JP2929751B2 - (ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体、ポリシラン化合物、その製造方法および用途 - Google Patents

(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体、ポリシラン化合物、その製造方法および用途

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JP2929751B2 JP7798991A JP7798991A JP2929751B2 JP 2929751 B2 JP2929751 B2 JP 2929751B2 JP 7798991 A JP7798991 A JP 7798991A JP 7798991 A JP7798991 A JP 7798991A JP 2929751 B2 JP2929751 B2 JP 2929751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規かつ有用な(ハロゲ
ン化シリル置換)エチレン誘導体および3次元ネットワ
ーク型ポリシラン化合物、ならびにこれらの製造方法お
よびこのポリシラン化合物からなる導電性材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性を必要とする材料には専ら
金属が用いられており、有機高分子化合物は一般には絶
縁材料として取扱われている。ところが近年、絶縁材料
として認識されていた有機高分子化合物のうち、ケイ素
原子を含む高分子化合物が導電性を有していることが見
出され、このようなケイ素含有高分子化合物を導電性材
料として用いる試みがなされている。
【0003】例えば1981年には、ポリシランの1種
であるメチルフェニルポリシランに光照射して架橋構造
を有する化合物を得、これにドーパント(ドーピングエ
ージェント)を添加することにより、高い電導度を有す
る化合物が得られることが見出されている。上記ドーパ
ントとしてはAsF5のような化合物が用いられてお
り、このようなドーパントを用いることにより、上記ケ
イ素含有化合物は0.5S/cm程度の導電率を示すこ
とが開示されている(J.Amer.Chem.So
c.,103,7352−7354(1981))。
【0004】しかし、上記のようなケイ素含有化合物を
導電性材料として用いるには、ドーパントとして毒性の
高いAsF5を用いなければならい。また上記のような
ケイ素含有化合物を製造する際、光照射の制御が難し
く、良好な特性を有する化合物を再現性よく製造するこ
とが難しいという問題点もある。
【0005】また、特開昭62−59632号公報に
は、AsF5を用いることなく、優れた導電性を示すマ
トリックス状のポリアルキルシランが開示されている。
ここではポリアルキルシラン中にドーパントとして硫酸
イオンを含有させることにより、ポリアルキルシランは
10-5〜10S/cm程度の導電率を有することが示さ
れている。
【0006】しかし、上記のようなポリアルキルシラン
からなる導電性材料においても、導電率等の特性や製造
方法などに、なお改善の余地が残されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
かつ有用な(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体お
よび3次元ネットワーク型ポリシラン化合物を提供する
ことである。本発明の他の目的は、容易かつ効率よく上
記(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体およびポリ
シラン化合物を製造するための製造方法を提案すること
である。本発明の別の目的は、優れた導電性を示し、し
かも再現性もよく、製造も容易な上記ポリシラン化合物
からなる導電性材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の(ハロゲ
ン化シリル置換)エチレン誘導体および3次元ネットワ
ーク型ポリシラン化合物、ならびにこれらの製造方法お
よびこのポリシラン化合物からなる導電性材料である。
【0009】(1) 一般式〔1〕
【化7】 (式中、Rおよび2 は一方がアルキル基またはアラル
キル基、他方がアリール基を示し、R3およびR4はそれ
ぞれ独立にアルキル基、アリール基およびアラルキル基
からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2はそれ
ぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表わされる(ハロ
ゲン化シリル置換)エチレン誘導体。
【0010】(2) 一般式〔2〕
【化8】 (式中、Rおよび2 は一方がアルキル基またはアラル
キル基、他方がアリール基を示し、R3およびR4はそれ
ぞれ独立にアルキル基、アリール基およびアラルキル基
からなる群から選ばれる基を示す。)を構造単位とし、
前記一般式〔1〕で表わされる(ハロゲン化シリル置
換)エチレン誘導体と、このエチレン誘導体のハロゲン
原子と反応しうる量のアルカリ金属とを反応させて得ら
れる3次元ネットワーク型ポリシラン化合物。
【0011】(3)前記一般式〔1〕で表わされる(ハ
ロゲン化シリル置換)エチレン誘導体と、このエチレン
誘導体のハロゲン原子と反応しうる量のアルカリ金属と
を反応させることを特徴とする上記(2)記載の3次元
ネットワーク型ポリシラン化合物の製造方法。
【0012】(4)上記(2)記載の3次元ネットワー
ク型ポリシラン化合物からなることを特徴とする導電性
材料。
【0013】(5) 触媒の存在下に、一般式〔3〕
【化9】 (式中、RおよびR2一方がアルキル基またはアラル
キル基、他方がアリール基を示し、Xはハロゲン原子を
示す。)で表わされる1,2−ビス(ハロゲン化シリ
ル)アセチレン誘導体と、一般式〔4〕
【化10】 (式中、R3およびR4はそれぞれ独立にアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基
を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表わされるハ
ロゲン化シラン類とを反応させることを特徴とする上記
(1)記載の(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体
の製造方法。
【0014】前記一般式〔1〕〜〔4〕のR〜R4
RとR2は異なっており、3とR4とは同一でも異な
っていてもよい
【0015】前記一般式〔1〕〜〔4〕のR〜R4で示
されるアルキル基としては、通常炭素数が1〜6、好ま
しくは1〜3のものをあげることができる。アルキル基
は直鎖状のものでも分岐状のものでもよい。このような
アルキル基として具体的には、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル
基;イソプロピル基、sec−ブチル基、sec−アミ
ル基等の二級アルキル基;tert−ブチル基、ter
t−アミル基等の三級アルキル基などをあげることがで
きる。
【0016】前記一般式〔1〕〜〔4〕のR〜R4で示
されるアリール基としては、少なくとも1つの芳香族環
を有する一価のアリール基をあげることができる。この
芳香族環は置換基を有していてもよい。このようなアリ
ール基の具体的なものとしては、例えばフェニル基、ナ
フチル基、トリル基、キシリル基などをあげることがで
きる。
【0017】前記一般式〔1〕〜〔4〕のR〜R4で示
されるアラルキル基としては、脂肪族炭化水素に少なく
とも1つの芳香族環が置換した一価のアラルキル基をあ
げることができる。この芳香族環は置換基を有していて
もよい。このようなアラルキル基の具体的なものとして
は、例えばベンジル基、フェネチル基、α−メチルベン
ジル基、トリルメチル基などをあげることができる。
【0018】前記一般式〔2〕を構造単位とする本発明
の3次元ポリネットワーク型ポリシラン化合物(以下、
単にポリシラン化合物という)を導電性材料として用い
る場合は、R〜R4がメチル基、エチル基、フェニル基
およびベンジル基からなる群から選ばれる基の組合せが
好ましく、特にRおよびR2がメチル基およびフェニル
基の組合せで、R3およびR4がメチル基同士の組合せが
好ましい。
【0019】前記一般式〔1〕、〔3〕および〔4〕の
XおよびX2で示されるハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素などをあげることができ
る。XおよびX2は同一でも異なっていてもよい。前記
一般式〔1〕で示される(ハロゲン化シリル置換)エチ
レン誘導体を本発明のポリシラン化合物の製造原料とし
て利用する場合は、XおよびX2は塩素であることが好
ましい。
【0020】前記一般式〔1〕で表わされる(ハロゲン
化シリル置換)エチレン誘導体は、シス型であってもよ
いし、トランス型であってもよい。前記一般式〔1〕で
表わされる(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体の
具体的なものとしては、例えば1,1,2−トリス(ク
ロロメチルフェニルシリル)エチレン、1,1,2−ト
リス(クロロメチルトリルシリル)エチレン、1,2−
ビス(クロロメチルフェニルシリル)−1−クロロジメ
チルシリルエチレンなどをあげることができる。
【0021】前記一般式〔1〕で表わされる(ハロゲン
化シリル置換)エチレン誘導体は、触媒の存在下に、前
記一般式〔3〕で表わされる1,2−ビス(ハロゲン化
シリル)アセチレン誘導体と、前記一般式〔4〕で表わ
されるハロゲン化シラン類とを反応させることにより製
造することができる。
【0022】上記触媒としては、例えばH2PtCl6
6H2O(塩化白金酸)、RdCl(PPh33(Ph
はフェニル基)、RuCl2(PPh32(Phはフェ
ニル基)、Ni(COD)2(CODはシクロオクタジ
エン)、〔(Ph3P)PtCl22(Phはフェニル
基)、NiCl2、CuCl、Pd/Cおよびベンゾイ
ルパーオキシド(benzoyl peroxide)
などをあげることができる。触媒の使用量は、1,2−
ビス(ハロゲン化シリル)アセチレン誘導体1モルに対
して1×10-1〜1×10-4モル、好ましくは1×10
-2〜1.5×10-4モルが望ましい。
【0023】反応温度は0〜100℃、好ましくは0〜
50℃、反応圧力は0〜30kg/cm2・G、好まし
くは0〜5kg/cm2・G、反応時間は1〜100時
間、好ましくは1〜20時間が望ましい。反応は溶媒を
用いて行うこともできるし、溶媒を用いないで行うこと
もできる。溶媒としては、原料および触媒に対して反応
性を持たず、不活性な溶媒を用いるのが好ましい。この
ような溶媒としては、例えば芳香族炭化水素系溶媒、飽
和炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒などをあげることが
できる。これらの中ではヘキサン、ベンゼン、エーテル
が好ましい。
【0024】前記一般式〔3〕のR、R2およびXは、
それぞれ前記一般式〔1〕のR、R2およびXと同じも
のをあげることができる。また前記一般式〔4〕の
3、R4およびX2はそれぞれ前記一般式〔1〕のR3
4およびX2と同じものをあげることができる。
【0025】本発明のポリシラン化合物は、前記一般式
〔2〕で表わされるシラニレンエチレン単位を構造単位
とするものであって、(ハロゲン化シリル置換)エチレ
ン誘導体〔1〕と、このエチレン誘導体のハロゲン原子
と反応しうる量のアルカリ金属とを反応させて得られる
3次元ネットワーク型ポリシラン化合物である。
【0026】前記一般式〔2〕で表わされる構造単位に
は結合手が3つあるが、隣合う構造単位の間でどのケイ
素原子と、どのケイ素原子とが結合しているかは任意で
ある。このためポリシラン化合物の鎖は3次元的に伸張
しており、またそれらが互いに結合し合って3次元ネッ
トワークを形成している。構造単位間の結合様式の具体
的なものとしては、次の一般式〔5〕〜〔10〕のもの
などをあげることができる。
【0027】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0028】本発明のポリシラン化合物は、このように
構造単位が任意のケイ素間同士で結合して鎖が伸張した
ものであり、結合の順序、ポリシラン化合物中に含まれ
る結合様式の種類は特に限定されない。また構造単位は
シス型、トランス型のいずれであってもよく、ポリシラ
ン化合物中では両者が混在していてもよい。本発明のポ
リシラン化合物は前記一般式〔2〕で表わされる構造単
位が2以上結合したものである。本発明のポリシラン化
合物を導電性材料として用いる場合は、10以上、好ま
しくは13以上の構造単位が結合したものであって、重
量平均分子量が1000以上、好ましくは1200以上
のものが好ましい。
【0029】本発明のポリシラン化合物は、前記一般式
〔1〕で表わされる(ハロゲン化シリル置換)エチレン
誘導体と、このエチレン誘導体のハロゲン原子と反応し
うる量のアルカリ金属とを反応させることにより製造す
ることができる。上記アルカリ金属としては、例えば金
属ナトリウム、金属リチウム、金属カリウムなどをあげ
ることができる。これらのアルカリ金属は単独で用いて
もよく、また2種以上を組合せて用いてもよい。
【0030】本発明のポリシラン化合物を導電性材料と
して用いる場合は、(ハロゲン化シリル置換)エチレン
誘導体として(Z)−1,2−ビス(クロロメチルフェ
ニルシリル)−1−クロロジメチルシリルエチレンを使
用するのが好ましい。また(ハロゲン化シリル置換)エ
チレン誘導体は通常単独で用いられるが、例えば得られ
るポリシラン化合物の導電性を調整することなどを目的
として、2種以上のものを組合せて用いることもでき
る。
【0031】(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体
とアルカリ金属との反応は、通常溶媒を用いた液相反応
として行われる。用いる溶媒は、アルカリ金属に対して
反応性を持たず、不活性であるとともに、原料である
(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体に対しても不
活性な溶媒を使用するのが好ましい。このような溶媒と
しては、例えば芳香族炭化水素系溶媒、飽和炭化水素系
溶媒、不飽和炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒などをあ
げることができる。これらの中では、トルエン、ベンゼ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が好ましく用い
られる。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上を
組合せて使用することができる。
【0032】反応は、アルカリ金属を上記溶媒にディス
パージョンした分散液に、(ハロゲン化シリル置換)エ
チレン誘導体を加え、超音波を照射しながら行うのが好
ましい。反応は通常−20〜100℃、好ましくは0〜
100℃の範囲で行うのが望ましい。また反応は減圧下
でも、加圧下でも行うことができ、反応圧力は限定され
ないが、通常減圧ないし60kg/cm2・G、好まし
くは0〜30kg/cm2・G、特に好ましくは0〜5
kg/cm2・Gの範囲が望ましい。反応時間は反応温
度および反応圧力などを考慮して適宜に設定されるが、
通常5分〜100時間、好ましくは1〜20時間が望ま
しい。アルカリ金属の使用量は、(ハロゲン化シリル置
換)エチレン誘導体1モルに対して1.2〜5モル、好
ましくは2〜4モルが望ましい。また重合反応は、通常
不活性雰囲気下で行うのが望ましい。不活性雰囲気とし
ては、例えばアルゴンや窒素雰囲気などが用いられる。
【0033】本発明のポリシラン化合物の製造に係る反
応の例を次に示す。
【化17】 (式中、R〜R4は前記一般式〔1〕または〔2〕と同
じものを示す。)
【0034】反応終了後は、メチルリチウム等の有機リ
チウム化合物などを加えて末反応のハロゲン原子を反応
させるのが好ましい。有機リチウム化合物を反応させる
ことにより、ポリシラン化合物の末端にあるハロゲン原
子が有機リチウム化合物の有機基に置換される。また反
応終了後は、クロロホルム等の溶媒で抽出を行った後、
クロロホルムとエタノールまたはイソプロパノール等と
の混合液を加えて再沈殿させるなどの方法によりポリシ
ラン化合物が得られる。
【0035】このようにして、本発明によって得られる
本発明のポリシラン化合物は、導電率σが通常10-8
/cm以下であるが、ドーパントを添加することによ
り、導電率σは通常0.01〜50S/cm程度にな
る。従って本発明のポリシラン化合物は導電性材料とし
て用いることができる。本発明のポリシラン化合物が導
電性を示す理由は明らかではないが、ケイ素−ケイ素結
合を有しているためと推定される。
【0036】本発明のポリシラン化合物はドーパントを
添加することにより、より良好な導電性を示すようにな
る。このため本発明のポリシラン化合物を導電性材料と
して使用する場合は適当なドーパントを添加して使用す
るのが一般的である。ドーパントとしては特に制限はな
く、従来知られているハロゲン;ルイス酸;遷移金属ハ
ロゲン化物等の電子吸引性化合物;アルカリ金属等の電
子供与性化合物などを用いることができる。ドーパント
の具体的なものとしては、例えばI2、SO3、As
5、SbF5、SbCl5などをあげることができる。
これらの中ではSbF5が好ましい。これらのドーパン
トは1種単独で、または2種以上を組合せて用いること
ができる。
【0037】本発明のポリシラン化合物にドーパントを
添加する方法は特に制限されず、例えばポリシラン化合
物を任意の形状、例えば膜状に成形した後、この成形体
にドーパントを塗布する方法、成形体を気体状のドーパ
ントと接触させる方法、ポリシラン化合物にドーパント
を添加した後任意の形状に成形する方法など、種々の方
法を採用することができる。この時の成形方法および成
形体の形状は特に限定されず、目的とする導電性材料の
形状に応じて、公知の方法により膜状、線状など任意の
形状に成形することができる。本発明のポリシラン化合
物は、上記のように導電性材料として使用できるほか、
例えばケイ素−ケイ素結合の有する光機能性を利用して
感光材料などとしても使用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、前記一般
式〔1〕で表わされる新規かつ有用な(ハロゲン化シリ
ル置換)エチレン誘導体および前記一般式〔2〕で表わ
される構造単位からなる新規かつ有用なポリシラン化合
物が得られる。前記一般式〔1〕で表わされる(ハロゲ
ン化シリル置換)エチレン誘導体は、触媒の存在下に、
前記一般式〔3〕で表わされる1,2−ビス(ハロゲン
化シリル)アセチレン誘導体と、前記一般式〔4〕で表
わされるハロゲン化シラン類とを反応させることによ
り、容易かつ効率よく製造することができる。本発明の
ポリシラン化合物は、前記一般式〔1〕で表わされる
(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体と、このエチ
レン誘導体のハロゲン原子と反応しうる量のアルカリ金
属とを反応させることにより容易かつ効率よく製造する
ことができる。さらに本発明によれば、優れた導電性を
示す導電性材料が再現性よく得られる。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0040】実施例1{(Z)−1,2−ビス(クロロ
メチルフェニルシリル)−1−クロロジメチルシリルエ
チレンの合成}50mlのナス型フラスコに1,2−ビ
ス(クロロメチルフェニルシリル)アセチレン11.0
g(32.8mmol)とクロロヒドロジメチルシラン
3.3g(30.3mmol)とを入れ、塩化白金酸
(H2PtCl6・6H2O)の0.1Mイソプロピルア
ルコール溶液0.05mlを加え、50℃で20時間加
熱撹拌した。反応終了後、減圧蒸留することにより
(Z)−1,2−ビス(クロロメチルフェニルシリル)
−1−クロロジメチルシリルエチレン13.0g(3
0.3mmol、収率92%)を得た。この化合物の沸
点は186〜187℃/0.1mmHgであり、機器分
析の結果を以下に示す。
【0041】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm)(dl混合体)0.28(s,3
H,SiCH3) 0.29(s,3H,SiCH3) 0.41(s,6H,Si(CH32) 0.42(s,6H,Si(CH32) 0.53(s,3H,SiCH3) 0.57(s,3H,SiCH3) 7.02−7.37(m,20H,ring prot
ons) 7.87(s,1H,Vinyl proton) 7.88(s,1H,Vinyl proton)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm)(dl混合 体)2.07,2.27,3.35,3.45,3.5
2,3.60, 128.01(2C),128.05(2C),13
0.55, 130.58,130.73,130.76,133.
75, 133.85,134.25(2C),134.66,
134.86, 134.95,135.17 マススペクトル m/e:413(M+−CH3) 元素分析(C1823Si3Cl3として) 実測値 C:50.30, H:5.48 計算値 C:50.28, H:5.39
【0042】実施例2{(Z)−1,2−ビス(クロロ
メチルフェニルシリル)−1−クロロジメチルシリルエ
チレンの重合}100mlの三つ口フラスコにトルエン
溶媒とナトリウム1.20g(52.2mmol)を入
れて還流させながら撹拌し、ナトリウムディスパージョ
ンを調製した。冷却後溶媒をトルエンからベンゼンに代
えた。その後モノマーの(Z)−1,2−ビス(クロロ
メチルフェニルシリル)−1−クロロジメチルシリルエ
チレン8.0g(18.6mmol)を滴下し、17時
間室温で超音波を照射しながら撹拌した。反応終了後メ
チルリチウム−ヘキサン溶液(1.5M)2.5mlを
加えて30分間加熱した。冷却後クロロホルムで抽出し
た。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、クロ
ロホルム/エタノールで再沈殿を行い、0.94g
(2.9mmol units)のポリマーを収率16
%で得た。このポリマーの融点は123〜125℃であ
り、GPCによって得られた重量平均分子量(Mw)は
1200であった。機器分析の結果を以下に示す。
【0043】 1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δppm) 0.10(br s,12H,SiCH3) 7.00(br s,10H,ring protons) 13C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、δppm) −1.89(br),126.5〜130.0,132.0〜136.5
【0044】実施例3実施例2で得られた(Z)−1,
2−ビス(クロロメチルフェニルシリル)−1−クロロ
ジメチルシリルエチレンの重合体(前記一般式〔2〕中
のRがメチル基、R2がフェニル基、R3およびR4がメ
チル基)1mgを0.1mlのジクロロメタン溶媒に溶
解した。この溶液を用いてスピンコート法により絶縁基
板上に2940Åの厚さの膜を形成した。この膜にSb
5を気相にて供給してドーピングを行った後、膜の導
電性を測定した。導電性は四探針法を採用して、膜に電
圧を印加して流れる電流および電圧を測定することによ
り評価した。その結果、この膜の導電率は1.36S/
cmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−227432(JP,A) 特開 平4−352790(JP,A) Zh.Obshch.Khim.,56 [12](1986),2743−2750 Z.Anorg.Allg.Che m.,430(1977),121−136 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 C08G 77/50 C08G 77/60 H01B 1/12 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN) BEILSTEIN(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 (式中、Rおよび2 は一方がアルキル基またはアラル
    キル基、他方がアリール基を示し、R3およびR4はそれ
    ぞれ独立にアルキル基、アリール基およびアラルキル基
    からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2はそれ
    ぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表わされる(ハロ
    ゲン化シリル置換)エチレン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式〔2〕 【化2】 (式中、Rおよび2 は一方がアルキル基またはアラル
    キル基、他方がアリール基を示し、R3およびR4はそれ
    ぞれ独立にアルキル基、アリール基およびアラルキル基
    からなる群から選ばれる基を示す。)を構造単位とし、
    一般式〔1〕 【化3】 (式中、Rおよび2 は一方がアルキル基またはアラル
    キル基、他方がアリール基を示し、R3およびR4はそれ
    ぞれ独立にアルキル基、アリール基およびアラルキル基
    からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2はそれ
    ぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表わされる(ハロ
    ゲン化シリル置換)エチレン誘導体と、このエチレン誘
    導体のハロゲン原子と反応しうる量のアルカリ金属とを
    反応させて得られる3次元ネットワーク型ポリシラン化
    合物。
  3. 【請求項3】 一般式〔1〕 【化4】 (式中、Rおよび2 は一方がアルキル基またはアラル
    キル基、他方がアリール基を示し、R3およびR4はそれ
    ぞれ独立にアルキル基、アリール基およびアラルキル基
    からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2はそれ
    ぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表わされる(ハロ
    ゲン化シリル置換)エチレン誘導体と、このエチレン誘
    導体のハロゲン原子と反応しうる量のアルカリ金属とを
    反応させることを特徴とする請求項2記載の3次元ネッ
    トワーク型ポリシラン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の3次元ネットワーク型ポ
    リシラン化合物からなることを特徴とする導電性材料。
  5. 【請求項5】 触媒の存在下に、一般式〔3〕 【化5】 (式中、RおよびR2一方がアルキル基またはアラル
    キル基、他方がアリール基を示し、Xはハロゲン原子を
    示す。)で表わされる1,2−ビス(ハロゲン化シリ
    ル)アセチレン誘導体と、一般式〔4〕 【化6】 (式中、R3およびR4はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基およびアラルキル基からなる群から選ばれる基
    を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表わされるハ
    ロゲン化シラン類とを反応させることを特徴とする請求
    項1記載の(ハロゲン化シリル置換)エチレン誘導体の
    製造方法。
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Z.Anorg.Allg.Chem.,430(1977),121−136
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