JP2019056279A - 軒樋および建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に、軒樋本体を溢れた雨水がオーバーフローする経路を特定し、最適に設定し得るようにする。【解決手段】軒先側と軒元側とにそれぞれ立上部4,5を有する軒樋本体6を備えた軒樋3に関する。軒先側の立上部4を、軒元側の立上部5よりも低くしてオーバーフロー側立上部にする。軒先側の立上部4の頂部から、軒先側へ延びる鍔部11が延設されるようにする。軒元側の立上部5の頂部に、軒先側へ延びる水返部21が設けられても良い。鍔部11の軒先側の縁部に、水切部31が設けられても良い。鍔部11は、上下方向に対する位置決め部41を有しても良い。【選択図】図1

Description

この発明は、軒樋および建物に関するものである。
戸建住宅などの建物には、屋根の下縁部に沿って軒樋を備えたものが存在している。この軒樋は、軒先側と軒元側とにそれぞれ立上部を有する側面視ほぼU字状などをした軒樋本体を備えている(例えば、特許文献1〜特許文献5参照)。
特開昭63−194058号公報 実開昭56−176263号公報 特開平6−20682号公報 登録実用新案第3188301号 実開平6−20682号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献3などに記載されているように、軒樋は、一般的に、軒先側の立上部と軒元側の立上部とがほぼ同じ高さになっているので、排水トラブルなどによって軒樋本体から雨水が溢れた場合に、溢れた雨水が、どこからどのようにオーバーフローするのかを特定することができなかった。そのため、軒樋本体をオーバーフローした雨水が、例えば、小屋裏などへ入り込んで不具合を生じるなどのおそれがあった。
これに対し、特許文献4のものは、軒樋本体の底部にオーバーフロー管を設置することで、溢れた雨水をオーバーフロー管からオーバーフローさせ得るようにしていた。そのため、オーバーフロー管の設置に手間やコストがかかっていた。
また、特許文献5のものは、軒先側の立上部の途中に吐出口を設けて、吐出口から雨水をオーバーフローさせるようにしていた。しかし、軒樋本体の側面に直接吐出口などを設けることによって、軒樋本体が長手方向に対して不均一な形状になっていた。そのため、軒樋本体の製造に手間やコストがかかっていた。
そこで、本発明は、主に、上記した問題点を解決することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、軒先側と軒元側とにそれぞれ立上部を有する軒樋本体を備えた軒樋において、前記軒先側の立上部を、前記軒元側の立上部よりも低くしてオーバーフロー側立上部にすると共に、前記軒先側の立上部の頂部から、軒先側へ延びる鍔部が延設されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、軒樋本体を溢れた雨水がオーバーフローする経路を特定し最適に設定することなどができる。
本実施の形態にかかる軒樋を備えた建物の上部を示す拡大した縦断面図である。 図1の軒樋の端面図である。 (a)は図2の軒樋の側面図、(b)は(a)の端面図である。 (a)は図2の軒樋の平面図、(b)は(a)の端面図である。 軒樋の鍔部を位置決めする様子を示す側面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図5は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1は、戸建住宅などの建物1の上部を示す拡大断面図である。戸建住宅などの建物1は、屋根2の下縁部(水下側となる縁部)の位置に軒樋3を備えている。この軒樋3は、図2(〜図4)に示すように、軒先側と軒元側とにそれぞれ立上部4,5を有する軒樋本体6を備えている。
ここで、軒樋3は、側面視ほぼU字状をした金属製や樹脂製の部材である。或いは、軒樋3は、主に、上に開いた溝形状の部分から成る長尺の部材(排水部材)である。この実施例では、軒樋3は、軒樋本体6が、底面7と、軒先側の立上部4と、軒元側の立上部5とを一体に有する角型のものとなっている。軒樋本体6は、平滑な表面を有すると共に、均一肉厚のものとされている。軒樋3は、例えば、一枚の金属板を曲げ加工して形成することなどが可能な形状とされている。
軒樋3には、落し口3a(図4参照)が設けられる。落し口3aは、軒樋本体6の底面7に形成される。軒樋3は、落し口3aを介して縦樋に接続される。そのために、軒樋3は、落し口3aへ向かって下り勾配に傾斜するように屋根2の下縁部に沿って設置される。
軒先側は、建物1から離れた側のことである。また、軒元側は、建物1に近い側のことである。立上部4,5は、ほぼ上方へ向かって延びる部分のことであり、軒樋3の側面を形成する側壁とされている。軒先側の立上部4および軒元側の立上部5は、軒樋3の長手方向の全域に亘ってほぼ均一な高さに形成される。
そして、上記のような基本的な構成に対し、この実施例は、以下のような構成を備えるようにする。
(1)軒先側の立上部4を、軒元側の立上部5よりも低くすることでオーバーフロー側立上部にする。
そして、軒先側の立上部4の頂部から、軒先側へ延びる鍔部11が延設されるようにする。
ここで、軒先側の立上部4を、軒元側の立上部5よりも低くしたのは、排水トラブルなどによって軒樋本体6から雨水15(図1参照)が溢れた場合に、溢れた雨水15を軒先側の立上部4から積極的にオーバーフローさせると共に、軒元側の立上部5からは(可能な限り)オーバーフローさせないようにするためである。よって、軒先側の立上部4は、溢れた雨水15が確実に軒先側の立上部4のみからオーバーフローされるように、軒元側の立上部5よりも十分に低くする必要がある。なお、軒樋3の立上部4,5は、一般的には雨水15を溢れさせないようにするための側壁であるため、このような、溢れた雨水15を軒先側の立上部4から積極的にオーバーフローさせるような使い方は、立上部4,5の本来の使い方とは異なるものである。
軒樋3は、屋根2の雨水15を集めて縦樋へと案内する通常時の機能と、雨水15が溢れた時にオーバーフローさせる排水トラブル時の機能とをバランス良く両立させるために、先ず、軒先側の立上部4を、一般的な軒樋とほぼ同等の流量を確保し得るような高さに設定する。次に、軒元側の立上部5を、この軒先側の立上部4よりも高くなるように設定する。これによって、軒先側の立上部4がオーバーフロー側立上部になると共に、軒元側の立上部5が非オーバーフロー側立上部となる。
必要な場合には、更に、軒樋3の底部を一般的な軒樋よりも広幅にすることで、軒先側の立上部4を、一般的な軒樋よりも低くできるようにして、全体的な形状バランスを整えるようにしても良い。これによって、軒樋3は、屋根2に対して見栄え良く取付け得るものになる。
そして、雨水15を軒先側の立上部4から確実にオーバーフローさせるためには、軒先側の立上部4と軒元側の立上部5との間の高低差16を最適に設定することが最も重要になるが、この高低差16は、例えば、全国の雨量データや、軒樋3を設置する地域の雨量データなどに基づいて最適に設定することができる。
具体的には、高低差16は、最低限、10mm程度以上確保することが必要になる。より確実性を持たせるためには、高低差16をより大きくして、例えば、20mm〜40mm程度などとするのが好ましい。この際、軒先側の立上部4が、例えば、軒元側の立上部5のほぼ6割〜7割程度の高さとなるようにするのがバランス的には好ましい。
鍔部11は、軒先側の立上部4からオーバーフローした雨水15を、軒先側の立上部4から離れた軒先側の位置まで円滑に導く導水板となるものである。鍔部11は、軒先側の立上部4に一体に設けられる。軒先側の立上部4と鍔部11とによってオーバーフロー部が構成される。
鍔部11は、ほぼ水平にすることができるが、鍔部11には、軒先側へ向かって下り傾斜となるような勾配18を設けるのが好ましい。鍔部11の勾配18は、一般的な排水勾配と同程度にすれば良い。鍔部11は、軒樋3の長手方向の全域に亘ってほぼ均一な幅に形成される。鍔部11は、軒元側の立上部4の高さのほぼ半分程度の幅寸法を有する、比較的広幅のものなどとしても良い。
(2)軒元側の立上部5の頂部に、軒先側へ延びる水返部21を設けても良い。
ここで、水返部21は、軒元側の立上部5から雨水15がオーバーフローしてしまうのを規制するための規制部(オーバーフロー規制部)である。水返部21は、軒元側の立上部5に一体に設けられる。水返部21は、軒先側へ向かってほぼ水平または若干上がり勾配または下がり勾配となるように延ばされて、軒樋本体6内の軒元側の部分の一部を覆うものとされる。水返部21は、軒樋3の長手方向の全域に亘ってほぼ均一な幅に形成される。
なお、水返部21の上面には、必要に応じて防水テープなどのような弾性変形が可能な厚手の防水材25を製造時や施工時などに取付けることができる。防水材25を取付ける場合には、水返部21は、ほぼ水平または屋根2と平行な角度にするのが好ましい。
(3)鍔部11の軒先側の縁部に、水切部31を設けても良い。
ここで、水切部31は、鍔部11に沿って軒先側へ導かれた雨水15を、鍔部11から水切れさせて、狙った位置へ向けて流下させるための流下案内部である。水切部31は、鍔部11に一体に設けられる。水切部31は、鍔部11の軒先側の縁部からほぼ下方へ延びる屈曲縁などとすることができる。水切部31は、軒樋3の長手方向の全域に亘ってほぼ均一な幅に形成される。
(4)鍔部11は、上下方向に対する位置決め部41を有しても良い。
ここで、位置決め部41は、鍔部11を上下方向に位置決めして、鍔部11を、ほぼ水平な状態や、所要の勾配18などを有して傾斜した状態などとなるように設置するためのものである。この実施例では、鍔部11の軒先側に設けた水切部31を、位置決め部41として使用するようにしている。
水切部31による鍔部11の位置決めには、図5に示すような位置決め用の補助具45を用いることができる。この補助具45は、例えば、補助具本体45aと、補助具本体45aに設けられた位置規定部45bとを有するものなどとすることができる。補助具本体45aは、例えば、後述する化粧材支持金具59に設けた切欠部59aに嵌着可能なものなどとすることができる。位置規定部45bは、例えば、水切部31(位置決め部41)を受けて上下方向に位置規定させるようにした側面視ほぼ横向きC字状のものなどとすることができる。鍔部11に設けた位置決め部41は、上下方向の位置決めに限らず、軒先方向に対する位置決めや長手方向に対する位置決めなどに用いるようにしても良い。
また、位置決め部41は、水切部31とは別の位置などに専用に設けても良い。また、位置決め用の補助具45は、使用しても良いし、使用しなくて済むように構成しても良い。或いは、位置決め用の補助具45は、上記したものとは異なる形状のものなどとしても良い。
(5)以下、上記軒樋3を有する建物1について説明する。
建物1は、例えば、図1に示すように、ユニット建物などとすることができる。ユニット建物は、予め工場で製造した建物ユニット51を建築現場へ運んで、建築現場で組み立てることによって、短期間のうちに建物1を構築し得るようにしたものである。ユニット建物には、鉄骨系のものと、木質系のものとが存在している。この実施例では、鉄骨系のユニット建物としている。但し、建物1は、(鉄骨系の)ユニット建物に限るものではない。
そして、鉄骨系のユニット建物の場合、建物ユニット51は、4本の柱の上端部間を4本の天井梁52で矩形状に連結すると共に、4本の柱の下端部間を4本の床梁で矩形状に連結して成るボックスラーメン構造のユニットフレームを有している。ユニットフレームには、壁面を構成する外壁材53などが取付けられる。
建物1では、建物本体の最上階に位置する建物ユニット51を構成する天井梁52の上部に、取付フレーム55を介して、凹凸を有する折版屋根などの屋根2が設置される。屋根2は、下り勾配に傾斜させた状態で、建物ユニット51よりも水下側などへ張り出すように取付けられる。
最上階の建物ユニット51の水下側となる天井梁52の側部には、横へ(即ち、外壁材53と直交する方向へ)張り出すように庇形成アーム56(支持部材)が取付けられる。この庇形成アーム56は、軒樋3の長手方向に対し、所要の間隔を有して複数本取付けられる。
そして、この庇形成アーム56の上部に、樋受金具57を用いて、上記した軒樋3が設置される。樋受金具57は、軒樋3の下部(底面7周辺)を収容可能なほぼU字状をして、庇形成アーム56の上部にビスなどの固定部材58などで(上下方向に)固定される。
軒樋3は、その下部を、樋受金具57の内側に上方から嵌合した状態で保持される。そして、この状態で、庇形成アーム56の軒先側に取付けられた上方へ延びる化粧材支持金具59に対して、上記した補助具45を用いて位置決め部41を係止させることで、鍔部11の位置決が行われる。その後、ビスなどの固定部材60を用いて、化粧材支持金具59と水切部31とが、外側から軒元方向に固定される。
これにより、軒樋3は、屋根2から流下した雨水15を受け得る位置(屋根2の水下側の縁部の真下の位置)に確実に設置される。この時、軒先側の立上部4は、屋根2の水下側の縁部よりも外側に位置され、軒元側の立上部5は、屋根2の水下側の縁部よりも内側に位置される。
この際、軒樋3は、軒元側の立上部5の頂部に設けた水返部21の上面の防水材25が、折版屋根などの屋根2の水下側の縁部近傍の下面に対して当接されることで、防水が行われる。
そして、庇形成アーム56の下面には、軒天井材62が取付けられる。軒天井材62は、例えば、ロックウールなどで構成された防火材となっている。
更に、屋根2の水下側の縁部近傍の上面と、軒天井材62との間に、軒樋3を外側から囲うように化粧材63を取付けても良い。この化粧材63は、複数に分割して構成することができる。この実施例では、化粧材63は、上部片64と、中間片65と、下部片66とに3分割されている。
このうち、上部片64は、化粧材支持金具59の上部に支持固定されると共に、軒樋3を上方から覆うための庇カバー67によって屋根2と連結されている。中間片65は、上部片64と下部片66との間に設置され、主に、化粧材支持金具59の中間部に支持固定されている。下部片66は、庇形成アーム56の軒先側の端部(先端部)と軒天井材62との間に取付けられている。下部片66は、側方から見て段差形状を有するものとなっており、その上部が庇形成アーム56の先端部に当接可能な当接固定部66aとなっている。下部片66は、その下部が当接固定部66aから軒先側へ突出すると共に、庇形成アーム56の先端部や下部などから離間した状態で軒天井材62の側へと回り込む離間部66bなどとなっている。
そして、少なくとも、中間片65の下部と下部片66の上部とは、上下方向に一部重なるように設けられて、この重なり部分の間に、化粧材63の内部や小屋裏などを換気するための換気部68が設けられている。換気部68は、中間片65の下部と下部片66の上部とを僅かに離間させて成る換気スリットなどとすることができる。この換気部68は、庇形成アーム56の先端部(の上半部)よりも軒先側の位置で、且つ、軒樋3の軒先側の立上部4(の頂部の鍔部11)よりも低く、軒天井材62よりも高い位置(または、軒樋本体6の底面7とほぼ同じか、それよりも若干低い位置など)に設けられている。
そして、換気部68には、軒先側の立上部4からオーバーフローした雨水15の流下(排水)を案内する流下案内部69(水切部)、または、外部からの雨水の入り込みを防止するための水返部を設けることができる。この換気部68と流下案内部69とで換気水切部が構成される。
流下案内部69として、中間片65の下部には、軒元側へ向けてほぼ水平または僅かな下り勾配を有して横へ延びる横延出部69aが設けられている。また、流下案内部69として、下部片66の当接固定部66aの上端部よりも若干低い位置には、軒先側へ向けてほぼ水平または僅かな下り勾配を有して横へ延びる横延出部69bが設けられている。横延出部69bと、横延出部69aとは、横方向に一部重なると共に、上下方向に間隔を有するように設置されている。更に、横延出部69bには、その先端部および中間部からそれぞれ下方へ延びる下延出部69c,69dが前後に離して一対設けられている。加えて、下部片66の当接固定部66aの上端部は、オーバーフローした雨水15の軒天井材62側への回り込みを防止するための立壁状の上延出部とされている。この上延出部は、庇形成アーム56の上部よりも高い位置までへ延ばされている。
そして、横延出部69bおよび軒先側の下延出部69cが横延出部69aに対し上方に間隔を有して位置し、軒元側の下延出部69dが横延出部69aに対し軒元側に間隔を有して位置することで、ラビリンス状の流下案内部69を形成している。
このような、化粧材63の換気部68および流下案内部69に対し、軒樋3の鍔部11の軒先側の縁部は、流下案内部69(の横延出部69bにおける上延出部よりも軒先側の部分)の上方に達する位置まで延ばされると共に、水切部31は、換気部68(の横延出部69b)へ向けて下方へ屈曲されている。これにより、換気部68は、軒樋3からオーバーフローした雨水15の排出口(換気水切部)としても使用可能なものとなる。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
屋根2に降った雨水15は、屋根2に沿って水下側へと流れて行き、軒樋3に集められる。軒樋3に集められた雨水15は、通常の場合、軒樋3に設けられた落し口3aから縦樋へ導かれて排水されるようになっている。
しかし、例えば、縦樋や、軒樋3の縦樋への落し口3aなどに詰まりが生じるなどによって排水トラブルが発生した場合には、縦樋への排水ができなくなり、軒樋3に雨水15が溜まって、軒樋3が溢れることになる。
軒樋本体6から溢れた雨水15が、例えば、軒元側の立上部5からオーバーフローすると、オーバーフローした雨水15が小屋裏へ入り込むおそれがある。また、溢れた雨水15が、例えば、軒先側の立上部4からオーバーフローする際に、破線で示すように軒樋本体6の外側を伝わって流下すると、軒天井材62の上などへ流下して軒天井材62に染み込むおそれがある。
軒天井材62は、保水性を有するロックウールなどでできているので、含水すると、雨が止んだ後に継続的に雨垂れが発生する原因となることがある。よって、軒樋本体6から溢れた雨水15の経路を特定できるようにしておくこと、および、溢れた雨水15が小屋裏や軒天井材62へ向かわない経路にしておくことは重要である。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)軒先側の立上部4を、軒元側の立上部5よりも低くした。これにより、軒樋本体6から雨水15が溢れた場合に、溢れた雨水15を、確実に軒先側の立上部4からオーバーフローさせることができる。
そして、軒先側の立上部4の頂部に、軒先側へ延びる鍔部11を延設するようにした。これにより、軒先側の立上部4からオーバーフローした雨水15を鍔部11に沿って軒先側へと導き、軒樋本体6から軒先側に十分に離れた位置へ円滑に排水させることができる。
そのため、軒樋本体6から溢れた雨水15の排水経路を確保して最適なものとすることができるので、例えば、軒樋本体6から溢れた雨水15が軒元側の立上部5からオーバーフローして、小屋裏へ入り込んだり、軒天井材62に染み込んだりするなどの不具合を防止することが可能になる。
この際、軒樋本体6の断面形状を工夫するだけでオーバーフローした雨水15の排水経路を特定したり、自由に設定したりできるので、排水経路を設けるために、例えば、オーバーフロー管などを設ける必要をなくすことができ、その分、オーバーフロー管などを設置するための手間や部品コストを削減することができる。また、例えば、軒先側の立上部4の途中に吐出口などのような形状の異なる部分を設ける必要がなくなり、その分、軒樋本体6を長手方向に均一な形状にして、軒樋本体6を、手間をかけずに安価に製造可能なものとすることができる。
なお、軒先側の立上部4と軒元側の立上部5との高低差16は、軒元側の立上部5からのオーバーフローが生じ難くなるようにするために必要な最低限の大きさとしたり、或いは、軒元側の立上部5からのオーバーフローをより確実に防止し得るような余裕を持った大きさなどとしたりすることができる。
(効果2)軒元側の立上部5の頂部に、軒先側へ延びる水返部21を設けても良い。水返部21は、軒樋本体6の内部における雨水15の水位が軒元側の立上部5の頂部の位置まで達した時に、軒元側の立上部5の周辺を上側から塞ぐようにするものである。これにより、軒元側の立上部5から雨水15がオーバーフローするのを、水返部21によって有効に防止することができる。この際、水返部21を、軒元側の立上部5の頂部に一体に設けたほぼ横方向の内側へ向けて延びる屈曲部とすることで、水返部21を、容易に形成することができる。また、水返部21の上面に防水テープなどのような弾性変形が可能な厚手の防水材25を取付けることで、屋根2に対する防水を容易に行うことができる。
(効果3)鍔部11の軒先側の縁部に、水切部31を設けても良い。水切部31は、鍔部11の軒先側の縁部に達した雨水15の方向を変更してほぼ真下へ向かわせるものである。これにより、軒先側の立上部4からオーバーフローし、鍔部11を介して軒先側へ導かれた雨水15を水切部31によって確実に鍔部11から水切れさせることができる。よって、軒先側の立上部4からオーバーフローした雨水15の排水を促進すると共に、オーバーフローした雨水15が軒樋本体6の外側を伝わって流れる(伝い水が発生する)のを防止することができる。この際、水切部31を、鍔部11の軒先側の縁部に一体に設けたほぼ下方へ延びる屈曲縁とすることで、水切部31を、容易に形成することができる。
(効果4)鍔部11には、上下方向に対する位置決め部41を設けても良い。位置決め部41は、鍔部11の上下方向の位置を正確に規定するものである。これにより、位置決め部41を用いて鍔部11を上下方向に位置決めすることで、鍔部11を確実に、水平な状態や、または、所要の勾配18を有する状態などに安定して取付けることができる。この際、鍔部11の軒先側に設けた水切部31を位置決め部41として使用することで、構造の合理化や集約化などを図ることができる。
(効果5)この実施例の建物1によれば、上記軒樋3を有することにより、上記軒樋3と同様の作用効果を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施の形態に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、実施の形態に複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 建物
3 軒樋
4 軒先側の立上部
5 軒元側の立上部
6 軒樋本体
11 鍔部
15 雨水
21 水返部
31 水切部
41 位置決め部

Claims (5)

  1. 軒先側と軒元側とにそれぞれ立上部を有する軒樋本体を備えた軒樋において、前記軒先側の立上部を、前記軒元側の立上部よりも低くしてオーバーフロー側立上部にすると共に、前記軒先側の立上部の頂部に、軒先側へ延びる鍔部が設けられていることを特徴とする軒樋。
  2. 請求項1に記載の軒樋において、
    前記軒元側の立上部の頂部に、軒先側へ延びる水返部が設けられていることを特徴とする軒樋。
  3. 請求項1または請求項2に記載の軒樋において、
    前記鍔部の軒先側の縁部に、水切部が設けられていることを特徴とする軒樋。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の軒樋において、
    前記鍔部は、上下方向に対する位置決め部を有していることを特徴とする軒樋。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軒樋を有することを特徴とする建物。
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