JP5842482B2 - モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、モータ(とくにブラシレスモータ)を駆動するためのモータ制御装置および電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置(EPS)のように円滑なモータ回転および高い静粛性が要求される用途では、多くの場合、その駆動源として3相ブラシレスDCモータが採用される。そして、そのモータ制御装置は、モータの電機子巻線を流れる電流を検出する電流検出部と、モータのロータの回転角度を検出するモータ回転角度検出部と、d軸目標電流およびq軸目標電流を演算するdq軸目標電流演算部と、検出された電流およびモータ回転角度に基づいてd軸電流およびq軸電流を求めるdq軸電流演算部と、d軸電圧指令値演算部と、q軸電圧指令値演算部とを備えている。
d軸電圧指令値演算部は、d軸目標電流とd軸電流との間のd軸偏差を低減するように、d軸電流のPI演算(比例積分)に基づいてd軸電圧指令値を求める。q軸電圧指令値演算部は、q軸目標電流とq軸電流との間のq軸偏差を低減するように、q軸電流のPI演算に基づいてq軸電圧指令値を求める。こうして求められたd軸電圧指令値、q軸電圧指令値、および検出されたモータ回転角度に基づいて、モータ制御装置は、電機子巻線に電圧を印加する。これにより、ロータの回転力が発生する(特許文献1参照)。
特開2001−187578号公報
また、モータ制御の一般的な補正方法として、PI演算値に対して非干渉化制御量を加算する非干渉化制御が知られている(特許文献1参照)。非干渉化制御とは、ロータの回転に伴ってモータ内部で生じる速度起電力を補償するように電圧指令値を定める制御である。非干渉化制御を行うことによって、速度起電力による応答性や追従性の低下を効果的に抑制できると期待されている。
ところで、非干渉化制御に使用されるモータの回転角速度の検出には、高周波ノイズを除去するために、ローパスフィルタが使用されている。そのため、モータ回転角速度が大きい場合には、十分な応答性をもってモータの回転角速度を検出できない場合がある。特に、ラックエンド端に衝突するような、急操舵の場合には、その現象が顕著化する。その結果、非干渉化制御が有効に機能しない、即ち、モータの応答性及び追従性が低下する虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、非干渉化制御を行っても応答性および追従性を低下させることなく、制御動作も安定な電動パワーステアリング装置を提供することである。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータ電圧指令値に基づいてモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、前記モータ回転角度検出手段により検出されたモータ回転角度を微分してモータ回転角速度を演算するモータ回転角速度演算手段と、前記モータ回転角速度演算手段により演算されたモータ回転角速度を信号処理するローパスフィルタと、前記モータ回転角度検出手段により検出されたモータの回転角度と、前記ローパスフィルタのゲインの関係を示すマップと、前記モータの回転角度に対応した前記ローパスフィルタのゲインの関係を示すマップにより演算された値により、前記ローパスフィルタのゲインを変更するローパスフィルタゲイン変更手段と、前記マップは、前記モータの回転角度がラックエンド端よりかなり離れたラック中点方向では、小さな前記ローパスフィルタのゲインとなり、前記モータの回転角度がラックエンド端に近づくにつれて大きな前記ローパスフィルタのゲインとなっており、前記ローパスフィルタゲイン変更手段によりゲインが変更されたローパスフィルタに基づいて出力されるモータ回転角速度に基づき、前記モータの速度起電力により発生する電流を相殺するように、前記モータ電圧指令値を定める非干渉制御を実行すること、を特徴とするモータ制御装置を備えたこと、を要旨とする。

上記構成によれば、ラックエンド端付近で、ローパスフィルタのゲインが大きくなるので、モータ回転角速度の応答性および追従性が向上する。その結果、非干渉制御の応答性および追従性が向上し、ラックエンド端への衝突が緩和される。
本発明によれば、非干渉化制御を行っても応答性および追従性を低下させることなく、制御動作も安定な電動パワーステアリング装置を提供できる。
本発明に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図。 dq軸電圧指令値演算部の詳しい構成を説明するためのブロック図。 モータ回転角速度演算部の詳しい構成を説明するためのブロック図。 モータ制御装置によるモータの制御手順を説明するためのフローチャート。 d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値の演算手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置100の電気的構成を説明するためのブロック図である。この電動パワーステアリング装置100は、車両のステアリングホイール(図示せず)に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ7と、車両の速度を検出する車速センサ8と、車両の舵取り機構3に操舵補助力を与えるモータ1と、このモータ1を駆動制御するモータ制御装置10とを備えている。モータ制御装置10は、トルクセンサ7が検出する操舵トルクおよび車速センサ8が検出する車速に応じてモータ1を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。モータ1は、たとえば、3相ブラシレスDCモータである。
モータ制御装置10は、電流検出部11、信号処理部としてのマイクロコンピュータ(以下、CPUという)12、および駆動回路13を有する。このモータ制御装置10に、モータ1内のロータの回転位置(モータ回転角度θ)を検出するレゾルバ2とともに、前述のトルクセンサ7および車速センサ8が接続されるようになっている。
電流検出部11はモータ1の電機子巻線を流れる電流を検出する。本実施形態の電流検出部11は、3相の電機子巻線における相電流をそれぞれ検出する電流検出器11u,11v,11wと、電流検出器11u,11v,11wによる電流検出信号をA/D(アナログ/デジタル)変換するA/D変換器11u′,11v′,11w′を有する。
CPU12は、プログラム処理(ソフトウェア処理)によって実現される複数の機能処理部を備えている。これらの複数の機能処理部には、基本目標電流演算部15、dq軸目標電流演算部16、dq軸電流演算部17、d軸偏差演算部18d、q軸偏差演算部18q、dq軸電圧指令値演算部19、電圧指令値座標変換部20およびPWM(パルス幅変調)変換部21が含まれている。
駆動回路13は、インバータ回路で構成され、PWM変換部21によって制御されることにより、車載バッテリ等の電源(図示せず)からの電力をモータ1のU相、V相およびW相電機子巻線に供給する。この駆動回路13とモータ1の各相の電機子巻線との間において流れる相電流が電流検出器11u,11v,11wにより検出されるようになっている。
基本目標電流演算部15は、トルクセンサ7により検知される操舵トルクと、車速センサ8により検出される車速とに基づいて、モータ1の基本目標電流I*を演算する。基本目標電流I*は、たとえば、操舵トルクの大きさが大きいほど大きく、車速が小さいほど大きくなるように定められる。
基本目標電流演算部15により演算された基本目標電流I*はdq軸目標電流演算部16に入力される。dq軸目標電流演算部16は、d軸方向の磁界を生成するためのd軸目標電流Id*と、q軸方向の磁界を生成するためのq軸目標電流Iq*とを演算する。d軸とは、モータ1のロータの有する界磁の磁束方向に沿う軸であり、q軸とは、d軸およびロータ回転軸に直交する軸である。dq軸目標電流演算部16における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
電流検出部11から出力される相電流Iu,Iv,Iwはdq軸電流演算部17に入力される。dq軸電流演算部17は、レゾルバ2により検出されたモータ回転角度θに基づいて、相電流Iu,Iv,Iwを座標変換することにより、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを演算する。dq軸電流演算部17における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
d軸偏差演算部18dは、d軸目標電流Id*とd軸電流Idとの間のd軸偏差ΔIdを求める。同様に、q軸偏差演算部18qは、q軸目標電流Iq*とq軸電流Iqとの間のq軸偏差ΔIqを求める。
dq軸電圧指令値演算部19は、d軸偏差ΔIdに対応するd軸電圧指令値Vd*とq軸偏差ΔIqに対応するq軸電圧指令値Vq*とを求める。
電圧指令値座標変換部20は、レゾルバ2により検出されたモータ回転角度θに基づいて、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*の座標変換を行い、U相電機子巻線、V相電機子巻線、W相電機子巻線にそれぞれ印加すべき印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。電圧指令値座標変換部20における演算は公知の演算式を用いて行えばよい。
PWM変換部21は、印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するデューティ比を有するパルス信号である各相のPWM制御信号を生成する。これにより、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*に対応する電圧が駆動回路13から各相の電機子巻線に印加され、ロータの回転力が発生する。
図2は、dq軸電圧指令値演算部19の詳しい構成を説明するためのブロック図である。
dq軸電圧指令値演算部19は、d軸PI演算部50、q軸PI演算部51、非干渉化演算部52、d軸減算部55、q軸加算部56、d軸リミッタ57、q軸リミッタ58、およびモータ回転角速度演算部59を有する。dq軸電圧指令値演算部19は、d軸偏差ΔIdを低減するように、d軸電流のPI演算(以下、d軸PI演算という)等に基づいてd軸電圧指令値Vd*を求めるとともに、q軸偏差ΔIqを低減するように、q軸電流のPI演算(以下、q軸PI演算という)等に基づいてq軸電圧指令値Vq*を求める。
モータ1の電機子巻線への印加電圧指令値が設定最大値を超えないようにするため、dq軸電圧指令値Vd*,Vq*は、d軸リミッタ57、q軸リミッタ58によりそれぞれ限界値以下に制限される。設定最大値とは、モータ回転角度θの変化に対する電機子巻線への印加電圧の変化を表す波形が不連続にならないように、当該波形を正弦波とする正弦波駆動を行うための限界値である。
d軸PI演算部50は、d軸電流のPI演算によりd軸PI演算値Vd_piを演算し、このd軸PI演算値Vd_piをd軸減算部55に出力する。
そして、q軸PI演算部51は、q軸電流のPI演算によりq軸PI演算値Vq_piを演算し、このq軸PI演算値Vq_piをq軸加算部56に出力する。
非干渉化演算部52は、dq軸電流演算部17により求められるq軸電流Iqに基づき、d軸非干渉化制御量Vd_dc(=ω0LqIq)を求める。ω0はモータの回転角速度(rad/sec)、Lqはモータ1の電機子巻線のq軸自己インダクタンスである。モータの回転角速度ω0は、レゾルバ2によるモータ回転角度θを入力として、モータ回転角速度演算部59(後述する)の出力として求められる。q軸自己インダクタンスLqは、予め測定済みの定数である。
同様に、非干渉化演算部52は、dq軸電流演算部17により求められるd軸電流Idに基づき、q軸非干渉化制御量Vq_dc(=ω0LdId+ω0Φ)を求める。Ldはモータ1の電機子巻線のd軸自己インダクタンスであり、Φはロータの界磁の電機子巻線鎖交磁束数の最大値の(3/2)1/2倍である。d軸自己インダクタンスLdは予め測定済みの定数である。ω0はモータの回転角速度(rad/sec)である。
d軸減算部55は、d軸PI演算値Vd_piからd軸非干渉化制御量Vd_dcを減算する。d軸リミッタ57は、d軸PI演算値Vd_piからd軸非干渉化制御量Vd_dcを減算した値の絶対値を限界値以下に制限する。このd軸リミッタ57の出力値が、d軸電圧指令値Vd*となる。これにより、d軸PI演算値Vd_piをd軸非干渉化制御量Vd_dcにより補正した値に制限を加えて、d軸電圧指令値Vd*が求められている。
q軸加算部56は、q軸PI演算値Vq_piにq軸非干渉化制御量Vq_dcを加算する。q軸リミッタ58は、q軸PI演算値Vq_piにq軸非干渉化制御量Vqd_dcを加算した値の絶対値を限界値以下に制限する。このq軸リミッタ58の出力値が、q軸電圧指令値Vq*となる。これにより、q軸PI演算値Vq_piをq軸非干渉化制御量Vq_dcにより補正した値に制限を加えて、q軸電圧指令値Vd*が求められている。
次に、モータ回転角速度演算部59の詳細を図3に基づいて説明する。
まず、モータ回転角度θは、モータ回転角度/ローパスフィルタゲインマップ61に入力され、モータ回転角度θの大きさに応じて、ローパスフィルタゲインG0の値がマップ61から読み出される。そして、読み出されたローパスフィルタゲインG0の値は後段のローパスフィルタ63のゲインG0(80)となる。
また、モータ回転角度/ローパスフィルタゲインマップ61は、モータ回転角度θが所定値(ラックエンド端θ0)よりかなり離れた位置(ラック中点方向)では、小さなローパスフィルタゲインとなり、モータ回転角度θがラックエンド端θ0に近づくにつれて大きなローパスフィルタゲインとなる。
一方、モータ回転角度θは、微分器60に入力され、モータ回転角速度ωαを生成する。更に、モータ回転角速度ωαにはゲインK1(62)が乗算され、モータ回転角速度ωβに変換される。そして、モータ回転角速度ωβはローパスフィルタ63に入力される。
ローパスフィルタ63に入力されたモータ回転角速度ωβは、ローパスフィルタ63のゲインG0を乗算され、モータの回転角速度ω0となって、非干渉化演算部52に入力される。即ち、モータ回転角度θがラックエンド端θ0に近いほど、ローパスフィルタ63のゲインG0も大きくなり、ローパスフィルタ63の出力であるモータの回転角速度ω0の応答性および追従性は向上する。
微分器60は入力値に対して1次遅れ系70を有しており、減算器71、で、入力値から、入力値の1次遅れを減算する。
また、ローパスフィルタ63は、下記1)式で表される。
y(n)=x(n-1)+G0*(x(n)-y(n-1)) 1)式
但し、y(n)はローパスフィルタ63の今回の出力値
y(n-1)はローパスフィルタ63の前回の出力値
x(n)はローパスフィルタ63の今回の入力値
x(n-1)はローパスフィルタ63の前回の入力値
G0はローパスフィルタ63のゲインである。
更に詳述すると、ローパスフィルタ63は、1次遅れ系72、74、ゲイン80、減算器75及び加算器73を有している。
ローパスフィルタ63は、ゲインK1(62)から出力されたモータ回転角速度ωβを入力する。そして、ローパスフィルタ63は、入力されたモータ回転角速度ωβと、1次遅れ系74を経由したローパスフィルタ63の出力であるモータの回転角速度ω0を減算器75で減算する。次に、減算器75で減算された値には、モータ回転角度/ローパスフィルタゲインマップ61から出力されたゲインG0が乗算されて、1次遅れ系72を経由したローパスフィルタ63に入力されたモータ回転角速度ωβと、加算器73で加算される。そして、加算器73で加算された値がモータの回転角速度ω0として、非干渉化演算部52に出力される。
図4は、モータ制御装置10によるモータ1の制御手順を説明するためのフローチャートである。図1,2を参照して、まず、CPU12は、トルクセンサ7、車速センサ8、電流検出器11u,11v,11wによる検出値を読み込む(ステップS301)。基本目標電流演算部15は、検出された操舵トルクおよび車速に基づき、目標電流I*を演算する(ステップS302)。dq軸目標電流演算部16は、その目標電流I*に対応するd軸目標電流Id*とq軸目標電流Iq*とを演算する(ステップS303)。dq軸電流演算部17は、検出された相電流Iu,Iv,Iwに対応するd軸電流Idおよびq軸電流Iqを演算する(ステップS304)。d軸目標電流Id*とd軸電流Idとから、d軸偏差演算部18dにおいて、d軸偏差ΔIdが演算され、q軸目標電流Iq*とq軸電流Iqから、q軸偏差演算部18qにおいて、q軸偏差ΔIqが演算される(ステップS305)。
次に、dq軸電圧指令値演算部19において、d軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*とが演算される(ステップS306)。そして、電圧指令値座標変換部20において、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*に対応するU相電機子巻線、V相電機子巻線、W相電機子巻線への印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*が演算される(ステップS307)。これらの印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するPWM制御信号がPWM変換部21から駆動回路13に与えられる。これより、モータ1が駆動される(ステップS308)。そして、制御を終了するか否かを例えばイグニッションスイッチのオン・オフにより判断し(ステップS309)、終了しない場合はステップS301に戻る。
図5は、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*の演算手順を示すフローチャートである。まず、d軸PI演算およびq軸PI演算によりd軸PI演算値Vd_piおよびq軸PI演算値Vq_piがそれぞれ求められる(ステップS401)。一方、非干渉化演算部52においてω0LqIq、ω0LdId+ω0Φがそれぞれ求められる(ステップS402)。そして、d軸非干渉化制御量Vd_dcにω0LqIqが設定され、q軸PI演算値Vq_dcにω0LdId+ω0Φが設定される(ステップS403)。
次に、d軸減算部55は、d軸PI演算値Vd_piからd軸非干渉化制御量Vd_dcを減算し、d軸電圧指令値Vd*が設定される(ステップ404)。同様に、q軸加算部56により、q軸PI演算値Vq_pi*にq軸非干渉化制御量Vq_dcが加算され、q軸電圧指令値Vq*が設定される(ステップS405)。そして、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*は、それぞれ演算により求めた所定の限界値以下に制限される。(ステップS406)。この処理の後、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*として出力されメインルーチン(図4参照)に戻る。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
また、前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置の駆動源としてのモータに本発明が適用された例について説明したが、この発明は、電動パワーステアリング装置以外の用途のモータの制御に対しても適用が可能である。とくに、サーボ系で応答性や追従性が要求される用途でのモータトルク制御に応用すると効果的である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:モータ、2:レゾルバ、3:舵取り機構、7:トルクセンサ、8:車速センサ、
10:モータ制御装置、11:電流検出部、12:CPU、13:駆動回路、
15:基本目標電流演算部、16:dq軸目標電流演算部、17:dq軸電流演算部、
18d:d軸偏差演算部、18q:q軸偏差演算部、19:dq軸電圧指令値演算部、
20:電圧指令値座標変換部、21:PWM変換部、
50:d軸PI演算部、51:q軸PI演算部、52:非干渉化演算部、
55:d軸減算部、56:q軸加算部、57:d軸リミッタ、58:q軸リミッタ、
59:モータ回転角速度演算部、60:微分器、
61:モータ回転角度/ローパスフィルタゲインマップ、62:ゲインK1、
63:ローパスフィルタ、70、72、74:1次遅れ系、71、75:減算器、
73:加算器、80:ゲインG0、100:電動パワーステアリング装置、
I*:基本目標電流、Iu,Iv,Iw:相電流、Id:d軸電流、Iq:q軸電流、
Id*:d軸目標電流、Iq*:q軸目標電流、ΔId:d軸偏差、ΔIq:q軸偏差、
Vd*:d軸電圧指令値、Vq*:q軸電圧指令値、印加電圧指令値:Vu*,Vv*,Vw*、Vd_pi:d軸PI演算値、Vq_pi:q軸PI演算値、
Vd_dc:d軸非干渉化制御量、Vq_dc:q軸非干渉化制御量、
θ:モータ回転角度、ωα、ωβ、ω0:モータ回転角速度、
Lq:q軸自己インダクタンス、Ld:d軸自己インダクタンス、
Φ:ロータの界磁の電機子巻線鎖交磁束数

Claims (1)

  1. モータ電圧指令値に基づいてモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、
    前記モータ回転角度検出手段により検出されたモータ回転角度を微分してモータ回転角速度を演算するモータ回転角速度演算手段と、
    前記モータ回転角速度演算手段により演算されたモータ回転角速度を信号処理するローパスフィルタと、
    前記モータ回転角度検出手段により検出されたモータの回転角度と、前記ローパスフィルタのゲインの関係を示すマップと、
    前記モータの回転角度に対応した前記ローパスフィルタのゲインの関係を示すマップにより演算された値により、前記ローパスフィルタのゲインを変更するローパスフィルタゲイン変更手段と
    前記マップは、前記モータの回転角度がラックエンド端よりかなり離れたラック中点方向では、小さな前記ローパスフィルタのゲインとなり、前記モータの回転角度がラックエンド端に近づくにつれて大きな前記ローパスフィルタのゲインとなっており、
    記ローパスフィルタゲイン変更手段によりゲインが変更されたローパスフィルタに基づいて出力されるモータ回転角速度に基づき、前記モータの速度起電力により発生する電流を相殺するように、前記モータ電圧指令値を定める非干渉制御を実行すること、を特徴とするモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置
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