JP2914221B2 - 新規な有機ハロシラン化合物 - Google Patents

新規な有機ハロシラン化合物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な有機ハロシラン
化合物に関する。有機ハロシラン化合物は、シリコーン
原料またはシリル化剤として、また近年では、発光材
料、光電導性材料、レジスト材料等として注目されつつ
ある有機ケイ素系ポリマ−の原料モノマーとして、工業
的にあるいは合成化学上重要な化合物である。本発明
は、発光材料、光電導性材料、レジスト材料等として有
用な有機ケイ素系ポリマーの製造原料に用いることがで
きる新規なモノマーに関する。
【0002】
【従来の技術】有機ケイ素系ポリマ−は、発光機能等を
有するポリマ−として近年注目を浴びている。例えば、
有機ポリシランは主鎖のSi-Si 結合に由来するσ−σ共
役により発光を示すことが明らかとなっている。例え
ば、代表的なポリシランであるポリ(メチル−n−プロ
ピルシラン)は340nmを極大波長とする発光スペク
トルを示し、また、ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)は
342nmを極大波長とする発光を示す。しかしなが
ら、上記ポリシランは発光波長が紫外線領域にあるた
め、表示素子等の材料として応用できるものではなかっ
た。これに対して、2つの置換基がすべてアリール基で
あるポリ(ジフェニルシラン)において、その側鎖に位
置する両方のフェニル基のパラ位にアルキル基を導入し
た、有機溶媒に可溶性のポリ(ジ−p−アルキルフェニ
ルシラン)は、可視領域である400nm付近に発光極
大を有することが知られている[ケミカルレビューズ
(Chemical Reviews) 、第89巻、第6号、第1382頁
(1989年)]。しかしながら、その発光効率はかな
り低いものであり、しかも、有機溶媒に可溶性のポリ
(ジ−p−アルキルフェニルシラン)を得るためには、
そのアルキル基に比較的長鎖のn−ブチルやn−ヘキシ
ルを導入することが必要であった。そのため、該ポリマ
ーを得るための原料モノマーの合成が非常に困難となる
上に、モノマーの反応性も落ち、生成ポリマーが数%程
度の収率でしか得られないという結果となり、発光効率
の低さと併せて実用上充分満足できるものではない。ま
た、有機ケイ素系ポリマ−に関する文献として、式
【0003】
【化2】
【0004】(式中、Ra は炭素数2〜30のπ共役型
の2価の有機基を表し、Rb は炭素数1〜30の炭化水
素基を表し、Xa はハロゲン原子を表し、mは1≦m≦
2、nはn≧2を満たす数を表す)で表される含ケイ素
有機化合物(Ra として挙げられた種々の基中にアリー
レン基がある)を開示した特開平6−9786号があ
り、またこの文献中の先行技術の記載でポリ(ジシラニ
レンフェニレン)誘導体、ポリ(ジシラニレンナフチレ
ン)誘導体等が言及されている。しかし、この化合物は
発光効率が低く、実用上充分満足できるものではない。
【0005】また、式
【化3】
【0006】(式中、Rc 及びRd は同一のもしくは異な
る炭素数1〜6の直鎖状アルキル基であり、かつRc
びRd の炭素数の合計が8以下であり、Xb 及びXc は同
一のもしくは異なるハロゲン原子である)で表される
9,10−ビス(ジアルキルハロシリル)アントラセン
(特願平6−129692)、及びそれを用いて主鎖の
一部にアントリレン基を導入したポリシラン誘導体(特
願平6−129693)が、本出願人によって特許出願
されているが、このポリシラン誘導体は、Rc 及びRd
芳香族基がない。なお、上記の9,10−ビス(ジアル
キルハロシリル)アントラセンのうち、式、
【0007】
【化4】
【0008】で表される化合物はすでに公開されている
〔日本化学会第68回春季大会予稿集353頁(199
4)〕。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、可視領
域に発光を示し、通常の有機溶媒に可溶性の高分子量有
機ケイ素系ポリマーを効率良く得ることを目的として、
そのモノマーである有機ハロシランについて鋭意研究を
重ねた結果、アントラセンの9位及び10位にアルキル
フェニルハロシリル基が導入されており、モノマーとし
ての合成が容易で、またポリマーにした場合、可視領域
に発光を示し、機械的強度に優れ、かつ可溶性の高分子
量ポリマーを収率よく得ることができる新規な有機ハロ
シラン化合物を見出し、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、式〔1〕
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキ
ル基であり、Phはフェニル基であり、X1及びX2は同一の
もしくは異なるハロゲン原子である)で表される9,1
0−ビス(アルキルフェニルハロシリル)アントラセン
(以下、ビスシリルアントラセン化合物〔1〕という)
を提供するものである。
【0013】本発明のビスシリルアントラセン化合物
〔1〕中のRは、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基であ
り、好ましくはメチル基である。Rが分岐状であるか、
炭素数が3を越えると、その立体障害によりモノマーと
しての反応性が落ち、ポリマーの収率が低下する結果と
なり、工業的に不利である。Rとして具体的にはメチル
基、エチル基及びn−プロピル基が挙げられる。ビスシ
リルアントラセン化合物〔1〕のX1またはX2で示される
ハロゲン原子としては、好ましくは塩素原子または臭素
原子が挙げられ、特に好ましくは塩素原子である。
【0014】本発明に係るビスシリルアントラセン化合
物〔1〕の具体例として、9,10−ビス(メチルフェ
ニルクロロシリル)アントラセン、9,10−ビス(エ
チルフェニルクロロシリル)アントラセン、9,10−
ビス(n−プロピルフェニルクロロシリル)アントラセ
ン、9,10−ビス(メチルフェニルブロモシリル)ア
ントラセン、9,10−ビス(エチルフェニルブロモシ
リル)アントラセン、9,10−ビス(n−プロピルフ
ェニルブロモシリル)アントラセン、9−メチルフェニ
ルクロロシリル−10−メチルフェニルブロモシリルア
ントラセン、9−エチルフェニルクロロシリル−10−
エチルフェニルブロモシリルアントラセン、9−n−プ
ロピルフェニルクロロシリル−10−n−プロピルフェ
ニルブロモシリルアントラセンが挙げられ、好ましい例
として、9,10−ビス(メチルフェニルクロロシリ
ル)アントラセン、9,10−ビス(メチルフェニルブ
ロモシリル)アントラセンが挙げられ、特に好ましい例
として、9,10−ビス(メチルフェニルクロロシリ
ル)アントラセンが挙げられる。ビスシリルアントラセ
ン化合物〔1〕は、例えば、式〔2〕
【0015】
【化6】
【0016】で表される9,10−ジリチオアントラセ
ンまたは式〔3〕
【0017】
【化7】
【0018】(式中、X3はハロゲン原子である。)で表
されるグリニャール試薬、すなわち9,10−ジマグネ
シウムハロゲノアントラセンと、式〔4〕
【0019】
【化8】
【0020】(式中、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキ
ル基であり、Phはフェニル基であり、X4はハロゲン原子
である)で表されるアルキルフェニルジハロシランと
を、不活性溶媒中不活性ガス雰囲気下において反応させ
ることにより、容易にしかも高収率で得ることができ
る。X4で示されるハロゲン原子としては、好ましくは塩
素原子または臭素原子が挙げられ、特に好ましくは塩素
原子である。
【0021】アルキルフェニルジハロシラン〔4〕の具
体例としてメチルフェニルジクロロシラン、エチルフェ
ニルジクロロシラン、n−プロピルフェニルジクロロシ
ラン、メチルフェニルジブロモシラン、エチルフェニル
ジブロモシラン、n−プロピルフェニルジブロモシラン
が挙げられ、好ましい例としてメチルフェニルジクロロ
シラン、メチルフェニルジブロモシランが挙げられ、特
に好ましい例としてメチルフェニルジクロロシランが挙
げられる。
【0022】不活性溶媒としては非プロトン性有機溶媒
が好適であり、具体例としてはジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−ペ
ンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ
る。不活性ガスとしてはアルゴン、窒素等が挙げられ
る。不活性溶媒は9,10−ジリチオアントラセン
〔2〕または9,10−ジマグネシウムハロゲノアント
ラセン〔3〕の濃度が100mmol/L 〜2mol/Lとなる程度に
用いるのが好適である。アルキルフェニルジハロシラン
〔4〕と9,10−ジリチオアントラセン〔2〕または
9,10−ジマグネシウムハロゲノアントラセン〔3〕
との反応割合は、9,10−ジリチオアントラセン
〔2〕または9,10−ジマグネシウムハロゲノアント
ラセン〔3〕に対し、アルキルフェニルジハロシラン
〔4〕が2〜10当量であるのが好ましく、更に好まし
くは2〜6当量である。2当量未満では反応生成物の収
量が低下する恐れがあり、10当量を越えても目的生成
物の収率に好影響はなく、アルキルフェニルジハロシラ
ン〔4〕を無駄に使用することとなり、工業的に不利で
ある。反応温度は−30〜70℃が好ましく、更に好ま
しくは0〜50℃であり、最適には10〜50℃であ
る。−30℃未満では反応速度が十分でない場合があ
り、70℃を越えると反応の選択率が低下する恐れがあ
る。反応時間は反応温度、反応溶媒等により変化する
が、反応は通常24時間以内で終了する。
【0023】ビスシリルアントラセン化合物〔1〕にお
いて、X1とX2とが異なる化合物を得たい場合には、例え
ば、X4がX1であるアルキルフェニルジハロシラン〔4〕
とX4がX2であるアルキルフェニルジハロシラン〔4〕の
混合物を用いるとか、両化合物を時間をずらして9,1
0−ジリチオアントラセン〔2〕または9,10−ジマ
グネシウムハロゲノアントラセン〔3〕と順次反応させ
る等の手段を取ることができる。上記反応による反応液
から、生成したビスシリルアントラセン化合物〔1〕を
取得するには、副生したハロゲン化リチウムまたはハロ
ゲン化マグネシウムの沈澱を濾過、デカンテーション等
により反応液から除去した後、反応溶媒を例えば減圧留
去し、残渣をペンタン等の不活性溶媒から再結晶する等
の方法により精製すればよい。取得されるビスシリルア
ントラセン化合物〔1〕は黄色の固体である。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び参考例に基づいて本発明を
具体的に説明する。参考例中、重量平均分子量及び数平
均分子量はGPC法(ポリスチレン換算)によって、構
造単位のモル比(%)及び発光効率は以下に記述する方
法によって求めた。 (1)構造単位のモル比(%) 下記〜の手順により算出する。 アントラセンについて標準吸光度を次の通り求める。
所定モル量のアントラセンをクロロホルム溶媒に溶解し
た標準溶液を調製して、そのUV吸光のλmaxにおけ
るモル吸光度を測定し、これを標準吸光度とする。 目的生成中の構造単位Aのモル数を次の通り求める。
標準溶液と同一溶媒でかつ同モル濃度(ポリマー全体の
数平均分子量から換算)の目的生成物(ポリマー)溶液
を調製し、UV吸光におけるアントラセンに帰属される
λmaxのモル吸光度を測定し、先の標準吸光度を除す
ることにより、目的生成中におけるアントリレン基のモ
ル数を求める。これは構造単位Aのモル数に等しい。 目的生成中の構造単位Aの重量を下式により算出す
る。 構造単位Aの重量=(原料に用いたビスシリルアントラ
セン化合物〔1〕からハロゲン原子X1及びX2を差し引い
た構造単位Aの分子量)×(構造単位Aのモル数) 目的生成中の構造単位Bのモル数を下式により算出す
る。 構造単位Bのモル数=(モル吸光度の測定に用いた目的
生成物の重量−構造単位Aの重量)/(原料に用いたシ
ラン化合物〔5〕からハロゲン原子X5及びX6を差し引い
た構造単位Bの分子量) 目的生成中の構造単位A/構造単位Bのモル比(%)
を下式により算出する。 構造単位A/構造単位B〔モル比(%)〕=(で求め
た構造単位Aのモル数)×100/(で求めた構造単
位Bのモル数) (2)発光効率 クロロホルム中、標準物質として式
【化9】 で表されるAlq3 (発光効率10.1%)を用いて測
定した。
【0025】実施例 攪拌装置及び外部冷却外套を備えた反応器に9,10−
ジブロモアントラセン21.5g(64mmol) を入れ、系内を真
空脱気後、乾燥アルゴン雰囲気にした。脱水精製したジ
エチルエーテル260ml を加え、n−ブチルリチウム(1
0.2g)のヘキサン(100ml) 溶液を徐々に反応器に供給
し、アルゴン雰囲気下、10〜30℃で3時間攪拌を行
い、9,10−ジリチオアントラセンを製造した。攪拌
装置及び外部冷却外套を備えた別の反応器に、ジエチル
エーテル100ml 及びメチルフェニルジクロロシラン66.9
g(350mmol)を入れ、アルゴン雰囲気下、常温において、
上記で得た9,10−ジリチオアントラセンを内容物に
滴下し、10〜30℃で20時間攪拌を行い反応させ
た。副生した塩化リチウムを濾別し、反応溶媒を減圧留
去した後、n−ペンタンから再結晶することにより、
9,10−ビス(メチルフェニルクロロシリル)アント
ラセンを黄色固体として得た。収率は42%であった。
【0026】この化合物の塩素含有量を分析した結果、
塩素含有量が14.41 重量%であり、計算値の14.54 重量
%と良く一致した。また1H核磁気共鳴スペクトル〔重ク
ロロホルム(7.25ppm) を標準として測定した〕を図1に
示す。図1よりケミカルシフトδ(ppm) は8.4 〜7.3
(9,10−置換アントラセン)、7.7 〜7.4 (Si−C6
H5)、1.3 (Si−CH3)であり、また、MSスペクトルで測
定した結果、m/z 488(M+ ) であり、取得した化合物
が、9,10−ビス(メチルフェニルクロロシリル)ア
ントラセンであることを確認した。
【0027】参考例1 アントリレン基含有メチルフェニルポリシランの合成 アルゴン雰囲気中で300ml の容器にナトリウム4.6g
及びトルエン140ml を仕込んだ。次に系内をトルエンの
沸点まで加熱し、還流雰囲気でナトリウムを溶融させ、
激しく攪拌してナトリウムを細かく分散させた。その後
攪拌しながら内容物温度を溶媒の沸点付近に保ち、実施
例で得られた9,10−ビス(メチルフェニルクロロシ
リル)アントラセン2.5mmol (1.22g)のトルエン(10
ml)溶液及び24倍モル量のメチルフェニルジクロロシ
ラン〔後記化10においてR2=メチル基、R3=フェニル基
で、X5=X6=塩素の化合物である〕(11.33 g)の混合物
を徐々に滴下した。滴下終了後、溶媒の沸点付近で2時
間反応させた。重合反応終了後、室温まで冷却し、副生
した塩化ナトリウム及び過剰の金属ナトリウムを濾別し
た後、濾液を濃縮し、大量のメタノールに滴下してポリ
マーを沈澱させた。沈澱ポリマーを分取、乾燥させるこ
とにより、後記化11におけるR=メチル基である構造
単位Aと、後記化12におけるR2=メチル基、R3=フェ
ニル基である構造単位Bからなる目的ポリマー3.42g
(収率55.0%)を黄色固体として得た。本ポリマーは重
量平均分子量(Mw)が406,000 の成分と7,200 の成分から
なるバイモーダルの分子量分布を示した(図2)。本ポ
リマー全体の数平均分子量(Mn)は5,800 であり、また本
ポリマーの構造単位A/構造単位Bのモル比(%)は2.
8%であった。また本ポリマーは発光スペクトルによれ
ば480nm に発光を示した。さらに本ポリマーの発光効率
は85%であった。
【0028】参考例2 アントリレン基含有ジメチルポリシランの合成 ナトリウム4.6 g及び実施例で得られた9,10−ビス
(メチルフェニルクロロシリル)アントラセン5.0mmol
(2.44g)のトルエン(10ml)溶液及び12倍モル量のジ
メチルジクロロシラン〔後記化10においてR2= R3=メ
チル基で、X5=X6=塩素の化合物である〕(7.78g)を用
いて、参考例1と同様の条件、手順で、後記化11にお
けるR=メチル基である構造単位Aと,後記化12におけ
るR2=R3=メチル基である構造単位Bからなる黄色のポ
リマーを合成した。ポリマー収量は0.94g(収率16.9
%)であった。本ポリマーはMwが1,200 のモノモーダル
の分子量分布を示した(図3)。本ポリマーのMnは600
であり、また本ポリマーの構造単位A/構造単位Bのモ
ル比(%)は6.5 %であった。また本ポリマーは発光ス
ペクトルによれば450nm に発光を示した。
【0029】
【発明の効果】本発明の9,10−ビス(アルキルフェ
ニルハロシリル)アントラセン〔1〕は、発光極大波長
が可視領域にシフトした、優れた発光特性、光電導性及
びレジスト特性をもつ有機ケイ素系ポリマ−の原料とし
て、またはシリコーン原料及びシリル化剤として有用な
化合物である。本発明のビスシリルアントラセン化合物
〔1〕と、式〔5〕
【0030】
【化10】
【0031】(式中、R2及びR3は同一のもしくは異なる
炭素数1〜10のアルキル基、アリール基またはアラル
キル基であり、X5及びX6は同一のもしくは異なるハロゲ
ン原子である)で表されるシラン化合物とを反応させる
ことも可能で、これらをアルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の共存下に、不活性溶媒中で反応させて得られ
る、式A
【0032】
【化11】
【0033】(式中、Rは炭素数1〜3の直鎖状アルキ
ル基であり、Phはフェニル基である)で表される構造単
位Aと式B
【0034】
【化12】
【0035】(式中、R2及びR3は同一のもしくは異なる
炭素数1〜10のアルキル基、アリ−ル基またはアラル
キル基である)で表される構造単位Bからなり、構造単
位A/構造単位Bのモル比(%)が0.5〜10%であって
重量平均分子量が1,000 〜1,000,000 である、主鎖の一
部にアントリレン基を有するポリシラン誘導体(参考例
参照)は可視領域に発光を示し、発光効率に優れ、通常
の有機溶媒に可溶性の高分子量有機ケイ素系ポリマーで
あり、発光材料、光電導性材料、レジスト材料等として
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の9,10−ビス(メチルフェニルクロ
ロシリル)アントラセンの1H核磁気共鳴スペクトルを示
す。
【図2】参考例1で得られたポリマーの分子量分布を示
す。
【図3】参考例2で得られたポリマーの分子量分布を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−6232(JP,A) 特開 昭61−189533(JP,A) 特開 平3−198062(JP,A) 特開 昭60−61744(JP,A) 特開 平7−309882(JP,A) 特開 平8−295738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 C08G 77/60 G03F 7/075 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 (式中、R は炭素数1〜3 の直鎖状アルキル基であり、
    Phはフェニル基であり、X1及びX2は同一のもしくは異な
    るハロゲン原子である)で表される9,10−ビス(ア
    ルキルフェニルハロシリル)アントラセン。
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