JPH09324053A - 側鎖に置換基を有するポリシランの製造方法 - Google Patents
側鎖に置換基を有するポリシランの製造方法Info
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- JPH09324053A JPH09324053A JP14595396A JP14595396A JPH09324053A JP H09324053 A JPH09324053 A JP H09324053A JP 14595396 A JP14595396 A JP 14595396A JP 14595396 A JP14595396 A JP 14595396A JP H09324053 A JPH09324053 A JP H09324053A
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Abstract
且つ簡便に、さらには操作性良く且つ安全性高く製造す
る方法を提供することを主な目的とする。 【解決手段】1.ポリシランの側鎖に所望の置換基を導
入する方法であって、一般式 【化1】 で表されるポリシランを、非プロトン性溶媒中、塩化ア
シルとルイス酸触媒を用いて、一般式 【化2】 で示される側鎖に塩素原子を有するポリシランを製造し
た後、これを一般式 【化3】 で示されるグリニャール試薬と反応させて 【化4】 で示される側鎖に置換基を有するポリシランを製造する
方法。 2.R3が、アルキルフェニル基(アルキル基の位置
は、p-位またはm-位あるいはo-位)である上記項1に記
載の方法。
Description
するポリシランの製造方法に関する。
リ金属の存在下にジクロロシラン類を脱塩素縮合重合さ
せる方法(「キッピング法」、J. Am. Chem. Soc., 103
(1981) 7352)、電極還元によりジクロロシラン類を脱
塩素縮合重合させる方法(J. Chem. Soc., Chem. Commu
n., 897 (1992)、化学と工業, 45, 1107 (1992)、特開
平5-306340号公報)、金属触媒の存在下にジヒドロシラ
ン類を脱水素縮合重合させる方法(Chem. Lett., 913
(1991))などが知られている。しかしながら、これらの
方法は、収率はいずれも通常50%程度以下である。
の置換基を有するポリシランを合成する場合には、予め
所望の置換基を有する原料(ジクロロシランなど)を合
成し、重合を行う必要がある。しかしながら、これらの
方法には、 イ.市販されていない原料を使用する場合には、別途に
原料を合成する必要がある; ロ.収率が低く、原料の半分以上が無駄となるので、高
価な原料を使用する場合には、製造コストがさらに高く
なり、製造したポリシランを適用できる用途が極めて限
定される;などの問題点がある。
れるのが、メチルフェニルポリシランのような原料が安
価な一般的なポリシランを製造し、その置換基を変換す
る方法である。このような方法として、フェニル基を有
するポリシランのフェニル基の一部をHCl/AlCl3で塩素
化し、その塩素化ポリシランにBuLiなどのアルキルリチ
ウムを作用させて、塩素をBu基などに置換する方法が提
案されている(J. Organomet. Chem., 300, 327 (198
6))。しかしながら、この方法は、塩酸ガスによりフェ
ニル基を塩素化させるので、取扱いが困難な上に、反応
器の損傷を防ぐために特別な保護対策が必要となる。ま
た、所望の側鎖を導入する際に取扱いに高度な留意が必
要なアルキルリチウムを用いる点でも、操作性や安全性
に問題があり、これまで実用化されるには到っていな
い。
鎖に所望の置換基を有するポリシランを安価且つ簡便
に、さらには操作性良く且つ安全性高く製造する方法を
提供することを主な目的とする。
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、市販さ
れている安価な原料を用いて合成したアリール基を有す
るポリシラン(例:メチルフェニルポリシランなど)の
アリール基の一部または全部をフリーデル−クラフツ反
応を使用して塩素基に変換した後、これを所望の置換基
を有するグリニャール試薬と反応させることによって塩
素基を所望の置換基に変換する方法によれば、従来技術
の問題点が実質的に解消されるか乃至は大幅に軽減され
ることを見出した。
所望の置換基を有するポリシランを安価かつ簡便にさら
には操作性や安全性高く製造する方法を提供するもので
ある。
入する方法であって、一般式
素原子またはアルキル基を表す。nは10〜20000であ
る)で表されるポリシランを、非プロトン性溶媒中、塩
化アシルとルイス酸触媒を用いて、一般式
は、正の数であり、mは、0または正の数である:l+
mは10〜20000である)で示される側鎖に塩素原子を有
するポリシランを製造した後、これを一般式
キル基或いは置換または無置換のアリール基を表す:X
はハロゲン原子を表す)で示されるグリニャール試薬と
反応させて
じ:lは正の数であり、mは0または正の数である:l
+mは、10〜20000である)で示される側鎖に置換基を
有するポリシランを製造する方法。
ル基の位置は、p-位またはm-位あるいはo-位)である上
記項1に記載の方法。
リシラン(1)は、側鎖置換基中に少なくとも1つのア
リール基を有していることが必要である。ポリシラン類
の合成法は、特に限定されず、対応するシランモノマー
を原料として、公知の方法により製造することができ
る。より具体的には、アルカリ金属の存在下にジクロロ
シラン類を脱塩素縮合重合させる方法(「キッピング
法」、J. Am. Chem. Soc., 103 (1981) 7352)、電極還
元によりジクロロシラン類を脱塩素縮合重合させる方法
(J.Chem. Soc., Chem. Commun., 897 (1992)、化学と
工業, 45, 1107 (1992)、特開平5-306340号公報)、金
属触媒の存在下にジヒドロシラン類を脱水素縮合重合さ
せる方法(Chem. Lett., 913 (1991))、環状シラン類
の開環重合法(Macromolecules, 27 (8), 2360 (1994)
)、マスクしたジシレンのアニオン重合(J. Am. Che
m. Soc., 110, 7641 (1989))などが例示される。
るシランモノマーは、市販品を用いても良く、公知の手
法で合成しても良い。例えば、ジクロロシランは、置換
トリクロロシラン類と置換或いは非置換のアリールブロ
ミドのグリニャール反応を用いて容易に合成することが
できる。
R1は、フェニル基、トリル基、p-アルコキシフェニル
基、ナフチル基などのアリール基である。R1は、それ
ぞれ同一であってもあるいは2つ以上が相異なってもよ
い。
の有機置換基であり、それぞれ同一であってもあるいは
2つ以上が相異なってもよい。より具体的には、R2が
アルキル基である場合には、炭素数1〜10程度のものが
挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ま
しい。
は、塩化アセチル、塩化プロパノイルをはじめとする炭
素数1〜6程度のアルキル基を有するもの、塩化ベンゾイ
ルをはじめとするアリール基を有するものなどが挙げら
れる。これらの中では、塩化アセチルおよび塩化プロパ
ノイルが特に好ましい。
アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化第2鉄、塩化亜
鉛などの金属ハロゲン化物および硫酸、リン酸、フッ化
水素などが挙げられる。
ポリシラン(1)、塩化アシルおよびルイス酸を溶媒に
溶解して使用する。溶媒としては、非プロトン性の有機
溶媒が広く使用でき、より具体的には、ベンゼン、トル
エン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素、二
硫化炭素および四塩化炭素などの溶媒が例示される。こ
れらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物とし
ても使用できる。
ぎる場合には、効率的な製造ができないのに対し、高す
ぎる場合には、溶媒に溶解しなくなることがある。した
がって、溶媒中のポリシラン(1)の濃度は、それぞれ
通常1〜500重量%(以下単に“%”とする)程度であ
り、より好ましくは3〜300%程度である。投入する塩化
アシルの量は所望する塩素基導入率により変化するが、
通常所望の塩素基導入率の1.1〜1.4倍に相当する量を使
用する。また、同時に投入するルイス酸は塩化アシルの
1〜2倍に相当する量を使用する。
ば使用可能であるが、高すぎる場合にはアリール基の塩
素基への置換速度が速くなり、種々の副反応を生じるこ
とがある。また、低すぎる場合には反応が進行しなくな
る。そのため、反応温度は通常−20〜20℃であり、より
好ましくは−5〜5℃程度である。反応時間は反応条件に
よって適宜定めればよいが、通常5時間以内に反応は完
結する。
般に知られているように、THF、エーテルなどの有機溶
媒中、ハロゲン化アルキルもしくはハロゲン化アリール
と金属マグネシウムの反応によって容易に合成できる。
グリニャール試薬が合成できる置換基であれば、ポリシ
ラン中に導入することができるので、置換基の種類は特
に問わないが、例として、p-エチルフェニル基、p-(n-
プロピル)フェニル基、p-(n-ブチル)フェニル基、m-
エチルフェニル基、o-エチルフェニル基、p-メトキシメ
トキシフェニル基、n-ブチル基などが挙げられる。
反応温度は、使用する溶媒の沸点以下ならば使用可能で
あるが、高すぎる場合にはアリール基の塩素基への置換
速度が速くなり、種々の副反応を生じることがある。ま
た、低すぎる場合には反応が進行しなくなる。そのた
め、反応温度は通常0〜60℃であり、より好ましくは10
〜30℃程度である。
よいが、通常3時間以内に反応は完結する。
ンなどの不活性ガスに置換した反応器内に既述の溶媒、
ポリシラン(1)、塩化アシルおよびルイス酸を入れ、
既述の反応温度に保ち、所定の反応時間、反応系内が均
一となるよう攪拌する。次に別途合成したグリニャール
試薬を反応器内に投入し、さらに既述の反応温度に保
ち、所定の反応時間、反応系内が均一となるよう攪拌す
る。
単離方法については、特に限定されるものではないが、
一例として以下の方法を例示する。
留水およびエーテルを加えて抽出する。エーテル層はル
イス酸などの水溶性不純物を除去するために、蒸留水で
数回洗浄することが望ましい。次いで、エーテルを留去
することにより、所望の置換基を有するポリシランが得
られる。必要ならば、再沈澱法などの公知の手法により
さらに精製することが可能である。
が達成される。
にして、側鎖に所望の置換基を簡便に導入できる。
る場合は、従来の原料を変更する方法と比較して製造コ
ストを大幅に下げることができる。
基であれば、ポリシラン中に導入することができるの
で、汎用性が高い。
って所望の置換基の導入率をコントロールすることがで
きる。
る。
ころをより一層明確にする。
のメチルフェニルポリシラン1g、ベンゼン20mlおよび無
水塩化アルミニウム111mg(0.83mmol)を加えた。0℃に
冷却した状態で塩化アセチル65mg(0.83mmol)をゆっく
りと滴下し、1時間攪拌することによって、メチルフェ
ニルポリシラン中のフェニル基の10%を塩素基に変換し
た。次いで、反応器温度を20℃とし、p-エチルフェニル
ブロミドとマグネシウムから別途合成したグリニャール
試薬(0.83mmol)をゆっくりと滴下した後に、1時間攪
拌した。反応液に蒸留水50ml、エーテル50mlを加えて抽
出し、エーテル層を蒸留水で3回洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過によ
り除去した後、エーテルを留去することにより、未精製
ポリシラン1.35gを得た。未精製ポリシランをTHF10mlに
溶解させ、エタノール200ml中に滴下することにより、
精製されたポリシラン0.88gを白色沈殿として得ること
ができた。
0であり、1H-NMRにより構造解析したところ、フェニル
基のp-エチルフェニル基への変換率は8.9%であった。
ロミドから合成したグリニャール試薬(2.49mmol)を用
いる以外は実施例1と同様に反応を行った。
0であり、1H-NMRにより構造解析したところ、フェニル
基のp-(n-プロピル)フェニル基への変換率は27.6%で
あった。
ミドから合成したグリニャール試薬(1.78mmol)を用い
る以外は実施例1と同様に反応を行った。
0であり、1H-NMRにより構造解析したところ、フェニル
基のp-(n-ブチル)フェニル基への変換率は13.4%であ
った。
る以外は実施例1と同様に反応を行った。
であり、1H-NMRにより構造解析したところ、フェニル基
のn-ブチル基への変換率は9.1%であった。
薬を用いる以外は実施例1と同様に反応を行った。
0であり、1H-NMRにより構造解析したところ、フェニル
基のビフェニル基への変換率は7.9%であった。
水素を使用する以外は実施例1と同様に反応を行った。
0であり、1H-NMRにより構造解析したところ、フェニル
基のp-エチルフェニル基への変換率は8.8%であった。
Claims (2)
- 【請求項1】ポリシランの側鎖に所望の置換基を導入す
る方法であって、一般式 【化1】 (式中、R1はアリール基を表し、R2は水素原子または
アルキル基を表す。nは10〜20000である)で表される
ポリシランを、非プロトン性溶媒中、塩化アシルとルイ
ス酸触媒を用いて、一般式 【化2】 (式中、R1およびR2は、前記に同じ:lは、正の数で
あり、mは、0または正の数である:l+mは10〜2000
0である)で示される側鎖に塩素原子を有するポリシラ
ンを製造した後、これを一般式 【化3】 (式中、R3は、置換または無置換のアルキル基或いは
置換または無置換のアリール基を表す:Xはハロゲン原
子を表す)で示されるグリニャール試薬と反応させて 【化4】 (式中、R1、R2およびR3は、前記に同じ:lは正の
数であり、mは0または正の数である:l+mは、10〜
20000である)で示される側鎖に置換基を有するポリシ
ランを製造する方法。 - 【請求項2】R3が、アルキルフェニル基(アルキル基
の位置は、p-位またはm-位あるいはo-位)である請求項
1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14595396A JP3622038B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 側鎖に置換基を有するポリシランの製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09324053A true JPH09324053A (ja) | 1997-12-16 |
JP3622038B2 JP3622038B2 (ja) | 2005-02-23 |
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ID=15396858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14595396A Expired - Lifetime JP3622038B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 側鎖に置換基を有するポリシランの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6686000B2 (en) | 1999-12-27 | 2004-02-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium and image forming method |
US8404881B2 (en) | 2009-03-05 | 2013-03-26 | Fuji Xerox Co., Ltd. | White particles for display, particle dispersion for display, display medium and display device |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP14595396A patent/JP3622038B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6686000B2 (en) | 1999-12-27 | 2004-02-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Recording medium and image forming method |
US8404881B2 (en) | 2009-03-05 | 2013-03-26 | Fuji Xerox Co., Ltd. | White particles for display, particle dispersion for display, display medium and display device |
US8717282B2 (en) | 2009-03-05 | 2014-05-06 | Fuji Xerox Co., Ltd. | White particles for display, particle dispersion for display, display medium and display device |
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---|---|
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