JP4912874B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/06Rotor flux based control involving the use of rotor position or rotor speed sensors
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/50Reduction of harmonics

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に弱め界磁制御を実行する場合や、モータ循環電流に基づくモータ出力のトルクリップルを抑制した電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のステアリング装置をモータの回転力で補助力を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助力を付与するようになっている。このような電動パワーステアリング装置の一般的な構成を、第1図を参照して説明する。
【0003】
操向ハンドル101のコラム軸102は減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオンラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に結合されている。コラム軸102には,操向ハンドル101の操舵トルクを検出するトルクセンサ107が設けられており、操向ハンドル101の操舵力を補助するモータ108が、減速ギア103を介してコラム軸102に連結されている。
【0004】
このような電動パワーステアリング装置の制御装置について、第2図を参照して説明する。この制御装置の制御方式は、一例として、フィードバック制御とベクトル制御を用いた3相モータ制御になっている。
【0005】
まず、トルクセンサ107で検出されて入力される操舵トルクTrefと、車速センサ(図示せず)で検出された車速Vと、後述するロータ位置θ及びロータの角速度ωとが電流指令値算出部204に入力されて、主にモータ108の出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqrefと、主にモータ108の界磁を制御するd軸電流指令値Idrefとが算出される。
【0006】
一方、フィードバック制御を実行するために、各相のモータ電流Ia,Ib,Icを検出する必要がある。まず、a相電流Ia及びc相電流Icをそれぞれ検出するために、電流検出器205−1及び205−2がインバータ回路211とモータ108との間の配線に配置され、電流Ia及びIcを検出している。そして、b相電流Ibは、Ia+Ib+Ic=0の関係を利用して、検出された電流Ia及びIcと減算部207−5とによって、Ib=−(Ia+Ic)として算出される。
【0007】
さらに、モータ108を制御するために、モータ108のロータ位置θ及びロータの角速度ωを検出するために、レゾルバ201がモータ108に結合され、レゾルバ201の出力信号からロータ位置θ及びロータの角速度ωを検出するレゾルバデジタル変換回路(以下、「RDC回路」と記す)202が配されている。
【0008】
検出された各相モータ電流Ia,Ib,Icを、ベクトル制御に合わせてd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する必要がある。3相/2相変換部206において、RDC回路202の出力であるロータ位置θ及び検出された各相モータ電流Ia,Ib,Icを入力として、d軸電流Id及びq軸電流Iqに変換され出力される。
【0009】
そして、上述したq軸電流指令値Iqref及びd軸電流指令値Idrefと、変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idとのそれぞれの偏差ΔIq及びΔIdが、減算部207−1及び207−2において算出される。偏差ΔIq及びΔIdは、比例積分制御部(PI制御部)208に入力され、電圧指令値Vqref及びVdrefが出力される。実際のモータ108は3相モータであるため、d軸及びq軸で表現された電圧指令値Vdref及びVqrefから3相電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefを算出する必要がある。このため、d軸電圧指令値Vdref及びq軸電圧指令値Vqrefと、RDC回路202の出力であるロータ位置θとを入力として、2相/3相変換部209において電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが算出される。
【0010】
一例としてモータ108を駆動するインバータ回路211がPWM制御されている場合、各相電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefを入力としてPWM制御部210において各相PWM制御信号が出力され、インバータ211はこれら各相PWM制御信号によってPWM制御される。
【0011】
以上説明した制御方式が、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを用いたベクトル制御である。ここで、主に、モータ108の出力トルクの指令する電流指令値はq軸電流指令値Iqrefであり、d軸電流指令値Idrefはモータ出力に限度があるため、主にモータが高速回転になった時に弱め界磁制御を実行する場合に利用される。よって、d軸電流指令値Idrefは、出力トルクとロータの角速度ωがモータ出力の限度内であれば通常は出力されず、つまりIdref=0である。しかし、高速回転になってモータ出力の限度に達すると、弱め界磁制御を実行する必要があり、d軸電流指令値Idrefが零ではなく、必要な値が出力される。
【0012】
上述したd軸電流制御が一般的な使用態様であるが、その他に、特開2000−1847663 A(特許文献1)や特開2000−184773 A(特許文献2)においては、通電電流による温度上昇によってモータ出力が低下することを防止するために、温度を考慮したd軸電流指令値を算出して出力低下の防止を図っている。また、特許第3433701 B2(特許文献3)においては、モータの出力トルクに発生する脈動トルクを抑制するために、車速V、角速度ω、ロータ位置θなどを用いてq軸電流指令値に補正をかけ、補正後のq軸電流指令値でモータを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開2000−1847663 A
【特許文献2】
特開2000−184773 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上述したベクトル制御を用いたモータ制御においては、高速回転時などに弱め界磁制御を実行する場合、即ちd軸電流指令値Idref=0ではない場合、モータが振動して、騒音を発生する問題がある。その原因は、モータ巻線の抵抗やインダクタンスが各相毎に均一ではなくバラツキがあり、また、モータコアのスロット毎のバラツキもあるために、弱め界磁制御を実行するとトルクリップルが発生し、モータが振動して騒音を発生すると考えられている。
【0014】
また、第3図で示すようなデルタ結線式の3相ブラシレスモータでは、モータ巻線の抵抗やインダクタンスのバラツキや、逆起電圧に含まれる3次高調波によって循環電流icが発生する。かかる循環電流icはトルクリップルを発生させるため、音や振動の原因となる。
【0015】
特許文献1や特許文献2が開示する対策は、温度上昇によって発生する出力低下を防止するためのもので、上述したモータ振動、騒音を改善するものではない。また、特許文献3が開示する対策は、弱め界磁制御を実行した場合に発生するモータ振動、騒音を防止するためのものではなく、ハンドルの操作フィーリングが鋭敏に感じる感応領域での脈動トルクを抑制して操舵フィーリングの悪化を防ぐためのものである。上述したベクトル制御を用いたモータ制御においては、高速回転時などに弱め界磁制御を実行する場合、即ちd軸電流指令値Idref=0ではない場合、モータが振動して、騒音を発生する問題がある。
【0016】
また、デルタ結線式の3相ブラシレスモータでは、モータの循環電流icによるトルクリップルでモータが振動して騒音を発生してしまう問題がある。
【0017】
本発明は上述のような事情からなされたものであり、本発明の目的は、弱め界磁制御を実行した場合に発生するモータのトルクリップル、若しくはモータ循環電流に基づくモータのトルクリップルによるモータの振動、騒音の発生を防止する電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流値Icに前記ロータの角速度ωによって決定される係数Kwを乗じた補償電流値(Kw・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することにより、或いは前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記q軸電流指令値Iqrefによって決定される係数Kqを乗じた補償電流値(Kq・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することにより、或いは前記モータのロータ位置θに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icを出力する基本補正電流算出手段と、前記q軸電流指令値Iqrefの符号を判定して出力する符号化手段と、前記基本補正電流Ic及び前記符号化手段からの信号を乗じて前記q軸電流指令値Iqrefに加算する第1乗算部とで成っており、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することにより達成される。
【0019】
本発明の上記目的は、前記ロータの角速度ωに基づいた係数Kwを算出する係数算出手段と、前記基本補正電流Icに前記係数Kωを乗じる第2乗算部とを設け、前記第2乗算部の出力(Kω・Ic)を前記第1乗算部に入力するようになっていることにより、或いは前記角速度ωを進角する進角部と、前記進角部で進角された角速度を前記ロータ位置θに加算する加算手段とを設け、前記加算手段の出力を前記基本補正電流算出手段に入力するようになっていることにより、より効果的に達成される。
【0020】
また、本発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記モータのロータ位置θ及び前記d軸電流指令値Idrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することにより達成され、前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記ロータの角速度ωに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出することにより、或いは前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記q軸電流指令値Iqrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出することにより、より効果的に達成される。
【0021】
更に、本発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記モータのロータ位置θ及び前記d軸電流指令値Idrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記d軸電流指令値Idrefによって決定される係数Kdを乗じた補償電流値(Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出し、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することにより達成され、前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記ロータの角速度ωに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出することにより、或いは前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記d軸電流指令値Idrefによって決定される係数Kdを乗じた補償電流値(Kd・Ic)に、前記ロータの角速度ωによって決定される係数Kwを乗じた補償電流値(Kw・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出することにより、或いは前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記q軸電流指令値Iqrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出することにより、或いは前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記d軸電流指令値Idrefによって決定される係数Kdを乗じた補償電流値(Kd・Ic)に、前記q軸電流指令値Iqrefによって決定される係数Kqを乗じた補償電流値(Kq・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出することにより、より効果的に達成される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明を用いれば、電動パワーステアリング装置の制御において、弱め界磁制御を実行した場合に発生するトルクリップル、或いはデルタ結線式のモータの循環電流に基づくトルクリップルによるモータの振動、騒音を抑制できる。
【0023】
本発明によれば、弱め界磁制御を実行した場合、発生するトルクリップルの波形は、モータの特性毎にロータ位置によって決まっているので、ロータ位置によってトルクリップルを打ち消す基本の補正電流を予め決定しておく。さらに、弱め界磁制御のd軸電流が大きいほどトルクリップルも大きくなるので、その決定された基本の補正電流にd軸電流指令値Idrefの大きさを乗じることによって大きさを調整した補正電流を、q軸電流指令値Iqrefに加算した補正q軸電流指令値Iqcに基づいてモータを制御するので、トルクリップルが抑制される。よって、モータの振動、騒音を抑制できる効果が得られる。
【0024】
また、本発明によれば、トルクリップルはロータの角速度ωにも影響され、d軸電流指令値Idrefによって決定された補正電流に、さらに角速度の大きさを乗じた補正電流をq軸電流指令値Iqrefに加算した補正q軸電流指令値Iqcに基づいてモータを制御するので、トルクリップルが抑制される。この結果、モータの振動、騒音を抑制できる。
【0025】
また、トルクリップルは、q軸電流指令値Iqrefの大きさによっても影響され、q軸電流指令値が大きいほどトルクリップルが大きくなるので、上述したロータ位置とd軸電流指令値によって決定された補正電流に、さらにq軸電流指令値の大きさを乗じた補正電流をq軸電流指令値に加算した補正q軸電流指令値Iqcに基づいてモータを制御するので、トルクリップルが抑制される。よって、モータの振動、騒音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
第1図は、一般的な電動パワーステアリング装置の構成図である。
第2図は、電動パワーステアリング装置における従来のベクトル制御系の一例を示すブロック構成図である。
第3図は、デルタ結線式モータにおける循環電流の様子を示す図である。
第4図は、本発明を適用した制御装置の構成例(弱め界磁制御)を示すブロック構成図である。
第5図は、本発明の電流指令値補正手段(弱め界磁制御)の一例を示すブロック構成図である。
第6図は、本発明の角速度を考慮した電流指令値補正手段(弱め界磁制御)の一例を示すブロック構成図である。
第7図は、本発明のq軸電流指令値の大きさを考慮した電流指令値補正手段の一例を示すブロック構成図である。
第8図は、本発明を従来のベクトル制御系に適用した装置例を示すブロック構成図である。
第9図は、本発明の電流指令値補正手段(循環電流)の一例を示すブロック構成図である。
第10図は、電流指令値補正手段(循環電流)の具体例を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の基本的な考えは、下記の通りである。
先ず弱め界磁制御を実行した場合、ロータ位置θと発生するトルクリップルの波形の関係はモータの特性によって決まっているので、ロータ位置θに対して当該トルクリップルを打ち消す基本の補正電流Icを予め決定しておく。また、トルクリップルの大きさは、弱め界磁が強いほど、即ちd軸電流指令値が大きいほど大きくなるので、基本の補正電流Icにd軸電流指令値の大きさに応じた係数Kdを、基本の補正電流Icに乗じた補正電流(Kd・Ic)をq軸電流指令値Iqrefに加算して、最終的なq軸電流指令値である補正q軸電流指令値Iqcを算出する。
また、デルタ結線式モータでは逆起電圧に含まれる3次高調波によって循環電流が発生し、循環電流はトルクリップルを発生させるため、補正する必要がある。本発明では、循環電流の大きさ(振幅)が角速度ωの関数になっていることに着目し、角速度ωに補正係数を乗じて電流指令値に同方向に加算する。
【実施例1】
【0028】
上述の考えに基づいて、本発明の実施例1について第4図及び第5図を参照して説明する。第4図は、本発明の要部である電流指令値補正手段10を含む電動パワーステアリング装置の全体構成を示しており、第5図は、本発明の要部である電流指令値補正手段10の詳細を示すブロック図である。
【0029】
本実施例1で用いるベクトル制御は、上述した従来のベクトル制御と異なり、電流指令値を算出するまでベクトル制御を使用して、d軸電流指令値やq軸電流指令値が決定された後は各相電流指令値に換算し、その後は各相のモータ電流をフィードバック制御する制御方式を採っており、疑似ベクトル制御(以下、「PVC制御」と記す)と呼んでいる。なお。本発明は、PVC制御系に適用できるだけでなく、従来のベクトル制御系にも適用できる。
【0030】
まず、第4図を参照して、PVC制御の構成と動作について説明して、その後で第5図を参照して、電流指令値補正手段10の構成及び動作の詳細を説明する。なお、既に使用した符号と同一符号のものは、同一の機能を有する。
【0031】
トルクセンサ107で検出されて入力される操舵トルクTrefと、車速センサ(図示せず)で検出された車速Vと、ロータ位置θ及びロータの角速度ωとが電流指令値算出部204に入力され、主にモータ108の出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqrefと、主にモータ108の界磁を制御するd軸電流指令値Idrefとが算出される。そして、q軸電流指令値Iqrefは電流指令値補正手段10に入力され、補正された後に補正q軸電流指令値Iqcを出力する。なお、PCVC制御の全体を先に説明し、電流指令値補正手段10の構成と動作は後で第5図を参照して詳細に説明する。
【0032】
一方、フィードバック制御を実行するために各相モータ電流Ia,Ib,Icを検出する必要がある。まず、a相電流Ia及びc相電流Icをそれぞれ検出するために、電流検出器205−1及び205−2がインバータ回路211とモータ108との間の配線に配置され、電流Ia及びIcを検出している。さらに、b相電流IbはIa+Ib+Ic=0の関係を利用して、検出された電流Ia及びIcと減算部207−5とによって、Ib=−(Ia+Ic)として算出される。
【0033】
さらに、モータ108を制御するために、モータ108のロータ位置θ及びロータの角速度ωを検出するレゾルバ201がモータ108に配され、レゾルバ201の出力信号からロータ位置θ及びロータの角速度ωを検出するRDC回路202が配されている。
【0034】
電流指令値補正手段10の出力である補正q軸電流指令値Iqc及びd軸電流指令値Idrefと、各相のモータ電流Ia,Ib,Icとのそれぞれの偏差ΔIa,ΔIb、ΔIcが、減算部207−1,207−2、207−3において算出される。偏差ΔIa,ΔIb、ΔIcはPI制御部208に入力され、3相電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefが算出される。モータ108を駆動するインバータ回路211がPWM制御されている場合、各相電圧指令値Varef,Vbref,Vcrefを入力としてPWM制御部210において各相PWM制御信号が出力され、インバータ211はこれら各相PWM制御信号によってPWM制御される。
【0035】
以上がPVC制御の基本的な動作である。なお、PVC制御は電流指令値や検出電流を含め各相制御なので、モータの抵抗やインダクタンス等のパラメータが各相にバラツキがあっても、d/q軸電流制御と異なり各相毎に独立して補償できる効果がある。
【0036】
次に、電流指令値補正手段10の詳細について、第5図を参照して説明する。
【0037】
電流指令値補正手段10は、ロータ位置θを入力として基本補正電流Icを出力する基本補正電流算出手段10aと、d軸電流指令値Idrefを入力して係数Kdを出力するd軸係数算出手段10bと、基本補正電流Ic及び係数Kdを入力して乗算する乗算部10cと、q軸電流指令値Iqrefに乗算部10の出力(Kd・Ic)を加算して補正q軸電流指令値Iqcを出力する加算部10dとで構成されている。基本補正電流算出手段10aは、実測によってロータ位置θと基本補正電流Icとの関係をテーブル化しておく。即ち、ロータを一定の速度で回転させ、ロータ位置θによって発生するトルクリップルを打ち消す基本補正電流Icを実測してテーブル化しておく。なお、この関係はモータの特性によって変化するので、使用するモータの種類毎に実測する必要がある。
【0038】
次に、d軸係数算出手段10bも同じように、実測によってd軸電流指令値Idrefの大きさとd軸係数Kdとの関係をテーブル化しておく。なお、第5図において、d軸電流指令値Idrefが0付近に不感帯がある例を示しているが、不感帯は本発明の必須条件ではなく、弱め界磁が明確に実行された場合にだけ補正をするように工夫したものである。
【0039】
このような構成の電流指令値補正手段10を用いれば、RDC回路202から出力されたロータ位置θを入力して基本補正電流算出手段10aで、トルクリップルを打ち消す基本補正電流Icが決定され、さらに弱め界磁電流の強さに比例して、即d軸電流指令値Idrefによって決定されるd軸係数Kdを、乗算部10cにおいて基本補正電流Icに乗じた補正電流(Kd・Ic)を、加算部10dでq軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcが算出される。この補正q軸電流指令値Iqcによって、ロータ位置θ及びd軸電流指令値の大きさに従って決定されるトルクリップルを抑制することができる。これによって、モータの振動、騒音を抑制することができる。
【実施例2】
【0040】
上記実施例1が本発明の基本であるが、本実施例2は、実施例1にロータの角速度ωの要素を加味して改良したものである。つまり、弱め界磁制御時に発生するトルクリップルは、ロータが高速回転するほど大きく発生することも知られている。よって、実施例1の補正電流(Kd・Ic)に、さらに角速度ωによって補正電流(Kd・Ic)を調整するものである。
【0041】
本実施例2について、第6図を参照して説明する。
電流指令値補正手段10は、ロータ位置θを入力して基本補正電流Icを出力する基本補正電流算出手段10aと、d軸電流指令値Idrefを入力して係数Kdを出力するd軸係数算出手段10bと、基本補正電流Ic及び係数Kdを入力して乗算する乗算部10cと、q軸電流指令値Iqrefに乗算部10cの出力(Kd・Ic)及び角速度ωを入力して係数Kwを算出する角速度係数算出手段10eと、乗算部10cの出力(Kd・Ic)に係数Kwを乗ずる乗算部10fと、乗算部10fの出力(Kw・Kd・Ic)にq軸電流指令値Iqrefを加算して補正q軸電流指令値Iqcを出力する加算部10dとで構成されている。
【0042】
角速度係数算出手段10eが示す角速度ωと係数Kwとの関係は、実測によって決定される。この関係もモータの特性によって変化するものである。低速回転のときが1倍で、回転速度が高速になるほど1以上の値が係数として決定される。即ち、高速回転ほどトルクリップルが大きく発生するので、抑制するための補正電流も大きくする必要があるからである。
【0043】
このように構成された電流指令値補正手段10では、実施例1で説明した乗算部10cの出力である補正電流(Kd・Ic)に、さらに角速度係数算出手段10eによって算出される角速度ωによって決定される係数Kwを、乗算部10fで乗算して補正電流(Kw・Kd・Ic)が算出され、q軸電流指令値Iqrefに加算部10dで加算されて補正q軸電流指令値Iqcが算出されるようになっている。つまり、実施例1の補正電流(Kd・Ic)に、さらに角速度ωによるトルクリップル増大を抑制する手段を講じている。これによって、モータの振動、騒音をさらに効果的に抑制することができる。
【実施例3】
【0044】
上述したように実施例1が本発明の基本であるが、本実施例3は、実施例1にq軸電流指令値Iqref自身の要素を加味して改良したものである。つまり、弱め界磁制御時に発生するトルクリップルは、トルク指令値であるq軸電流指令値Iqref自身が大きくなるほどトルクリップルも大きく発生することが知られている。よって、実施例1の補正電流(Kd・Ic)に、さらにq軸電流指令値Iqrefによって補正電流(Kd・Ic)を調整するものである。
【0045】
本実施例3について、第7図を参照して説明する。
電流指令値補正手段10は、ロータ位置θを入力して基本補正電流Icを出力する基本補正電流算出手段10aと、d軸電流指令値Idrefを入力して係数Kdを出力するd軸係数算出手段10bと、基本補正電流Ic及び係数Kdを入力して乗算する乗算部10cと、q軸電流指令値Iqrefに乗算部10cの出力(Kd・Ic)及びq軸電流指令値Iqrefを入力して係数Kqを算出するq軸係数算出手段10gと、乗算部10cの出力(Kd・Ic)に係数Kqを乗ずる乗算部10fと、乗算部10fの出力である補正電流(Kq・Kd・Ic)にq軸電流指令値Iqrefを加算して補正q軸電流指令値Iqcを出力する加算部10dとで構成されている。
【0046】
q軸係数算出手段10gが示すq軸電流指令値Iqrefと係数Kqとの関係は、実測によって決定される。この関係もモータの特性によって変化するものである。q軸電流指令値Iqrefが大きくなるほど1以上の値が係数として決定される。
【0047】
このように構成された電流指令値補正手段10では、実施例1で説明した乗算部10cの出力である補正電流(Kd・Ic)に、さらに、q軸係数算出手段10gによって算出されるq軸電流指令値Iqrefによって決定される係数Kqを、乗算部10fで乗算して補正電流(Kq・Kd・Ic)が算出され、q軸電流指令値Iqrefに加算部10dで加算されて補正q軸電流指令値Iqcが算出されるようになっている。つまり、実施例1の補正電流(Kd・Ic)に、さらにq軸電流指令値Iqrefの大きさによるトルクリップル増大を抑制する手段を講じている。これによって、モータの振動、騒音をさらに効果的に抑制することができる。
【実施例4】
【0048】
本発明は、上述したPVC制御に適用できるだけでなく、従来のベクトル制御の電動パワーステアリング装置にも適用できる。第8図は、従来のベクトル制御に本発明を適用した制御ブロック図である。
【0049】
従来技術の説明に用いた符号と同一番号の符号のものは同一の機能を有する。従来のベクトル制御と異なるところは、電流指令値算出部204と減算部207−1との間に電流指令値補正手段10が配され、電流指令値算出部204で算出されたq軸電流指令値Iqrefが、まず電流指令値補正手段10に入力され、補正q軸電流指令値Iqcとして算出出力され、減算部207−1に入力されている点である。
このように構成されることによって、実施例1,2,3で説明したことと同じ効果が得られ、モータの振動、騒音が抑制される。
【実施例5】
【0050】
ところで、モータの逆起電圧波形は正弦波(1次成分のみ)となるように設計されるが、高調波成分もある程度は含まれてしまう。そして、デルタ結線式の3相ブラシレスモータでは、逆起電圧に含まれる3次高調波によって3次の循環電流が発生し、この循環電流がトルクリップル(6次成分)を発生させる。なお、スター(Y)結線式モータでは循環路がないため、循環電流は流れない。
【0051】
このような循環電流によって発生するトルクリップルも、上記実施例と同様に実際に測定し補正することができる。第9図はその基本構成を示しており、トルクリップルは電気角(ロータ位置)θの関数になるため、q軸電流指令値Iqrefの符号(向き)を付された信号を符号化手段10pで取得して乗算部10qで基本補正電流算出手段10aからの基本補正電流Icと乗算し、その乗算結果、つまり電気角θに応じた補正値を加算器10dでq軸電流指令値Iqrefに加算している。補正値の符号は電流指令値と同一であり、補正値は実験によって求めてもよいし、シミュレーションによって求めてもよい。
【0052】
ここにおいて、デルタ結線式モータの循環電流は逆起電圧の高調波成分によって流れ、逆起電圧は角速度ωの関数(=Ke・ω)となる。従って、循環電流の大きさ(振幅)は角速度ωの関数になる。実験によって求めた角速度ωに関する補正係数を乗じると、循環電流の補正がより適切に実行され、トルクリップルを低減することができる。図10はその構成例を示しており、角速度ωに係数算出手段10bで係数を乗算し、乗算部10cで基本補正電流算出手段10aからの基本補正電流Icに乗算し、その乗算結果を更に乗算部10qにて符号化手段10pからの信号と乗算している。なお、本実施例ではサンプリングの遅れを考慮して、角速度ωを進角部11で進角させ、加算部12で電気角θを進角させている。
【0053】
本実施例5によれば、電気角θに応じた補正値が電流指令値に同じ向きで加算されるので、角速度ωの関数となっているデルタ結線式モータの循環電流に基づくトルクリップルを補正できる。また、実験によって求めた角速度ωに関する補正係数を乗ずることによって、循環電流の補正がより適切に実行され、更に角速度ωの進角を電気角θに加算することによって、データ処理上のサンプリングの遅れを補償できる。
【0054】
なお、以上の説明では、フィードバック制御系を用いて電動パワーステアリング装置を制御した場合について説明したが、フィードフォワード制御系に本発明を適用しても同じ効果が得られることは言うまでもない。また、3相モータだけでなく、3以上の多相モータでも同じ効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、弱め界磁制御を実行した場合に発生するトルクリップル、或いはデルタ結線式のモータの循環電流に基づくトルクリップルによるモータの振動、騒音を抑制できるので、自動車や車両の高性能な電動パワーステアリング装置を提供できる。
【符号の説明】
【0056】
10 電流指令値補正手段
10a 基本補正電流算出手段
10b d軸係数算出手段
10e 角速度係数算出手段
10g q軸係数算出手段
101 操向ハンドル
107 トルクセンサ
108 モータ
201 レゾルバ
204 電流指令値算出部
208 PI制御部
209 2相/3相変換部
210 PWM制御部

Claims (13)

  1. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流値Icに前記ロータの角速度ωによって決定される係数Kwを乗じた補償電流値(Kw・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記q軸電流指令値Iqrefによって決定される係数Kqを乗じた補償電流値(Kq・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータのロータ位置θに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icを出力する基本補正電流算出手段と、前記q軸電流指令値Iqrefの符号を判定して出力する符号化手段と、前記基本補正電流Ic及び前記符号化手段からの信号を乗じて前記q軸電流指令値Iqrefに加算する第1乗算部とで成っており、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記ロータの角速度ωに基づいた係数Kwを算出する係数算出手段と、前記基本補正電流Icに前記係数Kωを乗じる第2乗算部とを設け、前記第2乗算部の出力(Kω・Ic)を前記第1乗算部に入力するようになっている請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記角速度ωを進角する進角部と、前記進角部で進角された角速度を前記ロータ位置θに加算する加算手段とを設け、前記加算手段の出力を前記基本補正電流算出手段に入力するようになっている請求項3又は4に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータのロータ位置θ及び前記d軸電流指令値Idrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記ロータの角速度ωに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する請求項6に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  8. 前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記q軸電流指令値Iqrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する請求項6に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  9. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータの出力トルクを制御するq軸電流指令値Iqref及び前記モータの界磁を制御するd軸電流指令値Idrefを算出する電流指令値算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータのロータ位置θ及び前記d軸電流指令値Idrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する電流指令値補正手段を備え、前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記d軸電流指令値Idrefによって決定される係数Kdを乗じた補償電流値(Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出し、前記補正q軸電流指令値Iqcに基づいて前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  10. 前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記ロータの角速度ωに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する請求項9に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  11. 前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記d軸電流指令値Idrefによって決定される係数Kdを乗じた補償電流値(Kd・Ic)に、前記ロータの角速度ωによって決定される係数Kwを乗じた補償電流値(Kw・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出する請求項10に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  12. 前記電流指令値補正手段が、前記モータのロータ位置θ、前記d軸電流指令値Idref及び前記q軸電流指令値Iqrefに基づいて前記q軸電流指令値Iqrefを補正した補正q軸電流指令値Iqcを算出する請求項9に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  13. 前記電流指令値補正手段は、前記ロータ位置θによって予め決定された基本補正電流Icに前記d軸電流指令値Idrefによって決定される係数Kdを乗じた補償電流値(Kd・Ic)に、前記q軸電流指令値Iqrefによって決定される係数Kqを乗じた補償電流値(Kq・Kd・Ic)を前記q軸電流指令値Iqrefに加算して補正q軸電流指令値Iqcを算出する請求項12に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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