JPH09310455A - 内樋を有する屋根構造 - Google Patents

内樋を有する屋根構造

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JPH09310455A
JPH09310455A JP12714296A JP12714296A JPH09310455A JP H09310455 A JPH09310455 A JP H09310455A JP 12714296 A JP12714296 A JP 12714296A JP 12714296 A JP12714296 A JP 12714296A JP H09310455 A JPH09310455 A JP H09310455A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樋本体がオーバーフローする事態になって
も、このオーバーフロー水が軒先天井部に漏水するのを
阻止して、軒先天井部に汚損や腐食が発生しない内樋を
有する屋根構造を提供すること。 【解決手段】 水の流れ方向に勾配を有して、水上側屋
根部と水下側屋根部間に内樋部9を形成した屋根構造に
あって、樋本体10は、少なくとも上方が開口する略溝状
の樋部10a と水下側の開口端部から水下側に延出する水
下側延出部10c とからなり、この水下側延出部によって
水下側屋根部の水上側上端を覆っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の流れ方向に勾
配を有する屋根面にあって、水上側屋根部と水下側屋根
部間に内樋部を形成した屋根構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水の流れ方向に勾配を有する屋根
面にあって、水上側屋根部と水下側屋根部間に内樋部を
形成した屋根構造として、実開昭58−11527号公
報に示されるようなものがある。このような内樋形式の
樋部を有する屋根は、一般に屋根の軒先端部から軒樋を
廃することにより、屋根及び建築物の意匠を向上させる
意図をもって採用される。ところで、このように内樋を
有する屋根構造は、屋根及び建築物の意匠が向上すると
いう特徴を有するが、反面、以下のような問題を有して
いる。上方に開口を有する略コ字状の樋本体と水下側、
水上側屋根部の屋根材とは、それぞれ唐草や水切部材を
介して接続されているので、堆積物による落とし口の詰
まりや豪雨等により樋本体がオーバーフローする事態に
なると、前記水切り部材箇所から水下側屋根部の裏面側
に雨水が浸入して漏水事故を招くという問題があった。
この漏水は、内樋が壁面より内側に位置する場合には、
屋内への漏水となるし、外側の場合でも軒先天井部を汚
損、腐食させる直接要因となる。また、水切り部材や屋
根材との接続部位に、シーリングその他の防水処理を施
しても、一般に樋本体は、長尺材よりなるので、経年変
化による熱伸縮作用などによって、長期的な防水作用が
期待できないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、樋本体がオーバーフローする事態になっても、この
オーバーフロー水が軒先天井部に漏水するのを阻止し
て、軒先天井部に汚損や腐食が発生しない内樋を有する
屋根構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
達成するため、単層の屋根構造では、水の流れ方向に勾
配を有する水上側屋根部と水下側屋根部間に内樋部を形
成した内樋を有する屋根構造にあって、樋本体は、少な
くとも上方が開口する略溝状の樋部と水下側の開口端部
から水下側に延出する水下側延出部とからなり、この水
下側延出部によって水下側屋根部の水上側上端を覆って
なることを特徴とする。また本発明の単層の屋根構造で
は、前記水下側延出部は、水下側屋根部における屋根材
との間に毛細管現象防止空間を形成したことを特徴とす
る請求項1記載の内樋を有する屋根構造。また本発明の
単層の屋根構造では、前記樋部の底部は、長手方向に水
勾配を有することを特徴とする。また本発明の単層の屋
根構造では、前記水下側屋根部は、予め屋根材が葺かれ
た屋根パネルからなることを特徴とする。また本発明の
単層の屋根構造では、前記水上側屋根部は、予め屋根材
が葺かれ且つその水下側に樋本体が組み付けられた屋根
パネルからなることを特徴とする。また本発明の単層の
屋根構造では、前記水下側延出部は、化粧カバーで被覆
したことを特徴とする。
【0005】そして本発明の二重葺きの屋根構造では、
外側屋根と内側屋根の間に排水空間を有し、水の流れ方
向に勾配を有する水上側屋根部と水下側屋根部間に内樋
部を形成した内樋を有する屋根構造にあって、樋本体
は、少なくとも上方が開口する略溝状の樋部と水下側の
開口端部から水下側に延出する延出部とからなり、前記
水下側延出部によって水下側屋根部における内側屋根の
水上側上端を覆ってなることを特徴とする。また本発明
の二重葺きの屋根構造では、前記水下側延出部は、水下
側屋根部における内側屋根の屋根材との間に毛細管現象
防止空間を形成したことを特徴とする。また本発明の二
重葺きの屋根構造では、前記樋部の底部は、長手方向に
水勾配を有することを特徴とする。また本発明の二重葺
きの屋根構造では、前記水下側屋根部は、予め内側屋根
の屋根材が葺かれた屋根パネルからなることを特徴とす
る。また本発明の二重葺きの屋根構造では、前記水上側
屋根部は、予め屋根材が葺かれ且つその水下側に樋本体
が組み付けられた屋根パネルからなることを特徴とす
る。
【0006】本発明における樋本体は、各種合成樹脂等
の防食性フィルムまたは塗料で表面を被覆した表面処理
鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チ
タン合金板、銅板等の公知の金属素材等をロール成形、
ベンダー成形、または炭素繊維を積層成形、樹脂を押し
出し成型するなどして製造される。基材が金属素材の場
合、素材厚は、特に限定するものではないが、概ね0.
4乃至1.6mm程度である。樋本体の樋部形状は、上面
が開口している所謂略溝状であれば良く、その具体的形
態は問わない。樋本体が長手方向に繋がれる場合は、シ
ール、パッキンを介して緊結したり、溶着する等、公知
の手段により行われる。樋本体の樋部構成面には、伸縮
音の防止や歪み防止のために浅リブ加工等を施してもよ
い。また、樋本体の裏面には、結露防止、防音対策上、
必要に応じてポリエチレンフォーム等の裏貼り材を添装
してもよい。樋本体の支持は、樋本体が薄肉の場合に
は、樋と略同形状に形成した鋼板製支持フレーム等を建
築躯体等に固定して支持する。但し、樋本体が厚肉の場
合には、支持フレームの一部又は全部を省略することが
できる。この支持フレームは、通常1.2乃至3.2mm
厚さ程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等からなってい
る。
【0007】屋根材は、金属製の横葺、縦葺屋根板、
瓦、スレート等の公知の材料により葺かれる。内側屋根
を構成する屋根材が折板屋根である場合、その裏面に
は、防火対策上、ガラス繊維系の防火用裏張り材を添装
してもよい。また、内側屋根を構成する屋根材は、排水
空隙を構成する関係上、縦葺形式の金属下葺き屋根材が
好ましいが、縦桟間に合成樹脂やゴム、アスファルト系
の防水シートを張設固定してもよい。化粧カバーは、通
常、外装材と同一素材で成形するが、異質材で構成して
もよい。尚、化粧カバーは、樋本体が雨押え機能を有さ
ない場合や、屋根材と樋本体の材質や色が異なり、樋の
延出部を被覆して意匠性を高めたい場合に用いるもので
あるから、樋本体が、雨押え機能を有する場合や外装材
と同一素材で成形される場合には、化粧カバーは無くて
もよい。
【0008】本願発明の施工は、概ね以下の手順で行わ
れる。内樋を設置する凹溝部が形成された、または凹溝
部を形成可能な建築躯体に対して、先ず凹溝部の水下側
に水下側屋根部を施工する。続いて、前記凹溝部に樋本
体を設置し、その水上側に水上側屋根部を施工する。
尚、本願における建築躯体は、梁や母屋等の鉄骨躯体、
コンクリート躯体及びコンクリート構造の上に鉄骨を小
屋組した躯体等、従来公知の建築躯体をいい、特に限定
されるものではない。また必要に応じて前記各屋根部に
は、木毛セメント板やグラスウール、発泡樹脂ボード等
の断熱材や防火部材を介装してもよいことは、いうまで
もない。
【0009】
【発明の実施の形態】図1には本発明の内樋を有する屋
根構造の実施の1形態を例示している。躯体1はコンク
リート造りのもので、内樋の配設部位すなわち水の流れ
方向に勾配を有している下地面1aに凹溝部2が形成され
ており、この凹溝部2の水下側の下地面1aに敷設してあ
る木毛セメント板3上には防水シート4を介して水下側
の横葺屋根板5が、その軒側係合部5aと棟側係合部5bを
係合させて接続した状態に吊子6で固定されて葺かれて
いる。この水下側における最上段の横葺屋根板5の棟側
係合部5bは受け金具7の係合部7aと係合しており、受け
金具7は、係合部7aの水上側の固定部7bを固定具8で木
毛セメント板3上に固定されている。係合部7aは下向き
に開口したコ形状で、上面を支持面部7cとして、後で説
明する樋本体10の水下側延出部10c における傾斜面部10
d を受支可能に形成してあると共に、この支持面部7cの
水下側端から垂下状の取付け部7dに垂下部10e を取付け
可能に形成している。
【0010】凹溝部2の水上側の下地面1aには木毛セメ
ント板3が敷設され、凹溝部2には内樋部9が形成され
ている。この内樋部9を形成している長尺状樋本体10
は、上方が開口した略溝状の樋部10a と、水上側の開口
端部から水上側に延出する水上側延出部10b と、水上側
の開口端部よりも低い水下側の開口端部から水下側に延
出する水下側延出部10c とからなり、水上側延出部10b
は凹溝部2の水上側の木毛セメント板3水下側端部に固
定可能な態様、具体的には木毛セメント板3と同勾配で
ある斜め上向き傾斜状に形成してある。水下側延出部10
c は棟側係合部5bおよび受け金具7を覆い且つその棟側
係合部5bすなわち水下側の横葺屋根板5との間に毛細管
現象防止空間11を形成可能な態様、具体的には木毛セメ
ント板3と同勾配である斜め下向き傾斜状の傾斜面部10
d と、この傾斜面部10d 水下側端に垂設した垂下部10e
を有する態様に形成してある。そして、水上側延出部10
b は凹溝部2の水上側の木毛セメント板3水下側端部に
載乗した状態に固定具12で固定されている。一方、水下
側延出部10c は水下側横葺屋根板5の水上側上端すなわ
ち棟側係合部5bおよび受け金具7を覆った状態に、その
垂下部10e を係合部7aの取付け部7dに固定具13で固定さ
れており、この水下側延出部10c と棟側係合部5bとの間
には毛細管現象防止空間11が形成され、樋部10a は凹溝
部2に納まっている。
【0011】凹溝部2の水上側における樋本体10の水上
側延出部10b 上には桁行き方向に長尺状の唐草兼水切部
材14が水上側延出部10b とともに固定具12で木毛セメン
ト板3水下側端部に載乗した状態に固定されており、こ
の唐草兼水切部材14および木毛セメント板3上には防水
シート4を介して水上側の横葺屋根板5が、その軒側係
合部5aと棟側係合部5bを係合させて接続した状態に吊子
6で固定されて葺かれている。そして、この水上側にお
ける最下段の横葺屋根板5の軒側係合部5aは、水上側延
出部10b とともに固定具12で固定されている唐草兼水切
部材14の固定部14a の水下側端における被係合部14b に
係合して葺かれている。
【0012】図2には本発明の内樋を有する屋根構造の
実施の他の1形態を例示しており、構成は前記した図1
の態様のものと基本的に同一であるため、共通している
構成の説明を省略して、相違する構成について説明す
る。躯体1は鉄骨造りのもので、内樋部9の配設部位に
おける鉄骨間には支持フレーム15が架設されていると共
に、この支持フレーム15の水下側と水上側の鉄骨上には
木毛セメント板3がそれぞれ敷設され、且つ、水下側の
木毛セメント板3上には防水シート4を介してスレート
16が葺かれている。支持フレーム15に樋部10a を支持さ
れた樋本体10における水上側延出部10b は、水切部材37
の固定部37a とともに固定具12で、水上側の木毛セメン
ト板3水下側端部に載乗した状態に固定されている。一
方、水下側延出部10c は水下側最上段のスレート16の水
上側上端における受け部材17を覆った状態に、その垂下
部10e を受け部材17に固定具13で固定されている。
【0013】樋部10a の水下側開口部分と水下側延出部
10c には雨押え兼用の化粧カバー18が覆設されている。
化粧カバー18は、樋部10a の水下側開口部分を覆い可能
な態様の水返し部18a と、水下側延出部10c を覆い可能
な態様の上面部18b と、上面部18b の水下側端から垂設
された固定部18c と、固定部18c の下端から水下側に延
設されて、水下側最上段のスレート16上面を覆い可能な
態様に形成してある水下側雨押え部18d とからなり、そ
の固定部18c を垂下部10e とともに固定具13で受け部材
17に固定されていて、樋部10a の水下側開口部分と水下
側延出部10c すなわち水下側屋根部における水上側屋根
部分を二重に被覆して雨押えし化粧している。そして、
水上側の木毛セメント板3上には防水シート4を介して
スレート16が葺かれている。
【0014】図3乃至図5には本発明の内樋を有する二
重葺きの屋根構造の実施の他の1形態を例示しており、
構成は前記した図1の態様のものと基本的に同一である
ため、共通している構成の説明を省略して、相違する構
成について説明する。凹溝部2の水下側の下地面1aに敷
設してある木毛セメント板3上には防水シート4を介し
て水下側の内側屋根板19が軒棟方向に葺かれており、こ
の隣り合う内側屋根板19左右側縁の立上り部19a 間には
垂木兼押え部材20が架設されて固定具21で木毛セメント
板3側に固定され、且つ、内側屋根板19および垂木兼押
え部材20の水上側端に亘り桁行き方向に長尺状の受桟22
が載乗した状態に固定具23で固定されている。また、水
下側の内側屋根板19における水上側端には水返し部19b
が形成されている。受桟22上面の支持部22a には水下側
延出部10c の傾斜面部10d が載乗しており、この支持部
22a 水下側端から垂下して垂木兼押え部材20間の内側屋
根面部19c上に位置している折下げ部22b には水下側延
出部10c の垂下部10e が固定具13で固定されていて、水
下側延出部10c によって水下側の内側屋根板19における
水上側屋根部分が被覆されている。そして、水下側の各
垂木兼押え部材20に亘り外側屋根板24が、その軒側係合
部24a と棟側係合部24b を係合させて接続した状態に吊
子6で固定されて横葺され、外側屋根板24との間の内側
屋根面部19c に沿い排水空間25が形成されている。この
水下側の排水空間25は軒側の開口部分(図示せず)に連
通していて、侵入水を軒側から排水可能にしている。
【0015】水下側における最上段の外側屋根板24の棟
側係合部24b は受け金具26の係合部26a に係合してお
り、受け金具26は、係合部26a の水上側の固定部26b を
固定具8で垂木兼押え部材20に固定されている。係合部
26a は下向きに開口したコ形状で、上面の第1支持面部
26c と、固定部26b の水上側に形成してある第2支持面
部26d と、第2支持面部26d の水上側に垂下してある水
上側取付け部26f とで、化粧カバー18の上面部18b およ
び水返し部18a を裏側から受支していると共に、第1支
持面部26c の水下側端から垂下状の水下側取付け部26e
に固定部18c を固定具13で取付け固定する一方、水上側
取付け部26f に水返し部18a を固定具38で固定してい
る。また、受け金具26における第2支持面部26d は水上
側取付け部26f とで水下側延出部10c および樋部10a 水
下側開口縁を表側から押え込むことにより、樋本体10の
動き(あばれ)を抑制している。化粧カバー18は、樋部
10a の水下側開口部分および水上側取付け部26f を覆い
可能な態様の水返し部18a と、水下側延出部10c および
受け金具26を覆い可能な態様の上面部18b と、上面部18
b の水下側端から垂設された固定部18c と、固定部18c
の下端から水下側に延設されて、水下側最上段の外側屋
根板24水上側上面を覆い可能な態様に形成してある水下
側雨押え部18d とからなり、その固定部18c を水下側取
付け部26e に固定具13で、水返し部18a を水上側取付け
部26f に固定具38で、それぞれ固定されていて、樋部10
a の水下側開口部分と水下側延出部10c すなわち水下側
屋根部における最上段の外側屋根部分を被覆して雨押え
し化粧している。
【0016】凹溝部2の水上側の木毛セメント板3水下
側端部には樋本体10の水上側延出部10b が唐草兼水切部
材14の固定部14a とともに固定具12で固定されており、
この唐草兼水切部材14および木毛セメント板3上には、
水下側と同様に、水上側の内側屋根板19が軒棟方向に葺
かれ、隣り合う内側屋根板19間に垂木兼押え部材20が架
設されて木毛セメント板3側に固定されている。また、
唐草兼水切部材14の固定部14a の水下側端における被係
合部14b には内側屋根板19水下側端の係止部19d が係止
している。
【0017】そして、水上側の各垂木兼押え部材20には
外側屋根板24が、その軒側係合部24a と棟側係合部24b
を係合させて接続した状態に吊子6で固定されて横葺さ
れており、外側屋根板24との間の内側屋根面部19c に沿
い排水空間25が形成されている。この水上側最下段の外
側屋根板24水下側端の軒側係合部24a は、内側屋根板19
水下側端から水下側へ突出している垂木兼押え部材20水
下側端に固定具28で固定された第2唐草兼水切部材27の
係合鍔部27a に係合している。第2唐草兼水切部材27と
唐草兼水切部材14との間には、排水空間25から樋部10a
内に至る雨水の流下空間29が形成されていて、この流下
空間29を経て侵入水が排水空間25から樋部10a 内に流れ
落ちて遅滞なく排水されるようにしてある。
【0018】図6および図7には本発明の内樋を有する
屋根構造の実施の他の1形態を例示しており、構成は前
記した図1の態様のものと基本的に同一であるため、共
通している構成の説明を省略して、相違する構成につい
て説明する。躯体1は鉄骨造りのもので、内樋部9の配
設部位における水下側の鉄骨には水下側屋根パネル30
が、水上側の鉄骨には水上側屋根パネル31が、それぞれ
鉤形状のフック金具32を鉄骨に係止させて配設されてお
り、水上側屋根パネル31の水下側端部には支持金具33が
垂設されている。また、支持金具33の水下側と水上側の
屋根パネル30,31 上には木毛セメント板3がそれぞれ敷
設され、且つ、水下側の木毛セメント板3上には縦葺屋
根板34が吊子(図示せず)で固定されて敷設されて、そ
の隣り合う縦葺屋根板34の左右側縁部をキャップ部材35
でカバーされて縦葺されていると共に、縦葺屋根板34お
よびキャップ部材35の水上側端に亘り桁行き方向に長尺
状の受桟22が載乗した状態に固定具23で固定されてい
る。
【0019】支持金具33に樋部10a を支持された樋本体
10における水上側延出部10b は、水上側の木毛セメント
板3水下側端部に載乗した状態に支持されている。一
方、水下側延出部10c は水下側の受桟22上面の支持部22
a に載乗した状態に支持されている。樋部10a は底面部
における水上側半部を傾斜させて雨水が底面部の水下側
に流れやすくすると共にコーナー部分を丸くして水捌け
が良いようにしてある。そして、水下側延出部10c およ
び樋部10a 水下側開口部分上には雨押え兼用の化粧カバ
ー18が覆設されており、この化粧カバー18はその固定部
18c を、受桟22の支持部22a 水下側端から垂下して且つ
キャップ部材35間の縦葺屋根板34上に位置している折下
げ部22b に固定具13で固定されていて、水下側延出部10
a とで水下側の縦葺屋根板34における水上側屋根部分を
二重に被覆して雨押えし化粧している。そして、水上側
の木毛セメント板3上には縦葺屋根板34が吊子(図示せ
ず)で固定されて敷設されて、その隣り合う縦葺屋根板
34の左右側縁部をキャップ部材35でカバーされて縦葺さ
れていると共に、縦葺屋根板34水下側端の係止鍔部34a
は唐草兼水切部材14の固定部14a の水下側端における被
係合部14b に係合し、且つ、各キャップ部材35水下側端
部には化粧キャップ36が被着固定されている。
【0020】図8の(A)〜(J)には本発明の内樋を
有する屋根構造における内樋部9の横断面形状の他のバ
リエーションを例示しており、(A)〜(D)の態様で
は樋部10a 水上側開口部分を内側に折り返して水返しと
して、水上側延出部10b を有しない横断面形状例を示し
ている。この各態様のものでは水下側延出部10c が固定
されるのが望ましい。(E)〜(J)の態様では、水上
側延出部10b および/または水下側延出部10c が固定さ
れる。また、支持フレーム15および支持金具33は樋部10
a の底面部形状に対応する態様に形成されることにな
る。図9および図10の(A)、(B)には内樋部9の長
手方向の形態の他のバリエーションとして、樋部10a が
長手(桁行き)方向に水勾配を有している態様を例示し
ており、樋部10a における水捌けをスムーズにしてあ
る。(図1の樋部10aにおける二点鎖線参照)
【0021】前記した各形態において、躯体1と内樋部
9と屋根構造の組み合わせは自由であり、例えば、図1
に例示した形態のものにおける躯体1が図2の形態の鉄
骨造りのものであっても良いし、図2に例示した形態の
ものにおける躯体1が図1の形態のコンクリート造りの
ものであっても良いし、図3乃至図5に例示した形態の
ものにおける躯体1が図1の形態の鉄骨造りのものであ
っても良い。また、図3乃至図5に例示した形態のもの
における内側屋根板19が既設の瓦棒葺きであっても良
く、この場合では、内樋を有する瓦棒葺きの改修に採用
できる。さらに、図6および図7に例示した形態のもの
における縦葺屋根板34を内側屋根板として、外側屋根板
との組み合わせによる二重葺き屋根構造とするも良い。
また、内樋部9の素材が屋根材と異なる場合、化粧カバ
ー18を屋根材と同一素材で形成することにより、屋根面
の意匠性が向上する。
【0022】
【発明の効果】
A.請求項1により、堆積物による落とし口の詰まりや
豪雨等により、樋本体がオーバーフローするような事態
になっても、雨水は、内樋部そして水下側延出部を経て
水下側屋根部の屋根材の表面に導かれるので、漏水事故
が生じない。その結果、軒先天井部の汚損や腐食も防止
される。 B.請求項2により、内樋部の水下側延出部と屋根材間
における毛細管現象が防止されるので、より雨仕舞性能
が向上する。 C.請求項3により、桁行き方向における内樋部のレベ
ル調整が不要となるので、施工性が向上する。 D.請求項4により、内樋部の水下側延出部によって覆
われる水下側屋根部の屋根材がパネル化されているの
で、水下側屋根部の施工と内樋部の施工が、ほとんどタ
イムラグを生じることなく行えるので、施工性に優れ
る。 E.請求項5により、水上側屋根部の屋根材がパネル化
され、且つ内樋部が一体に組み付けられているので、施
工性に優れる。特に、請求項4発明との組合せにおい
て、極めて施工性に優れる。 F.請求項6により、内樋部の水下側延出部を化粧カバ
ーで被覆してあるので、屋根面の意匠性が向上する。 G.請求項7により、堆積物による落とし口の詰まりや
豪雨等により、樋本体がオーバーフローするような事態
になっても、雨水は、内樋部そして水下側延出部を経て
水下側屋根部の内側屋根の屋根材の上に導かれるので、
漏水事故が生じない。その結果、軒先天井部の汚損や腐
食も防止される。 H.請求項8により、内樋部の水下側延出部と屋根材間
における毛細管現象が防止されるので、より雨仕舞性能
が向上する。 I.請求項9により、桁行き方向における内樋部のレベ
ル調整が不要となるので、施工性が向上する。 J.請求項10により、内樋部の水下側延出部によって覆
われる水下側屋根部の屋根材がパネル化されているの
で、水下側屋根部の施工と内樋部の施工が、ほとんどタ
イムラグを生じることなく行えるので、施工性に優れ
る。 k.請求項11により、水上側屋根部の屋根材がパネル化
され、且つ内樋部が一体に組み付けられているので、施
工性に優れる。特に、請求項10発明との組合せにおい
て、極めて施工性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の内樋を有する屋根構造の実施の1形
態を例示している縦断面図。
【図2】 本発明の内樋を有する屋根構造の実施の他の
1形態を例示している縦断面図。
【図3】 本発明の内樋を有する屋根構造の実施の他の
1形態を例示している縦断面図。
【図4】 図3の部分拡大縦断面図。
【図5】 図3の部分拡大斜視図。
【図6】 本発明の内樋を有する屋根構造の実施の他の
1形態を例示している縦断面図。
【図7】 図6の部分斜視図。
【図8】 (A)〜(J)には本発明の内樋を有する屋
根構造における内樋部の横断面形状の他のバリエーショ
ンを例示している断面図。
【図9】 内樋部の長手方向の形態の他のバリエーショ
ンを例示している断面図。(B)はの
【図10】 (A)は図9の(A)−(A)断面図、
(B)は図9の(B)−(B)断面図。
【符号の説明】
1 躯体 1a 下地面 2 凹溝部 3 木毛セメン
ト板 4 防水シート 5 横葺屋根板 5a 横葺屋根板の軒側係合部 5b 横葺屋根板
の棟側係合部 6 吊子 7 受け金具 7a 受け金具の係合部 7b 受け金具の
固定部 7c 受け金具の支持面部 7d 受け金具の
支持面部 7e 受け金具の垂下部 8,12,13,21,2
3,28,38 固定具 9 内樋部 10 樋本体 10a 樋本体の樋部 10b 樋本体の
水上側延出部 10c 樋本体の水下側延出部 10d 樋本体の
傾斜面部 10e 樋本体の垂下部 11 毛細管現象
防止空間 14 唐草兼水切部材 14a 唐草兼水
切部材の固定部 14b 唐草兼水切部材の被係合部 15 支持フレー
ム 16 スレート 17 取付部材 18 化粧カバー 18a 化粧カバ
ーの水返し部 18b 化粧カバーの上面部 18c 化粧カバ
ーの固定部 18d 化粧カバーの水下側水返し部 19 内側屋根板 19a 内側屋根板の立上り部 19b 内側屋根
板の水返し部 19c 内側屋根面部 19d 内側屋根
板の係止部 20 押え部材 22 受桟 22a 受桟の支持部 22b 受桟の折
下げ部 24 外側屋根板 24a 外側屋根
板の軒側係合部 24b 外側屋根板の棟側係合部 25 排水空間 26 受け金具 26a 受け金具
の係合部 26b 受け金具の固定部 26c 受け金具
の第1支持面部 26d 受け金具の第2支持面部 26e 受け金具
の取付け部 26f 受け金具の下げ部 27 第2唐草兼
水切部材 27a 第2唐草兼水切部材の係合鍔部 29 流下空間 30 水下側屋根
パネル 31 水上側屋根パネル 32 フック金具 33 支持金具 34 縦葺屋根板 34a 縦葺屋根板の係止鍔部 35 キャップ部
材 36 化粧キャップ 37 水切部材 37a 水切部材の固定部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の流れ方向に勾配を有する水上側屋根
    部と水下側屋根部間に内樋部を形成した屋根構造にあっ
    て、樋本体は、少なくとも上方が開口する略溝状の樋部
    と水下側の開口端部から水下側に延出する水下側延出部
    とからなり、この水下側延出部によって水下側屋根部の
    水上側上端を覆ってなることを特徴とする内樋を有する
    屋根構造。
  2. 【請求項2】 前記水下側延出部は、水下側屋根部にお
    ける屋根材との間に毛細管現象防止空間を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の内樋を有する屋根構造。
  3. 【請求項3】 前記樋部の底部は、長手方向に水勾配を
    有することを特徴とする請求項1または2記載の内樋を
    有する屋根構造。
  4. 【請求項4】 前記水下側屋根部は、予め屋根材が葺か
    れた屋根パネルからなることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項記載の内樋を有する屋根構造。
  5. 【請求項5】 前記水上側屋根部は、予め屋根材が葺か
    れ且つその水下側に樋本体が組み付けられた屋根パネル
    からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    記載の内樋を有する屋根構造。
  6. 【請求項6】 前記水下側延出部は、化粧カバーで被覆
    したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載
    の内樋を有する屋根構造。
  7. 【請求項7】 外側屋根と内側屋根の間に排水空間を有
    し、水の流れ方向に勾配を有する水上側屋根部と水下側
    屋根部間に内樋部を形成した2重葺きの屋根構造にあっ
    て、樋本体は、少なくとも上方が開口する略溝状の樋部
    と水下側の開口端部から水下側に延出する延出部とから
    なり、前記水下側延出部によって水下側屋根部における
    内側屋根の水上側上端を覆ってなることを特徴とする内
    樋を有する屋根構造。
  8. 【請求項8】 前記水下側延出部は、水下側屋根部にお
    ける内側屋根の屋根材との間に毛細管現象防止空間を形
    成したことを特徴とする請求項7記載の内樋を有する屋
    根構造。
  9. 【請求項9】 前記樋部の底部は、長手(桁行き)方向
    に水勾配を有することを特徴とする請求項7または8記
    載の内樋を有する屋根構造。
  10. 【請求項10】 前記水下側屋根部は、予め内側屋根の屋
    根材が葺かれた屋根パネルからなることを特徴とする請
    求項7〜9のいずれか1項記載の内樋を有する屋根構
    造。
  11. 【請求項11】 前記水上側屋根部は、予め屋根材が葺か
    れ且つその水下側に樋本体が組み付けられた屋根パネル
    からなることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項
    記載の内樋を有する屋根構造。
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