JP3211255B2 - シラン誘導体、ポリシラン化合物、その製造方法および用途 - Google Patents

シラン誘導体、ポリシラン化合物、その製造方法および用途

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JP3211255B2
JP3211255B2 JP07127091A JP7127091A JP3211255B2 JP 3211255 B2 JP3211255 B2 JP 3211255B2 JP 07127091 A JP07127091 A JP 07127091A JP 7127091 A JP7127091 A JP 7127091A JP 3211255 B2 JP3211255 B2 JP 3211255B2
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満夫 石川
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徹 山中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規かつ有用なシラン誘
導体およびポリシラン化合物、ならびにこれらの製造方
法およびこのポリシラン化合物からなる導電性材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性を必要とする材料には専ら
金属が用いられており、有機高分子化合物は一般には絶
縁材料として取扱われている。ところが近年、絶縁材料
として認識されていた有機高分子化合物のうち、ケイ素
原子を含む高分子化合物が導電性を有していることが見
出され、このようなケイ素含有高分子化合物を導電性材
料として用いる試みがなされている。
【0003】例えば1981年には、ポリシランの1種
であるメチルフェニルポリシランに光照射して架橋構造
を有する化合物を得、これにドーパント(ドーピングエ
ージェント)を添加することにより、高い電導度を有す
る化合物が得られることが見出されている。上記ドーパ
ントとしてはAsF5のような化合物が用いられてお
り、このようなドーパントを用いることにより、上記ケ
イ素含有化合物は、0.5S/cm程度の導電率を示す
ことが開示されている(J.Amer.Chem.So
c.,103,7352−7354(1981))。
【0004】しかし、上記のようなケイ素含有化合物を
導電性材料として用いるには、ドーパントとして毒性の
高いAsF5を用いなければならない。また上記のよう
なケイ素含有化合物を製造する際、光照射の制御が難し
く、良好な特性を有する化合物を再現性よく製造するこ
とが難しいという問題点もある。
【0005】また、特開昭62−59632号公報に
は、AsF5を用いることなく、優れた導電性を示すマ
トリックス状のポリアルキルシランが開示されている。
ここではポリアルキルシラン中にドーパントとして硫酸
イオンを含有させることにより、ポリアルキルシランは
10-5〜10S/cm程度の導電率を有することが示さ
れている。
【0006】しかし、上記のようなポリアルキルシラン
からなる導電性材料においても、導電率等の特性や製造
方法などに、なお改善の余地が残されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
かつ有用なシラン誘導体およびポリシラン化合物を提供
することである。本発明の他の目的は、容易かつ効率よ
く上記シラン誘導体およびポリシラン化合物を製造する
ための製造方法を提案することである。本発明の別の目
的は、優れた導電性を示し、しかも再現性もよく、製造
も容易な上記ポリシラン化合物からなる導電性材料を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のシラン誘
導体およびポリシラン化合物、ならびにこれらの製造方
法およびこのポリシラン化合物からなる導電性材料であ
る。
【0009】(1)一般式〔1〕
【化12】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
示す。)で表わされるビス(5−ハロゲン置換チエニ
ル)シラン誘導体。 (2)一般式〔2〕
【化13】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
示す。)で表わされるビス(5−ハロゲンマグネシウム
チエニル)シラン誘導体。 (3)一般式〔3a〕
【化14】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
シ基からなる群から選ばれる基を示し、mは1以上の数
を示し、nは2以上の数を示す。ただし、mが1で、R
およびR2 がアルキル基またはアリール基の場合を除
く。)で表わされるポリシラン化合物。 (4)一般式〔4〕
【化15】 (式中、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、また
はアルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコ
キシ基からなる群から選ばれる基を示し、X3およびX4
はそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表わされる
2,5−ジハロゲン置換チオフェン誘導体とマグネシウ
ムとを反応させて得られる2−ハロゲン置換−5−ハロ
ゲンマグネシウムチオフェン誘導体、または前記一般式
〔4〕で表わされる2,5−ジハロゲン置換チオフェン
誘導体とリチオ化試剤とを反応させて得られる2−ハロ
ゲン置換−5−リチウムチオフェン誘導体に、一般式
〔5〕
【化16】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、X5
よびX6はそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1
以上の数を示す。)で表わされるジハロゲン置換シラン
類を反応させることを特徴とする前記一般式〔1〕で表
わされるビス(5−ハロゲン置換チエニル)シラン誘導
体の製造方法。 (5)前記一般式〔1〕で表わされるビス(5−ハロゲ
ン置換チエニル)シラン誘導体とマグネシウムとを反応
させることを特徴とする前記一般式〔2〕で表わされる
ビス(5−ハロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘導
体の製造方法。 (6)前記一般式〔1〕で表わされるビス(5−ハロゲ
ン置換チエニル)シラン誘導体とマグネシウムとを反応
させで得られるビス(5−ハロゲンマグネシウムチエニ
ル)シラン誘導体を、遷移金属錯体触媒の存在下に重合
させることを特徴とする下記一般式〔3〕で表わされる
ポリシラン化合物の製造方法。
【化17】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
シ基からなる群から選ばれる基を示し、mは1以上の数
を示し、nは2以上の数を示す。) (7)主鎖が、前記一般式〔3a〕で表わされる、シラ
ニレンジチエニレン単位の繰返し単位を有するポリシラ
ン化合物からなることを特徴とする導電性材料。
【0010】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のRおよびR2はアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルキルシリル基およびアリールシリル基
からなる群から選ばれる基であり、RとR2は同一でも
異なっていてもよい。
【0011】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のRおよびR2で示されるアルキル基として
は、通常炭素数が1〜6、好ましくは1〜3のものをあ
げることができる。アルキル基は直鎖状のものでも分岐
状のものでもよい。このようなアルキル基として具体的
には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、s
ec−ブチル基、sec−アミル基等の二級アルキル
基;tert−ブチル基、tert−アミル基等の三級
アルキル基などをあげることができる。
【0012】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のRおよびR2で示されるアリール基として
は、少なくとも1つの芳香族環を有する一価のアリール
基をあげることができる。この芳香族環は置換基を有し
ていてもよい。このようなアリール基の具体的なものと
しては、例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キ
シリル基などをあげることができる。
【0013】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のRおよびR2で示されるアラルキル基として
は、脂肪族炭化水素に少なくとも1つの芳香族環が置換
した一価のアラルキル基をあげることができる。この芳
香族環は置換基を有していてもよい。このようなアラル
キル基の具体的なものとしては、例えばベンジル基、フ
ェネチル基、α‐メチルベンジル基、トリルメチル基な
どをあげることができる。
【0014】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のRおよびR2で示されるアルキルシリル基と
しては、少なくとも1つのアルキル基を有する一価のア
ルキルシリル基をあげることができる。このアルキル基
としては、炭素数が1〜8、好ましくは1〜6のものを
あげることができる。アルキル基は直鎖状のものでも分
岐状のものでもよい。このようなアルキルシリル基の具
体的なものとしては、例えばメチルシリル基、エチルシ
リル基、n−プロピルシリル基、n−ブチルシリル基等
の直鎖状アルキルシリル基;イソプロピルシリル基、s
ec−ブチルシリル基、sec−アミルシリル基等の二
級アルキルシリル基;tert−ブチルシリル基、te
rt−アミルシリル基等の三級アルキルシリル基などを
あげることができる。
【0015】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のRおよびR2で示されるアリールシリル基と
しては、少なくとも1つの芳香族環を有する一価のアリ
ールシリル基をあげることができる。この芳香族環は置
換基を有していてもよい。このようなアリールシリル基
の具体的なものとして、例えばフェニルシリル基、ナフ
チルシリル基、トリルシリル基、キシリルシリル基など
をあげることができる。
【0016】前記一般式〔3〕で表わされる本発明の
ポリシラン化合物を導電性材料として用いる場合は、R
およびR2がメチル基、エチル基、フェニル基、ベンジ
ル基、メチルシリル基、エチルシリル基およびフェニル
シリル基からなる群から選ばれる基の組合せが好まし
く、特にメチル基同士の組合せ、メチル基とフェニル基
との組合せ、およびメチル基とトリメチルシリル基との
組合せが好ましい。
【0017】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のR3〜R6は水素原子、またはアルキル基、ア
リール基、アラルキル基およびアルコキシ基からなる群
から選ばれる基であり、R3〜R6はそれぞれ同一でも異
なっていてもよい。
【0018】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のR3〜R6で示されるアルキル基としては、通
常炭素数が1〜8、好ましくは1〜6のものをあげるこ
とができる。アルキル基は直鎖状のものでも分岐状のも
のでもよい。このようなアルキル基として具体的には、
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−
ブチル基、sec−アミル基等の二級アルキル基;te
rt−ブチル基、tert−アミル基等の三級アルキル
基などをあげることができる。
【0019】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のR3〜R6で示されるアリール基としては、少
なくとも1つの芳香族環を有する一価のアリール基をあ
げることができる。この芳香族環は置換基を有していて
もよい。このようなアリール基の具体的なものとして
は、例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリ
ル基などをあげることができる。
【0020】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のR3〜R6で示されるアラルキル基としては、
脂肪族炭化水素に少なくとも1つの芳香族環が置換した
一価のアラルキル基をあげることができる。この芳香族
環は置換基を有していてもよい。このようなアラルキル
基の具体的なものとしては、例えばベンジル基、フェネ
チル基、α‐メチルベンジル基、トリルメチル基などを
あげることができる。
【0021】前記一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕および
〔3a〕のR3〜R6で示されるアルコキシ基としては、
通常炭素数が1〜8、好ましくは1〜6のものをあげる
ことができる。アルコキシ基は直鎖状のものでも分岐状
のものでもよい。このようなアルコキシ基として具体的
には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基;イソプロ
ポキシ基、sec−ブトキシ基、sec−アミロキシ基
等の二級アルコキシ基;tert‐ブトキシ基、ter
t‐アミロキシ基等の三級アルコキシ基などをあげるこ
とができる。
【0022】前記一般式〔3〕および〔3a〕で表わさ
れる本発明のポリシラン化合物を導電性材料として用い
る場合は、R3〜R6が水素原子、メチル基、エチル基、
フェニル基、ベンジル基およびメトキシ基からなる群か
ら選ばれる組合せが好ましい。
【0023】前記一般式〔3〕および〔3a〕のmは1
以上の数、nは2以上の数である。一般式〔3a〕で表
される本発明のポリシラン化合物を導電性材料として用
いる場合は、mが1以上、nが10以上で、平均分子量
が1000以上、好ましくは3000以上のものが望ま
しい。ただし、mが1で、R1およびR2 がアルキル基
たはアリール基の場合を除く。
【0024】前記一般式〔1〕および〔2〕のXおよび
2で示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素などをあげることができる。前記一般式
〔1〕で表わされるビス(5−ハロゲン置換チエニル)
シラン誘導体または前記一般式〔2〕で表わされるビス
(5−ハロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘導体
を、前記一般式〔3〕で表わされるポリシラン化合物
の製造原料として利用する場合は、XおよびX2は塩素
または臭素であることが好ましい。
【0025】前記一般式〔1〕で表わされるビス(5−
ハロゲン置換チエニル)シラン誘導体の具体例として
は、例えばmが1のものとしてビス(5−ハロゲン置換
チエニル)ジメチルシラン、ビス(5−ハロゲン置換チ
エニル)メチルエチルシラン、ビス(5−ハロゲン置換
チエニル)メチルフェニルシラン、ビス(5−ハロゲン
置換チエニル)メチルトリルシラン、ビス(5−ハロゲ
ン置換−4−メチルチエニル)メチルフェニルシラン、
ビス(5−ハロゲン置換チエニル)メチルトリメチルシ
リルシランなどを、mが2のものとして1,2−ビス
(5−ハロゲン置換チエニル)テトラメチルジシラン、
1,2−ビス(5−ハロゲン置換チエニル)ジメチルジ
エチルジシラン、1,2−ビス(5−ハロゲン置換チエ
ニル)ジメチルジフェニルジシラン、1,2−ビス(5
−ハロゲン置換チエニル)ジメチルジトリルジシラン、
1,2−ビス(5−ハロゲン置換−3−メチルチエニ
ル)ジメチルジフェニルジシランなどを、mが3以上の
ものとして1,3−ビス(5−ハロゲン置換チエニル)
ヘキサメチルトリシラン、1,3−ビス(5−ハロゲン
置換チエニル)トリエチルトリメチルトリシラン、1,
3−ビス(5−ハロゲン置換チエニル)トリメチルトリ
フェニルトリシラン、1,3−ビス(5−ハロゲン置換
チエニル)トリメチルトリ(トリル)トリシラン、1,
3−ビス(5−ハロゲン置換−4−メチルチエニル)ト
リメチルトリフェニルトリシランなどをあげることがで
きる。これらの化合物のハロゲンとしては、臭素、塩素
などをあげることができる。
【0026】前記一般式〔1〕で表わされるビス(5−
ハロゲン置換チエニル)シラン誘導体は、例えば前記一
般式〔4〕で表わされる2,5−ジハロゲン置換チオフ
ェン誘導体とマグネシウムとを反応させて得られる2−
ハロゲン置換−5−ハロゲンマグネシウムチオフェン誘
導体に、前記一般式〔5〕で表わされるジハロゲン置換
シラン類を反応させることにより製造することができ
る。また別の方法として、前記一般式〔4〕で表わされ
る2,5−ジハロゲン置換チオフェン誘導体とリチオ化
試剤とを反応させて得られる2−ハロゲン置換−5−リ
チウムチオフェン誘導体に、前記一般式〔5〕で表わさ
れるジハロゲン置換シラン類を反応させることにより製
造することもできる。前記リチオ化試剤としては、例え
ばブチルリチウムなどの有機リチウム化合物をあげるこ
とができる。
【0027】前記一般式〔1〕で表わされるビス(5−
ハロゲン置換チエニル)シラン誘導体の好ましい製造方
法としては、前記一般式〔4〕で表わされる2,5−ジ
ハロゲン置換チオフェン誘導体とマグネシウムとを、氷
冷下にジエチルエーテル等の溶媒中で反応させて2−ハ
ロゲン置換−5−ハロゲンマグネシウムチオフェン誘導
体を合成し、続いて常温下に前記一般式〔5〕で表わさ
れるジハロゲン置換シラン類を添加した後、加熱下に攪
拌しながら反応させる方法をあげることができる。
【0028】また別の好ましい製造方法としては、前記
一般式〔4〕で表わされる2,5−ジハロゲン置換チオ
フェン誘導体を冷却した後、tert−ブチルリチウム
のヘキサン溶液を滴下し、その後常温下で撹拌しながら
反応させて2−ハロゲン置換−5−リチウムチオフェン
誘導体を合成し、続いて常温下に前記一般式〔5〕で表
わされるジハロゲン置換シラン類を添加した後、加熱下
に撹拌しながら反応させる方法をあげることができる。
いずれの製造方法も、反応終了後は、加水分解して油層
分離後、油層を乾燥した後、減圧蒸留等の方法により溶
媒を除去することにより、目的とするビス(5−ハロゲ
ン置換チエニル)シラン誘導体が得られる。
【0029】前記一般式〔4〕のR7およびR8で示され
るアルキル基、アリール基、アラルキル基またはアルコ
キシ基としては、前記一般式〔1〕と同じものをあげる
ことができる。また前記一般式〔5〕のRおよびR2
示されるアルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
キルシリル基またはアリールシリル基としては、前記一
般式〔1〕と同じものをあげることができる。X3〜X6
のハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
どをあげることができる。
【0030】前記一般式〔2〕で表わされるビス(5−
ハロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘導体は、例え
ば前記一般式〔1〕で表わされるビス(5−ハロゲン置
換チエニル)シラン誘導体とマグネシウムとを反応させ
ることにより製造することができる。この反応において
は、マグネシウムは少なくともビス(5−ハロゲン置換
チエニル)シラン誘導体〔1〕中のハロゲン原子と反応
するような量で用いることが望ましく、通常ビス(5−
ハロゲン置換チエニル)シラン誘導体〔1〕1モルに対
して0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モ
ルの範囲で使用するのが望ましい。
【0031】ビス(5−ハロゲン置換チエニル)シラン
誘導体〔1〕とマグネシウムとの反応は、通常溶媒を用
いた液相反応として行われる。溶媒としては、マグネシ
ウムに対して反応性を持たず、不活性であるとともに、
原料であるビス(5−ハロゲン置換チエニル)シラン誘
導体〔1〕に対しても不活性な溶媒を使用するのが好ま
しい。さらに後述の遷移金属錯体触媒に対しても不活性
な溶媒を使用するのが好ましい。このような溶媒として
は、例えば芳香族炭化水素系溶媒、飽和炭化水素系溶
媒、不飽和炭化水素系溶媒およびエーテル系溶媒などを
あげることができる。これらの中ではテトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサ
ン、2−メトキシエチルエーテル等のエーテル系溶媒が
好ましく、特にテトラヒドロフランを用いるのが好まし
い。これらの溶媒は1種単独で、または2種以上を混合
して使用することができる。
【0032】反応は、反応温度が通常−20〜100
℃、好ましくは0〜50℃の範囲で行うのが望ましい。
また反応は、減圧下でも、加圧下でも行うことができ、
反応圧力は限定されないが、通常減圧ないし60kg/
cm2・G、好ましくは0〜30kg/cm2・Gが望ま
しい。反応時間は反応温度および反応圧力などを考慮し
て適宜に設定されるが、通常5分〜100時間、好まし
くは1〜20時間が望ましい。また反応は、通常不活性
雰囲気下で行うのが望ましい。不活性雰囲気としては、
例えばアルゴンや窒素雰囲気などが用いられる。
【0033】以上のようにして得られるビス(5−ハロ
ゲン置換チエニル)シラン誘導体〔1〕およびビス(5
−ハロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘導体〔2〕
は、前記一般式〔3〕または〔3a〕で表わされるポリ
シラン化合物の製造原料または中間体として利用され
る。
【0034】前記一般式〔3〕または〔3a〕で表わさ
れるポリシラン化合物は、例えば前記一般式〔1〕で表
わされるビス(5−ハロゲン置換チエニル)シラン誘導
体とマグネシウムとを反応させて得られるビス(5−ハ
ロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘導体〔2〕を、
遷移金属錯体触媒の存在下に重合させることにより製造
することができる。
【0035】本発明のポリシラン化合物を導電性材料と
して用いる場合は、ビス(5−ハロゲン置換チエニル)
シラン誘導体〔1〕としては、特にビス(5−ブロモチ
エニル)ジメチルシラン、ビス(5−ブロモチエニル)
メチルフェニルシラン、ビス(5−ブロモチエニル)メ
チルトリメチルシラン、1,2−ビス(5−ブロモチエ
ニル)テトラメチルジシラン、1,2−ビス(5−ブロ
モチエニル)ジメチルジフェニルジシランまたは1,3
−ビス(5−ブロモチエニル)ヘキサメチルシランを用
いるのが好ましい。
【0036】ビス(5−ハロゲン置換チエニル)シラン
誘導体〔1〕は、通常単独で用いられるが、例えば得ら
れるポリシラン化合物の導電性を調整することなどを目
的として、2種以上のものを組合せて用いることもでき
る。
【0037】前記遷移金属錯体触媒としては、例えばグ
リニャール試薬と有機ハロゲン化物のクロスカップリン
グ反応に使用されるニッケル錯体などを用いることがで
き、具体的にはジクロロ(2,2′−ビピリジン)ニッ
ケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル、ジクロロ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタ
ン)ニッケルおよびジクロロ(1,2−ビスジメチルホ
スフィノエタン)ニッケルなどをあげることができる。
さらに塩化ニッケルビピリジル、塩化ニッケル(ジフェ
ニルホスフィノエタン)、塩化パラジウムおよび酢酸パ
ラジウムなどをあげることができる。これらの中ではジ
クロロ(2,2′−ビピリジン)ニッケルまたは塩化ニ
ッケル(ジフェニルホスフィノエタン)を用いるのが好
ましい。
【0038】遷移金属錯体触媒は、ビス(5−ハロゲン
置換チエニル)シラン誘導体〔1〕1モルに対して1×
10-4〜1×10-2モル、好ましくは2×10-4〜1×
10-3モルの範囲で使用するのが望ましい。遷移金属錯
体触媒は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を混合して使用することもできる。
【0039】本発明のポリシラン化合物の製造に係る反
応の例を次に示す。
【化18】 (式中、R〜R6、mおよびnは前記一般式〔3〕と同
じである。)
【0040】上記一般式〔6〕の反応機構からすると、
前記一般式〔3〕で表わされるポリシラン化合物は下記
一般式〔7〕または〔8〕のように表わすことができる
が、重合体として見ると実質的に同じである。
【0041】
【化19】
【化20】 (式中、R〜R6、mおよびnは前記一般式〔3〕と同
じである。pおよびqはp+q=mを満たす数であ
る。)
【0042】本発明のポリシラン化合物は、例えば前記
ビス(5−ハロゲンマグネウシムチエニル)シラン誘導
体〔2〕の製造方法と同様にして、ビス(5−ハロゲン
置換チエニル)シラン誘導体〔1〕とマグネシウムとを
反応させ、反応液からビス(5−ハロゲンマグネシウム
チエニル)シラン誘導体〔2〕を分離することなく、反
応液に前記遷移金属錯体触媒を添加して重合させること
により製造することができる。
【0043】重合反応は、反応温度が通常−20〜25
0℃、好ましくは0〜230℃の範囲で行うのが望まし
い。また重合反応は、減圧下でも、加圧下でも行うこと
ができ、反応圧力は限定されないが、通常減圧ないし6
0kg/cm2・G、好ましくは0〜30kg/cm2
G、特に好ましくは0〜5kg/cm2・Gの範囲が望
ましい。反応時間は反応温度および反応圧力などを考慮
して適宜に設定されるが、通常5分〜150時間、好ま
しくは1〜100時間が望ましい。
【0044】重合反応は超音波を照射しながら行うこと
もできる。この場合、反応温度は通常−20〜250
℃、好ましくは0〜230℃、反応時間は通常5分〜5
0時間、好ましくは1〜20時間、反応圧力は通常0〜
30kg/cm2・G、好ましくは0〜5kg/cm2
Gが望ましい。また重合反応は、通常不活性雰囲気下で
行うのが望ましい。不活性雰囲気としては、例えばアル
ゴンや窒素雰囲気などが用いられる。
【0045】このようにして製造されたポリシラン化合
物は、繰返し単位としては前記一般式〔3〕で表わされ
るものを、末端基としては使用した原料および前記一般
式〔6〕の反応に由来するものを有する。末端基は水素
またはハロゲンであると思われるが、不確定なものが多
い。
【0046】反応終了後は、溶媒留去後クロロホルムと
エタノール、イソプロパノール等の溶媒を加えて再沈澱
させるなどの方法によりポリシラン化合物が得られる。
【0047】このようにして、本発明によって得られる
前記一般式〔3〕で表わされるポリシラン化合物は、導
電率σが通常10-8S/cm以下であるが、ドーパント
を添加することにより、導電率σは通常0.01〜50
S/cm程度になる。従って本発明のポリシラン化合物
は導電性材料として用いることができる。
【0048】本発明のポリシラン化合物が導電性を示す
理由は明らかではないが、ケイ素−ケイ素結合およびチ
オフェン環の両者を有しているためと推定される。
【0049】本発明のポリシラン化合物はドーパントを
添加することにより、より良好な導電性を示すようにな
る。このため本発明のポリシラン化合物を導電性材料と
して使用する場合は適当なドーパントを添加して使用す
るのが一般的である。ドーパントとしては特に制限はな
く、従来知られているハロゲン;ルイス酸;遷移金属ハ
ロゲン化物等の電子吸引性化合物;アルカリ金属等の電
子供与性化合物などを用いることができる。ドーパント
の具体的なものとしては、例えばI2、SO3、As
5、SbF5、SbCl5などをあげることができる。
これらの中ではSbF5が好ましい。これらのドーパン
トは1種単独で、または2種以上を組合せて用いること
ができる。
【0050】ポリシラン化合物にドーパントを添加する
方法は特に制限されず、例えばポリシラン化合物を任意
の形状、例えば膜状に成形した後、この成形体にドーパ
ントを塗布する方法、成形体を気体状のドーパントと接
触させる方法、ポリシラン化合物にドーパントを添加し
た後任意の形状に成形する方法など、種々の方法を採用
することができる。この時の成形方法および成形体の形
状は特に限定されず、目的とする導電性材料の形状に応
じて、公知の方法により膜状、線状など任意の形状に成
形することができる。
【0051】本発明のポリシラン化合物は、上記のよう
に導電性材料として使用できるほか、例えばケイ素−ケ
イ素結合またはケイ素−芳香族炭素結合の有する光機能
性を利用して感光材料などとしても使用することができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、前記一般
式〔1〕で表わされる新規かつ有用なシラン誘導体、前
記一般式〔2〕で表わされる新規かつ有用なシラン誘導
体、および前記一般式〔3〕で表わされる新規かつ有
用なポリシラン化合物が得られる。前記一般式〔1〕で
表わされるシラン誘導体は、前記一般式〔4〕で表わさ
れる2,5−ジハロゲン置換チオフェン誘導体とマグネ
シウムまたはリチオ化試剤とを反応させて得られる2−
ハロゲン置換−5−ハロゲンマグネシウムチオフェン誘
導体または2−ハロゲン置換−5−リチウムチオフェン
誘導体に、前記一般式〔5〕で表わされるジハロゲン置
換シラン類を反応させることにより、容易にかつ効率よ
く製造することができる。前記一般式〔2〕で表わされ
るシラン誘導体は、前記一般式〔1〕で表わされるビス
(5−ハロゲン置換チエニル)シラン誘導体とマグネシ
ウムとを反応させることにより、容易にかつ効率よく製
造することができる。前記一般式〔3〕または〔3a〕
で表わされるポリシラン化合物は前記一般式〔1〕で表
わされるビス(5−ハロゲン置換チエニル)シラン誘導
体とマグネシウムとを反応させて得られるビス(5−ハ
ロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘導体を、遷移金
属錯体触媒の存在下に重合させることにより、容易にか
つ効率よく製造することができる。さらに本発明によれ
ば、優れた導電性を示す導電性材料が再現性よく容易に
得られる。
【0053】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0054】実施例1 {ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕ジメチルシラン
の合成} 50mlのナス型フラスコにエーテル20mlと2,5
−ジブロモチオフェン10.0g(41.3mmol)
を入れた。これを−80℃に冷却して、tert−ブチ
ルリチウム−ヘキサン溶液(1.7M)25.0ml
(42.5mmol)を1時間で滴下し、そのままゆっ
くりと常温に戻した。さらに12時間室温で撹拌した
後、ジクロロジメチルシラン2.6g(20.0mmo
l)を滴下し、3時間還流した。
【0055】加水分解した後、油層を分離し、水で洗浄
し、水層をヘキサンで抽出し、油層を合せて無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。その後、溶媒を留去し、減圧蒸
留(0.1℃/0.1mmHg)を行い、さらにカラム
(シリカゲル、ヘキサン)で精製し、ビス〔2−(5−
ブロモチエニル)〕ジメチルシラン5.5g(14.4
mmol、収率72%)を得た。この化合物の沸点は1
15℃/0.1mmHgであり、機器分析の結果を以下
に示す。
【0056】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.49(s,6H,SiCH3)、6.94(d,2
H,ring protons,J=4Hz)、6.9
9(d,2H,ring protons,J=4H
z)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −0.6,118.2,131.4,135.9,13
9.6 マススペクトル m/e:380(M+) 元素分析(C1010Si12Br2として) 実測値 C:31.24,H:2.70 計算値 C:31.43,H:2.64
【0057】実施例2 {ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕ジメチルシラン
の重合} 枝付の長さ15cm、内径10mmのパイレックス管の
底を封じ、ミクロ回転子とマグネシウム24.3mg
(1.0mmol)を入れ、真空下で加熱して乾燥させ
た。その後テトラヒドロフラン2mlと1,1−ビス
〔2−(5−ブロモチエニル)〕ジメチルシラン382
mg(1.0mmol)を入れ、50℃に加熱してグリ
ニャール試薬を調製した。放冷した後、枝からニッケル
ジクロリド(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタ
ン)6.9mg(0.013mmol、1.3mol
%)を入れ、脱気封管し、230℃で100時間加熱し
た。
【0058】反応終了後加水分解を行い、クロロホルム
で抽出し、不溶性成分の濾過を行った後、クロロホルム
/エタノールで再沈澱を行い、175mg(0.79m
mol units)のポリ〔(ジメチルシリレン)−
2,2′−ビチエニレン〕を収率79%で得た。このポ
リマーの融点は168〜172℃/0.1mmHgであ
り、GPCによって得られた重量平均分子量(Mw)は
7800であった。機器分析の結果を以下に示す。
【0059】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.63(s,6H,SiCH3)、7.20(s,4
H,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −2.7,125.4,133.9,134.4,14
0.8 元素分析〔(C1010Si12nとして〕 実測値 C:53.00, H:4.45 計算値 C:53.06, H:4.45
【0060】実施例3 {ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕メチルフェニル
シランの合成} 50mlのナス型フラスコにエーテル20mlと2,5
−ジブロモチオフェン10.0g(41.3mmol)
を入れた。これを−80℃に冷却して、tert−ブチ
ルリチウム−ヘキサン溶液(1.7M)25.0ml
(42.5mmol)を1時間で滴下し、そのままゆっ
くりと常温に戻した。さらに12時間室温で撹拌した
後、ジクロロメチルフェニルシラン3.8g(20.0
mmol)を適下し、3時間還流した。
【0061】加水分解した後、油層を分離し、水で洗浄
し、水層をヘキサンで抽出し、油層を合せて無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。その後、溶媒を留去し、減圧蒸
留(155℃/0.1mmHg)を行い、さらにカラム
(シリカゲル、ヘキサン)で精製し、ビス〔2−(5−
ブロモチエニル)〕メチルフェニルシラン4.2g
(9.5mmol、収率47%)を得た。この化合物の
沸点は155℃/0.1mmHgであり、機器分析の結
果を以下に示す。
【0062】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.84(s,2H,SiCH3)、7.04(d,2
H,Thienyl ring protons,J=
4Hz)、7.11(d,2H,Thienyl ri
ng protons,J=4Hz)、7.34−7.
57(m,5H,Phenyl ring proto
ns)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −1.6,119.0,128.2,130.4,13
1.5,134.1,134.6,137.5,13
7.7 マススペクトル m/e:422(M+) 元素分析(C1512Si12Br2として) 実測値 C:40.66, H:2.90 計算値 C:40.55, H:2.72
【0063】実施例4 {ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕メチルフェニル
シランの重合} 枝付の長さ15cm、内径10mmのパイレックス管の
底を封じ、ミクロ回転子とマグネシウム24.3mg
(1.0mmol)を入れ、真空下で加熱して乾燥させ
た。その後テトラヒドロフラン2mlと1,1−ビス
〔2−(5−ブロモチエニル)〕メチルフェニルシラン
444mg(1.0mmol)を入れ、50℃に加熱し
てグリニャール試薬を調製した。放冷した後、枝からニ
ッケルジクロリド(1,2−ビスジフェニルホスフィノ
エタン)6.9mg(0.013mmol、1.3mo
l%)を入れ、脱気封管し、230℃で50時間加熱し
た。
【0064】反応終了後加水分解を行い、クロロホルム
で抽出し、不溶性成分の濾過を行った後、クロロホルム
/エタノールで再沈澱を行い、280mg(0.99m
mol units)のポリ〔(メチルフェニルシリレ
ン)−2,2′−ビチエニレン〕を収率99%で得た。
このポリマーの融点は148〜155℃/0.1mmH
gであり、GPCによって得られた重量平均分子量(M
w)は30000であった。機器分析の結果を以下に示
す。
【0065】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.87(s,3H,SiCH3)、7.18−7.6
1(m,9H,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −1.4,125.6,130.1,134.7,13
4.9,135.0,137.8,143.9 元素分析〔(C1512Si12)nとして〕 実測値 C:63.24, H:4.38 計算値 C:63.33, H:4.25
【0066】実施例5 {1,1−ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕テトラ
メチルジシランの合成} 50mlのナス型フラスコにエーテル20mlと2,5
−ジブロモチオフェン5.4g(22.3mmol)を
入れた。これを−80℃に冷却して、tert−ブチル
リチウム−ヘキサン溶液(1.7M)13.2ml(2
2.4mmol)を1時間で滴下し、そのままゆっくり
と常温に戻した。さらに12時間室温で撹拌した後、
1,1−ジクロロテトラメチルジシラン2.1g(1
1.2mmol)を滴下し、3時間還流した。
【0067】加水分解した後、油層を分離し、水で洗浄
し、水層をヘキサンで抽出した。その後、油層を合せて
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。続い
てカラム(シリカゲル、ヘキサン)で精製し、1,1−
ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕テトラメチルジシ
ラン3.7g(8.4mmol、収率75%)を得た。
機器分析の結果を以下に示す。
【0068】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.20(s,9H,SiCH3)、0.63(s,3
H,SiCH3)、7.02(d,2H,ring p
rotons,J=4Hz)、7.11(d,2H,r
ing protons,J=4Hz)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −3.1,−2.2,117.8,131.5,13
6.0,138.7 マススペクトル m/e:423(M+−CH3) 元素分析(C1216Si22Br2として) 実測値 C:32.70, H:3.66 計算値 C:32.73, H:3.66
【0069】実施例6 {1,1−ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕テトラ
メチルジシランの重合} 枝付の長さ15cm、内径10mmのパイレックス管の
底を封じ、ミクロ回転子とマグネシウム24.3mg
(1.0mmol)を入れ、真空下で加熱して乾燥させ
た。その後テトラヒドロフラン2mlと1,1−ビス
〔2−(5−ブロモチエニル)〕テトラメチルジシラン
440mg(1.0mmol)を入れ、50℃に加熱し
てグリニャール試薬を調製した。放冷した後、枝からニ
ッケルジクロリド(1,2−ビスジフェニルホスフィノ
エタン)6.9mg(0.013mmol、1.3mo
l%)を入れ、脱気封管し、230℃で100時間加熱
した。
【0070】反応終了後加水分解を行い、クロロホルム
で抽出し、不溶性成分の濾過を行った後、クロロホルム
/エタノールで再沈澱を行い、216mg(0.77m
mol units)のポリ〔(メチルトリメチルシリ
ルシリレン)−2,2′−ビチエニレン〕を収率77%
で得た。このポリマーの融点は102〜107℃/0.
1mmHgであり、GPCによって得られた重量平均分
子量(Mw)は11000であった。機器分析の結果を
以下に示す。
【0071】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.20(s,9H,Si(CH33)、0.67
(s,3H,SiCH3)、7.17(d,2H,ri
ng protons J=3.0Hz)、7.26
(d,2H,ring protons J=3.0H
z)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −2.9,−2.2,125.4,135.7,13
6.3,143.2
【0072】実施例7 実施例2で得られたポリ〔(ジメチルシリレン)〕−
2,2′−ビチエニレン(前記一般式〔3〕中のRおよ
びR2がメチル基、R3、R4、R5およびR6が水素原
子、mが1)1mgを0.1mlのジクロロメタン溶媒
に溶解した。この溶液を用いてスピンコート法により絶
縁基板上に1300Åの厚さの膜を形成した。この膜に
SbF5を気相にて供給してドーピングを行った後、膜
の導電性を測定した。導電性は四探針法を採用して、膜
に電圧を印加して流れる電流および電圧を測定すること
により評価した。その結果、この膜の導電率は1.2S
/cmであった。
【0073】実施例8 実施例4で得られたポリ〔(メチルフェニルシリレン〕
−2,2′−ビチエニレン(前記一般式〔3〕中のRが
メチル基、R2がフェニル基、R3、R4、R5およびR6
が水素原子、mが1)1mgを0.1mlのジクロロメ
タン溶媒に溶解した。この溶液を用いてスピンコート法
により絶縁基板上に1620Åの厚さの膜を形成した。
この膜にSbF5を気相にて供給してドーピングを行っ
た後、実施例7と同様にして膜の導電性を測定した結
果、この膜の導電率は0.038S/cmであった。
【0074】実施例9 実施例6で得られたポリ〔(メチルトリメチルシリルシ
リレン)〕−2,2′−ビチエニレン(前記一般式
〔3〕中のRがトリメチルシリル基、R2がメチル基、
3、R4、R5およびR6が水素原子、mが1)1mgを
0.1mlのジクロロメタン溶媒に溶解した。この溶液
を用いてスピンコート法により絶縁基板上に2000Å
の厚さの膜を形成した。この膜にSbF6を気相にて供
給してドーピングを行った後、実施例7と同様にして膜
の導電性を測定した結果、この膜の導電率は0.001
3S/cmであった。
【0075】実施例10 {1,2−ビス(5−ブロモチエニル)テトラメチルジ
シランの合成} 氷冷下ジエチルエーテル30ml中、2,5−ジブロモ
チオフェン5.0ml(0.044モル)とマグネシウ
ム1.07g(0.044モル)から合成したモノグリ
ニャール試薬に、室温で1,2−ジクロロテトラメチル
ジシラン4.15g(0.022モル)を滴下した後、
3時間還流下で攪拌した。
【0076】冷却後、加水分解して油層分離後、水で洗
浄した後、水層をヘキサン抽出し、油層を合せて、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥後、溶媒を留去し、減圧蒸留
して1,2−ビス(5−ブロモチエニル)テトラメチル
ジシラン3.5g(0.0795モル、収率36%)を
得た。この化合物の沸点は125℃/0.1mmHgで
あり、機器分析の結果を以下に示す。
【0077】1H核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中
で測定、δppm) 0.39(s,12H,CH3Si)、6.82(d,
2H,ring protons,J=12Hz)、
6.89(d,2H,ring protons,J=
12Hz)13 C核磁気共鳴スペクトル (CDCl3溶媒中で測
定、δppm) −2.96,117.0,131.4,135.0,1
40.6 マススペクトル m/e:438(M+) 元素分析(C1216Br22Si2として) 実測値 C:32.70, H:3.66 計算値 C:32.73, H:3.66
【0078】実施例11 〔1,2−ビス(5−ブロモチエニル)テトラメチルジ
シランの重合〕 室温でテトラヒドロフラン10ml中、1,2−ビス
(5−ブロモチエニル)テトラメチルジシラン3.5g
(0.0795モル)とマグネシウム0.193g
(0.0795モル)から合成したグリニャール試薬に
NiCl2(ビピリジン錯体)12.3mg(0.00
00436モル)を加えて室温で15時間攪拌した。テ
トラヒドロフラン留去後クロロホルム/エタノールによ
り再沈を行い、ポリ〔(テトラメチルジシラニレン)ジ
チエニレン〕0.25g(収率11%)を得た。このポ
リマーの融点は300℃以上で、GPCによって得られ
た重量平均分子量(Mw)は9050であった。機器分
析の結果を以下に示す。
【0079】1H核磁気共鳴スペクトル(CCl4溶媒中
で測定、δppm) 0.42(br s,12H,CH3Si)、7.25
(br s,4H,ring protons)13 C核磁気共鳴スペクトル (CDCl3溶媒中で測
定、δppm) −2.82,125.2,135.4,137.4,1
42.7
【0080】実施例12 実施例11で得たポリ〔(テトラメチルジシラニレン)
ジチエニレン〕(前記一般式〔3〕中のRおよびR2
メチル基、R3、R4、R5およびR6が水素原子、mが
2)1mgを0.1mlのジクロロエタンとトルエンと
の1対1の混合溶媒に溶解した。この溶液を用いてスピ
ンコート法により絶縁基板上に2100Åの厚さの膜を
形成した。この膜にSbF5を気相にて供給してドーピ
ングを行った後、実施例7と同様にして膜の導電性を測
定した結果、この膜の導電率σは1.89S/cmであ
った。
【0081】実施例13 {1,3−ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕ヘキサ
メチルトリシランの合成} 50mlのナス型フラスコにエーテル20mlと2,5
−ジブロモチオフェン11.1g(45.5mmol)
を入れた。これを−80℃に冷却して、tert−ブチ
ルリチウム−ヘキサン溶液(1.7M)27.0ml
(45.9mmol)を1時間で滴下し、そのままゆっ
くりと常温に戻した。さらに12時間室温で攪拌した
後、1,3−ジクロロヘキサメチルトリシラン5.6g
(22.9mmol)を滴下し、3時間還流した。
【0082】加水分解した後、油層を分離し、水で洗浄
し、水層をヘキサンで抽出した。油層を合せて無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。その後減圧蒸
留(140℃/0.1mmHg)を行い、さらにオープ
ンカラム(シリカゲル、ヘキサン)で精製し、1,3−
ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕ヘキサメチルトリ
シラン2.6g(5.2mmol、収率23%)を得
た。この化合物の沸点は140℃/0.1mmHgであ
り、機器分析の結果を以下に示す。
【0083】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.17(s,6H,SiSi(CH3)2Si)、0.
35(s,12H,(CH3)2SiSi(CH3)2)、
6.87(d,2H,ring protons,J=
4Hz)、7.09(d,2H,ring proto
ns,J=4Hz)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −2.1,−1.4,116.6,131.3,13
4.5,141.8 マススペクトル m/e:496(M+) 元素分析(C1422Si32Br2として) 実測値 C:33.69, H:4.41 計算値 C:33.73, H:4.45
【0084】実施例14 {1,3−ビス〔2−(5−ブロモチエニル)〕ヘキサ
メチルトリシランの重合} 枝付の長さ15cm、内径10mmのパイレックス管の
底を封じ、ミクロ回転子とマグネシウム24.3mg
(1.0mmol)を入れ、真空下で加熱して乾燥させ
た。その後テトラヒドロフラン2mlと1,3−ビス
〔2−(5−ブロモチエニル)〕ヘキサメチルトリシラ
ン498mg(1.0mmol)を入れ、50℃に加熱
してグリニャール試薬を調製した。放冷した後、枝から
ニッケルジクロリド(1,2−ビスジフェニルホスフィ
ノエタン)6.9mg(0.013mmol、1.3m
ol%)を入れ、脱気封管し、230℃で100時間加
熱した。
【0085】反応終了後加水分解を行い、クロロホルム
で抽出し、不溶性成分の濾過を行った後、クロロホルム
/エタノールで再沈澱を行い55mg(0.16mmo
lunits)のポリ〔(ヘキサメチルトリシラニレ
ン)−2,2′−ビチエニレン〕を収率16%で得た。
このポリマーの融点は74〜78℃であり、GPCによ
って得られた重量平均分子量(Mw)は10500であ
った。機器分析の結果を以下に示す。
【0086】1H核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒
中で測定、δppm) 0.16(s,6H,SiSi(CH3)2Si)、0.
35(s,12H,Si(CH3)2SiSi(C
3)2)、6.99(d,2H,ring proto
ns,J=3.3Hz)、7.19(d,2H,rin
g protons,J=3.3Hz)13 C核磁気共鳴スペクトル(CDCl3溶媒中で測定、
δppm) −6.7,−2.0,125.1(2C),134.
9,142.6 元素分析(C1422Si32として) 実測値 C:48.49, H:6.58 計算値 C:49.65, H:6.55
【0087】実施例15 実施例14で得られたポリ〔(ヘキサメチルトリシラニ
レン)〕−2,2′−ビチエニレン(前記一般式〔3〕
中のRおよびR2がメチル基、R3、R4、R5およびR6
が水素原子、mが3)1mgを0.1mlのジクロロメ
タン溶媒に溶解した。この溶液を用いてスピンコート法
により絶縁基板上に2000Åの厚さの膜を形成した。
この膜にSbF5を気相にて供給してドーピングを行っ
た後、実施例7と同様にして膜の導電性を測定した結
果、この膜の導電率は1.31S/cmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 恒明 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−76714(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/60

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔1〕 【化1】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
    それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
    示す。)で表わされるビス(5−ハロゲン置換チエニ
    ル)シラン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式〔2〕 【化2】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
    それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
    示す。)で表わされるビス(5−ハロゲンマグネシウム
    チエニル)シラン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式〔3a〕 【化3】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、mは1以上の数
    を示し、nは2以上の数を示す。ただし、mが1で、R
    およびR2 がアルキル基またはアリール基の場合を除
    く。)で表わされるポリシラン化合物。
  4. 【請求項4】 一般式〔4〕 【化4】 (式中、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、また
    はアルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコ
    キシ基からなる群から選ばれる基を示し、X3およびX4
    はそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表わされる
    2,5−ジハロゲン置換チオフェン誘導体とマグネシウ
    ムとを反応させて得られる2−ハロゲン置換−5−ハロ
    ゲンマグネシウムチオフェン誘導体、または前記一般式
    〔4〕で表わされる2,5−ジハロゲン置換チオフェン
    誘導体とリチオ化試剤とを反応させて得られる2−ハロ
    ゲン置換−5−リチウムチオフェン誘導体に、一般式
    〔5〕 【化5】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、X5
    よびX6はそれぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1
    以上の数を示す。)で表わされるジハロゲン置換シラン
    類を反応させることを特徴とする一般式〔1〕 【化6】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
    それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
    示す。)で表わされるビス(5−ハロゲン置換チエニ
    ル)シラン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式〔1〕 【化7】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
    それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
    示す。)で表わされるビス(5−ハロゲン置換チエニ
    ル)シラン誘導体とマグネシウムとを反応させることを
    特徴とする一般式〔2〕 【化8】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
    それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
    示す。)で表わされるビス(5−ハロゲンマグネシウム
    チエニル)シラン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式〔1〕 【化9】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、XおよびX2
    それぞれ独立にハロゲン原子を示し、mは1以上の数を
    示す。)で表わされるビス(5−ハロゲン置換チエニ
    ル)シラン誘導体とマグネシウムとを反応させて得られ
    るビス(5‐ハロゲンマグネシウムチエニル)シラン誘
    導体を、遷移金属錯体触媒の存在下に重合させることを
    特徴とする一般式〔3〕 【化10】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、mは1以上の数
    を示し、nは2以上の数を示す。)で表わされるポリシ
    ラン化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 主鎖が、一般式〔3a〕 【化11】 (式中、RおよびR2はそれぞれ独立にアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、アルキルシリル基およびアリ
    ールシリル基からなる群から選ばれる基を示し、R3
    4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、または
    アルキル基、アリール基、アラルキル基およびアルコキ
    シ基からなる群から選ばれる基を示し、mは1以上の数
    を示し、nは2以上の数を示す。ただし、mが1で、R
    およびR2 がアルキル基またはアリール基の場合を除
    く。)で表わされる、シラニレンジチエニレン単位の繰
    返し単位を有するポリシラン化合物からなることを特徴
    とする導電性材料。
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