JPH09323873A - エレベータガイドレールの研削装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来では、段差部毎に研削装置を取り付けね
ばならなかったため、その脱着作業に長時間を要し、研
削作業の効率は非常に悪いものであった。 【解決手段】 上記問題点を解決するため、乗かご３上
部に設けられた長尺部材４ｃとこの長尺部材４ｃに固定
されるとともにガイドレール１に係合する係合部材４
ｄ、４ｅとこれら係合部材４ｄ、４ｅの係合点を結ぶ線
上に位置するよう長尺部材４ｃに設けられた研削部材４
ｆとから研削装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータガイド
レールの研削装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータの乗かごは、その両側方に立
設されたガイドレールに案内されて昇降路内を昇降して
いる。また、前記ガイドレールは複数本継ぎ足して昇降
路全工程に設置されるが、その継目にて段差を生じるこ
とが多い。よって、ガイドレールに沿って昇降している
乗かごは、段差にて衝撃を受けることになり、乗心地が
悪化する。そのため、従来では前記段差をグラインダ等
の研削装置を用いて研削し、乗心地に悪影響を与えない
よう調整していた。

【０００３】このような研削装置の一例としては実開平
３−２１０８３号公報にその開示がみられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では段差部近傍のレールに研削装置を固定し、研削する
構成であったため、段差の生じている継目毎に研削装置
の着脱作業が発生し、段差の修正作業を非常に効率の悪
いものとしていた。さらに、段差が乗心地に大きく影響
するのは、乗かごが高速で昇降する昇降工程が約２００
ｍ以上のエレベータであるため、このエレベータの段差
部をその部位毎に修正するには非常に困難であるという
問題点があった。

【０００５】本発明は前記問題点を鑑みてなされたもの
で、簡単な作業で容易に段差部の修正作業を行うことを
可能とするエレベータガイドレールの研削装置を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、昇降路両側壁に対向して一対立設され、乗か
ごの昇降を案内するエレベータガイドレールの研削装置
において、前記対向したガイドレールを結ぶ垂直面内で
変位可能に前記乗かごに支持される長尺部材と、この長
尺部材の両端部近傍に取付られ、前記ガイドレールに係
合する複数の係合部材と、前記複数の係合部材のガイド
レールとの係合点をつないだ線上に位置するよう前記長
尺部材の中間部に取付けられた研削部材とを備えたこと
を特徴とする。

【０００７】本発明は上記のように構成したため、乗か
ごを昇降させたならば、長尺部材を介して乗かごに支持
された複数の係合部材もこの乗かごの昇降に同期し、ガ
イドレールに沿って昇降する。そして、研削装置は係合
部材の係合点をつないだ線上に位置するよう設けられて
いるため、この線上より突出した凸部を研削することが
できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
に基づいて説明する。まず、本発明の研削装置の全体構
造を図１を用いて説明する。図１は、本発明の研削装置
の全体構成を示す昇降路縦断面図である。

【０００９】図において、１は昇降路両側壁２に立設さ
れるガイドレールで、両ガイドレール１は同一の垂直面
内で対向するように配設されている。また、３はガイド
部材３ａを介して前記ガイドレール１に案内され昇降路
内を昇降する乗かごである。そして、４は乗かご３上部
に設けられた研削装置であり、その下面に図示しない磁
石が配設され、乗かご３上部に着脱自在に固定される台
４ａと、この台４ａに取付けられ、前記垂直面内、すな
わち図におけるＸ方向に回動する支持部材４ｂと、この
支持部材４ｂにその下端部が支持される長尺部材４ｃ
と、この長尺部材４ｃの上端部近傍にその一端で取付け
られる連結材４１ｄと、この連結材４１ｄの他端に取付
けられ、前記ガイドレール１の表面に当接して回動する
よう係合するローラ４２ｄ、４３ｄとから形成される上
部係合部材４ｄと、前記長尺部材４ｃ下端部近傍にその
一端で取付けられる連結材４１ｅと、連結材４１ｅの他
端に取付けられ、前記ガイドレール１の表面に当接して
回動するよう係合するローラ４２ｅ、４３ｅとから形成
される下部係合部材４ｅと前記長尺部材４ｃの中間部に
取付けられる取付板４１ｆと、ガイドレール１を研削す
る研削部４２１ｆを有するグラインダ４２ｆと、このグ
ラインダ４２ｆを、取付板４２ｆに、その研磨部４２１
ｆが前記上下部係合部材４ｄ、４ｅの係合点を結ぶ線上
に位置するように取付ける取付具４３ｆとから形成され
る研削部材４ｆとから構成されている。

【００１０】この研削装置４の設置方法を図２を用いて
説明する。図２は本発明の研削装置の係合部を示す拡大
平面図である。まず、乗かご３を昇降路の最上部近傍ま
で上昇させた後、この乗かご３を昇降路の最上部近傍ま
で上昇させた後、この乗かご３に作業員が乗り込む。そ
して、ローラ４２ｄ、４２ｅがガイドレール１の端面１
ｆに当接するよう前記台４ａを乗かご３上部に固定す
る。

【００１１】その後、まず上部係合部４ｄをガイドレー
ル１に係合させる。すなわち、おねじ部を有するローラ
４３ｄの回転軸を連結材４１ｄに固定された固定部４３
２ｄに螺合させ、この螺合部の両側部をナット４３３ｄ
にて締結する。このようにすることにより、ローラ４３
ｄによりリブ部１ｅの背面を、そしてローラ４２ｄによ
り端面１ｆを押圧するように構成される。

【００１２】よって、ガイドレール１は３方向から挟圧
されることになり、図２のＸ方向に力が加わっても係合
部４ｄはガイドレール１を係合保持し、脱レールするこ
とがない。また、下部係合部４ｅについても同様にガイ
ドレール１に係合させる。以上のように、研削装置４は
ガイドレール１に案内されて昇降することになる。

【００１３】次に、本発明の研削装置４によるガイドレ
ール１の研削動作を図３から図５を用いて説明する。図
３から図５は、本発明の研削装置による研削動作を説明
する説明図である。

【００１４】まず、研削開始時に昇降路最上部に位置し
ている乗かご３上にてグラインダ４２ｆを駆動させ研削
可能状態にする。そして、乗かご３を低速で下降させる
が、図３に示すガイドレール１を継目板１ａで連結して
いる継目板１ｂのようにガイドレール１がくの字に屈曲
し又は段差が生じている場合には、係合部材４ｄ、４ｅ
の係合点を結ぶ線上よりガイドレール１が突出するた
め、この突出した部分のガイドレールは、グラインダ４
２ｆの研削部４２１ｆにて研削されることになる。

【００１５】よって、続いて下降すると、図４に示すよ
うに突出したガイドレールの１ｃ部分が研削され、さら
に図５の位置まで下降すると１ｃに加え１ｄ部分も研削
されることになる。そして、乗かご３を昇降路最低部ま
で下降させ、さらに、反対側のガイドレール１も研削し
たなら、全てのガイドレール１の屈曲及び段差修正を完
了する。このように本実施形態によれば、乗かご３上部
に研削装置４を設置し、乗かご３を下降させるだけで、
ガイドレール１の屈曲及び段差部の研削が可能であるた
め、非常に効率良く容易に屈曲及び段差部の修正を行う
ことができる。また、本実施形態では、研削装置４を乗
かご上部に支持させるように構成したが、長尺部材４ｃ
を前記垂直面内で変位可能に支持できるなら乗かご３の
床部でも下部でも同様に効果が得られる。

【００１６】さらに、本実施形態では係合部材４ｄ、４
ｅにローラ４２ｄ、４３ｄ、４２ｅ、４３ｅを用いて構
成したが、ガイドレール１のリブ部１ｅと端面１ｆとを
挟持するように係合する構成があればよく、ガイドシュ
ー部材等を用いても同様の効果が得られる。

【００１７】

【発明の効果】本発明の研削装置は以上のような構成に
したため、簡単な作業で容易に、屈曲及び段差の修正作
業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の研削装置全体構成を示す昇降路断面図
である。

【図２】本発明の係合部の拡大平面図である。

【図３】本発明の研削装置によるガイドレール屈曲部上
部の研削動作を説明する図である。

【図４】本発明の研削装置によるガイドレール継目屈曲
部の研削動作を説明する図である。

【図５】本発明の研削装置によるガイドレール屈曲部下
部の研削動作を説明する図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ 昇降路側壁 ３ 乗かご ４ 研削装置 ４ｃ 長尺部材 ４ｄ、４ｅ 係合部材 ４ｆ 研削部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路両側壁に対向して一対立設され、
   乗かごの昇降を案内するエレベータガイドレールの研削
   装置において、前記対向したガイドレールを結ぶ垂直面
   内で変位可能に前記乗かごに支持される長尺部材と、こ
   の長尺部材の両端部近傍に取付られ、前記ガイドレール
   に係合する複数の係合部材と、前記複数の係合部材のガ
   イドレールとの係合点をつないだ線上に位置するよう前
   記長尺部材の中間部に取付けられた研削部材とを備えた
   ことを特徴とするエレベータガイドレールの研削装置。