JPH09325445A - 黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH09325445A
JPH09325445A JP6940997A JP6940997A JPH09325445A JP H09325445 A JPH09325445 A JP H09325445A JP 6940997 A JP6940997 A JP 6940997A JP 6940997 A JP6940997 A JP 6940997A JP H09325445 A JPH09325445 A JP H09325445A
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JP
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silver halide
black
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layer
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Application number
JP6940997A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Muramatsu
靖彦 村松
Takeshi Sanpei
武司 三瓶
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 経時で抜き文字再現性が劣化や感度変動が小
さく、白ポツ故障が少ない、黒白ハロゲン化銀写真感光
材料およびその処理方法を提供する。 【解決手段】 感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
1層が銀1モルあたり、VIII族遷移金属及びレニウムか
ら選ばれる金属を少なくとも1種含有する塩化銀含有率
が90モル%以上100モル%以下のハロゲン化銀粒子
を含有し、該乳剤層側にヒドラジン誘導体と造核促進剤
としてアミン及びオニウム塩化合物から選ばれる少なく
とも1種を含有し、該乳剤層側の最表面から支持体に最
も近い感光性ハロゲン化銀乳剤層の支持体から遠い方の
表面までの乾燥時の膜厚が2.5〜8μmである黒白ハ
ロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は黒白ハロゲン化銀写
真感光材料及びその処理方法に関し、更に詳しくは印刷
製版用ネガ型黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白ハロゲン化銀写真感光材料、特に印
刷製版用感光材料は、網点画像や線画画像を忠実に再現
するために、硬調な写真特性が要求される。これらの硬
調な写真特性を得るための写真技術は様々な技術がある
が、その中でも例えば米国特許4,269,929号に
見られるようなヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化
銀写真感光材料を現像処理する方法が知られている。
【0003】印刷製版業界では、透過の網点画像原稿を
プリンターで露光する返し作業を行った際に、目的の微
小な網点が忠実に再現され、且つ、網点内の細かな線画
画像の線幅を再現させる、いわゆる抜き文字再現性が優
れることが要求されている。
【0004】またハロゲン化銀感光材料は、高温・高湿
により写真性能が変化しやすいため、経時で性能が安定
する製品が求められている。
【0005】上記のような硬調化技術だけでは、抜き文
字再現性は十分でなく、また経時により、抜き文字再現
性が劣化したり、感度変動が大きくなったり、網点内に
ピンホール状のいわゆる白ポツ故障等が発生したりする
問題があった。
【0006】又、労働環境の改善とともに労働時間の短
縮化も叫ばれており、印刷製版業界においては感光材料
の処理時間の短縮化が益々、強く望まれてきている。一
般に黒白ハロゲン化銀感光材料は、露光後、少なくと
も、現像部、定着部、水洗部あるいは安定化浴部、及び
乾燥部を有する自動現像機で処理される。通常、現像か
ら乾燥を終了させるまで60秒以上かかるのが普通であ
るが、上記の時間短縮の要望から50秒以内で処理する
ことが望まれている。
【0007】全処理時間を50秒以内にすると、上記の
抜き文字再現性、感度変動や白ポツ故障は更に劣化しや
すくなるのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
し、本発明の目的は、ヒドラジン誘導体を含有する黒白
ハロゲン化銀写真感光材料において、抜き文字再現性の
優れた黒白ハロゲン化銀写真感光材料を提供することに
ある。
【0009】もう一つの目的は、経時で抜き文字再現性
の劣化や感度変動が小さく、網点内にピンホール状のい
わゆる白ポツ故障が少ない黒白ハロゲン化銀写真感光材
料を提供することにある。
【0010】さらにもう一つの目的は、現像から乾燥ま
で50秒以下の迅速処理をした場合にも、経時させても
抜き文字再現性が劣化や感度変動が小さく、網点内にピ
ンホール状のいわゆる白ポツ故障が少ない黒白ハロゲン
化銀写真感光材料およびその処理方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0012】(1) 支持体上に少なくとも1層の感光
性ハロゲン化銀乳剤層とその上に少なくとも2層の非感
光性親水性コロイド層を有する黒白ハロゲン化銀感光材
料において、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1
層が銀1モルあたり、VIII族遷移金属及びレニウムから
選ばれる金属を少なくとも1種含有する塩化銀含有率が
90モル%以上100モル%以下のハロゲン化銀粒子を
含有し、該乳剤層側にヒドラジン誘導体と造核促進剤と
してアミン及びオニウム塩化合物から選ばれる少なくと
も1種を含有し、該乳剤層側の最表面から支持体に最も
近い感光性ハロゲン化銀乳剤層の支持体から遠い方の表
面までの乾燥時の膜厚が2.5〜8μmであることを特
徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】(2) 支持体上の片側に少なくとも2層
のハロゲン化銀乳剤層を有することを特徴とする(1)
記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】(3) 感光性ハロゲン化銀乳剤層の上の
非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に平均粒径
4〜10μmのマット剤を含有することを特徴とする
(1)または(2)記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材
料。
【0015】(4) 感光性ハロゲン化銀乳剤層の上の
非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に、固体状
に分散された染料を含有することを特徴とする(1)、
(2)または(3)記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材
料。
【0016】(5) 塗布乾燥工程において乳剤層側の
水/ゼラチン比が200%になるまでの間、湿球温度2
0℃以下で乾燥されることを特徴とする(1)、
(2)、(3)、または(4)に記載の黒白ハロゲン化
銀写真感光材料。
【0017】(6) 前記(1)、(2)、(3)、
(4)または(5)に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光
材料が、自動現像装置を用いて固体処理剤から調製され
た現像補充液を補充しながら処理されることを特徴とす
る黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0018】(7) 前記(1)、(2)、(3)、
(4)または(5)に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光
材料が、自動現像装置を用いてを処理される黒白ハロゲ
ン化銀写真感光材料1m2あたり現像補充液を30ml
〜200mlずつ補充しながら処理されることを特徴と
する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明において、ヒドラジン誘導体として
は、下記一般式〔H〕で表される化合物が好ましい。
【0021】
【化1】
【0022】式中、Aはアリール基、又は硫黄原子また
は酸素原子を少なくとも1個を含む複素環を表し、Gは
−(CO)n−基、スルホニル基、スルホキシ基、−P
(=O)R2−基、またはイミノメチレン基を表し、n
は1または2の整数を表し、A1、A2はともに水素原子
あるいは一方が水素原子で他方が置換もしくは無置換の
アルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のア
シル基を表し、Rは水素原子、各々置換もしくは無置換
のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ
基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環
オキシ基、アミノ基、カルバモイル基、またはオキシカ
ルボニル基を表す。R2は各々置換もしくは無置換のア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ
基、アリールオキシ基、アミノ基等を表す。
【0023】一般式〔H〕で表される化合物のうち、更
に好ましくは下記一般式〔Ha〕で表される化合物であ
る。
【0024】
【化2】
【0025】式中、R1は脂肪族基(例えばオクチル
基、デシル基)、芳香族基(例えばフェニル基、2−ヒ
ドロキシフェニル基、クロロフェニル基)又は複素環基
(例えばピリジル基、チェニル基、フリル基)を表し、
これらの基はさらに適当な置換基で置換されたものが好
ましく用いられる。更に、R1には、バラスト基又はハ
ロゲン化銀吸着促進基を少なくとも一つ含むことが好ま
しい。
【0026】耐拡散基としてはカプラー等の不動性写真
用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラス
ト基としては炭素数8以上の写真性に対して比較的不活
性である例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキ
ルフェノキシ基等が挙げられる。
【0027】ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿
素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト
複素環基、或いは特開昭64−90439号に記載の吸
着基等が挙げられる。
【0028】一般式〔Ha〕において、Xは、フェニル
基に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、m
が2以上の場合Xは同じであっても異なってもよい。
【0029】一般式〔Ha〕において、A3、A4は一般
式〔H〕におけるA1及びA2と同義であり、ともに水素
原子であることが好ましい。
【0030】一般式〔Ha〕において、Gはカルボニル
基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基または
イミノメチレン基を表すが、Gはカルボニル基が好まし
い。
【0031】一般式〔Ha〕において、R2としては水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リル基、複素環基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、
カルバモイル基、オキシカルボニル基を表す。最も好ま
しいR2としては、−CF3、−CF2H、−CFH2、−
CF2CF2COOH、−COOR3基及び−CON
(R4)(R5)基が挙げられる(R3はアルキニル基ま
たは飽和複素環基を表し、R4は水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複
素環基を表し、R5はアルケニル基、アルキニル基、飽
和複素環基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を表
す)。
【0032】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】その他の好ましいヒドラジン誘導体の具体
例としては、米国特許5,229,248号第4カラム
〜第60カラムに記載されている(1)〜(252)で
ある。
【0043】本発明に係るヒドラジン誘導体は、公知の
方法により合成することができ、例えば米国特許5,2
29,248号第59カラム〜第80カラムに記載され
たような方法により合成することができる。
【0044】添加量は、硬調化させる量(硬調化量)で
あれば良く、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、
化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量は異なる
が、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1
モルの範囲であり、好ましくは10-5〜10-2モルの範
囲である。
【0045】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
ハロゲン化銀乳剤層又はその隣接層に添加される。
【0046】ヒドラジン誘導体による硬調化を効果的に
促進するためには、構造中に4級窒素化合物及び/また
は4級リン化合物を有する4級オニウム化合物(オニウ
ム塩化合物とも言う)、アミン化合物から選ばれる造核
促進剤を少なくとも一種用いることが好ましい。
【0047】本発明に用いる4級オニウム化合物(オニ
ウム塩化合物とも言う)としては、分子内に窒素原子又
は燐原子の4級カチオン基を有する化合物であり、好ま
しくは一般式(P)で表される化合物である。
【0048】
【化12】
【0049】式中、Qは窒素原子又は燐原子を表し、R
1、R2、R3及びR4は各々、水素原子又は置換基を表
し、X-はアニオンを表す。又、R1〜R4は互いに連結
して環を形成してもよい。
【0050】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、ア
ミノ等の各基が挙げられ、具体的にはアルキル基(メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキ
シル等)、アルケニル基(アリル、ブテニル等)、アル
キニル基(プロパルギル、ブチニル等)、アリール基
(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピペリジニル、
ピペラジニル、モルホリニル、ピリジル、フリル、チエ
ニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ス
ルホラニル等)等が挙げられる。
【0051】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、キヌク
リジン、ピリジン等の環が挙げられる。
【0052】R1〜R4で表される基には置換基(ヒドロ
キシル、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、
スルホ、アルキル、アリール基等)が置換してもよい。
【0053】R1、R2、R3及びR4としては、水素原子
及びアルキル基が好ましい。
【0054】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0055】更に好ましくは下記一般式(Pa)、(P
b)又は(Pc)で表されるピリジニウム化合物であ
る。
【0056】
【化13】
【0057】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、含
窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4及びA5
で構成される複素環は置換基を有してもよく、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。置換基としては、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カル
ボキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイル
基、ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド基、スルホ
ニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。A1、A2、A3、A4
びA5の好ましい例としては、5〜6員環(ピリジン、
イミダゾール、チオゾール、オキサゾール、ピラジン、
ピリミジン等の各環)を挙げることができ、更に好まし
い例としてピリジン環が挙げられる。
【0058】Bpは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン、アリーレ
ン、アルケニレン、−SO2−、−SO−、−O−、−
S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル基、ア
リール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わせて構
成されるものを表す。Bpとして好ましくは、アルキレ
ン、アルケニレン基を挙げることができる。
【0059】R1、R2及びR5は各々、炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換あるいは無置換のア
ルキル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
及びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0060】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換あるいは無置換のアリール置換ア
ルキル基が挙げられる。
【0061】Xp -は分子全体の電荷を均衡さすに必要な
対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素
イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホ
ナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の電荷
を均衡さすに必要な対イオンの数を表し、分子内塩の場
合にはnpは0である。次に本発明に係る4級オニウム
化合物(オニウム塩化合物とも言う)の具体例を以下に
示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】本発明に用いる造核促進剤としてのアミン
化合物としては、好ましくは下記一般式〔Na〕で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0073】
【化24】
【0074】一般式〔Na〕において、R11、R12、R
13は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、置換アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
置換アリール基を表し、該置換基としてはヒドロキシル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル
基、スルホ基、アルキル基、アリール基、複素環基、メ
ルカプト基、チオエーテル基、チオン基、チオウレア基
等が挙げられる。R11、R12、R13で環を形成すること
ができる。特に好ましくは脂肪族の3級アミン化合物で
ある。これらの化合物は分子中に耐拡散性基又はハロゲ
ン化銀吸着基を有するものが好ましい。耐拡散性を有す
るためには分子量100以上の化合物が好ましく、さら
に好ましくは分子量300以上である。又、好ましい吸
着基としては複素環、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、チオウレア基等が挙げられる。一般式〔N
a〕として特に好ましくは、分子中にハロゲン化銀吸着
基としてチオエーテル基を少なくとも一つ有する化合物
である。
【0075】以下にこれら造核促進剤〔Na〕の具体例
を挙げる。
【0076】
【化25】
【0077】
【化26】
【0078】
【化27】
【0079】
【化28】
【0080】
【化29】
【0081】本発明においては支持体上に少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、その上に少なく
とも2層の非感光性親水性コロイド層を有する。
【0082】本発明において、非感光性親水性コロイド
層は、親水性コロイドとして、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アル
ブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エ
ステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ナトリ
ウム、澱粉誘導体等の糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の親水性ポリマーを用いることができる。また、本発
明にかかる非感光性親水性コロイド層は、非感光性のハ
ロゲン化銀乳剤を有してもよい。
【0083】本発明の効果を顕著に発現させるための一
つの方法として、感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくと
も2層有することが好ましい。これらの乳剤層の感度は
同じでも異なっていてもよい。またこれらの乳剤層は互
いに隣接していてもよいし、それぞれの乳剤層の間に1
層以上の非感光性親水性コロイド層からなる中間層を有
してもよい。支持体上に互いに隣接した2層の感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層を有し、その上に2層の非感光性親水
性コロイド層を有するのがさらに好ましい。感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を2層以上有する場合は支持体に最も近
い乳剤層の感度が最も高いことが好ましい。
【0084】本発明にかかる黒白ハロゲン化銀写真感光
材料は、乳剤層側の最表面から支持体に最も近い感光性
ハロゲン化銀乳剤層の支持体から遠い方の表面までの乾
燥時の膜厚が2.5〜8μmであることが特徴である。
膜厚は、23℃、50%の温湿度条件に2時間置いた感
光材料をドライカットし、電子顕微鏡で観察することで
測定できる。
【0085】2.5μm未満の膜厚では本発明の効果は
得られず、8μmを超える膜厚では鮮鋭性が劣化し、印
刷製版用の黒白感光材料としては使用できないレベルに
なる。本発明においては、膜厚は好ましくは、2.5〜
5μmである。さらに好ましくは3〜5μmである。乳
剤層側の最外層の膜厚に対し、最表面から支持体に最も
近い感光性ハロゲン化銀乳剤層までの膜厚の比が2〜1
2倍であることが好ましい。4〜10倍であることがさ
らに好ましい。
【0086】本発明のハロゲン化銀乳剤層に用いられる
ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子のハロゲン組成
は、90モル%以上100モル%以下の塩化銀を含むハ
ロゲン化銀組成である。好ましくは90モル%以上の塩
化銀を含む塩臭化銀、90モル%以上の塩化銀を含む塩
沃臭化銀または塩化銀のハロゲン化銀組成からなるハロ
ゲン化銀乳剤が用いられる。
【0087】ハロゲン化銀の平均粒子サイズは0.6μ
m以下であることが好ましく、特に0.5〜0.05μ
mが好ましい。平均粒径とは、写真科学の分野の専門家
には常用されており、容易に理解される用語である。粒
径とは、粒子が球状又は球に近似できる粒子の場合には
粒子直径を意味する。粒子が立方体である場合には球に
換算し、その球の直径を粒径とする。平均粒径を求める
方法の詳細については、ミース,ジェームス:ザ・セオ
リー・オブ・ザ・フォトグラフィックプロセス(C.
E.Mees&T.H.James著:The the
ory of the photographic p
rocess),第3版,36〜43頁(1966年
(マクミラン「Mcmillan」社刊))を参照すれ
ばよい。
【0088】ハロゲン化銀粒子の形状には制限はなく、
平板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状その
他いずれの形状でもよい。又、粒子サイズ分布は狭い方
が好ましく、特に平均粒子サイズの±40%の粒子サイ
ズ域内に全粒子数の90%、望ましくは95%が入るよ
うな、いわゆる単分散乳剤が好ましい。
【0089】上記の平板状粒子のうち、塩化銀90モル
%以上を有する(100)面を主平面とする平板状粒子
を用いることができ、これらは米国特許第5,264,
337号、第5,314,798号、第5,320,9
58号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を
得ることができる。
【0090】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させ
る形式としては、片側混合法、同時混合法、それらの組
合せ等のいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の
下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用い
ることもできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲ
ン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、
即ちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることができ、この方法によると、結晶形が規則的で粒
子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0091】本発明において、ハロゲン化銀粒子は、VI
II族遷移金属及びレニウムから選ばれる金属を少なくと
も1種含有することが特徴である。VIII族遷移金属とし
ては、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム
等があげられるが、好ましくはルテニウムおよび/また
はオスミウムである。ハロゲン化銀1モルあたり10-9
モルから10-3モルの範囲で添加することが好ましい。
【0092】金属化合物を粒子中に添加するときには、
金属にハロゲン、カルボニル、ニトロシル、チオニトロ
シル、アミン、シアン、チオシアン、アンモニア、テル
ロシアン、セレノシアン、ジピリジル、トリピリジル、
フェナンスロリンあるいはこれらの化合物を組み合わせ
て配位させることができる。金属の酸化状態は、最大の
酸化レベルから最低の酸化レベルまで任意に選択するこ
とができる。好ましい配位子としては、特開平2−20
852号、同2−20853号、同2−20854号、
同2−20855号に記載されている6座配位子、アル
カリ錯塩としては一般的なナトリウム塩、カリウム塩、
セシウム塩あるいは第1、第2、第3級のアミン塩があ
る。またアコ錯体の形で遷移金属錯塩を形成することが
できる。これらの例として、例えば、K2〔RuC
6〕、(NH42〔RuCl6〕、K2〔Ru(NO)
Cl4(SCN)〕、K2〔RuCl5(H2O)〕等のよ
うに表すことができる。Ruの部分をRe、Rh、Os
及びIrに置き換えて表すことができる。
【0093】これらの金属はハロゲン化銀粒子形成から
塗布までの間の任意の時に添加できるが、好ましくはハ
ロゲン化銀粒子形成中、物理熟成時及び/または化学熟
成時である。更に好ましくは、ハロゲン化銀粒子形成中
に添加することが好ましい。添加位置としては粒子中に
均一に分布させる方法、コア・シェル構造にしてコア部
にあるいはシェル部に多く局在させる方法がある。
【0094】さらに、物理熟成時や化学熟成時に亜鉛、
鉛、タリウム、レニウム、パラジウム、プラチナ等の金
属塩等を共存させることもできる。
【0095】ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法につい
ては、詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(Res
earch Disclosure),176号,17
643,22〜23頁(1978年12月)に記載もし
くは引用された文献に記載されている。
【0096】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されることが
好ましい。化学増感の方法としては硫黄増感、セレン増
感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感法が知られて
おり、これらの何れをも単独で用いても又併用してもよ
い。硫黄増感剤としては、公知の硫黄増感剤が使用でき
るが、好ましい硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含ま
れる硫黄化合物の他、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫
酸塩,チオ尿素類,ローダニン類,ポリスルフィド化合
物等を用いることができる。セレン増感剤としては、公
知のセレン増感剤を用いることができる。例えば米国特
許1,623,499号、特開昭50−71325号、
特開昭60−150046号等に記載された化合物を好
ましく用いることができる。貴金属増感剤としては、金
化合物、白金化合物、パラジウム化合物等を好ましく用
いることができる。その中でも金化合物がより好まし
い。
【0097】これらの化学増感剤を併用する組み合わせ
は、例えば硫黄増感剤と貴金属増感剤の組み合わせ、セ
レン増感剤と貴金属増感剤との組み合わせ、還元増感剤
と貴金属増感剤との組み合わせ等がある。本発明におい
ては、少なくとも1種の金化合物を添加して増感するこ
とが好ましい。
【0098】これらの化学増感剤はハロゲン化銀乳剤の
調製の任意の時期に添加できるが、好ましくは、ハロゲ
ン化銀粒子形成後から塗布までの間に添加される。
【0099】これらの化学増感剤の添加量はそれぞれハ
ロゲン化銀1モルあたり10-9モルから10-3モルの範
囲で添加することが好ましい。
【0100】金化合物を用いる場合は、VIII族遷移金属
とレニウムから選ばれた金属の塩に対し、0.1〜1倍
モル添加することが好ましい。
【0101】本発明においては、感光性ハロゲン化銀乳
剤層の上の非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層
に平均粒径4〜10μmのマット剤を含有することが特
徴である。用いられるマット剤は、定形でも、不定形で
もよい。
【0102】本発明において用いられるマット剤として
は、公知のものをいずれも用いることができる。例えば
スイス特許330,158号に記載のシリカ、仏国特許
1,296,995号に記載のガラス粉、英国特許1,
173,181号に記載のアルカリ土類金属又はカドミ
ウム、亜鉛等の炭酸塩等の無機物粒子;米国特許2,3
22,037号に記載の澱粉、ベルギー特許625,4
51号或いは英国特許981,198号に記載された澱
粉誘導体、特公昭44−3643号に記載のポリビニル
アルコール、スイス特許330,158号に記載された
ポリスチレン或いはポリメチルメタアクリレート、米国
特許3,079,257号に記載のポリアクリロニトリ
ル、米国特許3,022,169号に記載のポリカーボ
ネートのような有機物粒子を含むことができる。
【0103】これらマット剤はそれぞれ単独で用いても
よく、併用してもよい。マット剤の形状は定形のマット
剤としては球形が好ましいが、他の形例えば平板状、立
方形であってもよい。マット剤の大きさはマット剤の体
積を球形に換算したときの直径で表される。本発明にお
いてマット粒径とはこの球形換算した直径の事を指すも
のとする。
【0104】またマット剤の基本的機能を果たすため、
マット剤の一部は表面に露出していることが望ましい。
また表面に露出しているマット剤は添加したマット剤の
一部でもよく、総てでも良い。マット剤は、あらかじめ
塗布液中に分散させて塗布する。
【0105】更には平均粒径4μm未満の定形および/
または不定形のマット剤を合わせて含有することもでき
る。
【0106】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤層側
の少なくとも一層中に固体微粒子状に分散された染料
(以下、染料の固体微粒子分散物ともいう。)を含有し
ていることが好ましい。固体分散微粒子化される染料と
しては、一般式〔I〕〜〔VI〕の化合物を用いるのが好
ましい。
【0107】
【化30】
【0108】式中、AおよびA′は同一でも異なってい
てもよく、それぞれ酸性核を表し、Bは塩基性核を表
し、Qはアリール基または複素環基を表し、Q′は複素
環基を表し、X4およびY1は同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ電子吸引性基を表し、L1、L2およびL3
はそれぞれメチン基を表す。m2は0または1を表し、
tは0、1または2を表し、p2は0または1を表す。
但し、一般式〔I〕〜〔VI〕で表される染料は、分子中
にカルボキシ基、スルホンアミド基およびスルファモイ
ル基から選ばれる基を少なくとも1つ有する。
【0109】一般式〔I〕、〔II〕および〔III〕のA
およびA′で表される酸性核としては、好ましくは5−
ピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ロ
ーダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾ
ロン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジ
ンジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリド
ン、ピラゾロピリドンが挙げられる。
【0110】一般式〔III〕および〔V〕のBで表され
る塩基性核としては、好ましくはピリジン、キノリン、
オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾー
ル、チアゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾー
ル、インドレニン、ピロール、インドールが挙げられ
る。
【0111】一般式〔I〕および〔IV〕のQで表される
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等
が挙げられる。また、一般式〔I〕、〔IV〕および〔V
I〕のQおよびQ′で表される複素環基としては、例え
ばピリジル基,キノリル基,イソキノリル基,ピロリル
基,ピラゾリル基,イミダゾリル基,インドリル基,フ
リル基,チエニル基等が挙げられる。該アリール基およ
び複素環基は、置換基を有するものを含み、該置換基と
して好ましいものは、炭素数1〜8のアルキル基(例え
ばメチル基,エチル基,t−ブチル基,オクチル基,2
−ヒドロキシエチル基,2−メトキシエチル基等)、ヒ
ドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、(例えばフッ素
原子,塩素原子等)、炭素数1から6のアルコキシ基
(例えばメトキシ基,エトキシ基,2−ヒドロキシエト
キシ基,メチレンジオキシ基,ブトキシ基等)、置換ア
ミノ基(例えばジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,
ジ(n−ブチル)アミノ基,N−エチル−N−ヒドロキ
シエチルアミノ基,N−エチル−N−メタンスルホンア
ミドエチルアミノ基,モルホリノ基,ピペリジノ基,ピ
ロリジノ基等)、カルボキシ基、スルホンアミド基(例
えばメタンスルホンアミド基,ベンゼンスルホンアミド
基等)、スルファモイル基(例えばスルファモイル基,
メチルスルファモイル基,フェニルスルファモイル基
等)であり、これら置換基を組み合わせても良い。
【0112】一般式〔IV〕および〔V〕のX4およびY1
で表される電子吸引性基は、同一でも異なっていてもよ
く、置換基定数Hammettのσp値(藤田稔夫編、
“化学の領域増刊122号薬物の構造活性相関”,96
〜103頁(1979)南江堂等に記載されている。)
が0.3以上の基が好ましく、例えばシアノ基、アルコ
キシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基,エト
キシカルボニル基,ブトキシカルボニル基,オクチルオ
キシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基
(例えばフェノキシカルボニル基,4−ヒドロキシフェ
ノキシカルボニル基)、カルバモイル基(例えばカルバ
モイル基,ジメチルカルバモイル基,フェニルカルバモ
イル基,4−カルボキシフェニルカルバモイル基等)、
アシル基(例えばメチルカルボニル基,エチルカルボニ
ル基,ブチルカルボニル基,フェニルカルボニル基,4
−エチルスルホンアミドカルボニル基等)、アルキルス
ルホニル基(例えばメチルスルホニル基,エチルスルホ
ニル基,ブチルスルホニル基,オクチルスルホニル基
等)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニ
ル基,4−クロロフェニルスルホニル基等)が挙げられ
る。
【0113】一般式〔I〕〜〔V〕のL1、L2およびL
3で表されるメチン基は、置換基を有するものを含み、
該置換基としては例えば炭素数1から6のアルキル基
(例えばメチル基,エチル基,ヘキシル基等)、アリー
ル基(例えばフェニル基,トリル基,4−ヒドロキシフ
ェニル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基,フェ
ネチル基等)、複素環基(例えばピリジル基,フリル
基,チエニル基等)、置換アミノ基(例えばジメチルア
ミノ基,ジエチルアミノ基,アニリノ基等)、アルキル
チオ基(例えばメチルチオ基等)が挙げられる。
【0114】本発明において、一般式〔I〕〜〔VI〕で
表される染料の中で、分子中にカルボキシル基を少なく
とも1つ有する染料が好ましく用いられ、更に好ましく
は一般式〔I〕で表される染料であり、特に好ましくは
一般式〔I〕においてQがフリル基である染料である。
【0115】好ましく用いられる染料の具体例を下記に
示すが、これらに限定されるものではない。
【0116】
【化31】
【0117】
【化32】
【0118】
【化33】
【0119】一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物の
その他の好ましい具体例としては例えば特願平5−27
7011号19〜30頁に記載のNo.I−1〜No.
I−30、II−1〜II−12、III−1〜III−8、IV−
1〜IV−9、V−1〜V−8、VI−1〜VI−5が挙げら
れるがこれらに限定されるものではない。
【0120】本発明に係わる染料の固体微粒子分散物を
製造する方法としては、特開昭52−92716号、同
55−155350号、同55−155351号、同6
3−197943号、同平3−182743号、世界特
許WO88/04794号等に記載された方法を用いる
ことができる。具体的には、ボールミル,遊星ミル,振
動ミル,サンドミル,ローラーミル,ジェットミル,デ
ィスクインペラーミル等の微分散機を用いて製造するこ
とができる。また、固体微粒子分散される化合物が、比
較的低pHで水不溶性であり比較的高pHで水可溶性で
ある場合、該化合物を弱アルカリ性水溶液に溶解した
後、pHを下げて弱酸性とする事によって微粒子状固体
を析出させる方法や該化合物の弱アルカリ性溶解液と酸
性水溶液を、pHを調整しながら同時に混合して微粒子
状固体を作製する方法によって該化合物の分散物を得る
ことができる。本発明の固体微粒子分散物は、単独で用
いてもよく、2種以上を混合して用いても良く、本発明
以外の固体微粒子分散物と混合して使用しても良い。2
種以上を混合して用いる場合には、それぞれ単独に分散
した後混合してもよく、また、同時に分散することもで
きる。
【0121】本発明に係わる染料の固体微粒子分散物
を、水系分散媒の存在下で製造する場合、分散中ないし
は分散後に、界面活性剤を共存させるのが好ましい。こ
のような界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤および両性
界面活性剤のいずれでも使用できるが、好ましくは、例
えばアルキルスルホン酸塩,アルキルベンゼンスルホン
酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,アルキル硫酸
エステル類,スルホコハク酸エステル類,スルホアルキ
ルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類,N
−アシル−N−アルキルタウリン類等のアニオン性界面
活性剤および例えばサポニン,アルキレンオキサイド誘
導体、糖のアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤
である。特に好ましくは、上記のアニオン界面活性剤で
ある。界面活性剤の具体例としては例えば特願平5−2
77011号46〜32頁に記載の1〜32の化合物が
挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0122】アニオン性活性剤および/またはノニオン
性活性剤の使用量は、活性剤の種類あるいは前記染料の
分散液条件等によって一様ではないが、通常、染料1g
あたり0.1mg〜2000mgでよく、好ましくは
0.5mg〜1000mgでよく、さらに好ましくは1
mg〜500mgでよい。染料の分散液での濃度として
は、0.01〜10重量%となるように使用され、好ま
しくは0.1〜5重量%である。界面活性剤の添加位置
は、染料の分散開始前に添加するのがよくまた、必要に
よっては分散終了後にさらに染料分散液に添加してもよ
い。これらアニオン性活性剤および/またはノニオン性
活性剤は、それぞれ単独で使用してもよく、またそれぞ
れ2種以上をくみあわせてもよく、さらに両者の活性剤
を組み合わせてもよい。
【0123】本発明に係わる染料の固体微粒子分散物
は、平均粒子径が0.01μm〜5μmとなるように分
散することが好ましく、さらに好ましくは0.01μm
〜1μmであり、特に好ましくは0.01μm〜0.5
μmである。また、粒子サイズ分布の変動係数として
は、50%以下であることが好ましく、さらに好ましく
は40%以下であり、特に好ましくは30%以下となる
固体微粒子分散物である。ここで、粒子サイズ分布の変
動係数は、下記の式で表される値である。
【0124】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明の固体微粒子分散物は、分散開始前または分散終
了後に、写真構成層のバインダーとして用いられる親水
性コロイドを添加することができる。親水性コロイドと
しては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そのほか
にも例えばフェニルカルバミル化ゼラチン,アシル化ゼ
ラチン,フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、ゼラチ
ンと重合可能なエチレン基を持つモノマーとのグラフト
ポリマー,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシメ
チルセルロース,セルロース硫酸エステル等のセルロー
ス誘導体、ポリビニルアルコール、部分酸化されたポリ
ビニルアセテート,ポリアクリルアミド,ポリ−N,N
−ジメチルアクリルアミド,ポリ−N−ビニルピロリド
ン,ポリメタクリル酸等の合成親水性ポリマー、寒天、
アラビアゴム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン等を
用いることができる。これらは、2種以上組み合わせて
使用してよい。本発明の固体微粒子分散物に添加する親
水性コロイドの添加量としては、重量百分率で0.1%
〜12%となるように添加するのが好ましく、さらに好
ましくは0.5%〜8%である。
【0125】本発明の固体微粒子分散物は、写真材料を
構成する層例えば感光性ハロゲン化銀乳剤層、乳剤層上
層、乳剤層下層、保護層、支持体下塗層、バッキング層
等の層に用いることが好ましい。特にハレーション防止
効果を高めるには、支持体と乳剤層の間の層、または乳
剤層とは反対側の構成層に添加されるのが好ましい。ま
た特にセーフライト性向上の効果を高めるには、乳剤層
の上側の層に添加されるのが好ましい。
【0126】染料の固体微粒子分散物の好ましい使用量
は、染料の種類、写真感光材料の特性等により一様では
ないが、写真感光材料1m2あたり1mg〜1gであ
り、さらに好ましくは5mg〜800mgであり、特に
好ましくは10mg〜500mgである。
【0127】感光材料の塗布乾燥は通常ゼラチンのごと
き親水性コロイドをバインダーとする組成物よりなる塗
布液を支持体に塗布した後、一般に−10〜15℃の乾
球温度を有する低温空気中で冷却凝固せしめ、次いで温
度を高めて塗布層における水分を蒸発除去せしめるので
ある。このときゼラチンと水分の重量比は塗布直後は2
000%前後が普通である。
【0128】感光材料の塗布乾燥は通常ゼラチンのごと
き親水性コロイドをバインダーとする組成物よりなる塗
布液を支持体に塗布した後、一般に−10〜15℃の乾
球温度を有する低温空気中で冷却凝固せしめるが、この
ときマット剤の沈み込みを少なくするためにハロゲン化
銀乳剤層上部に少なくとも2層の親水性コロイド層を設
け、最上層に隣接する下層の親水性コロイド層のゼラチ
ン濃度は3.0%以上で、マット剤を含有する最上層親
水性コロイド層よりゼラチン濃度が0.5%以上、さら
には1.0%以上の差があることが好ましい。また、ハ
ロゲン化銀乳剤層を含む側の水とバインダーの重量比が
200%以上における塗布表面湿球温度が20℃以下で
あることが好ましい。さらに好ましくは4〜19℃であ
る。
【0129】また乳剤層に含有される銀重量/ゼラチン
重量の比が最も大きい層にヒドラジン誘導体を少なくと
も1種含有することが好ましい。この銀重量/ゼラチン
重量の比が最も大きい層の銀重量がゼラチン重量の1.
5〜10倍であることが好ましい。さらにこの銀重量/
ゼラチン重量の比が最も大きい層が最も支持体に近い乳
剤層であることが好ましい。
【0130】本発明の感光材料には、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含
有させることができる。即ちアゾール類、例えばベンゾ
チアゾリウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズ
イミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモ
ベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メル
カプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾ
ール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾ
ール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾ
ール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール)等;メルカプトピリミ
ジン類、メルカプトトリアジン類;例えばオキサゾリン
チオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例え
ばトリアザインデン類、テトラザインデン類(特に4−
ヒドロキシ置換−1,3,3a,7−テトラザインデン
類)、ペンタザインデン類等;ベンゼンチオスルホン
酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド
等のようなカブリ防止剤又は安定剤として知られた多く
の化合物を加えることができる。
【0131】本発明の写真乳剤の結合剤又は保護コロイ
ドとしてはゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以
外の親水性コロイドも用いることができる。例えばゼラ
チン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ー,アルブミン,カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチ
ルセルロース,カルボキシメチルセルロース,セルロー
ス硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン
酸ナトリウム,澱粉誘導体等の糖誘導体;ポリビニルア
ルコール,ポリビニルアルコール部分アセタール,ポリ
−N−ビニルピロリドン,ポリアクリル酸,ポリメタク
リル酸,ポリアクリルアミド,ポリビニルイミダゾー
ル,ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の
如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができ
る。
【0132】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、
酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、
ゼラチン酵素分解物も用いることができる。
【0133】迅速処理を行うための一つの手段として
は、ゼラチンの添加量を、乳剤側の層の合計量として1
2あたり0.5〜2.7g、乳剤のある反対側の層の
合計量として1m2あたり0.5〜2.9gであること
が好ましい。
【0134】本発明の写真乳剤には、寸度安定性の改良
等の目的で水不溶又は難溶性合成ポリマーの分散物を含
むことができる。例えばアルキル(メタ)アクリレー
ト、アルコキシアクリル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリ
ル、オレフィン、スチレン等の単独もしくは組合せ、又
はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和
ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンス
ルホン酸等の組合せを単量体成分とするポリマーを用い
ることができる。
【0135】少なくとも一層の構成層中に親水性ポリマ
ーを含有することが好ましい。好ましい親水性ポリマー
としては、でんぷん、葡萄糖、デキストリン、デキスト
ラン、シクロデキストリン、蔗糖、麦芽糖、キサンタン
ガム、カラギーナン等が挙げられる。親水性ポリマーの
分子量は600から100万まで適宜選択する事ができ
る。処理に際して迅速に処理液に溶出するためには分子
量が低い程よいが、低すぎるとフィルムの膜強度を劣化
させるので400以上は必要である。親水性ポリマーを
使用するとフィルム擦り傷耐性が劣化するため、無機の
コロイダルシリカ、コロイダル錫、コロイダル亜鉛、コ
ロイダルチタン、コロイダルイットリウム、コロイダル
プラセオジウム、ネオジム、ゼオライト、アパタイト等
を添加することが好ましい。ゼオライトとしては、アナ
ルサイト、エリオナイト、モルデナイト、シャバサイ
ト、グメリナイト、レビナイトが、また合成ゼオライト
として、ゼオライトA,X,Y,L等が挙げられる。ア
パタイトとしてはヒドロキシアパタイト、フッソアパタ
イト、塩素アパタイト等が挙げられる。好ましい添加量
は、親水性バインダー当たり重量で1%から200%の
割合で添加することができる。上記無機化合物は、シラ
ンカップリング剤で処理する事により乳剤中に添加して
も凝集しにくく、塗布液を安定にすることが出来る。ま
た、無機化合物によるひび割れを防止することができ
る。シランカップリング剤として、トリエトキシシラノ
ビニル、トリメトキシシラノビニル、トリメトキシプロ
ピルメタアクリレート、トリメトキシシラノプロピルグ
リシジル、1−メルカプト−3−トリエトキシシラノプ
ロパン、1−アミノ−3−トリエトキシシラノプロパ
ン、トリエトキシシラノフェニル、トリエトキシメチル
シラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、上記
無機化合物と一緒に高温処理することにより、単純混合
よりも特性を向上させることができる。混合比は1:1
00から100:1の範囲で選択するのがよい。
【0136】ハロゲン化銀写真乳剤層の反対側に少なく
とも一層の親水性コロイド層を有し、その外側に少なく
とも一層の疎水性ポリマー層を有することが好ましい。
ここでは、ハロゲン化銀写真乳剤層の反対側の親水性コ
ロイド層とは、いわゆるバック層を含む。本発明におい
ては、バック層の外側に少なくとも一層の疎水性ポリマ
ー層を有する構成が好ましい。本発明における、疎水性
ポリマー層とは疎水性ポリマーをバインダーとする層で
ある。ポリマー層のバインダーの具体例として、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ
酢酸ビニル、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、テトラフルオロエチレ
ン,ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ブタジエ
ンゴム,クロロプレンゴム,天然ゴム等のゴム類、ポリ
メチルメタクリレート,ポリエチルアクリレート等のア
クリル酸又はメタクリル酸のエステル、ポリエチレンフ
タレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6,ナイロン
66等のポリアミド樹脂、セルローストリアセテート等
のセルロース樹脂、シリコーン樹脂等の水不溶性ポリマ
ー、又はこれらの誘導体を挙げることができる。更にポ
リマー層のバインダーとして、1種類のモノマーから成
るホモポリマーでも、2種類以上のモノマーから成るコ
ポリマーでも良い。特に好ましいバインダーとしては、
アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートとア
クリル酸又はメタクリル酸のコポリマー(アクリル酸又
はメタクリル酸は5モル%以下が好ましい)、スチレン
−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエン−アク
リル酸コポリマー(アクリル酸は5モル%以下が好まし
い)、スチレン−ブタジエン−ジビニルベンゼン−メタ
クリル酸コポリマー(メタクリル酸は5モル%以下が好
ましい)、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸コポリマ
ー(アクリル酸は5モル%以下)、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル−メチルメタクリレート−エチルアクリ
レート−アクリル酸コポリマー(アクリル酸5モル%以
下)、エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート
−アクリル酸コポリマー等である。これらは1種類を単
独で用いてもよいし2種以上を併用して用いてもよい。
【0137】本発明において疎水性ポリマー層には、必
要に応じてマット剤、界面活性剤、染料、すべり剤、架
橋剤、増粘剤、UV吸収剤、コロイダルシリカ等の無機
微粒子等の写真用添加剤を添加してもよい。これらの添
加剤についてもリサーチ・ディスクロージャー誌176
巻17646項(1978年12月)の記載等を参考に
することができる。
【0138】本発明において疎水性ポリマー層は1層で
あっても2層以上であっても良い。本発明のポリマー層
の厚みには特に制限はない。しかし疎水性ポリマー層の
厚みが小さ過ぎる場合、疎水性ポリマー層の耐水性が不
充分となり、バック層が処理液に膨潤する様になってし
まい不適切である。逆に疎水性ポリマー層の厚みが大き
過ぎる場合、ポリマー層の水蒸気透過性が不充分とな
り、バック層の親水性コロイド層の吸脱湿が阻害されて
カールが不良となってしまう。勿論疎水性ポリマー層の
厚みは用いるバインダーの物性値にも依存する。従って
ポリマー層厚みは、この両者を考慮して決定する必要が
ある。疎水性ポリマー層の好ましい厚みは、疎水性ポリ
マー層のバインダー種にもよるが、0.05〜10μ
m、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。なお
本発明における疎水性ポリマー層が2層以上から成る場
合には、すべての疎水性ポリマー層の厚みの和を本発明
におけるハロゲン化銀写真感光材料の疎水性ポリマー層
の厚みとする。
【0139】本発明において疎水性ポリマー層を塗設す
る方法に特に制限はない。バック層を塗布乾燥した後
に、バック層上にポリマー層を塗布しその後乾燥しても
良いし、バック層と疎水性ポリマー層を同時に塗布し、
その後乾燥してもよい。疎水性ポリマー層はポリマー層
のバインダーの溶媒に溶解して溶剤系で塗布しても良い
し、バインダーのポリマーの水分散物を用いて、水系で
塗布してもよい。
【0140】本発明の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の
乳剤層の反対側の面には、少なくとも1層の帯電防止層
を有することが好ましい。これらは支持体上に接着層/
帯電防止層/親水性コロイドを含有するバック層/疎水
性ポリマー層を設けることが好ましい。更にその上に保
護層を設けてもよい。接着層としてはコロナ放電した支
持体上に塩化ビニリデン共重合体やスチレン−グリシジ
ルアクリレート共重合体を0.1〜1μの厚さで塗布し
た後、インジウムやリンをドープした平均粒子径0.0
1μ〜1μの酸化錫、5酸化バナジウムの微粒子を含む
ゼラチン層で塗布して得ることができる。また、スチレ
ンスルホン酸とマレイン酸共重合体をエポキシ類やアジ
リジン類やカルボニル活性型の架橋剤で造膜して設ける
ことができる。これら帯電防止層の上に染料バック層を
設けることができる。これらの帯電防止層は、特開平8
−15811号〔0046〕から〔0048〕に記載さ
れている方法が好ましく用いられる。
【0141】これらの層中には、コロイダルシリカ等の
寸法安定のための無機充填物や接着防止のシリカやメタ
クリル酸メチルマット剤、搬送性の制御のためのシリコ
ン系滑り剤あるいは剥離剤等を含有させることができ
る。バック層にはバッキング染料を含有してもよく、バ
ッキング染料としては、ベンジリデン染料やオキソノー
ル染料が使用される。これらアルカリ可溶性あるいは分
解性染料を微粒子にして固定しておくこともできる。ハ
レーション防止のための濃度としては、各感光性波長で
0.1〜2.0までの濃度であることが好ましい。
【0142】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コ
ロイド層には無機又は有機の硬膜剤を、ゼラチン等の親
水性コロイドの架橋剤として添加される。例えばクロム
塩(クロム明礬、酢酸クロム等)、アルデヒド類(ホル
ムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド
等)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントイン等)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサン等)、活性ビニル化
合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエー
テル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホ
ニル)プロピオンアミド〕等)、活性ハロゲン化合物
(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
等)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、フェノキシム
コクロル酸等)イソオキサゾール類、ジアルデヒド澱
粉、2−クロロ−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチ
ン、カルボキシル基活性化型硬膜剤等を、単独又は組み
合わせて用いることができる。これらの硬膜剤はリサー
チ・ディスクロージャー(Research Disc
losure)176巻17643(1978年12月
発行)第26頁のA〜C項に記載されている。その中で
も好ましくは、カルボキシル基活性型硬膜剤であり、特
開平5−289219号3頁〜5頁に記載の一般式
(1)〜(7)で表される化合物が好ましくそれらの具
体例としては例えば同公報6頁〜14頁に記載のH−1
〜H−39が挙げられる。
【0143】本発明の感光材料には、その他の種々の添
加剤が用いられる。例えば、減感剤、可塑剤、滑り剤、
現像促進剤、オイル等が挙げられる。
【0144】本発明に用いられる支持体は、透過性、非
透過性どちらのものでもよいが、本発明の目的には、好
ましくは透過性のプラスチック支持体がよい。プラスチ
ック支持体には、ポリエチレン化合物(例えばポリエチ
レンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等)、
トリアセテート化合物(例えばトリアセテートセルロー
ス等)、ポリスチレン化合物等からなる支持体が用いら
れる。その中でも、本発明の効果を著しく発現させるた
めには、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体あるいはそれを含む組成物からなる延伸フィルムか
らなる支持体(以下、SPSと略す)が特に好ましい。
SPSとは、その構成単位が、シンジオタクチックな立
体規則性をもつSPS単位から構成されているホモポリ
マーを指すが、少量例えば20モル%以下、好ましくは
10モル%以下、更に好ましくは5モル%以下の第2成
分によって改質されたSPSも含まれる。第2成分とし
ては、例えばエチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン
等のオレフィンモノマー、ブタジエン,イソプレン等の
ジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエン
モノマーや、メタクリル酸メチル,無水マレイン酸,ア
クリロニトリル等の極性ビニルモノマー等を含むものが
挙げられる。一般に有機金属触媒を使用してスチレンま
たはその誘導体から適当な反応条件のもとに重合せしめ
ることによって製造される。シジオタクチックポリスチ
レンとは、ラッセミダイアッドでその75%以上、好ま
しくは80%以上、またはラセミペンタッドで30%以
上、好ましくは50%以上の立体規則性を有するもので
ある。その場合、第2成分として一般のプラスチック可
塑剤を曲げ弾性率を劣化させない範囲で添加することが
できるし、このようなことは適切な曲げ弾性率を得るた
めに行われる。
【0145】SPSはスチレンまたはその誘導体をチタ
ン化合物およびトリアルキルアルミニウムの縮合生成物
の触媒の存在下で適当な反応温度で重合させることで合
成できる。これらは、特開昭62−187708号、特
開平1−46912号、同1−178505号に記載さ
れた方法を参考にすることができる。SPSの重合度は
特に制限はないが、1万以上、500万以下のものが好
ましく使用できる。SPSの曲げ弾性率を高くするに
は、最適な延伸条件を選択する必要がある。未延伸フィ
ルムのガラス転移点より30℃±25℃の点、即ち、1
20℃±25℃で先ず縦に3.3±0.3倍に延伸す
る。次に同じ温度条件で3.6±0.6倍に横に延伸す
る。延伸後の熱処理は230±18℃で行う。熱処理は
1段だけでなく2段で熱処理すると良い結果が得られ
る。かくして曲げ弾性率が350kg/mm2以上のS
PSフィルムが製造される。
【0146】このような曲げ弾性率の高いフィルムは、
写真層をそのまま塗設して強固に接着させることは難し
い。その方法について多くの特許や文献があることは、
特開平3−54551号に頁3から4に記載してあるの
で参考にすることができる。
【0147】例えば、表面処理に関しては、コロナ放電
処理することや更に下塗層を塗設することが述べられて
いる。下塗り層として、塩化ビニリデン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等のモノ
マーのポリマーが挙げられる。
【0148】支持体の厚みとしては好ましくは50〜2
50μm、特に好ましくは70〜200μmである。
【0149】更に支持体の巻き癖、カールを向上させる
には製膜後熱処理をすることが好ましい。最も好ましい
のは製膜後乳剤塗布後の間であるが、乳剤塗布後であっ
てもよい。熱処理の条件は45℃以上ガラス転移温度以
下で1秒から10日の間が好ましい。生産性の点から1
時間以内にすることが好ましい。
【0150】本発明においては、下記に記載された化合
物をハロゲン化銀写真感光材料の構成層中に含有させる
ことが好ましい。
【0151】(1)酸基を有する化合物 特開昭62−237445号公報292(8)頁左下欄
11行目〜309(25)頁右下欄3行目 記載の化合
物 (2)酸性ポリマー 特開平6−186659号公報(10)頁〔0036〕
〜(17)頁〔0062〕記載の化合物 (3)増感色素 特開平5−224330号公報(3)頁〔0017〕〜
(13)頁〔0040〕記載の化合物 特開平6−194771号公報(11)頁〔0042〕
〜(22)頁〔0094〕記載の化合物 特開平6−242533号公報(2)頁〔0015〕〜
(8)頁〔0034〕記載の化合物 特開平6−337492号公報(3)頁〔0012〕〜
(34)頁〔0056〕記載の化合物 特開平6−337494号公報(4)頁〔0013〕〜
(14)頁〔0039〕記載の化合物 (4)強色増感剤 特開平6−347938号公報(3)頁〔0011〕〜
(16)頁〔0066〕記載の化合物 (5)テトラゾリウム化合物 特開平6−208188号公報(8)頁〔0059〕〜
(10)頁〔0067〕記載の化合物 (6)ピリジニウム化合物 特開平7−110556号公報(5)頁〔0028〕〜
(29)頁〔0068〕記載の化合物 (7)レドックス化合物 特開平4−245243号公報235(7)頁〜250
(22)頁記載の化合物 前述の添加剤およびその他の公知の添加剤については、
例えばリサーチ・ディスクロージャーNo.17643
(1978年12月)、同No.18716(1979
年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類
と記載箇所を次表に掲載した。
【0152】
【表1】
【0153】本発明に使用する各種写真添加剤は、水溶
液や有機溶媒に溶かして使用してもよいが、水に難溶性
の場合、微粒子結晶状態にして水、ゼラチン、親水性あ
るいは疎水性ポリマー中に分散させて使用することがで
きる。本発明の染料、色素、減感色素、ヒドラジン、レ
ドックス化合物、カブリ抑制剤、紫外線吸収剤等を分散
するには、公知の分散機で分散できる。具体的には、ボ
ールミル、サンドミル、コロイドミル、超音波分散機、
高速インペラー分散機が挙げられる。本発明において分
散されたこれらの写真添加剤は、100μ以下の平均粒
子サイズを有する微粒子であるが、通常0.02〜10
μの平均微粒子径で使用される。
【0154】分散方法として機械的に高速撹拌する方法
(特開昭58−105141号)、有機溶媒で加熱溶解
してこれを前記した表面活性剤や消泡剤の入ったゼラチ
ン、親水性ポリマーの水溶液中に添加しながら分散して
有機溶媒を除いていく方法(特開昭44−22948
号)、クエン酸,酢酸,硫酸,塩酸,リンゴ酸等の酸に
溶かしたものをpH4.5から7.5のポリマー中に結
晶析出分散する方法(特開昭50−80119号)、水
酸化ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム
等のアルカリに溶かしてpH4.5から7.5のゼラチ
ン等のポリマーに結晶析出分散する方法(特開平2−1
5252号)等を適用することができる。例えば、水に
溶けにくいヒドラジンは特開平2−3033号を参考に
して溶かすことができ、この方法を他の添加剤に適用す
ることができる。また、カルボキシル基を有する染料や
増感色素、抑制剤等はカルボキシル基のキレート能力を
活かして微粒子結晶の固定化率を上げることができる。
即ち、カルシウムイオンやマグネシムイオン等を200
から4000ppm親水性コロイド層中に添加すること
により難溶性の塩にすることが好ましい。難溶性の塩を
形成することができれば他の塩を使用することを限定す
るものではない。写真添加剤の微粒子分散方法は、増感
剤、染料、抑制剤、促進剤、硬調化剤、硬調化助剤等に
適用することはその化学的物理的性質に合わせて任意に
できる。
【0155】本発明の2層から10層の複数の構成層を
1分当たり30から1000メートルの高速で同時塗布
するには米国特許第3,636,374号,同3,50
8,947号記載の公知のスライドホッパー式、あるい
はカーテン塗布を使用することができる。塗布時のムラ
を少なくするには、塗布液の表面張力を下げることや、
剪断力により粘度が低下するチキソトロピック性を付与
できる前記親水性ポリマーを使用することが好ましい。
【0156】本発明の写真要素からなる写真感光材料を
包装する方法として公知の方法を使用する。
【0157】ハロゲン化銀写真感光材料は熱、湿度に弱
いので過酷な条件で保存することは避けるのが好まし
い。一般的には、5℃から30℃に保存するのが良い。
湿度は相対湿度で35%から60%の間にするのがよ
い。湿度から守るために1〜2000μのポリエチレン
に包装することが一般に行われている。ポリエチレン
は、メタロセン触媒を使用することにより結晶の規則性
を向上させることにより水分の透過を抑制させることが
できる。また、ポリエチレンの表面を0.1〜1000
μの厚さでシリカ蒸着被覆することにより水分透過を抑
制することができる。
【0158】本発明においては、固体処理剤から調製さ
れた現像補充液を用いて処理されることが好ましい。
【0159】本発明でいう固体処理剤とは、粉末処理剤
や錠剤、丸薬、顆粒の如き固体処理剤等であり、必要に
応じ防湿加工を施したものである。ペーストやスラリー
状は半液状で保存安定性に劣り、又輸送上の危険をとも
ない規制を受けるような形状のものを除くものであり、
これらは本発明の固体処理剤には含まれない。
【0160】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のこ
とをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定
の形状に圧縮成型したもののことを言う。
【0161】上記固体処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高くしかも取扱い性が簡単であることから好
ましく用いられる。
【0162】写真処理剤を固体化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる(特開平4−29136号、同4−8
5535号、同4−85536号、同4−85533
号、同4−85534号、同4−172361号参
照)。
【0163】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0164】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μm
のものを用いることが好ましく、より好ましくは200
〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の6
0%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが
好ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公
知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロー
タリー式打錠機、プリケッティングマシンを用いること
が出来る。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の
形状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観
点から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題
からは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0165】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによ
って更に上記効果が顕著になる。
【0166】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51−61837号、同54−155038号、同52
−88025号、英国特許1,213,808号等の明
細書に記載される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処
理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−1
09043号、同3−39735号及び同3−3973
9号等の明細書に記載される一般的な方法で製造でき
る。更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−13
3332号、英国特許725,892号、同729,8
62号及びドイツ特許3,733,861号等の明細書
に記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0167】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g
/cm3より大きいと得られる固体物の強度の点で、
2.5g/cm3より小さいと得られる固体物の溶解性
の点でより好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である
場合嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが好
ましい。
【0168】本発明に用いられる固体処理剤は、少なく
とも現像剤及び定着剤に用いられるが、その他のリンス
剤等のその他の写真用処理剤に用いることができる。ま
た液体危険物の規制を除外できるのは現像剤、定着剤で
ある。
【0169】本発明の実施態様からすれば全処理剤が固
体処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も現像剤を固体化することが好ましい。すなわち現像剤
成分には相互に化学的反応を起こす成分が多数含まれ、
又有害成分も含まれていることから本発明の効果が最も
顕著に表われる。更に好ましくは現像剤以外に定着剤が
固体処理剤化されていることである。これらは従来から
液体分包キットで輸送上の危険が問題視されているもの
である。
【0170】本発明に用いられる固体処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されている
ことである。
【0171】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固体処理剤の好ましい実施態様である。又
2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら複数
の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0172】本発明の固体処理剤の包装体としては、ポ
リエチレン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプ
ロピレン(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ビニロン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、その他のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニ
トリルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂
(特開昭63−63037号に記載のポリマー、特開昭
57−32952号記載のポリマー)のような合成樹脂
素材や、パルプが挙げられる。
【0173】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るのが好ましいが、フィルムに他の素材を塗布してもよ
く、また単一層のものを用いてもよい。
【0174】さらには、例えば上記の合成樹脂フィルム
の間にアルミ箔またはアルミ蒸着合成樹脂を使用する
等、各種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0175】また、固体処理剤の保存性やステイン発生
防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml
/m224hr・atm以下(20℃65%RHで)、
より好ましくは30ml/m224hr・atm以下で
あることが好ましい。
【0176】これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計
は、1〜3000μm、より好ましくは10〜2000
μm、さらに好ましくは50〜1000μmであること
が好ましい。
【0177】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)
樹脂膜であってもよい。
【0178】処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包
装または結着ないしは被覆する場合、水溶性フィルムな
いし結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロ
ース系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリ
ビニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース
系、プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、
ポリ酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カ
ルボキシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロ
キシエチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキ
ル)オキサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材
からなるフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、こ
れらの中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラ
ン系のものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ま
しく用いられる。
【0179】上記水溶性フィルムの膜厚は固体処理剤の
保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機
内での結晶析出の点で10〜120μのものが好ましく
用いられ、特に15〜80μのものが好ましく、とりわ
け特に20〜60μのものが好ましく用いられる。
【0180】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏
するためである。
【0181】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.
5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に
1×106〜25×106kg/m2が好ましく、とり
わけ特に1.5×106〜10×106kg/m2が好
ましい。これら引張り強度はJIS Z−1521に記
載される方法で計測される。
【0182】また水溶性フィルムないし結着剤で包装又
は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び
取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の
湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接
触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていること
が好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜15
0μのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのよう
なポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を
持ち得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラ
シン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、
アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金
属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つであ
ることが好ましく、また、これらを用いた複合材料であ
ってもよい。
【0183】又、本発明の実施においては、防湿包装材
が、分解性プラスチック、特に生分解性又は光分解性プ
ラスチックのものを用いることも好ましい。
【0184】前記生分解性プラスチックは、天然高分子
からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性のよい合
成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の配
合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で励
起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙
げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と
生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使
用できる。
【0185】これらの具体的代表例をそれぞれ挙げる
と、以下のようになる。
【0186】生分解性プラスチックとしては、 天然高分子 多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポ
リアミノ酸、或いはその修飾体等 微生物産出ポリマー PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒド
ロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Bio
pol」、微生物産出セルロース等 生分解性のよい合成ポリマー ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、或いは
それらの共重合物ないし混合物 プラスチックへの生分解性天然高分子の配合 生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロ
ースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与した
もの 光分解性プラスチックとしては、 光崩壊性のためのカルボニル基の導入等 更に崩壊促進のために紫外線吸収剤が添加されることも
ある。
【0187】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁
(1990年)、「機能材料」1990年7月号第23
〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。ま
た、Biopol(バイオポール)(ICI社製)、E
co(エコ)(Union Carbide社製)、E
colite(エコライト)(Eco Plastic
社製)、Ecostar(エコスター)(St.Law
rence Starch社製)等の市販されている分
解性プラスチックを使用することができる。
【0188】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m224hr以下のものであり、よ
り好ましくは5g・mm/m224hr以下のものであ
る。
【0189】本発明による黒白ハロゲン化銀写真感光材
料は、現像液及び/または現像補充液の少なくとも1種
がアスコルビン酸またはその誘導体を含むことが好まし
い。アスコルビン酸またはその誘導体としては、下記一
般式(A)で表される化合物が好ましい。
【0190】
【化34】
【0191】式中、R1およびR2は各々独立に置換また
は非置換のアルキル基、置換または非置換のアミノ基、
置換または非置換のアルキルチオ基を表し、R1とR2
互いに結合して環を形成してもよい。kは0または1を
表し、kが1のときXは−CO−基または−CS−基を
表す。M1およびM2は各々水素原子またはアルカリ金属
原子を表す。
【0192】上記一般式(A)で示される化合物におい
て、R1とR2が互いに結合して環を形成した下記一般式
(A−a)で示される化合物が好ましい。
【0193】
【化35】
【0194】一般式(A−a)において、R3は水素原
子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換
のアリール基、置換または無置換のアミノ基、置換また
は非置換のアルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基、
アミド基、スルホンアミド基を表し、Y1はOまたはS
を表し、Y2はO、SまたはNR4を表す。R4は置換ま
たは無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール
基を表す。M1、M2は各々、水素原子またはアルカリ金
属原子を表す。
【0195】上記アルキル基の置換基の例としては、ハ
ロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、
炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフ
チル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル基、キノリジニル基、N,N′−ジエ
チルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭素数1〜2
0のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基
等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェ
ノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキシ基
(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のアルキ
ニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複素環
オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜26
のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプチル
アミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基(アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基等)等があげられる。
【0196】上記アミノ基の置換基の例としては、ハロ
ゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、炭
素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチ
ル基等)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、イソプロ
ピル基、ドデシル基等)、複素環基(例えば2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル基、
N,N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基
等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ
基、エトキシ基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ
基(例えばフェノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケ
ニルオキシ基(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜
20のアルキニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基
等)、複素環オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭
素数1〜20のアシル基(例えばアセチル基、ヘプチル
基、プロピオニル基等)等があげられる。
【0197】上記アルキルチオ基の置換基の例として
は、ハロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシ
ル基、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル
基、ナフチル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル基、N,
N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭
素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例え
ばフェノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキ
シ基(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のア
ルキニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複
素環オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜
26のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基
(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基等)等があげられる。
【0198】上記アリール基の置換基の例としては、ハ
ロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、
炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、ブチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基、ド
デシル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジル基、キノリジニル基、N,N′−ジ
エチルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭素数1〜
20のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基
等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェ
ノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキシ基
(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のアルキ
ニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複素環
オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜26
のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプチル
アミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基(アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基等)等があげられる。
【0199】上記アルコキシ基の置換基の例としては、
ハロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル
基、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、
ナフチル基等)、炭素数1〜20のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、イ
ソプロピル基、ドデシル基等)、複素環基(例えば2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル
基、N,N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基
等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェ
ノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキシ基
(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のアルキ
ニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複素環
オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜26
のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプチル
アミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基(アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基等)等があげられる。
【0200】上記スルホ基、カルボキシル基、アミド
基、スルホンアミド基の置換基の例としては、ハロゲン
原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、アルカ
リ金属基(例えばナトリウム、カリウム等)、炭素数6
〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基
等)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル
基、ドデシル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル基、N,
N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭
素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例え
ばフェノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキ
シ基(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のア
ルキニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複
素環オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜
26のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基
(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基等)等があげられる。
【0201】次に前記一般式(A)または一般式(A−
a)で表される化合物例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0202】一般式(A)
【0203】
【化36】
【0204】
【化37】
【0205】一般式(A−a)
【0206】
【化38】
【0207】
【化39】
【0208】
【化40】
【0209】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸或いはエリソルビン酸又はそれらから誘導される誘
導体であり、市販品として入手できるか或いは容易に公
知の合成法により合成することができる。
【0210】本発明において、アスコルビン酸またはそ
の誘導体は、現像補充剤、定着補充剤、安定化補充剤等
のいずれの処理剤に添加されても良いが、好ましくは現
像補充剤に含有される。
【0211】本発明においては、現像液及び/または現
像補充剤には、現像主薬(ハイドロキノン、クロロハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノスルホン酸カリウム等のジヒドロキシベンゼン類、1
−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニ
ル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等
の3−ピラゾリドン類、N−メチル−p−アミノフェノ
ール等のアミノフェノール類等あるいはこれらの混合
物)、アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等)及びpH緩衝剤(例えば炭酸塩、燐酸塩、硼酸塩、
硼酸、酢酸、枸櫞酸、アルカノールアミン等)が添加さ
れることが好ましい。pH緩衝剤としては、炭酸塩が好
ましく、その添加量は1リットル当たり0.5モル以上
2.5モル以下が好ましく、更に好ましくは、0.75
モル以上1.5モル以下の範囲である。また、必要によ
り溶解助剤(例えばポリエチレングリコール類、それら
のエステル、アルカノールアミン等)、増感剤、界面活
性剤、カブリ防止剤(例えば臭化カリウム、臭化ナトリ
ウムの如きハロゲン化物、ニトロベンズインダゾール、
ニトロベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベン
ゾチアゾール、テトラゾール類、チアゾール類等)、キ
レート化剤(例えばエチレンジアミン四酢酸又はそのア
ルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、現
像促進剤(例えば米国特許2,304,025号、特公
昭47−45541号に記載の化合物等)、硬膜剤(例
えばグルタルアルデヒド又は、その重亜硫酸塩付加物
等)、あるいは消泡剤等を添加することができる。
【0212】本発明においては、現像液及び/または現
像補充剤に銀スラッジ防止剤が含有されることが好まし
い。銀スラッジ防止剤としては様々なものが知られてい
るが、好ましくは下記一般式(S)であらわされる化合
物が含有されることが好ましい。
【0213】一般式(S) Z1−SM1 式中、Z1は、アルキル基、芳香族基又は複素環基であ
って、ヒドロキシル基、−SO32基、−COOM2
(M2は水素原子、アルカリ金属原子又は置換もしくは
無置換のアンモニウムイオンを表す)、置換もしくは無
置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアンモニオ基か
らなる群から選ばれる少なくとも一つ又は、この群より
選ばれる少なくとも一つを有する置換基によって置換さ
れたものを表す。M1は水素原子、アルカリ金属原子又
は置換もしくは無置換のアミジノ基(ハロゲン化水素酸
又はスルホン酸と塩を形成していてもよい)を表す。
【0214】Z1で表されるアルキル基は、好ましくは
炭素数1〜30、特に炭素数2〜20の直鎖、分岐又は
環状のアルキル基であり、上記の置換基の他に置換基を
有してもよい。Z1で表される芳香族基は、好ましくは
炭素数6〜32の単環又は縮合環のものであり、上記の
置換基の他に置換基を有してもよい。Z1で表される複
素環基は、好ましくは炭素数1〜32の単環又は縮合環
であり、窒素、酸素、硫黄の中から独立に選ばれるヘテ
ロ原子を一つの環中に1〜6個有する5又は6員環であ
り、上記の他に置換基を有してもよい。ただし、複素環
基基がテトラゾールの場合、置換基として置換又は無置
換のナフチル基を有することはない。
【0215】上記アンモニオ基としては好ましくは炭素
数20以下であり、置換基としては、置換もしくは無置
換の直鎖、分岐又は環状のアルキル基(メチル、エチ
ル、ベンジル、エトキシプロピル、シクロヘキシル基
等)、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基を表
す。
【0216】一般式(S)で表される化合物の内、好ま
しくはZ1が2個以上の窒素原子を有する複素環基であ
る化合物である。
【0217】更に一般式(S)で表される化合物のう
ち、更に好ましいものは下記一般式(S−a)で表され
る化合物である。
【0218】
【化41】
【0219】式中、Zは窒素原子を有する不飽和の5員
又は6員複素環(ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン環等)を形成す
るのに必要な基を表し、R11及びR12は各々、水素原
子、−SM1基、ハロゲン原子、アルキル基(置換基を
有するものを含む)、アルコキシ基(置換基を有するも
のを含む)、ヒドロキシル基、−COOM2基、−SO3
2基、アルケニル基(置換基を有するものを含む)、
アミノ基(置換基を有するものを含む)、カルバモイル
基(置換基を有するものを含む)、フェニル基(置換基
を有するものを含む)を表し、R11とR12で環を形成し
てもよい。形成できる環としては、5員環又は6員環で
あり、好ましくは含窒素ヘテロ環である。
【0220】一般式(S−a)は少なくとも一つの−S
1基又はチオン基を有する化合物であって、かつヒド
ロキシル基、−COOM2基、−SO32基、置換もし
くは無置換のアミノ又は、置換もしくは無置換のアンモ
ニオ基からなる群から選ばれた少なくとも一つの置換基
を有する。M1及びM2は、それぞれ前記一般式(S)で
表される化合物で定義されたM1及びM2と同義である。
【0221】好ましくはZは二つ以上の窒素原子を含む
複素環化合物を形成する基であり、前記−SM1基又は
チオン基以外の置換基を有してもよく、該置換基とし
て、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素)、低級アルキル
基(置換基を有するものを含む。メチル、エチル等の炭
素数5以下のものが好ましい)、低級アルコキシ基(置
換基を有するものを含む。メトキシ、エトキシ、ブトキ
シ等の炭素数5以下のものが好ましい)、低級アルケニ
ル基(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のもの
が好ましい)、カルバモイル基、フェニル基等が挙げら
れる。
【0222】一般式(S−a)において、次の一般式A
からFで表される化合物が特に好ましい。
【0223】
【化42】
【0224】式中、各々R21、R22、R23及びR24は各
々、水素原子、−SM1基、ハロゲン原子、低級アルキ
ル基(置換基を有するものを含む。メチル、エチル等の
炭素数5以下のものが好ましい)、低級アルコキシ基
(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のものが好
ましい)、ヒドロキシル基、−COOM2、−SO33
基、低級アルケニル基(置換基を有するものを含む。炭
素数5以下のものが好ましい。)、アミノ基、カルバモ
イル基又はフェニル基であり、少なくとも一つは−SM
1基である。M1、M2及びM3は各々、水素原子、アルカ
リ金属原子又はアンモニウム基を表し、同じであっても
異なってもよい。特に、−SM1以外の置換基として
は、ヒドロキシル基、−COOM2、−SO33基、ア
ミノ基等の水溶性基を持つことが好ましい。R21
22、R23、R24で表されるアミノ基は、置換又は非置
換のアミノ基を表し、好ましい置換基としては低級アル
キル基である。アンモニウム基としては置換又は非置換
のアンモニウム基であり、好ましくは非置換のアンモニ
ウム基である。
【0225】以下に一般式(S)で表される銀スラッジ
防止剤の代表的化合物例を示すが、本発明はこれらに限
定されない。
【0226】
【化43】
【0227】
【化44】
【0228】
【化45】
【0229】
【化46】
【0230】
【化47】
【0231】
【化48】
【0232】一般式(S)で表される化合物の使用量
は、現像液1リットル中に10-6〜10-1モルであるこ
とが好ましく、更には10-5〜10-2モルであることが
好ましい。
【0233】本発明の目的を達成するためには、現像液
のpHは9以上11未満に調整される。更に好ましく
は、pH9.3以上10.8以下である。
【0234】定着液及び/または定着補充剤としては一
般に用いられる組成のものを用いることができる。定着
剤としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、
チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩、チオシアン酸ナ
トリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモ
ニウム等のチオシアン酸塩の他、可溶性安定銀錯塩を生
成し得る有機硫黄化合物で定着剤として知られているも
のを用いることができる。
【0235】定着液及び/または定着補充剤には、硬膜
剤として作用する水溶性アルミニウム塩、例えば塩化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、アルデヒド
化合物(例えば、グルタルアルデヒドやグルタルアルデ
ヒドの亜硫酸付加物等)等を加えることができる。
【0236】定着液及び/または定着補充剤には、所望
により、保恒剤(例えば亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH
緩衡剤(例えば酢酸、クエン酸)、pH調整剤(例えば
硫酸)、硬水軟化能のあるキレート剤等の化合物を含む
ことができる。
【0237】定着補充剤は固体処理剤からなることが好
ましく、さらに定着補充剤としては必要な成分を全て含
んだ1剤であることが好ましく、特に硬膜剤を含んだ顆
粒剤であることが好ましい。
【0238】定着液のpHは3以上8未満であることが
好ましい。
【0239】定着処理後、水洗及び/または安定化浴で
処理される。安定化浴としては、画像を安定化させる目
的で、膜pHを調整(処理後の膜面pHを3〜8に)す
るための無機及び有機の酸及びその塩、またはアルカリ
剤及びその塩(例えばほう酸塩、メタほう酸塩、ホウ
砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、アンモニア水、モノカルボン酸、ジカルボン酸、
ポリカルボン酸、くえん酸、蓚酸、リンゴ酸、酢酸等を
組み合わせて使用)、アルデヒド類(例えばホルマリ
ン、グリオキザール、グルタルアルデヒド等)、キレー
ト剤(例えばエチレンジアミン四酢酸又はそのアルカリ
金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、防バイ剤
(例えばフェノール、4−クロロフェノール、クレゾー
ル、O−フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロ
フェン、ホルムアルデヒド、P−ヒドロキシ安息香酸エ
ステル、2−(4−チアゾリン)−ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ドデシル−ベン
ジル−メチルアンモニウム−クロライド、N−(フルオ
ロジクロロメチルチオ)フタルイミド、2,4,4′−
トリクロロ−2′−ハイドロオキシジフェニルエーテル
等)、色調調整剤及び/または残色改良剤(例えばメル
カプト基を置換基として有する含窒素ヘテロ環化合物;
具体的には2−メルカプト−5−スルホン酸ナトリウム
−ベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト
テトラゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−
メルカプト−5−プロピル−1,3,4−トリアゾー
ル、2−メルカプトヒポキサンチン等)を含有させる。
その中でも安定化浴中には防バイ剤が含まれることが好
ましい。これらは、液状でも固体状で補充されてもよ
い。
【0240】廃液量の低減の要望から、現像補充量は1
2当たり30ml以上200ml以下であることが好
ましく、より好ましくはそれぞれ1m2当たり30〜1
90mlである。ここでいう現像補充量とは、補充され
る量を示す。具体的には、顆粒現像補充剤を水で溶解し
た液の容積である。
【0241】現像補充液および定着補充液はそれぞれ自
動現像機のタンク内の現像開始液および定着開始液と同
じ液でも、異なった液でも良い。
【0242】現像開始液および定着開始液は、顆粒処理
剤から調製されてもよく、液体濃縮液から調製されたも
のでもよく、また使用液状態になっている液を使用して
もよい。
【0243】現像、定着、水洗及び/または安定化浴の
温度は10〜45℃の間であることが好ましく、それぞ
れが別々に温度調整されていてもよい。
【0244】本発明は現像時間短縮の要望から自動現像
機を用いて処理する時にフィルム先端が自動現像機に挿
入されてから乾燥ゾーンから出て来るまでの全処理時間
(Dry to Dry)が60秒以下10秒以上であ
ることが好ましい。ここでいう全処理時間とは、黒白感
光材料を処理するのに必要な全工程時間を含み、具体的
には処理に必要な、例えば現像、定着、漂白、水洗、安
定化処理、乾燥等の工程の時間を全て含んだ時間、つま
りDry to Dryの時間である。全処理時間が1
0秒未満では減感、軟調化等で満足な写真性能が得られ
ない。更に好ましくは全処理時間(Dry to Dr
y)が15〜45秒である。また、100m2以上の大
量の感光材料を安定にランニング処理するためには、現
像時間は22秒以下2秒以上であることが好ましい。
【0245】本発明の効果を顕著に発現させるために
は、自動現像機には60℃以上の伝熱体(例えば60℃
〜130℃のヒートローラー等)あるいは150℃以上
の輻射物体(例えばタングステン、炭素、ニクロム、酸
化ジルコニウム・酸化イットリウム・酸化トリウムの混
合物、炭化ケイ素等に直接電流を通して発熱放射させた
り、抵抗発熱体から熱エネルギーを銅、ステンレス、ニ
ッケル、各種セラミック等の放射体に伝達させて発熱さ
せたりして赤外線を放出するもの)で乾燥するゾーンを
持つものが好ましく用いられる。
【0246】用いられる60℃以上の伝熱体としては、
ヒートローラーが例として挙げられる。ヒートローラー
はアルミ製の中空とされたローラーの外周部がシリコン
ゴム、ポリウレタン、テフロンによって被覆されている
ことが好ましい。このヒートローラーの両端部は、耐熱
性樹脂(例えば商品名ルーロン)の軸受によって乾燥部
の搬送口近傍内側に配設され側壁に回転自在に軸支され
ていることが好ましい。
【0247】また、ヒートローラーの一方の端部にはギ
アが固着されており、駆動手段及び駆動伝達手段によっ
て搬送方向に回転されることが好ましい。ヒートローラ
ーのローラー内には、ハロゲンヒーターが挿入されてお
り、このハロゲンヒーターは自動現像機に配設された温
度コントローラーに接続されていることが好ましい。
【0248】また、温度コントローラーには、ヒートロ
ーラーの外周面に接触配置されたサーミスタが接続され
ており、温度コントローラーはサーミスタからの検出温
度が60℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃と
なるように、ハロゲンヒーターをオンオフ制御するよう
になっていることが好ましい。
【0249】本発明では60℃以上の伝熱体と150℃
以上の反射温度の輻射物体を組み合わせてもよい。又、
従来のような60℃以下の温風を組み合わせてもよい。
【0250】また、本発明には下記に記載された方法及
び機構を有する自動現像機を好ましく用いることができ
る。
【0251】(1)脱臭装置:特開昭64−37560
号544(2)頁左上欄〜545(3)頁左上欄。
【0252】(2)水洗水再生浄化剤及び装置:特開平
6−250352号(3)頁「0011」〜(8)頁
「0058」 (3)廃液処理方法:特開平2−64638号388
(2)頁左下欄〜391(5)頁左下欄 (4)現像浴と定着浴の間のリンス浴:特開平4−31
3749号(18)頁「0054」〜(21)頁「00
65」 (5)水補充方法:特開平1−281446号250
(2)頁左下欄〜右下欄 (6)外気温度湿度検出して自動現像機の乾燥風を制御
する方法:特開平1−315745号496(2)頁右
下欄〜501(7)頁右下欄および特開平2−1080
51号588(2)頁左下欄〜589(3)頁左下欄 (7)定着廃液の銀回収方法:特開平6−27623号
報(4)頁「0012」〜(7)頁「0071」。
【0253】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0254】実施例1 (ハロゲン化銀乳剤Aの調製)同時混合法を用いてEA
gを90mVにコントロールすることにより塩化銀10
0モル%からなる平均粒径0.12μmの塩化銀コア粒
子を調製した。コア粒子混合時にK2RuCl5(NO)
を銀1モルあたり5×10-5モル添加した。このコア粒
子に、同時混合法を用いてEAgを90mVにコントロ
ールすることにより塩化銀100モル%からなるシェル
を付けた。その際K2RuCl5(NO)を銀1モルあた
り7.5×10-5モル添加した。得られた乳剤は平均粒
径0.15μmのコア/シェル型単分散(変動係数10
%)の塩化銀粒子の乳剤であった。ついで特開平2−2
80139号に記載の変性ゼラチン(ゼラチン中のアミ
ノ基をフェニルカルバミルで置換したもので例えば特開
平2−280139号287(3)頁の例示化合物G−
8)を使い脱塩した。また、脱塩工程の前に4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ンを銀1モルあたり1×10-3モル添加した(以下、特
に記載がない場合は、銀1モル当たりの量とする)。脱
塩後のEAgは50℃で190mVであった。同様の方
法で乳剤〔B〕〜〔D〕を調製した。乳剤〔A〕〜
〔D〕の特徴を表2にまとめた。
【0255】
【表2】
【0256】得られた乳剤に4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンを1×10-3
モル添加し更に臭化カリウム及びクエン酸を添加してp
H5.6、EAg123mVに調整して、塩化金酸を1
×10-5モル添加した後に無機硫黄を3×10-6モル、
ジフェニルペンタフロロフェニルセレナイドを2×10
-6モル添加して温度60℃で60分間化学熟成を行っ
た。熟成終了後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデンを2×10-3モル、1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾールを3×10-4モル
及びゼラチンを添加した。この乳剤を温度を下げてセッ
トさせた。
【0257】下記支持体の一方の下塗層上に第1乳剤
層、第2乳剤層、保護層下層、保護層上層を順次単位m
2当たり下記及び表3,4に記載のような量になるよ
う、塗布速度が毎分250mでカーテン塗布方式により
同時重層塗布して試料1〜26を作成した。
【0258】更に、保護層上層に染料Oの固体分散微粒
子、染料Gの固体分散微粒子を添加しない他は、試料1
2と全く同様にして試料26を作成した。
【0259】《表2の乾燥条件》 項目I:水/ゼラチンバインダーの重量比200%以上
での湿球温度の最高値 項目II:水/ゼラチンバインダーの重量比200%以下
での湿球温度の値 また反対側の下塗層上には下記組成の帯電防止層を形成
した後に、バッキング層、疎水性ポリマー層、バッキン
グ保護層を順次単位m2当たり下記の量になるように同
時重層塗布することで試料を得た。
【0260】(支持体、下塗層)2軸延伸したポリエチ
レンテレフタレート支持体(厚み100μm)の両面に
30W/(m2・min)のコロナ放電した後、下記組
成の下塗層を両面塗布し、100℃で1分間乾燥した。
【0261】 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(25)−ブチルアクリレート (30)−t−ブチルアクリレート(25)−スチレン(20) 共重合体(数字は重量比) 1.5g/m2 界面活性剤A 10mg/m2 ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 15mg/m2 (帯電防止層)下塗層を施したポリエチレンテレフタレ
ート支持体に10W/(m2・min)のコロナ放電し
た後、片面に下記組成の帯電防止層を70m/minの
速さでロールフィットコーティングパン及びエアーナイ
フを使用して塗布し、90℃で2分間乾燥し、140℃
で90秒間熱処理した。
【0262】 水溶性導電性ポリマーB 0.6g/m2 疎水性ポリマー粒子C 0.4g/m2 ポリエチレンオキサイド化合物D 0.1g/m2 硬化剤E 0.2g/m2 (第1乳剤層組成) 乳剤(表2に記載) (塗布銀量)1.5g/m2 ゼラチン 0.3g/m2になる量 N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム塩 35mg/m2 化合物F 10mg/m2 ヒドラジン誘導体(表3,4に記載) (表3,4に記載) 造核促進剤:アミン化合物(表3,4に記載) (表3,4に記載) 造核促進剤:オニウム塩化合物(表3,4に記載) (表3,4に記載) 塩化金酸 0.1mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 50mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合体の親水性ポリマー 20mg/m2 化合物S(ソジウム−イソ−アミル−n−デシルスルホサクシネート) 5mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 10mg/m シクロデキストリン(親水性ポリマー) 0.5g/m2 (第2乳剤層組成) 乳剤(表2に記載) (塗布銀量) 1g/m2 ゼラチン (表3,4に記載) N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム塩 35mg/m2 造核促進剤:アミン化合物(表3,4に記載) (表3,4に記載) 造核促進剤:オニウム塩化合物(表3,4に記載) (表3,4に記載) 化合物I 10mg/m2 アデニン 20mg/m2 化合物J 10mg/m2 化合物U 30mg/m2 ラテックスポリマーK 1g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 100mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 20mg/m2 化合物S 5mg/m2 (保護層下層組成) ゼラチン (表3,4に記載) ハイドロキノン 50mg/m2 ラテックスポリマーK 1g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 100mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 11mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合体の親水性ポリマー 20mg/m2 化合物S 12mg/m2 (保護層上層組成) ゼラチン (表3,4に記載) 水溶性染料N 30mg/m2 染料Oの固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 30mg/m2 染料Gの固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 30mg/m マット剤:不定形シリカ(平均粒径1.63μm) 15.0mg/m マット剤:不定形シリカ(平均粒径 表2に示す) 21.0mg/m2 クエン酸 4.5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 11.0mg/m2 硬膜剤T 5mg/全層ゼラチン1g 界面活性剤M 1mg/m2 化合物S 12mg/m2 (バッキング層組成) ゼラチン (表3,4に記載) 化合物S 5mg/m2 ラテックスポリマーK 0.3g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 70mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 硬膜剤E 10mg/m2 (疎水性ポリマー層組成) ラテックス(メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3) 1.0g/m2 硬膜剤L 6mg/m2 (バッキング保護層組成) ゼラチン 0.5g/m2 水溶性染料Q 160mg/m2 水溶性染料R 30mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合体の親水性ポリマー 20mg/m2 マット剤 平均粒径5μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム−ジ−(2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 10mg/m2 界面活性剤M 50mg/m2 H(OCH2CH268OH 50mg/m 硬膜剤T 20mg/m 上記で用いた化合物の構造を下記に示す。
【0263】
【化49】
【0264】
【化50】
【0265】
【化51】
【0266】
【化52】
【0267】なお塗布乾燥後のバッキング側の表面比抵
抗値は23℃20%RHで6×1011Ωで、乳剤側の表
面の膜面pHは5.5であった。
【0268】(染料の固体微粒子分散物の作製)本発明
の実施例において、染料は以下の方法に従って調製され
た固体微粒子分散物を使用した。
【0269】60mlのスクリューキャップ容器に、水
21.7mlおよび界面活性剤としてTriton X
−200(Rohm&Haas社製)の6.7%溶液3
0mlを入れ、この容器に乳鉢にて粉末化した染料とし
て表される化合物1.0g、および界面活性剤を入れ、
酸化ジルコニウムビーズ(2mm径)40mlを添加し
た。キャップを閉めてボールミルに置き、室温で所望の
粒径になるまで分散したのち、12.5%ゼラチン水溶
液8.0gを加えてよく混合し、酸化ジルコニウムビー
ズを濾過して除き固体微粒子分散物を得た。
【0270】 (処理液処方) 現像開始液(HAD−S)(使用液1リットル分) ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 10.9g 亜硫酸カリウム 31.8g 亜硫酸ナトリウム 42.6g KBr 4g H3BO3 8g 炭酸カリウム 112.2g 2−メルカプトアデニン 0.07g ジエチレングリコール 40g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.03g ジメゾンS(1−フェニル−4− ヒドロキシメチル−4−メチルピラゾリドン 0.85g ハイドロキノン 20g 純水及びKOHを加えて1000mlに仕上げ、pH1
0.40に調整する。
【0271】 現像補充顆粒剤(KR)の作成 造粒物Aパーツの作成(使用液1リットル分) ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 1.45g 炭酸ナトリウム(1水塩) 76.27g D−マンニトール(商品名:花王社製) 6.94g ソルビトール 2.93g LiOH 10g 上記素材を市販のバンダムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し平均粒径
3000μmで安息角33度の造粒物Aパーツを得た。
【0272】 造粒物Bパーツの作成(使用液1リットル分) 亜硫酸ナトリウム 56.58g KBr 2g H3BO3 4g 2−メルカプトアデニン 0.25g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.26g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.06g ジメゾンS 1.25g ハイドロキノン 20g D−マンニトール(商品名:花王社製) 4.77g 上記素材を市販のバンダムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し、平均粒
径4000μmで安息角30度の造粒物Bパーツを得
た。
【0273】上記のAパーツ、Bパーツを完全混合して
顆粒現像補充剤HAD−KRを得た。なお使用の際は、
水に溶解して1リットルとした。使用液のpHは10.
70であった。
【0274】 定着開始液(HAF−S)(使用液1リットル分) 純水 116ml チオ硫酸アンモニウム 140g 亜硫酸ナトリウム 22g ほう酸 9.8g 酒石酸 3g 酢酸ナトリウム・3水塩 34g 酢酸(90%水溶液) 14.5g 硫酸アルミニウム・18水塩 18g 純水で400mlに仕上げる 使用する際は純水600mlと上記濃厚液を混合して用
いる。使用液のpHは、4.90であった。
【0275】 定着補充顆粒剤の作成(HAF−KR) 造粒物Aパーツの作成(使用液1リットル分) チオ硫酸アンモニウム(10%Na塩:ヘキスト社製) 140g メタ重亜硫酸ナトリウム 7.5g 酢酸ナトリウム 40g パインフロー(商品名:松谷化学社製) 11.8g 上記素材を市販のバンダムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し平均粒径
4000μmで安息角40度の造粒物Aパーツを得た。
【0276】 造粒物Bパーツの作成(使用液1リットル分) ほう酸 10g 酒石酸 3g 硫酸水素ナトリウム 26.5g 硫酸アルミニウム・18水塩 15.8g D−マンニトール(商品名:花王社製) 4.4g N−ラウロイルタウリン(商品名:ニッコウケミカルス社製) 2g デモールN(商品名:花王社製) 5g 上記素材を市販のバンダムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し平均粒径
3300μmで安息角28度の造粒物Bパーツを得た。
【0277】上記AパーツとBパーツを完全混合し定着
顆粒補充剤HAF−KRを得た。なお使用の際は容量が
1リットルになるように水に溶解して用いた。使用液の
pHは、4.20であった。
【0278】(自動現像機)コニカ(株)製GR−26
SRを改造した自動現像機を使用した。なおこの自動現
像機は乾燥ゾーンには遠赤外線ヒーターを有し、処理液
が蒸発しにくいよう処理槽液面の全体を覆うカバーを有
している。現像補充は、処理するフィルム1m2当たり
現像補充量は195mlで行った。
【0279】 (処理条件) 温 度 時 間 現 像 38℃ 15秒 定 着 38℃ 9秒 水 洗 38℃ 8.5秒 スクイズ 2.5秒 乾 燥 40℃ 10秒 Dry to Dry 45秒 ラインスピード(搬送速度) 3300mm/min なお、定着廃液は特開平6−27623号実施例1に記
載の銀回収装置を用いて銀回収をした後の処理液を再度
定着槽に戻しながら処理を行い、水洗槽からのオーバー
フローはコニカ〔株〕製水垢防止装置〔水きれい〕を用
いて処理を行った。
【0280】《評価方法》 (抜き文字画質)抜き文字画質を評価するために、特公
平6−40207の第2図に記載されている構成の原稿
「カットマスクフィルム/透明貼り込みベース/線画ポ
ジ像のフィルム(線画原稿)/透明貼り込みベース/網
点画像のフィルム(網点原稿)をこの順に重ねたもの」
を用意し、この原稿と感光材料試料の乳剤面を密着さ
せ、米国Fusion製無電極放電管光源を使った明室
プリンターP627FMにて画像露光を行い、上記現像
処理後の抜き文字画質を5ランク評価した。抜き文字画
質5としては、50%の網点面積が感光材料上に50%
の網点面積となるよう適性露光を行った時に、30μm
幅の文字が再現できる画質をいい、非常に良好な抜き文
字品質である。
【0281】抜き文字画質1とは、同様の適性露光を与
えた時150μm以上の文字しか再現することのできな
い画質をいい、良くない抜き文字品質である。3以上が
実用に耐えうるレベルである。
【0282】(相対感度)感光材料試料を上記P627
FMでステップウェッジを用い露光し、上記現像処理し
たものを、濃度1.5を与える露光量の逆数の相対値で
示した。
【0283】(保存性)感光材料試料を55℃、50%
の温湿度条件下で3日間経時させた後、上記露光、現像
処理したときの性能を示した。
【0284】(白ポツ故障)抜き文字画質を評価した試
料の網点黒化部の濃度を測定した。測定値は高いものほ
ど白ポチが少ない。濃度3.5未満の試料は白ポチが目
立ち実用に耐えない。
【0285】なお、網点面積の測定はX−Rite 3
61T(日本平版機材(株)製)、濃度の測定はマクベ
ス濃度計を使用した。
【0286】結果を表3,4に示す。
【0287】
【表3】
【0288】
【表4】
【0289】表3,4からわかるように、本発明の試料
(ナンバー11〜26)は、抜き文字画質が優れ、白ポ
ツ故障も少ない。また、湿熱条件下で保存しても感度変
動や抜き文字画質の劣化が小さい。また、本発明の平均
粒径のマット剤を含有すると抜き文字画質が良化し、本
発明の塗布乾燥条件を用いると白ポツ故障が減る。ま
た、本発明の固体状に分散された染料を含有すると抜き
文字画質が良化し、白ポツ故障が減る。
【0290】実施例2 実施例1の支持体の代わりに下記構成の下塗層、帯電防
止層を塗布した支持体を用いても、実施例1と同様の結
果が得られた。
【0291】(下塗層、帯電防止層)両面に塩化ビニリ
デン下引処理を施した厚さ100μmのポリエチレンテ
レフタレート支持体上に10W/(m2・min)のコ
ロナ放電を施した後、片面に下記組成からなる導電層を
塗布した。
【0292】 ゼラチン 0.5g/m2 SnO2/Sb(9/1 重量比、平均粒径0.2μ) 150mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 40mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 9mg/m2 グリオキザール 10mg/m2 実施例3 実施例1のポリエチレンテレフタレート支持体の代わり
に下記構成のSPS支持体を用いても、実施例1と同様
の結果が得られた。
【0293】(支持体の作成) (SPSの合成)トルエン200重量部にスチレンを1
00重量部、トリイソブチルアルミニウム56g、ペン
タメチルシクロペンタジエチルチタントリメトキサイド
234gを使用して96℃で8時間反応を行った。水酸
化ナトリウムのメタノール溶液で触媒を分解除去した
後、メタノールで3回洗浄して目的の化合物(SPS)
を34重量部を得た。
【0294】(SPSフィルムの作成)得られたSPS
を330℃でTダイからフィルム状に熔融押し出しを行
い、冷却ドラム上で急冷固化して未遠心フィルムを得
た。このとき冷却ドラムの引き取り速度を2段階で行
い、厚さ1370μm及び1054μmの未延伸フィル
ムを135℃で予熱し、縦延伸(3.1倍)した後、1
30℃で横延伸(3.4倍)し、更に250℃で熱固定
を行なった。その結果、支持体として曲げ弾性率450
kg/mm2の130μm及び100μmの2軸延伸フ
ィルムを得た。
【0295】(SPSフィルムの下塗り)上記SPSフ
ィルムの上にシリカ蒸着した後に、実施例1記載の下塗
層及び帯電防止層を塗布した。
【0296】実施例4 実施例1のヒドラジンH−27,H−38,H−39,
H−40の代わりにH−42,H−43,H−44,H
−45を用いても、実施例1と同様の結果が得られた。
【0297】
【発明の効果】本発明により、ヒドラジン誘導体を含有
する黒白ハロゲン化銀写真感光材料において、抜き文字
再現性の優れた黒白ハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることができた。
【0298】もう一つには、経時で抜き文字再現性が劣
化や感度変動が小さく、網点内にピンホール状のいわゆ
る白ポツ故障が少ない黒白ハロゲン化銀写真感光材料を
提供することができた。
【0299】さらにもう一つには、現像から乾燥まで5
0秒以下の迅速処理をした場合にも、経時させても抜き
文字再現性が劣化や感度変動が小さく、網点内にピンホ
ール状のいわゆる白ポツ故障が少ない黒白ハロゲン化銀
写真感光材料およびその処理方法を提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/74 G03C 1/74 1/83 1/83 5/26 520 5/26 520 5/31 5/31 // G03C 5/29 501 5/29 501

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層とその上に少なくとも2層の非感光性親
    水性コロイド層を有する黒白ハロゲン化銀感光材料にお
    いて、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が銀
    1モルあたり、VIII族遷移金属及びレニウムから選ばれ
    る金属を少なくとも1種含有する塩化銀含有率が90モ
    ル%以上100モル%以下のハロゲン化銀粒子を含有
    し、該乳剤層側にヒドラジン誘導体と造核促進剤として
    アミン化合物及びオニウム塩化合物から選ばれる少なく
    とも1種を含有し、該乳剤層側の最表面から支持体に最
    も近い感光性ハロゲン化銀乳剤層の支持体から遠い方の
    表面までの乾燥時の膜厚が2.5〜8μmであることを
    特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上の片側に少なくとも2層のハロ
    ゲン化銀乳剤層を有することを特徴とする請求項1記載
    の黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 感光性ハロゲン化銀乳剤層の上の非感光
    性親水性コロイド層の少なくとも1層に平均粒径4〜1
    0μmのマット剤を含有することを特徴とする請求項1
    または2記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 感光性ハロゲン化銀乳剤層の上の非感光
    性親水性コロイド層の少なくとも1層に、固体状に分散
    された染料を含有することを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 塗布乾燥工程において乳剤層側の水/ゼ
    ラチン比が200%になるまでの間、湿球温度20℃以
    下で乾燥されることを特徴とする請求項1、2、3また
    は4に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5に記載の
    黒白ハロゲン化銀写真感光材料が、自動現像装置を用い
    て固体処理剤から調製された現像補充液を補充しながら
    処理されることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光
    材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4または5に記載の
    黒白ハロゲン化銀写真感光材料が、自動現像装置を用い
    て処理される黒白ハロゲン化銀写真感光材料1m2あた
    り現像補充液を30ml〜200mlずつ補充しながら
    処理されることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光
    材料の処理方法。
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