JPH068838A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JPH068838A
JPH068838A JP17761992A JP17761992A JPH068838A JP H068838 A JPH068838 A JP H068838A JP 17761992 A JP17761992 A JP 17761992A JP 17761992 A JP17761992 A JP 17761992A JP H068838 A JPH068838 A JP H068838A
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JP
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motor
steering
vehicle speed
current
torque
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JP17761992A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ueno
弘 植野
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動式パワーステアリングにおいて、回転角
検出器または回転角速度検出器等の高価なセンサを省略
してコストの低減を図る。 【構成】 電圧検出回路20により、操舵補助トルクを
発生するモータ6の端子電圧を検出する。CPU22A
は、電圧検出回路20により検出された電圧検出値Vm
と、操舵トルクおよび車速に基づいて作成したアシスト
指令に基づく電流目標値Idとにより、ω=Vm−(R
1×Id)なる式を用いてモータ速度ωを算出する(但
し、R1は定数)。そして、この算出したモータ速度ω
によって、粘性制御、慣性制御および操舵状態の検出等
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いて好適な電
動式パワーステアリング装置に係わり、詳しくはモータ
の回転出力によって操舵力を補助する電動式パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両のパワーステアリング装置と
して油圧式に代えてモータを用いた電動式のものが使用
されており、モータはアクチュエータとして小型、軽量
等の利点から今後とも増加傾向にある。
【0003】従来のパワーステアリング装置では、トク
ルセンサによって操舵系の操舵トルクを検出するととも
に、車速センサによって車速を検出し、これらの検出結
果に基づいて操舵系に連結されたモータの駆動力を制御
し、パワーアシストを行っている。そして、一般的には
車速感応型であり、低車速では軽く、高車速では重くな
るようにトルクセンサ入力に応じてアシスト力を制御し
ている。そして、一般的には速度感応型であり、低車速
では軽く、高車速では重くなるようにトルクセンサ入力
に応じてアシスト力を制御している。
【0004】ところで、アシスト用モータのトルクをギ
ヤで減速してラック軸等に伝達する構成とした場合、ア
シスト用モータの慣性モーメントがあたかも大きくなる
ように作用し、また、ギヤのフリクションが影響して高
車速時の収斂性が悪化したり、低車速時のハンドル戻り
が悪化したりするので、本出願人は舵角加速度に応じた
慣性制御信号を加えることで、これらの問題を解決でき
る装置を開発した。以下、本出願人によって開発された
従来のパワーステアリング装置について説明する。
【0005】図15は本出願人によって開発された従来
のパワーステアリング装置を適用したステアリング機械
系の一例を示す構成図であり、この図において、操舵ハ
ンドル1の回転力はハンドル軸を介してピニオンギアを
含むステアリングギア2に伝達されるとともに、上記ピ
ニオンギアによりラック軸3に伝達され、さらにナック
ルアーム等を経て車輪4が転向される。
【0006】また、コントロール装置5により制御駆動
される操舵アシスト(補助)モータ(DCモータ)6の
回転力がピニオンギアを含むステアリングギア7とラッ
ク軸3との噛み合いによりラック軸3に伝達され、ハン
ドル1による操舵を補助することになる。ハンドル1と
モータ6の回転軸はギア2、7およびラック軸3により
機械的に連結されている。
【0007】操舵トルクセンサ11により操舵トルクが
検出され、車速センサ12により車速が検出される。そ
して、これらの検出トルク、車速等に基づきコントロー
ル装置5によってモータ6が制御される。コントロール
装置5およびモータ6には車両に搭載されたバッテリ8
から、その動作電力が供給される。
【0008】コントロール装置5は、図16に示すよう
にA/D変換回路15〜17と、カウンタ18と、電流
検出回路19、電圧検出回路20と、モータ6を駆動す
る駆動回路21と、モータ6の全体的な制御を統括する
CPU22(例えばマイクロプロセッサ)と、メモリ2
3と、コンピュータと上記入/出力機器とのインターフ
ェース回路等(図示略)を主に構成されている。
【0009】操舵トルクセンサ11によって検出された
操舵トルクは、A/D変換回路15によってデジタル信
号に変換された後にCPU22に取り込まれる。また、
車速センサ12によって検出された車速は、カウンタ1
8によってカウントされ、車速を表すカウント値がCP
U22に取り込まれる。CPU22は入力された操舵ト
ルクおよび車速に基づいてアシスト指令を作成し、それ
に基づく制御信号を駆動回路21に出力し、駆動回路2
1によりモータ6が駆動される。この結果、駆動回路2
1から出力されるアシストトルク値(又はモータ電流)
は図17に示すように、検出トルクVTと検出車速VS
よって定められた値となる。
【0010】ここで、図17においては、操舵トルクV
Tに応じて、一定範囲の操舵トルクVTに対してはこれに
略比例するモータ電流が流れ(アシストトルクが発生
し)、上記範囲を超えると、ある一定のモータ電流が流
れる(アシストトルクが発生する)ように、また車速V
Sに応じて、車速VSが速いときにはモータ電流(アシス
トトルク)を少なくし、車速VSが遅いときにはモータ
電流(アシストトルク)を多くするように、モータ6を
制御するためのアシスト指令が発生することを表してい
る。
【0011】図16に戻り、モータ電流は電流検出回路
19によって検出され、A/D変換回路16によってデ
ジタル信号に変換された後にCPU22に取り込まれ
る。他方、モータ6の端子電圧(モータ電圧)は電圧検
出回路20によって検出され、A/D変換回路17によ
ってデジタル信号に変換された後にCPU22に取り込
まれる。メモリ23はCPU22の処理に必要なプログ
ラムやデータを記憶している。
【0012】次に、図18はコントロール装置5に内蔵
されたコンピュータの各種機能をブロック的に、他の入
出力機器、各種回路を示すブロック図とともに、描いた
ものである。この図において、アシスト指令部30には
トルクセンサ11の検出トルクVtと、車速センサ12
の検出車速Vsとが与えられる。アシスト指令部30内
のアシストトルク指示関数部31は検出トルクVtに応
じてモータ6によって発生すべきアシストトルクを示す
指令値を出力する。
【0013】乗算定数関数部32は検出車速Vsに応じ
て定数を発生し、この定数が乗算演算部33において上
記アシストトルク指令値に乗じられる。この結果、乗算
演算部33から出力されるアシストトルク値は上述した
ように図17に示すように検出トルクVtと検出車速V
sによって定められた値となる。
【0014】一方、検出トルクVtは位相補償部34に
も与えられる。この位相補償部34においては検出トル
クVtの微分値が計算され、微分乗算定数関数部35で
発生した車速Vsに応じた定数をその微分値に乗算した
信号を出力する。この出力が乗算した演算部33の出力
に加算されることにより、アシスト指令部30の出力と
なって電流制御部37に供給される。
【0015】電流制御部37は、例えば4個のスイッチ
ング素子を含むHブリッジ駆動法にしたがうPWM(Pu
lse Width Modulation)パルスを用いたチョッパ動作に
よってモータ6を駆動制御するもので、電機子電流検出
部38にて検出された電流検出値Imと電流目標値Id
とが一致するようにPWMデューティを決定する。電流
フィードバックP(比例)制御の場合を示すと、電圧操
作量演算部39において与えられた電流目標値Idと電
流検出値Imとの偏差を演算し、この偏差の絶対値が絶
対値変換部40で得られ、この絶対値に基づいてデュー
ティ生成部41でPWMパルスのデューティ比が決定さ
れる。
【0016】一方、上記偏差の極性(正または負)が正
負判定部42で判定され、生成されたデューティ比と判
別された極性に基づいてモータ駆動部43はHブリッジ
型に配線された4個のスイッチング素子をオンオフ制御
してモータ6を駆動する。なお、この場合、電流フィー
ドバックP制御について示したが、他にもPI(比例・
積分)制御、PID(比例・積分・微分)制御などによ
るフィードバック制御法の採用も勿論可能である。ま
た、電流制御部37に対する外乱を推定し、その外乱を
フィードフォーワードすることによる電流制御法も用い
ても良い。
【0017】一方、モータ速度算出部44では、モータ
電圧検出部45で検出された電圧検出値Vmと電流検出
値Imとにより、次の数式によってモータ速度ωが算
出される。この算出されたモータ速度ωによって粘性制
御、慣性制御などが行われる。ここで、数式において
R0は定数である。
【0018】ω=Vm−(R0×Im)……
【0019】粘性指令部46においては、算出されたモ
ータ速度ωに基づき粘性補償値指示関数部47と乗算演
算部48により粘性指令値が決定される。また、慣性補
償部49においては、微分回路50によるモータ速度ω
の微分値に応じて慣性補償値指示関数部51の出力が決
定され、さらに乗算演算部52により決定された慣性乗
算定数を乗算して慣性指令値が決定される。これら粘性
指令部46および慣性補償部49の各々の出力はアシス
ト指令部30の出力に加算され、電流目標値Idとして
電流制御部37に供給される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人に
よって開発された上述した従来の電動式パワーステアリ
ング装置にあっては、ギヤのフリクションの影響が少な
く、低速から高速にかけて安定したハンドル操作が実現
できたが、その反面、モータまたはステアリングホイー
ルの回転角を検出するための回転角検出器または回転角
速度検出器(例えばエンコーダ、タコジェネレータ等)
などのセンサを設ける必要があり、装置の価格が高くな
るという問題点があった。
【0021】そこで本発明は、高価なセンサ等を省略す
ることでコストの低減を図ることができる電動式パワー
ステアリング装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明による電動式パワーステアリン
グ装置は、操舵系に連結され、操舵補助トルクを発生す
るモータと、操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク
検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記操舵
トルク検出手段および前記車速検出手段の出力に基づい
てアシスト指令を作成し、このアシスト指令により前記
モータの駆動を制御する制御手段とを備えた電動式パワ
ーステアリング装置において、前記モータの端子電圧を
検出するモータ電圧検出手段を設け、前記制御手段は、
前記アシスト指令値に基づく電流目標値と前記モータ電
圧検出手段により検出された端子電圧とによりモータ速
度またはモータの回転方向を算出することを特徴とす
る。
【0023】また、請求項2記載の発明による電動式パ
ワーステアリング装置は、操舵系に連結され、操舵補助
トルクを発生するモータと、操舵系の操舵トルクを検出
する操舵トルク検出手段と、車速を検速する車速検出手
段と、前記操舵トルク検出手段および車速検出手段の出
力に基づいてアシスト指令を作成し、このアシスト指令
により前記モータの駆動を制御する制御手段とを備えた
電動式パワーステアリング装置において、前記モータに
流れる電流を検出する電流検出手段を設け、前記制御手
段は、前記アシスト指令に基づく電圧操作量と前記電流
検出手段により検出されたモータ電流とによりモータ速
度またはモータの回転方向を算出することを特徴とす
る。
【0024】また、請求項3記載の発明による電動式パ
ワーステアリング装置は、操舵系に連結され、操舵補助
トルクを発生するモータと、操舵系の操舵トルクを検出
する操舵トルク検出手段と、車速を検速する車速検出手
段と、前記操舵トルク検出手段および車速検出手段の出
力に基づいてアシスト指令を作成し、このアシスト指令
により前記モータの駆動を制御する制御手段とを備えた
電動式パワーステアリング装置において、前記制御手段
は、前記アシスト指令に基づく電流目標値および電圧操
作量によりモータ速度またはモータの回転方向を算出す
ることを特徴とする。
【0025】
【作用】請求項1記載の発明では、検出されたモータの
端子電圧と、モータに流す電流の目標値である電流目標
値とからモータの速度またはモータの回転方向が算出さ
れる。例えば、端子電圧(電圧検出値)Vm、電流目標
値Idとすると、モータ速度ωは、ω=Vm−(R1×
Id)により算出できる。但し、R1は定数。
【0026】したがって、モータまたはステアリングホ
イールの回転角を検出するための回転角検出器または回
転角速度を検出するための回転角速度検出器等のセンサ
を設ける必要がない。また、モータの電流検出値を取り
込む必要がないことから、これに要する回路部品数の省
略化およびノイズの影響の低減を図ることができる。
【0027】また、請求項2記載の発明では、検出され
たモータの電流検出値と、モータに印加する電圧操作量
とからモータの速度またはモータ回転方向が算出され
る。例えば、電圧操作量Vd、電流検出値Imとする
と、モータ速度ωは、ω=Vd−(R2×Im)により
算出できる。但し、R2は定数。
【0028】したがって、請求項1記載の発明と同様に
モータまたはステアリングホイールの回転角検出器また
は回転角速度検出器等のセンサを設ける必要がない。ま
た、モータの電圧検出値を取り込む必要がないことか
ら、これに要する回路部品数および調整項目の省略化お
よびノイズの影響の低減を図ることができる。
【0029】また、請求項3記載の発明では、モータに
流す電流の目標値である電流目標値と、モータに印加す
る電圧操作量とからモータの速度またはモータの回転方
向が算出される。例えば、電圧操作量Vd、電流目標値
Idとすると、モータ速度ωは、ω=Vd−(R3×I
d)により算出できる。但し、R3は定数。
【0030】したがって、請求項1,2記載の各発明と
同様に、モータまたはステアリングホイールの回転角検
出器または回転角速度検出器等のセンサを設ける必要が
ない。また、モータの電圧検出値を取り込む必要がない
ことから、これに要する回路部品数および調整項目の省
略化およびノイズの影響の低減を図ることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の第1
実施例のコントロール装置5Aの構成を示すブロック図
であり、図3は同コントロール装置5Aに内蔵されたC
PU22Aの各種機能をブロック的に、他の入力機器、
各種回路を示すブロック図とともに描いたものである。
なお、この第1実施例の説明において、上述した図12
および図14と共通する部分には同一の符号を付してそ
の説明を省略する。また、図1における電圧検出回路2
0は図3におけるモータ電圧検出部45に対応する。
【0032】この第1実施例のコントロール装置5A
は、図16に示す従来のコントロール装置5におけるA
/D変換回路16および電流検出回路19を省略し、モ
ータ6の電流検出値Imに代って電流目標値Idを取り
込み、この電流目標値Idと、検出したモータの端子電
圧VmとからCPU22Aにてモータの速度ωを算出す
るようにしている点にある。
【0033】すなわち、図3において、アシスト指令部
30の出力(アシスト指令値)に粘性指令部46Aおよ
び慣性補償部49Aの出力が加算された電流目標値Id
が電流制御部37に供給される一方、モータ速度算出部
44Aに供給される。モータ速度算出部44Aは、電流
目標値Idとモータ電圧検出部45で検出された電圧検
出値Vmとにより、次の数式によってモータ速度ωを
算出する。そして、算出されたモータ速度ωによって粘
性制御、慣性制御などが行われる。数式においてR1
は定数である。
【0034】ω=Vm−(R1×Id)……
【0035】この場合、モータ6の電流検出値Imに代
って電流目標値Idを使用した理由は、電流目標値Id
が電流検出値Imに略比例するからである。この電流目
標値Idでも十分にモータ6の速度を得ることができ
る。
【0036】したがって、モータまたはステアリングホ
イールの回転角を検出するための回転角検出器または回
転角速度を検出するための回転角速度検出器等のセンサ
を設けることなく、電流目標値Idと電圧検出値Vmと
によりモータ速度ωを得ることができる。そして、電流
検出値Imを取り込むための回路部品数を必要としない
ので、センサを不要とすることと合わせてコストの低減
を図ることができる。また、電流目標値Idの取り込み
は回路内部(CPU22A内)で行われることから、ノ
イズの影響を殆ど受けない。すなわち、ノイズに対する
信頼性が向上する。
【0037】なお、この第1実施例においては、車速セ
ンサ12の出力Vsを粘性指令部46Aおよび慣性補償
部49Aに供給してステアリング操作の精度の向上を図
っている。すなわち、粘性指令部46Aにおいては、算
出されたモータ速度ωに基づき図4に示すように粘性補
償値指示関数部47の出力が決定され、また、車速Vs
に応じて図5に示すように乗算演算部48Aで決定され
た乗算定数が乗算され粘性指令値が決定される。
【0038】また、慣性補償部49Aにおいては、微分
回路50によるモータ速度ωの微分値に応じて図6に示
すように慣性補償値指示関数部51の出力が決定され
る。また、車速Vsによって図7に示すように乗算演算
部52Aにより決定された慣性乗算定数を乗算して慣性
補償部49Aの出力が決定される。
【0039】次に、図2は本発明に係る電動式パワース
テアリング装置の第2実施例のコントロール装置5Bの
構成を示すブロック図であり、図8は同コントロール装
置5Bに内蔵されたCPU22Bの各種機能をブロック
的に、他の入力機器、各種回路を示すブロック図ととも
に描いたものである。なお、この第2実施例の説明にお
いても上述した図16および図18と共通する部分には
同一の符号を付してその説明を省略する。また、図2に
おける電流検出回路19は図8における電機子電流検出
部38に対応する。
【0040】この第2実施例のコントロール装置5B
は、図16に示す従来のコントロール装置5におけるA
/D変換回路17および電圧検出回路20を省略し、モ
ータ6の電圧検出値Vmに代ってモータ6に印加する電
圧操作量Vdを取り込み、この電圧操作量Vdと電流検
出値ImとによりCPU22Bにてモータの速度ωを算
出するようにしている点にある。すなわち、図8におい
て、電圧操作量演算部39より出力される電圧操作量V
dが絶対値変換部40および正負判別部42に供給され
る一方、モータ速度算出部44Bに供給される。
【0041】モータ速度算出部44Bは、電圧操作量演
算部39で演算された電圧操作量Vdと、電機子電流検
出38で検出された電流検出値Imとにより、次の数式
によってモータ速度ωを算出する。そして、算出され
たモータ速度ωによって粘性制御、慣性制御などが行わ
れる。数式においてR2は定数である。
【0042】ω=Vd−(R2×Im)……
【0043】この場合、電圧検出値Vmに代って電圧操
作量Vdを使用した理由は、電圧操作量Vdが電圧検出
値Vmに略比例するからである。この電圧操作量Vdで
も十分にモータ6の速度ωを得ることができる。
【0044】したがって、モータまたはステアリングホ
イールの回転角を検出するための回転角検出器または回
転角速度を検出するための回転角速度検出器等のセンサ
を設けることなく、電流検出値Imと電圧操作量Vdと
によりモータ速度ωを得ることができる。そして、電圧
検出値Vmを取り込むための回路部品数を必要としない
ので、センサを不要とすることと合わせてコストの低減
を図ることができる。また、電圧操作量Vdの取り込み
は回路内部(CPU22A内)で行われることから、ノ
イズの影響を殆ど受けない。
【0045】ここで、電圧操作量Vdとは、PWM方式
によるモータ6への印加電圧であり、電源電圧とPWM
デューティとを乗算したものである。例えば、電源電圧
が14VでPWMデューティが5%であれば、電圧操作
量は7Vとなる。なお、参考として図9〜図11にPW
M方式の動作の一例を示す。図9に示すようにHブリッ
ジ回路は、モータ6に対してHブリッジ型に接続された
4個のスイッチング素子SW1〜SW4と、4個のダイ
オードD1〜D4とを有し、モータ6の電流をスイッチ
ング制御するものである。そして、Hブリッジ回路はコ
ンデンサCが並列に介挿されたバッテリBATに接続さ
れている。
【0046】Hブリッジ回路は、例えばスイッチング素
子SW1,SW4がオン、スイッチング素子SW2,S
W3がオフの状態で、PWMオン時の電流は図9に示す
ように、バッテリBAT→スイッチング素子SW1→モ
ータ6→電流検出抵抗Rd→スイッチング素子SW4→
GNDの経路で流れる。また、例えばスイッチング素子
SW1,SW3がオン、スイッチング素子SW2,SW
4がオフの状態で、PWMオフ時の電流は図10に示す
ように、モータ6→電流検出抵抗Rd→ダイオードD3
→スイッチング素子SW1→モータ6の経路で流れる。
【0047】また、図11に示すように、PWMオフ時
における誘起電圧発生時などによりモータ電流の方向が
変化したときにも電流が流れる。図12,13にタイム
チャートを示す。この場合、図12においてスイッチン
グ素子SW3,SW4の間にデッドタイムがある。
【0048】次に、図14は本発明に係る電動式パワー
ステアリング装置の第3実施例のコントロール装置に内
蔵されたCPU(図示略)の各種機能をブロック的に、
他の入力機器、各種回路を示すブロック図とともに描い
たものである。なお、この第3実施例の説明においても
上述した図14と共通する部分には同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0049】この第3実施例の図示せぬコントロール装
置は、図16に示す従来のコントロール装置5における
A/D変換回路16,17および電圧検出回路19,2
0を省略し、モータ6の電圧検出値Vmに代ってモータ
6に印加する電圧操作量Vdを取り込むとともに、モー
タ6の電流検出値Imに代って電流目標値Idを取り込
み、これら電圧操作量Vdと電流目標値IdとによりC
PUにてモータの速度を算出するようにしている点にあ
る。
【0050】すなわち、図14において、電圧操作量演
算部39より出力される電圧操作量Vdがモータ速度算
出部44Cに供給され、またアシスト指令部30の出力
に粘性指令部46および慣性補償部49の出力が加算さ
れた電流目標値Idがモータ速度算出部44Cに供給さ
れる。モータ速度算出部44Cは電圧操作量Vdと電流
目標値Idとにより、次の数式によってモータ速度ω
を算出する。そして、算出されたモータ速度ωによって
粘性制御、慣性制御などが行われる。数式においてR
3は定数である。
【0051】ω=Vd−(R3×Id)……
【0052】したがって、モータまたはステアリングホ
イールの回転角を検出するための回転角検出器または回
転角速度を検出するための回転角速度検出器等のセンサ
を設けることなく、電流目標値Idと電圧操作量Vdと
に基づいてモータ速度ωを得ることができる。そして、
電圧検出値Vmを取り込むための回路部品数を必要とし
ないので、センサを不要とすることと合わせてコストの
低減を図ることができる。また、電圧操作量Vdおよび
電流目標値Idの取り込みは回路内部(CPU内)で行
われることから、ノイズの影響を殆ど受けない。
【0053】また、上記各実施例においては、算出した
モータ6の回転速度および回転加速度に基づいた粘性補
償および慣性補償を行う場合の例を説明したが、算出し
たモータ速度ωを積分することにより回転角を算出し、
この結果に基づいて舵角による戻りの制御などを行うこ
ともできる。また、速度算出値または、その符号のみに
よって、操舵状態検出(戻り状態か否か)などを行うこ
ともできる。例えば、符号による操舵状態の検出法の例
は、操舵トルクVtと、前記速度算出値の符号とが一致
しないときは、戻り状態とするなどである。そして、戻
り状態の時には粘性指令値などを変化させ、最良のフィ
ーリングになるように、制御する。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、回転角検
出器または回転角速度検出器等のセンサを設ける必要が
なく、電流目標値とモータの端子電圧とからモータの速
度またはモータの回転方向を得ることができるので、コ
ストをを低く抑えることができる。また、モータの電流
検出値を取り込む必要がないことから、これに要する回
路部品数の省略化を図ることができ、これにより価格の
低減を図ることができる。また、ノイズの影響も受けな
くなるので信頼性が向上する。
【0055】請求項2記載の発明によれば、回転角検出
器または回転角速度検出器等のセンサを設ける必要がな
く、電流検出値とモータに印加する電圧操作量とからモ
ータの速度またはモータ回転方向を得ることができるの
で、請求項1記載の発明と同様に、コストを低く抑える
ことができる。また、モータの電圧検出値を取り込む必
要がないことから、これに要する回路部品数および調整
項目の省略化を図ることができ、これにより価格の低減
を図ることができる。また、ノイズの影響も受けなくな
るので信頼性が向上する。
【0056】請求項3記載の発明によれば、回転角検出
器または回転角速度検出器等のセンサを設ける必要がな
く、電流目標値とモータに印加する電圧操作量とからモ
ータの速度またはモータ回転方向を得ることができるの
で、請求項1,2記載の各発明と同様に、コストを低く
抑えることができる。また、モータの電圧検出値および
電流検出値を取り込む必要がないことから、これに要す
る回路部品数および調整項目の省略化を図ることがで
き、これにより価格の低減を図ることができる。また、
ノイズの影響も受けなくなるので信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
第1実施例のコントロール装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
第2実施例のコントロール装置の構成を示すブロック図
である。
【図3】第1実施例のコントロール装置に内蔵されたC
PUの各種機能を示すブロック図である。
【図4】同第1実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図5】同第1実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図6】同第1実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図7】同第1実施例の動作を説明するための図であ
る。
【図8】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
第2実施例のコントロール装置に内蔵されたCPUの各
種機能を示すブロック図である。
【図9】Hブリッジ回路の動作を説明するための図であ
る。
【図10】Hブリッジ回路の動作を説明するための図で
ある。
【図11】Hブリッジ回路の動作を説明するための図で
ある。
【図12】Hブリッジ回路の動作を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図13】Hブリッジ回路の動作を説明するためのタイ
ムチャートである。
【図14】本発明に係る電動式パワーステアリング装置
の第3実施例のコントロール装置に内蔵されたCPUの
各種機能を示すブロック図である。
【図15】従来の電動式パワーステアリング装置の一実
施例のハード構成を示すブロック図である。
【図16】同電動式パワーステアリング装置のコントロ
ール装置の構成を示すブロック図である。
【図17】同電動式パワーステアリング装置のアシスト
トルクの特性を示す図である。
【図18】同電動式パワーステアリング装置のコントロ
ール装置に内蔵されたCPUの各種機能を示すブロック
図である。
【符号の説明】
6 モータ 11 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段) 12 車速センサ(車速検出手段) 16,17 A/D変換回路 19 電流検出回路(電流検出手段) 20 電圧検出回路(モータ電圧検出手段) 21 駆動回路 22A,22B CPU(制御手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するモータと、 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記操舵トルク検出手段および前記車速検出手段の出力
    に基づいてアシスト指令を作成し、このアシスト指令に
    より前記モータの駆動を制御する制御手段と、を備えた
    電動式パワーステアリング装置において、 前記モータの端子電圧を検出するモータ電圧検出手段を
    設け、 前記制御手段は、前記アシスト指令値に基づく電流目標
    値と前記モータ電圧検出手段により検出された端子電圧
    とによりモータ速度またはモータの回転方向を算出する
    ことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するモータと、 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、 車速を検速する車速検出手段と、 前記操舵トルク検出手段および車速検出手段の出力に基
    づいてアシスト指令を作成し、このアシスト指令により
    前記モータの駆動を制御する制御手段と、を備えた電動
    式パワーステアリング装置において、 前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段を設
    け、 前記制御手段は、前記アシスト指令に基づく電圧操作量
    と前記電流検出手段により検出されたモータ電流とによ
    りモータ速度またはモータの回転方向を算出することを
    特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するモータと、 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、 車速を検速する車速検出手段と、 前記操舵トルク検出手段および車速検出手段の出力に基
    づいてアシスト指令を作成し、このアシスト指令により
    前記モータの駆動を制御する制御手段と、を備えた電動
    式パワーステアリング装置において、 前記制御手段は、前記アシスト指令に基づく電流目標値
    および電圧操作量によりモータ速度またはモータの回転
    方向を算出することを特徴とする電動式パワーステアリ
    ング装置。
JP17761992A 1992-06-11 1992-06-11 電動式パワーステアリング装置 Pending JPH068838A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013240214A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Beriver Electronics Inc Dcモータドライバ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013240214A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Beriver Electronics Inc Dcモータドライバ

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