JPH07267115A - 直流モータの負荷トルク検出方法、直流モータ制御装置および電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

直流モータの負荷トルク検出方法、直流モータ制御装置および電動式パワーステアリング装置

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JPH07267115A
JPH07267115A JP6377994A JP6377994A JPH07267115A JP H07267115 A JPH07267115 A JP H07267115A JP 6377994 A JP6377994 A JP 6377994A JP 6377994 A JP6377994 A JP 6377994A JP H07267115 A JPH07267115 A JP H07267115A
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JP
Japan
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motor
load torque
torque
generated voltage
drive
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Application number
JP6377994A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kifuku
隆之 喜福
Masanori Takagi
雅則 高木
Shigeki Otagaki
滋樹 太田垣
Shunichi Wada
俊一 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置を複雑にすることなく正確に負荷トルク
を検出する直流モータの負荷トルク検出方法を得る。 【構成】 11はマイコン、13は直流モータ、12a
〜12dは直流モータ13を駆動するためのパワーMO
SFETである。マイコン11よりゲート駆動回路14
を介してFET12a〜12dの動作を制御する。負荷
トルクの検出時には、FET12aをPWM駆動し、F
ET12dをオンとして所定電流を所定時間だけ流し、
通電停止から所定時間だけ経過後の発電電圧VMよりモ
ータ13の負荷トルクを推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直流モータの負荷ト
ルク検出方法、その方法を使用した直流モータ制御装置
およびその装置を備える電動式パワーステアリング装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、モータは、モータ自体の故障、
あるいはモータから負荷に動力を伝達するためのギヤ等
の伝達機構の故障等により、ロック状態になることがあ
る。このようなロック状態は、モータが車両の操舵系に
使用されている場合等においてはハンドルが固定されて
操舵不可能となる虞れがあるので非常に危険である。従
来、このような問題を解決するため、モータの駆動電流
と角度ないしは角速度からモータの負荷トルクを推定
し、推定された負荷トルクが異常であるときはモータの
出力軸を操舵装置より機械的に離脱するようにクラッチ
を制御することが行われている。また、モータ制御装置
の構成上、モータの角度ないしは角速度が得られない場
合には、モータを定電圧で駆動し、電機子電流を検出す
ることで負荷トルクを推定している。
【0003】図10は、例えば1993年3月にコロナ
社より発行された土手,原島共著「モーションコントロ
ール」に記載されたモータの駆動電流と角速度から負荷
トルクを推定する方法を模式的に示す図である。図にお
いて、駆動回路1からモータ3に供給される駆動電流を
電流検出器2で検出し、また、モータ3に連結され、実
質的にモータのトルク定数,外乱トルク,モータの慣性
および粘性摩擦係数等で表される負荷4より例えばタコ
ジェネレータからなる角速度検出器5を用いてモータ3
の角速度を検出する。
【0004】そして、電流検出器2で検出された駆動電
流を、乗算器61,加算器62および演算器63等で構
成されるマイクロコンピュータ6の乗算器61に供給
し、これにモータのトルク定数を乗じて加算器52の一
方の入力端子に印加する。一方、角速度検出器4で検出
された角速度を演算器63に供給し、ここで所定のモー
タの慣性と角速度を乗じたものを微分すると共に、所定
の粘性摩擦係数と角速度を乗じ、両方の値を加算して加
算器62の他方の入力端子に印加する。加算器62では
乗算器61の出力値より演算器61の出力値を減じ、こ
れを例えば1次遅れ回路からなるローパスフィルタ7を
通すことにより出力端子8に負荷トルクの推定値が得ら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のモータの負荷ト
ルクの検出方法は、以上のように負荷トルクの推定を行
っていたため、モータを定電流で駆動した状態で負荷ト
ルクを推定するには専用の電流検出器やタコジェネレー
タ等の角速度検出器を用いる必要があり、従って、タコ
ジェネレータ等の角速度検出器やポテンショメータ等の
モータ角度検出器を具備しない場合には負荷トルクの推
定は困難で、構成が複雑で高価となる等の問題点があっ
た。
【0006】また、上記の場合においても、モータの発
電電圧を検出すれば、角速度を検出したことと等価とな
るが、一般にモータを駆動中にはモータへの印加電圧と
発電電圧とが混在するので発電電圧のみを抽出して検出
することは困難であり、従って、この場合も負荷トルク
の推定は困難で、構成の複雑さ、コストアップを余儀な
くされる等の問題点があった。
【0007】さらに、モータやギヤは、異物等をかみ込
んで急にロック状態に陥る場合よりも、徐々に特性が劣
化して負荷トルクが増加していく場合が多く、従って、
モータが車両の操舵系に使用されている場合等において
は、危険な状態を事前に検知するために、できる限り正
確に負荷トルクを検出できることが所望されている。
【0008】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、構成簡単にして正確に負荷トルク
を検出することができる廉価な直流モータの負荷トルク
検出方法、その方法を使用した直流モータ制御装置およ
びその装置を備える電動式パワーステアリング装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項第1項の発明に係
る直流モータの負荷トルク検出方法は、所定の駆動トル
クにて所定の駆動時間だけ直流モータを駆動し、直流モ
ータの駆動停止から所定時間経過後の上記直流モータの
発電電圧より直流モータの負荷トルクを推定するように
したものである。
【0010】請求項第2項の発明に係る直流モータの負
荷トルク検出方法は、請求項第1項の発明において、駆
動トルクおよび駆動時間を直流モータが少なくとも所定
の角度以上回転するように設定するものである。
【0011】請求項第3項の発明に係る直流モータの負
荷トルク検出方法は、請求項第1項または第2項の発明
において、直流モータに対する通電電流を可変とするも
のである。
【0012】請求項第4項の発明に係る直流モータ制御
装置は、直流モータを所定の駆動トルクにて所定の駆動
時間だけ駆動制御する駆動トルク制御手段と、直流モー
タの駆動停止から所定の時間経過後の該直流モータの発
電電圧を検出する発電電圧検出手段と、直流モータの発
電電圧より該直流モータの負荷トルクを推定する負荷ト
ルク推定手段とを備えたものである。
【0013】請求項第5項の発明に係る直流モータ制御
装置は、請求項第4項の発明において、駆動トルク制御
手段が直流モータの電流を制御するモータ電流制御手段
を含むものである。
【0014】請求項第6項の発明に係る直流モータ制御
装置は、請求項第4項または第5項の発明において、駆
動トルクおよび駆動時間を直流モータが少なくとも所定
の角度以上回転するように設定するものである。
【0015】請求項第7項の発明に係る直流モータ制御
装置は、請求項第4項〜第6項のいずれかの発明におい
て、負荷トルク推定手段で推定された直流モータの負荷
トルクが異常であると判断した場合には、警報器を駆動
して異常警報を行うものである。
【0016】請求項第8項の発明に係る直流モータ制御
装置は、請求項第4項〜第7項のいずれかの発明におい
て、直流モータの端子を接地側または電源側に接続する
ためのスイッチング素子を有する直流モータ駆動手段を
備え、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を導通
または非導通とし、発電電圧検出手段では接地電圧基準
で直流モータの発電電圧を検出するものである。
【0017】請求項第9項の発明に係る直流モータ制御
装置は、請求項第8項の発明において、直流モータ駆動
手段は直流モータの端子を電源側または接地側に選択的
に接続するための複数のスイッチング素子を有し、直流
モータの非駆動時に直流モータ駆動手段の接地側のスイ
ッチング素子を導通させ、発電電圧検出手段では接地電
圧基準で直流モータの発電電圧を検出するものである。
【0018】請求項第10項の発明に係る直流モータ制
御装置は、請求項第8項の発明において、直流モータ駆
動手段は直流モータの接地側と反対の端子を電源側に接
続するための単一のスイッチング素子を有し、直流モー
タの非駆動時にスイッチング素子を非導通とし、発電電
圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの発電電圧を
検出するものである。
【0019】請求項第11項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、移動体の操舵または操舵時の補助
負荷付勢を行う直流モータと、直流モータの出力軸を操
舵装置に機械的に連結または離脱を行うクラッチと、ク
ラッチの連結または離脱を制御するクラッチ制御手段
と、直流モータを所定の駆動トルクにて所定の駆動時間
だけ駆動制御する駆動トルク制御手段、直流モータの駆
動停止から所定の時間経過後の該直流モータの発電電圧
を検出する発電電圧検出手段、直流モータの発電電圧よ
り該直流モータの負荷トルクを推定する負荷トルク推定
手段を有する直流モータ制御装置とを備え、クラッチ制
御手段は負荷トルク推定手段で推定された直流モータの
負荷トルクに応じてクラッチの連結または離脱を制御す
るようにしたものである。
【0020】請求項第12項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第11項の発明において、
直流モータ制御装置における駆動トルクおよび駆動時間
を直流モータが少なくとも所定の角度以上回転するよう
に設定するものである。
【0021】請求項第13項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第11項または第12項の
発明において、直流モータ駆動手段は直流モータの端子
を接地側または電源側に接続するためのスイッチング素
子を有し、直流モータの非駆動時にスイッチング素子を
導通させ、発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モ
ータの発電電圧を検出するものである。
【0022】請求項第14項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第11項〜第13項のいず
れかの発明において、負荷トルク推定手段で推定された
直流モータの負荷トルクが異常であると判断した場合に
は、警報器を駆動して異常警報を行うものである。
【0023】請求項第15項の発明に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項第11項〜第14項のいず
れかの発明において、移動体が車両であるものである。
【0024】
【作用】請求項第1項の発明においては、直流モータの
負荷トルクが大きくなるのに従って駆動時の直流モータ
の加速度は小さく、駆動停止後の直流モータの減速度は
大きくなる。そのため、駆動停止から所定時間経過後の
直流モータの発電電圧より直流モータの負荷トルクを正
確に検出することが可能となる。
【0025】請求項第2項の発明においては、負荷トル
クの推定時に直流モータを少なくとも所定の角度以上回
転させることにより、異物のかみ込み等による負荷トル
クの増大をより確実に検出することが可能となる。
【0026】請求項第3項の発明においては、直流モー
タに対する通電電流を可変とし、直流モータの目標電流
の時間に対する変化量を小さくできるため、電流のオー
バーシュート等により検出トルクの誤差が大きくなるの
を抑制できることが可能となる。
【0027】請求項第4項の発明においては、直流モー
タの負荷トルクが大きくなるのに従って駆動時の直流モ
ータの加速度は小さく、駆動停止後の直流モータの減速
度は大きくなる。そのため、駆動停止から所定時間経過
後の直流モータの発電電圧より直流モータの負荷トルク
を正確に検出することが可能となる。
【0028】請求項第5項の発明においては、駆動トル
ク制御手段にモータ電流制御手段を設けて実質的にハー
ドウェア的にモータ電流を制御するようにしたため、そ
れだけ、使用されるマイクロコンピュータの負担が軽減
されてこれを安価なものにすることが可能となる。
【0029】請求項第6項の発明においては、負荷トル
クの推定時に直流モータを少なくとも所定の角度以上回
転させることにより、異物のかみ込み等による負荷トル
クの増大をより確実に検出することが可能となる。
【0030】請求項第7項の発明においては、直流モー
タの負荷トルクが異常であると判断した場合には警報器
を駆動して異常警報をするため、負荷トルクの異常を知
らせることが可能となる。
【0031】請求項第8項の発明においては、接地側ま
たは電源側のスイッチング素子を導通または非導通とす
ることで、接地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出
でき、例えばマイコンへの入力インタフェース回路等の
発電電圧の検出回路を簡略化することが可能となると共
に、発電電圧の測定分解能の向上が可能となる。
【0032】請求項第9項の発明においては、電源側の
スイッチング素子を非導通、接地側のスイッチング素子
を導通とすることで、接地電圧基準で正逆転が可能な直
流モータの発電電圧を検出でき、例えばマイコンへの入
力インタフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化
することが可能となると共に、発電電圧の測定分解能の
向上が可能となる。
【0033】請求項第10項の発明においては、電源側
のスイッチング素子を非導通とすることで、接地電圧基
準で単一方向に回転する直流モータの発電電圧を検出で
き、例えばマイコンへの入力インタフェース回路等の発
電電圧の検出回路を簡略化することが可能となると共
に、発電電圧の測定分解能の向上が可能となる。
【0034】請求項第11項の発明においては、直流モ
ータの負荷トルクが大きくなるのに従って駆動時の直流
モータの加速度は小さく、駆動停止後の直流モータの減
速度は大きくなる。そのため、駆動停止から所定時間経
過後の直流モータの発電電圧より直流モータの負荷トル
クを正確に検出でき、そのモータ負荷トルクが異常と判
断した場合には直流モータを操舵装置より離脱すること
ができ安全性を高めることが可能となる。
【0035】請求項第12項の発明においては、負荷ト
ルクの推定時に直流モータを少なくとも所定の角度以上
回転させることにより、異物のかみ込み等による負荷ト
ルクの増大をより確実に検出することが可能となる。
【0036】請求項第13項の発明においては、接地側
または電源側のスイッチング素子を導通とすることで、
接地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出でき、例え
ばマイコンへの入力インタフェース回路等の発電電圧の
検出回路を簡略化することが可能となると共に、発電電
圧の測定分解能の向上が可能となる。
【0037】請求項第14項の発明においては、直流モ
ータの負荷トルクが異常であると判断した場合には警報
器を駆動して異常警報をするため、運転者等に負荷トル
クの異常を知らせることが可能となる。
【0038】請求項第15項の発明においては、移動体
として車両に適用した場合であるため、車両の安全性を
向上することが可能となる。
【0039】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図を参照して説
明する。 実施例1.図1は、この発明の一実施例による直流モー
タ制御装置を示す構成図である。図において、11はマ
イクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)であ
り、種々の演算処理を行う負荷トルク推定手段としての
CPU11a、予め図3に示すようなプログラム等が格
納されたROM11b、CPU11aが演算処理する際
に情報の読み書きを行うためのRAM11c、後述の直
流モータからの電機子電流や発電電圧をディジタル信号
に変換するA/D変換器11d、CPU11aからの制
御出力をパルス幅変調(PWM)し駆動信号として出力
するパルス幅変調回路11eおよび同じくCPU11a
からの制御出力を駆動信号として出力する入出力インタ
フェース11fから成る。
【0040】12は直流モータ13を駆動するためのH
形ブリッジ回路であり、スイッチング素子としてのパワ
ーMOSFET12a〜12dよりなる。すなわち、F
ET12a,12bの直列回路とFET12c,12d
の直列回路とを並列接続し、FET12a,12bの接
続点Q1を直流モータ13の一端に接続し、FET12
c,12dの接続点Q2を直流モータ13の他端に接続
する。
【0041】また、FET12a,12cの接続点を電
機子電流を検出するための抵抗器16を介して直流電圧
が供給される電源端子31に接続し、FET12
b,12dの接続点を接地する。また、FET12a,
12cのゲートにはマイコン11のパルス幅変調回路1
1eよりパルス幅変調された駆動信号をゲート駆動回路
14を介して供給すると共に、FET12b,12dの
ゲートにはマイコン11の入出力インタフェース11f
よりゲート駆動回路14を介して駆動信号を供給する。
【0042】また、接続点Q1,Q2の間に得られるモ
ータ13の発電電圧Vを入力インタフェース回路15
を介し、さらにA/D変換器11dでディジタル信号に
変換してCPU11aに供給する。また、抵抗器16の
両端間に得られる電機子電流の検出信号を入力インタフ
ェース回路17を介し、さらにA/D変換器11dでデ
ィジタル信号に変換してCPU11aに供給する。な
お、抵抗器16,入力インタフェース回路17およびA
/D変換器11dは駆動トルク制御手段を構成し、入力
インタフェース回路15およびA/D変換器11dは発
電電圧検出手段を構成し、ブリッジ回路12,ゲート駆
動回路14,パルス幅変調回路11eおよび入出力イン
タフェース11fは直流モータ駆動手段を構成する。
【0043】次に、図2および図3を参照しながら図1
の動作についての説明する。まず、所定時間tの間、
図1に破線の矢印で示す方向にモータ電流Iを所定の
電流Iだけ流して通電状態とする(図2参照)。この
動作を、図3のフローチャートに基づいて説明する。モ
ータ電流Iを抵抗器16にて検出し、入力インタフェ
ース回路17およびA/D変換器11dを介してCPU
11aに入力する。このモータ電流Iの検出値をステ
ップS2の入力処理にて読み込む。
【0044】そして、モータ電流IがステップS3で
設定された目標電流Iと一致するように、ステップS
4でフィードバック制御し、パルス幅変調回路11eの
出力信号のデューティ比を決定する。そして、後述のス
テップS5をパスして最後に、ステップS6の出力処理
で、FET12aをPWM駆動し、FET12b,12
cをオフとし、FET12dをオン(一定のデューティ
で駆動)とし、直流モータ13の通電電流とその方向を
制御する。勿論、FET12a,12dを同時にまたは
個別にPWM駆動してもよい。以上の動作を、t時間
だけ継続して行う。
【0045】次に、FET12a〜12dを全てオフと
して直流モータ13への通電を停止し、この通電停止か
ら所定の時間tだけ経過後の直流モータ13の発電電
圧Vから負荷トルクTを演算する。この動作を、図
3のフローチャートに基づいて説明する。ステップS3
にて、目標電流Iをゼロに設定し、ステップS6にて
FET12a〜12dを全てオフとする。この状態で、
接続点Q1,Q2の間に得られる電圧Vを入力インタ
フェース回路15およびA/D変換器11dを介してC
PU11aに入力する。この電圧VをステップS2の
入力処理にて読み込み、直流モータ13の発電電圧
、つまり直流モータ13が慣性力で回っているとき
の逆起電力を得る。さらに、次のサイクルでこの発電電
圧Vと通電停止からの経過時間tに基づいて、ステ
ップS5にて直流モータ13の負荷トルクTを演算す
る。
【0046】ステップS5における負荷トルクTの演
算方法について説明する。所定の電流Iを直流モータ
13に通電した場合、直流モータ13の軸受け等のベア
リングの摩擦等速度に比例する項を無視すれば、以下の
(1)式および(2)式が成立する。なお、Tはモータ
駆動トルク、Jはモータ慣性モーメント、ωはモータ角
速度、kはモータトルク定数である。
【0047】 T−T=J・dω/dt ・・・(1) T=k ・・・(2)
【0048】ここで、Tは定トルク負荷であるとし、
直流モータ13の初速度=0と仮定し、所定時間t
け経過後のモータ角速度ωを、(1)式、(2)式よ
り求めると、以下の(3)式で示すようになる。
【0049】 ω=t(k−T)/J ・・・(3)
【0050】通電停止後は、(1)式にT=0を代入し
た式、すなわち以下の(4)式が成立する。
【0051】 −T=J・dω/dt ・・・(4)
【0052】直流モータ13の初速度=ωとし、所定
時間tだけ経過後のモータ角速度ωを(4)式から
求めると、以下の(5)式で示すようになる。
【0053】 ω=ω−T・t/J ・・・(5)
【0054】(3)式および(5)式からωを消去
し、ω=V/kを代入して、Tに関して解く
と、以下の(6)式が成立する。ここで、kはモータ
逆起電力定数である。
【0055】 T=(k−JV/k)/(t+t) ・・・(6)
【0056】上記(6)式の右辺は、tとVを除い
て全て定数であるから、tとVがわかれば、負荷ト
ルクTを演算することが可能である。すなわち、直流
モータ13への通電電流Iと、通電時間tを、例え
ば負荷トルクが異常な場合でも危険がないような適当な
値に定めておけば、通電を停止して所定時間tだけ経
過後のモータ発電電圧Vは、図2に示すように負荷ト
ルクTが大きくなるに従って低くなるため、つまり、
図2に示すような特性を得ることことによりモータ発電
電圧Vの変化を検出できるため、(6)式によって負
荷トルクTを求めることができる。
【0057】なお、図3におけるステップS1はA/D
変換器11d等の周辺装置の初期化処理であり、ステッ
プS7は以上の一連の処理が一定周期で実行されるよう
に管理し、時間t,tの計測が容易に行えるように
するための待機処理である。
【0058】このように本実施例においては、直流モー
タ13を定電流駆動するモータ制御装置において、直流
モータ13の発電電圧Vから負荷トルクTを演算し
て得るため、タコジェネレータ等のモータ角速度検出器
を具備しない場合にも、装置を複雑にすることなく正確
に負荷トルクTを検出できる。また、以上の動作を、
モータ制御装置の起動後少なくとも1回実行するように
すれば、つまり、直流モータ13を常にオンさせないで
1回だけオンさせるだけで、直流モータ13がロック状
態に陥る危険な故障を事前に検知でき、フェールセーフ
処理をすることが可能となり、安全性が向上する。さら
に、負荷トルクTに応じた直流モータ13の制御を行
うことも可能となる。
【0059】実施例2.図4は、この発明の他の実施例
による直流モータ制御装置を示す構成図である。この図
4において、図1と対応する部分には同一符号を付し、
その詳細説明は省略する。図1の例は実質的にソフトウ
ェアでモータ電流IMを制御するものであったが、本実
施例はモータ電流制御手段18を設けて、ハードウェア
でモータ電流IMを制御するものである。従って、本実
施例におけるマイコン11Aはマイクロコンピュータ1
1で使用されたパルス幅変調回路11eは省略され、モ
ータ電流制御手段18内に含まれるようになされてい
る。その他は、図1の例と同様に構成する。
【0060】図5はモータ電流制御手段18の具体的回
路構成の一例を示す構成図である。図において、18a
はCPU11aより入出力インタフェース11fを介し
て設定されたモータ目標電流をアナログの電圧V1に変
換するD/A変換器、18bはモータ電流IMを電圧V2
に変換するモータ電流検出回路、18cは例えば演算増
幅器OPとコンデンサCからなり、電圧V1と電圧V2
一致するように出力電圧V3を制御するモータ電流制御
回路、18dは例えば三角波比較によりモータ電流制御
回路18cの出力電圧V3を所定のデューティ比のパル
ス信号に変換するパルス幅変調回路、18eはパルス幅
変調回路18dからのパルス信号を駆動信号としてFE
T12a,12cに供給するゲート駆動回路である。
【0061】かかる構成により、CPU11aの設定し
た直流モータ13の目標電流と実電流が一致するように
FET12a,12cがPWM駆動される。従って、本
実施例においては、図1の例と同様に負荷トルクTL
正確に検出できる他に、マイコン11Aはソフトウェア
的には図3のステップS4を省くことができ、マイコン
11Aの負担が軽減され、マイコン11Aとして安価な
ものを使用できる利益がある。
【0062】実施例3.なお、上記実施例においては、
通電電流I1および通電時間t1は任意でそれらをどのよ
うに設定するかについては述べていないが、これらを負
荷トルクTLが所定の値以下の場合に、直流モータ13
や直流モータ13に接続される減速ギヤ等(図示せず)
が例えば360度以上回転するように設定すれば、異物
のかみ込み等による負荷トルクTLの増大をより確実に
検出することが可能となる。
【0063】以下、上記したように通電電流I1,通電
時間t1を設定する方法について説明する。所定の電流
1を所定の時間t1の間だけ通電した後の直流モータ1
3の回転角をθ1とし、直流モータ13の回転速度と回
転角の初期値を0として、上記(1)式および(2)式
を直流モータ13の回転角について解けば、以下の
(7)式に示すようになる。kTとJは定数であるか
ら、所望のθ1とTLが得られるようにI1とt1を決めれ
ばよい。
【0064】 θ1=t1 2(kT1−TL)/2J ・・・(7)
【0065】このように、本実施例においては、負荷ト
ルクTLが所定の値以下の場合、直流モータ13やこれ
に接続される減速ギヤ等が所定角度以上回転するように
設定したので、異物のかみ込み等による負荷トルクTL
の増大をより確実に検出することができる。
【0066】実施例4.また、上記実施例においては、
通電電流I1を一定値としたが、時間に応じて変化する
ようにしてもよい。例えば、図6に示すようにランプ関
数とすれば、上述した(3)式および(6)式は、それ
ぞれ以下の(8)式および(9)式に示すようになる。
【0067】 ω1=t1(kT2/2−TL)/J ・・・(8) TL=(kT21/2−JV2/kC)/(t1+t2) ・・・(9)
【0068】従って、通電電流I1を一定値とした場合
には、モータ電流IMの目標値がステップ状に変化する
ため、通電電流と通電時間の設定および電流制御(フィ
ードバック制御)系の設計によっては、電流のオーバー
シュート等により検出トルクの誤差が大きくなることも
懸念されるが、本実施例のように目標モータ電流の時間
に対する変化量を小さくすれば、つまり、図5におい
て、フィードバック制御により時間0より所定の時間t
1に向かって徐々にモータ電流を上昇させることにより
オーバシュートが出なくなるので、上記のような問題は
回避できる。このように、本実施例にいては、目標モー
タ電流の時間に対する変化量を小さくすることにより、
電流のオーバーシュート等により検出トルクの誤差が大
きくなることがなくなる。
【0069】実施例5.また、上記実施例においては、
直流モータ13の発電電圧の測定時に、FET12a〜
12dを全てオフとしていたが、接地側のFET、つま
りFET12b,12dをオンにした状態で直流モータ
13の発電電圧の読み込みを行ってもよい。例えば、図
1に示す方向にモータ電流IMを流して通電状態とした
後、FET12b,12cをオフ、FET12dをオン
としたままの状態でFET12aをオフして、図1中の
電圧VMを測定すれば、接地電位基準で正側の電圧とし
て直流モータ13の発電電圧V2を検出することができ
る。
【0070】これにより、上記実施例の場合、FET1
2dがオフのとき直流モータ13の両端の電圧を検出す
る必要があるのでインタフェース回路15内に差動アン
プ(図示せず)を設ける必要があるが、本実施例では、
接地側にFETであるFET12dをオンとしているの
で、直流モータ13のFET12dと反対側の端子と接
地との間の電圧を検出すればよいので、上述のような差
動アンプは不要となり、それだけ入力インタフェース回
路15の構成を簡略化することができる。
【0071】また、上記実施例では、FET12dをオ
フして直流モータ13の両端の電圧を見ているので、例
えばA/D変換器11dの基準電圧を5Vとすると、そ
の1/2の0〜2.5Vの範囲しか使用できないが、本実
施例では、FET12dをオンして接地電位基準で見て
いるので、0〜5Vの全範囲に亙って使用でき、それだ
け直流モータ13の発電電圧の測定分解能を向上させる
ことができる。
【0072】実施例6.図7は、この発明のまた他の実
施例による直流モータ制御装置を示す構成図である。本
実施例は、上記実施例のように直流モータ13の正逆転
が可能な回路ではなく、直流モータ13を単一方向に回
転させる回路の例である。この図7において、図1と対
応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略す
る。図において、直流モータ13の一端を接地し、その
他端をスイッチング素子例えばPNP形トランジスタ2
0のコレクタ・エミッタおよび電機子電流検出用の抵抗
器16の直列回路を介して電源端子31に接続する。ト
ランジスタ20のベースにはモータ電流設定手段として
の例えばD/A変換器19より駆動信号を供給する。
【0073】また、直流モータ13と並列にフライホイ
ールダイオード21を接続する。そして、直流モータ1
3およびトランジスタ20のコレクタの接続点に得られ
る電圧を入力インタフェース回路15を介し、さらにA
/D変換器11dでディジタル信号に変換してCPU1
1aに供給する。
【0074】次に動作について説明する。まず、CPU
11aよりインタフェース回路11fおよびD/A変換
器19を介して目標電流を電圧V4としてトランジスタ
20のベースに設定する。ここで、トランジスタ20が
ダーリントン接続等により十分電流増幅率が高くされ、
ベース電流IBがエミッタ電流IE,コレクタ電流IC
比べて無視できるものとすれば、直流モータ13を流れ
るモータ電流IMは、次式のように表される。
【0075】 IM=IC≒IE=(VB−VBE−V4)/RE ・・・(10)
【0076】ここで、VBEはトランジスタ20のベース
−エミッタ間電圧,REは抵抗器16の抵抗値である。
従って、電源電圧VB,ベースーエミッタ間電圧VBE
抵抗値REが一定ならば、直流モータ13は、電圧V4
設定すると定電流駆動されることになる。また、直流モ
ータ13の一端が接地されているため、駆動停止後の電
圧VMを測定すれば、接地電位基準で正側の電圧として
直流モータ13の発電電圧V2を検出することができ
る。従って、上述した図3のフローチャートに従って
(ただし、この場合、ステップS4は省略される)発電
電圧V2と通電停止からの経過時間に基づいて直流モー
タ13の負荷トルクTLを演算することにより、本実施
例でも、図1および図4の実施例と同様に直流モータ1
3の負荷トルクを検出することができる。
【0077】このように本実施例においては、直流モー
タ13を単一方向に回転させる場合にも図1の例と同様
に負荷トルクTLを正確に検出できる他に、マイコン1
1Aはソフトウェア的には図3のステップS4を省くこ
とができ、マイコン11Aとして安価なものを使用でき
る利益がある。また、本実施例では、接地電位基準で見
ているので、直流モータ13の発電電圧の測定分解能を
向上させることができる。
【0078】実施例7.図8は、この発明のさらに他の
実施例による上述のような直流モータ制御装置を用いた
車両等の電動式パワーステアリング装置を概略的に示す
構成図である。この図8において、図1と対応する部分
には同一符号を付して示している。図において、22は
ハンドル、23はハンドル22に連結されたステアリン
グ軸、24はステアリング軸23のトルクを測定するた
めのトルクセンサ、25は直流モータ13とステアリン
グ軸23を減速ギヤ26を介して機械的な連結または離
脱を行うためのクラッチ、27はステアリング軸23と
車輪を連結するラッチ軸、28はトルクセンサ24等の
出力信号等に基づいて直流モータ13およびクラッチ2
5を制御するコントロールユニットで上述の直流モータ
制御装置に相当するものである。29はコントロールユ
ニット28等に電源を供給するバッテリ、30はバッテ
リ29とコントロールユニット28の間に設けられたイ
グニッションスイッチである。なお、ここではクラッチ
25の連結または離脱を制御するクラッチ制御手段は図
示していない。
【0079】次に、図9のフローチャートを参照しなが
らコントロールユニット28の処理動作を説明する。ま
ず、イグニッションスイッチ30がオンとされると、ス
テップS11でコントロールユニット28の初期化処理
をする。次に、ステップS12でクラッチ25をオフに
し、直流モータ13をステアリング軸23から機械的に
離脱した後、ステップS13で上述した実施例で説明し
たような方法で直流モータ13の負荷トルクTLを検出
してチェックをする。
【0080】なお、直流モータ13がステアリング軸2
3から機械的に離脱されているにも拘らず負荷トルクT
Lが異常に大きいと判断された場合には、クラッチ25
をオンとせずに、ステップS16でクラッチ25のオ
フ、直流モータ13への通電禁止等のフェールセーフ処
理をする。一方、正常と判断された場合には、ステップ
S14でクラッチ25をオンとし、直流モータ13をス
テアリング軸23と機械的に連結し、ステップS15で
トルクセンサ24の出力信号等に従ってパワーステアリ
ングの制御をする。
【0081】このように、本実施例においては、パワー
ステアリングのコントロールユニット28の起動後、少
なくとも1回、この発明の方法で直流モータ13の負荷
トルクTLを測定することにより、ハンドル22が固着
されるような危険な故障を事前に正確に検知することが
でき、より安全性の高いパワーステアリング装置を得る
ことができる。
【0082】実施例8.なお、図8の例においては、ク
ラッチ25は直流モータ13と減速ギヤ26の間に設置
したが、直流モータ13とステアリング軸23を機械的
に離脱できる位置であればどこでもよい。例えば、減速
ギヤ26とステアリング軸23の間に設置すれば、減速
ギヤ26における異物のかみ込み等による故障をも検出
可能となる。
【0083】また、図8の例においては、車両の状態を
検知する手段としてはトルクセンサ24のみを具備して
いるが、より操舵フィーリングや安全性を高めるため、
車速、ハンドル角等の車両の状態を検知する手段を具備
してもよく、例えばパルス発生器(PG)を設け、パル
ス発生器からのパルス周期をCPUで演算して車速を検
出したり、あるいはポテンショメータを設け、その出力
をCPUで演算してハンドル角を検出して車両の状態を
検知するようにしてもよい。また、故障時に運転者に異
常であることを知らせるために、ブザー、ランプ等の警
報器を具備してもよい。この場合、警報器は図9のステ
ップS16のフェールセーフ処理にて駆動されることに
なる。
【0084】実施例9.また、図9のフローチャートの
ステップS13でモータ13の負荷トルクTLのチェッ
クを行う前に、クラッチ25がオフしていること、車速
が充分低いこと等のチェックを行って、負荷トルクTL
のチェックのために直流モータ13に通電しても安全で
あることが確認できた場合のみステップS13を実行す
るように処理してもよい。このように処理すれば、例え
ばクラッチ25がオフできない故障状態にある場合に、
負荷トルクTLのチェックによって車輪が操舵されるこ
とを未然に防ぐことができ、あるいは万一車輪が操舵さ
れても充分な安全性を確保することができ、さらに安全
性の高いパワーステアリング装置を得ることができる。
【0085】実施例10.また、図9のフローチャート
においては、コントロールユニット28の起動後に、1
回のみ直流モータ13の負荷トルクTLのチェックを行
うように処理しているが、クラッチ25がオフしていれ
ば、随時負荷トルクTLのチェックを実行してもよい。
例えば、車両が信号待ち等で停車している場合等に負荷
トルクTLのチェックを行うようにすれば、より綿密に
直流モータ13の故障検出を行うことが可能となる。
【0086】また、図9のフローチャートにおいては、
ステップS12でクラッチ25をオフした後に、ステッ
プS13で直流モータ13の負荷トルクTLのチェック
を行っているが、減速ギヤ26の減速比が充分に高く、
負荷トルクTLを測定するために必要な角度だけ直流モ
ータ13を回転しても車輪の操舵角が充分に小さく、危
険でないと判断できる場合には、クラッチ25をオンし
たまま負荷トルクTLのチェックを行ってもよい。この
ようにクラッチ25をオンしたまま負荷トルクTLのチ
ェックを行う場合には、減速ギヤ26やクラッチ25の
部分における異物かみ込み等による負荷トルクの増大を
も検出することができる。
【0087】実施例11.さらに、上述の実施例ではい
わゆるブラシ付き直流モータを用いる場合について述べ
たが、この発明による負荷トルクの検出方法はブラシレ
ス直流モータについても同様に適用できる。また、上述
では移動体として車両の操舵装置への適用例を述べた
が、船舶や二輪車等の操舵装置にも同様に適用できるこ
とは勿論である。
【0088】
【発明の効果】請求項第1項の発明によれば、所定の駆
動トルクにて所定の駆動時間だけ直流モータを駆動し、
直流モータの駆動停止から所定時間経過後の直流モータ
の発電電圧より直流モータの負荷トルクを推定するよう
にしたものであるので、直流モータの負荷トルクが大き
くなるのに従って駆動時の直流モータの加速度は小さ
く、駆動停止後の直流モータの減速度は大きくなり、以
て、装置を複雑にすることなく駆動停止から所定時間経
過後の直流モータの発電電圧より直流モータの負荷トル
クを正確に検出することができるという効果がある。
【0089】請求項第2項の発明によれば、請求項第1
項の発明において、駆動トルクおよび駆動時間を直流モ
ータが少なくとも所定の角度以上回転するように設定す
るものであるので、請求項第1項の発明の効果に加え
て、さらに、負荷トルクの推定時に直流モータを少なく
とも所定の角度以上回転させることにより、異物のかみ
込み等による負荷トルクの増大をより確実に検出するこ
とができるという効果がある。
【0090】請求項第3項の発明によれば、請求項第1
項または第2項の発明において、直流モータに対する通
電電流を可変とするものであるので、請求項第1項また
は第2項の発明の効果に加えて、さらに、直流モータに
対する通電電流を可変とし、直流モータの目標電流の時
間に対する変化量を小さくできるため、電流のオーバー
シュート等により検出トルクの誤差が大きくなるのを抑
制できるという効果がある。
【0091】請求項第4項の発明によれば、直流モータ
を所定の駆動トルクにて所定の駆動時間だけ駆動制御す
る駆動トルク制御手段と、直流モータの駆動停止から所
定の時間経過後の該直流モータの発電電圧を検出する発
電電圧検出手段と、直流モータの発電電圧より該直流モ
ータの負荷トルクを推定する負荷トルク推定手段とを備
えたものであるので、直流モータの負荷トルクが大きく
なるのに従って駆動時の直流モータの加速度は小さく、
駆動停止後の直流モータの減速度は大きくなり、以て、
駆動停止から所定時間経過後の直流モータの発電電圧よ
り直流モータの負荷トルクを正確に検出することができ
る構成簡単にして安価な直流モータ制御装置が得られる
という効果がある。
【0092】請求項第5項の発明によれば、請求項第4
項の発明において、駆動トルク制御手段が直流モータの
電流を制御するモータ電流制御手段を含むものであるの
で、請求項第4項の発明の効果に加えて、さらに、実質
的にハードウェア的にモータ電流を制御することがで
き、それだけ、使用されるマイクロコンピュータの負担
が軽減されて安価なものとなり、低廉化が図れるという
効果がある。
【0093】請求項第6項の発明によれば、請求項第4
項または第5項の発明において、駆動トルクおよび駆動
時間を直流モータが少なくとも所定の角度以上回転する
ように設定するものであるので、請求項第4項または第
5項の発明の効果に加えて、負荷トルクの推定時に直流
モータを少なくとも所定の角度以上回転させることによ
り、異物のかみ込み等による負荷トルクの増大をより確
実に検出することができるという効果がある。
【0094】請求項第7項の発明によれば、請求項第4
項〜第6項のいずれかの発明において、負荷トルク推定
手段で推定された直流モータの負荷トルクが異常である
と判断した場合には、警報器を駆動して異常警報を行う
ものであるので、請求項第4項〜第6項の発明の効果に
加えて、さらに、負荷トルクの異常を知らせることがで
きるという効果がある。
【0095】請求項第8項の発明によれば、請求項第4
項〜第7項のいずれかの発明において、直流モータの端
子を接地側または電源側に接続するためのスイッチング
素子を有する直流モータ駆動手段を備え、直流モータの
非駆動時にスイッチング素子を導通または非導通とし、
発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータの発電
電圧を検出するものであるので、請求項第4項〜第7項
の発明の効果に加えて、さらに、例えばマイコンへの入
力インタフェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化
でき、また、直流モータの発電電圧の測定分解能を向上
させることができるという効果がある。
【0096】請求項第9項の発明によれば、請求項第8
項の発明において、直流モータ駆動手段は直流モータの
端子を電源側または接地側に選択的に接続するための複
数のスイッチング素子を有し、直流モータの非駆動時に
直流モータ駆動手段の接地側のスイッチング素子を導通
させ、発電電圧検出手段では接地電圧基準で直流モータ
の発電電圧を検出するものであるので、請求項第8項の
発明の効果に加えて、特に、正逆転が可能な直流モータ
が搭載された直流モータ制御装置における構成の簡略
化、測定分解能の向上が図れるという効果がある。
【0097】請求項第10項の発明によれば、請求項第
8項の発明において、直流モータ駆動手段は直流モータ
の接地側と反対の端子を電源側に接続するための単一の
スイッチング素子を有し、直流モータの非駆動時にスイ
ッチング素子を非導通とし、発電電圧検出手段では接地
電圧基準で直流モータの発電電圧を検出するものである
ので、請求項第8項の発明の効果に加えて、特に、単一
方向に回転する直流モータが搭載された直流モータ制御
装置における構成の簡略化、測定分解能の向上が図れる
という効果がある。
【0098】請求項第11項の発明によれば、移動体の
操舵または操舵時の補助負荷付勢を行う直流モータと、
直流モータの出力軸を操舵装置に機械的に連結または離
脱を行うクラッチと、クラッチの連結または離脱を制御
するクラッチ制御手段と、直流モータを所定の駆動トル
クにて所定の駆動時間だけ駆動制御する駆動トルク制御
手段、直流モータの駆動停止から所定の時間経過後の該
直流モータの発電電圧を検出する発電電圧検出手段、直
流モータの発電電圧より該直流モータの負荷トルクを推
定する負荷トルク推定手段を有する直流モータ制御装置
とを備え、クラッチ制御手段は負荷トルク推定手段で推
定された直流モータの負荷トルクに応じてクラッチの連
結または離脱を制御するようにしたものであるので、直
流モータの負荷トルクが大きくなるのに従って駆動時の
直流モータの加速度は小さく、駆動停止後の直流モータ
の減速度は大きくなり、以て、駆動停止から所定時間経
過後の直流モータの発電電圧より直流モータの負荷トル
クを正確に検出でき、そのモータ負荷トルクが異常と判
断した場合には直流モータを操舵装置より離脱すること
ができ、操舵ハンドルが固着されるような危険な故障を
事前に正確に検知することができるため、構成簡単にし
て安価な本装置の搭載された移動体の性能と安全性を高
めることができるという効果がある。
【0099】請求項第12項の発明によれば、請求項第
11項の発明において、直流モータ制御装置における駆
動トルクおよび駆動時間を直流モータが少なくとも所定
の角度以上回転するように設定するものであるので、請
求項第11項の発明の効果に加えて、さらに、負荷トル
クの推定時に直流モータを少なくとも所定の角度以上回
転させることにより、異物のかみ込み等による負荷トル
クの増大をより確実に検出することができるという効果
がある。
【0100】請求項第13項の発明によれば、請求項第
11項または第12項の発明において、直流モータ駆動
手段は直流モータの端子を接地側または電源側に接続す
るためのスイッチング素子を有し、直流モータの非駆動
時にスイッチング素子を導通させ、発電電圧検出手段で
は接地電圧基準で直流モータの発電電圧を検出するもの
であるので、請求項第11項または第12項の発明の効
果に加えて、さらに、例えばマイコンへの入力インタフ
ェース回路等の発電電圧の検出回路を簡略化でき、ま
た、直流モータの発電電圧の測定分解能を向上させるこ
とができるという効果がある。。
【0101】請求項第14項の発明によれば、請求項第
11項〜第13項のいずれかの発明において、負荷トル
ク推定手段で推定された直流モータの負荷トルクが異常
であると判断した場合には、警報器を駆動して異常警報
を行うものであるので、請求項第11項〜第13項の発
明の効果に加えて、さらに、負荷トルクの異常を知らせ
ることができ、本装置の搭載された移動体の安全性をよ
り高めることができるという効果がある。
【0102】請求項第15項の発明によれば、請求項第
11項〜第14項のいずれかの発明において、移動体が
車両であるとしたので、特に、車両に搭載されたパワー
ステアリング装置おいて請求項第11項〜第14項の発
明と同様の効果を呈することができ、車両の性能と安全
性等の向上に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による直流モータ制御装置
を示す構成図である。
【図2】図1の動作を説明するための図である。
【図3】図1の処理動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図4】この発明の他の実施例による直流モータ制御装
置を示す図である。
【図5】図4のモータ電流制御手段の具体的回路構成の
一例を示す構成図である。
【図6】モータ電流の通電方法の他の例を示す図であ
る。
【図7】この発明の他の実施例による直流モータ制御装
置を示す図である。
【図8】この発明の他の実施例による電動式パワーステ
アリング装置を示す構成図である。
【図9】図8のコントロールユニットの処理動作を示す
フローチャートである。
【図10】従来の直流モータの負荷トルクを推定するた
めの方法に用いられる装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】 11,11A,11B マイクロコンピュータ 12 H形ブリッジ回路 12a〜12d パワーMOSFET 13 直流モータ 14 ゲート駆動回路 15,17 入力インタフェース回路 16 電機子電流検出用の抵抗器 18 モータ電流制御手段 19 D/A変換器 20 PNP形トランジスタ 21 フライホイールダイオード 22 ハンドル 23 ステアリング軸 24 トルクセンサ 25 クラッチ 26 減速ギヤ 27 ラック軸 28 バッテリ 29 イグニッションスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 俊一 姫路市千代田町840番地 三菱電機株式会 社姫路製作所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の駆動トルクにて所定の駆動時間だ
    け直流モータを駆動し、 上記直流モータの駆動停止から所定時間経過後の上記直
    流モータの発電電圧より上記直流モータの負荷トルクを
    推定するようにしたことを特徴とする直流モータの負荷
    トルク検出方法。
  2. 【請求項2】 上記駆動トルクおよび駆動時間を上記直
    流モータが少なくとも所定の角度以上回転するように設
    定する請求項第1項記載の直流モータの負荷トルク検出
    方法。
  3. 【請求項3】 上記直流モータに対する通電電流を可変
    とする請求項第1項または第2項記載の直流モータの負
    荷トルク検出方法。
  4. 【請求項4】 直流モータを所定の駆動トルクにて所定
    の駆動時間だけ駆動制御する駆動トルク制御手段と、 上記直流モータの駆動停止から所定の時間経過後の該直
    流モータの発電電圧を検出する発電電圧検出手段と、 上記直流モータの発電電圧より該直流モータの負荷トル
    クを推定する負荷トルク推定手段とを備えたことを特徴
    とする直流モータ制御装置。
  5. 【請求項5】 上記駆動トルク制御手段が上記直流モー
    タの電流を制御するモータ電流制御手段を含む請求項第
    4項記載の直流モータ制御装置。
  6. 【請求項6】 上記駆動トルクおよび駆動時間を上記直
    流モータが少なくとも所定の角度以上回転するように設
    定する請求項第4項または第5項記載の直流モータ制御
    装置。
  7. 【請求項7】 上記負荷トルク推定手段で推定された上
    記直流モータの負荷トルクが異常であると判断した場合
    には、警報器を駆動して異常警報を行う請求項第4項〜
    第6項のいずれかに記載の直流モータ制御装置。
  8. 【請求項8】 上記直流モータの端子を接地側または電
    源側に接続するためのスイッチング素子を有する直流モ
    ータ駆動手段を備え、上記直流モータの非駆動時に上記
    スイッチング素子を導通または非導通とし、上記発電電
    圧検出手段では接地電圧基準で上記直流モータの発電電
    圧を検出する請求項第第4項または第7項のいずれかに
    記載の直流モータ制御装置。
  9. 【請求項9】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モー
    タの端子を電源側または接地側に選択的に接続するため
    の複数のスイッチング素子を有し、上記直流モータの非
    駆動時に上記直流モータ駆動手段の接地側のスイッチン
    グ素子を導通させ、上記発電電圧検出手段では接地電圧
    基準で上記直流モータの発電電圧を検出することを特徴
    とする請求項第8項記載の直流モータ制御装置。
  10. 【請求項10】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モ
    ータの接地側と反対の端子を電源側に接続するための単
    一のスイッチング素子を有し、上記直流モータの非駆動
    時に上記スイッチング素子を非導通とし、上記発電電圧
    検出手段では接地電圧基準で上記直流モータの発電電圧
    を検出することを特徴とする請求項第8項記載の直流モ
    ータ制御装置。
  11. 【請求項11】 移動体の操舵または操舵時の補助負荷
    付勢を行う直流モータと、 上記直流モータの出力軸を操舵装置に機械的に連結また
    は離脱を行うクラッチと、 上記クラッチの連結または離脱を制御するクラッチ制御
    手段と、 上記直流モータを所定の駆動トルクにて所定の駆動時間
    だけ駆動制御する駆動トルク制御手段、上記直流モータ
    の駆動停止から所定の時間経過後の該直流モータの発電
    電圧を検出する発電電圧検出手段、上記直流モータの発
    電電圧より該直流モータの負荷トルクを推定する負荷ト
    ルク推定手段を有する直流モータ制御装置とを備え、上
    記クラッチ制御手段は上記負荷トルク推定手段で推定さ
    れた上記直流モータの負荷トルクに応じて上記クラッチ
    の連結または離脱を制御するようにしたことを特徴とす
    る電動式パワーステアリング装置。
  12. 【請求項12】 上記直流モータ制御装置における上記
    駆動トルクおよび駆動時間を上記直流モータが少なくと
    も所定の角度以上回転するように設定する請求項第11
    項記載の電動式パワーステアリング装置。
  13. 【請求項13】 上記直流モータ駆動手段は上記直流モ
    ータの端子を接地側または電源側に接続するためのスイ
    ッチング素子を有し、上記直流モータの非駆動時に上記
    スイッチング素子を導通させ、上記発電電圧検出手段で
    は接地電圧基準で上記直流モータの発電電圧を検出する
    請求項第11項または第12項記載の電動式パワーステ
    アリング装置。
  14. 【請求項14】 上記負荷トルク推定手段で推定された
    上記直流モータの負荷トルクが異常であると判断した場
    合には、警報器を駆動して異常警報を行う請求項第11
    項〜第13項のいずれかに記載の電動式パワーステアリ
    ング装置。
  15. 【請求項15】 移動体が車両である請求項第11項〜
    第14項のいずれかに記載の電動式パワーステアリング
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6016042A (en) * 1996-06-10 2000-01-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Method of detecting the angle of rotation and load torque of a DC motor, and apparatus of detecting the angle of rotation and load torque of a DC motor
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