JP6191802B1 - モータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】dq軸制御系の逆起電圧に含まれる高調波成分をテイラー展開(マクローリン展開)で抽出し、高調波成分のゲイン及び位相を精度良く補正することでトルク変動を抑制するモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】3以上の相を有するブラシレスモータをdq軸回転座標系のベクトル制御で駆動するモータ制御装置において、ブラシレスモータに対するトルク指令値τc、ブラシレスモータの回転角度θe及びモータ角速度ωに基づいてd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを演算する電流指令値演算部を備え、電流指令値演算部は、ブラシレスモータのdq軸逆起電圧に含まれる高調波成分をテイラー展開により抽出し、電流制御帯域による減衰を補償するように高調波成分のゲイン及び位相をそれぞれゲイン増及び位相進みで補正する。【選択図】図7
Description
本発明は、ブラシレスモータの駆動をdq軸回転座標系でベクトル制御するモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置に関し、特にdq軸制御系の逆起電圧に含まれる高調波成分をテイラー展開(マクローリン展開)で抽出し、q軸電流指令値に対して、高調波成分のゲイン及び位相を精度良く補正することでトルク変動を抑制するモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置はモータ制御装置を搭載し、少なくとも操舵トルクに基づき電流指令値を演算し、電流指令値に基づいてインバータを介してブラシレスモータを駆動することにより、車両の操舵系をアシスト制御する。
モータ制御装置を搭載し、車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM制御のDutyの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、電源としてのバッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、モータ20に連結されたレゾルバ等の回転センサから得ることもできる。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VelはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
このような電動パワーステアリング装置において、コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCU等を含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、例えば図2に示されるような構成となっている。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10からの操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Velはトルク制御部31に入力され、電流指令値演算部31は操舵トルクTh及び車速Velに基づいてアシストマップ等を用いて電流指令値Iref1を演算する。演算された電流指令値Iref1は加算部32Aで、特性を改善するための補償部34からの補償信号CMと加算され、加算された電流指令値Iref2が電流制限部33で最大値を制限され、最大値を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、モータ電流検出値Imと減算される。
減算部32Bでの減算結果I(=Irefm−Im)はPI制御部35でPI(比例積分)等の電流制御をされ、電流制御された電圧制御値Vrefが変調信号(キャリア)CFと共にPWM制御部36に入力されてDutyを演算され、Dutyを演算されたPWM信号でインバータ37を介してモータ20をPWM駆動する。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bに入力されてフィードバックされる。また、モータ20にはレゾルバ等の回転センサ21が連結されており、モータ角度θmが検出されて入力されている。
補償部34は、検出若しくは推定されたセルフアライニングトルク(SAT)を加算部344で慣性補償値342と加算し、その加算結果に更に加算部345で収れん性制御値341を加算し、その加算結果を補償信号CMとして加算部32Aに入力し、特性改善する。
このようなモータ制御装置において、3相ブラシレスモータのロータの座標軸であるトルクを制御するq軸と、磁界の強さを制御するd軸とを独立に設定し、各軸が90°の関係にあることから、そのベクトルで各軸に相当する電流(d軸電流指令値及びq軸電流指令値)を制御するベクトル制御方式が知られている。
図3はベクトル制御方式の一例を示しており、モータ角度(回転角度)θからモータ角速度ωmを演算する角速度演算部56が設けられており、演算されたモータ角速度ωmは電流指令値演算部50及び進角度演算部57に入力される。電流指令値演算部50は、モータ角速度ωm、補正されたモータ角度θe、操舵トルク(トルク指令値)Th及び車速Velに基づいて2軸dq軸座標系のd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを演算し、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefは2相/3相変換部51に入力され、2相/3相変換部51は進角補正されたモータ角度θeに基づいて3相の電流指令値Iuref、Ivref及びIwrefを出力する。即ち、電流指令値演算部50は、操舵トルクTh及び車速Velに基づいて電流指令値Irefを演算し、演算した電流指令値Iref及びモータ角速度ωmに基づいてd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを演算する。d軸電流指令値Idrefは進角度演算部57に入力され、演算された進角度θ0が加算部58に入力され、モータ角度θmに進角度θ0を加算することにより補正されたモータ角度θeが算出され、モータ角度θeは2相/3相変換部51に入力される。
2相/3相変換部51から出力される3相の電流指令値IUref、IVref及びIWrefはそれぞれ減算部52(減算部52u,52v,52w)に入力され、減算部52でモータ電流検出部55Aで検出された各相電流Imu、Imv及びImwとの偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwが算出される。偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwはPI制御部53に入力され、更にPWM制御部54及びインバータ55を介してモータ20が駆動制御される。
図3のベクトル制御方式では3相電流をフィードバックしているが、3相/2相変換(U,V,W相電流→pq軸電流)したモータ検出電流をフィードバックする2相フィードバック式のモータ制御装置も知られている(例えば特開2008−211908号公報:特許文献1)。特許文献1の装置では、モータ端子間の逆起電圧実測値を基に所望のトルクとなるような各相電流を求め、3相/2相変換を行ってdq軸電流指令値を求める手法が開示されている。そして、特許文献1の装置は、逆起電圧実測値に含まれる歪み成分によるトルクリップルを補償することを開示している。
しかしながら、特許文献1の装置では、モータが高速回転する場合、電流フィードバック制御の制御帯域の影響により、逆起電圧実測値の歪み成分の高調波成分の補償が不十分になる可能性がある。
また、特開2011−223724号公報(特許文献2)には、電流指令値と回転角度及び角速度とに基づいて、モータの誘起電圧の高調波成分により発生するトルクリップルを打ち消すようにフィードフォワードを行うための補正値を算出し、算出された補正値を用いて電圧指令値を補正することが開示されている。
しかしながら、フィードフォワード制御は、モータ抵抗やモータインダクタンスの誤差の影響を受け易く、トルクリップルの補償を十分に行い得ない可能性がある。また、特許文献2は、誘起電圧の5次高調波及び7次高調波に起因する補償をdq軸電流指令値に加算することを開示しているが、誘起電圧の5次高調波及び7次高調波とdq軸軸電流指令値に加算する補償値との関係を全く示していない。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、dq軸制御系の逆起電圧に含まれる高調波成分をテイラー展開(マクローリン展開)で抽出し、高調波成分のゲイン及び位相を精度良く補正することでトルク変動を抑制するモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、3以上の相を有するブラシレスモータをdq軸回転座標系のベクトル制御で駆動するモータ制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記ブラシレスモータに対するトルク指令値τc、前記ブラシレスモータの回転角度θe及びモータ角速度ωに基づいてd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを演算する電流指令値演算部を備え、前記電流指令値演算部は、前記ブラシレスモータのd軸逆起電圧e d 及びq軸逆起電圧e q に含まれる高調波成分をテイラー展開により抽出し、電流制御帯域による減衰を補償するように前記高調波成分のゲイン及び位相をそれぞれゲイン増及び位相進みで補正するようになっており、前記電流指令値演算部内の演算処理部が、前記回転角度θeに進角補正部からの進角を加算する第1加算部と、前記第1加算部の加算結果からω/eqの交流成分を抽出する第1抽出部と、前記第1加算部の加算結果からed/eqの交流成分のみを抽出する第2抽出部と、ω/eqの直流成分を抽出する第3抽出部と、前記第1抽出部及び前記第2抽出部の各出力に補正ゲインを乗算する第1乗算部及び第2乗算部と、前記第1乗算部の乗算結果、前記直流成分及び前記d軸電流指令値idに基づいてq軸第1補正信号を得る第1演算部と、前記第2乗算部の乗算結果及び前記d軸電流指令値idに基づいてq軸第2補正信号を得る第2演算部と、前記q軸第1補正信号から前記q軸第2補正信号を減算して前記q軸電流指令値iqを出力する減算部とで構成されていることにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記q軸電流指令値iqがiq=(2/3・τc・ω−ed・id)/eqで表わされ、ω/eq及びed/eqの高調波成分を抽出するようになっていることにより、或いは前記演算処理部内の進角補正部の進角特性が、前記モータ角速度ωに対して非線形に進むようになっていることにより、或いは前記演算処理部内のゲイン補正部の特性が、前記モータ角速度ωに対して非線形若しくは線形に増加するようになっていることにより、より効果的に達成される。
本発明の上記目的は、上記各モータ制御装置を搭載した電動パワーステアリング装置により達成される。
本発明のモータ制御装置によれば、dq軸制御系の逆起電圧に含まれる高調波成分をテイラー展開(0近傍ではマクローリン展開)で抽出し、高調波成分のゲイン及び位相を補正しているので、高精度な補正を簡易に行うことができ、モータ出力のトルク変動を抑制することができる。
上記モータ制御装置を電動パワーステアリング装置に搭載することにより、高性能なECUを具備した電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明のモータ制御装置は3相以上のブラシレスモータに適用でき、dq軸制御系の逆起電圧に含まれる高調波成分をテイラー展開(0近傍ではマクローリン展開)で抽出し、q軸電流指令値に対して、高調波成分のゲイン及び位相をゲイン増及び位相進みで補正している。即ち、ブラシレスモータに対するトルク指令値τc、ブラシレスモータのモータ角度(回転角度)θe及びモータ角速度ωに基づいてd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを演算する電流指令値演算部を設け、電流指令値演算部は、ブラシレスモータのdq軸逆起電圧に含まれる高調波成分(特に5次、7次)をテイラー展開(0近傍ではマクローリン展開)により抽出し、電流制御帯域による減衰を補償するように高調波成分のゲイン及び位相をそれぞれゲイン増及び位相進みで補正する。また、d軸逆起電圧をed、q軸逆起電圧をeqとしたとき、q軸電流指令値iqをiq=(2/3・τc・ω−ed・id)/eqで表わし、ω/eq及びed/eqの高調波成分を抽出する。これにより、高精度な補正を簡易に行うことができ、モータ出力のトルク変動を抑制することができる。
上記モータ制御装置を電動パワーステアリング装置に搭載することにより、高性能なECUを具備した電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明ではブラシレスモータの制御方法において、モータ逆起電圧に含まれる高調波成分の影響によるトルク変動を低減できるようなq軸電流指令値iqの算出を行うが、q軸電流指令値iqの算出式は下記数1で表される(例えば本出願人による特開2004−201487号公報参照)。
上記数1のω/eq及びed/eqには逆起電圧の高調波成分が含まれているため、q軸電流指令値iqには逆起電圧高調波成分によるトルクリップルを低減する成分が含まれる。一方、電流指令値から電流値までの応答性は、電流フィードバック制御の制御帯域で決まるため、高周波数成分の振幅が小さくなり、位相が遅れる。高調波成分はモータ回転数(角速度)の関数であるため、高速回転ほどトルク変動を抑える能力が減退する。そのため、上記数1のω/eq及びed/eqに含まれる高調波成分のゲインと位相を精度高く補正することで、高速回転におけるトルク変動を抑制する能力を確保することが可能である。本発明では、補正する高調波成分はテイラー展開(0付近ではマクローリン展開)を使って求める。
モータ逆起電圧に5次高調波、7次高調波を考慮して表わすと、下記数2のようになる。
電流制御の周波数特性は、一般的に図4に示すようなローパスフィルタ(LPF)特性となっている。回転数が高くなると数6のモータ角度θeの変化が大きくなるため、q軸電流指令値iqに含まれる交流成分の周波数が高くなる。そうすると、q軸電流指令値iqに含まれる交流成分は電流制御の周波数特性により減衰されて実電流になるので、数5の電流が流れなくなり、高周波トルクリップルを発生して作動音を悪化させる。
高調波成分減退を防止するため、本発明では数6の中から交流成分を抽出する。数6を見ると、モータ角度θeの関数部分を加算と乗算の形で抜き出すことができない。そのため、テイラー展開を用いてモータ角度θeの関数部分とモータ角度θeの関数でない部分を分ける必要があり、先ず数6の第1項について検討する。
最後に抽出した交流成分に対してゲイン増及び位相進みの処理を行う。ゲイン増量及び位相進み量は、電流制御帯域による減衰を打ち消すように設定する。
本発明は、dq軸回転座標系でベクトル制御するモータ制御装置に関するもので、特に電流指令値演算部内のq軸電流指令値 iqの補正に関連しており、図5に示すような3相フィードバック式のdq軸回転座標系のベクトル制御、或いは図6に示すような2相フィードバック式のdq軸回転座標系のベクトル制御に適用できる。
図5のベクトル制御系では、d軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを演算して補正する電流指令値演算部100が設けられており、電流指令値演算部100にはトルク指令値τc、車速Vel、モータ200に連結された回転センサ201からモータ角度(回転角度)θe、角速度演算部202で演算されたモータ角速度ωが入力されている。電流指令値演算部100で演算されたd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqは2相/3相変換部210に入力され、モータ角度θeに同期して3相の電流指令値Iuref,Ivref,Iwrefに変換される。3相の電流指令値Iuref,Ivref,Iwrefは減算部203(203u,203v,203w)に入力され、電流検出回路232Aで検出されたモータ電流Imu,Imv,Imwとの偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwが算出される。算出された偏差ΔIu,ΔIv,ΔIwはPI制御部230に入力され、電流制御された3相の電圧制御指令値Vuref,Vvref,VwrefがPWM制御部231に入力され、PWM制御部231で演算された各相dutyに基づいてインバータ232を介してモータ200が駆動される。
なお、図5では、電流検出回路232Aはインバータ232内に設けられているが、モータ200への供給線等でも検出可能である。
また、図6のベクトル制御系では、電流検出回路232Aで検出された3相のモータ電流Imu,Imv,Imwをモータ角度θeに同期して2相に変換する3相/2相変換部220が設けられている。電流指令値演算部100で演算され補正されたd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqは減算部203(203d、203q)に入力され、減算部203で3相/2相変換部220からの2相の電流Imd,Imqとの偏差Δid,Δiqが算出される。偏差Δid,ΔiqはPI制御部230に入力され、PI制御された電圧Vdref及びVqrefが2相/3相変換部210に入力され、3相変換された3相の電圧制御指令値Iuref,Ivref,IwrefがPWM制御部231に入力され、以降は図5の場合と同様な動作が実行される。
図5の制御系は、3相のモータ電流Imu,Imv,Imwがフィードバックされる3相フィードバック式であり、図6の制御系は、3相のモータ電流Imu,Imv,Imwが2相電流Imd,Imqに変換されてフィードバックされる2相フィードバック式である。
上述の数2〜数12の説明より、電流指令値演算部100は図7に示すような構成である。即ち、数9に対応する直流成分部(ω/eq)103、数10に対応する交流成分部(ω/eq)110、数11に対応する交流成分のみ(edω/eq)の部分111が電流指令値演算部100に設けられる。トルク指令値τcはゲイン部101に入力され、ゲイン部101からのトルク指令値τc1は第1演算部を構成する乗算部115に入力されると共に、id設定部102に入力されてd軸電流指令値idを出力する。d軸電流指令値idは第2演算部を構成する乗算部116に入力される。また、モータ角度θeはゲイン部104で6倍されて加算部105に入力される。
モータ角速度ωは進角補正部120及びゲイン補正部130に入力され、進角補正部120からの進角度θ0が加算部105で加算され、加算されたモータ角度θ1が交流成分部110及び111に入力される。交流成分部110で抽出された交流成分は第1演算部を構成する乗算部113に入力され、抽出部130で抽出された交流成分は第2演算部を構成する乗算部112に入力される。また、ゲイン補正部130からの補正ゲインGは、第1演算部の乗算部113に入力されると共に、第2演算部の乗算部112に入力される。
直流成分部103の直流成分(ω/eq)は第1演算部の加算部114に入力され、乗算部113の乗算結果も加算部114に入力される。加算部114の加算結果は乗算部115に入力され、トルク指令τc1との乗算結果である電流値i1が減算部117に加算入力される。また、乗算部112の乗算結果は乗算部116に入力され、d軸電流指令値idとの乗算結果である電流値i2が減算部117に減算入力される。減算部117では“i1−i2=iq”の減算を行い、減算結果であるq軸電流指令値iqを出力する。
進角演算部120は例えば図8に示すように、モータ角速度ωに対して非線形に徐々に増加する進角特性A又はBを有しているが、増加特性及び増加率は、電流制御帯域による減衰を打ち消すような範囲で自由に設定可能である。また、ゲイン補正部130は例えば図9に示すように、モータ角速度ωに対して線形に増加するゲイン特性A、或いは非線形Bのように徐々に増加するゲイン特性Bを有しているが、増加特性及び増加率は、電流制御帯域による減衰を打ち消すような範囲で自由に設定可能である。
このような構成において、その動作例を図10のフローチャートを参照して説明する。
先ずトルク指令値τc、モータ角度θe、モータ角速度ωを入力し(ステップS1)、トルク指令値τcをゲイン部101がゲイン倍(2/3・1/K1)したトルク指令値τc1を乗算部115に入力すると共に、id設定部102に入力する(ステップS2)。id設定部102はq軸電流指令値iqを設定して出力すると共に、q軸電流指令値iqを乗算部116に入力する(ステップS3)。
モータ角度θeはゲイン部104でゲイン倍(6倍)されて加算部105に入力され、モータ角速度ωは進角補正部120で進角度θ0を演算され、進角度θ0が加算部105に入力され進角処理される(ステップS4)。また、モータ角速度ωはゲイン補正部130でゲイン補正され、補正ゲインGが乗算部113及び112に入力される(ステップS5)。
加算部105の加算結果である進角処理されたモータ角度θ1は交流成分部110及び111で抽出処理され、直流成分部103で直流成分が抽出され(ステップS10)、抽出された交流成分は乗算部で補正ゲインGと乗算され、その乗算結果が加算部114で抽出された直流成分と加算され、加算結果が乗算部115でトルク指令値と乗算され(ステップS20)、乗算結果である電流値i1が減算部117に入力される。交流成分部111で抽出された交流成分は乗算部112で補正ゲインGと乗算され、その乗算結果が乗算部112でd軸電流指令値idと乗算され(ステップS21)、乗算結果である電流値i2が減算部117に入力される。減算部117で“i1−i2=iq”の減算が行われ(ステップS22)、減算結果としてq軸電流指令値iqが出力される(ステップS23)。
図11は本発明のシミュレーション結果を示しており、図11(A)は高調波成分のゲイン及び位相の補償のない従来例であり、図11(B)は高調波成分のゲイン及び位相の補償を行う本発明の特性である。これからも明らかなように、本発明による補償により、モータ出力トルクの変動は著しく抑制されている。
なお、上述では3相モータを例に挙げて説明しているが、ベクトル制御が可能な多相モータに適用できる。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
20、200 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
35 PI制御部
36、231 PWM制御部
37,232 インバータ
100 電流指令値演算部
120 進角補正部
130 ゲイン補正部
201 回転センサ
202 角速度演算部
210 2相/3相変換部
220 3相/2相変換部
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
20、200 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
35 PI制御部
36、231 PWM制御部
37,232 インバータ
100 電流指令値演算部
120 進角補正部
130 ゲイン補正部
201 回転センサ
202 角速度演算部
210 2相/3相変換部
220 3相/2相変換部
Claims (5)
- 3以上の相を有するブラシレスモータをdq軸回転座標系のベクトル制御で駆動するモータ制御装置において、
前記ブラシレスモータに対するトルク指令値τc、前記ブラシレスモータの回転角度θe及びモータ角速度ωに基づいてd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqを演算する電流指令値演算部を備え、
前記電流指令値演算部は、前記ブラシレスモータのd軸逆起電圧e d 及びq軸逆起電圧e q に含まれる高調波成分をテイラー展開により抽出し、電流制御帯域による減衰を補償するように前記高調波成分のゲイン及び位相をそれぞれゲイン増及び位相進みで補正するようになっており、
前記電流指令値演算部内の演算処理部が、
前記回転角度θeに進角補正部からの進角を加算する第1加算部と、
前記第1加算部の加算結果からω/eqの交流成分を抽出する第1抽出部と、
前記第1加算部の加算結果からed/eqの交流成分のみを抽出する第2抽出部と、
ω/eqの直流成分を抽出する第3抽出部と、
前記第1抽出部及び前記第2抽出部の各出力に補正ゲインを乗算する第1乗算部及び第2乗算部と、
前記第1乗算部の乗算結果、前記直流成分及び前記d軸電流指令値idに基づいてq軸第1補正信号を得る第1演算部と、
前記第2乗算部の乗算結果及び前記d軸電流指令値idに基づいてq軸第2補正信号を得る第2演算部と、
前記q軸第1補正信号から前記q軸第2補正信号を減算して前記q軸電流指令値iqを出力する減算部とで構成されていることを特徴とするモータ制御装置。 - 前記q軸電流指令値iqがiq=(2/3・τc・ω−ed・id)/eqで表わされ、ω/eq及びed/eqの高調波成分を抽出するようになっている請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記演算処理部内の進角補正部の進角特性が、前記モータ角速度ωに対して非線形に進むようになっている請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
- 前記演算処理部内のゲイン補正部の特性が、前記モータ角速度ωに対して非線形若しくは線形に増加するようになっている請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のモータ制御装置を搭載し、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値により、車両の操舵系にアシスト力を付与することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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