JP2019214879A - 軒樋構造および建物 - Google Patents

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【課題】縦樋を増やすこと無く軒樋からのオーバーフローを抑制し軒天井内の浸水を抑制可能な軒樋構造の提供。【解決手段】建物Hの軒先に沿って取り付けられ、縦樋を介して排水を行う軒樋10と、軒樋10の下方位置で軒先の裏側の軒天井40と、を備えた軒樋構造であって、軒樋10の底面を形成する底板11よりも上方位置に落し口(開口)を有し、軒天井40の下面に排水口を有するオーバーフロー樋200が設けられている軒樋構造A。【選択図】図1

Description

本発明は、軒樋構造および建物に関する。
従来、大雨などの際に軒樋から水が溢れ出るオーバーフローが生じるのを防止する軒樋構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の従来の軒樋構造は、建物の軒先に設けられた軒樋に加え、建物の各階間の境目に位置して外周パイプが設けられ、さらに、軒樋と外周パイプとを連通する複数の上竪樋と、外周パイプから垂下された下竪樋とが設けられている。
したがって、この従来技術では、一時的に外周パイプおよび上竪樋において保水が可能となり、軒樋からのオーバーフローを抑制できる。
特開2009−108518号公報
しかしながら、上述の従来の軒樋構造にあっても、軒樋から垂下された上縦樋による排水能力を越えると、軒樋からのオーバーフローが生じる。特に、上縦樋の開口部分に枯葉などが詰まって排水能力が低下した場合、オーバーフローが生じやすくなる。
そして、軒樋の下方に軒天井が設けられている場合、軒樋からオーバーフローした雨水は、軒天井内が浸水してしまい、しかも、このようなオーバーフローによる浸水が生じていることを住人は気付きにくい。
一方、排水性能を上げるには、縦樋の数を増やすことになるが、この場合、コストアップを招くとともに、外観設計の自由度を制限することになる。
本開示は、上記課題に着目したもので、縦樋の数を増やすこと無く軒樋からのオーバーフローを抑制し軒天井内の浸水を抑制可能であるとともに、オーバーフローが生じそうな状態を事前に報せることが可能な軒樋構造および建物を提供することを目的とする。
本開示の軒樋構造は、軒樋に、軒樋の底面よりも上方位置に落し口を有し、軒天井の下面に排水口を有するオーバーフロー樋が設けられている軒樋構造とした。
また、本開示の建物は、上記軒樋構造を備える。
本開示の軒樋構造は、軒樋内の水位がオーバーフロー樋の落し口よりも上昇すると、オーバーフロー樋を介し、軒天井の排水口から排水し、軒樋からのオーバーフローが生じるのを抑制できる。
また、オーバーフロー樋は、軒樋と軒天井との間に設ければよいため、縦樋を設けた場合と比較して、安価に形成できる。
加えて、ゴミ詰まりなどにより縦樋の排水性能が低下してオーバーフローが生じそうな状態であることを、オーバーフロー樋により軒天井の排水口から排水を行うことで、オーバーフローが生じる前に住人に報せることができる。
実施の形態の軒樋構造を適用した建物Hの軒先部分の拡大断面図である。 実施の形態の軒樋構造の要部を示す図であり、図1の矢印Y2方向から見た状態を示す矢視図である。 実施の形態の軒樋構造を適用した建物Hの軒先部分の概略を示す平面図である。 実施の形態の軒樋構造の主要部を示す断面図である。 実施の形態の軒樋構造の主要部を示す斜視図である。 実施の形態の軒樋構造におけるオーバーフロー樋200の上側縦管210の管体212を示す斜視図である。 実施の形態の軒樋構造におけるオーバーフロー樋200の上側縦管210のベース部材211を示す斜視図である。 実施の形態の軒樋構造におけるオーバーフロー樋200の下側縦管220を示す側面図である。 実施の形態の軒樋構造におけるオーバーフロー樋200のドレン部材230を示す斜視図である。
以下、本開示の軒樋構造および建物の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1の軒樋構造Aおよびこの軒樋構造Aを備えた建物Hについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、建物Hの軒先部分の拡大断面図である。
この建物Hは、屋根Lの軒先、すなわち、屋根L水下側となる縁部に軒樋10を備えた建物である。
ここで、まず、建物Hの構成について説明する。
建物Hは、建物全般とすることができるが、ここでは、ユニット建物を例示する。
このユニット建物は、予め工場で製造した建物ユニット20を建築現場へ運んで、建築現場で組み立てることによって、短期間のうちに建物Hを構築し得るようにしたものである。ユニット建物には、鉄骨系のものと、木質系のものとが存在しているが、ここでは鉄骨系のユニット建物を用いている。
なお、建物ユニット20は、4本の柱(不図示)の上端部を4本の天井梁21で矩形状に連結するとともに、4本の柱(不図示)の下端部間を4本の床梁(不図示)で矩形状に連結して成るボックスラーメン構造のユニットフレーム(不図示)を有している。また、ユニットフレームの外側には、壁面を構成する外壁材22が取付けられている。
図1に示す建物ユニット20は、建物Hの最上階に位置するもので、天井梁21の上部に取り付けられた取付具23を介して、屋根Lを形成する屋根材24が取り付けられている。
ユニット建物である建物Hは、戸建て住宅や集合住宅などの各種建物を形成することができるが、ここでは集合住宅を一例として示す。
図3は、建物Hの最上階部分の建物ユニット20の配置を示しており、エントランススペースEを形成する建物ユニット20(e)を挟んで、第1の住居スペースS1を形成する建物ユニット20(1)と第2の住居スペースS2を形成する建物ユニット20(2)が設けられている。図1は、これらの建物ユニット20(e)、20(1)、20(2)の上に設置された屋根Lの軒先部分を示している。なお、図3において矢印WLは、屋根Lにおける水下の方向を示している。
すなわち、前述の屋根材24は、軒先に向かって下がるように傾斜されており、図1では左方向が水下となるように傾斜されている。そして、屋根材24の先端は、建物ユニット20よりも水下方向に張り出して庇が形成されている。また、本実施の形態1では、屋根材24として図2に示すように波状の折板が用いられている。
建物ユニット20の水下側となる天井梁21の側面には、庇アーム25が、建物Hの外方、すなわち、外壁材22の直交方向に突出して取付けられている。なお、庇アーム25は、天井梁21の延在方向に間隔を開けて複数本取り付けられている。
そして、庇アーム25の上面に、樋受金具25aを用いて軒樋10が設置されている。樋受金具25aは、軒樋10を囲むようにU字状に形成され、庇アーム25にビスなどの固定部材により固定されている。
また、軒樋10および屋根Lの庇部分は、水平方向の外側部をパラペット30により覆われている。
パラペット30は、庇アーム25の先端部に取り付けられた板状のパラペット補強材31に支持されている。そして、パラペット30は、それぞれ、パラペット補強材31にネジなどの固定部材により固定された上部部材30a、中間部材30b、下部部材30cの3つの部材により形成されている。
さらに、軒先の裏側であるパラペット30の下部と、建物ユニット20の外壁材22との間の空間に、軒天井40が設けられて、軒樋10や庇アーム25を下方から覆い隠している。
軒天井40は、塩化ビニルなどの樹脂製の板であり、庇アーム25の下面にビス止めされた一対の軒天受材41,41にブラケット41b,41bを介して支持されている。
一方、パラペット30の上部と屋根材24との間には、パラペットカバー50が設けられている。このパラペットカバー50は、図2に示すように、屋根材24の波形状の上方に凸となった凸部24aと凸部24aとの間の凹部24bの部分に立設された縦壁部51を有している。この縦壁部51は、屋根材24を流れる水は通過させるが、枯葉などのゴミ60を堰き止めることが可能に、屋根材24との間の隙間や開口51aが設けられている。
(軒樋構造)
次に、実施の形態1の軒樋構造について説明する。
軒樋構造は、図3の概略説明図に示すように、軒樋10、縦樋100、オーバーフロー樋200で構成されている。なお、図3では、縦樋100の落し口の位置を三角により表示し、オーバーフロー樋200の落し口213の位置を黒丸により表示しており、これら三角や黒丸は実際の形状を示すものではない。
軒樋10は、屋根Lの軒先に沿って配置され、樹脂あるいは金属により図1および図4に示すように、底板11の軒先側と軒元側とにそれぞれ立ち上げ部12,13を有する略U字断面状に形成されている。
そして、軒樋10は、前述のように樋受金具25aにより庇アーム25に取り付けられている。
また、軒樋10は、縦樋100に向かって下るように傾斜されている。すなわち、図3に示す矢印DSが、軒樋10における傾斜を示しており、この傾斜の最も低い位置である水下に縦樋100が設けられている。一方、この傾斜の最も高い位置である水上に、オーバーフロー樋200が設けられている。
なお、縦樋100は、周知のものであり、軒樋10から建物Hの外壁に沿って地上まで延在されている。
<オーバーフロー樋>
次に、本実施の形態1の特徴とするオーバーフロー樋200について説明する。
このオーバーフロー樋200は、図1に示すように、軒樋10の立ち上げ部12,13よりも低く、底板(底面)11よりも上方位置に落し口213を有し、軒天井40に排水口234を有する。すなわち、オーバーフロー樋200は、軒樋10の水位が落し口213の高さ(h1)を越えると軒天井40の排水口234から排水を行う。
オーバーフロー樋200は、図1、図4に示すように、上側縦管210、下側縦管220、ドレン部材230、蓋部材240を備える。
上側縦管210は、軒樋10の底板11を貫通して設けられた円形の管であり、図6Bに示すベース部材211と、図6Aに示す管体212とを備える。
ベース部材211は、図4、図6Bに示すように、相対的に大径の大径管部211aと、相対的に小径の小径管部211bとが上下に連結され、大径管部211aの上端の外周に、環状のフランジ211fが外径方向に突出して形成されている。さらに、図6Bに示すように、大径管部211aの内周211cには、雌ネジ211dが形成されている。
管体212は、図6Aに示すように、円形の管状の本体212aと、この本体212aの下部に設けられて環状で外径方向に延びるフランジ212fとを備える。
そして、本体212aには、上端部の外周には、後述する蓋部材240の雌ネジ243と噛み合う上部雄ネジ212bが形成され、下端部の外周には、ベース部材211の雌ネジ211dと噛み合う下部雄ネジ212dが形成されている。
さらに、本体212aの上部には、径方向に貫通した開口213aが、周方向に複数並列に設けられている。したがって、軒樋10の水位が、開口213aの下端の高さである図4のh1の高さまで上昇すると、軒樋10内の水が管体212に流入する。なお、開口213aは、上下方向の寸法が後述する隙間244の水平方向の寸法よりも大きく、例えば15mmよりも大きな寸法に形成され、さらに、周方向の寸法は数cmとされている。
また、上側縦管210は、軒樋10の底板11に固定されており、この固定は、前述のベース部材211の雌ネジ211dと、管体212の下部雄ネジ212dとを噛み合わせることで行われている。
すなわち、ベース部材211を底板11に形成された開口の下方に配置し、管体212の本体212aを底板11の開口に挿通させ、両者を相対回転させてベース部材211の雌ネジ211dと管体212の下部雄ネジ212dとを噛み合わせる。
これにより、ベース部材211と管体212とが軸方向に沿って移動し、図4に示すように、ベース部材211のフランジ211fと管体212のフランジ212fとで、底板11を挟持状態として、上側縦管210が軒樋10の底板11に固定されている。また、このように雌ネジ211dと下部雄ネジ212dとの噛み合いにより固定するため、底板11に締結部材などを貫通することが無く、シール性の確保が容易である。
上述した上側縦管210のベース部材211の小径管部211bは、下側縦管220の上部に挿入されている。
下側縦管220は、ドレン部材230と接続されて軒天井44に固定されている。
この下側縦管220は、図7Aに示すように管状の管本体221と、管本体221の下端部から外径方向に延在された環状のフランジ222と、フランジ222よりも下方に延在された接続用筒部223とを備える。
管本体221は、上部が拡径され、上述のように上側縦管210のベース部材211の小径管部211bよりも大径に形成されている。
また、接続用筒部223の外周には、雄ネジ224が形成されている。
ドレン部材230は、図7Bに示すように、円管状の筒部231と、筒部231の上端に設けられ環状に外径方向に突出されたフランジ232と、筒部231の下側に形成された排水口234とを備える。
なお、筒部231の内周には、管本体221の接続用筒部223の外周に形成された雄ネジ224と噛み合い可能な雌ネジ235が形成されている。
また、排水口234は、排水を中心軸に沿う方向に対して外径方向に向かわせるための側方開口234aと、排水を下方に向かわせるための下方開口234bとを、それぞれ複数有する。
すなわち、ドレン部材230は、オーバーフロー樋200による排水を行った際に、側方開口234aから排水して、排水がある程度水平方向に飛ぶようにして、排水を行っていることを報せるようにしている。
一方、下方開口234bを設けることにより、側方開口234aにおける流量を制限して、排水が広範囲に飛び散らないようにしている。
下側縦管220およびドレン部材230は、図4に示すように軒天井40に固定されている。その固定構造も、前述の上側縦管210の軒樋10への固定と同様であり、軒天井40の上側から下側縦管220の接続用筒部223を軒天井40に設けられた開口(不図示)に貫通させ、軒天井40の下側に配置したドレン部材230の筒部231に差し込む。そして、下側縦管220とドレン部材230とを相対回転させて、雄ネジ224と雌ネジ235とを噛み合わせ、両フランジ222、232で軒天井40を挟んで下側縦管220およびドレン部材230を軒天井40に固定している。
なお、下側縦管220と上側縦管210とは別体であるが、管本体221の上部が小径管部211bよりも大径に形成されているため、両者の水平方向の固定位置にズレがあっても、半径差分のズレは許容できる。また、上側縦管210を下側縦管220に挿入する構造であるため、両者の軸方向の固定位置にズレがあった場合でも、その挿入量により吸収することができる。
オーバーフロー樋200の上部、すなわち、上側縦管210の管体212の上端部であって落し口213の上方に蓋部材240が固定されている。
蓋部材240は、蓋板部241と管部242と雌ネジ243とを備える。
蓋板部241は、上側縦管210の上端の上方に向いた開口を覆うもので、上側縦管210の外径よりも僅かに大径の円板状に形成されている。
管部242は、蓋板部241の外周から軸方向(下方)にフランジを延在させた環状に形成され、管体212の外周との間に隙間244を有している。この隙間244は、水平方向の寸法が、数mm〜1cm程度の寸法としている。これは、この隙間244よりも大きな枯葉などのゴミ60の進入を防止するためである。
(実施の形態の作用)
以下に、実施の形態1の軒樋構造Aの作用を説明する。
建物Hの屋根Lに雨が降ると、雨は、屋根材24の傾斜に沿って図3の矢印WLの方向に流れ、軒樋10に流れ込む。
この際、枯葉などのゴミ60のうち、ある程度大きなものは、図2に示すように、パラペットカバー50の縦壁部51により堰き止めて、軒樋10への進入を抑制する。
軒樋10に流入した雨水は、軒樋10の傾斜に沿って、図3の矢印DSに示すように水上から水下へ向かって流れ、縦樋100により地上に排水される。
上述のように、相対的に大きな枯葉などのゴミ60は、前述のようにパラペットカバー50により軒樋10への進入は抑制されるものの、長年使用すると、縦樋100の落し口(図3において△により示している箇所)に集まり、落し口がふさがれる場合がある。
このように、縦樋100の落し口が塞がれ、縦樋100の排水能力が低下すると、降雨量が多い場合など、軒樋10の水位が上昇する。
そして、軒樋10においてオーバーフロー樋200が設けられた水上の水位が、開口213aの下端の高さh1よりも上昇すると、それ以上流入する雨水は、オーバーフロー樋200により軒樋10の外に排水される。したがって、軒樋10の水位の上昇を抑制して、立ち上げ部13の高さhtを越えて、軒天井40にオーバーフローするのを抑制できる。
このオーバーフロー樋200による排水の際には、軒天井40に設けたドレン部材230の排水口234から、すなわち、軒天井40の下面の近傍から排水される。このような軒天井40のドレン部材230からの排水は、通常は、生じないため、住人は、軒樋10の異常、すなわち、縦樋100の詰まりを、このドレン部材230からの排水で認識することができる。
特に、本実施の形態1では、オーバーフロー樋200を、図3に示すように、
エントランススペースEの近傍に配置しているため、住居スペースS1、S2に出入りする住人が外出時、帰宅時に、認識しやすくなっている。
さらに、ドレン部材230の排水口234には、側方開口234aを設けているため、水平方向にも飛散し、下方開口234bのみの場合よりも住人がオーバーフロー樋200による排水を認識し易い。
ところで、上述のオーバーフロー樋200の排水による軒樋10のオーバーフローを防止するために、縦樋100の排水能力とオーバーフロー樋200の排水能力とを合わせた排水能力が、200mm/h以上となるように設定した。
例えば、縦樋100の排水能力が190mm/hであれば、オーバーフロー樋200の排水能力を50mm/h以上とする。降雨量が50mm/hというのは、崖崩れなどの災害が発生するレベルであり、オーバーフロー樋200の排水能力を50mm/h以上の排水能力を確保していれば、仮に全ての縦樋100が詰まっても、通常の降雨であれば、オーバーフローを防止できる。
(実施の形態の効果)
以下に、実施の形態1の軒樋構造Aおよび建物Hの効果を列挙する。
(1)実施の形態1の軒樋構造Aは、
建物Hの軒先に沿って取り付けられ、縦樋100を介して排水を行う軒樋10と、
軒樋10の下方位置で軒先の裏側の軒天井40と、を備えた軒樋構造であって、
軒樋10の底面を形成する底板11よりも上方位置に落し口213(開口213a)を有し、軒天井40の下面に排水口234を有するオーバーフロー樋200が設けられている軒樋構造とした。
したがって、軒樋10の水位が上昇した場合、オーバーフロー樋200を介し、軒天井40の排水口234から排水し、軒樋10からのオーバーフローが生じるのを抑制し、軒天井40の浸水を抑制できる。
そして、オーバーフロー樋200は、軒樋10と軒天井40との間に設ければよいため、縦樋100を多く設けた場合と比較して、安価に形成できるとともに、外観品質も向上できる。
加えて、ゴミ詰まりなどにより縦樋100の排水性能が低下したことを、軒天井40に配置された排水口234からの排水により、オーバーフローが生じる前に住人に報せることができる。
特に、本実施の形態1では、排水口234として側方開口234aと下方開口234bとを設けた。これにより、側方開口234aからの排水を水平方向に飛散させることにより、排水口234からの排水が生じたことを住人により確実に報せることができる。一方、下方開口234bを設けたことにより、側方開口234aからの水平方向への過剰な飛散を抑えて、隣地などへ排水が飛散するのを抑えることができる。
(2)実施の形態1の軒樋構造Aは、
オーバーフロー樋200は、軒樋10に取り付けられた上側縦管210と、軒天井40に取り付けられた下側縦管220と、を備え、
下側縦管220の上端部は、上側縦管210の下端部よりも大径に形成され、
上側縦管210の下端部が、下側縦管220の上端部に挿入されている。
したがって、軒樋10に取り付けた上側縦管210と、軒天井40に取り付けた下側縦管220とで、水平方向および軸方向の取付位置がズレた場合でも、両者の半径差や挿入代によるズレを許容でき、施工性に優れ、かつ、水漏れも生じにくい。
なお、下側縦管220の上端部と上側縦管210の下端部との間の隙間を覆うカバーなどを設け、さらに、水漏れ抑制性能を高めてもよい。
(3)実施の形態1の軒樋構造Aは、
下側縦管220は排水口234を有するドレン部材230に接続されて軒天井40に固定されている。
したがって、下側縦管220に直接排水口を設けて、これを軒天井40に開口する場合と比較して、排水口の位置調整、すなわち、下側縦管220の取付位置の調整が不要であり、施工性に優れるとともに、外観品質に優れる。
(4)実施の形態1の軒樋構造Aは、
オーバーフロー樋200は、軒樋10の水上位置に設けられている。
したがって、軒樋10に枯葉などのゴミ60が進入した場合に、ゴミ60は、水下に流れやすく、オーバーフロー樋200の周辺に溜まりにくく、オーバーフロー樋200の排水性能を確保できる。
(5)実施の形態1の軒樋構造Aは、
オーバーフロー樋200の上部に、落し口213の上方を覆い、かつ、オーバーフロー樋200との間に、落し口213への流路としての隙間244を形成する蓋部材240が設けられている。
したがって、蓋部材240により、オーバーフロー樋200の落し口213に枯葉などのゴミ60が直接進入するのを防止し、オーバーフロー樋200の排水能力を確保できる。加えて、隙間244により隙間244よりも大きなゴミ60がオーバーフロー樋200へ進入してオーバーフロー樋200が詰まるのを、より確実に防止できる。
なお、隙間244よりも小さなゴミ60は、オーバーフロー樋200により軒樋10の外部に排出することができる。
加えて、実施の形態1では、隙間244の寸法を1cm以下にし、開口213aは、上下方向および周方向にそれよりも大きな寸法にしているため、特に、枯葉が開口213aを塞ぐのを防止できる。なお、大きな枯葉などのゴミ60の軒樋10への進入は、パラペットカバー50により防ぐようにしているため、縦樋100のゴミ詰まりも抑制できる。
(6)実施の形態1の建物Hは、
上記の軒樋構造Aを備えるため、上記(1)〜(5)に記載した効果のいずれかあるいは全てを奏する。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、実施の形態では、軒樋構造Aをユニット建物である建物Hに設けた例を示したが、ユニット建物以外の建物に設けることもできる。
また、実施の形態では、建物Hとして、集合住宅を例として示したが、戸建ての住宅に適用してもよい。よって、実施の形態では、オーバーフロー樋200をエントランススペースEの近傍に配置した例を示したが、これに限定されない。特に、建物が戸建て住宅の場合、エントランススペースEに限定されない。この場合、外壁の位置よりは、ベランダや窓の近傍など、オーバーフロー樋200による排水が生じた場合に、住人が気付きやすい位置がよい。
また、実施の形態では、オーバーフロー樋は、上側縦管210と下側縦管220とに分割したものを示したが、これに限定されず、この部分を一体の管としてもよい。
また、実施の形態では、排水口234は、ドレン部材230に設けた例を示したが、下側縦管220などの管本体に設けてもよい。また、実施の形態では、排水口234は、側方開口234aと下方開口234bとを設けた例を示したが、いずれか一方のみとしてもよい。
また、実施の形態では、上側縦管210の軒樋10の底板11への固定ならびに下側縦管220およびドレン部材230の軒天井40への固定を、雄ネジと雌ネジとの噛み合いにより行う例を示したが、これらの固定構造は、これに限定されない。
例えば、接着や締結部材を用いた固定としてもよい。
10 :軒樋
11 :底板(底面)
40 :軒天井
60 :ゴミ
100 :縦樋
200 :オーバーフロー樋
210 :上側縦管
230 :ドレン部材
234 :排水口
240 :蓋部材
244 :隙間
A :軒樋構造
H :建物

Claims (6)

  1. 建物の軒先に沿って取り付けられ、縦樋を介して排水を行う軒樋と、
    前記軒樋の下方位置で前記軒先の裏側を軒天井と、を備えた軒樋構造であって、
    前記軒樋の底面よりも上方位置に落し口を有し、前記軒天井の下面に排水口を有するオーバーフロー樋が設けられている軒樋構造。
  2. 請求項1に記載の軒樋構造において、
    前記オーバーフロー樋は、前記軒樋に取り付けられた上側縦管と、前記軒天井に取り付けられた下側縦管と、を備え、
    前記下側縦管の上端部は、前記上側縦管の下端部よりも大径に形成され、
    前記上側縦管の下端部が、前記下側縦管の上端部に挿入されている軒樋構造。
  3. 請求項2に記載の軒樋構造において、
    前記下側縦管は前記排水口を有するドレン部材に接続されて前記軒天井に固定されている軒樋構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軒樋構造において
    前記オーバーフロー樋は、前記軒樋の水上位置に設けられている軒樋構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の軒樋構造において、
    前記オーバーフロー樋の上部に、前記落し口の上方を覆い、かつ、前記オーバーフロー樋との間に、前記落し口への流路を形成する蓋部材が設けられている軒樋構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の軒樋構造を備えた建物。
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