JPH09322725A - 低温で流通可能な米飯食品およびその製造方法 - Google Patents

低温で流通可能な米飯食品およびその製造方法

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JPH09322725A
JPH09322725A JP9080315A JP8031597A JPH09322725A JP H09322725 A JPH09322725 A JP H09322725A JP 9080315 A JP9080315 A JP 9080315A JP 8031597 A JP8031597 A JP 8031597A JP H09322725 A JPH09322725 A JP H09322725A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アミロース含量が15%以下、特に10%以
下であるうるち米の精米の炊飯米を用いたことを特徴と
する低温で流通可能な米飯食品、好ましくはチルド流通
または冷凍米飯食品。最も好ましくは未加熱で喫食でき
るチルド流通米飯である。炊飯米は食品用界面活性剤、
糖類などの食品用添加物を含有するものおよび/または
食品用酵素製剤を炊飯の前または後に添加して炊飯され
たものである。炊飯米は炊飯用水および/または浸漬水
として機能水を用いて炊飯されたものである。連続炊飯
器内で一次蒸らし、二次浸漬、二次蒸らしの各工程を順
次行う蒸煮炊飯を行い連続製造する。 【効果】 アミロース含量15%以下の低アミロース
米、特に奥羽344号を使用することにより、低温保存
中の食感劣化が少ない米飯を提供することができた。制
菌剤などの使用が必要でない15℃以下、好ましくは1
0℃以下、最も好ましくは5℃以下の低温で流通が可能
な米飯食品を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温で流通可能な米飯
食品およびその製造法に関する。具体的には低温で保存
しても硬くなりにくく、かつ、粘りを維持した炊飯米を
用いた米飯食品およびその製造方法に関する。本発明に
おいて、「チルド流通」とは10℃以下で凍結しない程
度の温度帯での流通を意味する。
【0002】
【従来の技術】米を炊飯した米飯は、時間の経過ととも
に硬くなってゆく。この現象は米飯の老化と呼ばれ、そ
の変化の度合いは低温の方が大きい。老化はデンプンの
経時的な変化であり、水と熱により糊化したテンプン
が、再結晶化するために起こるといわれている。
【0003】米飯の老化を抑制する方法としては、炊飯
時の加水量を多くすることや酵素類(aアミラーゼ、β
アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ等)、デ
ンプン類(a化デンプン、加工デンプン等)、多糖類
(ジェランガム、ヒアルロン酸等)、糖類(アンヒドロ
糖、デキストリン、ブドウ糖、果糖、サイクロデキスト
リン)、糖アルコール類(トレハロース、マルチトー
ル、ソルビトール、ラクテトール等)、乳化剤(ショ糖
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機
酸モノグリセリド)の添加等がある。
【0004】これらは各々若干の効果を有するものの、
これらの技術のみで米飯の老化を抑えることはできな
い。例えば、上記いずれの技術を用いた場合あるいは組
み合わせた場合でも、5℃で24時間保存した米飯は硬
く、そのまま食するのは困難な状態となる。
【0005】上記の理由により、一旦低温下に保存され
たご飯は電子レンジ等の加熱が必要となる。よって、例
えば弁当総菜店においては、そのまま喫食する場合も想
定して米飯の老化が少ない15℃以上あるいは凍結して
流通、販売されている。すなわち15℃以上で流通販売
すれば米飯の老化は抑制されるわけであるが、本温度帯
では細菌の繁殖が問題となり、制菌剤などの使用が必要
となる。その場合、本来、より低温で保存可能な(低温
での変化が少ない)おかず類へも制菌剤を使用せざるを
得ない。また、生野菜など低温保存の好ましいものを一
緒にすることができない。
【0006】一方、冷凍総菜では、米飯の老化は少ない
ものの、特に野菜類等のおかず類の冷凍変性による食感
変化が著しく、また本総菜では直ちに喫食しようとする
場合、必ず電子レンジなどの加熱が必要である。また、
他方では、特に米飯の食感が重要視され、かつ加熱解凍
が難しい冷凍寿司では米飯の老化を抑えるために多量の
糖類や食品用界面活性剤が添加されていることが多く、
異味や異臭を感じる場合さえある。
【0007】うるち米とは遺伝的な性質が異なるもち米
も難老化性が高いことが知られている。しかしながら、
もち米には特有な臭いがあり、また、食感も粘りが強す
ぎることから前記の総菜類には向かない。
【0008】一方、食生活の多様化に伴い、米の需要の
内容も品質、安全性、食味など多様さを増しており、
形、色、香り、飯の粘り、硬さなど個性を持たせた新し
い品種の米、また冷凍米飯等の加工利用米としての適性
が生産者と消費者から求められるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温で流通
可能な米飯食品およびその製造法の提供を目的とする。
本発明は未加熱で喫食できるチルド流通米飯およびその
製造法の提供を目的とする。本発明は、自然解凍によっ
て炊飯直後と同様の米飯食感が得られる冷凍寿司を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】米の主成分である澱粉は
ブドウ糖が直鎖状に連なったアミロースと分枝状に連な
ったアミロペクチンからできている。日本のうるち米は
アミロース含量が18〜23%であるが、世界の米は9
〜33%まで分布している。もち米(アミロース含量0
%)とうるち米との性質の違いを見ても分かるように、
アミロース含量は飯の口当たりを示す粘り、硬さと深く
関係しており、アミロース含量が低いほど、食味の一要
素である粘りが向上し、食味の向上に効果を与えると考
えられており、実際に良食味といわれるコシヒカリは粘
りけが強い。またまずいコメでもモチ米を少量添加する
ことでかなりおいしくなることはよく知られている。本
発明者らは米について、食生活、調理、流通の多様化に
合った品種を選択する必要があると考え、24時間以上
の、好ましくは48時間の低温保存によっても米飯食感
が炊飯直後と変わらない低温流通に適した品種をさがす
べく、非常に数多くの品種のうるち米を炊飯し、検査し
て、特定の品種、すなわち奥羽344号で炊いた米飯が
難老化性を示すことを見いだし、その発見をもとに鋭意
研究して、本発明を完成させた。
【0011】本発明でいう「アミロース含量」は、ヨウ
素親和力測定法やヨウ素呈色比色法で測定される見かけ
のアミロース含量であり、真のアミロース含量とは異な
っている。一般にデンプン中のα−1,4結合のみから
なる成分がアミロースと定義されているが、実際のアミ
ロース成分中には多少ともα−l,6結合も含むため、
前記の如くアミロースとヨウ素との親和力を利用した見
かけのアミロース含量がアミロース含量として一般に多
用されている。これらは、乾物換算で表される。本発明
者が前記の方法で測定した一般的な日本産うるち米のア
ミロース含量は15〜22%であった。
【0012】上記の通り、一般にアミロース含量とデン
プンの老化は密接に関係し、その含量が高いものほど老
化しやすいことがいわれている。本発明においての難老
化性はアミロース含量が15%以下で効果が確認され、
且つ12%以下でその効果は顕著であった。すなわち、
本発明は低温でも硬くなりにくい米飯に炊き上がるうる
ち米としてアミロース含量が15%以下であるうるち精
米を選択し使用するものである。
【0013】本発明は、アミロース含量が15%以下、
好ましくはアミロース含量が10%以下であるであるう
るち精米の炊飯米を用いたことを特徴とする低温で流通
可能な米飯食品である。
【0014】現在までに低アミロース米として新品種保
護法で品種登録されている品種は奥羽344号、ミルキ
ークイーン、ソフト158、彩、西海215号の5品種
である。また、中間母本として中母農14号、中母農1
3号がある。これらは何れも難老化特性を有するが、特
に奥羽344号や種苗登録されていないものでは奥羽3
43号、奥羽354号がその特性が強いことを確認して
いる。したがって、難老化特性は品種に特有の性質であ
る可能性もある。
【0015】本発明においては、さらに、低アミロース
米をベースとして、炊飯前あるいは炊飯後に食品用界面
活性剤、食品用酵素製剤、糖類などの食品用添加物を添
加することにより、より難老化性を高めることができ
る。すなわち、本発明は、食品用界面活性剤、食品用酵
素製剤、デンプンおよび/または糖類を含有する、アミ
ロース含量が15%以下、好ましくはアミロース含量が
10%以下であるうるち精米の炊飯米を用いたことを特
徴とする低温で流通可能な米飯食品である。
【0016】食品用界面活性剤(乳化剤)としては、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
有機酸モノグリセリド、リゾレシチン、ジグリセリン脂
肪酸エステル、ステアロイル乳酸塩の添加が有効であ
リ、好ましくはHLB12以上の乳化剤を対生米0.0
5−1.0%(w/w)添加が効果的である。食品用酵
素としては、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコ
アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼを0.01−
100U/米1gの添加が有効であり、これらは炊飯前
あるいは炊飯後のいずれに添加しても有効である。デン
プンとしてはアミロペクチン含量が高いワキシーコーン
スターチ、白玉粉、タピオカデンプンあるいは化工デン
プンおよびこれらの分解物が適しており、生米に対して
0.5−20%(w/w)添加が適している。
【0017】その他の糖類ではジェランガム(対生米
0.1−5.0%)、ヒアルロン酸(対生米0.05−
0.8%)、アンヒドロ酸(対生米0.3−30%)、
デキストリン(対生米0.5−20%)、サイクロデキ
ストリン(対生米0.5−20%)、オリゴ糖(0.5
−20%)が良い(括弧内はw/w)。糖アルコールと
してはトレハロース、ラクチトール、マルトテトラオー
ス、マルチトール、ソルビトールが難老化性を高め、こ
れらの添加量は対生米で0.1−10%が適当である。
【0018】また、機能水を炊飯水、浸漬水として利用
することも難老化に対して効果的である。機能水として
は脱気水、電場水、磁場水が適している。脱気水は気体
透過性・液体不透過性の膜の一方の側に水を流し、他の
側を真空に保つことによって水中の溶存気体を除去した
水であり、電場水は高圧の静電圧負荷した水であり、磁
場水は磁場、電場中を通過させた水である。すなわち、
本発明は、炊飯用水および/または浸漬水として機能水
を用いて炊飯された、アミロース含量が15%以下、好
ましくはアミロース含量が10%以下であるうるち精米
の炊飯米を用いたことを特徴とする低温で流通可能な米
飯食品である。機能水としては最も好ましくは旭プラン
ト工業製アクアバランサーにて製造した水である。上記
の炊飯米も食品用界面活性剤、食品用酵素製剤、テンプ
ンおよび/または糖類を含有してもよい。
【0019】本発明中の低温流通とは15℃以下を示
し、プラスの温度帯では5℃前後をピークとした易老化
温度域での米飯の流通をターゲットとしている。本発明
の米飯食品の流通温度は15℃以下、好ましくは10℃
以下、最も好ましくは5℃以下である。すなわち一般
に、この温度域にて流通された米飯類を炊飯直後に近い
食感に戻すためには電子レンジ等の加熱を必要とする
が、本発明によれば加熱を必要とせず、炊飯直後と同様
の食感も得ることができる。したがって、本発明の米飯
食品は未加熱で喫食できるチルド流通米飯に適してい
る。
【0020】また、電子レンジ等の加熱によリ温かい米
飯として喫食する場合も従来の米飯より美味しい。これ
は老化したアミロースが再糊化し難いためであり、通常
のうるち米よリアミロース含量が低い低アミロース米で
は再加熱により、より軟らかく粘りがある食感となるた
めである。さらに、冷凍した米飯類を自然解凍して食す
ることも可能である。したがって、本発明の米飯食品は
冷凍米飯食品にも適している。
【0021】自然解凍する冷凍米飯の代表としては冷凍
寿司が挙げられる。冷凍寿司では、加熱解凍時に特に魚
介類の寿司種が加熱変性しやすい。本発明は自然解凍に
よっても炊飯直後と同様の米飯食感が得られるため、喫
食時に製造直後の食感を得ることが可能である。同様に
冷凍のおにぎり、ピラフ、混ぜご飯などにも適してお
り、これらは自然解凍と同様に前述の如く電子レンジ等
の加熱によっても美味しく食べられる。
【0022】一般に、15℃以上で流通販売すれば米飯
の老化は抑制されるわけであるが、15℃以上の温度帯
では細菌の繁殖が問題となり、制菌剤などの使用が必要
となる。本発明においては、15℃以下、好ましくは1
0℃以下、最も好ましくは5℃以下の低温で流通が可能
である。したがって、本発明の米飯食品は制菌剤を使用
しないものである。
【0023】低アミロース米を大ロットで炊飯するのに
は連続炊飯器内で一次蒸らし、二次浸漬、二次蒸らしの
各工程を順次行う蒸煮炊飯が適している。通常うるち米
と比較して、低アミロース米の溶出成分はアミロペクチ
ン含量が高く、粘度が高い。そのため釜炊飯方式では炊
飯中の炊飯水粘度が上昇し、このために釜内の対流が不
十分となるためである。その結果、釜底面のみが著しく
加熱され焦飯となり、表層あるいは内部では芯が残るご
飯となってしまう。また、蒸煮炊飯中においての各種添
加物の添加は二次蒸しの工程が最も適当である。
【0024】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0025】実施例1 低温保存時の米飯の食感変化を以下の方法で測定した。
市販の炊飯器で炊飯した(生米300g+水405g、
もち米のみ水360g)。米飯をトレーに移し、濾紙を
被せて25℃2時間放置し、放冷した(保存0時間)。
この米飯を5℃の冷蔵庫に入れ、24時間後にサンプリ
ングを行った。各々の米飯一粒について、物性測定機器
であるテンシプレッサーの積算荷重法(プランジャーを
米飯厚さに対して3%ずつ進入させた)の背圧応力が0
となったときの進入率を測定した(図1参照)。各々1
0回ずつ測定を行った時の平均値とその時の官能評価の
結果(もち米は粘りが強すぎることと臭いが強いことか
ら官能評価から除いた)と併せて表1に示した。表1に
おいて◎と〇は十分食べられるものであるが、△と×は
食べられないレベルである。
【0026】
【表1】
【0027】積算荷重法の背圧応力値が0となる進入率
は官能評価の食感と非常に良く相関した。すなわち、5
℃24時間保存後に硬い食感を示すものほど大きい値を
示した。通常のうるち米と比較して低アミロース米は全
般に硬くなり難く、特に奥羽344号、奥羽343号、
奥羽354号の変化が最も小さかった。
【0028】実施例2 実施例1と同条件にて炊飯するのに際し、表中の添加物
を炊飯前あるいは炊飯後に添加したときの5℃保存0時
間および24時間後の官能評価結果を表2に示した。な
お、官能評価基準は実施例1と同様にした。
【0029】
【表2】
【0030】表中に示した添加物を使用することにより
低温保存中の変化はより小さく抑えられた。しかしなが
ら、魚沼産コシヒカリでは5℃24時間保存後に食する
のが困難な状態であったのに対して、ミルキークイーン
では軟らかく粘りがある食感であった。奥羽344号は
さらに軟らかく粘りが強い食感であり、24時間後でも
0時間と近い食感であった。
【0031】実施例3 各種うるち米を添加水および添加量を変えて炊飯したと
きの炊飯直後の食感と5℃24時間保存後の食感を表3
に示した。
【0032】
【表3】
【0033】電場水を使用することにより、通常の加水
量では硬めの食感となった。しかしながら、5℃24時
間保存した場合、加水量を増加させた区で軟らかく、粘
りが強い食感であった。
【0034】実施例4 ミルキークイーン、魚沼産コシヒカリおよび奥羽344
号を連続炊飯器内で一次蒸らし,二次浸漬,二次蒸らし
の各工程を順次行う大ロット(処理能力生米500kg
/時間)蒸煮炊飯を行った。炊飯後および5℃保存後の
食感は実施例2で示した無添加時の食感と同様であっ
た。
【0035】実施例5 ミルキークイーン、魚沼産コシヒカリおよび奥羽344
号を連続炊飯器内で一次蒸らし、二次浸漬、二次蒸らし
の各工程を順次行う大ロット(処理能力生米500kg
/時間)蒸煮炊飯を行い、実施例2で示した添加物の添
加を行った。なお添加物の添加は二次蒸らしの際の噴霧
により行った。炊飯後および5℃保存後の食感は実施例
2で示した無添加時の食感と同様であった。
【0036】実施例6 実施例2〜5で得た保存前の米飯を用いて、幕の内弁
当、混ぜご飯、ピラフ、おにぎり、寿司を試作し、5℃
にて保存した。これらの24時間保存後の米飯食感は実
施例2に示した官能評価と同様であり、保存後に電子レ
ンジ加熱した場合、ミルキークイーン、奥羽344号を
用いたサンプルで、より軟らかく、粘りが強い食感であ
り、特に奥羽344号で優れていた。
【0037】実施例7 実施例2〜5で得た保存前の米飯を用いて、幕の内弁
当、混ぜご飯、ピラフ、おにぎり、寿司を試作し、冷凍
した。これらを自然解凍した時、米飯食感は実施例2に
示した官能評価と同様であり、また、解凍後に5℃24
時間保存したサンプルも同様であった。さらに、解凍時
あるいは5℃24時間保存後に電子レンジ加熱した場
合、ミルキークイーン、奥羽344号を用いたサンプル
で、より軟らかく、粘りが強い食感であり、特に奥羽3
44号で優れていた。
【0038】実施例8 表4中の水を用いて市販炊飯器にて炊飯した時の5℃保
存における食感の変化をみた。なお、加水量は生米に対
して1.35倍とした。
【0039】
【表4】
【0040】実施例9 実施例1で炊飯したうち2種の米について5℃および1
7℃で保存したときの食感および一般生菌数を測定し
た。いずれの試料も5℃24時間後に一般生菌は確認さ
れなかったものの、食感では奥羽344号が明らかに優
れた。
【0041】
【表5】
【0042】
【発明の効果】アミロース含量15%以下の低アミロー
ス米を使用することにより、低温保存中の食感劣化が少
ない米飯を提供することができた。一般に、15℃以上
で流通販売すれば米飯の老化は抑制されるわけである
が、15℃以上の温度帯では細菌の繁殖が問題となり、
制菌剤などの使用が必要となる。本発明においては、制
菌剤などの使用が必要でない15℃以下、好ましくは1
0℃以下、最も好ましくは5℃以下の低温で流通が可能
な米飯食品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炊飯米の老化を評価するための物性測定(テン
シプレッサー)の積算荷重法を説明する図面である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミロース含量が15%以下であるうる
    ち米の精米の炊飯米を用いたことを特徴とする低温で流
    通可能な米飯食品。
  2. 【請求項2】 うるち米が奥羽344号、奥羽343号
    および奥羽354号から選択される請求項1の低温で流
    通可能な米飯食品。
  3. 【請求項3】 低温が15℃以下である請求項1または
    2の低温で流通可能な米飯食品。
  4. 【請求項4】 チルド流通米飯食品である請求項1、2
    または3の低温で流通可能な米飯食品。
  5. 【請求項5】 米飯食品が未加熱で喫食できるチルド流
    通米飯である請求項4の低温で流通可能な米飯食品。
  6. 【請求項6】 冷凍米飯食品である請求項1または2の
    低温で流通可能な米飯食品。
  7. 【請求項7】 冷凍米飯食品が冷凍寿司である請求項6
    の低温で流通可能な米飯食品。
  8. 【請求項8】 アミロース含量が10%以下である請求
    項1ないし7のいずれかの低温で流通可能な米飯食品。
  9. 【請求項9】 炊飯米が食品用添加物を含有する請求項
    1ないし8のいずれかの低温で流通可能な米飯食品。
  10. 【請求項10】 食品用添加物として食品用界面活性剤
    を用いる請求項9の低温で流通可能な米飯食品。
  11. 【請求項11】 食品用添加物として糖類を用いる請求
    項9または10の低温で流通可能な米飯食品。
  12. 【請求項12】 炊飯米が食品用酵素製剤を炊飯の前ま
    たは後に添加して炊飯されたものである請求項1ないし
    11のいずれかの低温で流通可能な米飯食品。
  13. 【請求項13】 炊飯米が、炊飯用水および/または浸
    漬水として機能水を用いて炊飯されたものである請求項
    1ないし13のいずれかの低温で流通可能な米飯食品。
  14. 【請求項14】 制菌剤を使用しない請求項1ないし1
    3のいずれかの低温で流通可能な米飯食品。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項14のいずれか
    の米飯食品の炊飯米を製造するに際し、連続炊飯器内で
    一次蒸らし、二次浸漬、二次蒸らしの各工程を順次行う
    蒸煮炊飯を行い連続製造することを特徴とする低温で流
    通可能な米飯食品の製造方法。
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