JP2009056935A - 電動格納式ミラー用モータのロック検出方法およびロック検出回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動格納式ミラーのモータ10をFET1〜FET4によるHブリッジ形駆動回路12で可逆駆動する。FET1,FET4をオンしFET2,FET3をオフしてモータ10を正転駆動しているときに、FET1を周期的にオフして電圧検出回路14でモータ10の端子10aの電圧を検出する。FET1をオフしたときにモータ10がロックしていないときはモータ10は惰性回転で発電し、ロックしているときは発電しないので、ロックしているか否かに応じて電圧検出回路14の検出電圧が変化する。CPU20は電圧検出回路14の検出電圧によりロックしているか否かを判定する。
【選択図】図1
Description
この発明の実施の形態を図1に示す。はじめに回路全体の概要を説明する。モータ10は電動格納式ミラーのミラー回動部(図示せず)の駆動用モータであり、直流ブラシモータで構成される。4個のFET(電界効果トランジスタ)1〜FET4はモータ10を可逆駆動するためのHブリッジ形駆動回路12を構成する。電圧検出回路14,16はモータ10の一方の端子10a、他方の端子10bの電圧(接地に対する電位)をそれぞれ検出する。スイッチ回路18は車内での運転者によるミラースイッチ操作(格納方向または復帰方向への起動を指示する操作)により駆動され、該操作に応じた指令を発生する。CPU20はスイッチ回路18からの指令を受けてFET1〜FET4のうち該当する対をオンし、モータ10を該当する方向に駆動する。CPU20はスイッチ回路18から一旦指令が与えられるとFET1〜FET4の該当する対を継続的にオンする。モータ10の駆動中にCPU20は電圧検出回路14または16で検出される電圧を監視し、該電圧が所定の閾値を越えた(上回ったまたは下回った)ことをもってモータ10のロック状態(ミラー回動部がその回動動作の端部すなわち格納位置または復帰位置でストッパにより機械的にロックされた状態)を判定し、FET1〜FET4をオフしてモータ10への通電を停止する。バッテリ22は車両搭載の12Vバッテリであり、モータ10の駆動用電源として利用される。定電圧電源回路24はバッテリ22を電源として5Vの定電圧を出力する。この定電圧はCPU20の駆動用電源および電圧検出回路14,16の電圧リミッタ回路の動作用電源として利用される。
モータ10を正転駆動(ここでは格納方向への駆動とする)する場合はFET1,FET4をともにオンし、FET2,FET3をともにオフする。これによりバッテリ22からの電流がバッテリ22→FET1→モータ10→FET4→接地へと流れ、モータ10は正転駆動される。この駆動中にCPU20はFET1,FET4のいずれか一方を周期的に適宜の時間オフして電圧検出回路14または16の出力電圧をモニタし、モータ10がロックしているか否かを判定する。モータ10をPWM(パルス幅変調)制御で駆動するためにFET1またはFET4を周期的にオン、オフする場合は、そのオフ期間を利用して電圧検出回路14または16の出力電圧をモニタすることができる。FET1を周期的にオフする場合とFET4を周期的にオフする場合のそれぞれの動作を説明する。
ハイサイド側(電位が高い側)のFET1を周期的にオフする場合は電圧検出回路14の出力電圧をモニタする。すなわちモータ10を正転駆動している時にFET1をオフするとバッテリ12からの給電が遮断されてモータ10はその惰性回転により発電する。このときモータ10の端子10bはFET4を介して接地されているので、モータ10の端子10aの電位がこの発電電圧により正極性となり、この正極性電位が電圧検出回路14の抵抗R1,R2で分圧されてCPU20のA/D変換入力端P2に入力される。一方モータ10がロックしている時にFET1をオフすると、モータ10の発電電圧は0Vなので、モータ10の端子10aはモータ10およびFET4を介して接地状態となる。したがってこのときCPU20のA/D変換入力端P2に入力される電圧は0Vとなる。CPU20にはA/D変換入力端P2の入力電圧の閾値として、FET1がオフ時にモータ10が惰性回転している時の電圧とモータ10がロックしている時の電圧の中間の電圧が設定されている。そしてCPU20はA/D変換入力端P2の入力電圧がこの閾値以上の時はモータ10の駆動を続ける。これに対し該閾値よりも低下した時はFET1をそのままオフ状態に保持しさらにFET4もオフしてモータ10の駆動を停止させる。
ローサイド側(電位が低い側)のFET4を周期的にオフする場合は電圧検出回路16の出力電圧をモニタする。すなわちモータ10を正転駆動している時にFET4をオフするとモータ10の端子10bは抵抗値が大きい抵抗R3,R4を介して接地されるため、モータ10の印加電圧が大幅に低下し、モータ10はその惰性回転により発電する。これによりモータ10の端子10bの電圧は〔バッテリ22の電圧−モータ10の発電電圧〕となる。この電圧が電圧検出回路16の抵抗R3,R4で分圧されてCPU20のA/D変換入力端P5に入力される。一方モータ10がロックしている時にFET4をオフすると、モータ10の発電電圧は0Vなので、モータ10の端子10bの電圧はバッテリ22の電圧にほぼ等しくなる。したがってこのときCPU20のA/D変換入力端P5に入力される電圧はバッテリ22の電圧を抵抗R3,R4で分圧した電圧にほぼ等しくなる。CPU20にはA/D変換入力端P5の入力電圧の閾値として、FET4がオフ時にモータ10が惰性回転している時の電圧とモータ10がロックしている時の電圧の中間の電圧が設定されている。そしてCPU20はA/D変換入力端P5の入力電圧がこの閾値以下の時はモータ10の駆動を続ける。これに対し該閾値よりも上昇した時はFET4をそのままオフ状態に保持しさらにFET1もオフしてモータ10の駆動を停止させる。なおモータロック状態の誤判定を避けるため、前述のとおり所定回数連続して閾値よりも上昇したことをもってモータロック状態と判定することができる。
前記「FET4を周期的にオフする場合(その1)」によれば、モータ10の端子10bの電圧はバッテリ22の電圧の変動の影響を受けるので、誤検出(モータロックが生じているのにモータロックを検出しないあるいはモータロックが生じてないのにモータロックを検出する)が生じる可能性がある。そこでCPU20は電圧検出回路14で検出されるバッテリ22の電圧(FET4のオン時、オフ時のいずれでも検出可)と、FET4がオフ時に電圧検出回路16で検出される電圧の差(入力端P2,P5に入力される電圧の差)を求め、この差が所定の閾値よりも低下したことを検出してロック状態と判定することができる。これによればバッテリ22の電圧の変動の影響を打ち消してロック状態を判定することができる。
モータ10を逆転駆動(ここでは復帰方向への駆動とする)する場合はFET2,FET3をともにオンし、FET1,FET4をともにオフする。これによりバッテリ22からの電流がバッテリ22→FET2→モータ10→FET3→接地へと流れ、モータ10は逆転駆動される。この駆動中はFET2,FET3のいずれか一方を周期的に適宜の時間オフして電圧検出回路14または16の出力電圧をモニタし、モータ10がロックしているか否かを判定する。モータ10をPWM制御で駆動するためにFET2またはFET3を周期的にオン、オフする場合は、そのオフ期間を利用して電圧検出回路14または16の出力電圧をモニタすることができる。FET2を周期的にオフする場合とFET3を周期的にオフする場合のそれぞれの動作を説明する。
ハイサイド側のFET2を周期的にオフする場合は電圧検出回路16の出力電圧をモニタする。すなわちモータ10を逆転駆動している時にFET2をオフするとバッテリ12からの給電が遮断されてモータ10はその惰性回転により発電する。このときモータ10の端子10aはFET3を介して接地されているので、モータ10の端子10bの電位がこの発電電圧により正極性となり、この正極性電位が電圧検出回路16の抵抗R3,R4で分圧されてCPU20のA/D変換入力端P5に入力される。一方モータ10がロックしている時にFET2をオフすると、モータ10の発電電圧は0Vなので、モータ10の端子10bはモータ10およびFET3を介して接地状態となる。したがってこのときCPU20のA/D変換入力端P5に入力される電圧は0Vとなる。CPU20にはA/D変換入力端P5の入力電圧の閾値として、FET2がオフ時にモータ10が惰性回転している時の電圧とモータ10がロックしている時の電圧の中間の電圧が設定されている。そしてCPU20はA/D変換入力端P5の入力電圧がこの閾値以上の時はモータ10の駆動を続ける。これに対し該閾値よりも低下した時はFET2をそのままオフ状態に保持しさらにFET3もオフしてモータ10の駆動を停止させる。このハイサイド側のFET2を周期的にオフする方法によれば、FET2がオフ時の電圧検出回路16による検出電圧はモータ10の発電電圧によって決まりバッテリ22の電圧に依存しない。したがってバッテリ22の電圧が変動してもその影響を受けなくてすみ、正確にロック判定を行うことができる。FET2を周期的にオフする場合の動作波形は前出の図2と同様になる。
ローサイド側(電位が低い側)のFET3を周期的にオフする場合は電圧検出回路14の出力電圧をモニタする。すなわちモータ10を逆転駆動している時にFET3をオフするとモータ10の端子10aは抵抗値が大きい抵抗R1,R2を介して接地されるため、モータ10の印加電圧が大幅に低下し、モータ10はその惰性回転により発電する。これによりモータ10の端子10aの電圧は〔バッテリ22の電圧−モータ10の発電電圧〕となる。この電圧が電圧検出回路14の抵抗R1,R2で分圧されてCPU20のA/D変換入力端P2に入力される。一方モータ10がロックしている時にFET3をオフすると、モータ10の発電電圧は0Vなので、モータ10の端子10aの電圧はバッテリ22の電圧にほぼ等しくなる。したがってこのときCPU20のA/D変換入力端P2に入力される電圧はバッテリ22の電圧を抵抗R1,R2で分圧した電圧にほぼ等しくなる。CPU20にはA/D変換入力端P2の入力電圧の閾値として、FET3がオフ時にモータ10が惰性回転している時の電圧とモータ10がロックしている時の電圧の中間の電圧が設定されている。そしてCPU20はA/D変換入力端P2の入力電圧がこの閾値以下の時はモータ10の駆動を続ける。これに対し該閾値よりも上昇した時はFET3をそのままオフ状態に保持しさらにFET1もオフしてモータ10の駆動を停止させる。なおモータロック状態の誤判定を避けるため、前述のとおり所定回数連続して閾値よりも上昇したことをもってモータロック状態と判定することができる。FET3を周期的にオフする場合の動作波形は前出の図3と同様になる。
前記「FET3を周期的にオフする場合(その1)」によれば、モータ10の端子10aの電圧はバッテリ22の電圧の変動の影響を受けるので、誤検出(モータロックが生じているのにモータロックを検出しないあるいはモータロックが生じてないのにモータロックを検出する)が生じる可能性がある。そこでCPU20は電圧検出回路16で検出されるバッテリ22の電圧(FET3のオン時、オフ時のいずれでも検出可)と、FET3がオフ時に電圧検出回路14で検出される電圧の差(入力端P5,P2に入力される電圧の差)を求め、この差が所定の閾値よりも低下したことを検出してロック状態と判定することができる。これによればバッテリ22の電圧の変動の影響を打ち消してロック状態を判定することができる。
この発明の他の実施の形態を図4に示す。図1と共通する部分には同一の符号を用いる。これは図1の実施の形態から電圧検出回路16を取り除いて、モータ10の正転駆動時および逆転駆動時ともに電圧検出回路14で検出される電圧を用いてロック状態の判定を行うようにしたものである。この実施の形態では正転駆動時はFET1を周期的にオフし、逆転駆動時はFET3を周期的にオフする。駆動方向ごとの動作は次のとおりである。
前述した「実施の形態1」の「(1)正転駆動の場合」の「a)FET1を周期的にオフする場合」と同じ動作となる。その動作波形は前出の図2と同様になる。
前述した「実施の形態1」の「(2)逆転駆動の場合」の「b)FET3を周期的にオフする場合」と同じ動作となる。その動作波形は前出の図3と同様になる。
Claims (4)
- 4個のスイッチング素子でHブリッジ形駆動回路を構成して電動格納式ミラー用直流ブラシモータを可逆駆動する方法において、
前記4個のスイッチング素子のオンしている一対のスイッチング素子のうちの1つのスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記直流ブラシモータの発電電圧に応じて電圧が変化する箇所の電圧を検出し、該検出電圧が前記直流ブラシモータがロックしているときの電圧とロックしていないときの電圧の間の所定の電圧を越えたか否かに応じて該直流ブラシモータがロック状態か否かを判定する電動格納式ミラー用モータのロック検出方法。 - 4個のスイッチング素子で電動格納式ミラー用直流ブラシモータを可逆駆動するHブリッジ形駆動回路と、
前記直流ブラシモータの発電電圧に応じて電圧が変化する箇所の電圧を検出する電圧検出回路と、
前記4個のスイッチング素子のオンしている一対のスイッチング素子のうちの1つのスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記電圧検出回路で検出される電圧が前記直流ブラシモータがロックしているときの電圧とロックしていないときの電圧の間の所定の電圧を越えたか否かに応じて該直流ブラシモータがロック状態か否かを判定するロック判定回路と
を具備してなる電動格納式ミラー用モータのロック検出回路。 - 第1〜第4のスイッチング素子を有し、第1、第3のスイッチング素子の一端側どうしを接続し、第2、第4のスイッチング素子の一端側どうしを接続し、第1、第2のスイッチング素子の他端側をそれぞれバッテリに接続し、第3、第4のスイッチング素子の他端側をそれぞれ接地し、第1、第3のスイッチング素子の接続点と第2、第4のスイッチング素子の接続点間に直流ブラシモータを接続してなり、第1、第4のスイッチング素子をオン、第2、第3のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを一方向に駆動し、第2、第3のスイッチング素子をオン、第1、第4のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを逆方向に駆動する電動格納式ミラー用モータのHブリッジ形駆動回路と、
前記直流ブラシモータの一方の端子と接地間に抵抗を接続して構成され、該直流ブラシモータの一方の端子の電位に応じた電圧を生じる第1の電圧検出回路と、
前記直流ブラシモータの他方の端子と接地間に抵抗を接続して構成され、該直流ブラシモータの他方の端子の電位に応じた電圧を生じる第2の電圧検出回路と、
第1、第4のスイッチング素子をオン、第2、第3のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを一方向に駆動している最中に、第1のスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記第1の電圧検出回路で生じる電圧が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも低下していることをもってロック状態と判定し、または第4のスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記第2の電圧検出回路で生じる電圧が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも上昇していることをもってロック状態と判定し、または第4のスイッチング素子を周期的にオフし、前記第1の電圧検出回路で生じる電圧と該オフ期間中に前記第2の電圧検出回路で生じる電圧との差が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも低下していることをもってロック状態と判定し、
かつ第2、第3のスイッチング素子をオン、第1、第4のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを逆方向に駆動している最中に、第2のスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記第2の電圧検出回路で生じる電圧が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも低下していることをもってロック状態と判定し、または第3のスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記第1の電圧検出回路で生じる電圧が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも上昇していることをもってロック状態と判定し、または第3のスイッチング素子を周期的にオフし、前記第2の電圧検出回路で生じる電圧と該オフ期間中に前記第1の電圧検出回路で生じる電圧との差が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも低下していることをもってロック状態と判定するロック判定回路と
を具備してなる電動格納式ミラー用モータのロック検出回路。 - 第1〜第4のスイッチング素子を有し、第1、第3のスイッチング素子の一端側どうしを接続し、第2、第4のスイッチング素子の一端側どうしを接続し、第1、第2のスイッチング素子の他端側をそれぞれバッテリに接続し、第3、第4のスイッチング素子の他端側をそれぞれ接地し、第1、第3のスイッチング素子の接続点と第2、第4のスイッチング素子の接続点間に直流ブラシモータを接続してなり、第1、第4のスイッチング素子をオン、第2、第3のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを一方向に駆動し、第2、第3のスイッチング素子をオン、第1、第4のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを逆方向に駆動する電動格納式ミラー用モータのHブリッジ形駆動回路と、
前記直流ブラシモータの一方の端子と接地間に抵抗を接続して構成され、該直流ブラシモータの一方の端子の電位に応じた電圧を生じる電圧検出回路と、
第1、第4のスイッチング素子をオン、第2、第3のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを一方向に駆動している最中に第1のスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記電圧検出回路で生じる電圧が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも低下していることをもってロック状態と判定し、かつ第2、第3のスイッチング素子をオン、第1、第4のスイッチング素子をオフして前記直流ブラシモータを逆方向に駆動している最中に第3のスイッチング素子を周期的にオフし、該オフ期間中に前記電圧検出回路で生じる電圧が前記直流ブラシモータがロックしていないときの電圧とロックしているときの電圧の間の電圧として設定された所定の閾値よりも上昇していることをもってロック状態と判定するロック判定回路と
を具備してなる電動格納式ミラー用モータのロック検出回路。
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