JPH10228071A - ハロゲン化銀写真感光材料とその現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料とその現像処理方法

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JPH10228071A
JPH10228071A JP3193497A JP3193497A JPH10228071A JP H10228071 A JPH10228071 A JP H10228071A JP 3193497 A JP3193497 A JP 3193497A JP 3193497 A JP3193497 A JP 3193497A JP H10228071 A JPH10228071 A JP H10228071A
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Tadashi Sekiguchi
忠 関口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に硬調化感光材料の連続長期にわたる迅速
現像処理時の感度、最高濃度、網点品質の低下防止、黒
ポツ、かぶり等の発生防止を達成する。 【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を
含む少なくとも2層以上の親水性コロイド層を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料において、該支持体に最も近い
親水性コロイド層に通常のポリマーラテックスを、それ
より上層の親水性コロイド層にゼラチンで安定化された
ポリマーラテックスを含有し、最も表面に近い親水性コ
ロイド層には通常のポリマーラテックスを含有しないこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料とその現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料では一
般にバインダーとしてゼラチンが多く用いられる。ゼラ
チンは高い膨潤性とゲル化能を有し、種々の硬膜剤によ
る架橋も容易であり、感光性ハロゲン化銀のように高温
を嫌う素材を塗布液の物性を調整することにより、広い
面積にわたって均一に塗布するためには極めて優れた特
性を有するバインダーである。
【0003】ハロゲン化銀写真感光材料は、現像中にゼ
ラチン層が充分に水を吸収して膨潤した状態でハロゲン
化銀粒子が極めて硬質な金属銀に変化する。このため乾
燥後も乳剤層が元のとおり復帰せず、処理前後で同じ感
光材料であっても寸法が異なってしまうという現象がお
こる。
【0004】これに対しポリマーラテックスをハロゲン
化銀乳剤層、バッキング層に含有させ感光材料の物性を
向上させる技術がよく知られている。
【0005】これらの技術としては例えばリサーチディ
スクロージャー19951号、特公昭39−4272
号、同39−17702号、同43−13482号、米
国特許2376005号、同2763625号、同27
72166号、同2852386号、同2853457
号、同3397988号等に記載されている。また特開
昭59−38741号、同61−296348号、同6
1−284756号、同61−285446号などにパ
ラフィンやビニルポリマーの微小油滴を含有せしめる方
法などが開示されている。
【0006】しかしながら、ゼラチン中に寸法安定性が
良化する程度の多量のラテックスを添加した場合、長期
保存による経時の影響によりくっつき或いは感度の低下
等がおこる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決することの外、特に硬調化感光材料の連続長期に
わたる迅速現像処理時の感度、最高濃度、網点品質の低
下防止、黒ポツ、かぶり等の発生防止を目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0009】(1) 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳
剤層を含む少なくとも2層以上の親水性コロイド層を有
するハロゲン化銀写真感光材料において、該支持体に最
も近い親水性コロイド層に通常のポリマーラテックス
を、それより上層の親水性コロイド層にゼラチンで安定
化されたポリマーラテックスを含有し、最も表面に近い
親水性コロイド層には通常のポリマーラテックスを含有
しないことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】(2) 前記ゼラチンで安定化されたポリ
マーラテックスが支持体から最も離れた親水性コロイド
層に含有されることを特徴とする(1)記載のハロゲン
化銀写真感光材料。
【0011】(3) ハロゲン化銀写真感光材料中に、
ヒドラジン誘導体と4級オニウム化合物を含有すること
を特徴とする(1)又は(2)記載のハロゲン化銀写真
感光材料。
【0012】(4) (1)に記載されたハロゲン化銀
写真感光材料を、該写真感光材料1m2当たり200m
l以下の現像補充液量で、自動現像機を用いて現像処理
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理方法。
【0013】(5) (1)に記載されたハロゲン化銀
写真感光材料を、自動現像機を用いて60秒以内で現像
処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
現像処理方法。
【0014】本発明の構成により、上記効果が得られる
理由については必ずしも明らかではない。多分、上記の
ごときハロゲン化銀写真感光材料は、現像処理時におい
て、処理液の浸透が早くすぐ膨潤するが、その飽和膨潤
度はあまり高くはならない。従って、通常感光体の表面
から遠いところ、即ち支持体に近いところにあるハロゲ
ン化銀写真感光層中でも、その感光体が複数の感光層を
持つときは、その主感光層をも短時間のうちに十分現像
することが出来、現像による反応生成物も拡散により系
外に去ることが出来るのであろう。しかも、その感光体
の表面強度や高度は膨潤後も高く、傷が付きにくいと同
時に、感光層内部の状態を比較的一定に保持し、少々の
外的変動から守ることが出来るためと思われる。
【0015】本発明に好ましく用いられるポリマーラテ
ックスとしてはメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート等のメタアルキルアクリレートの単独重合体、ス
チレンの単独重合体、又は、メタアルキルアクリレート
やスチレンとアクリル酸、N−メチロールアクリルアミ
ド、グリシドールメタクリレート等との共重合体、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート等のアルキルアクリレートの単独重合体もしくはア
ルキルアクリレートとアクリル酸、N−メチロールアク
リルアミド等との共重合体(好ましくはアクリル酸等の
共重合成分は30重量%まで)、ブタジエンの単独重合
体もしくはブタジエンとスチレン、ブトキシメチルアク
リルアミド、アクリル酸の1つ以上との共重合体、塩化
ビニリデン−メチルアクリレート−アクリル酸3元共重
合体等が挙げられる。
【0016】次に本発明に好ましく用いられるポリマー
ラテックスの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定
されない。尚、合成時に用いられた界面活性剤を併記し
た。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】本発明で用いるポリマーラテックスの平均
粒径の好ましい範囲は0.005〜1μm特に0.02
〜0.2μmである。
【0024】本発明に用いることのできるゼラチンで安
定化されたポリマーラテックスは、ポリマーラテックス
の表面及び/又は内部がゼラチンによって分散安定化さ
れていることを特徴とする。ラテックスを構成するポリ
マーとゼラチンが何等かの結合をもっていることが特に
望ましい。この場合、ポリマーとゼラチンは直接結合し
ていてもよいし、架橋剤を介して結合していてもよい。
【0025】本発明のゼラチンで安定化されたポリマー
ラテックスはポリマーラテックスの重合反応が終了後、
反応系にゼラチン溶液を添加して反応させることによっ
て得ることができる。界面活性剤中で合成したポリマー
ラテックスとゼラチンを架橋剤を用いて反応させること
が好ましい。更に、ポリマーの重合反応中にゼラチンを
存在させる方法によって得られるが、このほうが前記方
法よりも好ましい結果を与える。また、この場合ポリマ
ーの重合反応中に界面活性剤を使用しないことが好まし
いが、界面活性剤を使用する場合その添加量はポリマー
成分に対し0.1〜3.0%、特に好ましくは0.1〜
1.5%である。また後者の方法においても重合反応終
了後に、ゼラチン溶液を添加することで更に好ましい効
果が得られる。
【0026】合成時のゼラチンとポリマーの比率は1:
100〜2:1が好ましく、特に好ましくは1:50〜
1:2である。
【0027】本発明に用いられるゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスの平均粒径の好ましい範囲は0.
005〜1μm、好ましくは0.02〜0.2μmであ
る。
【0028】また架橋剤を介してゼラチンと結合させる
場合は、ポリマーラテックスを構成するモノマーには、
カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、水
酸基、アルデヒド基、オキサゾリン基、エーテル基、活
性エステル基、メチロール基、シアノ基、アセチル基、
不飽和炭素結合等の反応性基をもつものが含まれている
ことが望ましい。更に架橋剤を使用する場合には、通常
のゼラチンの架橋剤として用いられているものを用いる
ことができる。例えばアルデヒド系、グリコール系、ト
リアジン系、エポキシ系、ビニルスルホン系、オキサゾ
リン系、メタクリル系、アクリル系等の架橋剤を用いる
ことができる。更に本発明のゼラチンで安定化されたポ
リマーラテックスの分散安定性を更に高めるためにポリ
マーラテックスを構成するモノマーとして2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩
を用いることができる。上記モノマーの添加量は、構成
成分中の全重量に対して0.5〜20重量%が好ましい
結果をあたえる。
【0029】本発明のラテックスの安定化に用いるゼラ
チンとしてはゼラチン及びゼラチン誘導体、セルロース
誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、そ
れ以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一或
いは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コ
ロイドも併用して用いることができる。
【0030】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか
酸処理ゼラチン、ビュレチン・オブ・ソサエティー・オ
ブ・ジャパン(Bull.Soc.Sci.Phot.
Japan)No16,30頁(1966)に記載され
たような酸処理ゼラチンを用いてもよく、又ゼラチンの
加水分解物や酵素分解物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無
水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルト
ン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合物
類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種
々の化合物を反応させて得られるものが用いられる。そ
の具体例は米国特許2,614,928号、同3,13
2,945号、同3,186,846号、同3,31
2,553号、英国特許861,414号、同1,03
3,189号、同1,005,784号、特公昭42−
26845号などに記載されている。
【0031】蛋白質としては、アルブミン、カゼイン、
セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エ
ステル、又は糖誘導体としてはアルギン酸ソーダ、でん
粉誘導体をゼラチンと併用してもよい。
【0032】次に、本発明に用いることができるラテッ
クスの具体例を幾つか示す。本明細書中に示すラテック
スの具体例はその構成成分よりなるラテックスの任意の
組成比のラテックスをも表すものである。勿論、ここに
示すラテックスの具体例は使用できるラテックスの代表
的な例であり、本発明に使用されるラテックスの(組成
比のみならず)構成成分が、これらの具体例に限定され
ないことは言うまでもない。
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】本発明に用いられるポリマーラテックス
は、少なくとも1層の親水性コロイド層に添加されてい
ればよいが、感光性親水性コロイド層及び感光性親水性
コロイド層側の非感光性親水性コロイド層両層中に添加
されたほうが好ましい結果が得られる。支持体に対し片
面のみに含有されていてもよいし、また両面に含有され
ていてもよい。本発明の効果が著しくなるのはラテック
スの添加量が、各親水性コロイド層中のゼラチンに対し
て30%以上になるときであり、特に好ましくは30%
〜200%である。また、支持体上に塗設される親水性
コロイド層中の総ゼラチン量は、ゼラチンで安定化され
たポリマーラテックスを使用する場合はそのゼラチンも
含めて各側とも4g/m2以下であればよいが、2.7
g/m2以下の場合に特にその効果が顕著にあらわれ
る。支持体に対し両面に含有せしめられる場合、各々の
面の含有せしめられるポリマーラテックスの種類及び/
又は量は同じであってもまた異なっていてもよい。
【0041】上記ラテックスは、合成後に所望のpHに
調整される。pHは好ましくは6.5〜10.0である
が、更に好ましくは、pH7.0〜9.0である。pH
がこれより低いとくっつき性が劣化し、これより高いと
経時保存でのカブリが発生しやすくなる。pH調整に
は、いわゆるアルカリ溶液であれば特に制限はないが、
好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニアが用いられる。
【0042】本発明における親水性コロイド層とは、ゼ
ラチンを主たるバインダーとする層のことを意味する。
ゼラチンとしては、本発明のラテックスの安定化に用い
るゼラチンと同様のものが使用できる。
【0043】本発明は、印刷用、X−レイ用、一般ネガ
用、一般リバーサル用、一般ポジ用、直接ポジ用等の各
種感光材料に適用することができるが、極めて硬調であ
ることが要求される印刷用感光材料に適用した場合特に
著しい効果が得られる。
【0044】本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に
は、公知の硬調化剤例えばテトラゾリウム化合物やヒド
ラジン誘導体の少なくとも1種を添加することが好まし
い。ヒドラジン誘導体の代表的構造を下記に示す。
【0045】
【化14】
【0046】式中、Aはアリール基、又は硫黄原子又は
酸素原子を少なくとも1個を含む複素環を表し、Gは−
(CO)n−基、スルホニル基、スルホキシ基、−P
(=O)R2−基、又はイミノメチレン基を表し、nは
1又は2の整数を表し、A1、A2はともに水素原子或い
は一方が水素原子で他方が置換もしくは無置換のアルキ
ルスルホニル基、又は置換もしくは無置換のアシル基を
表し、Rは水素原子、各々置換もしくは無置換のアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アル
ケニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アミノ基、カルバモイル基、又はオキシカルボニル
基を表す。R2は各々置換もしくは無置換のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、ア
リールオキシ基、アミノ基等を表す。
【0047】一般式〔H〕で表される化合物のうち、更
に好ましくは下記一般式〔Ha〕で表される化合物であ
る。
【0048】
【化15】
【0049】式中、R1は脂肪族基(例えばオクチル
基、デシル基)、芳香族基(例えばフェニル基、2−ヒ
ドロキシフェニル基、クロロフェニル基)又は複素環基
(例えばピリジル基、チエニル基、フリル基)を表し、
これらの基は更に適当な置換基で置換されたものが好ま
しく用いられる。更に、R1には、バラスト基又はハロ
ゲン化銀吸着促進基を少なくとも一つ含むことが好まし
い。
【0050】耐拡散基としてはカプラー等の不動性写真
用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラス
ト基としては炭素数8以上の写真性に対して比較的不活
性である例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキ
ルフェノキシ基等が挙げられる。
【0051】ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿
素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト
複素環基、或いは特開昭64−90439号に記載の吸
着基等が挙げられる。
【0052】一般式〔Ha〕において、Xは、フェニル
基に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、m
が2以上の場合Xは同じであっても異なってもよい。
【0053】一般式〔Ha〕において、A3、A4は一般
式〔H〕におけるA1及びA2と同義であり、ともに水素
原子であることが好ましい。
【0054】一般式〔Ha〕において、Gはカルボニル
基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基又はイ
ミノメチレン基を表すが、Gはカルボニル基が好まし
い。
【0055】一般式〔Ha〕において、R2としては水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リル基、複素環基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、
カルバモイル基、オキシカルボニル基を表す。最も好ま
しいR2としては、−COOR3基及び−CON(R4
(R5)基が挙げられる(R3はアルキニル基又は飽和複
素環基を表し、R4は水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基又は複素環基を表し、
5はアルケニル基、アルキニル基、飽和複素環基、ヒ
ドロキシ基又はアルコキシ基を表す)。
【0056】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】
【化19】
【0061】
【化20】
【0062】
【化21】
【0063】
【化22】
【0064】
【化23】
【0065】その他の好ましいヒドラジン誘導体の具体
例としては、米国特許5,229,248号第4カラム
〜第60カラムに記載されている(1)〜(252)で
ある。
【0066】本発明に係るヒドラジン誘導体は、公知の
方法により合成することができ、例えば米国特許5,2
29,248号第59カラム〜第80カラムに記載され
たような方法により合成することができる。
【0067】添加量は、硬調化させる量(硬調化量)で
あれば良く、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、
化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量は異なる
が、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1
モルの範囲であり、好ましくは10-5〜10-2モルの範
囲である。
【0068】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
ハロゲン化銀乳剤層又はその隣接層に添加される。
【0069】ヒドラジン誘導体による硬調化を効果的に
促進するためには、構造中に4級窒素化合物及び/又は
4級リン化合物を有する4級オニウム化合物、アミン化
合物、分子量120以上のアルコール化合物から選ばれ
る造核促進剤を少なくとも一種用いることが好ましく、
特に4級オニウム化合物が好ましい。
【0070】本発明に用いる4級オニウム化合物として
は、分子内に窒素原子又は燐原子の4級カチオン基を有
する化合物であり、好ましくは一般式(P)で表される
化合物である。
【0071】
【化24】
【0072】式中、Qは窒素原子又は燐原子を表し、R
1、R2、R3及びR4は各々、水素原子又は置換基を表
し、X-はアニオンを表す。又、R1〜R4は互いに連結
して環を形成してもよい。
【0073】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、ア
ミノ等の各基が挙げられ、具体的にはアルキル基(メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキ
シル等)、アルケニル基(アリル、ブテニル等)、アル
キニル基(プロパルギル、ブチニル等)、アリール基
(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピペリジニル、
ピペラジニル、モルホリニル、ピリジル、フリル、チエ
ニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ス
ルホラニル等)等が挙げられる。
【0074】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、キヌク
リジン、ピリジン等の環が挙げられる。
【0075】R1〜R4で表される基には置換基(ヒドロ
キシル、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、
スルホ、アルキル、アリール基等)が置換してもよい。
【0076】R1、R2、R3及びR4としては、水素原子
及びアルキル基が好ましい。
【0077】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0078】更に好ましくは下記一般式(Pa)、(P
b)又は(Pc)で表されるピリジニウム化合物であ
る。
【0079】
【化25】
【0080】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、含
窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4及びA5
で構成される複素環は置換基を有してもよく、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。置換基としては、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カル
ボキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイル
基、ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド基、スルホ
ニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。A1、A2、A3、A4
びA5の好ましい例としては、5〜6員環(ピリジン、
イミダゾール、チオゾール、オキサゾール、ピラジン、
ピリミジン等の各環)を挙げることができ、更に好まし
い例としてピリジン環が挙げられる。
【0081】Bpは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン、アリーレ
ン、アルケニレン、−SO2−、−SO−、−O−、−
S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル基、ア
リール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わせて構
成されるものを表す。Bpとして好ましくは、アルキレ
ン、アルケニレン基を挙げることができる。
【0082】R1、R2及びR5は各々、炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換或いは無置換のアル
キル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0083】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換或いは無置換のアリール置換アル
キル基が挙げられる。
【0084】Xp -は分子全体の電荷を均衡さすに必要な
対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素
イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホ
ナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の電荷
を均衡さすに必要な対イオンの数を表し、分子内塩の場
合にはnpは0である。次に本発明に係るピリジニウム
化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定
されない。
【0085】
【化26】
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
【化29】
【0089】
【化30】
【0090】
【化31】
【0091】
【化32】
【0092】
【化33】
【0093】
【化34】
【0094】
【化35】
【0095】次に代表的なアミン化合物について述べ
る。
【0096】
【化36】
【0097】一般式〔Na〕において、R11、R12、R
13は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、置換アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
置換アリール基を表す。R11、R12、R13で環を形成す
ることができる。特に好ましくは脂肪族の3級アミン化
合物である。これらの化合物は分子中に耐拡散性基又は
ハロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。耐拡散性
を有するためには分子量100以上の化合物が好まし
く、更に好ましくは分子量300以上である。又、好ま
しい吸着基としては複素環、メルカプト基、チオエーテ
ル基、チオン基、チオウレア基等が挙げられる。一般式
〔Na〕として特に好ましくは、分子中にハロゲン化銀
吸着基としてチオエーテル基を少なくとも一つ有する化
合物である。
【0098】以下にこれら造核促進剤〔Na〕の具体例
を挙げる。
【0099】
【化37】
【0100】
【化38】
【0101】
【化39】
【0102】
【化40】
【0103】
【化41】
【0104】本発明においては支持体上に少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、その上に少なく
とも1層の非感光性親水性コロイド層を有することが望
ましい。
【0105】本発明において、親水性コロイド層は、親
水性コロイドとして、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、
カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類
等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、澱
粉誘導体等の糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラ
ゾール等の単一或いは共重合体の如き多種の親水性ポリ
マーを用いることができる。また、本発明にかかる非感
光性親水性コロイド層は、非感光性のハロゲン化銀乳剤
を有してもよい。
【0106】本発明の効果を顕著に発現させるための一
つの方法として、感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくと
も2層有することが好ましい。これらの乳剤層の感度は
同じでも異なっていてもよい。またこれらの乳剤層は互
いに隣接していてもよいし、それぞれの乳剤層の間に1
層以上の非感光性親水性コロイド層からなる中間層を有
してもよい。
【0107】本発明にかかる黒白ハロゲン化銀写真感光
材料は、乳剤層側の最表面から支持体に最も近い感光性
ハロゲン化銀乳剤層の支持体から遠い方の表面までの乾
燥時の膜厚が2.5〜8μmであることが望ましい。膜
厚は、感光材料をドライカットし、電子顕微鏡で観察す
ることで膜厚を測定できる。
【0108】本発明においては、膜厚は好ましくは、
2.5〜5μmである。
【0109】本発明のハロゲン化銀乳剤層に用いられる
ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は、望ましくは90モ
ル%以上100モル%以下の塩化銀を含むハロゲン化銀
組成である。より好ましくは90モル%以上の塩化銀を
含む塩臭化銀、90モル%以上の塩化銀を含む塩沃臭化
銀又は塩化銀のハロゲン化銀組成からなるハロゲン化銀
乳剤が用いられる。
【0110】ハロゲン化銀の平均粒子サイズは0.6μ
m以下であることが好ましく、特に0.5〜0.05μ
mが好ましい。平均粒径とは、写真科学の分野の専門家
には常用されており、容易に理解される意味で用いられ
ている。粒径とは、粒子が球状又は球に近似できる粒子
の場合には粒子直径を意味する。粒子が立方体である場
合には球に換算し、その球の直径を粒径とする。平均粒
径を求める方法の詳細については、ミース,ジェーム
ス:ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィックプロ
セス(C.E.Mees&T.H.James著:Th
e theoryof the photograph
ic process),第3版,36〜43頁(19
66年(マクミラン「Mcmillan」社刊))を参
照すればよい。
【0111】ハロゲン化銀粒子の形状には制限はなく、
平板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状その
他いずれの形状でもよい。又、粒子サイズ分布は狭い方
が好ましく、特に平均粒子サイズの±40%の粒子サイ
ズ域内に全粒子数の90%、望ましくは95%が入るよ
うな、いわゆる単分散乳剤が好ましい。
【0112】上記の平板状粒子のうち、塩化銀90モル
%以上を有する(100)面を主平面とする平板状粒子
を用いることができ、これらは米国特許第5,264,
337号、第5,314,798号、第5,320,9
58号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を
得ることができる。
【0113】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子を作
製するため可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
形式としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合
せ等のいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の下
において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いる
こともできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン
化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、即
ちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いる
ことができ、この方法によると、結晶形が規則的で粒子
サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0114】本発明においては、ハロゲン化銀粒子は、
VIII族遷移金属及びレニウムから選ばれる金属を少なく
とも1種含有することが望ましい。VIII族遷移金属とし
ては、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム
等があげられるが、好ましくはルテニウム及び/又はオ
スミウムである。ハロゲン化銀1モルあたり10-9モル
から10-3モルの範囲で添加することが好ましい。
【0115】金属化合物を粒子中に添加するときには、
金属にハロゲン、カルボニル、ニトロシル、チオニトロ
シル、アミン、シアン、チオシアン、アンモニア、テル
ロシアン、セレノシアン、ジピリジル、トリピリジル、
フェナンスロリン或いはこれらの化合物を組み合わせて
配位させることができる。金属の酸化状態は、最大の酸
化レベルから最低の酸化レベルまで任意に選択すること
ができる。好ましい配位子としては、特開平2−208
52号、同2−20853号、同2−20854号、同
2−20855号に記載されている6座配位子、アルカ
リ錯塩としては一般的なナトリウム塩、カリウム塩、セ
シウム塩或いは第1、第2、第3級のアミン塩がある。
またアコ錯体の形で遷移金属錯塩を形成することができ
る。これらの例として、例えば、K2〔RuCl6〕、
(NH42〔RuCl6〕、K2〔Ru(NO)Cl
4(SCN)〕、K2〔RuCl5(H2O)〕等のように
表すことができる。Ruの部分をRh、Os及びIrに
置き換えて表すことができる。
【0116】これらの金属はハロゲン化銀粒子形成から
塗布までの間の任意の時に添加できるが、好ましくはハ
ロゲン化銀粒子形成中、物理熟成時及び/又は化学熟成
時である。更に好ましくは、ハロゲン化銀粒子形成中に
添加することが好ましい。添加位置としては粒子中に均
一に分布させる方法、コア・シェル構造にしてコア部に
或いはシェル部に多く局在させる方法がある。
【0117】更に、物理熟成時や化学熟成時に亜鉛、
鉛、タリウム、レニウム、パラジウム、プラチナ等の金
属塩等を共存させることもできる。
【0118】ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法につい
ては、詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(Res
earch Disclosure),176号,17
643,22〜23頁(1978年12月)に記載もし
くは引用された文献に記載されている。
【0119】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されることが
好ましい。化学増感の方法としては硫黄増感、セレン増
感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感法が知られて
おり、これらの何れをも単独で用いても又併用してもよ
い。硫黄増感剤としては、公知の硫黄増感剤が使用でき
るが、好ましい硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含ま
れる硫黄化合物の他、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫
酸塩,チオ尿素類,ローダニン類,ポリスルフィド化合
物等を用いることができる。セレン増感剤としては、公
知のセレン増感剤を用いることができる。例えば米国特
許1,623,499号、特開昭50−71325号、
特開昭60−150046号等に記載された化合物を好
ましく用いることができる。貴金属増感剤としては、金
化合物、白金化合物、パラジウム化合物等を好ましく用
いることができる。その中でも金化合物がより好まし
い。
【0120】これらの化学増感剤を併用する組み合わせ
は、例えば硫黄増感剤と貴金属増感剤の組み合わせ、セ
レン増感剤と貴金属増感剤との組み合わせ、還元増感剤
と貴金属増感剤との組み合わせ等がある。本発明におい
ては、少なくとも1種の金化合物を添加して増感するこ
とが好ましい。
【0121】これらの化学増感剤はハロゲン化銀乳剤の
調製の任意の時期に添加できるが、好ましくは、ハロゲ
ン化銀粒子形成後から塗布までの間に添加される。
【0122】これらの化学増感剤の添加量はそれぞれハ
ロゲン化銀1モルあたり10-9モルから10-3モルの範
囲で添加することが好ましい。
【0123】金化合物を用いる場合は、VIII族遷移金属
とレニウムから選ばれた金属の塩に対し、0.1〜1倍
モル添加することが好ましい。
【0124】本発明においては、感光性ハロゲン化銀乳
剤層の上の非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層
に平均粒径4〜10μmのマット剤を含有することが望
ましい。用いられるマット剤は、定形でも、不定形でも
よい。
【0125】本発明において用いられるマット剤として
は、公知のものをいずれも用いることができる。例えば
スイス特許330,158号に記載のシリカ、仏国特許
1,296,995号に記載のガラス粉、英国特許1,
173,181号に記載のアルカリ土類金属又はカドミ
ウム、亜鉛等の炭酸塩等の無機物粒子;米国特許2,3
22,037号に記載の澱粉、ベルギー特許625,4
51号或いは英国特許981,198号に記載された澱
粉誘導体、特公昭44−3643号に記載のポリビニル
アルコール、スイス特許330,158号に記載された
ポリスチレン或いはポリメチルメタアクリレート、米国
特許3,079,257号に記載のポリアクリロニトリ
ル、米国特許3,022,169号に記載のポリカーボ
ネートのような有機物粒子を含むことができる。
【0126】これらマット剤はそれぞれ単独で用いても
よく、併用してもよい。マット剤の形状は定形のマット
剤としては球形が好ましいが、他の形例えば平板状、立
方形であってもよい。マット剤の大きさはマット剤の体
積を球形に換算したときの直径で表される。本発明にお
いてマット粒径とはこの球形換算した直径の事を指すも
のとする。
【0127】またマット剤の基本的機能を果たすため、
マット剤の一部は表面に露出していることが望ましい。
また表面に露出しているマット剤は添加したマット剤の
一部でもよく、総てでも良い。マット剤は、あらかじめ
塗布液中に分散させて塗布する。
【0128】更には平均粒径4μm未満の定形及び/又
は不定形のマット剤を合わせて含有することもできる。
【0129】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤層側
の少なくとも一層中に固体微粒子状に分散された染料
(以下、染料の固体微粒子分散物ともいう。)を含有し
ていることが好ましい。固体分散微粒子化される染料と
しては、一般式(I)〜(VI)の化合物を用いるのが好
ましい。
【0130】
【化42】
【0131】式中、A及びA′は同一でも異なっていて
もよく、それぞれ酸性核を表し、Bは塩基性核を表し、
Qはアリール基又は複素環基を表し、Q′は複素環基を
表し、X4及びY1は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ電子吸引性基を表し、L1、L2及びL3はそれぞれ
メチン基を表す。m2は0又は1を表し、tは0、1又
は2を表し、p2は0又は1を表す。但し、一般式
(I)〜(VI)で表される染料は、分子中にカルボキシ
基、スルホンアミド基及びスルファモイル基から選ばれ
る基を少なくとも1つ有する。
【0132】一般式(I)、(II)及び(III)のA及
びA′で表される酸性核としては、好ましくは5−ピラ
ゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダ
ニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロ
ン、イソオキサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジン
ジオン、オキサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、
ピラゾロピリドンが挙げられる。
【0133】一般式(III)及び(V)のBで表される
塩基性核としては、好ましくはピリジン、キノリン、オ
キサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾー
ル、チアゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾー
ル、インドレニン、ピロール、インドールが挙げられ
る。
【0134】一般式(I)及び(IV)のQで表されるア
リール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が
挙げられる。また、一般式(I)、(IV)及び(VI)の
Q及びQ′で表される複素環基としては、例えばピリジ
ル基,キノリル基,イソキノリル基,ピロリル基,ピラ
ゾリル基,イミダゾリル基,インドリル基,フリル基,
チエニル基等が挙げられる。該アリール基及び複素環基
は、置換基を有するものを含み、該置換基として好まし
いものは、炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチル
基,エチル基,t−ブチル基,オクチル基,2−ヒドロ
キシエチル基,2−メトキシエチル基等)、ヒドロキシ
基、シアノ基、ハロゲン原子、(例えばフッ素原子,塩
素原子等)、炭素数1から6のアルコキシ基(例えばメ
トキシ基,エトキシ基,2−ヒドロキシエトキシ基,メ
チレンジオキシ基,ブトキシ基等)、置換アミノ基(例
えばジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,ジ(n−ブ
チル)アミノ基,N−エチル−N−ヒドロキシエチルア
ミノ基,N−エチル−N−メタンスルホンアミドエチル
アミノ基,モルホリノ基,ピペリジノ基,ピロリジノ基
等)、カルボキシ基、スルホンアミド基(例えばメタン
スルホンアミド基,ベンゼンスルホンアミド基等)、ス
ルファモイル基(例えばスルファモイル基,メチルスル
ファモイル基,フェニルスルファモイル基等)であり、
これら置換基を組み合わせても良い。
【0135】一般式(IV)及び(V)のX4及びY1で表
される電子吸引性基は、同一でも異なっていてもよく、
置換基定数Hammettのσp値(藤田稔夫編、“化
学の領域増刊122号薬物の構造活性相関”,96〜1
03頁(1979)南江堂等に記載されている。)が
0.3以上の基が好ましく、例えばシアノ基、アルコキ
シカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基,エトキ
シカルボニル基,ブトキシカルボニル基,オクチルオキ
シカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例
えばフェノキシカルボニル基,4−ヒドロキシフェノキ
シカルボニル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイ
ル基,ジメチルカルバモイル基,フェニルカルバモイル
基,4−カルボキシフェニルカルバモイル基等)、アシ
ル基(例えばメチルカルボニル基,エチルカルボニル
基,ブチルカルボニル基,フェニルカルボニル基,4−
エチルスルホンアミドカルボニル基等)、アルキルスル
ホニル基(例えばメチルスルホニル基,エチルスルホニ
ル基,ブチルスルホニル基,オクチルスルホニル基
等)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニ
ル基,4−クロロスルホニル基等)が挙げられる。
【0136】一般式(I)〜(V)のL1、L2及びL3
で表されるメチン基は、置換基を有するものを含み、該
置換基としては例えば炭素数1から6のアルキル基(例
えばメチル基,エチル基,ヘキシル基等)、アリール基
(例えばフェニル基,トリル基,4−ヒドロキシフェニ
ル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基,フェネチ
ル基等)、複素環基(例えばピリジル基,フリル基,チ
エニル基等)、置換アミノ基(例えばジメチルアミノ
基,ジエチルアミノ基,アニリノ基等)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基等)が挙げられる。
【0137】本発明において、一般式(I)〜(VI)で
表される染料の中で、分子中にカルボキシル基を少なく
とも1つ有する染料が好ましく用いられ、更に好ましく
は一般式(I)で表される染料であり、特に好ましくは
一般式(I)においてQがフリル基である染料である。
【0138】好ましく用いられる染料の具体例を下記に
示すが、これらに限定されるものではない。
【0139】
【化43】
【0140】
【化44】
【0141】
【化45】
【0142】一般式(I)〜(VI)で表される化合物の
その他の好ましい具体例としては例えば特願平5−27
7011号19〜30頁に記載のNo.I−1〜No.
I−30、II−1〜II−12、III−1〜III−8、IV−
1〜IV−9、V−1〜V−8、VI−1〜VI−5が挙げら
れるがこれらに限定されるものではない。
【0143】本発明に係わる染料の固体微粒子分散物を
製造する方法としては、特開昭52−92716号、同
55−155350号、同55−155351号、同6
3−197943号、同平3−182743号、世界特
許WO88/04794号等に記載された方法を用いる
ことができる。具体的には、ボールミル,遊星ミル,振
動ミル,サンドミル,ローラーミル,ジェットミル,デ
ィスクインペラーミル等の微分散機を用いて製造するこ
とができる。また、固体微粒子分散される化合物が、比
較的低pHで水不溶性であり比較的高pHで水可溶性で
ある場合、該化合物を弱アルカリ性水溶液に溶解した
後、pHを下げて弱酸性とする事によって微粒子状固体
を析出させる方法や該化合物の弱アルカリ性溶解液と酸
性水溶液を、pHを調整しながら同時に混合して微粒子
状固体を作製する方法によって該化合物の分散物を得る
ことができる。本発明の固体微粒子分散物は、単独で用
いてもよく、2種以上を混合して用いても良く、本発明
以外の固体微粒子分散物と混合して使用しても良い。2
種以上を混合して用いる場合には、それぞれ単独に分散
した後混合してもよく、また、同時に分散することもで
きる。
【0144】本発明に係わる染料の固体微粒子分散物
を、水系分散媒の存在下で製造する場合、分散中ないし
は分散後に、界面活性剤を共存させるのが好ましい。こ
のような界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界
面活性剤のいずれでも使用できるが、好ましくは、例え
ばアルキルスルホン酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸
塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,アルキル硫酸エ
ステル類,スルホコハク酸エステル類,スルホアルキル
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類,N−
アシル−N−アルキルタウリン類等のアニオン性界面活
性剤及び例えばサポニン,アルキレンオキサイド誘導
体、糖のアルキルエステル類等のノニオン性界面活性剤
である。特に好ましくは、上記のアニオン性界面活性剤
である。界面活性剤の具体例としては例えば特願平5−
277011号32〜46頁に記載の1〜32の化合物
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0145】アニオン性活性剤及び/又はノニオン性活
性剤の使用量は、活性剤の種類或いは前記染料の分散液
条件等によって一様ではないが、通常、染料1gあたり
0.1mg〜2000mgでよく、好ましくは0.5m
g〜1000mgでよく、更に好ましくは1mg〜50
0mgでよい。染料の分散液での濃度としては、0.0
1〜10重量%となるように使用され、好ましくは0.
1〜5重量%である。界面活性剤の添加位置は、染料の
分散開始前に添加するのがよくまた、必要によっては分
散終了後に更に染料分散液に添加してもよい。これらア
ニオン性活性剤及び/又はノニオン性活性剤は、それぞ
れ単独で使用してもよく、またそれぞれ2種以上をくみ
あわせてもよく、更に両者の活性剤を組み合わせてもよ
い。
【0146】本発明に係わる染料の固体微粒子分散物
は、平均粒子径が0.01μm〜5μmとなるように分
散することが好ましく、更に好ましくは0.01μm〜
1μmであり、特に好ましくは0.01μm〜0.5μ
mである。また、粒子サイズ分布の変動係数としては、
50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40
%以下であり、特に好ましくは30%以下となる固体微
粒子分散物である。ここで、粒子サイズ分布の変動係数
は、下記の式で表される値である。
【0147】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明の固体微粒子分散物は、分散開始前又は分散終了
後に、写真構成層のバインダーとして用いられる親水性
コロイドを添加することができる。親水性コロイドとし
ては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そのほかに
も例えばフェニルカルバミル化ゼラチン,アシル化ゼラ
チン,フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、ゼラチン
と重合可能なエチレン基を持つモノマーとのグラフトポ
リマー,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシメチ
ルセルロース,セルロース硫酸エステル等のセルロース
誘導体、ポリビニルアルコール、部分酸化されたポリビ
ニルアセテート,ポリアクリルアミド,ポリ−N,N−
ジメチルアクリルアミド,ポリ−N−ビニルピロリド
ン,ポリメタクリル酸等の合成親水性ポリマー、寒天、
アラビアゴム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン等を
用いることができる。これらは、2種以上組み合わせて
使用してよい。本発明の固体微粒子分散物に添加する親
水性コロイドの添加量としては、重量百分率で0.1%
〜12%となるように添加するのが好ましく、更に好ま
しくは0.5%〜8%である。
【0148】本発明の固体微粒子分散物は、写真材料を
構成する層例えば感光性ハロゲン化銀乳剤層、乳剤層上
層、乳剤層下層、保護層、支持体下塗層、バッキング層
等の層に用いることが好ましい。特にハレーション防止
効果を高めるには、支持体と乳剤層の間の層、又は乳剤
層とは反対側の構成層に添加されるのが好ましい。また
特にセーフライト性向上の効果を高めるには、乳剤層の
上側の層に添加されるのが好ましい。
【0149】染料の固体微粒子分散物の好ましい使用量
は、染料の種類、写真感光材料の特性等により一様では
ないが、写真感光材料1m2あたり1mg〜1gであ
り、更に好ましくは5mg〜800mgであり、特に好
ましくは10mg〜500mgである。
【0150】感光材料の塗布乾燥は通常ゼラチンのごと
き親水性コロイドをバインダーとする組成物よりなる塗
布液を支持体に塗布した後、一般に−10〜15℃の乾
球温度を有する低温空気中で冷却凝固せしめ、次いで温
度を高めて塗布層における水分を蒸発除去せしめるので
ある。このときゼラチンと水分の重量比は塗布直後は2
000%前後が普通である。
【0151】感光材料の塗布乾燥は通常ゼラチンのごと
き親水性コロイドをバインダーとする組成物よりなる塗
布液を支持体に塗布した後、一般に−10〜15℃の乾
球温度を有する低温空気中で冷却凝固せしめるが、この
ときマット剤の沈み込みを少なくするためにハロゲン化
銀乳剤層上部に少なくとも2層の親水性コロイド層を設
け、最上層に隣接する下層の親水性コロイド層のゼラチ
ン濃度3.0%以上で、マット剤を含有する最上層親水
性コロイド層よりゼラチン濃度が0.5%以上、更に
1.0%以上の差があることが好ましい。また、ハロゲ
ン化銀乳剤層を含む側の水とバインダーの重量比が20
0%以上における塗布表面湿球温度が20℃以下である
ことが好ましい。更に好ましくは4〜19℃である。
【0152】また乳剤層に含有される銀重量/ゼラチン
重量の比が最も大きい層にヒドラジン誘導体を少なくと
も1種含有することが好ましい。この銀重量/ゼラチン
重量の比が最も大きい層の銀重量がゼラチン重量の1.
5〜10倍であることが好ましい。更にこの銀重量/ゼ
ラチン重量の比が最も大きい層が最も支持体に近い乳剤
層であることが好ましい。
【0153】本発明の感光材料には、感光材料の製造工
程、保存中或いは写真処理中のカブリを防止し、或いは
写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有さ
せることができる。即ちアゾール類、例えばベンゾチア
ゾリウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミ
ダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベン
ズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプ
トベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール
類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール
類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール
類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5
−メルカプトテトラゾール)等;メルカプトピリミジン
類、メルカプトトリアジン類;例えばオキサゾリンチオ
ンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例えばト
リアザインデン類、テトラザインデン類(特に4−ヒド
ロキシ置換−1,3,3a,7−テトラザインデン
類)、ペンタザインデン類等;ベンゼンチオスルホン
酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド
等のようなカブリ防止剤又は安定剤として知られた多く
の化合物を加えることができる。
【0154】本発明の効果を顕著に発現させるための一
つの方法として、少なくとも一層の構成層中に親水性ポ
リマーを含有することが好ましい。好ましい親水性ポリ
マーとしては、でんぷん、葡萄糖、デキストリン、デキ
ストラン、シクロデキストリン、蔗糖、麦芽糖、キサン
タンガム、カラギーナン等が挙げられる。親水性ポリマ
ーの分子量は600から100万まで適宜選択する事が
できる。処理に際して迅速に処理液に溶出するためには
分子量が低い程よいが、低すぎるとフィルムの膜強度を
劣化させるので400以上は必要である。親水性ポリマ
ーを使用するとフィルム擦り傷耐性が劣化するため、無
機のコロイダルシリカ、コロイダル錫、コロイダル亜
鉛、コロイダルチタン、コロイダルイットリウム、コロ
イダルプラセオジウム、ネオジム、ゼオライト、アパタ
イト等を添加することが好ましい。ゼオライトとして
は、アナルサイト、エリオナイト、モルデナイト、シャ
バサイト、グメリナイト、レビナイトが、また合成ゼオ
ライトとして、ゼオライトA,X,Y,L等が挙げられ
る。アパタイトとしてはヒドロキシアパタイト、フッソ
アパタイト、塩素アパタイト等が挙げられる。好ましい
添加量は、親水性バインダー当たり重量で1%から20
0%の割合で添加することができる。上記無機化合物
は、シランカップリング剤で処理する事により乳剤中に
添加しても凝集しにくく、塗布液を安定にすることが出
来る。また、無機化合物によるひび割れを防止すること
ができる。シランカップリング剤として、トリエトキシ
シラノビニル、トリメトキシシラノビニル、トリメトキ
シプロピルメタアクリレート、トリメトキシシラノプロ
ピルグリシジル、1−メルカプト−3−トリエトキシシ
ラノプロパン、1−アミノ−3−トリエトキシシラノプ
ロパン、トリエトキシシラノフェニル、トリエトキシメ
チルシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、
上記無機化合物と一緒に高温処理することにより、単純
混合よりも特性を向上させることができる。混合比は
1:100から100:1の範囲で選択するのがよい。
【0155】本発明の効果を更に顕著に発現させるため
には、ハロゲン化銀写真乳剤層の反対側に少なくとも一
層の親水性コロイド層を有し、その外側に少なくとも一
層の疎水性ポリマー層を有することが好ましい。ここで
は、ハロゲン化銀写真乳剤層の反対側の親水性コロイド
層とは、いわゆるバック層を含む。本発明においては、
バック層の外側に少なくとも一層の疎水性ポリマー層を
有する構成が好ましい。本発明における、疎水性ポリマ
ー層とは疎水性ポリマーをバインダーとする層である。
ポリマー層のバインダーの具体例として、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸
ビニル、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、テトラフルオロエチレン、
ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、天然ゴム等のゴム類、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のエステル、ポリエチレンフタレ
ート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66
等のポリアミド樹脂、セルローストリアセテート等のセ
ルロース樹脂、シリコーン樹脂等の水不溶性ポリマー、
又はこれらの誘導体を挙げることができる。更にポリマ
ー層のバインダーとして、1種類のモノマーから成るホ
モポリマーでも、2種類以上のモノマーから成るコポリ
マーでも良い。特に好ましいバインダーとしては、アル
キルアクリレート又はアルキルメタクリレートとアクリ
ル酸又はメタクリル酸のコポリマー(アクリル酸又はメ
タクリル酸は5モル%以下が好ましい)、スチレン−ブ
タジエンコポリマー、スチレン−ブタジエン−アクリル
酸コポリマー(アクリル酸は5モル%以下が好まし
い)、スチレン−ブタジエン−ジビニルベンゼン−メタ
クリル酸コポリマー(メタクリル酸は5モル%以下が好
ましい)、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸コポリマ
ー(アクリル酸は5モル%以下)、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル−メチルメタクリレート−エチルアクリ
レート−アクリル酸コポリマー(アクリル酸5モル%以
下)、エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート
−アクリル酸コポリマー等である。これらは1種類を単
独で用いてもよいし2種以上を併用して用いてもよい。
【0156】本発明に係る疎水性ポリマー層には、必要
に応じてマット剤、界面活性剤、染料、すべり剤、架橋
剤、増粘剤、UV吸収剤、コロイダルシリカ等の無機微
粒子等の写真用添加剤を添加してもよい。これらの添加
剤についてもリサーチ・ディスクロージャー誌176巻
17646項(1978年12月)の記載等を参考にす
ることができる。
【0157】本発明に係る疎水性ポリマー層を塗設する
方法に特に制限はない。バック層を塗布乾燥した後に、
バック層上にポリマー層を塗布しその後乾燥しても良い
し、バック層と疎水性ポリマー層を同時に塗布し、その
後乾燥してもよい。疎水性ポリマー層はポリマー層のバ
インダーの溶媒に溶解して溶剤系で塗布しても良いし、
バインダーのポリマーの水分散物を用いて、水系で塗布
してもよい。
【0158】これらの層中には、コロイダルシリカ等の
寸法安定のための無機充填物や接着防止のシリカやメタ
クリル酸メチルマット剤、搬送性の制御のためのシリコ
ン系滑り剤或いは剥離剤等を含有させることができる。
バック層にはバッキング染料を含有してもよく、バッキ
ング染料としては、ベンジリデン染料やオキソノール染
料が使用される。これらアルカリ可溶性或いは分解性染
料を微粒子にして固定しておくこともできる。ハレーシ
ョン防止のための濃度としては、各感光性波長で0.1
〜2.0までの濃度であることが好ましい。
【0159】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コ
ロイド層には無機又は有機の硬膜剤を、ゼラチン等の親
水性コロイドの架橋剤として添加される。例えばクロム
塩(クロム明礬、酢酸クロム等)、アルデヒド類(ホル
ムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド
等)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントイン等)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサン等)、活性ビニル化
合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエー
テル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホ
ニル)プロピオンアミド〕等)、活性ハロゲン化合物
(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
等)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、フェノキシム
コクロル酸等)イソオキサゾール類、ジアルデヒド澱
粉、2−クロロ−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチ
ン、カルボキシル基活性化型硬膜剤等を、単独又は組み
合わせて用いることができる。これらの硬膜剤はリサー
チ・ディスクロージャー(Research Disc
losure)176巻17643(1978年12月
発行)第26頁のA〜C項に記載されている。その中で
も好ましくは、カルボキシル基活性型硬膜剤であり、特
開平5−289219号3頁〜5頁に記載の一般式
(1)〜(7)で表される化合物が好ましくそれらの具
体例としては例えば同公報6頁〜14頁に記載のH−1
〜H−39が挙げられる。
【0160】本発明に用いられる感光材料には、その他
の種々の添加剤が用いられる。例えば、減感剤、可塑
剤、滑り剤、現像促進剤、オイル等が挙げられる。
【0161】本発明に用いられる支持体は、透過性、非
透過性どちらのものでもよいが、本発明の目的には、好
ましくは透過性のプラスチック支持体がよい。プラスチ
ック支持体には、ポリエチレン化合物(例えばポリエチ
レンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等)、
トリアセテート化合物(例えばトリアセテートセルロー
ス等)、ポリスチレン化合物等からなる支持体が用いら
れる。その中でも、本発明の効果を著しく発現させるた
めには、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体或いはそれを含む組成物からなる延伸フィルムから
なる支持体(以下、SPSと略す)が特に好ましい。S
PSとは、その構成単位が、シンジオタクチックな立体
規則性をもつSPS単位から構成されているホモポリマ
ーを指すが、少量例えば20モル%以下、好ましくは1
0モル%以下、更に好ましくは5モル%以下の第2成分
によって改質されたSPSも含まれる。第2成分として
は、例えばエチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン等
のオレフィンモノマー、ブタジエン,イソプレン等のジ
エンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモ
ノマーや、メタクリル酸メチル,無水マレイン酸,アク
リロニトリル等の極性ビニルモノマー等を含むものが挙
げられる。一般に有機金属触媒を使用してスチレン又は
その誘導体から適当な反応条件のもとに重合せしめるこ
とによって製造される。シンジオタクチックポリスチレ
ンとは、ラッセミダイアッドでその75%以上、好まし
くは80%以上、又はラセミペンタッドで30%以上、
好ましくは50%以上の立体規則性を有するものであ
る。その場合、第2成分として一般のプラスチック可塑
剤を曲げ弾性率を劣化させない範囲で添加することがで
きるし、このようなことは適切な曲げ弾性率を得るため
に行われる。
【0162】SPSはスチレン又はその誘導体をチタン
化合物及びトリアルキルアルミニウムの縮合生成物の触
媒の存在下で適当な反応温度で重合させることで合成で
きる。これらは、特開昭62−187708号、特開平
1−46912号、同1−178505号に記載された
方法を参考にすることができる。SPSの重合度は特に
制限はないが、1万以上、500万以下のものが好まし
く使用できる。SPSの曲げ弾性率を高くするには、最
適な延伸条件を選択する必要がある。未延伸フィルムの
ガラス転移点より30℃±25℃の点、即ち、120℃
±25℃で先ず縦に3.3±0.3倍に延伸する。次に
同じ温度条件で3.6±0.6倍に横に延伸する。延伸
後の熱処理は230±18℃で行う。熱処理は1段だけ
でなく2段で熱処理すると良い結果が得られる。かくし
て曲げ弾性率が350kg/mm2以上のSPSフィル
ムが製造される。
【0163】このような曲げ弾性率の高いフィルムは、
写真層をそのまま塗設して強固に接着させることは難し
い。その方法について多くの特許や文献があることは、
特開平3−54551号に頁3から4に記載してあるの
で参考にすることができる。
【0164】例えば、表面処理に関しては、コロナ放電
処理することや更に下塗層を塗設することが述べられて
いる。下塗り層として、塩化ビニリデン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げ
られる。
【0165】支持体の厚みとしては好ましくは50〜2
50μm、特に好ましくは70〜200μmである。
【0166】更に支持体の巻き癖、カールを向上させる
には製膜後熱処理をすることが好ましい。最も好ましい
のは製膜後乳剤塗布後の間であるが、乳剤塗布後であっ
てもよい。熱処理の条件は45℃以上ガラス転移温度以
下で1秒から10日の間が好ましい。生産性の点から1
時間以内にすることが好ましい。
【0167】本発明においては、必要に応じて下記に記
載された化合物をハロゲン化銀写真感光材料の構成層中
に含有させることが好ましい。
【0168】(1)増感色素 特開平5−224330号公報(3)頁〔0017〕〜
(13)頁〔0040〕記載の化合物 特開平6−194771号公報(11)頁〔0042〕
〜(22)頁〔0094〕記載の化合物 特開平6−242533号公報(2)頁〔0015〕〜
(8)頁〔0034〕記載の化合物 特開平6−337492号公報(3)頁〔0012〕〜
(34)頁〔0056〕記載の化合物 特開平6−337494号公報(4)頁〔0013〕〜
(14)頁〔0039〕記載の化合物 (2)強色増感剤 特開平6−347938号公報(3)頁〔0011〕〜
(16)頁〔0066〕記載の化合物 (3)テトラゾリウム化合物 特開平6−208188号公報(8)頁〔0059〕〜
(10)頁〔0067〕記載の化合物 (4)ピリジニウム化合物 特開平7−110556号公報(5)頁〔0028〕〜
(29)頁〔0068〕記載の化合物 (5)レドックス化合物 特開平4−245243号公報235(7)頁〜250
(22)頁記載の化合物 前述の添加剤及びその他の公知の添加剤については、例
えばリサーチ・ディスクロージャーNo.17643
(1978年12月)、同No.18716(1979
年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類
と記載箇所を次表に掲載した。
【0169】
【表1】
【0170】本発明に使用する各種写真添加剤は、水溶
液や有機溶媒に溶かして使用してもよいが、水に難溶性
の場合、微粒子結晶状態にして水、ゼラチン、親水性或
いは疎水性ポリマー中に分散させて使用することができ
る。本発明の染料、色素、減感色素、ヒドラジン、レド
ックス化合物、カブリ抑制剤、紫外線吸収剤等を分散す
るには、公知の分散機で分散できる。具体的には、ボー
ルミル、サンドミル、コロイドミル、超音波分散機、高
速インペラー分散機が挙げられる。本発明において分散
されたこれらの写真添加剤は、100μm以下の平均粒
子サイズを有する微粒子であるが、通常0.02〜10
μmの平均微粒子径で使用される。
【0171】分散方法として機械的に高速撹拌する方法
(特開昭58−105141号)、有機溶媒で加熱溶解
してこれを前記した表面活性剤や消泡剤の入ったゼラチ
ン、親水性ポリマーの水溶液中に添加しながら分散して
有機溶媒を除いていく方法(特開昭44−22948
号)、クエン酸,酢酸,硫酸,塩酸,リンゴ酸等の酸に
溶かしたものをpH4.5から7.5のポリマー中に結
晶析出分散する方法(特開昭50−80119号)、水
酸化ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム
等のアルカリに溶かしてpH4.5から7.5のゼラチ
ン等のポリマーに結晶析出分散する方法(特開平2−1
5252号)等を適用することができる。例えば、水に
溶けにくいヒドラジンは特開平2−3033号を参考に
して溶かすことができ、この方法を他の添加剤に適用す
ることができる。また、カルボキシル基を有する染料や
増感色素、抑制剤等はカルボキシル基のキレート能力を
活かして微粒子結晶の固定化率を上げることができる。
即ち、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等を20
0から4000ppm親水性コロイド層中に添加するこ
とにより難溶性の塩にすることが好ましい。難溶性の塩
を形成することができれば他の塩を使用することを限定
するものではない。写真添加剤の微粒子分散方法は、増
感剤、染料、抑制剤、促進剤、硬調化剤、硬調化助剤等
に適用することはその化学的物理的性質に合わせて任意
にできる。
【0172】本発明の2層から10層の複数の構成層を
1分当たり30から1000メートルの高速で同時塗布
するには米国特許第3,636,374号,同3,50
8,947号記載の公知のスライドホッパー式、或いは
カーテン塗布を使用することができる。塗布時のムラを
少なくするには、塗布液の表面張力を下げることや、剪
断力により粘度が低下するチキソトロピック性を付与で
きる前記親水性ポリマーを使用することが好ましい。
【0173】本発明における感光材料にはクロスオーバ
ーカット層や帯電防止層、アンチハレーション層、バッ
クコート層を設けても良い。
【0174】本発明の写真要素からなる写真感光材料を
包装する方法として公知の方法を使用する。
【0175】ハロゲン化銀写真感光材料は熱、湿度に弱
いので過酷な条件で保存することは避けるのが好まし
い。一般的には、5℃から30℃に保存するのが良い。
湿度は相対湿度で35%から60%の間にするのがよ
い。湿度から守るために1〜2000μのポリエチレン
に包装することが一般に行われている。ポリエチレン
は、メタロセン触媒を使用することにより結晶の規則性
を向上させることにより水分の透過を抑制させることが
できる。また、ポリエチレンの表面を0.1〜1000
μの厚さでシリカ蒸着被覆することにより水分透過を抑
制することができる。
【0176】本発明においては、固体処理剤から調製さ
れた現像補充液を用いて処理されることが好ましい。
【0177】本発明でいう固体処理剤とは、粉末処理剤
や錠剤、丸薬、顆粒の如き固体処理剤等であり、必要に
応じ防湿加工を施したものである。ペーストやスラリー
状は半液状で保存安定性に劣り、又輸送上の危険をとも
ない規制を受けるような形状のものを除くものであり、
これらは本発明の固体処理剤には含まれない。
【0178】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のこ
とをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定
の形状に圧縮成型したもののことを言う。
【0179】上記固体処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高くしかも取扱い性が簡単であることから好
ましく用いられる。
【0180】写真処理剤を固体化するには、濃厚液又は
微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型
化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤
を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手
段が採用できる。
【0181】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0182】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μm
のものを用いることが好ましく、より好ましくは200
〜750μmである。更に粒度分布は造粒物粒子の60
%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが好
ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公知
の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロータ
リー式打錠機、プリケッティングマシンを用いることが
出来る。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の形
状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点
から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題か
らは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0183】更に好ましくは造粒時、各成分毎例えばア
ルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによっ
て更に上記効果が顕著になる。
【0184】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51−61837号、同54−155038号、同52
−88025号、英国特許1,213,808号等の明
細書に記載される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処
理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−1
09043号、同3−39735号及び同3−3973
9号等の明細書に記載される一般的な方法で製造でき
る。更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−13
3332号、英国特許725,892号、同729,8
62号及びドイツ特許3,733,861号等の明細書
に記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0185】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g
/cm3より大きいと得られる固体物の強度の点で、
2.5g/cm3より小さいと得られる固体物の溶解性
の点でより好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である
場合嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが好
ましい。
【0186】本発明に用いられる固体処理剤は、少なく
とも現像剤及び定着剤に用いられるが、その他のリンス
剤等のその他の写真用処理剤に用いることができる。ま
た液体危険物の規制を除外できるのは現像剤、定着剤で
ある。
【0187】本発明の実施態様からすれば全処理剤が固
体処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も現像剤を固体化することが好ましい。即ち現像剤成分
には相互に化学的反応を起こす成分が多数含まれ、又有
害成分も含まれていることから本発明の効果が最も顕著
に表われる。更に好ましくは現像剤以外に定着剤が固体
処理剤化されていることである。これらは従来から液体
分包キットで輸送上の危険が問題視されているものであ
る。
【0188】本発明に用いられる固体処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されている
ことである。各成分は別々の固体処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0189】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固体処理剤の好ましい実施態様である。又
2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら複数
の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0190】本発明の固体処理剤の包装体としては、ポ
リエチレン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプ
ロピレン(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ビニロン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、その他のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニ
トリルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂
(特開昭63−63037号に記載のポリマー、特開昭
57−32952号記載のポリマー)のような合成樹脂
素材や、パルプが挙げられる。
【0191】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよ
い。
【0192】更には、例えば上記の合成樹脂フィルムの
間にアルミ箔又はアルミ蒸着合成樹脂を使用する等、各
種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0193】また、固体処理剤の保存性やステイン発生
防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml
/m224hr・atm以下(20℃65%RHで)、
より好ましくは30ml/m224hr・atm以下で
あることが好ましい。
【0194】これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計
は、1〜3000μm、より好ましくは10〜2000
μm、更に好ましくは50〜1000μmであることが
好ましい。
【0195】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)
樹脂膜であってもよい。
【0196】処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包
装又は結着ないしは被覆する場合、水溶性フィルムない
し結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロー
ス系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリビ
ニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、
プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ
酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボ
キシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オ
キサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材からな
るフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、これらの
中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系の
ものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ましく用
いられる。
【0197】上記水溶性フィルムの膜厚は固体処理剤の
保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機
内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好まし
く用いられ、特に15〜80μmのものが好ましく、と
りわけ特に20〜60μmのものが好ましく用いられ
る。
【0198】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏
するためである。
【0199】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.
5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に
1×106〜25×106kg/m2が好ましく、とり
わけ特に1.5×106〜10×106kg/m2が好
ましい。これら引張り強度はJIS Z−1521に記
載される方法で計測される。
【0200】また水溶性フィルムないし結着剤で包装又
は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び
取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の
湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接
触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていること
が好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜15
0μmのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのよ
うなポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果
を持ち得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グ
ラシン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属
箔、金属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一
つであることが好ましく、また、これらを用いた複合材
料であってもよい。
【0201】又、本発明の実施においては、防湿包装材
が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラ
スチックのものを用いることも好ましい。
【0202】前記生分解性プラスチックは、天然高分子
からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性のよい合
成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の配
合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で励
起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙
げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と
生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使
用できる。
【0203】これらの具体的代表例をそれぞれ挙げる
と、以下のようになる。
【0204】生分解性プラスチックとしては、 天然高分子 多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポ
リアミノ酸、或いはその修飾体等 微生物産出ポリマー PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒド
ロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Bio
pol」、微生物産出セルロース等 生分解性のよい合成ポリマー ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、或いは
それらの共重合物ないし混合物 プラスチックへの生分解性天然高分子の配合 生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロ
ースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与した
もの 光分解性プラスチックとしては、 光崩壊性のためのカルボニル基の導入等 更に崩壊促進のために紫外線吸収剤が添加されることも
ある。
【0205】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁
(1990年)、「機能材料」1990年7月号第23
〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。ま
た、Biopol(バイオポール)(ICI社製)、E
co(エコ)(Union Carbide社製)、E
colite(エコライト)(Eco Plastic
社製)、Ecostar(エコスター)(St.Law
rence Starch社製)、ナックルP(日本ユ
ニカー社製)等の市販されている分解性プラスチックを
使用することができる。
【0206】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m224hr以下のものであり、よ
り好ましくは5g・mm/m224hr以下のものであ
る。
【0207】本発明による黒白ハロゲン化銀写真感光材
料は、現像液及び/又は現像補充液の少なくとも1種が
アスコルビン酸又はその誘導体を含むことが好ましい。
アスコルビン酸又はその誘導体としては、下記一般式
(A)で表される化合物が好ましい。
【0208】
【化46】
【0209】上記一般式(A)で示される化合物におい
て、R1とR2が互いに結合して環を形成した下記一般式
(A−a)で示される化合物が好ましい。
【0210】
【化47】
【0211】一般式(A−a)において、R3は水素原
子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のア
リール基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は非置換
のアルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アミド
基、スルホンアミド基を表し、Y1はO又はSを表し、
2はO、S又はNR4を表す。R4は置換又は無置換の
アルキル基、置換又は無置換のアリール基を表す。
1、M2は各々、水素原子又はアルカリ金属原子を表
す。
【0212】上記アルキル基の置換基の例としては、ハ
ロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、
炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフ
チル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル基、キノリジニル基、N,N′−ジエ
チルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭素数1〜2
0のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基
等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェ
ノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキシ基
(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のアルキ
ニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複素環
オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜26
のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプチル
アミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基(アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基等)等があげられる。
【0213】上記アミノ基の置換基の例としては、ハロ
ゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、炭
素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチ
ル基等)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、イソプロ
ピル基、ドデシル基等)、複素環基(例えば2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル基、
N,N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基
等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ
基、エトキシ基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ
基(例えばフェノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケ
ニルオキシ基(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜
20のアルキニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基
等)、複素環オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭
素数1〜20のアシル基(例えばアセチル基、ヘプチル
基、プロピオニル基等)等があげられる。
【0214】上記アルキルチオ基の置換基の例として
は、ハロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシ
ル基、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル
基、ナフチル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル基、N,
N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭
素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例え
ばフェノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキ
シ基(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のア
ルキニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複
素環オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜
26のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基
(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基等)等があげられる。
【0215】上記アリール基の置換基の例としては、ハ
ロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、
炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、ブチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基、ド
デシル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジル基、キノリジニル基、N,N′−ジ
エチルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭素数1〜
20のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基
等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェ
ノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキシ基
(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のアルキ
ニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複素環
オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜26
のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプチル
アミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基(アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基等)等があげられる。
【0216】上記アルコキシ基の置換基の例としては、
ハロゲン原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル
基、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、
ナフチル基等)、炭素数1〜20のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、イ
ソプロピル基、ドデシル基等)、複素環基(例えば2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル
基、N,N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基
等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェ
ノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキシ基
(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のアルキ
ニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複素環
オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜26
のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプチル
アミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基(アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基等)等があげられる。
【0217】上記スルホ基、カルボキシル基、アミド
基、スルホンアミド基の置換基の例としては、ハロゲン
原子(例えばCl、Br等)、ヒドロキシル基、アルカ
リ金属基(例えばナトリウム、カリウム等)、炭素数6
〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基
等)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル
基、ドデシル基等)、複素環基(例えば2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル基、キノリジニル基、N,
N′−ジエチルピラゾリジニル基、ピリジル基等)、炭
素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例え
ばフェノキシ基等)、炭素数1〜20のアルケニルオキ
シ基(例えばアリルオキシ基等)、炭素数1〜20のア
ルキニルオキシ基(例えばプロパギルオキシ基等)、複
素環オキシ基(例えばピリジルオキシ基)、炭素数1〜
26のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アミノ基
(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基等)等があげられる。
【0218】次に前記一般式(A)又は一般式(A−
a)で表される化合物例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0219】一般式(A)
【0220】
【化48】
【0221】
【化49】
【0222】一般式(A−a)
【0223】
【化50】
【0224】
【化51】
【0225】
【化52】
【0226】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸或いはエリソルビン酸又はそれらから誘導される誘
導体であり、市販品として入手できるか或いは容易に公
知の合成法により合成することができる。
【0227】本発明において、アスコルビン酸又はその
誘導体は、現像補充剤、定着補充剤、安定化補充剤等の
いずれの処理剤に添加されても良いが、好ましくは現像
補充剤に含有される。
【0228】本発明においては、現像液及び/又は現像
補充剤には、現像主薬(ハイドロキノン、クロロハイド
ロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノ
スルホン酸カリウム等のジヒドロキシベンゼン類、1−
フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチ
ル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチ
ル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4
−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の
3−ピラゾリドン類、N−メチル−p−アミノフェノー
ル等のアミノフェノール類等或いはこれらの混合物)、
アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)及
びpH緩衝剤(例えば炭酸塩、燐酸塩、硼酸塩、硼酸、
酢酸、枸櫞酸、アルカノールアミン等)が添加されるこ
とが好ましい。pH緩衝剤としては、炭酸塩が好まし
く、その添加量は1リットル当たり0.5モル以上2.
5モル以下が好ましく、更に好ましくは、0.75モル
以上1.5モル以下の範囲である。また、必要により溶
解助剤(例えばポリエチレングリコール類、それらのエ
ステル、アルカノールアミン等)、増感剤、界面活性
剤、消泡剤、カブリ防止剤(例えば臭化カリウム、臭化
ナトリウムの如きハロゲン化物、ニトロベンズインダゾ
ール、ニトロベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾチアゾール、テトラゾール類、チアゾール類
等)、キレート化剤(例えばエチレンジアミン四酢酸又
はそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩
等)、現像促進剤(例えば米国特許2,304,025
号、特公昭47−45541号に記載の化合物等)、硬
膜剤(例えばグルタルアルデヒド又は、その重亜硫酸塩
付加物等)、或いは消泡剤等を添加することができる。
【0229】本発明においては、現像液及び/又は現像
補充剤に銀スラッジ防止剤が含有されることが好まし
い。銀スラッジ防止剤としては様々なものが知られてい
るが、好ましくは下記一般式(S)であらわされる化合
物が含有されることが好ましい。
【0230】一般式(S) Z1−SM1 式中、Z1は、アルキル基、芳香族基又は複素環基であ
って、ヒドロキシル基、−SO32基、−COOM2
(M2は水素原子、アルカリ金属原子又は置換もしくは
無置換のアンモニウムイオンを表す)、置換もしくは無
置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアンモニオ基か
らなる群から選ばれる少なくとも一つ又は、この群より
選ばれる少なくとも一つを有する置換基によって置換さ
れたものを表す。M1は水素原子、アルカリ金属原子又
は置換もしくは無置換のアミジノ基(ハロゲン化水素酸
又はスルホン酸と塩を形成していてもよい)を表す。
【0231】Z1で表されるアルキル基は、好ましくは
炭素数1〜30、特に炭素数2〜20の直鎖、分岐又は
環状のアルキル基であり、上記の置換基の他に置換基を
有してもよい。Z1で表される芳香族基は、好ましくは
炭素数6〜32の単環又は縮合環のものであり、上記の
置換基の他に置換基を有してもよい。Z1で表される複
素環基は、好ましくは炭素数1〜32の単環又は縮合環
であり、窒素、酸素、硫黄の中から独立に選ばれるヘテ
ロ原子を一つの環中に1〜6個有する5又は6員環であ
り、上記の他に置換基を有してもよい。ただし、複素環
基がテトラゾールの場合、置換基として置換又は無置換
のナフチル基を有することはない。
【0232】上記アンモニオ基としては好ましくは炭素
数20以下であり、置換基としては、置換もしくは無置
換の直鎖、分岐又は環状のアルキル基(メチル、エチ
ル、ベンジル、エトキシプロピル、シクロヘキシル基
等)、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基を表
す。
【0233】一般式(S)で表される化合物の内、好ま
しくはZ1が2個以上の窒素原子を有する複素環基であ
る化合物である。
【0234】更に一般式(S)で表される化合物のう
ち、更に好ましいものは下記一般式(S−a)で表され
る化合物である。
【0235】
【化53】
【0236】式中、Zは窒素原子を有する不飽和の5員
又は6員複素環(ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン環等)を形成す
るのに必要な基を表し、R11及びR12は各々、水素原
子、−SM1基、ハロゲン原子、アルキル基(置換基を
有するものを含む)、アルコキシ基(置換基を有するも
のを含む)、ヒドロキシル基、−COOM2基、−SO3
2基、アルケニル基(置換基を有するものを含む)、
アミノ基(置換基を有するものを含む)、カルバモイル
基(置換基を有するものを含む)、フェニル基(置換基
を有するものを含む)を表し、R11とR12で環を形成し
てもよい。形成できる環としては、5員環又は6員環で
あり、好ましくは含窒素ヘテロ環である。
【0237】一般式(S−a)は少なくとも一つの−S
1基又はチオン基を有する化合物であって、かつヒド
ロキシル基、−COOM2基、−SO32基、置換もし
くは無置換のアミノ又は、置換もしくは無置換のアンモ
ニオ基からなる群から選ばれた少なくとも一つの置換基
を有する。M1及びM2は、それぞれ前記一般式(S)で
表される化合物で定義されたM1及びM2と同義である。
【0238】好ましくはZは二つ以上の窒素原子を含む
複素環化合物を形成する基であり、前記−SM1基又は
チオン基以外の置換基を有してもよく、該置換基とし
て、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素)、低級アルキル
基(置換基を有するものを含む。メチル、エチル等の炭
素数5以下のものが好ましい)、低級アルコキシ基(置
換基を有するものを含む。メトキシ、エトキシ、ブトキ
シ等の炭素数5以下のものが好ましい)、低級アルケニ
ル基(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のもの
が好ましい)、カルバモイル基、フェニル基等が挙げら
れる。
【0239】一般式(S−a)において、次の一般式A
からFで表される化合物が特に好ましい。
【0240】
【化54】
【0241】式中、各々R21、R22、R23及びR24は各
々、水素原子、−SM1基、ハロゲン原子、低級アルキ
ル基(置換基を有するものを含む。メチル、エチル等の
炭素数5以下のものが好ましい)、低級アルコキシ基
(置換基を有するものを含む。炭素数5以下のものが好
ましい)、ヒドロキシル基、−COOM2、−SO33
基、低級アルケニル基(置換基を有するものを含む。炭
素数5以下のものが好ましい。)、アミノ基、カルバモ
イル基又はフェニル基であり、少なくとも一つは−SM
1基である。M1、M2及びM3は各々、水素原子、アルカ
リ金属原子又はアンモニウム基を表し、同じであっても
異なってもよい。特に、−SM1以外の置換基として
は、ヒドロキシル基、−COOM2、−SO33基、ア
ミノ基等の水溶性基を持つことが好ましい。R21
22、R23、R24で表されるアミノ基は、置換又は非置
換のアミノ基を表し、好ましい置換基としては低級アル
キル基である。アンモニウム基としては置換又は非置換
のアンモニウム基であり、好ましくは非置換のアンモニ
ウム基である。
【0242】以下に一般式(S)で表される銀スラッジ
防止剤の代表的化合物例を示すが、本発明はこれらに限
定されない。
【0243】
【化55】
【0244】
【化56】
【0245】
【化57】
【0246】
【化58】
【0247】
【化59】
【0248】
【化60】
【0249】一般式(S)で表される化合物の使用量
は、現像液1リットル中に10-6〜10-1モルであるこ
とが好ましく、更には10-5〜10-2モルであることが
好ましい。
【0250】本発明の目的を達成するためには、現像液
のpHは9以上11未満に調整される。更に好ましく
は、pH9.3以上10.8以下である。
【0251】定着液及び/又は定着補充剤としては一般
に用いられる組成のものを用いることができる。定着剤
としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チ
オ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩、チオシアン酸ナト
リウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニ
ウム等のチオシアン酸塩の他、可溶性安定銀錯塩を生成
し得る有機硫黄化合物で定着剤として知られているもの
を用いることができる。
【0252】定着液及び/又は定着補充剤には、硬膜剤
として作用する水溶性アルミニウム塩、例えば塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、アルデヒド化
合物(例えば、グルタルアルデヒドやグルタルアルデヒ
ドの亜硫酸付加物等)等を加えることができる。
【0253】定着液及び/又は定着補充剤には、所望に
より、保恒剤(例えば亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩
衡剤(例えば酢酸、クエン酸)、pH調整剤(例えば硫
酸)、硬水軟化能のあるキレート剤等の化合物を含むこ
とができる。
【0254】定着補充剤は固体処理剤からなることが好
ましく、更に定着補充剤としては必要な成分を全て含ん
だ1剤であることが好ましく、特に硬膜剤を含んだ顆粒
剤であることが好ましい。
【0255】定着液のpHは3以上8未満であることが
好ましい。
【0256】定着処理後、水洗及び/又は安定化浴で処
理される。安定化浴としては、画像を安定化させる目的
で、膜pHを調整(処理後の膜面pHを3〜8に)する
ための無機及び有機の酸及びその塩、又はアルカリ剤及
びその塩(例えばほう酸塩、メタほう酸塩、ホウ砂、リ
ン酸塩、炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
アンモニア水、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ポリカ
ルボン酸、くえん酸、蓚酸、リンゴ酸、酢酸等を組み合
わせて使用)、アルデヒド類(例えばホルマリン、グリ
オキザール、グルタルアルデヒド等)、キレート剤(例
えばエチレンジアミン四酢酸又はそのアルカリ金属塩、
ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、防バイ剤(例えば
フェノール、4−クロロフェノール、クレゾール、o−
フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロフェン、
ホルムアルデヒド、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、
2−(4−チアゾリン)−ベンゾイミダゾール、ベンゾ
イソチアゾリン−3−オン、ドデシル−ベンジル−メチ
ルアンモニウム−クロライド、N−(フルオロジクロロ
メチルチオ)フタルイミド、2,4,4′−トリクロロ
−2′−ハイドロオキシジフェニルエーテル等)、色調
調整剤及び/又は残色改良剤(例えばメルカプト基を置
換基として有する含窒素ヘテロ環化合物;具体的には2
−メルカプト−5−スルホン酸ナトリウム−ベンズイミ
ダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾー
ル、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプト
−5−プロピル−1,3,4−トリアゾール、2−メル
カプトヒポキサンチン等)を含有させる。その中でも安
定化浴中には防バイ剤が含まれることが好ましい。これ
らは、液状でも固体状で補充されてもよい。
【0257】廃液量の低減の要望から、現像補充量は1
2当たり30ml以上200ml以下であることが好
ましく、より好ましくはそれぞれ1m2当たり30〜1
90mlである。ここでいう現像補充量とは、補充され
る量を示す。具体的には、顆粒現像補充剤を水で溶解し
た液の容積である。
【0258】現像補充液及び定着補充液はそれぞれ自動
現像機のタンク内の現像開始液及び定着開始液と同じ液
でも、異なった液でも良い。
【0259】現像開始液及び定着開始液は、顆粒処理剤
から調製されてもよく、液体濃縮液から調製されたもの
でもよく、また使用液状態になっている液を使用しても
よい。
【0260】現像、定着、水洗及び/又は安定化浴の温
度は10〜45℃の間であることが好ましく、それぞれ
が別々に温度調整されていてもよい。
【0261】本発明は現像時間短縮の要望から自動現像
機を用いて処理する時にフィルム先端が自動現像機に挿
入されてから乾燥ゾーンから出て来るまでの全処理時間
(Dry to Dry)が60秒以下10秒以上であ
ることが好ましい。ここでいう全処理時間とは、黒白感
光材料を処理するのに必要な全工程時間を含み、具体的
には処理に必要な、例えば現像、定着、漂白、水洗、安
定化処理、乾燥等の工程の時間を全て含んだ時間、つま
りDry to Dryの時間である。全処理時間が1
0秒未満では減感、軟調化等で満足な写真性能が得られ
ない。更に好ましくは全処理時間(Dry to Dr
y)が15〜45秒である。また、100m2以上の大
量の感光材料を安定にランニング処理するためには、現
像時間は22秒以下2秒以上であることが好ましい。
【0262】本発明の効果を顕著に発現させるために
は、自動現像機には60℃以上の伝熱体(例えば60℃
〜130℃のヒートローラー等)或いは150℃以上の
輻射物体(例えばタングステン、炭素、ニクロム、酸化
ジルコニウム・酸化イットリウム・酸化トリウムの混合
物、炭化ケイ素等に直接電流を通して発熱放射させた
り、抵抗発熱体から熱エネルギーを銅、ステンレス、ニ
ッケル、各種セラミック等の放射体に伝達させて発熱さ
せたりして赤外線を放出するもの)で乾燥するゾーンを
持つものが好ましく用いられる。
【0263】用いられる60℃以上の伝熱体としては、
ヒートローラーが例として挙げられる。ヒートローラー
はアルミ製の中空とされたローラーの外周部がシリコン
ゴム、ポリウレタン、テフロンによって被覆されている
ことが好ましい。このヒートローラーの両端部は、耐熱
性樹脂(例えば商品名ルーロン)の軸受によって乾燥部
の搬送口近傍内側に配設され側壁に回転自在に軸支され
ていることが好ましい。
【0264】また、ヒートローラーの一方の端部にはギ
アが固着されており、駆動手段及び駆動伝達手段によっ
て搬送方向に回転されることが好ましい。ヒートローラ
ーのローラー内には、ハロゲンヒーターが挿入されてお
り、このハロゲンヒーターは自動現像機に配設された温
度コントローラーに接続されていることが好ましい。
【0265】また、温度コントローラーには、ヒートロ
ーラーの外周面に接触配置されたサーミスタが接続され
ており、温度コントローラーはサーミスタからの検出温
度が60℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃と
なるように、ハロゲンヒーターをオンオフ制御するよう
になっていることが好ましい。
【0266】150℃以上の放射温度を発する輻射物体
としては以下の例が挙げられる。(好ましくは250℃
以上が良い)タングステン、炭素、タンタル、ニクロ
ム、酸化ジルコニウム・酸化イットリウム・酸化トリウ
ムの混合物、炭化ケイ素、二ケイ化モリブデン、クロム
酸ランタンに直接電流を通して発熱放射させて放射温度
を制御するか、抵抗発熱体から熱エネルギーを放射体に
伝達させて制御する方法があるが、放射体例として銅、
ステンレス、ニッケル、各種セラミックス等が挙げられ
る。
【0267】本発明では60℃以上の伝熱体と150℃
以上の反射温度の輻射物体を組み合わせてもよい。又、
従来のような60℃以下の温風を組み合わせてもよい。
【0268】また、本発明には下記に記載された方法及
び機構を有する自動現像機を好ましく用いることができ
る。
【0269】(1)脱臭装置:特開昭64−37560
号544(2)頁左上欄〜545(3)頁左上欄。
【0270】(2)水洗水再生浄化剤及び装置:特開平
6−250352号(3)頁「0011」〜(8)頁
「0058」 (3)廃液処理方法:特開平2−64638号388
(2)頁左下欄〜391(5)頁左下欄 (4)現像浴と定着浴の間のリンス浴:特開平4−31
3749号(18)頁「0054」〜(21)頁「00
65」 (5)水補充方法:特開平1−281446号250
(2)頁左下欄〜右下欄 (6)外気温度湿度検出して自動現像機の乾燥風を制御
する方法:特開平1−315745号496(2)頁右
下欄〜501(7)頁右下欄及び特開平2−10805
1号588(2)頁左下欄〜589(3)頁左下欄 (7)定着廃液の銀回収方法:特開平6−27623号
報(4)頁「0012」〜(7)頁「0071」。
【0271】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0272】実施例1 (ハロゲン化銀乳剤Aの調製)同時混合法を用いて電位
を90mVにコントロールすることにより塩化銀100
モル%からなる平均粒径0.12μmの塩化銀コア粒子
を調製した。コア粒子混合時にK2RuCl5(NO)を
銀1モルあたり5×10-5モル添加した。このコア粒子
に、同時混合法を用いて電位を90mVにコントロール
することにより塩化銀100モル%からなるシェルを付
けた。その際K2RuCl5(NO)を銀1モルあたり
7.5×10-5モル添加した。得られた乳剤は平均粒径
0.15μmのコア/シェル型単分散(変動係数10
%)の塩化銀粒子の乳剤であった。ついで特開平2−2
80139号に記載の変性ゼラチン(ゼラチン中のアミ
ノ基をフェニルカルバミルで置換したもので例えば特開
平2−280139号287(3)頁の例示化合物G−
8)を使い脱塩した。また、脱塩工程の前に4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ンを銀1モルあたり1×10-3モル添加した(以下、特
に記載がない場合は、銀1モル当たりの量とする)。脱
塩後のEAgは50℃で190mVであった。
【0273】得られた乳剤に4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンを1×10-3
モル添加し更に臭化カリウム及びクエン酸を添加してp
H5.6、EAg123mVに調整して、塩化金酸を1
×10-5モル添加した後に無機硫黄を3×10-6モル、
ジフェニルペンタフロロフェニルセレナイドを2×10
-6モル添加して温度60℃で60分間化学熟成を行っ
た。熟成終了後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデンを2×10-3モル、1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾールを3×10-4モル
及びゼラチンを添加した。この乳剤を温度を下げてセッ
トさせた。
【0274】下記支持体の一方の下塗層上に第1乳剤
層、第2乳剤層、保護層下層、保護層上層を順次単位m
2当たり下記量になるよう、塗布速度が毎分250mで
カーテン塗布方式により同時重層塗布した。
【0275】また反対側の下塗層上には下記組成の帯電
防止層を形成した後に、バッキング層、疎水性ポリマー
層、バッキング保護層を順次単位m2当たり下記の量に
なるように同時重層塗布することで試料を得た。
【0276】(支持体、下塗層)2軸延伸したポリエチ
レンテレフタレート支持体(厚み100μm)の両面に
30W/(m2・min)のコロナ放電した後、下記組
成の下塗層を両面塗布し、100℃で1分間乾燥した。
【0277】 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(25)−ブチルアクリレート (30)−t−ブチルアクリレート(25)−スチレン(20) 共重合体(数字は重量比) 1.5g/m 界面活性剤A 10mg/m2 ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 15mg/m2 (帯電防止層)下塗層を施したポリエチレンテレフタレ
ート支持体に10W/(m2・min)のコロナ放電し
た後、片面に下記組成の帯電防止層を70m/minの
速さでロールフィットコーティングパン及びエアーナイ
フを使用して塗布し、90℃で2分間乾燥し、140℃
で90秒間熱処理した。
【0278】 水溶性導電性ポリマーB 0.6g/m2 疎水性ポリマー粒子C 0.4g/m2 エチレンオキサイド化合物D 0.1g/m2 硬化剤E 0.2g/m2 (第1乳剤層組成) 乳剤A (塗布銀量)1.5g/m2 ゼラチン 0.3g/m2になる量 N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム塩 35mg/m2 化合物F 10mg/m2 ヒドラジン誘導体(H−13) 50mg/m2 造核促進剤:アミン化合物(Na−3) 20mg/m2 造核促進剤:オニウム塩化合物(P−60) 20mg/m2 塩化金酸 0.1mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 50mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合体の親水性ポリマー 20mg/m2 化合物S(ソジウム−イソ−アミル−n−デシルスルホサクシネート) 5mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 10mg/m2 ポリマーラテックス 0.3g/m2 (第2乳剤層組成) 乳剤A (塗布銀量)0.8g/m2 ゼラチン 1g/m2 N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム塩 35mg/m2 造核促進剤:アミン化合物(Na−22) 20mg/m2 造核促進剤:オニウム塩化合物(P−62) 20mg/m2 化合物I 10mg/m2 アデニン 20mg/m2 化合物J 10mg/m2 化合物U 30mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 100mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 20mg/m2 化合物S 5mg/m2 ポリマーラテックス 0.3mg/m2 (保護層下層組成) ゼラチン 0.8mg/m2 ハイドロキノン 50mg/m2 ポリマーラテックス 0.3mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 100mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 11mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合体の親水性ポリマー 20mg/m2 化合物S 12mg/m2 染料Oの固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 30mg/m2 染料Gの固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 30mg/m2 (保護層上層組成) ゼラチン 0.8mg/m2 水溶性染料N 30mg/m2 マット剤:不定形シリカ(平均粒径1.63μm) 15.0mg/m2 マット剤:不定形シリカ(平均粒径 表2に示す) 21.0mg/m2 クエン酸 4.5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸Na 11.0mg/m 硬膜剤T 5mg/全層ゼラチン1g 界面活性剤M 1mg/m2 化合物S 12mg/m2 ポリマーラテックス 0.3mg/m2 (バッキング層組成) ゼラチン 0.8mg/m2 化合物S 5mg/m2 ラテックスポリマーK 0.3g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 70mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 硬膜剤E 10mg/m2 (疎水性ポリマー層組成) ラテックス(メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3) 1.0g/m2 硬膜剤L 6mg/m2 (バッキング保護層組成) ゼラチン 0.5g/m2 水溶性染料Q 160mg/m2 水溶性染料R 30mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合体の親水性ポリマー 20mg/m2 マット剤 平均粒径5μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム−ジ−(2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 10mg/m2 界面活性剤M 50mg/m2 H(OCH2CH268OH 50mg/m2 硬膜剤T 20mg/m2 上記で用いた化合物の構造を下記に示す。
【0279】
【化61】
【0280】
【化62】
【0281】
【化63】
【0282】
【化64】
【0283】なお塗布乾燥後のバッキング側の表面比抵
抗値は23℃20%RHで6×1011で、乳剤側の表面
の膜面pHは5.5であった。
【0284】(染料の固体微粒子分散物の作製)本発明
の実施例において、染料は以下の方法に従って調製され
た固体微粒子分散物を使用した。
【0285】60mlのスクリューキャップ容器に、水
21.7ml及び界面活性剤としてTriton X−
200(Rohm&Haas社製)の6.7%溶液30
mlを入れ、この容器に乳鉢にて粉末化した染料として
表される化合物1.0g、及び界面活性剤を入れ、酸化
ジルコニウムビーズ(2mm径)40mlを添加した。
キャップを閉めてボールミルに置き、室温で所望の粒径
になるまで分散したのち、12.5%ゼラチン水溶液
8.0gを加えてよく混合し、酸化ジルコニウムビーズ
を濾過して除き固体微粒子分散物を得た。
【0286】(処理液処方) 現像開始液(HAD−S)(使用液1リットル分) ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 1.45g 亜硫酸カリウム 31.8g 亜硫酸ナトリウム 42.6g KBr 2.67g H3BO3 8g 炭酸カリウム 112.2g 2−メルカプトアデニン 0.07g ジエチレングリコール 40g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.03g ジメゾンS(1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチルピラゾリドン 0.85g ハイドロキノン 20g 一般式(A)の化合物A−39 5.5g 純水及びKOHを加えて1000mlに仕上げ、pH1
0.40に調整する。
【0287】 現像補充顆粒剤(KR)の作製 造粒物Aパーツの作製(使用液1リットル分) ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 1.45g 炭酸ナトリウム(1水塩) 76.27g D−マンニトール(商品名:花王社製) 6.94g ソルビトール 2.93g LiOH 10g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し平均粒径
3000μmで安息角33度の造粒物Aパーツを得た。
【0288】 造粒物Bパーツの作製(使用液1リットル分) 亜硫酸ナトリウム 56.58g KBr 2g H3BO3 4g 2−メルカプトアデニン 0.25g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.26g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.06g ジメゾンS 1.25g ハイドロキノン 20g D−マンニトール(商品名:花王社製) 4.77g 一般式(A)の化合物−39 5.5g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し、平均粒
径4000μmで安息角30度の造粒物Bパーツを得
た。
【0289】上記のAパーツ、Bパーツを完全混合して
顆粒現像補充剤HAD−KRを得た。なお使用の際は、
水に溶解して1リットルとした。使用液のpHは10.
70であった。
【0290】 定着開始液(HAF−S)(使用液1リットル分) 純水 116ml チオ硫酸アンモニウム 140g 亜硫酸ナトリウム 22g ほう酸 9.8g 酒石酸 3g 酢酸ナトリウム・3水塩 34g 酢酸(90%水溶液) 14.5g 硫酸アルミニウム・18水塩 18g 純水で400mlに仕上げる 使用する際は純水600mlと上記濃厚液を混合して用
いる。使用液のpHは、4.90であった。
【0291】 定着補充顆粒剤の作製(HAF−KR) 造粒物Aパーツの作製(使用液1リットル分) チオ硫酸アンモニウム(10%Na塩:ヘキスト社製) 140g メタ重亜硫酸ナトリウム 7.5g 酢酸ナトリウム 40g パインフロー(商品名:松谷化学社製) 11.8g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し平均粒径
4000μmで安息角40度の造粒物Aパーツを得た。
【0292】 造粒物Bパーツの作製(使用液1リットル分) ほう酸 10g 酒石酸 3g 硫酸水素ナトリウム 26.5g 硫酸アルミニウム・18水塩 15.8g D−マンニトール(商品名:花王社製) 4.4g N−ラウロイルタウリン(商品名:ニッコウケミカルス社製) 2g デモールN(商品名:花王社製) 5g 上記素材を市販のバンタムミル中で30分間混合し、更
に市販の撹拌造粒機にて室温で10分間造粒した後、造
粒物を流動槽乾燥機にて40℃、2時間乾燥し平均粒径
3300μmで安息角28度の造粒物Bパーツを得た。
【0293】上記AパーツとBパーツを完全混合し定着
顆粒補充剤HAF−KRを得た。なお使用の際は容量が
1リットルになるように水に溶解して用いた。使用液の
pHは、4.20であった。
【0294】(自動現像機)コニカ(株)製GR−26
SRを改造した自動現像機を使用した。なおこの自動現
像機は乾燥ゾーンには遠赤外線ヒーターを有し、処理液
が蒸発しにくいよう処理槽液面の全体を覆うカバーを有
している。
【0295】 (処理条件) 温 度 時 間 現 像 38℃ 15秒 定 着 38℃ 9秒 水 洗 38℃ 8.5秒 スクイズ 2.5秒 乾 燥 40℃ 10秒 Dry to Dry 45秒 ラインスピード(搬送速度) 3300mm/min なお、定着廃液は特開平6−27623号実施例1に記
載の銀回収装置を用いて銀回収をした後の処理液を再度
定着槽に戻しながら処理を行い、水洗槽からのオーバー
フローはコニカ(株)製水垢防止装置〔水きれい〕を用
いて処理を行った。
【0296】《評価方法》上記感光材料を現像150m
l/m2、定着190ml/m2の割合で補充しながら試
料300m2をランニング処理し、処理後の写真性能を
調べた。
【0297】(感度、濃度の測定方法)得られた現像済
み試料をPDA−65(コニカ(株)社製のデジタル濃
度計)で測定した。表中の感度はランニング前処理の試
料No.1の濃度2.0における感度を100とした場
合の相対感度で表した。また濃度は最高濃度を示した。
【0298】(カブリの測定方法)得られた現像済み試
料の未露光部分をPDA−65(コニカ(株)社製)で
濃度測定した0.04を越える値は実用上好ましくな
い。
【0299】(DQ:網点品質)現像済みの試料のDQ
を5段階で評価した。
【0300】 ランク5 最高のレベル(100倍ルーペでフリンジ部
分の硬調性の濃度差なし、ガサツキなし) ランク4 100倍ルーペではラング5より劣るが、3
0倍ルーペでフリンジ部分の硬調性の濃度差なし、ガサ
ツキなし) ランク3 使用可能な下限レベル ランク2 返しフィルム使用ユーザーの50%以上で問
題となるレベル ランク1 返しフィルムとして使用不可能。
【0301】(黒ポツ)現像済みの試料の黒ポツを5段
階で評価(未露光部分の黒ポツ個数と100倍ルーペで
確認) ランク5 なし ランク4 5ヶ未満 ランク3 20ヶ未満(使用可能な下限レベル) ランク2 100ヶ未満 ランク1 100ヶ以上。
【0302】
【表2】
【0303】表2の結果から本発明の構成において、ラ
ンニング初期と終了時における写真性能への影響が少な
いことがわかる。
【0304】実施例2 実施例1より第2乳剤層及び保護層下層を除き乳剤1層
の銀量を2.5g/m2、ゼラチン量を1.3g/m2
し、保護層上層のゼラチン量を1.0g/m2とし、評
価を行った。
【0305】
【表3】
【0306】表3の結果より本発明の構成においてはラ
ンニング初期と終了時の写真性能への影響が少ないこと
がわかる。
【0307】
【発明の効果】本発明により、特に硬調化感光材料の連
続長期にわたる迅速現像処理時の感度、最高濃度、網点
品質の低下防止、黒ポツ、かぶり等の発生防止を達成で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/29 501 G03C 5/29 501 5/31 5/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を
    含む少なくとも2層以上の親水性コロイド層を有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料において、該支持体に最も近い
    親水性コロイド層に通常のポリマーラテックスを、それ
    より上層の親水性コロイド層にゼラチンで安定化された
    ポリマーラテックスを含有し、最も表面に近い親水性コ
    ロイド層には通常のポリマーラテックスを含有しないこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記ゼラチンで安定化されたポリマーラ
    テックスが支持体から最も離れた親水性コロイド層に含
    有されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    写真感光材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料中に、ヒドラ
    ジン誘導体と4級オニウム化合物を含有することを特徴
    とする請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたハロゲン化銀写真
    感光材料を、該写真感光材料1m2当たり200ml以
    下の現像補充液量で、自動現像機を用いて現像処理する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像処理
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載されたハロゲン化銀写真
    感光材料を、自動現像機を用いて60秒以内で現像処理
    することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像
    処理方法。
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