JPH10680A - インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体 - Google Patents

インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体

Info

Publication number
JPH10680A
JPH10680A JP17541296A JP17541296A JPH10680A JP H10680 A JPH10680 A JP H10680A JP 17541296 A JP17541296 A JP 17541296A JP 17541296 A JP17541296 A JP 17541296A JP H10680 A JPH10680 A JP H10680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thermoplastic resin
craze
resin film
stretched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17541296A
Other languages
English (en)
Inventor
Sanehiro Shibuya
修弘 渋谷
Hisao Ochiai
久雄 落合
Kazuhisa Kitamura
和久 北村
Hiroshige Sano
博成 佐野
Yukio Uchiyama
幸夫 内山
Fumiyo Ikehata
富美代 池畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Yupo Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Yupo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Yupo Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP17541296A priority Critical patent/JPH10680A/ja
Publication of JPH10680A publication Critical patent/JPH10680A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用の油性インクでも乾燥時間が短く、か
つ、インクの密着性が良好で通気性、透明性良好な熱可
塑性樹脂延伸フイルムを与える。 【解決手段】 熱可塑性樹脂延伸フィルムを緊張状態に
保ち、この延伸物の面に先端部が鋭角な支持体を延伸方
向と略平行に当接して、該延伸物を局部的に折り曲げ、
その折り曲げ角度を50〜140度の変形域として、該
フィルムを順次相対的に移動させることにより、該移動
方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズ形成さ
せ、このクレーズを形成した延伸物の表面を酸化処理す
ることを特徴とする通気性、透明性の良好な熱可塑性樹
脂フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性に優れ、か
つ、オフセット印刷、グラビア印刷可能な透明な熱可塑
性樹脂フィルムの延伸物の製造方法に関する。この通気
性で透明な熱可塑性樹脂フィルム延伸物は、きゅうり、
なす、ニラ、リンゴ、みかん、ほうれん草、トマト等の
青果物、鮮魚、玩具、衣類等の包装用袋として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】青果物の包装用フィルムとしては、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカー
ボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂の
フィルム、またはこれらの二軸延伸フィルムが用いら
れ、これら透明なフィルムまたは二軸延伸フイルムは袋
状に二次加工され、ついで袋内に青果物を収納し、袋口
を熱シールまたはステープルでシールして八百屋やスー
パーストアで販売されている(「New FoodIn
dustry」1975年17巻6号、8〜14頁)。
青果物は、呼吸とともに炭酸同化作用も行うので、その
青果物の種類によっては、0.5〜5mmφの孔を袋に
穿つ必要のあるものもある。例えば、きゅうり、ピーマ
ン、トマトがそうである(「PACKS」1983年2
月号、112−118頁;(株)日報刊)。又、ニラ、
ネギのようなものは、炭酸同化作用により発生した水蒸
気が水滴となって袋に付着し、ズルケの原因となること
が指摘されている(特公平2−28308号公報)。
【0003】穿孔しないでも通気性を有するフイルムと
しては、無機微細粉末を含有するポリエチレンやポリプ
ロピレンフイルムを延伸して得た連続気孔を有する通気
性フイルムが知られており、これらは、生理用ナプキン
や使い捨ておむつの液防漏材として実用化されている。
しかし、フイルム自体が不透明度(JIS P−813
8)40〜80%と半透明ないし不透明であり、このよ
うな半透明ないし不透明フイルムを青果物の包装用袋の
素材として用いては、購入者が袋の中身を外部から目視
できぬため、購入を敬遠する。通気性のある透明な延伸
樹脂フイルムとして、先に我々は特開平7−25667
6号公報で「緊張状態に保持された高分子樹脂フイルム
面に、該高分子樹脂フイルムの分子配向方向と略平行方
向に先端部が鋭角な支持体を当接して、該フイルムを局
部的に折り曲げ、その折り曲げ変形域を、該高分子樹脂
フイルムに対して相対的に移動させることにより、移動
方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズ領域を形
成させることを特徴とする通気性フイルムの製造方
法。」を提案した。
【0004】しかしながら、この通気性のある透明な一
軸延伸フイルムは、その表面に汎用の油性インク(オフ
セットインク、グラビアインク)を用いて印刷を施す
と、インクの乾燥に長時間を必要とするので、汎用の油
性インクを使用することができず、UVオフセット印刷
インク、酸化重合型のオフセットインクを用いる必要が
あった。それ故、パルプ紙等の印刷を主業務としている
印刷屋もしくは樹脂フイルムのグラビア印刷屋において
はかかる通気性、透明性の延伸フイルム印刷を嫌う傾向
があり、印刷を特定の印刷メーカーに依頼する必要があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、UVオフセ
ットインクでの印刷は勿論のこと、汎用の油性インクを
用いても印刷インクの乾燥時間が短く、かつ、通気性の
優れた透明な熱可塑性樹脂フイルムの提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
フィルムの延伸物を緊張状態に保ち、この延伸物の面に
先端部が鋭角な支持体を延伸方向と略平行に当接して、
該延伸物を局部的に折り曲げ、その折り曲げ角度を50
〜140度の変形域として、該フィルムを順次相対的に
移動させることにより、該移動方向と略直角の方向に連
続的な縞状のクレーズを形成させ、このクレーズを形成
した延伸物の表面を酸化処理することを特徴とする透明
な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供するものであ
る。
【0007】
【作用】延伸樹脂フィルムをクレーズ処理および酸化処
理することにより、延伸フイルムに微細な間隙(クレー
ズ)を形成すると共に、表面の荒れが促進され、印刷イ
ンクの密着性、印刷インクの乾燥性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。熱可塑性樹脂: 延伸フィルム素材の熱可塑性樹脂として
は、フィルム成形が可能な熱可塑性樹脂であれば特別に
制限されるものではない。その様な熱可塑性樹脂として
は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、スチ
レン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性
樹脂、ニトリル樹脂等を挙げることができる。これらの
熱可塑性樹脂の中でも、フィルムやシートへの成形性や
経済性の観点から、ポリオレフィン、ポリエステル、ス
チレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂を使用するこ
とが好ましく、中でもポリオレフィン、スチレン系樹
脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂を使用することが好まし
い。これらの熱可塑性樹脂は、樹脂フイルムの透明性を
損なわない範囲で、単独で用いても、複合した組成物と
して用いても、或いは、別の高分子樹脂をブレンドして
用いても良く、更には二種以上の樹脂を多層化して用い
ても良い。
【0009】ポリオレフィンとしては、α−オレフィン
の単独重合体、又は他のα−オレフィン及び/又はα−
オレフィンを主成分とし、他のエチレン性不飽和単量体
を共重合した共重合体が挙げられる。ここで共重合体と
はブロック、ランダム、グラフト等あるいはこれらの複
合物でも良い。該エチレン性不飽和単量体としては、例
えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸
等の不飽和カルボン酸又は無水物等を挙げることができ
る。有用なポリオレフィンの具体例としては、低密度分
岐ポリエチレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状
ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シン
ジオタクチックポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体等を挙げることができる。
【0010】ポリアミドとしては、芳香族又は/及び脂
肪族アミド基を有する繰り返しユニットを必須成分とし
て含む縮合生成物である。有用なポリアミドとしては、
ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、
ナイロン−12、非晶性ナイロン等を挙げることができ
る。中でも、好ましいポリアミドは、ナイロン−6、ナ
イロン−6,6、非晶性ナイロンである。ポリエステル
としては、例えば、その一つとして、通常の方法に従っ
て、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステル、酸ハ
ライド若しくは酸無水物誘導体とグリコール又は二価フ
ェノールとを縮合させて製造した熱可塑性ポリエステル
を挙げることができる。これらポリエステルの中でも飽
和ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
を使用することが好適である。
【0011】スチレン系樹脂としては、ビニル芳香族化
合物の重合体であり、該ビニル芳香族化合物の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を挙げるこ
とができ、スチレン系樹脂は、これらビニル芳香族化合
物の単独重合体及び共重合体である。これらの中でもポ
リスチレンが好ましく、更に、アクリロニトリル・スチ
レン共重合体を用いることが好適である。
【0012】ハロゲン含有熱可塑性樹脂としては、テト
ラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビ
ニルフルオライド等の単独重合体及び共重合体を挙げる
ことができる。この他にも、ビニリデンクロライドから
導かれた単独重合体及び共重合体を挙げることができ
る。これらの中でも好ましいハロゲン含有熱可塑性樹脂
は、ポリ弗化ビニリデンのホモ重合体及びこれとテトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロ
トリフルオロエチレンとの共重合体並びポリビニリデン
クロライドを挙げることができる。 ニトリル樹脂とし
ては、α、β−オレフィン系不飽和モノニトリルを50
重量%以上含むものである。これらの不飽和モノニトリ
ルの中でも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル
及びそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0013】ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネ
ート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族・芳香族ポリカ
ーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、
2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス
(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシ
フェニル)スルフォン、スルフィド又はフェノキサイド
系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネート
を用いることが好適である。これら熱可塑性樹脂の中で
もクレーズの形成の容易さから、該熱可塑性樹脂のガラ
ス転移温度が−45℃以上、好ましくは−30℃以上、
特に好ましくは−15℃以上の樹脂を使用することが望
ましい。組成物として使用するときや多層化して使用す
るときは、主な構成成分である熱可塑性樹脂のガラス転
移温度が上記範囲内にあることが好ましい。これより低
いガラス転移温度を示す熱可塑性樹脂の場合は、柔軟過
ぎるためにクレーズの効率的な形成が難しい。特に、耐
薬品性に優れ、安価なポリオレフィンが好ましい。
【0014】任意成分:フィルムには、必要により帯電
防止剤、抗酸化剤、滑剤、UV剤、核剤等を樹脂100
重量部に対し、各々0.1〜3重量部の割合で配合して
もよい。フィルム延伸物: 熱可塑性樹脂、必要により他の任意成
分を含む樹脂組成物を押出機を用いて溶融し、これをフ
ィルム成形して得た無延伸フィルムを、テンター、ロー
ル群、あるいはカレンダーロールを用いて1.5〜15
倍、好ましくは2〜10倍、熱可塑性樹脂のガラス転移
温度より少なくとも10℃高く、かつ、融点以下の温度
で延伸して延伸方向に配向した延伸フィルムを得る。熱
可塑性樹脂がポリプロピレンの場合には、延伸温度は1
10〜162℃の範囲である。この延伸フィルムの厚さ
は1〜400μm、好ましくは5〜200μmの範囲で
ある。
【0015】クレーズフィルムの製造:本発明の通気性
フイルムを製造するには、上記延伸フィルムを引っ張っ
て緊張状態に保持し、この延伸フィルムの表面に先端部
が鋭角な支持体を該延伸フィルムの分子配向方向と略平
行に当接して、該フィルムを局部的に折り曲げ、その折
り曲げ角度が、140度以下、好ましくは90〜120
度の変形域とし、該フィルム中にクレーズの帯を形成し
た後、延伸フィルムを順次相対的に徐々に移動させるこ
とにより、移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のク
レーズ領域を形成させるものである。
【0016】即ち、延伸フィルムを緊張状態に保持する
よう1kg/cm2 以上の張力で引っ張って、その表面
に先端部が鋭角な支持体を該延伸フィルムの分子配向方
向と略平行に当接して、該フィルムを折り曲げ角度50
〜140度、好ましくは70〜120度の範囲にて局部
的に折り曲げる。そして、該フィルム中にクレーズの帯
を形成した後、該フィルムを上記クレーズの縞の間隔で
順次相対的に徐々に移動させることにより、縞状のクレ
ーズ領域を形成させることができる。このときに、上記
折り曲げ角度が大きいほど、又、引っ張り張力の大きい
ほど、全クレーズに対するフィルムの厚み方向に貫通し
ているクレーズの割合が多くなり、通気性の良好なフィ
ルムが得られ易い。
【0017】上記クレーズを形成させるための具体的な
製造方法としては、例えば、図1に示す様に、巻出ロー
ルより繰り出された延伸フィルム1をニップロール2,
2で挟持し、これを支持体3の先端部4が鋭角な部分に
当接させ、他方のニップロール5,5とで緊張状態に保
持させ、この際、延伸フィルムの分子配向方向と支持体
の鋭角の先端部4の刃の長さ方向が略平行となるように
当接させ、該フィルム1を矢印αの方向に引っ張って局
部的に折り曲げ、その折り曲げ角度θが50〜140
度、好ましくは70〜120度、特に好ましくは80〜
110度の範囲となる様な屈曲変形域を形成して、該フ
ィルム中にクレーズを形成した後、該フィルム1を矢印
αの方向に相対的に徐々に移動させることにより巻き取
って、移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレー
ズ領域を形成させることができる。この操作は、効率の
面から一般的には室温で行なうが、場合によっては低温
で行なっても良い。基本的には制限はないが、この操作
は、効率の面から一般的には室温で行なう。
【0018】このクレーズ処理された延伸フィルムは、
上記縞状のクレーズを有していることから、通気性、透
湿性に優れる機能を有している。その機構は、縞状に形
成されたクレーズが延伸フィルムの厚み方向に貫通する
ことにより、酸素や窒素或いは水蒸気等の気体がこのク
レーズ帯域を拡散することにより通過して通気性が発現
する。クレーズ処理された延伸フィルムの通気性の程度
は、延伸温度、延伸倍率、樹脂フィルム中に形成された
クレーズの幅、クレーズ間の隔たり、クレーズの貫通し
た数の割合を変えることで調節することができる。具体
的には、延伸フィルムの分子配向の度合いやクレーズを
形成させる時の温度、樹脂フィルムの緊張度(緊張状態
における張力)、フィルムの折り曲げ角度等を調節する
ことで、容易に通気性をコントロールすることができ、
使用目的に応じた通気性フィルムを提供することができ
る。例えば、クレーズを形成させる時の緊張度を増大さ
せたり、折り曲げ角度を小さくすると、生成するクレー
ズの間隔は小さくなり、クレーズの貫通された数の割合
が増大し、その結果、通気性は増大する。クレーズ処理
は、延伸物フイルムの後述する酸化処理後に行ってもよ
い。
【0019】酸化処理:クレーズ処理された延伸フィル
ムは、更に、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処
理、オゾン処理、グロー放電処理等の酸化処理すること
により印刷インクの密着性、乾燥性を向上させることが
でき、かつ、油性インクであっても乾燥時間を短かくす
ることができる。コロナ放電処理は、印加エネルギー密
度が60〜30,000J/m2 、好ましくは600〜
20,000J/m2 行われる。又、火炎処理では4,
000〜300,000J/m2 、好ましくは6,00
0〜150,000J/m2 の印加エネルギー密度で行
われる。
【0020】この酸化処理されたフィルムについては、
ポリプロピレンを基材としたものの表面近傍の酸素原子
/炭素原子(O/C)原子数比は、X線光電子分光法
(XPS)により求めることができ、X線光電子分光装
置ESCA−3200型〔(株)島津製作所製〕を用い
て、1×106 Torr以下の真空度下、MgのKd線
(1254.0eV)をX線源とし、光電子放出角90
°で測定したO/Cは3/100〜25/100であ
る。このとき炭素原子ピークとしてC1sピーク(28
5eV)を酸素原子ピークとしてO1sピーク(533
eV)を用いる。クレーズ処理、酸化処理された本発明
の通気性フィルムの肉厚は1〜400μm、好ましくは
5〜200μmである。又、この通気性フイルムの酸素
透過係数は、フイルムの肉厚が30μmのとき2,00
0〜1,000,000cm3 /m2 ・24時間・at
m、好ましくは5,000〜100,000cm3 /m
2 ・24時間・atm、水蒸気透過率は10〜6,00
0g/m2 ・24時間、好ましくは40〜500g/m
2 ・24時間を示す。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。 (フィルムの評価) 〈印刷インクの展色〉JIS K5701−1980に
示された展色装置を使用し、標準展色用紙に代えて下記
各実施例及び比較例にて製造したフィルムを使用し、展
色インクとして、汎用の油性インクT&K TOKAベ
スタックNP−1(藍)を用い、各フィルム上へのイン
クの転移量を約1.5g/m2 としたほかはJIS K
5701−1980の操作に準拠した方法により展色を
行った。
【0022】〈インク乾燥性の評価〉JIS K570
1−1980に記載のインクの乾燥性評価方法に従っ
て、C型乾燥試験機を使用し、インクの乾燥時間を測定
した。測定にあたっては、展色用硫酸紙に代えて上記の
操作により印刷インクを展色されたフィルムを使用し、
当て紙用硫酸紙に代えて、王子油化合成紙(株)製の合
成紙(ユポFPG−130、厚さ130μm)を使用し
た。展色されたインクが当て紙にほとんど付着しなくな
る迄に要する時間をもってインク乾燥性のめやすとし
た。
【0023】〈インク接着性の評価〉上記の印刷インク
の展色を行った後、室温23℃、湿度50%にて5日間
インクの乾燥と状態調節を行った後、ニチバン(株)製
粘着テープ「セロテープ」(商品名)をインク展色面状
に強く接着させ、次いで印刷面に沿って素早く粘着テー
プを剥離し、紙面上のインクの残留程度を目視判定し
た。 インク残留率:100〜95% 良好 (○) 95〜80% やや不良 (△) 80〜 0% 不良 (×)
【0024】〈透明性の評価〉フイルムを二つ折りに
し、両側端を溶解して袋(縦25mm、横120mm)
を作製し、袋内にピーマン6個を入れ、開口部をヒート
シールしてピーマン包装体を得、袋の外側よりピーマン
がはっきりと目視できる(不透明度10%以下)のもの
を透明性良好とした。 〈(O/C)原子数比〉プロピレン重合体フイルムの表
面近傍の酸素原子/炭素原子の(O/C)原子数比は、
X線光電子分光法(XPS)により求めた。O/C原子
数比を、試料それぞれについて測定した。X線光電子分
光装置ESCA−3200型〔(株)島津製作所製〕を
用いて、1×106 Torr以下の真空度下、MgのK
d線(1254.0eV)をX線源とし、光電子放出角
90°とした。炭素原子ピークのうちC1sピーク(2
85eV)を用い、酸素原子ピークのうちO1sピーク
(533eV)を用いて、原子数比を求めた。このとき
の光イオン化断面積は、C1sは1.00、O1sは
2.64とした。
【0025】〈酸素透過係数〉JIS K1261に準
じ算圧法(ガスクトマトグラフィー)により試験片を透
過した試験気体はキャリヤーガス(ヘリウム)と共にガ
スクロマトグラフ装置に導入され分析、測定し透過度を
求めた。 〈水蒸気透過率〉JIS K7129に準じ赤外センサ
ー法により試験片を境界にして、一方には乾燥空気(キ
ャリアーガス)を他方に飽和水蒸気を流し、温度40℃
において試験片を透過した水分量を赤外センサーで検出
し透過度を機械的に求めた。
【0026】〈クレーズの有無の観察〉各実施例および
比較例に示したフィルムの一部を取り出し、表面ないし
は断面に金蒸着を行ない、走査型電子顕微鏡(日立製作
所製S−2400)を用いてクレーズの有無を確認し
た。 〈青果物の包装適性〉縦250mm、横120mmの袋
内に、青果物として、トマト4個、きゅうり4個、ピー
マン4個、ナス4個を各個別に収納し、開口部をヒート
シールして青果物包装体を得た。
【0027】各々の包装体を日光が射光できる部屋内に
10日間保管し、水蒸気による袋内の曇りの発生の有
無、青果物の変色、変性の有無の観察を日々行った。1
0日間問題がなかったものを良好とし、変化があったも
のは、それが現れた経過日数を記した。 〈使用材料〉以下の各実施例及び比較例に使用するポリ
プロピレンのメルトフローレート(MFR)は、JIS
K6758、およびISO R1133に示された操
作に準じて、温度230℃、荷重2.16kgの条件で
測定されたものである。
【0028】(クレーズ処理用一軸延伸フィルムの作
製): 〔実験例1〕メルトフローレート(MFR)が0.8g
/10分のポリプロピレン100重量部に抗酸化剤とし
て、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾール0.15
重量部、および帯電防止剤として、グリセリンモノオレ
エート0.5重量部、ステアリン酸アミド0.2重量部
を添加し混合した後、230℃にてストランド状に押し
出し、カッティングしてペレット化した。得られたペレ
ットを、35mm径の押出機に接続されたTダイから成
形温度220℃にて押し出して、フイルムを作製した。
このフイルムを、テンター式延伸機によって150℃で
横方向に8倍に延伸して厚さ32μmの一軸延伸フイル
ムを得た。このフイルムの略号をF1とする。
【0029】〔実験例2〕メルトフローレート(MF
R)が10g/10分のポリプロピレン(融点164
℃)100重量部に、抗酸化剤として2,6−ジ−t−
ブチル−P−クレゾール0.15重量部および帯電防止
剤としてグリセリンモノ,ジ−ステアレート0.2重量
部を配合した組成物を220℃に設定した押出機にて溶
融混練し、ストランド状に押し出し、カッティングして
ペレットとした。得られたペレットを、35mm径の押
出機に接続されたTダイから成形温度220℃にて押し
出してフィルムを作製した。このフィルムを、テンター
式延伸機によって150℃で横方向に6倍に延伸して厚
さ45μmの一軸延伸フィルムを得た。このフィルムの
略号をF2とする。
【0030】(二軸延伸フイルムの製造例): 〔実験例3〕メルトフローレート(MFR)が1g/1
0分のポリプロピレン(融点164℃)100重量部、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、イルガノッ
クス1076(チバガイギー社商品名)を各0.1重量
部、オレイン酸モノグリセリド0.5重量部を配合した
組成物を230℃に設定した押出機にて溶融混練し、ス
トランド状に押し出し、カッティングしてペレットとし
た。得られたペレット(A)を、35mm径の押出機に
て230℃で溶融混練し、又、別の押出機を用いてメル
トフローレート(MFR)3.2g/10分のプロピレ
ン・エチレン(3.6重量%)ランダム共重合体(B)
を220℃で溶融混練し、これらを一台の共押出ダイに
供給し、同ダイ内で積層(B/A/B)し、これを共押
出した後、135℃で縦方向に5倍延伸し、ついで16
0℃で10倍横延伸し、耳部をスリットして3層構造の
二軸延伸フイルム(不透明度5%)を得た。このものの
肉厚は、32μm(B/A/B=6μm/20μm/6
μm)であった。このフイルムの略号をF3とする。
【0031】〔実施例1〕 (クレーズ形成操作)図1に示した装置を用いて、クレ
ーズ処理時の折り曲げ角度(θ)を100度、クレーズ
形成時に使用した刃の先端部の角度は45度、巻き出し
側の速度は1.63m/分、巻き取り側の速度は2.0
9m/分、ニップロール間の距離は30cmとして、上
記実験例1にて製造したフィルムF1にクレーズを形成
させた。
【0032】(コロナ放電処理)上記のクレーズを形成
させたフィルムF1に春日電機(株)製コロナ放電処理
装置HFS400Fを用い、長さ0.8mのアルミニウ
ム製電極、トリーターロールにはシリコーン被覆ロール
を用い、電極とロールとのギャップを5mmとし、ライ
ン処理速度15m/分、印加エネルギー密度4,200
J/m2 にてコロナ放電処理を行った。 (評価)コロナ放電処理後、上記の評価方法に従い、表
面の(O/C)原子数比、クレーズの有無観察、透明
性、印刷インクの展色と乾燥時間の測定、インク密着
性、青果物の包装適性、フイルムの水蒸気透過率、酸素
透過係数の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0033】〔実施例2〕実施例2は、フイルムF1
に、実施例1と同様の条件でクレーズ処理を施した後
に、コロナ放電処理に変えて、幅0.8mのトリーター
ロールと組み合わされたFLYNN BURNER社製
のF3000ダイレクトフレームプラズマ処理装置を用
い、燃焼ガスとしてプロパンガスを使用し、印加エネル
ギー密度37,700J/m2 の火炎処理を行ってフイ
ルムを得た(ライン処理速度は40mとした)。
【0034】〔実施例3〜10、比較例1〜10〕表
1、表2、表3に示すフィルムを用い、かつ、同表に示
す条件下で処理して印刷用フィルムを製造し、評価し
た。結果を表1、表2および表3に示す。なお、実施例
10は、フイルムF1を用い、実施例1と同様のコロナ
放電処理を行った後、実施例1と同様のクレーズ形成処
理を行ったものである。クレーズ形成処理時には、コロ
ナ放電を行っていない面を上にし、下の面に先端部が4
5度である支持体を当接した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】通気性に優れ、インクの乾燥性、密着性
に優れた透明な熱可塑性樹脂延伸フイルムを提供するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーズを形成されるための装置の概略図であ
る。
【符号の説明】 1 延伸フイルム 2 ニップロール 3 支持体 4 支持体先端部 5 ニップロール α フイルム走行方向を示す矢印 θ 折り曲げ角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 久雄 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 北村 和久 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 佐野 博成 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 内山 幸夫 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 池畑 富美代 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの延伸物を緊張状
    態に保ち、この延伸物の面に先端部が鋭角な支持体を延
    伸方向と略平行に当接して、該延伸物を局部的に折り曲
    げ、その折り曲げ角度を50〜140度の変形域とし
    て、該フィルムを順次相対的に移動させることにより、
    該移動方向と略直角の方向に連続的な縞状のクレーズを
    形成させ、このクレーズを形成した延伸物の表面を酸化
    処理することを特徴とする透明な熱可塑性樹脂フィルム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化処理が、印加エネルギー密度60〜
    30,000J/m2 のコロナ放電処理、または印加エ
    ネルギー密度4,000〜300,000J/m2 の火
    炎処理であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性
    樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであ
    り、酸化処理された延伸物のX線光電子分光法で測定さ
    れる炭素(C)に対する酸素(O)の原子比数(O/
    C)が3/100〜25/100である請求項1記載の
    熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の製造方法で製造された表面を
    酸化処理して得られた透明な熱可塑性樹脂フィルムを素
    材とした袋内に青果物が収納されてなる青果物包装体。
JP17541296A 1996-06-17 1996-06-17 インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体 Pending JPH10680A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17541296A JPH10680A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17541296A JPH10680A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10680A true JPH10680A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15995652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17541296A Pending JPH10680A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10680A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001334133A (ja) * 2000-05-28 2001-12-04 Minoru Miwa 液体透過膜およびその製造方法
JP2005027905A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Nakajima Kogyo:Kk 滅菌パック並びにそれを用いた滅菌方法、及び滅菌パックのガス滅菌剤透過方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001334133A (ja) * 2000-05-28 2001-12-04 Minoru Miwa 液体透過膜およびその製造方法
JP2005027905A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Nakajima Kogyo:Kk 滅菌パック並びにそれを用いた滅菌方法、及び滅菌パックのガス滅菌剤透過方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100736190B1 (ko) 직물형 중합체 필름
KR100588244B1 (ko) 중합체성라벨의제조방법,라벨적재물및이의제조방법,및라벨링방법
JPH02501464A (ja) 高分子フィルム
AU663538B2 (en) In-mould labels
FI105263B (fi) Vinylideenikloridi-sekapolymeeriä olevan estokerroksen käsittävä, hajuttomaksi tehty monikerroksinen kalvo
US6787222B2 (en) Polymeric films
EP3067195A1 (en) Tear resistant mono-axially oriented propylene-based film
JPH10680A (ja) インク乾燥性に優れた透明な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および青果物包装体
EP1040002B1 (en) Polymeric films
US3660152A (en) Coated woven materials
JP4121609B2 (ja) 透明バリア性フィルムおよびその製造法
JP2004345141A (ja) 包装材料、当該包装材料からなる包装袋、及び当該包装材料の製造方法
JP3635699B2 (ja) 積層フィルムの製造方法
JPH09300477A (ja) インク乾燥性に優れた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JPH07256676A (ja) 通気性フィルム及びその製造方法
JP2002240181A (ja) お茶包装用袋
JPH09327857A (ja) 不透明性に優れた樹脂フィルムの製造方法
JP3936411B2 (ja) 自己粘着性包装用フィルム
JPH0852816A (ja) 気体透過性フィルム
JPH0885161A (ja) クレーズを有する樹脂フィルムの製造方法
EP0781653A2 (en) Process for producing laminate
JPH0752345A (ja) 包装用ラップフィルム
JPH0553607B2 (ja)
JPH08258225A (ja) 積層フィルムの製造方法
JP2001246660A (ja) 積層体の製造方法