JPH09316369A - 抗菌性電離放射線硬化型塗料及び抗菌性透明フィルム - Google Patents

抗菌性電離放射線硬化型塗料及び抗菌性透明フィルム

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JPH09316369A
JPH09316369A JP25745496A JP25745496A JPH09316369A JP H09316369 A JPH09316369 A JP H09316369A JP 25745496 A JP25745496 A JP 25745496A JP 25745496 A JP25745496 A JP 25745496A JP H09316369 A JPH09316369 A JP H09316369A
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antibacterial
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transparent film
zinc oxide
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と抗菌性の両方を同時に満足し、塗膜
にハード性能を付与することができる抗菌性電離放射線
硬化型塗料及び該塗料を使用した抗菌性透明フィルムを
提供する。 【解決手段】 酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒子とし
て分散した、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート
を含む樹脂からなる抗菌層4を、透明プラスチック基材
フィルム3上に形成して、本発明の抗菌性透明フィルム
とする。酸化亜鉛超微粒子の粒径は、10nm以上10
0nm以下とし、酸化亜鉛超微粒子は、樹脂100重量
部に対して5重量部以上600重量部以下分散されてい
ることが望ましい。この抗菌性透明フィルムに例えば、
粘着剤層を介してタッチパネルに貼着してタッチパネル
の表面層とすることができる。図に示す抗菌性透明フィ
ルムは、酸化亜鉛超微粒子を抗菌層4中の上部に極在化
させたて露出した場合を示し、抗菌効果がさらに高ま
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種物品、各種機
器、各種建造物等の表面に施される、透明性且つ抗菌性
を有するフィルムに関する。具体的には、例えば、家庭
用品、家庭用機器、文房具、玩具、OA機器、測定機
器、自動車用機器、各種輸送機関設備、医療機関設備、
建造物、タッチパネル等の人が接触しなければならない
ような箇所に施される、透明性且つ抗菌性を有するフィ
ルムであって、前記各製造物の表示部位に対して良好な
透明性をもってその表示が視認でき且つ抗菌性を付与で
きるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用品、文房具、玩具、家庭用機器、
OA機器、測定機器、自動車用機器、各種輸送機関設
備、医療機関設備、建造物等の表面に記された表示部位
に人が接触しなければならないような箇所、例えば、タ
ッチパネルのような部位は、常に清潔に保たれた状態と
なるべき要望が近年増加しており、従来、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化銀等の無機系抗菌性粒子、或いは有機系
抗菌物質を混入してなる樹脂組成物を用いて皮膜を形成
することにより、前記各製造物に対して抗菌性を付与し
ていた。
【0003】前記従来の抗菌性皮膜形成用の樹脂組成物
中に含まれる無機系抗菌性粒子の含有量は、得られる皮
膜の透明性を充分に確保し、タッチパネル等の表示部の
視認性を良好なものとするためには、せいぜい10〜3
0重量%程度しか含有させることはできず、そのため
に、抗菌性が充分でないという問題があった。無機系抗
菌性粒子の含有量を30重量%以上にすると、抗菌性能
は向上するが、抗菌性皮膜の透明性が損なわれ、タッチ
パネル等の表示に対する視認性が悪くなるからである。
【0004】また、前記従来の無機系抗菌性粒子を分散
させるバインダー樹脂として一般的なアクリル系樹脂や
塩ビ系樹脂が主として用いられていたが、バインダー樹
脂が架橋タイプでないため得られた抗菌性皮膜は耐摩耗
性が無く、また透明性も不充分であった。
【0005】一方、有機系の抗菌剤をバインダー樹脂中
に混入させて用いた場合には、バインダー樹脂との溶解
性が原因で、外部環境等によって外部表面にブリードア
ウトする問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
した問題を解決し、充分な透明性と抗菌性の両方を同時
に満足することができる抗菌性電離放射線硬化型塗料、
及び該抗菌性電離放射線硬化型塗料を使用して形成した
ハード性能を有する抗菌性透明フィルムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するための抗菌性透明フィルムに使用する特定
のバインダー樹脂、特定の抗菌性超微粒子、及び抗菌性
透明性フィルムにおけるそれらの構成等を鋭意研究し、
次のような発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の抗菌電離放射線硬化型
塗料は、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートを含
む樹脂中に酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒子として分
散させたことを特徴とする。
【0009】本発明の抗菌電離放射線硬化型塗料に使用
されるカルボキシル基含有(メタ)アクリレートは、分
子内に1個以上の酸無水物を有する化合物と、分子内に
水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含
有多官能アクリレートを反応して得られたものであるこ
とを特徴とする。
【0010】本発明の抗菌性透明フィルムは、酸化亜鉛
超微粒子を抗菌性超微粒子として分散した、カルボキシ
ル基含有(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物からな
る抗菌層を、透明プラスチック基材フィルム上に最表面
層として形成してなることを特徴とする。
【0011】本発明の抗菌性透明フィルムにおいては、
透明プラスチック基材フィルム上に形成したカルボキシ
ル基含有(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物層中に
おいて、その上部に酸化亜鉛超微粒子を局在化させて表
面に露出した状態としてもよい。このような極在化によ
って、特に抗菌性透明フィルム表面のみに抗菌性を集中
させる効果を生ずる。
【0012】本発明の抗菌性透明フィルムは、透明プラ
スチック基材フィルム上に前記樹脂組成物を直接抗菌層
を形成したものでもよく、或いは、種々の機能を有する
他の層を介して形成してもよい。抗菌層のヘイズ値は透
明プラスチック基材フィルムと同等、或いは0(0を含
まず)〜3高くすることが望ましい。
【0013】本発明の抗菌性透明フィルムは、家庭用
品、家庭用機器、文房具、玩具、OA機器、測定機器、
自動車用機器、各種輸送機関設備、医療機関設備、医療
用機器、建造物、タッチパネルから選ばれた人が接触す
る部位に設けられることを特徴とする。前記各種機器及
び物品の人の接触する面に貼り付ける目的で、本発明の
透明プラスチック基材フィルムに粘着剤層を設け、該粘
着剤層を介して、前記各種機器及び物品の表面に抗菌性
透明フィルムを貼着することができる。
【0014】本発明の抗菌性透明フィルムにおいては、
抗菌剤として無機系の酸化亜鉛超微粒子を用いることに
より化学的に安定で透明な塗膜とすることができ、且つ
カルボキシル基含有(メタ)アクリートからなる樹脂を
バインダー樹脂として用いることにより、バインダー樹
脂100重量部に対して酸化亜鉛超微粒子を50重量部
以上600重量部以下程度大量に均一分散させることが
できるため、抗菌性を飛躍的に向上させると同時に透明
性を飛躍的に向上させることができ、しかも高硬度の塗
膜を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】酸化亜鉛超微粒子 :本発明の抗菌性透明フィルムの製造
に用いられる、抗菌層のバインダー樹脂としての樹脂組
成物中に含まれる酸化亜鉛超微粒子の粒径は、10nm
以上500nm以下であることが望ましい。特に、10
nm以上300nm以下、最も望ましくは10nm以上
100nm以下である。粒径が500nmを超えると製
造されるフィルムの透明性が損なわれるからである。ま
た、酸化亜鉛超微粒子は、樹脂組成物中に5〜600重
量部含まれることが望ましく、特に望ましくは50〜3
00重量部である。その含有量が5重量部未満であると
抗菌性が充分なものではなく、600重量部を超えると
製造されるフィルムの透明性が損なわれ、且つ硬度が低
下するからである。
【0016】バインダー樹脂成分:本発明で用いられる
抗菌層のバインダー樹脂組成物の樹脂成分には、カルボ
キシル基含有(メタ)アクリレートを含むことが必須で
ある。さらに、このカルボキシル基含有(メタ)アクリ
レートに加えて、分子内に3個以上のアクリロイル基を
有する多官能アクリレート、或いはエポキシアクリレー
トを含んでもよい。
【0017】(a)カルボキシル基含有(メタ)アクリ
レート 本発明において酸化亜鉛超微粒子を含有する樹脂層に使
用されるバインダー樹脂成分の「カルボキシル基含有
(メタ)アクリレート」は、分子内に1個以上の酸無水
物を有する化合物と、分子内に水酸基及び3個以上のア
クリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートを
反応して得ることができる。少なくともカルボキシル基
含有(メタ)アクリレートをバインダー樹脂として使用
することにより、該バインダー樹脂中の酸化亜鉛超微粒
子の分散性を良好にすることができる。
【0018】前記「分子内に1個以上の酸無水物を有す
る化合物」の具体例としては、無水コハク酸、無水1−
ドデセニルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラメ
チレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テト
ラブロモフタル酸、無水クロレンディク酸、無水トリメ
リット酸等の酸無水物基を1個有する化合物、及びピロ
メリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビフタル酸
無水物、4,4′−オキソジフタル酸無水物、4,4′
−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水
物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリ
ル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロ
フラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン
酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物、ビシクロ〔2.2.2〕オクト−7−エン
−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の酸無
水物基を2個有する化合物、及びこれら2種以上の混合
物が挙げられる。これらの中でも、酸無水物基を2個有
する化合物を用いると、得られるカルボキシル基含有多
官能アクリレートは、同一分子中にアクリロイル基を3
〜10個、カルボキシル基を2〜3個含有することにな
り、耐摩耗性及び密着性の点から特に望ましい。
【0019】前記「分子内に水酸基及び3個以上のアク
リロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレート」の
具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート及びこれらの混
合物が挙げられる。
【0020】「分子内に1個以上の酸無水物基を有する
化合物」と、「分子内に水酸基及び3個以上のアクリロ
イル基を有する水酸基含有多官能アクリレート」の反応
は、「分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を
有する水酸基含有多官能アクリレート」/「分子内に1
個以上の酸無水物基を有する化合物」のモル比が1以上
の割合で混合し、60〜110℃で1〜20時間攪拌す
ることにより行われる。
【0021】この反応は、上記の化合物に加えて、後記
する「分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官
能アクリレート」及び後記する有機溶剤のうち活性水素
を含まない有機溶剤の存在下に行なってもよい。この反
応中のアクリロイル基による重合を防止するために、例
えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエー
テル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノ
チアジン等の重合禁止剤を使用するのが望ましく、その
使用量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%、好
ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0022】また、これらの反応を促進させるために、
例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ベ
ンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルト
リエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモ
ニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド、酸化亜鉛等の触媒を使用することができる。そ
の使用量は、反応混合物に対して0.01〜5重量%、
好ましくは0.05〜2重量%である。
【0023】上記のようにして得られた「カルボキシル
基含有(メタ)アクリレート」は、酸化亜鉛超微粒子の
分散性がよく、後記する「分子内に水酸基及び3個以上
のアクリロイル基を有する多官能アクリレート」と混合
してもアクリロイル基密度は低下することがない。また
同一分子中にカルボキシル基を有するためと推定される
が、各種プラスチック基材に対する密着性が良好とな
り、且つ耐摩耗性に優れたバインダー樹脂が得られる。
【0024】(b)分子内に3個以上のアクリロイル基
を有する多官能アクリレート 「分子内に3個以上のアクリロイル基を有する多官能ア
クリレート」の具体例には、トリメチロールプロパント
リアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ
アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリ
スリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン
変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び
これら2種以上の混合物が挙げられる。これらの中で
も、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、及びこれらの
混合物は、塗膜にハード性能を付与する目的のために
は、前記(a)成分に混合することが望ましい。
【0025】この(b)成分と前記(a)成分の重量比
〔(b)成分/(a)成分〕は2以下であり、好ましく
は0.01〜2、より好ましくは0.1〜2である。そ
の重量比が0.01未満では(a)成分の原料の入手が
困難であるため、実用的ではない。また2を越えると、
カルボキシル基量が少なくなり、各種プラスチック基材
への密着性が不十分となる。
【0026】(c)溶剤 本発明で使用されるバインダー樹脂には樹脂組成物の粘
度の調整の目的のため溶剤が適宜使用される。また、前
記の「カルボキシル基含有(メタ)アクリレート」の製
造の際に必要に応じて適宜溶剤を使用することができ
る。そのような有機溶剤としては、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピル
アルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノ
ール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、2−メトキシエチルア
セタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキ
シエチルアセタート等のエーテルエステル類等が挙げら
れ、またこれらを混合使用することもできる。
【0027】透明プラスチック基材フィルム:本発明の
抗菌性透明フィルムに使用される透明プラスチック基材
フィルムには、透明樹脂シートや、透明樹脂フィルムが
ある。透明樹脂フィルムとしては、トリアセチルセルロ
ースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテ
ートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサル
ホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレ
タン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテ
ルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテ
ルケトンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム
等が使用できるが、特に、トリアセチルセルロースフィ
ルム、及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れ、光学
的に異方性が無い点で好適に用いられる。板状のもので
もフィルム状のものでもよいが、厚みは、通常は8μm
〜1000μm程度のものが用いられる。
【0028】光重合開始剤、その他の成分:電離放射線
として紫外線が用いられる場合、本発明に使用される樹
脂組成物には、上記(a)成分〜(c)成分に加えて光
重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエー
テル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケ
タール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ペ
ンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフ
ェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メ
チルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパ
ノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラー
ズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオ
キサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種
以上を適宜に併用することもできる。光重合開始剤は、
(a)成分及び(b)成分の合計料100重量部に対し
て0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部であ
る。
【0029】本発明で使用される酸化亜鉛超微粒子を含
む樹脂組成物には、塗膜物性を改良する目的で紫外線吸
収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収
剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外
線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄
系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤、スリッ
プ剤、レベリング剤等の種々の添加剤を配合することが
できる。
【0030】防眩性を付与する目的で粒径1〜5μm程
度の粒子を樹脂組成物にさらに添加することにより、抗
菌層の表面をマット化することができる。この目的に使
用できる粒子は、ポリスチレン、アクリル、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、メラミンなどの有機ポリマー粒
子、シリカなどの無機系粒子が用いられる。有機ポリマ
ー粒子を用いる場合には耐溶剤性を考慮し、架橋タイプ
を用いるのが望ましい。該粒子の配合量は1〜10重量
部が好ましい。
【0031】他の層:本発明の抗菌性透明フィルムにお
いて、透明プラスチック基材フィルムと、抗菌層との間
には、他の層が介在していてもよい。他の層としては、
本発明の抗菌性透明フィルムにさらに機能を付与するこ
とができる層を設けてもよい。例えば、透明プラスチッ
ク基材フィルムとの接着性を向上させる等の理由で、透
明プラスチック基材フィルム上にプライマー層や或いは
接着剤層を設けたり、またハード性能をより向上させる
ために、さらにハードコート層を単層又は複数層設けて
もよい。他の層の屈折率は、透明プラスチック基材フィ
ルムの屈折率と屈折率の制御された樹脂層の屈折率との
中間の値とすることが好ましい。
【0032】他の層の形成方法は、透明プラスチック基
材フィルム上に直接塗布して形成してもよく、また透明
プラスチック基材フィルムに屈折率の制御された樹脂層
を転写により形成する場合には、予め離型フィルム上に
形成した屈折率の制御された樹脂層上に、他の層を塗布
して形成し、その後、透明プラスチック基材フィルムと
離型フィルムとを塗布面を内側にしてラミネートし、次
いで離型フィルムを剥離することにより、透明プラスチ
ック基材フィルムに他の層を転写してもよい。
【0033】製造方法:本発明の抗菌性透明フィルムの
製造方法は、酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒子として
分散した、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートを
含む樹脂組成物を、透明プラスチック基材フィルム上に
塗布して抗菌層を形成して製造するか、或いは、前記樹
脂組成物を離型フィルム上に塗布して形成した抗菌層を
透明プラスチック基材フィルム上に転写して製造するこ
とができる。離型フィルムは、シート上にシリコン、フ
ッ素、アクリル−メラミンなど離型処理を施したもの、
または、未処理のものが使用される。離型フィルムの表
面は凹凸を有していてもよく、この場合、最終製品の表
面に凹凸が形成されるので、得られる透明フィルムに、
反射防止効果又は防眩効果を付与することができる。
【0034】本発明の抗菌性透明フィルムにおける透明
プラスチック基材フィルムのタッチパネル貼着面側に粘
着剤をコートした粘着剤層を設けることができる。
【0035】抗菌性超微粒子の極在化:本発明の抗菌性
透明フィルムは、透明プラスチック基材フィルム上に形
成された抗菌層中において、その抗菌層中の上部に抗菌
性超微粒子を極在化させることができる。このような抗
菌層中の上部において抗菌性超微粒子を極在化させて、
表面に露出した状態とすることにより、さらに抗菌性能
を向上させることができる。
【0036】その極在化方法は、例えば、図1のプロセ
スに示す方法により達成することができる。図1(a)
は離型フィルム1上に酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒
子としたゾルを塗布して、抗菌性超微粒子層2を形成
し、さらにその上にカルボキシル基含有(メタ)アクリ
レートを含むバインダー樹脂を抗菌性超微粒子層2の膜
厚以上となるように塗工し、抗菌層4を形成した状態で
ある。この(a)工程において抗菌層4はまだ、硬化処
理をうけていない。
【0037】(b)は前記(a)工程で得られた未硬化
の抗菌層4が形成された離型フィルム1を透明プラスチ
ック基材フィルム3とラミネートしようとしている状態
である。さらに(c)は両者が圧着されている状態であ
る。この(c)の状態で、電子線又は紫外線等の電離放
射線照射による硬化処理を行い、抗菌層4をフルキュア
ー或いはハーフキュアーさせる。次いで、離型フィルム
1を剥離している状態が(d)である。
【0038】なお、前記(c)工程において抗菌層用樹
脂組成物をハーフキュアーさせた場合は前記(d)工程
の離型フィルム1の剥離後に抗菌層4をフルキュアーさ
せてもよい。
【0039】抗菌層中に抗菌性超微粒子を極在化させる
前記とは別の方法は、図2のプロセスに示す方法によっ
ても達成することができる。図2(a)は離型フィルム
1上に酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒子としたゾルを
塗布して、抗菌性超微粒子層2を形成した状態である。
(b)は透明プラスチック基材フィルム3上に、カルボ
キシル基含有(メタ)アクリレートを含むバインダー樹
脂を塗布して、その塗膜が指触乾燥状態において、前記
抗菌性超微粒子層2が形成された離型フィルム1を圧着
しようとする状態であり、さらに(c)は圧着されてい
る状態である。バインダー樹脂組成物が指触乾燥状態の
時に離型フィルム1を圧着しているので、離型フィルム
1上の抗菌性超微粒子層2の全体は、抗菌層4内に完全
に埋没せず、抗菌性超微粒子層2の一部は抗菌層4外に
残ることになる。この圧着状態で電子線または紫外線等
の電離放射線を照射して電離放射線硬化型樹脂を完全に
硬化させた後に、離型フィルム1を剥離している状態が
(d)である。
【0040】タッチパネル:家庭用品、文房具、玩具、
家庭用機器、OA機器、測定機器、自動車用機器、各種
輸送機関設備、医療機関設備、建造物等の表面に記され
た表示部位であって人が接触しなければならないような
箇所、具体的には各種感圧スウィッチの表示部分に本発
明の抗菌性透明フィルムを粘着剤により貼着してタッチ
パネルの最表層とする。
【0041】本発明の抗菌性透明フィルムは、カルボキ
シル基含有(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物を含
むので、その表面鉛筆硬度が1H以上を達成でき、耐擦
傷性があるので、タッチパネルに耐久性を与えることが
できる。
【0042】
【実施例】以下の実施例において行われたMRSAテス
ト(24時間接触試験)は次のようにして行った。黄色
ブドウ状球菌を普通ブンヨン培地で24時間培養し、リ
ン酸生理緩衝液で希釈し、試験菌液とした。栄研スクリ
ューカップ中に4cm×4cmの正方形の試験片(抗菌
層を形成したPETフィルム)を入れ、これに試験菌液
0.1mlを添加した。添加直後、及び37℃で24時
間保存した後に、無菌生理食塩水にて洗い出し、その生
菌数を測定して、滅菌率を計算した。滅菌率は次の式に
よって、算出した。 滅菌率(%)=(log対照の生菌数−log検体の生
菌数)/log対照の生菌数×100
【0043】〔実施例1〕下記の材料を混合して、本実
施例1の抗菌層形成用樹脂組成物とした。なお、カルボ
キシ基含有(メタ)アクリレートとして、エチレンオキ
サイド変性コハク酸アクリレートを使用した。
【0044】 エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート(HDA−MS:共栄社油脂化 学工業(株)製) 70重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 30重量部 酸化亜鉛超微粒子(住友セメント(株)製ZS−300 粒径10nm) 200重量部 光開始剤(チバガイギー社製 Irgacure184 ) 3重量部
【0045】この抗菌層形成用樹脂組成物をポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製A−410
0、厚み188μm)上に4μm/dryとなるよう
に、グラビアコートにより塗工し、160Wの高圧水銀
灯下を10m/minのスピードで4回通過させて塗膜
を硬化させた。得られたフィルムの表面鉛筆硬度は3H
(1Kg荷重)、全光線透過率89%、ヘイズ値0.5
%であり、高透明で高硬質の本実施例1の抗菌性透明フ
ィルムが得られた。製造されたフィルムの裏面にアクリ
ル系粘着剤を25g/m2 (dry)塗工して粘着層を
形成した。このフィルムをタッチパネルの表面に粘着層
を介して接着させてタッチパネルの最表層とした。
【0046】本実施例1の抗菌性透明フィルムについ
て、黄色ブドウ状球菌を用いたMRSAテスト(24時
間接触試験)を行ったところ、黄色ブドウ状球菌の滅菌
率は100%であった。
【0047】〔実施例2〕下記の材料を混合して、本実
施例2の抗菌層形成用樹脂組成物とした。
【0048】 エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート(HDA−MS:共栄社油脂化 学工業(株)製) 1重量部 酸化亜鉛超微粒子(住友大阪セメント製ZS−300 粒径10nm) 20重量部
【0049】この抗菌層形成用樹脂組成物を離型フィル
ム(麗光(株)製MC−19、厚み38μm)上に膜厚
が0.5μm/dryとなるようにスリットリバースコ
ートにより塗工し、電子線を3Mrad照射することに
より塗膜を硬化させた。次いで、この離型フィルムの塗
膜上へ紫外線硬化型樹脂(大日精化(株)製PETD−
31)を膜厚が5μm/dryとなるように塗工し、こ
の層を介してポリエチレンテレフタレートフィルム(東
洋紡(株)製A−4100、厚み188μm)とラミネ
ートした後、電子線を5Mrad照射することにより塗
膜を硬化させ、離型フィルムを剥離した。
【0050】得られた塗膜が転写されたフィルムの表面
鉛筆硬度は3H(1Kg荷重)、全光線透過率89%、
ヘイズ値0.5%であり、高透明で高硬質のフィルムが
得られた。製造されたフィルムの裏面にアクリル系粘着
剤を25g/m2 (dry)塗工して粘着層を形成し
た。このフィルムをタッチパネルの表面に粘着層を介し
て接着させてタッチパネルの最表層とした。
【0051】本実施例2の抗菌性透明フィルムについ
て、黄色ブドウ状球菌を用いたMRSAテスト(24時
間接触試験)を行ったところ、黄色ブドウ状球菌の滅菌
率は100%であった。
【0052】〔実施例3〕本実施例3で使用するカルボ
キシル基含有(メタ)アクリレートは下記の方法で調製
した。
【0053】ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
トを67%モル含有するジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリ
レートの混合物(日本化薬(株)製:カヤラッドDPH
A、水酸基価69mgKOH/g)とピロメリット酸二
無水物をジペンタエリスリトールペンタアクリレート/
ピロメリット酸二無水物のモル比が2となるように各々
163重量部と21.8重量部をフラスコに入れ、メチ
ルエチルケトン100重量部、ヒドロキシモノエチルエ
ーテル0.1重量部及びN,N−ジメチルベンジルアミ
ン1重量部を加え、80℃で8時間反応させることによ
り、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートを得た。
【0054】下記の材料を混合して、本実施例3の抗菌
層形成用樹脂組成物とした。
【0055】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレート 100重量部 酸化亜鉛超微粒子(住友大阪セメント製ZS−300 粒径10nm) 200重量部 光開始剤(チバガイギー社製 Irgacure184 ) 3重量部
【0056】この抗菌層形成用樹脂組成物をポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製A−410
0、厚み188μm)上に4μm/dryとなるよう
に、グラビアコートにより塗工し、160Wの高圧水銀
灯下を10m/minのスピードで4回通過させて塗膜
を硬化させた。得られたフィルムの表面鉛筆硬度は3H
(1Kg荷重)、全光線透過率89%、ヘイズ値0.5
%であり、高透明で高硬質の本実施例3の抗菌性透明フ
ィルムが得られた。
【0057】本実施例3の抗菌性透明フィルムについ
て、黄色ブドウ状球菌を用いたMRSAテスト(24時
間接触試験)を行ったところ、黄色ブドウ状球菌の滅菌
率は100%であった。
【0058】〔実施例4〕前記実施例3で調製したカル
ボキシル基含有(メタ)アクリレートを使用し、さらに
下記材料と下記の割合で混合して、本実施例4の抗菌層
形成用樹脂組成物とした。
【0059】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレート 1重量部 酸化亜鉛超微粒子(住友大阪セメント製ZS−300 粒径10nm) 20重量部
【0060】この抗菌層形成用樹脂組成物を離型フィル
ム(麗光(株)製MC−19、厚み38μm)上に膜厚
が0.5μm/dryとなるようにスリットリバースコ
ートにより塗工し、電子線を3Mrad照射することに
より塗膜を硬化させた。次いで、この離型フィルムの塗
膜上へ紫外線硬化型樹脂(大日精化(株)製PETD−
31)を膜厚が5μm/dryとなるように塗工し、こ
の層を介してポリエチレンテレフタレートフィルム(東
洋紡(株)製A−4100、厚み188μm)とラミネ
ートした後、電子線を5Mrad照射することにより塗
膜を硬化させ、離型フィルムを剥離した。
【0061】得られた塗膜が転写されたフィルムの表面
鉛筆硬度は3H(1Kg荷重)、全光線透過率89%、
ヘイズ値0.5%であり、高透明で高硬質のフィルムが
得られた。
【0062】本実施例4の抗菌性透明フィルムについ
て、黄色ブドウ状球菌を用いたMRSAテスト(24時
間接触試験)を行ったところ、黄色ブドウ状球菌の滅菌
率は100%であった。
【0063】〔実施例5〕前記実施例3で調製したカル
ボキシル基含有(メタ)アクリレートを使用し、さらに
下記材料と下記の割合で混合して、本実施例5の抗菌層
形成用樹脂組成物とした。
【0064】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレート 100重量部 酸化亜鉛超微粒子(住友大阪セメント製ZS−300 粒径10nm) 200重量部 シリカ粒子(日本シリカ製、粒径2μm) 3重量部 光開始剤(チバガイギー社製 Irgacure184 ) 3重量部
【0065】この抗菌層形成用樹脂組成物をポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製A−410
0、厚み188μm)上に4μm/dryとなるよう
に、グラビアリバースコートにより塗工し、160Wの
高圧水銀灯下を10m/minのスピードで4回通過さ
せて塗膜を硬化させた。得られたフィルムの表面鉛筆硬
度は3H(1Kg荷重)、全光線透過率89%、ヘイズ
値3%、60度鏡面光沢度70%であり、高透明で防眩
性を有し、高硬質の本実施例5の抗菌性透明フィルムが
得られた。製造されたフィルムの裏面にアクリル系粘着
剤を25g/m2(dry)塗工して粘着層を形成し
た。
【0066】本実施例5の抗菌性透明フィルムについ
て、黄色ブドウ状球菌を用いたMRSAテスト(24時
間接触試験)を行ったところ、黄色ブドウ状球菌の滅菌
率は100%であった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌剤として無機系の
酸化亜鉛超微粒子をカルボキシル基含有(メタ)アクリ
レートを含む樹脂バインダー中に均一に、大量に(50
〜600重量%)分散した抗菌性電離放射線硬化型塗料
とすることができるので、該塗料を用いて透明プラスチ
ック基材フィルム上に抗菌層を形成して得られた本発明
の抗菌性透明フィルム及び該フィルムを使用した、例え
ば、家庭用品、家庭用機器、文房具、玩具、OA機器、
測定機器、自動車用機器、各種輸送機関設備、医療機関
設備、建造物、タッチパネル等の人が接触しなければな
らないような箇所に貼付した機器及び物品は、抗菌性能
が飛躍的に向上すると同時に透明性も飛躍的に向上し、
しかも高硬度の表面とすることができる。
【0068】本発明の抗菌性電離放射線硬化型塗料及び
抗菌性透明フィルムは、透明プラスチック基材フィルム
上に形成した抗菌層において、抗菌性超微粒子を抗菌層
中の上部に極在化させて、その表面に露出した状態とし
た場合、抗菌性能をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗菌性透明フィルムの製造のプロセス
を示し、特に、透明プラスチック基材フィルム上に形成
した抗菌層における抗菌性超微粒子を、抗菌層中の上部
に極在化させてなる抗菌性透明フィルムの製造のプロセ
ス図である。
【図2】抗菌性超微粒子を極在化させた本発明の抗菌性
透明フィルムの別の製造プロセスを示す。
【符号の説明】
1 離型フィルム 2 抗菌性超微粒子層 3 透明プラスチック基材フィルム 4 抗菌層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレー
    トを含む樹脂中に酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒子と
    して分散させたことを特徴とする抗菌性電離放射線硬化
    型塗料。
  2. 【請求項2】 前記カルボキシル基含有(メタ)アクリ
    レートが、分子内に1個以上の酸無水物を有する化合物
    と、分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有
    する水酸基含有多官能アクリレートを反応して得られた
    ものであることを特徴とする請求項1記載の抗菌性電離
    放射線硬化型塗料。
  3. 【請求項3】 前記酸化亜鉛超微粒子の粒径が10nm
    以上500nm以下であることを特徴とする請求項1及
    び2記載の抗菌性電離放射線硬化型塗料。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレー
    トを含む樹脂100重量部に対してに酸化亜鉛超微粒子
    を5重量部以上600重量部以下分散させたことを特徴
    とする抗菌性電離放射線硬化型塗料。
  5. 【請求項5】 酸化亜鉛超微粒子を抗菌性超微粒子とし
    て分散した、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート
    を含む樹脂からなる抗菌層が、透明プラスチック基材フ
    ィルム上に最表面層として形成されていることを特徴と
    する抗菌性透明フィルム。
  6. 【請求項6】 カルボキシル基含有(メタ)アクリレー
    トを含む樹脂の塗膜中に、抗菌性微粒子としての酸化亜
    鉛超微粒子が該塗膜中の表面近傍に極在化して抗菌層を
    なし、該抗菌層が透明プラスチック基材フィルム上に最
    表面層として形成されていることを特徴とする抗菌性透
    明フィルム。
  7. 【請求項7】 前記抗菌層が、他の層を介して、透明プ
    ラスチック基材フィルム上に最表面層として形成してな
    ることを特徴とする請求項5又は6記載の抗菌性透明フ
    ィルム。
  8. 【請求項8】 前記酸化亜鉛超微粒子の粒径は、10n
    m以上500nm以下であることを特徴とする請求項
    5、6又は7記載の抗菌性透明フィルム。
  9. 【請求項9】 前記酸化亜鉛超微粒子は、樹脂組成物中
    に5〜600重量%分散されていることを特徴とする請
    求項5、6、7又は8記載の抗菌性透明フィルム。
  10. 【請求項10】 前記抗菌層のヘイズ値は、透明プラス
    チック基材フィルムのヘイズ値より0(0を含まず)〜
    3高いことを特徴とする請求項5、6、7、8又は9記
    載の抗菌性透明フィルム。
  11. 【請求項11】 前記カルボキシル基含有(メタ)アク
    リレートを含む樹脂組成物は、電離放射線硬化型である
    請求項5、6、7、8、9又は10記載の抗菌性透明フ
    ィルム。
  12. 【請求項12】 前記抗菌性透明フィルムは、その表面
    鉛筆硬度が1H以上であることを特徴とする請求項5、
    6、7、8、9、10又は11記載の抗菌性透明フィル
    ム。
  13. 【請求項13】 前記抗菌層は、転写法により透明プラ
    スチック基材フィルム上に形成されていることを特徴と
    する請求項5、6、7、8、9、10、11又は12記
    載の抗菌性透明フィルム。
  14. 【請求項14】 前記抗菌層がさらに粒径1μmから5
    μmの無機粒子、あるいは有機ポリマー粒子を含有し、
    防眩性を備えた抗菌性透明フィルムであることを特徴と
    する請求項5、6、7、8、9、10、11、12又は
    13記載の抗菌性透明フィルム。
  15. 【請求項15】 請求項5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13又は14記載の抗菌性透明フィルムが、
    家庭用品、家庭用機器、文房具、玩具、OA機器、測定
    機器、自動車用機器、各種輸送機関設備、医療機関設
    備、医療用機器、建造物、タッチパネルから選ばれた人
    が接触する部位に設けられることを特徴とする抗菌性透
    明フィルム。
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