を検出することができ
る。従って、上述した図3のフローチャートに従って
(ただし、この場合、ステップS4は省略される)発電
電圧V2と通電停止からの経過時間に基づいて直流モー
タ13の負荷トルクTLを演算することにより、本実施
の形態でも、図1および図4の実施の形態と同様に直流
モータ13の回転角θ、負荷トルクを検出することがで
きる。
【0075】このように本実施の形態においては、直流
モータ13を単一方向に回転させる場合にも図1の例と
同様に回転角θ、負荷トルクTLを正確に検出できる他
に、マイコン11Aはソフトウェア的には図3のステッ
プS4を省くことができ、マイコン11Aとして安価な
ものを使用できる利益がある。また、本実施の形態で
は、接地電位基準で見ているので、直流モータ13の発
電電圧の測定分解能を向上させることができる。
【0076】実施の形態7.図8は、この発明の実施の
形態7による上述のような直流モータ制御装置を用いた
車両等の電動式パワーステアリング装置を概略的に示す
構成図である。この図8において、図1と対応する部分
には同一符号を付して示している。図において、電動式
パワーステアリング装置は、ハンドル22、ハンドル2
2に連結されたステアリング軸23、ステアリング軸2
3のトルクを測定するためのトルクセンサ24、直流モ
ータ13とステアリング軸23を減速ギヤ26を介して
機械的な連結または離脱を行うためのクラッチ25、ス
テアリング軸23と車輪を連結するラッチ軸27、トル
クセンサ24等の出力信号等に基づいて直流モータ13
およびクラッチ25を制御するコントロールユニット2
8を備える。コントロールユニット28はこので上述の
直流モータ制御装置に相当するものである。また、電動
式パワーステアリング装置は、コントロールユニット2
8等に電源を供給するバッテリ29、バッテリ29とコ
ントロールユニット28の間に設けられたイグニッショ
ンスイッチ30を備える。なお、ここではクラッチ25
の連結または離脱を制御するクラッチ制御手段は図示し
ていない。
【0077】次に、図9のフローチャートを参照しなが
らコントロールユニット28の処理動作を説明する。ま
ず、イグニッションスイッチ30がオンとされると、ス
テップS11でコントロールユニット28の初期化処理
をする。次に、ステップS12でクラッチ25をオフに
し、直流モータ13をステアリング軸23から機械的に
離脱した後、ステップS13で上述した実施の形態で説
明したような方法で直流モータ13の回転角θ、負荷ト
ルクTLを検出してチェックをする。
【0078】なお、直流モータ13がステアリング軸2
3から機械的に離脱されているにも拘らず或る閾値回転
角に到達しないか、もしくは負荷トルクTLが異常と判
断された場合には、クラッチ25をオンとせずに、ステ
ップS16でクラッチ25のオフ、直流モータ13への
通電禁止等のフェールセーフ処理をする。一方、正常と
判断された場合には、ステップS14でクラッチ25を
オンとし、直流モータ13をステアリング軸23と機械
的に連結し、ステップS15でトルクセンサ24の出力
信号等に従ってパワーステアリングの制御をする。
【0079】このように、本実施の形態においては、パ
ワーステアリングのコントロールユニット28の起動
後、少なくとも1回、この発明の方法で直流モータ13
の回転角θまたは負荷トルクTLを測定することによ
り、ハンドル22が固着されるような故障を事前に正確
に検知することができ、より精度の高いパワーステアリ
ング装置を得ることができる。
【0080】実施の形態8.なお、図8の例において
は、クラッチ25は直流モータ13と減速ギヤ26の間
に設置したが、直流モータ13とステアリング軸23を
機械的に離脱できる位置であればどこでもよい。例え
ば、減速ギヤ26とステアリング軸23の間に設置すれ
ば、減速ギヤ26における異物のかみ込み等による故障
をも検出可能となる。
【0081】また、図8の例においては、車両の状態を
検知する手段としてはトルクセンサ24のみを具備して
いるが、より操舵フィーリング等を高めるため、車速、
ハンドル角等の車両の状態を検知する手段を具備しても
よく、例えばパルス発生器(PG)を設け、パルス発生
器からのパルス周期をCPUで演算して車速を検出した
り、あるいはポテンショメータを設け、その出力をCP
Uで演算してハンドル角を検出して車両の状態を検知す
るようにしてもよい。また、故障時に運転者に異常であ
ることを知らせるために、ブザー、ランプ等の警報器を
具備してもよい。この場合、警報器は図9のステップS
16のフェールセーフ処理にて駆動されることになる。
【0082】実施の形態9.また、図9のフローチャー
トのステップS13でモータ13の回転角θまたは負荷
トルクTLのチェックを行う前に、クラッチ25がオフ
していること、車速が充分低いこと等のチェックを行っ
て、モータの回転角θまたは負荷トルクTLのチェック
のために直流モータ13に通電しても安全であることが
確認できた場合のみステップS13を実行するように処
理してもよい。このように処理すれば、例えばクラッチ
25がオフできない故障状態にある場合に、モータの回
転角θまたは負荷トルクTLのチェックによって車輪が
操舵されることを未然に防ぐことができ、あるいは万一
車輪が操舵されても充分な信頼性を確保することがで
き、さらに精度の高いパワーステアリング装置を得るこ
とができる。
【0083】実施の形態10.また、図9のフローチャ
ートにおいては、コントロールユニット28の起動後
に、1回のみ直流モータ13の回転角θまたは負荷トル
クTLのチェックを行うように処理しているが、クラッ
チ25がオフしていれば、随時モータの回転角θまたは
負荷トルクTLのチェックを実行してもよい。例えば、
車両が信号待ち等で停車している場合等にモータの回転
角θまたは負荷トルクTLのチェックを行うようにすれ
ば、より綿密に直流モータ13の故障検出を行うことが
可能となる。
【0084】また、図9のフローチャートにおいては、
ステップS12でクラッチ25をオフした後に、ステッ
プS13で直流モータ13の回転角θまたは負荷トルク
Lのチェックを行っているが、減速ギヤ26の減速比
が充分に高く、モータの回転角θまたは負荷トルクTL
を測定するために必要な角度だけ直流モータ13を回転
しても車輪の操舵角が充分に小さく、不都合を生じない
と判断できる場合には、クラッチ25をオンしたままモ
ータの回転角θまたは負荷トルクTLのチェックを行っ
てもよい。このようにクラッチ25をオンしたままモー
タの回転角θまたは負荷トルクTLのチェックを行う場
合には、減速ギヤ26やクラッチ25の部分における異
物かみ込み等による負荷トルクの増大をも検出すること
ができる。
【0085】実施の形態11.さらに、上述の実施の形
態ではいわゆるブラシ付き直流モータを用いる場合につ
いて述べたが、この発明によるモータの回転角または負
荷トルクの検出方法はブラシレス直流モータについても
同様に適用できる。また、上述では移動体として車両の
操舵装置への適用例を述べたが、船舶や二輪車等の操舵
装置にも同様に適用できることは勿論である。
【0086】
【発明の効果】請求項第1項の発明によれば、所定の駆
動トルクにて直流モータの角加速度がほぼ一定であるよ
う設定した駆動時間だけ直流モータを駆動し、直流モー
タの駆動時間と駆動後の直流モータの発電電圧により該
直流モータの駆動中の回転角を推定するようにしたの
で、装置を複雑にすることなく駆動停止後の直流モータ
の発電電圧と駆動時間より、駆動中の直流モータの回転
角を正確に検出することができるという効果がある。
【0087】請求項第2項の発明によれば、所定の駆動
トルクにて所定の駆動時間だけ直流モータを駆動し、駆
動後の一定時間ごとの直流モータの発電電圧を積分する
ことにより該直流モータの非駆動時の回転角を推定する
ようにしたので、装置を複雑にすることなく駆動停止後
の直流モータの回転角を正確に検出することができると
いう効果がある。
【0088】請求項第3項の発明によれば、所定の駆動
トルクにて直流モータの角加速度がほぼ一定であるよう
設定した駆動時間だけ直流モータを駆動し、直流モータ
の駆動時間と駆動後の直流モータの発電電圧により該直
流モータの駆動中の回転角を推定し、所定の駆動トルク
にて所定の駆動時間だけ直流モータを駆動し、駆動後の
一定時間ごとの直流モータの発電電圧を積分することに
より該直流モータの非駆動時の回転角を推定し、駆動中
の回転角と非駆動時の回転角の和を求め、駆動時と非駆
動時を含む全回転角を推定するようにしたので、装置を
複雑にすることなく直流モータの全回転角を正確に検出
することができるという効果がある。
【0089】請求項第4項の発明によれば、請求項第1
項〜第3項のいずれかの発明において、直流モータに対
する通電電流を可変とするので、請求項第1項〜第3項
の発明の効果に加えて、さらに直流モータに対する通電
電流を可変とし、直流モータの目標電流の時間に対する
変化量を小さくできるため、電流のオーバーシュート等
により推定回転角の誤差が大きくなるのを抑制できると
いう効果がある。
【0090】請求項第5項の発明によれば、請求項第1
項〜第3項のいずれかの発明において、直流モータに対
する通電時間を可変とするので、請求項第1項〜第3項
の発明の効果に加えて、さらに直流モータに対する通電
時間を可変とし、直流モータの慣性モーメントが変化し
ても直流モータの角加速度がほぼ一定であるように設定
でき、直流モータ駆動時の推定回転角の誤差が大きくな
るのを抑制できるという効果がある。
【0091】請求項第6項の発明によれば、請求項第1
項または第2項記載の回転角または請求項第3記載の全
回転角から直流モータの負荷トルクを推定するので、直
流モータの負荷トルクが大きくなるかモータの駆動トル
クが小さくなるに従って駆動中の角加速度は小さく、回
転角も少なくなり、以て、所定時間後の回転角より直流
モータの負荷トルクを正確に検出することができるとい
う効果がある。
【0092】請求項第7項の発明によれば、直流モータ
を所定の駆動トルクにて所定の時間だけ駆動制御する駆
動トルク制御手段と、直流モータの駆動停止から該直流
モータの発電電圧を検出する発電電圧検出手段と、直流
モータの発電電圧より該直流モータの回転角を推定する
回転角推定手段と、回転角から直流モータの負荷トルク
を推定する負荷トルク推定手段とを備えたので、直流モ
ータの負荷トルクが大きくなるのに従って駆動時の直流
モータの角加速度は小さく、回転角も小さくなり、以
て、所定時間後の回転角より直流モータの負荷トルク及
び直流モータの駆動トルク異常を正確に検出することが
できるという効果がある。
【0093】請求項第8項の発明によれば、請求項第7
項の発明において、駆動トルク制御手段が直流モータの
電流を制御するモータ電流制御手段を含むので、請求項
第7項の発明の効果に加えて、さらに、実質的にハード
ウェア的にモータ電流を制御することができ、それだけ
使用されるマイクロコンピュータの負担が軽減されて安
価なものとなり、低廉化が図れるという効果がある。
【0094】請求項第9項の発明によれば、請求項第7
項または第8項の発明において、駆動トルクおよび駆動
時間を直流モータが少なくとも所定の角度以上回転する
ように設定するので、請求項第7項または第8項の発明
の効果に加えて、負荷トルクの推定時に直流モータを少
なくとも所定の角度以上回転させることにより、異物の
かみ込み等による負荷トルクの増大及び直流モータの駆
動トルク異常をより確実に検出することができるという
効果がある。
【0095】請求項第10項の発明によれば、請求項第
7項〜第9項のいずれかの発明において、回転角推定手
段で推定された直流モータの回転角があるしきい値回転
角に到達しないと判断した場合には、警報器を駆動して
異常警報を行うので、請求項第7項〜第9項の発明の効
果に加えて、さらに直流モータの駆動トルク異常および
異物のかみ込み等による負荷トルクの増大またはロック
を知らせるという効果がある。
【0096】請求項第11項の発明によれば、請求項第
7項〜第9項のいずれかの発明において、負荷トルク推
定手段で推定された直流モータの負荷トルクが、異常で
あると判断した場合には、警報器を駆動して異常警報を
行うので、請求項第7〜第9項の発明の効果に加えて、
さらに直流モータの駆動トルク異常および異物のかみ込
み等による負荷トルクの増大またはロックを知らせると
いう効果がある。
【0097】請求項第12項の発明によれば、請求項第
9項〜第11項のいずれかの発明において、直流モータ
の端子を接地側または電源側に接続するためのスイッチ
ング素子を有する直流モータ駆動手段を備え、直流モー
タの非駆動時にスイッチング素子を導通または非導通と
し、発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの
発電電圧を検出するので、請求項第9項〜第11項の発
明の効果に加えて、さらに、例えばマイコンの入力イン
ターフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化で
き、また、直流モータの発電電圧の測定分解能を向上さ
せ、回転角をより正確に検出することができるという効
果がある。
【0098】請求項第13項の発明によれば、請求項第
9項〜第11項のいずれかの発明において、直流モータ
駆動手段は直流モータの端子を電源側または接地側に選
択的に接続するための複数のスイッチング素子を有し、
直流モータの非駆動時に直流モータ駆動手段の接地側の
スイッチング素子を導通させ、発電電圧検出手段では接
地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出するので、請
求項第9項〜第11項の発明の効果に加えて、特に、正
逆転が可能な直流モータが搭載された直流モータ制御装
置における構成の簡略化、直流モータの発電電圧の測定
分解能を向上させることができるという効果がある。
【0099】請求項第14項の発明によれば、請求項第
9項〜第11項のいずれかの発明において、直流モータ
駆動手段は直流モータの接地側と反対の端子を電源側に
接続するための単一のスイッチング素子を有し、直流モ
ータの非駆動時にスイッチング素子を非導通とし、発電
電圧検出手段では接地基準で直流モータの発電電圧を検
出するので、請求項第9項〜第11項の発明の効果に加
えて、特に、単一方向に回転する直流モータが搭載され
た直流モータ制御装置における構成の簡略化、直流モー
タの発電電圧の測定分解能を向上させ、回転角をより正
確に検出することができるという効果がある。
【0100】請求項第15項の発明によれば、移動体の
操舵または操舵時の補助負荷付勢を行う直流モータと、
直流モータの出力軸を操舵装置に機械的に連結または離
脱を行うクラッチと、クラッチの連結または離脱を制御
するクラッチ制御手段と、直流モータを所定の駆動トル
クにて所定の時間だけ駆動制御する駆動トルク制御手
段、直流モータの駆動停止後の該直流モータの発電電圧
を検出する発電電圧検出手段、直流モータの発電電圧よ
り、該直流モータの回転角を推定する回転角推定手段、
および回転角から前記直流モータの負荷トルクを推定す
る負荷トルク推定手段を有する直流モータ制御装置とを
備え、クラッチ制御手段は回転角推定手段または負荷ト
ルク推定手段で推定された直流モータの回転角または負
荷トルクに応じてクラッチの連結または離脱を制御する
ようにしたので、直流モータの負荷トルクが大きくなる
のに従って駆動時の直流モータの加速度は小さく、回転
角も小さくなる。よって所定時間後の直流モータの回転
角より負荷トルクを正確に検出でき、そのモータ負荷ト
ルクおよび駆動トルクが異常と判断した場合には直流モ
ータを操舵装置より離脱することができ、操舵ハンドル
が固着されるような危険な故障を事前に正確に検知する
ことができるため、構成簡単にして、安価な本装置の搭
載された移動体の性能と信頼性を高めることができると
いう効果がある。
【0101】請求項第16項の発明によれば、請求項第
15項の発明において、直流モータ制御装置における駆
動トルクおよび駆動時間を直流モータが少なくとも所定
の角度以上回転するように設定するので、請求項第15
項の発明の効果に加えて、さらに、負荷トルクの推定時
に直流モータを少なくとも所定の角度以上回転させるこ
とにより、異物のかみ込み等による負荷トルクの増大及
びロック及び直流モータの駆動トルク異常をより確実に
検出することができるという効果がある。
【0102】請求項第17項の発明によれば、請求項第
15項または第16項の発明において、直流モータ駆動
手段は直流モータの端子を接地側または電源側に接続す
るためのスイッチング素子を有し、直流モータの非駆動
時にスイッチング素子を導通または非導通とし、発電電
圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの発電電圧を
検出するので、請求項第15項または第16項の発明の
効果に加えて、さらに、例えばマイコンの入力インター
フェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化でき、ま
た、直流モータの発電電圧の測定分解能を向上させ、回
転角をより正確に検出することができるという効果があ
る。
【0103】請求項第18項の発明によれば、請求項第
15項または第16項の発明において、直流モータ駆動
手段は直流モータの端子を電源側または接地側に選択的
に接続するための複数のスイッチング素子を有し、直流
モータの非駆動時に直流モータ駆動手段の接地側のスイ
ッチング素子を導通させ、発電電圧検出手段では接地電
圧基準で直流モータの発電電圧を検出するので、請求項
第15項または第16項の発明の効果に加えて、さら
に、例えばマイコンの入力インターフェース回路等の発
電電圧の検出回路を簡略化でき、また、直流モータの発
電電圧の測定分解能を向上させ、回転角をより正確に検
出することができるという効果がある。
【0104】請求項第19項の発明によれば、請求項第
15項〜第18項のいずれかの発明において、回転角推
定手段で推定された直流モータの回転角がしきい値回転
角に到達しないと判定した場合には、警報器を駆動して
異常警報を行うので、請求項第15項〜第18項の発明
の効果に加えて、さらに直流モータの駆動トルク異常お
よび異物のかみ込み等による負荷トルクの増大またはロ
ックを知らせことができ本装置の搭載された移動体の信
頼性をより高めることができるという効果がある。
【0105】請求項第20項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項〜第18項のいず
れかの発明において、負荷トルク推定手段で推定された
直流モータの負荷トルクが異常であると判定した場合に
は、警報器を駆動して異常警報を行うので、請求項第1
5項〜第18項の発明の効果に加えて、さらに直流モー
タの駆動トルク異常および異物のかみ込み等による負荷
トルクの増大またはロックを知らせことができ本装置の
搭載された移動体の信頼性をより高めることができると
いう効果がある。
【0106】請求項第21項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項〜第20項のいず
れかの発明において、移動体が車両であるので、特に、
車両に搭載されたパワーステアリング装置において請求
項第15項〜第20項の発明と同様の効果を呈すること
ができ、車両の性能と信頼性等の向上に寄与できるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態による直流モータ制
御装置を示す構成図である。
【図2】 図1の動作を説明するための図である。
【図3】 図1の処理動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図4】 この発明の他の実施の形態による直流モータ
制御装置を示す図である。
【図5】 図4のモータ電流制御手段の具体的回路構成
の一例を示す構成図である。
【図6】 モータ電流の通電方法の他の例を示す図であ
る。
【図7】 この発明の他の実施の形態による直流モータ
制御装置を示す図である。
【図8】 この発明の他の実施の形態による電動式パワ
ーステアリング装置を示す構成図である。
【図9】 図8のコントロールユニットの処理動作を示
すフローチャートである。
【図10】 従来の直流モータの負荷トルクを推定する
ための方法に用いられる装置の一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
11,11A,11B マイクロコンピュータ、12
H形ブリッジ回路、12a〜12d パワーMOSFE
T、13 直流モータ、14 ゲート駆動回路、15,
17 入力インタフェース回路、16 電機子電流検出
用の抵抗器、18 モータ電流制御手段、19 D/A
変換器、20 PNP形トランジスタ、21 フライホ
イールダイオード、22 ハンドル、23 ステアリン
グ軸、24 トルクセンサ、25 クラッチ、26 減
速ギヤ、27 ラック軸、28バッテリ、29 イグニ
ッションスイッチ。
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項17
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】請求項第7項の発明に係る直流モータ制御
装置、直流モータを所定の駆動トルクにて所定の時間
だけ駆動制御する駆動トルク制御手段と、直流モータの
駆動停止から該直流モータの発電電圧を検出する発電電
圧検出手段と、直流モータの発電電圧より該直流モータ
の回転角を推定する回転角推定手段と、回転角から直流
モータの負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段とを
備えたものである。このような構成によれば、直流モー
タの負荷トルクが大きいくなるに従って駆動中の角加速
度は小さく、回転角も小さくなる。そのため、直流モー
タの負荷トルクを正確に検出することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】請求項第8項の発明に係る直流モータ制御
装置、請求項第7項の発明において、駆動トルク制御
手段が直流モータの電流を制御するモータ電流制御手段
を含むものである。このような構成によれば、駆動トル
ク制御手段にモータ電流制御手段を設けて実質的にハー
ドウェア的にモータ電流を制御するようにしたため、そ
れだけ使用されるマイクロコンピュータの負担が軽減さ
れてこれを安価なものにすることが可能となる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】請求項第9項の発明に係る直流モータ制御
装置、請求項第7項または第8項の発明において、駆
動トルクおよび駆動時間を直流モータが少なくとも所定
の角度以上回転するように設定するものである。このよ
うな構成によれば、回転角および負荷トルクの推定時に
直流モータを少なくとも所定の角度以上回転させること
により、異物のかみ込み等による負荷トルクの増大また
は機械的ロックをより確実に検出できることが可能とな
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】請求項第10項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第7項〜第9項のいずれかの発明にお
いて、回転角推定手段で推定された直流モータの回転角
があるしきい値回転角に到達しないと判断した場合に
は、警報器を駆動して異常警報を行うものである。この
ような構成によれば、直流モータの回転角が所定の回転
角に到達しないと判断した場合には警報器を駆動して異
常警報をするため、回転角の異常を知らせることが可能
となる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】請求項第11項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第7項〜第9項のいずれかの発明にお
いて、負荷トルク推定手段で推定された直流モータの負
荷トルクが、異常であると判断した場合には、警報器を
駆動して異常警報を行うものである。このような構成に
よれば、直流モータの負荷トルクが異常であると判断し
た場合には警報器を駆動して異常警報をするため、負荷
トルクの異常を知らせることが可能となる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】請求項第12項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第項〜第11項のいずれかの発明に
おいて、直流モータの端子を接地側または電源側に接続
するためのスイッチング素子を有する直流モータ駆動手
段を備え、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を
導通または非導通とし、発電電圧検出手段では接地電圧
基準で直流モータの発電電圧を検出するものである。こ
のような構成によれば、接地側または電源側のスイッチ
ング素子を導通または非導通とすることで、接地電圧基
準で直流モータの発電電圧を検出でき、例えばマイコン
への入力インターフェース回路等の発電電圧の検出回路
を簡略化することが可能となると共に、発電電圧の測定
分解能の向上が可能となる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】請求項第13項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第項〜第11項のいずれかの発明に
おいて、流モータの端子を電源側または接地側に選択
的に接続するための複数のスイッチング素子を有する直
流モータ駆動手段を備え、直流モータの非駆動時に直流
モータ駆動手段の接地側のスイッチング素子を導通さ
せ、発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの
発電電圧を検出するものである。このような構成によれ
ば、電源側のスイッチング素子を非導通、接地側のスイ
ッチング素子を導通とすることで、接地電圧基準で正逆
転が可能な直流モータの発電電圧を検出でき、例えばマ
イコンの入力インターフェース回路等の発電電圧の検出
回路を簡略化することが可能となると共に、発電電圧の
測定分解能の向上が可能となる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】請求項第14項の発明に係る直流モータ制
御装置、請求項第項〜第11項のいずれかの発明に
おいて、流モータの接地側と反対の端子を電源側に接
続するための単一のスイッチング素子を有する直流モー
タ駆動手段を備え、直流モータの非駆動時にスイッチン
グ素子を非導通とし、発電電圧検出手段では接地基準で
直流モータの発電電圧を検出するものである。このよう
な構成によれば、電源側のスイッチング素子を非導通と
することで、接地電圧基準で単一方向に回転する直流モ
ータの発電電圧を検出でき、例えばマイコンの入力イン
ターフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化する
ことが可能となると共に、発電電圧の測定分解能の向上
が可能となる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】請求項第17項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項または第16項の
発明において、直流モータ制御装置は直流モータの端子
を接地側または電源側に接続するためのスイッチング素
子を有する直流モータ駆動手段を備え、直流モータの非
駆動時にスイッチング素子を導通または非導通とし、発
電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの発電電
圧を検出するものである。このような構成によれば、接
地側または電源側のスイッチング素子を導通とすること
で、接地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出でき、
例えばマイコンへの入力インタフェース回路等の発電電
圧の検出回路を簡略化することが可能となると共に、発
電電圧の測定分解能の向上が可能となる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】請求項第18項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第15項または第16項の
発明において、直流モータ制御装置は直流モータの端子
を電源側または接地側に選択的に接続するための複数の
スイッチング素子を有する直流モータ駆動手段を備え
直流モータの非駆動時に直流モータ駆動手段の接地側の
スイッチング素子を導通させ、発電電圧検出手段では接
地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出するものであ
る。このような構成によれば、接地側のスイッチング素
子を導通とすることで、接地電圧基準で直流モータの発
電電圧を検出でき、例えばマイコンへの入力インタフェ
ース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化することが可
能となると共に、発電電圧の測定分解能の向上が可能と
なる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態を
図を参照して説明する。 実施の形態1.図1は、この発明の一実施例による直流
モータ制御装置を示す構成図である。図において、マイ
クロコンピュータ(以下、「マイコン」という)11
は、種々の演算処理を行う回転角推定手段および負荷ト
ルク推定手段としてのCPU11a、予め図3に示すよ
うなプログラム等が格納されたROM11b、CPU1
1aが演算処理する際に情報の読み書きを行うためのR
AM11c、後述の直流モータからの電機子電流や発電
電圧をディジタル信号に変換するA/D変換器11d、
CPU11aからの制御出力をパルス幅変調(PWM)
し駆動信号として出力するパルス幅変調回路11eおよ
び同じくCPU11aからの制御出力を駆動信号として
出力する入出力インタフェース11fから成る。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】請求項第12項の発明によれば、請求項第
項〜第11項のいずれかの発明において、直流モータ
の端子を接地側または電源側に接続するためのスイッチ
ング素子を有する直流モータ駆動手段を備え、直流モー
タの非駆動時にスイッチング素子を導通または非導通と
し、発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの
発電電圧を検出するので、請求項第項〜第11項の発
明の効果に加えて、さらに、例えばマイコンの入力イン
ターフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化で
き、また、直流モータの発電電圧の測定分解能を向上さ
せ、回転角をより正確に検出することができるという効
果がある。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】請求項第13項の発明によれば、請求項第
項〜第11項のいずれかの発明において、流モータ
の端子を電源側または接地側に選択的に接続するための
複数のスイッチング素子を有する直流モータ駆動手段を
備え、直流モータの非駆動時に直流モータ駆動手段の接
地側のスイッチング素子を導通させ、発電電圧検出手段
では接地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出するの
で、請求項第項〜第11項の発明の効果に加えて、特
に、正逆転が可能な直流モータが搭載された直流モータ
制御装置における構成の簡略化、直流モータの発電電圧
の測定分解能を向上させることができるという効果があ
る。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正内容】
【0099】請求項第14項の発明によれば、請求項第
項〜第11項のいずれかの発明において、流モータ
の接地側と反対の端子を電源側に接続するための単一の
スイッチング素子を有する直流モータ駆動手段を備え
直流モータの非駆動時にスイッチング素子を非導通と
し、発電電圧検出手段では接地基準で直流モータの発電
電圧を検出するので、請求項第項〜第11項の発明の
効果に加えて、特に、単一方向に回転する直流モータが
搭載された直流モータ制御装置における構成の簡略化、
直流モータの発電電圧の測定分解能を向上させ、回転角
をより正確に検出することができるという効果がある。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】請求項第17項の発明によれば、請求項第
15項または第16項の発明において、直流モータ制御
装置は直流モータの端子を接地側または電源側に接続す
るためのスイッチング素子を有する直流モータ駆動手段
を備え、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を導
通または非導通とし、発電電圧検出手段では接地電圧基
準で直流モータの発電電圧を検出するので、請求項第1
5項または第16項の発明の効果に加えて、さらに、例
えばマイコンの入力インターフェース回路等の発電電圧
の検出回路を簡略化でき、また、直流モータの発電電圧
の測定分解能を向上させ、回転角をより正確に検出する
ことができるという効果がある。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正内容】
【0103】請求項第18項の発明によれば、請求項第
15項または第16項の発明において、直流モータ制御
装置は直流モータの端子を電源側または接地側に選択的
に接続するための複数のスイッチング素子を有する直流
モータ駆動手段を備え、直流モータの非駆動時に直流モ
ータ駆動手段の接地側のスイッチング素子を導通させ、
発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの発電
電圧を検出するので、請求項第15項または第16項の
発明の効果に加えて、さらに、例えばマイコンの入力イ
ンターフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化で
き、また、直流モータの発電電圧の測定分解能を向上さ
せ、回転角をより正確に検出することができるという効
果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田垣 滋樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の駆動トルクにて直流モータの角加
    速度がほぼ一定であるよう設定した駆動時間だけ上記直
    流モータを駆動し、上記直流モータの駆動時間と駆動後
    の上記直流モータの発電電圧により該直流モータの駆動
    中の回転角を推定するようにしたことを特徴とする直流
    モータの回転角検出方法。
  2. 【請求項2】 所定の駆動トルクにて所定の駆動時間だ
    け上記直流モータを駆動し、駆動後の一定時間ごとの上
    記直流モータの発電電圧を積分することにより該直流モ
    ータの非駆動時の回転角を推定するようにしたことを特
    徴とする直流モータの回転角検出方法。
  3. 【請求項3】 所定の駆動トルクにて直流モータの角加
    速度がほぼ一定であるよう設定した駆動時間だけ上記直
    流モータを駆動し、上記直流モータの駆動時間と駆動後
    の上記直流モータの発電電圧により該直流モータの駆動
    中の回転角を推定し、所定の駆動トルクにて所定の駆動
    時間だけ上記直流モータを駆動し、駆動後の一定時間ご
    との上記直流モータの発電電圧を積分することにより該
    直流モータの非駆動時の回転角を推定し、上記駆動中の
    回転角と上記非駆動時の回転角の和を求め、駆動時と非
    駆動時を含む全回転角を推定するようにしたことを特徴
    とする直流モータの回転角検出方法。
  4. 【請求項4】 上記直流モータに対する通電電流を可変
    とする請求項第1項〜第3項のいずれかに記載の直流モ
    ータの回転角検出方法。
  5. 【請求項5】 上記直流モータに対する通電時間を可変
    とする請求項第1項〜第3項のいずれかに記載の直流モ
    ータの回転角検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項第1項または第2項記載の回転角
    または請求項第3記載の全回転角から上記直流モータの
    負荷トルクを推定するようにした直流モータの負荷トル
    ク検出方法。
  7. 【請求項7】 直流モータを所定の駆動トルクにて所定
    の時間だけ駆動制御する駆動トルク制御手段と、 上記直流モータの駆動停止から該直流モータの発電電圧
    を検出する発電電圧検出手段と、 上記直流モータの発電電圧より該直流モータの回転角を
    推定する回転角推定手段と、 上記回転角から上記直流モータの負荷トルクを推定する
    負荷トルク推定手段とを備えたことを特徴とする直流モ
    ータ制御装置。
  8. 【請求項8】 上記駆動トルク制御手段が上記直流モー
    タの電流を制御するモータ電流制御手段を含む請求項第
    7項記載の直流モータ制御装置。
  9. 【請求項9】 上記駆動トルクおよび駆動時間を上記直
    流モータが少なくとも所定の角度以上回転するように設
    定する請求項第7項または第8項記載の直流モータ制御
    装置。
  10. 【請求項10】 上記回転角推定手段で推定された上記
    直流モータの回転角があるしきい値回転角に到達しない
    と判断した場合には、警報器を駆動して異常警報を行う
    請求項第7項〜第9項のいずれかに記載の直流モータ制
    御装置。
  11. 【請求項11】 上記負荷トルク推定手段で推定された
    上記直流モータの負荷トルクが、異常であると判断した
    場合には、警報器を駆動して異常警報を行う請求項第7
    項〜第9項のいずれかに記載の直流モータ制御装置。
  12. 【請求項12】 上記直流モータの端子を接地側または
    電源側に接続するためのスイッチング素子を有する直流
    モータ駆動手段を備え、上記直流モータの非駆動時に上
    記スイッチング素子を導通または非導通とし、上記発電
    電圧検出手段では接地電圧基準で上記直流モータの発電
    電圧を検出する請求項第9項〜第11項のいずれかに記
    載の直流モータ制御装置。
  13. 【請求項13】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モ
    ータの端子を電源側または接地側に選択的に接続するた
    めの複数のスイッチング素子を有し、上記直流モータの
    非駆動時に上記直流モータ駆動手段の接地側のスイッチ
    ング素子を導通させ、上記発電電圧検出手段では接地電
    圧基準で上記直流モータの発電電圧を検出することを特
    徴とする請求項第9項〜第11項記載の直流モータ制御
    装置。
  14. 【請求項14】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モ
    ータの接地側と反対の端子を電源側に接続するための単
    一のスイッチング素子を有し、上記直流モータの非駆動
    時に上記スイッチング素子を非導通とし、上記発電電圧
    検出手段では接地基準で上記直流モータの発電電圧を検
    出することを特徴とする請求項第9項〜第11項記載の
    直流モータ制御装置。
  15. 【請求項15】 移動体の操舵または操舵時の補助負荷
    付勢を行う直流モータと、 上記直流モータの出力軸を操舵装置に機械的に連結また
    は離脱を行うクラッチと、 上記クラッチの連結または離脱を制御するクラッチ制御
    手段と、 上記直流モータを所定の駆動トルクにて所定の時間だけ
    駆動制御する駆動トルク制御手段、上記直流モータの駆
    動停止後の該直流モータの発電電圧を検出する発電電圧
    検出手段、上記直流モータの発電電圧より、該直流モー
    タの回転角を推定する回転角推定手段、および上記回転
    角から前記直流モータの負荷トルクを推定する負荷トル
    ク推定手段を有する直流モータ制御装置とを備え、上記
    クラッチ制御手段は上記回転角推定手段または上記負荷
    トルク推定手段で推定された上記直流モータの回転角ま
    たは負荷トルクに応じて上記クラッチの連結または離脱
    を制御するようにしたことを特徴とする電動式パワース
    テアリング装置。
  16. 【請求項16】 上記直流モータ制御装置における上記
    駆動トルクおよび駆動時間を上記直流モータが少なくと
    も所定の角度以上回転するように設定する請求項第15
    項記載の電動式パワーステアリング装置。
  17. 【請求項17】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モ
    ータの端子を接地側または電源側に接続するためのスイ
    ッチング素子を有し、上記直流モータの非駆動時に上記
    スイッチング素子を導通または非導通とし、上記発電電
    圧検出手段では接地電圧基準で上記直流モータの発電電
    圧を検出する請求項第15項または第16項記載の電動
    式パワーステアリング装置。
  18. 【請求項18】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モ
    ータの端子を電源側または接地側に選択的に接続するた
    めの複数のスイッチング素子を有し、上記直流モータの
    非駆動時に上記直流モータ駆動手段の接地側のスイッチ
    ング素子を導通させ、上記発電電圧検出手段では接地電
    圧基準で上記直流モータの発電電圧を検出することを特
    徴とする請求項第15項または第16項記載の電動式パ
    ワーステアリング装置。
  19. 【請求項19】 上記回転角推定手段で推定された上記
    直流モータの回転角がしきい値回転角に到達しないと判
    定した場合には、警報器を駆動して異常警報を行う請求
    項第15項〜第18項のいずれかに記載の電動式パワー
    ステアリング装置。
  20. 【請求項20】 上記負荷トルク推定手段で推定された
    上記直流モータの負荷トルクが異常であると判定した場
    合には、警報器を駆動して異常警報を行う請求項第15
    項〜第18項のいずれかに記載の電動式パワーステアリ
    ング装置。
  21. 【請求項21】 移動体が車両である請求項第15項〜
    第20項のいずれかに記載の電動式パワーステアリング
    装置。
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