JPH09300477A - インク乾燥性に優れた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
インク乾燥性に優れた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法Info
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- JPH09300477A JPH09300477A JP14647596A JP14647596A JPH09300477A JP H09300477 A JPH09300477 A JP H09300477A JP 14647596 A JP14647596 A JP 14647596A JP 14647596 A JP14647596 A JP 14647596A JP H09300477 A JPH09300477 A JP H09300477A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 汎用の油性インクでも乾燥時間が短く、か
つ、インクの密着性が良好な合成紙を与える。 【解決手段】 成分A).熱可塑性樹脂100重量部に
対し、成分B).平均粒径が0.01〜10μmの無機
微細粉末8〜350重量部を配合した樹脂を基材とする
延伸フィルムを緊張状態に保ち、この延伸物の面に先端
部が鋭角な支持体を延伸方向と略平行に当接して、該延
伸物を局部的に折り曲げ、その折り曲げ角度を50〜1
40度の変形域として、該フィルムを順次相対的に移動
させることにより、該移動方向と略直角の方向に連続的
な縞状のクレーズ形成させ、このクレーズを形成した延
伸物の表面を酸化処理することからなる熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造方法。
つ、インクの密着性が良好な合成紙を与える。 【解決手段】 成分A).熱可塑性樹脂100重量部に
対し、成分B).平均粒径が0.01〜10μmの無機
微細粉末8〜350重量部を配合した樹脂を基材とする
延伸フィルムを緊張状態に保ち、この延伸物の面に先端
部が鋭角な支持体を延伸方向と略平行に当接して、該延
伸物を局部的に折り曲げ、その折り曲げ角度を50〜1
40度の変形域として、該フィルムを順次相対的に移動
させることにより、該移動方向と略直角の方向に連続的
な縞状のクレーズ形成させ、このクレーズを形成した延
伸物の表面を酸化処理することからなる熱可塑性樹脂フ
ィルムの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛筆筆記性が可能
であり、かつ、オフセット印刷、グラビア印刷可能な半
透明ないし不透明の熱可塑性樹脂フィルムの延伸物より
なる合成紙に関する。この合成紙は、トレース紙、包装
用紙、ポスター用紙等として有用である。
であり、かつ、オフセット印刷、グラビア印刷可能な半
透明ないし不透明の熱可塑性樹脂フィルムの延伸物より
なる合成紙に関する。この合成紙は、トレース紙、包装
用紙、ポスター用紙等として有用である。
【0002】
【従来の技術】無機微細粉末を含有する熱可塑性樹脂フ
ィルムの延伸物よりなる合成紙は知られており実用化さ
れている。例えば、特公昭46−40794号公報に
は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材層とし、こ
の基材層の片面に無機微細粉末を含有するポリプロピレ
ンの一軸延伸フィルムよりなる紙状層が積層されてなる
構造の合成紙が開示されている。又、特公昭54−31
030号公報には、ポリプロピレン20重量%以上、ポ
リエチレン5〜70重量%および無機微細粉末5〜50
重量%よりなる樹脂フィルムの二軸延伸物よりなるパー
ル光沢調の合成紙が開示されている。
ィルムの延伸物よりなる合成紙は知られており実用化さ
れている。例えば、特公昭46−40794号公報に
は、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材層とし、こ
の基材層の片面に無機微細粉末を含有するポリプロピレ
ンの一軸延伸フィルムよりなる紙状層が積層されてなる
構造の合成紙が開示されている。又、特公昭54−31
030号公報には、ポリプロピレン20重量%以上、ポ
リエチレン5〜70重量%および無機微細粉末5〜50
重量%よりなる樹脂フィルムの二軸延伸物よりなるパー
ル光沢調の合成紙が開示されている。
【0003】しかし、これら合成紙の表面に汎用の油性
インク(オフセットインク、グラビアインク)を用いて
印刷を施すと、インクの乾燥に長時間要するので、汎用
の油性インクを使用することができず、合成紙用のUV
オフセット印刷インク、酸化重合型のオフセットインク
を用いる必要があった。それ故、パルプ紙等の印刷を主
業務としている印刷屋においては合成紙の印刷を嫌う傾
向があり、印刷を合成紙の印刷に熟練した大手の印刷メ
ーカーに依頼する必要があった。
インク(オフセットインク、グラビアインク)を用いて
印刷を施すと、インクの乾燥に長時間要するので、汎用
の油性インクを使用することができず、合成紙用のUV
オフセット印刷インク、酸化重合型のオフセットインク
を用いる必要があった。それ故、パルプ紙等の印刷を主
業務としている印刷屋においては合成紙の印刷を嫌う傾
向があり、印刷を合成紙の印刷に熟練した大手の印刷メ
ーカーに依頼する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成紙用の
UVインクでの印刷は勿論のこと、汎用の油性インクを
用いても印刷インクの乾燥時間が短い合成紙の提供を目
的とする。
UVインクでの印刷は勿論のこと、汎用の油性インクを
用いても印刷インクの乾燥時間が短い合成紙の提供を目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、成分A).熱
可塑性樹脂100重量部に対し、成分B).平均粒径が
0.01〜10μmの無機微細粉末を8〜350重量部
配合した樹脂を基材とするフィルムの延伸物を緊張状態
に保ち、この延伸物の面に先端部が鋭角な支持体を延伸
方向と略平行に当接して、該延伸物を局部的に折り曲
げ、その折り曲げ角度を50〜140度の変形域とし
て、該フィルムを順次相対的に移動させることにより、
該移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズを
形成させ、このクレーズを形成した延伸物の表面を酸化
処理することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法を提供するものである。
可塑性樹脂100重量部に対し、成分B).平均粒径が
0.01〜10μmの無機微細粉末を8〜350重量部
配合した樹脂を基材とするフィルムの延伸物を緊張状態
に保ち、この延伸物の面に先端部が鋭角な支持体を延伸
方向と略平行に当接して、該延伸物を局部的に折り曲
げ、その折り曲げ角度を50〜140度の変形域とし
て、該フィルムを順次相対的に移動させることにより、
該移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズを
形成させ、このクレーズを形成した延伸物の表面を酸化
処理することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法を提供するものである。
【0006】
【作用】延伸樹脂フィルムをクレーズ処理および酸化処
理することにより、合成紙に微細な間隙(クレーズ)が
形成されると共に、表面の荒れが促進され、印刷インク
の密着性、印刷インクの乾燥性が向上する。
理することにより、合成紙に微細な間隙(クレーズ)が
形成されると共に、表面の荒れが促進され、印刷インク
の密着性、印刷インクの乾燥性が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。熱可塑性樹脂(A): 延伸フィルム素材の熱可塑性樹脂
(A)としては、フィルム成形が可能な熱可塑性樹脂で
あれば特別に制限されるものではない。その様な熱可塑
性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
アミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン
含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等を挙げることができ
る。これらの熱可塑性樹脂の中でも、フィルムやシート
への成形性や経済性の観点から、ポリオレフィン、ポリ
エステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂
を使用することが好ましく、中でもポリオレフィン、ス
チレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂を使用するこ
とが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いて
も、複合して組成物として用いても、或いは、別の高分
子樹脂をブレンドして用いても良く、更には二種以上の
樹脂を多層化して用いても良い。
る。熱可塑性樹脂(A): 延伸フィルム素材の熱可塑性樹脂
(A)としては、フィルム成形が可能な熱可塑性樹脂で
あれば特別に制限されるものではない。その様な熱可塑
性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
アミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン
含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等を挙げることができ
る。これらの熱可塑性樹脂の中でも、フィルムやシート
への成形性や経済性の観点から、ポリオレフィン、ポリ
エステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂
を使用することが好ましく、中でもポリオレフィン、ス
チレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂を使用するこ
とが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いて
も、複合して組成物として用いても、或いは、別の高分
子樹脂をブレンドして用いても良く、更には二種以上の
樹脂を多層化して用いても良い。
【0008】ポリオレフィンとしては、α−オレフィン
の単独重合体、又は他のα−オレフィン及び/又はα−
オレフィンを主成分とし、他のエチレン性不飽和単量体
を共重合した共重合体である。ここで共重合体とはブロ
ック、ランダム、グラフト等或いはこれらの複合物でも
良い。該エチレン性不飽和単量体としては、例えば、メ
タクリル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸等の不飽
和カルボン酸又は無水物等を挙げることができる。有用
なポリオレフィンの具体例としては、低密度分岐ポリエ
チレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状ポリエチ
レン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタク
チックポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4
−メチル−1−ペンテン)等を挙げることができる。
の単独重合体、又は他のα−オレフィン及び/又はα−
オレフィンを主成分とし、他のエチレン性不飽和単量体
を共重合した共重合体である。ここで共重合体とはブロ
ック、ランダム、グラフト等或いはこれらの複合物でも
良い。該エチレン性不飽和単量体としては、例えば、メ
タクリル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸等の不飽
和カルボン酸又は無水物等を挙げることができる。有用
なポリオレフィンの具体例としては、低密度分岐ポリエ
チレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状ポリエチ
レン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタク
チックポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4
−メチル−1−ペンテン)等を挙げることができる。
【0009】ポリアミドとしては、芳香族又は/及び脂
肪族アミド基を有する繰り返しユニットを必須成分とし
て含む縮合生成物である。有用なポリアミドとしては、
ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、
ナイロン−12、非晶性ナイロン等を挙げることができ
る。中でも、好ましいポリアミドは、ナイロン−6、ナ
イロン−6,6、非晶性ナイロンである。
肪族アミド基を有する繰り返しユニットを必須成分とし
て含む縮合生成物である。有用なポリアミドとしては、
ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、
ナイロン−12、非晶性ナイロン等を挙げることができ
る。中でも、好ましいポリアミドは、ナイロン−6、ナ
イロン−6,6、非晶性ナイロンである。
【0010】ポリエステルとしては、例えば、その一つ
として、通常の方法に従って、ジカルボン酸又はその低
級アルキルエステル、酸ハライド若しくは酸無水物誘導
体とグリコール又は二価フェノールとを縮合させて製造
した熱可塑性ポリエステルを挙げることができる。これ
らポリエステルの中でも飽和ポリエステル、特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートを使用することが好適であ
る。
として、通常の方法に従って、ジカルボン酸又はその低
級アルキルエステル、酸ハライド若しくは酸無水物誘導
体とグリコール又は二価フェノールとを縮合させて製造
した熱可塑性ポリエステルを挙げることができる。これ
らポリエステルの中でも飽和ポリエステル、特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートを使用することが好適であ
る。
【0011】スチレン系樹脂としては、ビニル芳香族化
合物の重合体であり、該ビニル芳香族化合物の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を挙げるこ
とができ、スチレン系樹脂は、これらビニル芳香族化合
物の単独重合体及び共重合体である。これらの中でもポ
リスチレンが好ましく、更に、ゴムグラフトポリスチレ
ン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合体を用いることが好適である。
合物の重合体であり、該ビニル芳香族化合物の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を挙げるこ
とができ、スチレン系樹脂は、これらビニル芳香族化合
物の単独重合体及び共重合体である。これらの中でもポ
リスチレンが好ましく、更に、ゴムグラフトポリスチレ
ン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合体を用いることが好適である。
【0012】ハロゲン含有熱可塑性樹脂としては、テト
ラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビ
ニルフルオライド等の単独重合体及び共重合体を挙げる
ことができる。この他にも、ビニリデンクロライドから
導かれた単独重合体及び共重合体を挙げることができ
る。これらの中でも好ましいハロゲン含有熱可塑性樹脂
は、ポリ弗化ビニリデンのホモ重合体及びこれとテトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロ
トリフルオロエチレンとの共重合体並びポリビニリデン
クロライドを挙げることができる。 ニトリル樹脂とし
ては、α、β−オレフィン系不飽和モノニトリルを50
重量%以上含むものである。これらの不飽和モノニトリ
ルの中でも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル
及びそれらの混合物を使用することが好ましい。
ラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビ
ニルフルオライド等の単独重合体及び共重合体を挙げる
ことができる。この他にも、ビニリデンクロライドから
導かれた単独重合体及び共重合体を挙げることができ
る。これらの中でも好ましいハロゲン含有熱可塑性樹脂
は、ポリ弗化ビニリデンのホモ重合体及びこれとテトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロ
トリフルオロエチレンとの共重合体並びポリビニリデン
クロライドを挙げることができる。 ニトリル樹脂とし
ては、α、β−オレフィン系不飽和モノニトリルを50
重量%以上含むものである。これらの不飽和モノニトリ
ルの中でも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル
及びそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0013】ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネ
ート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族・芳香族ポリカ
ーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、
2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス
(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシ
フェニル)スルフォン、スルフィド又はフェノキサイド
系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネート
を用いることが好適である。
ート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族・芳香族ポリカ
ーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、
2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス
(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシ
フェニル)スルフォン、スルフィド又はフェノキサイド
系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネート
を用いることが好適である。
【0014】これら熱可塑性樹脂の中でもクレーズの形
成の容易さから、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−
45℃以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは
−15℃以上の樹脂を使用することが望ましい。組成物
として使用するときや多層化して使用するときは、主な
構成成分である熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記範
囲内にあることが好ましい。これより低いガラス転移温
度を示す熱可塑性樹脂の場合は、柔軟過ぎるためにクレ
ーズの効率的な形成が難しい。特に、耐薬品性に優れ、
安価なポリオレフィンが好ましい。
成の容易さから、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−
45℃以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは
−15℃以上の樹脂を使用することが望ましい。組成物
として使用するときや多層化して使用するときは、主な
構成成分である熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記範
囲内にあることが好ましい。これより低いガラス転移温
度を示す熱可塑性樹脂の場合は、柔軟過ぎるためにクレ
ーズの効率的な形成が難しい。特に、耐薬品性に優れ、
安価なポリオレフィンが好ましい。
【0015】無機微細粉末(B):無機微細粉末として
は、その平均粒径が0.01〜10μm、好ましくは
0.1〜5μmの炭酸カルシウム、焼成クレイ、酸化チ
タン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、マイカ等が利用
でき、これらは単独で、または2種以上混合して用いら
れる。任意成分: フィルムには、必要により帯電防止剤、抗酸
化剤、滑剤、UV剤、分散剤等を配合してもよい。
は、その平均粒径が0.01〜10μm、好ましくは
0.1〜5μmの炭酸カルシウム、焼成クレイ、酸化チ
タン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、マイカ等が利用
でき、これらは単独で、または2種以上混合して用いら
れる。任意成分: フィルムには、必要により帯電防止剤、抗酸
化剤、滑剤、UV剤、分散剤等を配合してもよい。
【0016】フィルム延伸物:熱可塑性樹脂、無機微細
粉末、必要により他の任意成分を含む樹脂組成物を押出
機を用いて溶融し、これをフィルム成形して得た無延伸
フィルムを、テンター、ロール群、あるいはカレンダー
ロールを用いて1.5〜15倍、好ましくは2〜10
倍、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より少なくとも10
℃高く、かつ、融点以下の温度で延伸して延伸方向に配
向した延伸フィルムを得る。熱可塑性樹脂がポリプロピ
レンの場合には延伸温度は120〜162℃の範囲であ
る。この延伸フィルムの厚さは20〜500μm、好ま
しくは60〜150μmである。
粉末、必要により他の任意成分を含む樹脂組成物を押出
機を用いて溶融し、これをフィルム成形して得た無延伸
フィルムを、テンター、ロール群、あるいはカレンダー
ロールを用いて1.5〜15倍、好ましくは2〜10
倍、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より少なくとも10
℃高く、かつ、融点以下の温度で延伸して延伸方向に配
向した延伸フィルムを得る。熱可塑性樹脂がポリプロピ
レンの場合には延伸温度は120〜162℃の範囲であ
る。この延伸フィルムの厚さは20〜500μm、好ま
しくは60〜150μmである。
【0017】クレーズフィルムの製造:本発明の合成紙
を製造するには、上記延伸フィルムを引っ張って緊張状
態に保持し、この延伸フィルムの表面に先端部が鋭角な
支持体を該延伸フィルムの分子配向方向と略平行に当接
して、該フィルムを局部的に折り曲げ、その折り曲げ角
度が、50度以上140度以下、好ましくは90〜12
0度の変形域とし、該フィルム中にクレーズの帯を形成
した後、延伸フィルムを順次相対的に徐々に移動させる
ことにより、移動方向と略直角の方向に連続的な縞状の
クレーズ領域を形成させるものである。
を製造するには、上記延伸フィルムを引っ張って緊張状
態に保持し、この延伸フィルムの表面に先端部が鋭角な
支持体を該延伸フィルムの分子配向方向と略平行に当接
して、該フィルムを局部的に折り曲げ、その折り曲げ角
度が、50度以上140度以下、好ましくは90〜12
0度の変形域とし、該フィルム中にクレーズの帯を形成
した後、延伸フィルムを順次相対的に徐々に移動させる
ことにより、移動方向と略直角の方向に連続的な縞状の
クレーズ領域を形成させるものである。
【0018】即ち、延伸フィルムを緊張状態に保持する
よう1kg/cm2 以上の張力で引っ張って、その表面
に先端部が鋭角な支持体を該延伸フィルムの分子配向方
向と略平行に当接して、該フィルムを折り曲げ角度50
〜140度、好ましくは70〜120度にて局部的に折
り曲げる。そして、該フィルム中にクレーズの帯を形成
した後、該フィルムを上記クレーズの縞の間隔で順次相
対的に徐々に移動させることにより、縞状のクレーズ領
域を形成させることができる。このときに、上記折り曲
げ角度が大きいほど、又、引っ張り張力の大きいほど、
金クレーズに対するフィルムの厚み方向に貫通している
クレーズの割合が多くなり、通気性の良好なフィルムが
得られ易い。
よう1kg/cm2 以上の張力で引っ張って、その表面
に先端部が鋭角な支持体を該延伸フィルムの分子配向方
向と略平行に当接して、該フィルムを折り曲げ角度50
〜140度、好ましくは70〜120度にて局部的に折
り曲げる。そして、該フィルム中にクレーズの帯を形成
した後、該フィルムを上記クレーズの縞の間隔で順次相
対的に徐々に移動させることにより、縞状のクレーズ領
域を形成させることができる。このときに、上記折り曲
げ角度が大きいほど、又、引っ張り張力の大きいほど、
金クレーズに対するフィルムの厚み方向に貫通している
クレーズの割合が多くなり、通気性の良好なフィルムが
得られ易い。
【0019】上記クレーズを形成させるための具体的な
製造方法としては、例えば、図1に示す様に、巻出ロー
ルより繰り出された延伸フィルム1をニップロール2,
2で挟持し、これを支持体3の先端部4が鋭角な部分に
当接させ、他方のニップロール5,5とで緊張状態に保
持させ、この際、延伸フィルムの分子配向方向と支持体
の鋭角の先端部4の刃の長さ方向が略平行となるように
当接させ、該フィルム1を矢印αの方向に引っ張って局
部的に折り曲げ、その折り曲げ角度θが50〜140
度、好ましくは70〜120度、特に好ましくは80〜
110度となる様な屈曲変形域を形成して、該フィルム
中にクレーズを形成した後、該フィルム1を矢印αの方
向に相対的に徐々に移動させることにより巻き取って、
移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズ領域
を形成させることができる。この操作は、効率の面から
一般的には室温で行なうが、場合によっては低温で行な
っても良い。基本的には制限はないが、この操作は、効
率の面から一般的には室温で行なう。
製造方法としては、例えば、図1に示す様に、巻出ロー
ルより繰り出された延伸フィルム1をニップロール2,
2で挟持し、これを支持体3の先端部4が鋭角な部分に
当接させ、他方のニップロール5,5とで緊張状態に保
持させ、この際、延伸フィルムの分子配向方向と支持体
の鋭角の先端部4の刃の長さ方向が略平行となるように
当接させ、該フィルム1を矢印αの方向に引っ張って局
部的に折り曲げ、その折り曲げ角度θが50〜140
度、好ましくは70〜120度、特に好ましくは80〜
110度となる様な屈曲変形域を形成して、該フィルム
中にクレーズを形成した後、該フィルム1を矢印αの方
向に相対的に徐々に移動させることにより巻き取って、
移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズ領域
を形成させることができる。この操作は、効率の面から
一般的には室温で行なうが、場合によっては低温で行な
っても良い。基本的には制限はないが、この操作は、効
率の面から一般的には室温で行なう。
【0020】このクレーズ処理された延伸フィルムは、
上記縞状のクレーズを有していることから、通気性、透
湿性の機能を有している。その機構は、縞状に形成され
たクレーズが延伸フィルムの厚み方向を貫通することに
より、酸素や窒素或いは水蒸気等の気体がこのクレーズ
帯域を拡散することにより通過して通気性が発現する。
更に、クレーズ中に存在するボイドの存在と延伸により
無機微細粉末を核として形成された微細なボイドの存在
により軽量化されると共に、表面には微細な亀裂も発生
し、印刷インクの転移性、密着性が良好となる。
上記縞状のクレーズを有していることから、通気性、透
湿性の機能を有している。その機構は、縞状に形成され
たクレーズが延伸フィルムの厚み方向を貫通することに
より、酸素や窒素或いは水蒸気等の気体がこのクレーズ
帯域を拡散することにより通過して通気性が発現する。
更に、クレーズ中に存在するボイドの存在と延伸により
無機微細粉末を核として形成された微細なボイドの存在
により軽量化されると共に、表面には微細な亀裂も発生
し、印刷インクの転移性、密着性が良好となる。
【0021】クレーズ処理された延伸フィルムの通気性
の程度は、延伸温度、延伸倍率、無機微細粉末の含有
量、樹脂フィルム中に形成されたクレーズの幅、クレー
ズ間の隔たり、クレーズの貫通した数の割合を変えるこ
とで調節することができる。具体的には、延伸フィルム
の分子配向の度合いやクレーズを形成させる時の温度、
樹脂フィルムの緊張度(緊張状態における張力)、フィ
ルムの折り曲げ角度等を調節することで、容易に通気性
をコントロールすることができ、使用目的に応じた通気
性フィルムを提供することができる。例えば、クレーズ
を形成させる時の緊張度を増大させたり、折り曲げ角度
を小さくすると、生成するクレーズの間隔は小さくな
り、クレーズの貫通された数の割合が増大し、その結
果、通気性は増大する。このクレーズ処理は、後述する
延伸物の酸化処理後に行ってもよい。
の程度は、延伸温度、延伸倍率、無機微細粉末の含有
量、樹脂フィルム中に形成されたクレーズの幅、クレー
ズ間の隔たり、クレーズの貫通した数の割合を変えるこ
とで調節することができる。具体的には、延伸フィルム
の分子配向の度合いやクレーズを形成させる時の温度、
樹脂フィルムの緊張度(緊張状態における張力)、フィ
ルムの折り曲げ角度等を調節することで、容易に通気性
をコントロールすることができ、使用目的に応じた通気
性フィルムを提供することができる。例えば、クレーズ
を形成させる時の緊張度を増大させたり、折り曲げ角度
を小さくすると、生成するクレーズの間隔は小さくな
り、クレーズの貫通された数の割合が増大し、その結
果、通気性は増大する。このクレーズ処理は、後述する
延伸物の酸化処理後に行ってもよい。
【0022】酸化処理:クレーズ処理された延伸フィル
ムは、更に、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処
理、オゾン処理、グロー放電処理等の酸化処理すること
により印刷インクの密着性、乾燥性を向上させることが
でき、かつ、油性インクであっても乾燥時間を短かくす
ることができる。コロナ放電処理は、印加エネルギー密
度が60〜30,000J/m2 、好ましくは600〜
20,000J/m2 行われる。又、火炎処理では4,
000〜300,000J/m2 、好ましくは6,00
0〜150,000J/m2 の印加エネルギー密度で行
われる。
ムは、更に、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処
理、オゾン処理、グロー放電処理等の酸化処理すること
により印刷インクの密着性、乾燥性を向上させることが
でき、かつ、油性インクであっても乾燥時間を短かくす
ることができる。コロナ放電処理は、印加エネルギー密
度が60〜30,000J/m2 、好ましくは600〜
20,000J/m2 行われる。又、火炎処理では4,
000〜300,000J/m2 、好ましくは6,00
0〜150,000J/m2 の印加エネルギー密度で行
われる。
【0023】この酸化処理されたフィルムについて、ポ
リプロピレンを基材としたものの表面近傍の酸素原子/
炭素原子(O/C)原子数比は、X線光電子分光法(X
PS)により求めることができ、X線光電子分光装置E
SCA−3200型((株)島津製作所製)を用いて、
1×10-6Torr以下の真空度下、MgのKd線(1
254.0eV)をX線源とし、光電子放出角90°で
測定したO/Cは3/100〜25/100である。こ
のとき炭素原子ピークとしてC1sピーク(285e
V)を酸素原子ピークとしてO1sピーク(533e
V)を用いる。クレーズ処理、酸化処理された本発明の
フィルムの肉厚は1〜400μm、好ましくは5〜20
0μmである。
リプロピレンを基材としたものの表面近傍の酸素原子/
炭素原子(O/C)原子数比は、X線光電子分光法(X
PS)により求めることができ、X線光電子分光装置E
SCA−3200型((株)島津製作所製)を用いて、
1×10-6Torr以下の真空度下、MgのKd線(1
254.0eV)をX線源とし、光電子放出角90°で
測定したO/Cは3/100〜25/100である。こ
のとき炭素原子ピークとしてC1sピーク(285e
V)を酸素原子ピークとしてO1sピーク(533e
V)を用いる。クレーズ処理、酸化処理された本発明の
フィルムの肉厚は1〜400μm、好ましくは5〜20
0μmである。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。 (フィルムの評価) 〈印刷インクの展色〉JIS K5701−1980に
示された展色装置を使用し、標準展色用紙に代えて下記
各実施例及び比較例にて製造したフィルムを使用し、展
色インクとして、汎用の油性インクT&K TOKAベ
スタックNP−1(藍)を用い、各フィルム上へのイン
クの転移量を約1.5g/m2 としたほかはJIS K
5701−1980の操作に準拠した方法により展色を
行った。
明する。 (フィルムの評価) 〈印刷インクの展色〉JIS K5701−1980に
示された展色装置を使用し、標準展色用紙に代えて下記
各実施例及び比較例にて製造したフィルムを使用し、展
色インクとして、汎用の油性インクT&K TOKAベ
スタックNP−1(藍)を用い、各フィルム上へのイン
クの転移量を約1.5g/m2 としたほかはJIS K
5701−1980の操作に準拠した方法により展色を
行った。
【0025】〈インク乾燥性の評価〉JIS K570
1−1980に記載のインクの乾燥性評価方法に従っ
て、C型乾燥試験機を使用し、インクの乾燥時間を測定
した。測定にあたっては、展色用硫酸紙に代えて上記の
操作により印刷インクを展色されたフィルムを使用し、
当て紙用硫酸紙に代えて、王子油化合成紙(株)製の合
成紙(ユポFPG−130、厚さ130μm)を使用し
た。展色されたインクが当て紙にほとんど付着しなくな
る迄に要する時間をもってインク乾燥性のめやすとし
た。
1−1980に記載のインクの乾燥性評価方法に従っ
て、C型乾燥試験機を使用し、インクの乾燥時間を測定
した。測定にあたっては、展色用硫酸紙に代えて上記の
操作により印刷インクを展色されたフィルムを使用し、
当て紙用硫酸紙に代えて、王子油化合成紙(株)製の合
成紙(ユポFPG−130、厚さ130μm)を使用し
た。展色されたインクが当て紙にほとんど付着しなくな
る迄に要する時間をもってインク乾燥性のめやすとし
た。
【0026】〈インク接着性の評価〉上記の印刷インク
の展色を行った後、室温23℃、湿度50%にて5日間
インクの乾燥と状態調節を行った後、ニチバン(株)製
粘着テープ「セロテープ」(商品名)をインク展色面状
に強く接着させ、次いで印刷面に沿って素早く粘着テー
プを剥離し、紙面上のインクの残留程度を目視判定し
た。 インク残留率:100〜95% 良好 (○) 95〜80% やや不良 (△) 80〜 0% 不良 (×)
の展色を行った後、室温23℃、湿度50%にて5日間
インクの乾燥と状態調節を行った後、ニチバン(株)製
粘着テープ「セロテープ」(商品名)をインク展色面状
に強く接着させ、次いで印刷面に沿って素早く粘着テー
プを剥離し、紙面上のインクの残留程度を目視判定し
た。 インク残留率:100〜95% 良好 (○) 95〜80% やや不良 (△) 80〜 0% 不良 (×)
【0027】〈不透明性の評価〉目より約20cmの正
面にフィルムを置いてフィルムを通して周囲の景色を見
て目視にて判定した。 非常に見にくいか又は全く見えないもの 良好 (○) 見にくいもの やや不良 (△) 見えるもの 不良 (×)
面にフィルムを置いてフィルムを通して周囲の景色を見
て目視にて判定した。 非常に見にくいか又は全く見えないもの 良好 (○) 見にくいもの やや不良 (△) 見えるもの 不良 (×)
【0028】〈(O/C)原子数比〉プロピレン重合体
フィルムの表面近傍の酸素原子/炭素原子(O/C)原
子数比は、X線光電子分光法(XPS)により求めた。
O/C原子数比を、試料それぞれについて測定した。X
線光電子分光装置ESCA−3200型((株)島津製
作所製)を用いて、1×10-6Torr以下の真空度
下、MgのKα線(1254.0eV)をX線源として
測定した。光電子の放出角は90°とした。炭素原子ピ
ークのうちC1sピーク(285eV)を用い、酸素原
子ピークのうちO1sピーク(533eV)を用いて、
原子数比を求めた。このときの光イオン化断面積は、C
1sは1.00、O1sは2.64とした。
フィルムの表面近傍の酸素原子/炭素原子(O/C)原
子数比は、X線光電子分光法(XPS)により求めた。
O/C原子数比を、試料それぞれについて測定した。X
線光電子分光装置ESCA−3200型((株)島津製
作所製)を用いて、1×10-6Torr以下の真空度
下、MgのKα線(1254.0eV)をX線源として
測定した。光電子の放出角は90°とした。炭素原子ピ
ークのうちC1sピーク(285eV)を用い、酸素原
子ピークのうちO1sピーク(533eV)を用いて、
原子数比を求めた。このときの光イオン化断面積は、C
1sは1.00、O1sは2.64とした。
【0029】〈鉛筆筆記性〉東洋精機(株)社製鉛筆硬
度計(スクラッチテスター)を用いて、得られたフィル
ムに垂直になる様にセットされた硬度HBの鉛筆に、2
00gの荷重をかけて、200秒/mの速度で線分を描
く。この線分を目視観察して次のように判定する。 ○:はっきりと読みとれる。 △:筆記されているがうすくて少し読みにくい。 ×:殆んど筆記されていない。
度計(スクラッチテスター)を用いて、得られたフィル
ムに垂直になる様にセットされた硬度HBの鉛筆に、2
00gの荷重をかけて、200秒/mの速度で線分を描
く。この線分を目視観察して次のように判定する。 ○:はっきりと読みとれる。 △:筆記されているがうすくて少し読みにくい。 ×:殆んど筆記されていない。
【0030】〈クレーズの有無の観察〉各実施例および
比較例に示したフィルムの一部を取り出し、表面ないし
は断面に金蒸着を行ない、走査型電子顕微鏡(日立製作
所製S−2400)を用いてクレーズの有無を確認し
た。 (使用材料)以下の各実施例及び比較例に使用するポリ
プロピレンのメルトフローレート(MFR)はJIS
K6758、およびISO R1133に示された操作
に準じて、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測
定されたものである。同様に、使用した無機微細粉末の
平均粒径は、粒子径計測装置{例えば、レーザー回折式
粒子径計測装置「マイクロトラック」〔株式会社日機装
製(商品名)〕で測定した重量累積で50%にあたる粒
径}により測定したものである。
比較例に示したフィルムの一部を取り出し、表面ないし
は断面に金蒸着を行ない、走査型電子顕微鏡(日立製作
所製S−2400)を用いてクレーズの有無を確認し
た。 (使用材料)以下の各実施例及び比較例に使用するポリ
プロピレンのメルトフローレート(MFR)はJIS
K6758、およびISO R1133に示された操作
に準じて、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測
定されたものである。同様に、使用した無機微細粉末の
平均粒径は、粒子径計測装置{例えば、レーザー回折式
粒子径計測装置「マイクロトラック」〔株式会社日機装
製(商品名)〕で測定した重量累積で50%にあたる粒
径}により測定したものである。
【0031】(クレーズ処理用一軸延伸フィルムの作
製): 〔実験例1〕メルトフローレート(MFR)が3.5g
/10分のポリプロピレン100重量部に平均粒径1.
2μmの炭酸カルシウム90重量部、オレイン酸0.3
重量部、安定剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシトルエン(0.15重量部)と0.1重量部の
イルガノックス1076(チバガイギー社製商品名)を
添加し混合した後、230℃にてストランド状に押し出
し、ペレット化した。得られたペレットを、35mm径
の押出機に接続されたTダイから成形温度220℃にて
押し出して、フィルムを作製した。このフィルムを、テ
ンター式延伸機によって150℃で横方向に7倍に延伸
して厚さ110μmの一軸延伸フィルムを得た。このフ
ィルムの略号をF1とする。
製): 〔実験例1〕メルトフローレート(MFR)が3.5g
/10分のポリプロピレン100重量部に平均粒径1.
2μmの炭酸カルシウム90重量部、オレイン酸0.3
重量部、安定剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシトルエン(0.15重量部)と0.1重量部の
イルガノックス1076(チバガイギー社製商品名)を
添加し混合した後、230℃にてストランド状に押し出
し、ペレット化した。得られたペレットを、35mm径
の押出機に接続されたTダイから成形温度220℃にて
押し出して、フィルムを作製した。このフィルムを、テ
ンター式延伸機によって150℃で横方向に7倍に延伸
して厚さ110μmの一軸延伸フィルムを得た。このフ
ィルムの略号をF1とする。
【0032】〔実験例2〕メルトフローレート(MF
R)が1g/10分のポリプロピレン(融点164℃)
100重量部、平均粒径1.8μの炭酸カルシウム40
重量部、オレイン酸0.3重量%、及び安定剤として
2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、イ
ルガノックス1076(チバガイギー社商品名)をこれ
らの合計重量100重量部に対して各0.1重量部配合
した組成物を230℃に設定した押出機にて溶融混練
し、ストランド状に押し出してペレットとした。得られ
たペレットを、35mm径の押出機に接続されたTダイ
から成形温度220℃にて押し出してフィルムを作製し
た。このフィルムを、テンター式延伸機によって150
℃で横方向に8倍に延伸して厚さ95μmの一軸延伸フ
ィルムを得た。このフィルムの略号をF2とする。
R)が1g/10分のポリプロピレン(融点164℃)
100重量部、平均粒径1.8μの炭酸カルシウム40
重量部、オレイン酸0.3重量%、及び安定剤として
2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、イ
ルガノックス1076(チバガイギー社商品名)をこれ
らの合計重量100重量部に対して各0.1重量部配合
した組成物を230℃に設定した押出機にて溶融混練
し、ストランド状に押し出してペレットとした。得られ
たペレットを、35mm径の押出機に接続されたTダイ
から成形温度220℃にて押し出してフィルムを作製し
た。このフィルムを、テンター式延伸機によって150
℃で横方向に8倍に延伸して厚さ95μmの一軸延伸フ
ィルムを得た。このフィルムの略号をF2とする。
【0033】〔実験例3〕メルトフローレート(MF
R)が3.5g/10分のポリプロピレン(融点164
℃)100重量部、平均粒径1.8μのタルク10重量
部、オレイン酸0.2重量部及び安定剤として2,6−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、イルガノッ
クス1076(チバガイギー社商品名)をこれらの合計
重量100重量部に対して各0.1重量部配合した組成
物を230℃に設定した押出機にて溶融混練し、ストラ
ンド状に押し出してペレットとした。得られたペレット
を、35mm径の押出機に接続されたTダイから成形温
度220℃にて押し出してフィルムを作製した。このフ
ィルムを、テンター式延伸機を用いて145℃で横方向
に8倍に延伸して厚さ102μmの一軸延伸フィルムを
得た。このフィルムの略号をF3とする。
R)が3.5g/10分のポリプロピレン(融点164
℃)100重量部、平均粒径1.8μのタルク10重量
部、オレイン酸0.2重量部及び安定剤として2,6−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、イルガノッ
クス1076(チバガイギー社商品名)をこれらの合計
重量100重量部に対して各0.1重量部配合した組成
物を230℃に設定した押出機にて溶融混練し、ストラ
ンド状に押し出してペレットとした。得られたペレット
を、35mm径の押出機に接続されたTダイから成形温
度220℃にて押し出してフィルムを作製した。このフ
ィルムを、テンター式延伸機を用いて145℃で横方向
に8倍に延伸して厚さ102μmの一軸延伸フィルムを
得た。このフィルムの略号をF3とする。
【0034】〔実験例4〕メルトフローレート(MF
R)が3.5g/10分のポリプロピレン(融解ピーク
温度158℃)100重量部、及び安定剤として2,6
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、イルガノ
ックス1076(チバガイギー社商品名)をこれらの合
計重量100重量部に対して各0.1重量部配合した組
成物を230℃に設定した押出機にて溶融混練し、スト
ランド状に押し出してペレットとした。 得られたペレ
ットを、35mm径の押出機に接続されたTダイから成
形温度220℃にて押し出してフィルムを作製した。こ
のフィルムを、テンター式延伸機によって横方向に8倍
に延伸して厚さ58μmの一軸延伸フィルムを得た。こ
のフィルムの略号をF4とする。
R)が3.5g/10分のポリプロピレン(融解ピーク
温度158℃)100重量部、及び安定剤として2,6
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、イルガノ
ックス1076(チバガイギー社商品名)をこれらの合
計重量100重量部に対して各0.1重量部配合した組
成物を230℃に設定した押出機にて溶融混練し、スト
ランド状に押し出してペレットとした。 得られたペレ
ットを、35mm径の押出機に接続されたTダイから成
形温度220℃にて押し出してフィルムを作製した。こ
のフィルムを、テンター式延伸機によって横方向に8倍
に延伸して厚さ58μmの一軸延伸フィルムを得た。こ
のフィルムの略号をF4とする。
【0035】〔実施例1〕 (クレーズ形成操作)図1に示した装置を用い、クレー
ズ処理時の折り曲げ角度(θ)を100度、クレーズ形
成時に使用した刃の先端部の角度は45度、巻き出し側
の速度は1.63m/分、巻き取り側の速度は2.09
m/分、ニップロール間の距離は30cmとして、上記
実験例1にて作製したフィルムF1にクレーズを形成さ
せた。
ズ処理時の折り曲げ角度(θ)を100度、クレーズ形
成時に使用した刃の先端部の角度は45度、巻き出し側
の速度は1.63m/分、巻き取り側の速度は2.09
m/分、ニップロール間の距離は30cmとして、上記
実験例1にて作製したフィルムF1にクレーズを形成さ
せた。
【0036】(コロナ放電処理)上記のクレーズを形成
させたフィルムF1に春日電機(株)製コロナ放電処理
装置HFS400Fを用い、長さ0.8mのアルミニウ
ム製電極、トリーターロールにはシリコーン被覆ロール
を用い、電極とロールとのギャップを5mmとし、ライ
ン処理速度15m/分、印加エネルギー密度4,200
J/m2 にてコロナ放電処理を行った。 (評価)コロナ放電処理後、上記の評価方法に従い、表
面の(O/C)原子数比、クレーズの有無観察、鉛筆筆
記性、不透明性、印刷インクの展色と乾燥時間の測定、
インク密着性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
させたフィルムF1に春日電機(株)製コロナ放電処理
装置HFS400Fを用い、長さ0.8mのアルミニウ
ム製電極、トリーターロールにはシリコーン被覆ロール
を用い、電極とロールとのギャップを5mmとし、ライ
ン処理速度15m/分、印加エネルギー密度4,200
J/m2 にてコロナ放電処理を行った。 (評価)コロナ放電処理後、上記の評価方法に従い、表
面の(O/C)原子数比、クレーズの有無観察、鉛筆筆
記性、不透明性、印刷インクの展色と乾燥時間の測定、
インク密着性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0037】〔実施例2〕上記実施例1におけるコロナ
放電処理にかえて、下記の火炎処理を行った以外は実施
例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。 (火炎処理)上記のクレーズを形成させたフィルムF1
に、フリンバーナー社(FLINNBURNER社)製
フリンF3000ダイレクトフレームプラズマ処理機を
用いて、燃焼ガスをしてプロパンを使用し、ライン速度
40m/分、印加エネルギ密度37,700J/m2 に
て火炎処理を行った。
放電処理にかえて、下記の火炎処理を行った以外は実施
例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。 (火炎処理)上記のクレーズを形成させたフィルムF1
に、フリンバーナー社(FLINNBURNER社)製
フリンF3000ダイレクトフレームプラズマ処理機を
用いて、燃焼ガスをしてプロパンを使用し、ライン速度
40m/分、印加エネルギ密度37,700J/m2 に
て火炎処理を行った。
【0038】〔実施例3〜12、比較例1〜7〕表1、
表2、表3に示すフィルムを用い、かつ、同表に示す条
件下で処理して印刷用フィルムを製造し、評価した。結
果を表1、表2および表3に示す。
表2、表3に示すフィルムを用い、かつ、同表に示す条
件下で処理して印刷用フィルムを製造し、評価した。結
果を表1、表2および表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】鉛筆筆記性に優れ、インクの乾燥性、密
着性に優れた合成紙を提供することができた。
着性に優れた合成紙を提供することができた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーズを形成させるための具体的な製造方法
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【符号の説明】 1 延伸フィルム 2 ニップロール 3 支持体 4 支持体の先端部 5 ニップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 (72)発明者 落合 久雄 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 北村 和久 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 佐野 博成 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 内山 幸夫 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 池畑 富美代 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 成分A).熱可塑性樹脂100重量部に
対し、成分B).平均粒径が0.01〜10μmの無機
微細粉末8〜350重量部を配合した樹脂を基材とする
フィルムの延伸物を緊張状態に保ち、この延伸物の面に
先端部が鋭角な支持体を延伸方向と略平行に当接して、
該延伸物を局部的に折り曲げ、その折り曲げ角度を50
〜140度の変形域として、該フィルムを順次相対的に
移動させることにより、該移動方向と略直角の方向に連
続的な縞状のクレーズを形成させ、このクレーズを形成
した延伸物の表面を酸化処理することを特徴とする熱可
塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項2】 酸化処理が、印加エネルギー密度60〜
30,000J/m2 のコロナ放電処理であることを特
徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方
法。 - 【請求項3】 酸化処理が、印加エネルギー密度4,0
00〜300,000J/m2 の火炎処理であることを
特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法。 - 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであ
り、酸化処理された延伸物のX線光電子分光法で測定さ
れる炭素(C)に対する酸素(O)の原子数比(O/
C)が3/100〜25/100である請求項1記載の
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14647596A JPH09300477A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | インク乾燥性に優れた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14647596A JPH09300477A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | インク乾燥性に優れた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09300477A true JPH09300477A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=15408489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14647596A Pending JPH09300477A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | インク乾燥性に優れた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09300477A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031720A (ja) * | 2006-09-20 | 2007-02-08 | Dainippon Printing Co Ltd | パ−ル光沢を有する樹脂成形品 |
WO2015060271A1 (ja) * | 2013-10-21 | 2015-04-30 | 株式会社Tbm | フィラー含有プラスチックシートの製造方法 |
WO2015166960A1 (ja) * | 2014-05-01 | 2015-11-05 | 株式会社Tbm | 再生フィラー含有プラスチックシート及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP14647596A patent/JPH09300477A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031720A (ja) * | 2006-09-20 | 2007-02-08 | Dainippon Printing Co Ltd | パ−ル光沢を有する樹脂成形品 |
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EP3061590A4 (en) * | 2013-10-21 | 2016-09-07 | Tbm Co Ltd | METHOD FOR PRODUCING FILM-CONTAINING PLASTIC FOIL |
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