JP2003025427A - ポリ乳酸系二軸延伸フィルム - Google Patents

ポリ乳酸系二軸延伸フィルム

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JP2003025427A
JP2003025427A JP2001219769A JP2001219769A JP2003025427A JP 2003025427 A JP2003025427 A JP 2003025427A JP 2001219769 A JP2001219769 A JP 2001219769A JP 2001219769 A JP2001219769 A JP 2001219769A JP 2003025427 A JP2003025427 A JP 2003025427A
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Atsuko Ueda
敦子 植田
Madoka Inagaki
まどか 稲垣
Akira Menjo
彰 氈受
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Unitika Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙とのラミ加工性に優れ、摩擦に強く、柔軟
且つ強靭で、物性の面内均整度を有し、透明性に優れた
紙貼り用ポリ乳酸系二軸延伸フィルム、特に、透明窓付
き紙容器にも好適な紙貼り用ポリ乳酸系二軸延伸フィル
ムを提供する。 【解決手段】 末端カルボキシル基濃度が30当量/ト
ン以下であり、下記(1)〜(4)の要件を満足する紙
貼り用ポリ乳酸系二軸延伸フィルム。 (1)紙とフィルムとの摩擦係数≦0.4 (2)フィルムの表面固有抵抗≦1×1013Ω (3)フィルムの透明性指標 最大Hz≦8 (4)フィルムの幅方向の厚み斑≦10%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、柔軟性に優
れたポリ乳酸系重合体からなる紙貼り用二軸延伸フィル
ム、特に透明窓付き紙容器用にも好適な二軸延伸フィル
ムとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸系ポリマーは、各種でんぷんや
糖類などを発酵して得られる乳酸を重合した生分解性を
有するポリマーとして知られている。近年、大気中の炭
酸ガス増加に伴う地球温暖化、石油などの化石原料資源
の枯渇、自然分解されないゴミの放棄による環境の悪化
などに対し、ポリ乳酸系ポリマーは、空気中の炭酸ガス
と水と太陽光線から得られる植物を原料とし、最終的に
は再び炭酸ガスと水となって地球的規模で環境リサイク
ルされる理想的なポリマーとして各種用途に利用され始
めている。
【0003】特に本来生分解性のある紙と複合して、ポ
リ乳酸が用いられる場合には、従来のポリオレフィン系
やポリエチレンテレフタレートなどと異なり、紙のリサ
イクル工程でのアルカリ処理時に比較的容易に分解溶解
し、紙のセルロース繊維のみを回収することが出来る点
から、今後広く用いられることが期待されている。
【0004】しかしながら、ポリ乳酸はそのままでは非
常に固く脆い性質をもつために、紙とラミネートされて
用いられる場合、ラミネート工程における各種ローラー
通紙性を満足したり、また、紙に貼られて箱に加工さ
れ、使用される場合に、曲げられたり、ひねられたりす
ることに対して良好な屈曲性を有することが要求され
る。また、紙とラミネートされる際にかかる熱に対して
均等にフィルムが収縮し、製品にねじれやゆがみが生じ
ないことも要求される。また、紙という異なる材質と摩
擦された場合に発生する帯電を極力少なくすることも重
要とされる。また、紙と重ねられた場合にブロッキング
せず、良好にすべるハンドリングの良さも必要である。
また、フィルムラミネートされた紙が箱に用いられ、フ
ィルムが外面となって、その表面に印刷がほどこされる
場合、もともとのフィルムの透明性に斑のないことが当
然要求される。さらに、フィルムが透明窓付き箱や、透
明窓付き封筒などのような透明窓付き紙容器に用いられ
る場合、フィルムの透明性が強く要求され、上記フィル
ムに透明性の斑が極力無いことが要望される。
【0005】このようなポリ乳酸系ポリマーを用いた紙
とのラミネート用フィルムとして次のような技術が提案
されている。特開平4−336246号公報には、自然
環境下で易分解性のポリ乳酸またはオキシカルボン酸の
コポリマーを主成分とする熱可塑性分解性ポリマーと紙
からなるラミネート紙が提案され、アルカリで容易に分
解されることや、土壌中で分解されることが示されてい
る。しかしながら、紙とのラミネート体構造物として実
用されるに際して必要とされるフィルムの柔軟性や紙と
の摩擦特性、静電気特性などに関しては具体的な開示が
無い。さらにポリ乳酸が二軸延伸されたものであるかに
ついても具体的な記述が無く、実用商品としては未完成
のものであった。
【0006】特開平8−252895号公報には、二軸
延伸され、柔軟性を付与されたポリ乳酸系重合体フィル
ムと紙とから構成される分解性ラミネート材料が提案さ
れ、このラミネート材料が、袋、箱などの形や、紙を部
分的に打ち抜いて「窓」を形成した内容物透視用容器と
して利用できることが記述されている。すなわち、二軸
延伸され、そのあと熱処理されているため、そのままで
は硬くて脆いポリ乳酸フィルムが柔軟化され、紙とラミ
ネートされる工程での張力や熱に耐え、フィルムの破断
やゆがみが防止でき、ラミネートされた材料の折り曲げ
時に白化・亀裂発生が防止されるというものである。し
かしながら、フィルム自身の特性は示されているが、紙
とラミネートされて使用される場合に必要な、摩擦に耐
え、ハンドリングをよくするための紙との滑り性(摩擦
係数)、異種材料であるポリ乳酸と紙とが接触する際に
生じる静電気に対する対策などについては具体的な記述
は無く、実際にはハンドリング性に劣るものであった。
【0007】また、紙とのラミネート材料としてより具
体的な用途である透明窓付き封筒が特開平7−2672
53号公報に開示され、ポリ乳酸も好適に用いることが
出来ることが記述されている。しかしながら、紙とのラ
ミネート体構造物として実用されるに際して必要とされ
るフィルムの柔軟性や紙との摩擦特性、静電気特性など
に関しては具体的な開示が無い。さらにポリ乳酸が二軸
延伸されたものであるかについても具体的な記述が無
く、実用商品としては未完成のものであるとせざるを得
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紙と
のラミネート加工性に優れ、摩擦に強く、柔軟且つ強靭
で、物性の面内均整度を有し、透明性に優れた紙貼り用
ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを提供することにある。特
に、透明窓付き紙容器にも好適な紙貼り用ポリ乳酸系二
軸延伸フィルムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリ乳酸系ポリマ
ーを特定の条件下で二軸延伸することにより上記課題を
解決できることを見出し本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。末端カルボキシル基濃度が30当量/トン以下であ
り、下記(1)〜(4)の要件を満足する紙貼り用ポリ
乳酸系二軸延伸フィルム。 (1)紙とフィルムとの摩擦係数≦0.4 (2)フィルムの表面固有抵抗≦1×1013Ω (3)フィルムの透明性指標 最大Hz≦8 (4)フィルムの幅方向の厚み斑≦10%
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における、ポリ乳酸系ポリマーとしては、
ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共
重合体、もしくはこれらの混合物であり、本発明の効果
を阻害しない範囲で、他の高分子材料がブレンドされて
いてもよい。また、成形加工性、フィルム物性を調整す
る目的で、可塑剤、滑剤、シリカなど安定な無機フィラ
ー、紫外線吸収剤などの添加剤、改質剤を添加すること
も可能である。
【0012】乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸が挙げ
られる。他のヒドロキシカルボン酸としてはグリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸などが代表的に挙げられる。
【0013】これらの重合法としては、縮合重合法、開
環重合法などの公知の重合方法を用いることが可能であ
り、さらには、分子量増大を目的として少量の鎖延長
剤、例えば,ジイソシアネート化合物、エポキシ化合
物、酸無水物などを使用してもよい。また、前記重合
後、加熱下、窒素などの不活性ガス流通下、または減圧
下において固相重合を行い、その分子量を高めることも
良い。さらに、D型およびL型乳酸ダイマー(環状)か
らラセミ化触媒を用いた立体規則性を有するポリ乳酸を
重合する方法も用いうる。
【0014】重合体の重量平均分子量としては、5万以
上、50万以下であることが好ましい。5万未満である
と、得られたフィルムの物性が著しく劣り、且つ自然界
での分解速度が速すぎて、本発明の目的を達しない。一
方、重量平均分子量が50万を超えると、溶融押出し成
形時に圧力が高くなりすぎたり、十分な押出し量が得ら
れなかったり、押出し機の中でポリマーの混練時の発熱
が著しく、逆にポリマーが熱分解してしまうなどの困難
が生じる。
【0015】重合体を主に構成する乳酸のうち、D−乳
酸の含量は6モル%以下であることが好ましい。6モル
%を超えると重合体の結晶化速度が遅くなって、二軸延
伸して得られるフィルムの結晶性が低くなりすぎて最終
紙ラミ製品の熱融着が生じやすく問題となる場合があ
る。
【0016】また、フィルム中の末端カルボキシル基濃
度は、30当量/トン以下であることが必要である。ポ
リ乳酸系重合体の場合、自然界で分解されねばならない
が、この末端カルボキシル基濃度が、30当量/トンを
超えると分解が速すぎ、フィルムが分解して実用に耐え
ない状態となったりして好ましくない。すなわち、紙ラ
ミされた容器が、高温多湿下で貯蔵されたり、同条件下
で輸送される場合、フィルムの生分解に先立ち加水分解
が生じる。この際、フィルムはその形態は維持している
ものの、構成するポリマーの分子量が時間とともに低下
する。分子量が低下すると、ポリマー同士の凝集力が低
下し、外部からの摩擦によって容易にフィルムが磨耗し
やすくなって、ひどくなればフィルムに貫通したピンホ
ールが空いてしまい、紙を防湿したり、紙の強度を補強
したりする性能が低下して容器としての機能が大きく低
下することとなる。また、フィルムの強度や伸度が大き
く変化し、問題が生じる。この末端カルボキシル基濃度
は、フィルムの使用される用途によって好ましい範囲が
異なるが、20当量/トン以下がさらに好ましい。
【0017】末端カルボキシル基濃度を30当量/トン
以下に制限するための具体的方法は、重合を最終段階
で固相重合すること、押出し成形に供する前の重合体
を、乾燥を兼ね、再固相重合すること、重合終了時以
前の段階でカルボキシル基末端と反応する官能基を分子
内に1個以上もった化合物を添加すること、原料段階
で得られた末端カルボキシル基濃度の低い重合体を押出
し成形する際、可能な限り含有水分を低くし、且つ可能
な限り低温度で押出すこと、さらに、押出し成形の時
点で、押出し機のバレル側面に設けた貫通注入孔から、
末端カルボキシル基と反応する官能基を分子内に1個以
上もった化合物を加圧注入すること等が挙げられるが、
必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
【0018】本発明のフィルムは前述のポリ乳酸系重合
体からなり、縦、横方向に各最大2.5倍以上、10倍
未満、同時二軸延伸されたフィルムであることが好まし
い。また、本発明のフィルムは、全縦延伸倍率Xと全横
延伸倍率Yとの比R(=X/Y)を0.8以上、2.0
倍以下とすることが好ましい。
【0019】同時二軸延伸法は、縦と横とを同時に延伸
してゆくために、逐次延伸の場合のように、どちらか一
方向にすでに配向し部分的に結晶化したものを延伸する
のではなく、フィルムを構成する分子鎖を縦と横とに同
時に引張ってゆくため、分子鎖が方向性をもたず伸びて
行く結果、延伸途上での結晶化が生じにくく、容易に延
伸を継続して行くことが可能なものである。したがっ
て、縦と横の延伸比の選択幅が広く、縦延伸後、横延伸
を行う逐次延伸に比べ、縦の延伸倍率を大きくとること
が可能である。
【0020】縦の延伸倍率を逐次二軸延伸法に比し大き
くとれることは、得られる二軸延伸フィルムの物性とし
て縦の強度、弾性率の大きなものが得られるとともに、
その方向の熱収縮率や熱収縮力が大きいものが得られや
すいことを意味する。縦の弾性率が大きければ、フィル
ムの印刷や紙ラミネート加工のような後加工時にフィル
ムが縦方向に強く引っ張られる際のフィルムの伸び変形
が小さく抑えられ、加工が安定に行えるとともに加工後
の製品に仕上がりの良いものが得られる。また、フィル
ムにかける張力が同じであれば、縦弾性率を大きくした
本発明のフィルムではより厚みの薄いフィルムでも使用
することができ、材料コストを低減できるメリットが得
られる。また、加工工程におけるライン速度をより速く
しても、フィルムの縦張力に対する抵抗性により優れる
ため生産効率がよくなり、結果として製品コストの低減
が可能となる。
【0021】また縦の熱収縮力が適度に大きければ、フ
ィルムの印刷や紙ラミ加工のような後加工時に、フィル
ムが熱をかけられて加工される場合に、フィルムの縦方
向の熱収縮力とフィルムにかけられる張力とがバランス
してフィルムが縦方向に伸びず、しわやタルミが生じず
に加工が安定に行えるとともに、加工後の製品に仕上が
りの良いものが得られる。また、フィルムにかける張力
が同じであれば、縦の熱収縮力を大きくしたフィルムで
は、より厚みの薄いフィルムでも使用することができ、
材料コストを低減できるメリットが得られる。この場合
も生産効率に優れるため、製品コスト低減が可能とな
る。
【0022】従って、本発明のフィルムは、縦、横方向
に各最大2.5倍以上、10倍以下、二軸延伸したフィ
ルムが、紙とのラミネート工程での上記生産性を与える
点で好ましい。また、本発明のフィルムは、全縦延伸倍
率Xと全横延伸倍率Yとの比、R(=X/Y)を0.8
以上、2.0倍以下とすることが、上記縦方向のフィル
ム物性をより際立たせる点から好ましい。この範囲外で
は、紙とのラミネート工程における生産性に劣る。
【0023】このように延伸されたフィルムの中で、本
発明のフィルムは、下記(1)〜(4)の要件を満足す
ることが必要である。 (1)紙とフィルムとの摩擦係数≦0.4 (2)フィルムの表面固有抵抗≦1×1013Ω (3)フィルムの透明性指標 最大Hz≦8 (4)フィルムの幅方向の厚み斑≦10%
【0024】紙とフィルムとの摩擦係数は0.4以下で
ある必要がある。紙とラミネートされた後、紙ラミ材と
してロール状に巻き取られたり、積み重ねられたりする
場合、フィルム面と紙面とが接触するが、その際、紙と
フィルムとの摩擦係数が0.4を超えると、お互いの滑
りが悪く、ロールの場合その端面が不ぞろいになった
り、巻き途中で蛇行が生じたりして工程ハンドリング性
に欠けることとなる。また積み重ねられる場合でも、シ
ワが発生したり、積み重ねられたラミ材シート層の端面
が不ぞろいとなって自動設備での作業に問題が生じ易
い。
【0025】かかる摩擦係数を本発明の範囲に維持する
方法としては、フィルム中にシリカ、二酸化チタン、ア
ルミナ、カオリンのような安定な金属酸化物、炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム等の安定な金
属の塩、または、ポリスチレンやアクリル系の架橋した
有機粒子、シリコーン系粒子など、ポリ乳酸系重合体に
不活性な有機樹脂からなる滑剤粒子等を少量添加して製
膜した後、二軸延伸を施すことによってフィルムの表面
にそれら粒子を突出させ、制御された凹凸を形成する方
法が好適に用いられる。これらの滑剤粒子はいずれか1
種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよ
い。使用する滑剤粒子の平均粒子径は、0.01〜5.
0μmが好ましく、さらには、0.1〜3.0μmがよ
り好ましい。また、エチレンビスステアリルアミドのよ
うな有機系の潤滑剤をフィルム中に添加しておき、延伸
過程でフィルムの表面にブリードアウトさせる方法、そ
れら両者を組合わせる方法などを用いうるが、フィルム
の透明性を満足することと両立させる範囲でそれらの物
質をフィルム中に添加することが必要である。
【0026】本発明のフィルムの表面固有抵抗は、1×
1013Ω以下であることが必要である。フィルムと紙の
ように異種の物質を接触させる場合、両者の電気的性質
が異なるため、ハンドリング過程でフィルムに静電気が
発生する。その場合、紙にフィルムを貼着する際の操業
性の悪化、印刷加工性の悪化、フィルムにゴミ、ホコリ
が吸着することによる外観の悪化等の問題が発生する。
フィルムの表面固有抵抗が、1×1013Ωを超えると、
たとえば、透明窓付き封筒の場合、紙との貼り合せ時に
フィルム側に帯電が生じるとフィルムが重なってしまっ
たり、シワや部分的タルミが発生したりして、平面性が
よく、フィルムの良好な張りのある仕上がりとはならな
い場合が多くなり、製品収率を悪化させる。また、紙と
ラミネートする前にあらかじめ印刷を施す場合にも、印
刷のインクが印刷図柄の角から細かなストリーク状のに
じみを生じたり、インクののりが不安定になったりする
現象が生じ、最終製品の歩留まりを低下させる。
【0027】フィルムの表面抵抗をこの範囲とするため
の具体的な方法としては、下記の手段が好ましい。すな
わち、二軸延伸工程に先立ち、フィルムの片面に帯電防
止剤をコートする。ここでいう帯電防止剤は、帯電防止
性界面活性剤や透明導電性物質等を指し、溶剤に分散さ
れた形で延伸前にフィルムに塗布することが好ましい。
帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルアリルスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル
塩、高級アルコール硫酸塩のエチレンオキサイド付加
物、高級脂肪酸塩、などのアニオン系のアルキルスル
ホン酸塩、あるいは、脂肪族アルカノールアミド、
高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族
アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリコール等の
エチレンオキサイド付加物、ソルビット、ソルビタン
脂肪族エステル及び/またはそのエチレンオキサイド付
加物、ポリグリセリン脂肪族エステル、などの非イオ
ン系界面活性剤が挙げられる。フィルムの表面固有抵抗
を上記範囲とするためには、帯電防止剤や透明導電性物
質を樹脂の溶融成形時に配合してフィルムを得る方法も
あるが、この方法は、時間の経過とともに帯電防止剤等
がブリードアウトしてフィルムと紙の接着強度が低下す
るため注意が必要である。
【0028】フィルムの透明性指標として、最大Hzが
8以下であることが必要がある。ここでいう最大Hzと
は、原反フィルムの幅方向に3cm間隔でヘーズを測定
し、最も高い値をいう。窓付き封筒の場合、フィルムを
通して郵便番号などを読み取るが、フィルムの最大Hz
が8を超えると読みとりエラーが多発するため好ましく
ない。窓付き箱の場合は、通常商品を見せることが目的
であり、フィルムの透明性が悪いと商品をクリアに見せ
ることができないため、好ましくない。また、紙に印刷
が施される場合もあるが、フィルムに印刷され、それを
紙とラミネートされる場合も多い。その際、インクの発
色性、色彩の輝度、鮮明度はフィルムの透明性と大いに
関連があり、このような紙ラミネート用途に用いられる
フィルムの場合、その透明性が商品の価値を左右する大
きな因子として重要である。
【0029】フィルムの透明性は、フィルムを構成す
るポリマー中の大きな結晶(大きな結晶が成長すると光
を散乱してフィルムは白くなる)が存在する、ポリマ
ーに非相溶で、屈折率の異なる他のポリマーが溶融ブレ
ンドされている、フィルムの滑り性改良に用いられる
無機粒子の粒子径が大きく且つ添加量が多い、フィル
ム中でのその凝集の程度が大きい、その無機粒子とポ
リマーとの表面親和性・密着性の欠如による大きな空隙
が生成される、などによって阻害されることが多い。ま
た、特に逐次延伸の場合、フィルム端部の透明性が悪く
なる。従って本発明では、紙ラミ用途に適したポリマー
の選択、フィラーとその添加量の選択、フィルムの延伸
方法の選択によって、フィルムの幅方向全体にフィルム
に必要な透明性(Hz値)を技術的に確保している。
【0030】本発明のフィルムは、フィルムの幅方向の
厚み斑が10%以下であることが必要である。通常、封
筒などの窓用のフィルムは、1500mm幅程度の原反
を採取し、これを封筒の幅に適当な細幅にスリットす
る。ここでいう幅方向の厚み斑は、この原反フィルムの
幅方向に等間隔に7点厚みを測定し、以下の式にて求め
たものを指す。 (最大厚み−最小厚み)×100/平均厚み 幅方向の厚み斑が10%を超えると細幅にスリット加工
する時の加工ロスが大きくなり、好ましくない。この厚
み斑は、6%以下がさらに好ましい。
【0031】通常、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムは逐次延伸法で生産されている。このポリエチレンテ
レフタレートフィルムにおけるフィラーの選択と添加
量、添加方法については、すでに研究されてきた。しか
し、ポリ乳酸フィルムについては、公知の方法だけで
は、最大Hzを8以下に保持すると、実用上必要な厚み
斑のフィルムを得ることが困難であったり、熱特性が幅
方向で異なるフィルムとなり、厚み斑や熱特性を均一に
しようとすると、端部が白化したりするという問題があ
った。
【0032】本発明のフィルムは、電子顕微鏡でフィル
ムの断面を観察した時に存在する添加粒子の周囲に5μ
m以上の空隙を有する粒子の存在割合が、10%以下で
あることが好ましい。さらに好ましくは7%以下であ
る。ポリ乳酸系重合体の場合、添加されるシリカ、アル
ミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無
機フィラーとポリマーとの親和性が十分ではなく、フィ
ルムの延伸工程でフィルムが白化する現象が観察される
場合がある。延伸の倍率や温度を選択することによっ
て、この白化の程度は幾分緩和されるが、特に縦を延伸
した後横を延伸する逐次延伸法でポリ乳酸系二軸延伸フ
ィルムを製造する場合、この白化現象が顕著に生じるこ
とを見出した。そこで我々は鋭意研究の結果、同時二軸
延伸法において特定の製造条件を選択することによって
この白化現象を大きく低減できることを見出した。
【0033】逐次延伸では、まず縦方向に大きく延伸さ
れる、この際、フィルムを構成するポリマー鎖は縦方向
に引きそろえられ、結晶化するか、非常に結晶化しやす
い状態となる。引き続く横延伸に先立ち、フィルムが再
加熱されると、さらに安定な結晶状態へと進み、添加さ
れたフィラーとの表面親和力が大きく低下してしまう。
その結果、横延伸にともない、フィラーとポリマーとの
密着がはずれ、その間に空隙が発生しやすくなる。この
空隙は光の散乱を助長し、フィルムのヘーズを大きくす
る。また、逐次延伸では、フィラーとその周囲との空隙
発生によるヘーズの大きな部分は、フィルムの全幅の中
央部は比較的透明性を有する状態であっても、フィルム
の両端部に発生し易い。このように、フィラーとポリマ
ーとの界面剥離に基づくとおもわれるおおきなヘーズの
斑は、フィルムの商品価値を下げるとともに、製品化可
能なフィルムの有効幅を狭くすることになり、おおきな
損失を生じることとなる。
【0034】一方、本発明のフィルムは、その製造の主
要延伸技術として同時二軸延伸法を適用するのが好まし
く、且つ特定の延伸条件を採用することによって、フィ
ラーとの空隙を小さくし、ヘーズ斑の小さな優れたもの
が得られやすい。同時二軸延伸では、フィルムの結晶化
が延伸過程で生じにくく、フィラーとポリマーとの親和
性があまり低下しない結果、上記のような優れた二軸延
伸フィルムが得られやすいもの推定している。
【0035】本発明のフィルムを得る場合、全縦延伸倍
率Xと全横延伸倍率Yとは、その比R(=X/Y)が
0.8以上、2.0以下であることが好ましい。同時二
軸延伸を、多段で温度範囲を変えつつ行う場合には、縦
延伸と横延伸の比が延伸途上で1以上であったり、また
1以下であったりして、必ずしも最終延伸比のみで最終
のフィルム物性の良し悪しを規定できない点もあるが、
一般的に、Rが0.8以上である場合に、同時二軸延伸
では、縦の物性が横の物性と同等か優れたものとなっ
て、より実用性に優れたフィルムの特性を備える。一
方、Rが2.0を超えると、縦方向の物性が過剰とな
り、フィルムの総合的物性バランスが悪くなる。また、
同時二軸延伸する以前のポリマーの予備配向結晶化が進
みすぎて、続く同時延伸プロセスでのフィルムの延伸切
断頻度が増大するので好ましくない。縦方向の予備延伸
倍率の最大値は、用いるポリマーの結晶化特性、延伸に
伴う配向結晶化特性に応じて選ばれ、ナイロン6のよう
に結晶化しやすいポリマーでは、予備縦延伸率は1.2
倍以下、さらに好ましくは1.1倍以下と小さな値とな
るが、ポリ乳酸系重合体の場合には2.0倍以下とな
る。さらに好ましくは1.5倍以下である。
【0036】総縦倍率Xと総横倍率Yとの比Rを0.8
以上とする具体的な手段としては、同時二軸延伸機にお
いて、フィルムの端部を把持するクリップとクリップの
間隔を延伸前と延伸後とでその幅方向の延伸倍率以上に
調整する方法が一般的であり、従来知られている、パン
タグラフ式の同時二軸延伸機、ねじのピッチを先に行く
ほど大きくして行く方式の同時二軸延伸機、また最近公
開されつつあるクリップ同士の連結が無く自由に駆動が
できるリニアーモーター方式の同時二軸延伸機のいずれ
でも利用できるが、このリニアーモーター方式の同時二
軸延伸機は、延伸倍率、延伸の軌跡、縦と横の弛緩処理
が自由に行える点から好ましいものである。
【0037】また、本発明においては、縦と横の総延伸
倍率比Rを0.8より大きくする方法として、同時二軸
延伸を行う前に、前記ポリ乳酸系重合体のガラス転移温
度(Tg)以上、Tg+50℃以下の温度で1.02倍
以上、2.0倍以下縦方向に予備延伸し、同時二軸延伸
機に導き、さらに縦、及び、横方向にそれぞれ2.5倍
以上、10倍未満、同時二軸延伸を行う方法をとること
も有効である。
【0038】さらに、ネジ式同時延伸機や、リニアーモ
ーター駆動方式の同時二軸延伸機では、延伸機のオーブ
ンの中で、同時二軸延伸後、再度縦方向に延伸を行い、
縦方向の弾性率を大きくすることが比較的容易に出来る
点から、この方法を併用することも好ましい。
【0039】延伸後、フィルムは、その内部応力を緩和
し、適度に結晶化して物性の安定化を図るため、テンタ
ー内で熱処理が行われる。その熱処理方法としては、熱
風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ
波を照射する方法等の公知の方法を用いることができ
る。このうち、均一に精度良く加熱できることから、熱
風を吹き付ける方法が最適である。紙ラミに適するポリ
乳酸系二軸延伸フィルムの場合、この熱処理の温度と時
間を適度に選び、得られるフィルムの熱収縮応力特性を
微妙に制御し、本発明の好ましい要件を満足することが
好ましい。
【0040】紙とのラミネートや貼り合せ容器の一つと
して、近年、郵便封筒などに用いられている透明窓付き
紙容器があり、この用途にも上記述べてきた理由によ
り、本発明のフィルムは好適に用いられる。すなわち、
透明窓付き封筒を例にとれば、フィルムを通して中のあ
て先や氏名が鮮明に読み取れねばならないこと、フィル
ムに十分な剛性や強度があってシワになりにくくフィル
ムの張りや平面性が良いこと、フィルムが帯電しにくく
且つ十分な滑り性が確保され、中の印刷物の出し入れに
支障が無いこと、フィルムの熱収縮特性が均一に近く、
且つ熱収縮の力(応力)が実用に応じ緩和・制御され、
シワや封筒全体の形の不均等なゆがみを生じないことな
どが要求される。これらの特性はゴルフボールの包装に
用いられているような透明窓付き紙箱に対しても同様に
要求される特性であり、このような用途にも本発明のフ
ィルムが適している。
【0041】
【実施例】本発明の内容及び効果を、以下の実施例及び
比較例で具体的に説明する。実施例、比較例中の物性評
価方法、および、フィルムの原料は次の通りである。
【0042】(物性評価方法)
【0043】末端カルボキシル基濃度:50mlの三角
フラスコに0.15gの試料と塩化メチレン20mlを
入れて、溶解させ、指示薬としてフェノールレッドを添
加し、0.1規定の水酸化カリウム溶液で滴定して求め
た。
【0044】紙とフィルムとの摩擦係数:温度20℃、
相対湿度65%の環境下に一日放置した後、同条件下で
ASTMD−1894に準じて測定した。使用した紙
は、以下の4種類で、それぞれの紙とフィルムの摩擦係
数を求め、平均値が0.4以下のものを合格とした。 王子製紙製 OKゴールド封筒 (85g/m2) 王子製紙製 アカシヤ (70g/m2) 王子製紙製 RC晒しクラフト紙 (70g/m2) 中越パルプ製 川内封筒ケント紙 (100g/m2
【0045】フィルムの表面固有抵抗:温度23℃、相
対湿度50%の環境下に一日放置した後、同条件下でJ
IS−K6911に準じて測定した。
【0046】フィルムの幅方向の厚み斑:原反フィルム
の幅方向に等間隔に7点、ハイデンハイン社製マイクロ
メータを用いて厚みを測定し、下記式で求めた値が10
%以下を合格とした。 (最大厚み−最小厚み)×100/平均厚み
【0047】フィルムの透明性指標 最大Hz:東京電
色社製全自動ヘーズメータ(TC−H 111 DP
K)を用いて、原反フィルムの幅方向に3cm間隔にフ
ィルムヘーズを測定し、最も値の高い部分(最大Hz)
が8以下を合格とした。 フィルムヘーズ(Hz%)=(Td/Tt)×100 ここで、Td:拡散透過率(%)、Tt:全光線透過率
(%)である。
【0048】周囲に5μm以上の空隙を有する添加粒子
が存在する割合:フィルムを任意の位置で断面を切り、
断面を電子顕微鏡にて観察して、各々の断面において適
当な添加粒子を20個以上観察し、その周囲の空隙の大
きさを写真上で読み取る。周囲に5μm以上の空隙のあ
る添加粒子の数を測定し、観察した粒子の総数で除して
求めた。
【0049】スリット加工適性:幅1.5mの二軸延伸
フィルム巻きロールを200mm幅、2500m巻きに
スリット加工した場合の投入ロール巻き長さに対する製
品化可能総ロール巻き長さの割合から、80%以上製品
化可能であった場合を○とし、それ未満を×とした。
【0050】封筒加工適性:200mm幅、2500m
巻きのロールから、幅200mm、長さ70mmのフィ
ルムを切り出し、幅180mm、長さ50mmの窓の設
けられた封筒用紙に自動給紙して貼り付けた。封筒形状
に最終折込加工した後、シワ、キズ、透明性、滑り不良
に起因するフィルムのゆがみ、ゴミ付着の有無による残
留静電気のチェックを行い、製品化可能な収率として8
0%以上を○とし、それ未満を×とした。
【0051】(原料)
【0052】帯電防止剤: A−1 ケミスタット3033N(三洋化成製、アルキ
ルスルホン酸塩) A−2 アクチノールSL−3(松本油脂製薬製、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルソーダ
塩) B−1 ケミスタット2500(三洋化成製、ヤシ脂肪
酸ジエタノール) B−2 ブリアンL(松本油脂製薬製、ポリエチレング
リコールモノラウレート)
【0053】生分解性樹脂: C−1 ポリ乳酸(カーギルダウ製、Nature W
orks 4031D) C−2 ポリ乳酸にATBCを2%ブレンド(A
TBC:アセチルクエン酸トリブチル、田岡化学社製) C−3 ポリ乳酸にエコフレックスを6%ブレン
ド(エコフレックス:BASF社製) C−4 ポリ乳酸にビオノーレを20%ブレンド
(ビオノーレ:昭和高分子社製)
【0054】実施例1 ポリ乳酸(カーギルダウ社製Nature Works
4031D)100質量部に対し、表面滑材として平
均粒子径1.8μmの凝集シリカを0.08質量部添加
した樹脂組成物を、Tダイ付口径90mmΦ単軸押出機
にて樹脂温度230℃でシート状に押出した後、表面温
度25℃のキャストロールにエアナイフにて押し付け冷
却した。この組成物のガラス転移温度は57℃であり、
融点は168℃であった。この未延伸フィルムの片面に
帯電防止剤(三洋化成社製、ケミスタット3033Nと
ケミスタット2500の8/2(質量比)混合物)の1
質量%濃度の水溶液を塗布した後、倍率可変式パンタグ
ラフ方式の同時二軸延伸機に導いた。60℃でフィルム
を予熱しながらコート液を乾燥した後、85℃で縦3.
02倍、横3.17倍に同時二軸延伸を行った。続い
て、125℃で熱処理しながらTD方向に5%の弛緩熱
処理をおこなった。これらの原反フィルムをさらに20
0mm幅、2500m巻きにスリットし、50本採取し
た。スリット率は100%でスリットロスはなかった。
200m×2500mのフィルムを用い、窓付き封筒を
加工したときの加工操業性は良好で、収率は98%であ
った。得られた結果を表1に示した。
【0055】実施例2〜4及び比較例1 実施例1と同様に押出して得た未延伸フィルムを、表
1、2に示した各条件にて二軸延伸した。得られたフィ
ルムの特性と実用テスト結果を表1、2に示した。
【0056】実施例5〜6及び比較例2〜3 帯電防止剤の種類と付着量を変えた以外は実施例1と同
様にした。得られたフィルムの特性と実用テスト結果を
表1、2に示した。
【0057】実施例7〜8及び比較例4 ポリ乳酸樹脂を変えた以外は実施例1と同様にした。得
られたフィルムの特性と実用テスト結果を表1、2に示
した。
【0058】比較例5 実施例1と同様に押出して得た未延伸フィルムをロール
式縦延伸機にて70℃に加熱し、3.0倍に縦延伸し
た。この未延伸フィルムの片面に帯電防止剤(三洋化成
社製、ケミスタット3033Nとケミスタット2500
の8/2(質量比)混合物)の1質量%濃度の水溶液を
塗布した後、そのフィルムを、テンター式横延伸機に導
き、85℃に予熱した後、87℃で4倍に横延伸した。
続いて、120℃の設定温度で熱処理しながらTD方向
に8%弛緩処理をおこなった。その後フィルムを冷却し
て、実施例1と同様にワインダーに巻き取った。得られ
たフィルムの物性及び実用テスト結果を表2に示す。ま
た、フィルム中、特にフィルム端部のフィラーの周囲に
大きなボイドが見られ、フィルムのHzが大きくなっ
た。
【0059】比較例6〜7 延伸倍率を変えた以外は比較例5と同様にしてフィルム
を得た。得られたフィルムの特性と実用テスト結果を表
2に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明に示したフィルムは、紙とのラミ
加工性に優れ、摩擦に強く、柔軟且つ強靭で、物性の面
内均整度を有し、透明性に優れた紙貼り用ポリ乳酸系二
軸延伸フィルムであり、特に、透明窓付き紙容器にも好
適な紙貼り用ポリ乳酸系二軸延伸フィルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:04 C08L 67:04 Fターム(参考) 4F071 AA43 AF07 AF28 AH05 AH19 4F210 AA24D AB07 AC03 AD27 AG01 AG03 AH54 AR12 QA02 QC07 QD13 QG01 QG11 QG15 QG18 QL09 QW07 QW12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端カルボキシル基濃度が30当量/ト
    ン以下であり、下記(1)〜(4)の要件を満足する紙
    貼り用ポリ乳酸系二軸延伸フィルム。 (1)紙とフィルムとの摩擦係数≦0.4 (2)フィルムの表面固有抵抗≦1×1013Ω (3)フィルムの透明性指標 最大Hz≦8 (4)フィルムの幅方向の厚み斑≦10%
  2. 【請求項2】 フィルム断面の電子顕微鏡観察におい
    て、周囲に5μm以上の空隙を有する添加粒子が存在す
    る割合が、10%以下であることを特徴とする請求項1
    記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 帯電電防止剤をコートした後、全縦延伸
    倍率Xと全横延伸倍率Yとの比R(=X/Y)を0.8
    以上、2.0倍以下として同時二軸延伸することを特徴
    とする請求項1又は2記載のポリ乳酸系二軸延伸フィル
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のポリ乳酸系二軸延
    伸フィルムと紙とからなる透明窓付き紙容器。
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