JPH09319124A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH09319124A
JPH09319124A JP15181796A JP15181796A JPH09319124A JP H09319124 A JPH09319124 A JP H09319124A JP 15181796 A JP15181796 A JP 15181796A JP 15181796 A JP15181796 A JP 15181796A JP H09319124 A JPH09319124 A JP H09319124A
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Japan
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Application number
JP15181796A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Suzuki
哲郎 鈴木
Hiroshi Tamura
宏 田村
Tatsuya Niimi
達也 新美
Hiroshi Ikuno
弘 生野
Atsushi Aoto
淳 青戸
Hiroshi Nagame
宏 永目
Shigeto Kojima
成人 小島
Hidetoshi Kami
英利 紙
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層およ
び電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体の製造方法
において、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、且つ繰り
返し使用における露光部電位の上昇の少ない電子写真感
光体が得られる電子写真感光体の製造方法を提供する。 【解決手段】 トリアリールアミン構造を主鎖および/
または側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とす
る高分子電荷輸送層を塗布し、150℃以上の温度で乾
燥させて高分子電荷輸送層を形成する。または、少なく
とも電荷発生層およびトリアリールアミン構造を主鎖お
よび/または側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成
分とする高分子電荷輸送層を形成して電子写真感光体を
得た後、該電子写真感光体を150℃以上の温度で加熱
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、更に詳しくは、複写機、レーザープリンター、レ
ーザーファクシミリなどに好適に使用される電子写真感
光体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方法としては、カールソンプロ
セスやその様々な変形プロセスなどが知られており、複
写機やプリンターなどに広く使用されている。この様な
電子写真方法に用いられる感光体の中でも、有機系の感
光材料を用いたものが、安価、大量生産性、無公害性な
どをメリットとして、近年使用されてきている。
【0003】有機系の電子写真感光体には、ポリビニル
カルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂、P
VK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)
に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−結着剤
に代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質
とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知ら
れており、特に機能分離型の電子写真感光体が注目され
ている。
【0004】この機能分離型の電子写真感光体における
静電潜像形成のメ力ニズムは、感光体を帯電したのち光
照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過して電荷発生
層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷
発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送
層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがっ
て電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和する
ことにより静電潜像を形成するものである。機能分離型
の電子写真感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ
電荷輸送物質と、主に可視部から近赤外部に吸収を持つ
電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られてお
り、かつ有用である。
【0005】電荷輸送物質としては、多くの低分子化合
物が開発されているが、低分子化合物は単独では成膜性
がないため、通常、不活性高分子に分散・混合して用い
られる。しかるに、例えば機能分離型の積層感光体にお
いては、低分子電荷輸送物質と不活性高分子からなる電
荷輸送層は一般に脆く、カールソンプロセスにおける繰
り返し使用時に膜削れが生じやすいという欠点がある。
また、この構成の電荷輸送層は電荷移動度に限界があ
り、カールソンプロセスの高速化あるいは小型化の障害
となっていた。これは、通常、低分子電荷輸送物質の含
有率が不活性高分子成分100重量部に対して100重
量部以下で使用されることに起因しており、低分子電荷
輸送物質の含有率を増すことにより電荷移動度をある程
度上げることは可能であるが、低分子電荷輸送物質の含
有率を増すと成膜性が劣化し、電子写真感光体の繰り返
し使用による膜削れが大きくなるという欠点がある。
【0006】このような欠点を改良するために高分子型
の電荷輸送物質が注目され、例えば、特開昭51−73
888号公報、特開昭54−8527号公報、特開昭5
4−11737号公報、特開昭56−150749号公
報、特開昭57−78402号公報、特開昭63−28
5552号公報、特開平1−1728号公報、特開平1
−19049号公報、特開平3−50555号公報など
に開示されている。これらの高分子型の電荷輸送物質を
用いた場合には、成膜性が良好で機械的強度が強く耐摩
耗性に優れ、繰り返し使用による膜削れを防止すること
ができる。
【0007】しかしながら、高分子電荷輸送物質を用い
た電荷輸送層と電荷発生層を積層してなる感光層を有す
る機能分離型の電子写真感光体は、低分子電荷輸送物質
と不活性高分子化合物からなる電荷輸送層を有する機能
分離型の電子写真感光に比べ、繰り返し使用における残
留電位の蓄積が大きく、これに伴い露光部電位が上昇す
るという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、導電性支持体上に少なくと
も電荷発生層および電荷輸送層を積層してなる電子写真
感光体の製造方法において、繰り返し使用時の耐摩耗性
に優れ、且つ繰り返し使用における露光部電位の上昇の
少ない電子写真感光体が得られる電子写真感光体の製造
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、導
電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積
層してなる電子写真感光体の製造方法において、トリア
リールアミン構造を主鎖および/または側鎖に有するポ
リカーボネート樹脂を主成分とする高分子電荷輸送層を
塗布し、150℃以上の温度で乾燥させて高分子電荷輸
送層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造
方法によって達成される。
【0010】また、本発明の上記課題は、導電性支持体
上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層してなる
電子写真感光体の製造方法において、少なくとも電荷発
生層およびトリアリールアミン構造を主鎖および/また
は側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とする高
分子電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得た後、該
電子写真感光体を150℃以上の温度で加熱することを
特徴とする電子写真感光体の製造方法によって達成され
る。
【0011】本発明によれば、高分子電荷輸送層を15
0℃以上の温度で乾燥させることにより、或いは電子写
真感光体を150℃以上の温度で加熱することによっ
て、繰り返し使用における露光部電位の上昇を抑制する
ことができる。高分子電荷輸送層の乾燥温度や電子写真
感光体の加熱温度をより高温とすることにより、露光部
電位の上昇を抑制する効果がより顕著となることもあ
る。高分子電荷輸送層を乾燥する雰囲気、あるいは電子
写真感光体を加熱する雰囲気としては、真空中、不活性
ガス中、空気中のいずれでもよい。
【0012】本発明におけるトリアリールアミン構造を
主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネート樹脂
としては、下記一般式(1)〜(10)で表される高分
子化合物が特に好ましい。
【0013】
【化1】 {式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して置換もし
くは無置換のアルキル基またはハロゲン原子、R4は水
素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表し、
5、R6は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
o、p、qは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。
k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9
であり、nは繰り返し単位数を表し、5〜5000の整
数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、
または下記一般式(A)で表される2価基を表す。
【化2】 〔式中、R101、R102は、それぞれ独立して置換もしく
は無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子
を表し、l、mは0〜4の整数を表す。Yは単結合、炭
素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアル
キレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−
CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族
の2価基を表す。)または下記一般式(B)
【化3】 (式中、aは1〜20の整数を表し、bは1〜2000
の整数を表す。R103、R104は置換または無置換のアル
キル基またはアリール基を表す。)を表す。R101とR
102、R103とR104はそれぞれ同一でも異なってもよ
い。〕}
【0014】R1、R2、R3のアルキル基は、好ましく
は、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1
〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これら
のアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、
1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原
子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル
基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベ
ンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。ハロゲ
ン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子が挙げられる。
【0015】R4の置換もしくは無置換のアルキル基と
しては、上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられ
る。
【0016】R5、R6のアリール基としては、フェニル
基などの芳香族炭化水素基、ナフチル基、ピレニル基、
2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレ
ニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニ
ル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル
基などの縮合多環基、ビフェニリル基、ターフェニリル
基などの非縮合多環基、チェニル基、ベンゾチェニル
基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基など
の複素環基などが挙げられる。
【0017】上述のアリール基は以下に示す基を置換基
として有していてもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基:上記のR1、R2、R3のアルキル基
として示したものと同様のものが挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR105):R105は上記(2)
で示したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ
基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ
基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−
シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベン
ジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられ
る。 (4)アリールオキシ基:アリール基としてフェニル
基、ナフチル基が挙げられる。これらは、C1〜C4のア
ルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子
を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキ
シ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、
4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、
4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオ
キシ基などが挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基:
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ
基、p−メチルフェニルチオ基などが挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基:アルキル基は上記(2)
で示したアルキル基を表わす。具体的にはジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルア
ミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基などが挙げられ
る。 (7)アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基な
どが挙げられる。
【0018】Xは下記一般式(1′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(1′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0019】
【化4】
【0020】一般式(C)のジオール化合物の具体例と
しては以下のものが挙げられる。l,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロ
ヘキサン−1,4‐ジメタノール等の環状脂肪族ジオー
ルなどが挙げられる。
【0021】また、芳香環を有するジオールとしては、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′
‐ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、
エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエー
ト)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベ
ンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒ
ドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール
変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
【0022】次に、一般式(2)で表される高分子化合
物を示す。
【化5】 〔式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基を
表し、Ar1、Ar2、Ar3は同一または異なるアリレ
ン基を表す。k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0
≦j≦0.9であり、nは繰り返し単位数を表し、5〜
5000の整数である。Xは前記一般式(1)に記載さ
れたものと同様の基を表す。〕
【0023】R7、R8のアリール基としては、フェニル
基などの芳香族炭化水素基、ナフチル基、ピレニル基、
2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレ
ニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニ
ル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5
H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル
基などの縮合多環基、チェニル基、ベンゾチェニル基、
フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などの複
素環基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、または下
記一般式(イ)で示される非縮合多環基などが挙げられ
る。
【化6】 〔式中、Wは、−O−、−S−、−SO−、−SO
2−、−CO−および下記一般式(ロ)、(ハ)、
(ニ)、(ホ)で示す2価基を表す。
【化7】 (式中、cは1〜12の整数を表し、d、e、fは1〜
3の整数表す。)〕
【0024】また、Ar1、Ar2、Ar3のアリレン基
としては、R7、R8で示したアリール基の2価の基が挙
げられる。R7、R8のアリール基、Ar1、Ar2、Ar
3のアリレン基は以下に示す基を置換基として有しても
よい。また、これらの置換基は上記一般式(イ)、
(ニ)、(ホ)におけるR106、R107、R108の具体例
でもある。
【0025】(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル
基、シアノ基、ニトロ基。 (2)アルキル基:好ましくは、C1〜C12とりわけC1
〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖
のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ
素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、
フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基
もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル
基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、
s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフル
オロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエ
チル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル
基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベ
ンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベン
ジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR109):R109は上記(2)
で示したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ
基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ
基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−
シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベン
ジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられ
る。
【0026】(4)アリールオキシ基:アリール基とし
てフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらは、C
1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハ
ロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的に
は、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチ
ルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフ
ェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2
−ナフチルオキシ基などが挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基:
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ
基、p−メチルフェニルチオ基などが挙げられる。 (6)一般式−N(R110)(R111)で表される置換ア
ミノ基。(式中、R110及びR111は各々独立に上記
(2)で示したアルキル基、または上記R7、R8で示し
たアリール基を表し、好ましいアリール基としては、例
えばフェニル基、ビフェニル基またはナフチル基が挙げ
られ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のア
ルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても
良い。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成し
ても良い。)具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチ
ル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ
基、N、N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルア
ミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基な
どが挙げられる。 (7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等
のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基な
ど。
【0027】Xは下記一般式(2′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(2′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0028】
【化8】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0029】次に、一般式(3)で表される高分子化合
物を示す。
【化9】 〔式中、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基
を表し、Ar4、Ar5、Ar6は同一または異なるアリ
レン基を表す。k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、
0≦j≦0.9であり、nは繰り返し単位数を表し、5
〜5000の整数である。Xは前記一般式(1)に記載
されたものと同様の基を表す。〕
【0030】R9、R10のアリール基としては、フェニ
ル基などの芳香族炭化水素基、ナフチル基、ピレニル
基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フル
オレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニ
レニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル
基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフ
ェニル基などの縮合多環基、ビフェニリル基、ターフェ
ニリル基などの非縮合多環基、チェニル基、ベンゾチェ
ニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基
などの複素環基などが挙げられる。
【0031】また、Ar4、Ar5、Ar6のアリレン基
としては、R9、R10で示したアリール基の2価の基が
挙げられる。R9、R10のアリール基、Ar4、Ar5
Ar6のアリレン基は以下に示す基を置換基として有し
てもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)アルキル基:好ましくは、C1〜C12とりわけC1
〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖
のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ
素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、
フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基
もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル
基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、
s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフル
オロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエ
チル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル
基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベ
ンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベン
ジル基等が挙げられる。 (3)アルコキシ基(−OR112):R112は上記(2)
で示したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ
基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ
基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−
シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベン
ジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられ
る。
【0032】(4)アリールオキシ基:アリール基とし
てフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらは、C
1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハ
ロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的に
は、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチ
ルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフ
ェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2
−ナフチルオキシ基などが挙げられる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基:
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ
基、p−メチルフェニルチオ基などが挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基:アルキル基は上記(2)
で示したアルキル基を表わす。具体的にはジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルア
ミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基などが挙げられ
る。 (7)アシル基:具体的にはアセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基などが挙げ
られる。
【0033】Xは下記一般式(3′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(3′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0034】
【化10】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0035】次に、一般式(4)で表される高分子化合
物を示す。
【化11】 〔式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基
を表し、Ar7、Ar8、Ar9は同一または異なるアリ
レン基を表す。k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、
0≦j≦0.9であり、nは繰り返し単位数を表し、5
〜5000の整数である。pは1〜5の整数を表す。X
は前記一般式(1)に記載されたものと同様の基を表
す。〕
【0036】R11、R12のアリール基の具体例として
は、一般式(3)の説明においてR9、R10のアリール
基の具体例として例示したものを挙げることができ、A
7、Ar8、Ar9のアリレン基の具体例としては、そ
れらアリール基の2価の基を挙げることができる。ま
た、これらアリール基またはアリレン基における置換基
の具体例としては、一般式(3)の説明においてアリー
ル基またはアリレン基における置換基として例示したも
のを挙げることができる。
【0037】Xは下記一般式(4′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(4′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0038】
【化12】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0039】次に、一般式(5)で表される高分子化合
物を示す。
【化13】 〔式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基
を表し、Ar10、Ar11、Ar12は同一または異なるア
リレン基を表す。X1、X2は置換もしくは無置換のエチ
レン基または置換もしくは無置換のビニレン基を表す。
k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9
であり、nは繰り返し単位数を表し、5〜5000の整
数である。Xは前記一般式(1)に記載されたものと同
様の基を表す。〕
【0040】R13、R14のアリール基の具体例として
は、一般式(3)の説明においてR9、R10のアリール
基の具体例として例示したものを挙げることができ、A
10、Ar11、Ar12のアリレン基の具体例としては、
それらアリール基の2価の基を挙げることができる。ま
た、これらアリール基またはアリレン基における置換基
の具体例としては、一般式(3)の説明においてアリー
ル基またはアリレン基における置換基として例示したも
のを挙げることができる。
【0041】X1、X2のエチレン基またはビニレン基に
おける置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニト
ロ基、一般式(3)の説明においてR9、R10のアリー
ル基の具体例として例示したアリール基、あるいは一般
式(3)の説明においてアリール基またはアリレン基に
おける置換基として例示したアルキル基などが挙げられ
る。
【0042】Xは下記一般式(5′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(5′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0043】
【化14】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0044】次に、一般式(6)で表される高分子化合
物を示す。
【化15】 〔式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換
のアリール基を表し、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16
は同一または異なるアリレン基を表す。Y1、Y2、Y3
は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換も
しくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置
換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子または
ビニレン基を表し、同一であっても異なっていてもよ
い。k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦
0.9であり、nは繰り返し単位数を表し、5〜500
0の整数である。Xは前記一般式(1)に記載されたも
のと同様の基を表す。〕
【0045】R15、R16、R17、R18のアリール基の具
体例としては、一般式(3)の説明においてR5、R6
アリール基の具体例として例示したものを挙げることが
でき、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16のアリレン基の
具体例としては、それらアリール基の2価の基を挙げる
ことができる。また、これらアリール基またはアリレン
基における置換基の具体例としては、一般式(3)の説
明においてアリール基またはアリレン基における置換基
として例示したものを挙げることができる。
【0046】Y1、Y2、Y3のアルキレン基としては、
一般式(3)の説明においてアリール基またはアリレン
基における置換基として例示したアルキル基より誘導さ
れる2価の基が挙げられる。具体的には、メチレン基、
エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン
基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメ
チレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、
メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチル
フェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−
ブチレン基、ジフェニルメチレン基などを挙げることが
できる。シクロアルキレン基としては、1,1−シクロ
ペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−
シクロオクチレン基などを挙げることができる。また、
アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル
基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル
基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチ
レンエーテル基などが挙げられる。
【0047】Xは下記一般式(6′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(6′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0048】
【化16】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0049】次に、一般式(7)で表される高分子化合
物を示す。
【化17】 〔式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換の
アリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよ
い。Ar17、Ar18、Ar19は同一または異なるアリレ
ン基を表す。k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0
≦j≦0.9であり、nは繰り返し単位数を表し、5〜
5000の整数である。Xは前記一般式(1)に記載さ
れたものと同様の基を表す。〕
【0050】R19、R20のアリール基の具体例として
は、一般式(3)の説明においてR9、R10のアリール
基の具体例として例示したものを挙げることができ、ま
たR19とR20が環を形成する場合としては、9−フルオ
リニデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリ
デンなどを挙げることができる。
【0051】Ar17、Ar18、Ar19のアリレン基の具
体例としては、それらアリール基の2価の基を挙げるこ
とができる。また、これらアリール基またはアリレン基
における置換基の具体例としては、一般式(3)の説明
においてアリール基またはアリレン基における置換基と
して例示したものを挙げることができる。
【0052】Xは下記一般式(7′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(7′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0053】
【化18】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0054】次に、一般式(8)で表される高分子化合
物を示す。
【化19】 〔式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基を表
し、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一または異な
るアリレン基を表す。k、jは組成を表し、0.1≦k
≦1、0≦j≦0.9であり、nは繰り返し単位数を表
し、5〜5000の整数である。Xは前記一般式(1)
に記載されたものと同様の基を表す。〕
【0055】R21のアリール基の具体例としては、一般
式(3)の説明においてR9、R10のアリール基の具体
例として例示したものを挙げることができ、Ar20、A
21、Ar22、Ar23のアリレン基の具体例としては、
それらアリール基の2価の基を挙げることができる。ま
た、これらアリール基またはアリレン基における置換基
の具体例としては、一般式(3)の説明においてアリー
ル基またはアリレン基における置換基として例示したも
のを挙げることができる。
【0056】Xは下記一般式(8′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(8′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0057】
【化20】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0058】次に、一般式(9)で表される高分子化合
物を示す。
【化21】 〔式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換
のアリール基を表し、Ar24、Ar25、Ar26、A
27、Ar28は同一または異なるアリレン基を表す。
k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9
であり、nは繰り返し単位数を表し、5〜5000の整
数である。Xは前記一般式(1)に記載されたものと同
様の基を表す。〕
【0059】R22、R23、R24、R25のアリール基の具
体例としては、一般式(3)の説明においてR9、R10
のアリール基の具体例として例示したものを挙げること
ができ、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28のア
リレン基の具体例としては、それらアリール基の2価の
基を挙げることができる。また、これらアリール基また
はアリレン基における置換基の具体例としては、一般式
(3)の説明においてアリール基またはアリレン基にお
ける置換基として例示したものを挙げることができる。
【0060】Xは下記一般式(9′)のトリアリールア
ミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル
交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)のジ
オール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(9′)のトリアリールアミノ基を有する
ジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビス
クロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位
中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネー
トは交互共重合体となる。
【0061】
【化22】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0062】次に、一般式(10)で表される高分子化
合物を示す。
【化23】 〔式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基
を表し、Ar29、Ar30、Ar31は同一または異なるア
リレン基を表す。k、jは組成を表し、0.1≦k≦
1、0≦j≦0.9であり、nは繰り返し単位数を表
し、5〜5000の整数である。Xは前記一般式(1)
に記載されたものと同様の基を表す。〕
【0063】R26、R27のアリール基の具体例として
は、一般式(3)の説明においてR9、R10のアリール
基の具体例として例示したものを挙げることができ、A
29、Ar30、Ar31のアリレン基の具体例としては、
それらアリール基の2価の基を挙げることができる。ま
た、これらアリール基またはアリレン基における置換基
の具体例としては、一般式(3)の説明においてアリー
ル基またはアリレン基における置換基として例示したも
のを挙げることができる。
【0064】Xは下記一般式(10′)のトリアリール
アミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステ
ル交換法等を用い重合するときに、下記一般式(C)の
ジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入され
る。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はラン
ダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、X
は下記一般式(10′)のトリアリールアミノ基を有す
るジオール化合物と下記一般式(C)から誘導されるビ
スクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単
位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネ
ートは交互共重合体となる。
【0065】
【化24】 一般式(C)のジオール化合物の具体例としては、前記
一般式(1)の説明において例示したものを挙げること
ができる。
【0066】また、本発明において用いることのできる
トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に有
するポリカーボネート樹脂としては、上記一般式(1)
〜(10)で表される高分子化合物以外に、特開昭64
−9964号公報、特開昭64−19049号公報、特
開平3−221522号公報、特開平4−11627号
公報、特開平6−293827号公報などに記載の高分
子化合物を挙げることができる。
【0067】次に、本発明の電子写真感光体の構成を図
面によって説明する。図1は、本発明の電子写真感光体
の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体1の
上に電荷発生層2と高分子電荷輸送層3との積層からな
る感光層4が設けられている。図2は、他の構成の電子
写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体
1と感光層4の間に下引き層5が設けられている。図3
は、別の構成の電子写真感光体を模式的に示す断面図で
あり、感光層4の上に保護層6が設けられている。図4
は、さらに別の構成の電子写真感光体を模式的に示す断
面図であり、導電性支持体1と感光層4の間に下引き層
5が設けられ、感光層4の上に保護層6が設けられてい
る。
【0068】導電性支持体1としては、体積抵抗1×1
10Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、銅、銀、金、白金などの金属、
酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着ま
たはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状の
プラスチックまたは紙などに被覆したもの、あるいはア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス
などの板およびそれらをD.I.、I.I.、押し出
し、引き抜き等の工法で素管化したのち切削、超仕上
げ、研磨等で表面処理した管などを使用することができ
る。
【0069】電荷発生層2は、電荷発生物質を主成分と
する層であり、必要に応じてバインダー樹脂を用いても
よい。電荷発生物質としては、無機系の電荷発生物質あ
るいは有機系の電荷発生物質のいずれも用いることがで
きる。
【0070】無機系の電荷発生物質としては、結晶セレ
ン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テ
ルル−ハロゲン、セレン−ヒ素等のセレン化合物やアモ
ルファスシリコンなどが挙げられる。アモルファスシリ
コンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロ
ゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン
原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0071】一方、有機系の電荷発生物質としては、公
知の電荷発生物質を用いることが出来る。例えば、金属
フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリツク酸
メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリ
フェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミ
ン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有
するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オ
キサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン
骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨
格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有
するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系また
は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニル
メタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及
びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔
料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔
料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独ま
たは2種以上の混合物として用いることができる。
【0072】電荷発生層に、必要に応じて用いることが
できるバインダー樹脂としては、例えばポリアミド、ポ
リウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネ
ート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポ
リスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアク
リルアミドなどが挙げられる。
【0073】また、電荷発生層のバインダー樹脂とし
て、前記トリアリールアミン構造を主鎖および/または
側鎖に有するポリカーボネート樹脂を用いることができ
る。
【0074】さらに、電荷発生層には必要に応じて低分
子電荷輸送物質を添加してもよく、低分子電荷輸送物質
としては、正孔輸送物質または電子輸送物質のいずれで
もよい。電子輸送物質としては、例えば、クロルアニ
ル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,
4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリ
ニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4
−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−
5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げら
れ、これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることができる。
【0075】また、正孔輸送物質としては、例えば、オ
キサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ
ール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジ
エチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導
体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジ
ン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘
導体、チオフェン誘導体などが挙げられ、これらの正孔
輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いる
ことができる。
【0076】電荷発生層を形成する方法としては、大別
すると、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティ
ング法とが挙げられる。
【0077】真空薄膜作製法としては、真空蒸着法、グ
ロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが挙げ
られ、上述した無機系あるいは有機系の電荷発生物質を
用いて電荷発生層を良好に形成することができる。
【0078】また、キャスティング法によって電荷発生
層を形成するには、上述した無機系あるいは有機系の電
荷発生物質を、必要によりバインダー樹脂と共に、テト
ラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジク
ロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、ア
トライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適
度に希釈して塗布し乾燥させればよい。塗布方法として
は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法な
どを用いることができる。
【0079】このようにして形成される電荷発生層の膜
厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、特に0.0
5〜2μmが好ましい。
【0080】次に高分子電荷輸送層3について説明す
る。
【0081】高分子電荷輸送層はトリアリールアミン構
造を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネート
樹脂を主成分とする層であり、トリアリールアミン構造
を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネート樹
脂を適当な溶剤に溶解あるいは分散し、これを塗布し乾
燥させることにより形成することができる。トリアリー
ルアミン構造を主鎖および/または側鎖に有するポリカ
ーボネート樹脂としては、前記一般式(1)〜(10)
で表される高分子化合物が特に好ましい。
【0082】高分子電荷輸送層には、必要に応じて、バ
インダー樹脂、低分子電荷輸送物質、可塑剤あるいはレ
ベリング剤などを添加することができる。
【0083】電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂と
しては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、
ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル
樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキ
ッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアク
リレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが
挙げられ、単独または2種以上の混合物として用いるこ
とができる。バインダー樹脂の使用量は、トリアリール
アミン構造を主鎖および/または側鎖に有するポリカー
ボネート樹脂100重量部に対し50重量部以下程度が
適当である。
【0084】電荷輸送層に併用できる低分子電荷輸送物
質としては、電荷発生層に用いる低分子電荷輸送物質と
して前記したものが挙げられる。低分子電荷輸送物質の
使用量は、トリアリールアミン構造を主鎖および/また
は側鎖に有するポリカーボネート樹脂100重量部に対
し50重量部以下程度が適当である。
【0085】可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジ
オクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用
されているものがそのまま使用でき、その使用量は、電
荷輸送層中の高分子成分100重量部に対して30重量
部以下が適当である。
【0086】また、レベリング剤としては、ジメチルシ
リコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなど
のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル
基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが使用で
き、その使用量は、電荷輸送層中の高分子成分100重
量部に対して1重量部以下が適当である。
【0087】このようにして形成される電荷輸送層の厚
さは、5〜100μm程度が適当であり、特に10〜4
0μm程度が好ましい。
【0088】本発明に用いられる電子写真感光体におい
ては、導電性支持体1と感光層4との間に下引き層5を
設けることができる。下引き層は接着性の向上、モアレ
防止、残留電位の低減、上層の塗工性改良などのために
設けられ、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂
はその上に感光層を溶剤でもって塗布することを考える
と、一般の有機溶剤にたいして耐溶剤性の高い樹脂であ
ることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニ
ルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウムな
どの水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナ
イロンなどのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メ
ラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂
等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げら
れる。
【0089】また、下引き層には酸化チタン、シリカ、
アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウ
ム等で例示できる金属酸化物、金属硫化物あるいは金属
窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層
は、前述の感光層の形成におけるように適当な溶媒、塗
工法を用いて形成することができる。さらに、下引き層
としては、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、クロムカップリング剤などを使用して、例えばゾル
−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
【0090】この他に、下引き層として、Al23を陽
極酸化によって設けたもの、ポリパラキシリレン(パリ
レン)などの有機物やSiO、SnO2、TiO2、IT
O、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法によって設け
たものも良好に使用できる。
【0091】このようにして形成される下引き層の膜厚
は5μm以下が適当である。
【0092】また、本発明に用いる電子写真感光体に
は、感光層を保護する目的で、感光層の上に保護層6が
設けられることもある。
【0093】保護層に使用される材料としては、ABS
樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチル
ペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、
ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウ
レタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキ
シ樹脂などの樹脂が挙げられる。保護層にはその他、耐
摩耗性を向上させる目的で、ポリテトラフルオロエチレ
ンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂およびこれら樹脂
に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム等の無機材
料を分散したものなどを添加することもできる。
【0094】保護層の形成法としては、通常の塗布法が
採用される。保護層の厚さとしては、0.5〜10μm
程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作製法
にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料も保護
層として用いることができる。
【0095】さらに、本発明における電子写真感光体に
は、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度の低下、残
留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送
層、中間層あるいは保護層などに酸化防止剤を添加する
ことができる。特に、酸化防止剤を電荷輸送層に添加す
ることにより、感度の低下や残留電位の上昇をより良く
防止することができる。
【0096】酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシア
ニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェ
ノール系化合物、2,2′−メチレン−ビス−(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレ
ン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)などのビスフェノ
ール系化合物、1,1,3−トリス−(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テ
トラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′
−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコー
ルエステル、トコフェロール類などの高分子フェノール
系化合物、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p
−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブ
チル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル
−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン
などのパラフェニレンジアミン類、2,5−ジ−t−オ
クチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキ
ノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5
−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチ
ルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−
メチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、ジラウ
リル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル
−3,3′−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−
3,3′−チオジプロピオネートなどの有機硫黄化合物
類、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)
ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、ト
リクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノ
キシ)ホスフインなどの有機燐化合物類が挙げられる。
【0097】これら化合物は、ゴム、プラスチック、油
脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品とし
て容易に入手できる。
【0098】酸化防止剤の添加量としては、各添加層の
総量100重量部中に0.01〜30重量部が好まし
く、特に0.1〜10重量部が好ましい。
【0099】
【作用】本発明によれば、導電性支持体上に少なくとも
電荷発生層と電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体
の製造方法において、トリアリールアミン構造を主鎖お
よび/または側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成
分とする高分子電荷輸送層を塗布し、150℃以上の温
度で乾燥させて高分子電荷輸送層を形成することによ
り、あるいは、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
およびトリアリールアミン構造を主鎖および/または側
鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とする高分子
電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得た後、該電子
写真感光体を150℃以上の温度で加熱することによっ
て、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、且つ繰り返し使
用における露光部電位の上昇の少ない電子写真感光体を
得ることができる。
【0100】その理由は現在のところ明確ではないが、
以下のように推察される。従来の低分子電荷輸送物質を
不活性高分子化合物に含有せしめた電荷輸送層を有する
電子写真感光体は、電荷輸送層塗布後100〜130℃
で乾燥されているが、従来の電子写真感光体における電
荷輸送層のガラス転移点は一般に85℃以下であり、上
記電荷輸送層の乾燥温度は、塗布溶媒の除去、塗布溶媒
蒸発に伴う歪の解消に必要十分な温度と考えられる。一
方、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖
に有するポリカーボネート樹脂を主成分とする高分子電
荷輸送層を有する電子写真感光体においては、従来の低
分子電荷輸送物質を不活性高分子化合物に含有せしめた
電荷輸送層に比べ、高分子電荷輸送層のガラス転移点が
高く、高分子電荷輸送層の溶媒除去、歪みの解消が不十
分であると考えられる。このため高分子電荷輸送層中に
電荷トラップとなりうる残留溶媒、内部歪みが存在し、
繰り返し使用にあたり残留電位の蓄積に伴う露光部電位
の上昇が現れると推測される。
【0101】本発明によれば、トリアリールアミン構造
を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネート樹
脂を主成分とする高分子電荷輸送層を150℃以上の温
度で乾燥させて高分子電荷輸送層を形成することによ
り、あるいは、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
およびトリアリールアミン構造を主鎖および/または側
鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とする高分子
電荷輸送層を形成して得られた電子写真感光体を150
℃以上の温度で加熱することによって、前記のトラップ
が解消され、電子写真感光体を繰り返し使用した場合に
おける露光部電位の上昇が抑制されると考えられる。
【0102】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下
の記載における使用量に関する「部」は重量部を示す。
【0103】実施例1 下記組成物をボールミルにより分散して下引き層塗工液
を調製し、浸漬塗工法により直径80mmのアルミニウ
ムドラム上に塗布したのち、130℃で30分間乾燥さ
せて厚さ3.5μmの下引き層を形成した。
【0104】 [下引き層塗工液用組成物] アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、 大日本インキ化学工業社製) 6部 メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、 大日本インキ化学工業社製) 4部 二酸化チタン 40部 メチルエチルケトン 200部
【0105】次に、下記組成物をボールミルにより分散
して電荷発生層塗工液を調製し、浸漬塗工法により下引
き層上に塗布したのち、120℃で20分間乾燥させて
厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0106】 [電荷発生層塗工液用組成物] 下記構造式のビスアゾ顔料 2.5部
【化25】 ポリビニルブチラール(XYHL、ユニオンカーバイド社製) 0.25部 シクロヘキサノン 200部 メチルエチルケトン 80部
【0107】次に、下記組成物を撹拌溶解して高分子電
荷輸送層塗工液を調製し、浸漬塗工法により電荷発生層
上に塗布したのち、150℃で20分間乾燥させて厚さ
25μmの高分子電荷輸送層を形成し、電子写真感光体
を得た。
【0108】[高分子電荷輸送層塗工液用組成物]下記
構造式のトリアリールアミン構造を主鎖および/または
側鎖に有する ポリカーボネート樹脂 10部
【化26】 塩化メチレン 100部
【0109】実施例2 実施例1における高分子電荷輸送層の乾燥条件を120
℃で20分間に変え以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製し、その電子写真感光体を180℃で2
0分間加熱した。
【0110】実施例3 実施例1における高分子電荷輸送層の乾燥条件を180
℃で20分間に変え以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0111】実施例4 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、高分子電荷輸送層の乾燥
条件を160℃で20分間に変え以外は実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製した。
【化27】
【0112】実施例5 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、高分子電荷輸送層の乾燥
条件を180℃で20分間に変え以外は実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製した。
【化28】
【0113】実施例6 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、実施例1における高分子
電荷輸送層の乾燥条件を120℃で20分間に変え以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、その
電子写真感光体を200℃で20分間加熱した。
【化29】
【0114】実施例7 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、実施例1における高分子
電荷輸送層の乾燥条件を120℃で20分間に変え以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、その
電子写真感光体を200℃で15分間加熱した。
【化30】
【0115】実施例8 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、実施例1における高分子
電荷輸送層の乾燥条件を120℃で20分間に変え以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、その
電子写真感光体を200℃で15分間加熱した。
【化31】
【0116】実施例9 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、実施例1における高分子
電荷輸送層の乾燥条件を120℃で20分間に変え以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、その
電子写真感光体を200℃で15分間加熱した。
【化32】
【0117】実施例10 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、実施例1における高分子
電荷輸送層の乾燥条件を120℃で20分間に変え以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、その
電子写真感光体を200℃で20分間加熱した。
【化33】
【0118】実施例11 実施例1におけるポリカーボネート樹脂を下記構造式の
ポリカーボネート樹脂に代え、実施例1における高分子
電荷輸送層の乾燥条件を120℃で20分間に変え以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、その
電子写真感光体を150℃で20分間加熱した。
【化34】
【0119】比較例1 実施例1における高分子電荷輸送層の乾燥条件を120
℃で20分間に変え以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0120】比較例2 実施例4における高分子電荷輸送層の乾燥条件を120
℃で20分間に変え以外は実施例4と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0121】比較例3 実施例5における高分子電荷輸送層の乾燥条件を120
℃で20分間に変え以外は実施例5と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0122】比較例4 実施例6における電子写真感光体の加熱を行わなかった
以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を得た。
【0123】比較例5 実施例7における電子写真感光体の加熱を行わなかった
以外は実施例7と同様にして電子写真感光体を得た。
【0124】比較例6 実施例8における電子写真感光体の加熱を行わなかった
以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を得た。
【0125】比較例7 実施例9における電子写真感光体の加熱を行わなかった
以外は実施例9と同様にして電子写真感光体を得た。
【0126】比較例8 実施例10における電子写真感光体の加熱を行わなかっ
た以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を得
た。
【0127】比較例9 実施例11における電子写真感光体の加熱を行わなかっ
た以外は実施例11と同様にして電子写真感光体を得
た。
【0128】比較例10 実施例1と同様にして下引き層および電荷発生層を形成
し、電荷発生層上にポリカーボネート樹脂(C−140
0、帝人化成社製)100部、下記構造式の低分子電荷
輸送物質90部を含有する厚さ25μmの電荷輸送層を
設け、電子写真感光体を作製した。
【化35】
【0129】このようにして得られた実施例1〜11お
よび比較例1〜10の電子写真感光体を電子写真複写機
(FT−2700、リコー社製)に装着し、A4縦長サ
イズ5万枚の複写を行った。複写開始時および5万枚複
写後における未露光部電位(Vd)、露光部電位(V
l)を測定した。また、5万枚の複写を行った後の電荷
輸送層の摩耗量(電荷輸送層の膜厚減少量)を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
【0131】表1から明らかなように、トリアリールア
ミン構造を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボ
ネート樹脂を主成分とする高分子電荷輸送層を150℃
以上の温度で乾燥させ、あるいはトリアリールアミン構
造を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネート
樹脂を主成分とする高分子電荷輸送層を形成して電子写
真感光体を得た後、電子写真感光体を150℃以上の温
度で加熱して得られた実施例による電子写真感光体は、
比較例により得られた電子写真感光体に比べ、繰り返し
使用における露光部電位の上昇の少ないものである。ま
た実施例により得られた電子写真感光体は、従来の低分
子電荷輸送物質を不活性高分子化合物に含有せしめた電
荷輸送層を有する比較例10の電子写真感光体に比べ、
耐摩耗性に優れたものである。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層と電荷輸送層を積層してなる電子写真
感光体の製造方法において、トリアリールアミン構造を
主鎖および/または側鎖に有するポリカーボネート樹脂
を主成分とする高分子電荷輸送層を塗布し、150℃以
上の温度で乾燥させて高分子電荷輸送層を形成すること
により、あるいは、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層およびトリアリールアミン構造を主鎖および/また
は側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とする高
分子電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得た後、該
電子写真感光体を150℃以上の温度で加熱することに
よって、繰り返し使用時の耐摩耗性に優れ、且つ繰り返
し使用における露光部電位の上昇の少ない電子写真感光
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す
断面図である。
【図2】本発明の他の構成の電子写真感光体を模式的に
示す断面図である。
【図3】本発明の別の構成の電子写真感光体を模式的に
示す断面図である。
【図4】本発明のさらに別の構成の電子写真感光体を模
式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 高分子電荷輸送層 4 感光層 5 下引き層 6 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生野 弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 青戸 淳 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 永目 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小島 成人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 紙 英利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    と電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体の製造方法
    において、トリアリールアミン構造を主鎖および/また
    は側鎖に有するポリカーボネート樹脂を主成分とする高
    分子電荷輸送層を塗布し、150℃以上の温度で乾燥さ
    せて高分子電荷輸送層を形成することを特徴とする電子
    写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    と電荷輸送層を積層してなる電子写真感光体の製造方法
    において、少なくとも電荷発生層およびトリアリールア
    ミン構造を主鎖および/または側鎖に有するポリカーボ
    ネート樹脂を主成分とする高分子電荷輸送層を形成して
    電子写真感光体を得た後、該電子写真感光体を150℃
    以上の温度で加熱することを特徴とする電子写真感光体
    の製造方法。
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