JP4543743B2 - 成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムおよび容器 - Google Patents

成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムおよび容器 Download PDF

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本発明は成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムに関する。特に詳しくは、成形性を損なうことなく耐熱性に優れた成形品を得ることができる成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムおよびそれを用いて得られる容器に関する。
従来、ポリ乳酸を始めとする脂肪族ポリエステルフィルムは自然環境に廃棄された際に分解すること、例えば土壌中で自然に加水分解した後に微生物によって無害な分解物となることを特徴として開発され、特に食品容器の分野では、食品と一緒にコンポスト処理を行うことによって生分解可能であることから注目されている。例えば、ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマー組成物を予備成形した後、特定の条件でブロー成形して容器を得る方法などが知られている(特許文献1)。
しかしながら、ポリ乳酸は耐熱性に劣るため、このような製法で得られた容器は低温での使用に限定した用途でしか用いることができなかった。
特許文献2では、フィルムを延伸することにより耐熱性を向上させることが開示されているが、ここに開示される製膜技術においては、100℃を越えるアニールを施したフィルムは良好な成形性を達成できていない。
さらに、特許文献3,4においても延伸フィルムを容器状の成形品に加工した例が挙げられているが、これらの例はフィルム延伸後にアニールが全くなされていない。
一般に、フィルムは十分なアニール(ヒートセット、熱固定)を施すことにより、熱寸法安定性、経時安定性等の諸物性を安定させることができるが、特許文献3,4によるフィルムは加熱加工時の寸法安定性に欠ける不十分なものであった。
特許文献5では、延伸かつ熱固定された熱成形用ポリ乳酸フィルムについて開示がなされている。本文献では融点の低い樹脂を積層することにより抗張力を低下させ、所望の成形性を達成し得たものである。しかしながら、融点の低い樹脂を用いることにより耐熱性の低下を引き起こすため、耐熱性が不十分なものであった。
特許文献6は、製膜条件として70℃の延伸温度で、2.5×2.5倍、あるいは2.5×3.0倍の延伸を施し熱処理を施したフィルムを成形容器に使用した例が記載されているが、これらの例では、本明細書の比較例3に示すように成形性が不十分なものであった。
特開平6−23828号公報(請求項1等) 特開平8−73628号公報 ([0032]、実施例9〜13、比較例10〜14) 特開2001−150531号公報(実施例1等) 特開2001−162676号公報(実施例1等) 特開2003−291294号公報 ([0019]〜[0020]、実施例1、13等) 特開平9−25345号公報(実施例1、2)
本発明は、かかる課題を解決するために、成形性を損なうことなく耐熱性に優れた成形品を得ることができる成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムおよびそれを用いて得られる容器に関するものである。
上記課題を達成するするため、本発明の成形用二軸延伸フィルムは次の構成を有する。
すなわち、長手方向の延伸を2回以上に分割して行なった後に幅方向の延伸を行ない、長手方向の2回目の延伸温度を1回目の延伸温度より低い温度で行なう製造方法により得られるフィルムであって、主にポリ乳酸系樹脂からなる成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力および破断伸度が、下式(1)および(2)を満足することを特徴とする成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムである。
70≦F100a+F100b≦110…(1)
460≦La+Lb≦800 …(2)
ここで、F100aは60℃におけるフィルム長手方向の100%伸長時の応力(MPa)、F100bは60℃におけるフィルム幅方向の100%伸長時の応力(MPa)、Laは60℃におけるフィルム長手方向の破断伸度(%)、Lbは60℃におけるフィルム幅方向の破断伸度(%)を示す。
また、上記成形用二軸ポリ乳酸フィルムの好ましい態様として、フィルムの厚みが50〜500μmでフィルムヘイズが7%以下であること、フィルム長手方向および幅方向の70℃における貯蔵弾性率が1GPa以上3GPa以下であること、120℃におけるフィルムの長手方向および幅方向の熱収縮率が5%以下であること、フィルムのカルボキシル基末端濃度が30当量/103kg以下であることを特徴とする。
本発明の成形用二軸ポリ乳酸フィルムによれば、成形性を損なうことなく、成形して得られた容器の耐熱性、透明性が良好で、弁当容器など食品包装用容器として特に好適な成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得ることができる。
本発明のポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。上記他の共重合成分の共重合量は、全単量体成分に対し、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることがより好ましい。また、ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂を0〜30重量%混合して用いても良い。
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂は、適度な製膜、延伸適性および実用的な機械特性を満足させるため、重量平均分子量が5万以上、さらに好ましくは8万以上であることが好ましい。
なお、ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
また、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、取扱性、加工性、物性を調整する目的で、可塑剤、滑剤、無機粒子、有機粒子、熱安定剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を0.01〜10重量%含有させてもよい。
本発明の成形用二軸延伸フィルムは、良好な成形性と成形後の耐熱性を両立させるため、60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力および破断伸度が、下式(1)および(2)を満足することを特徴とする成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムである。
70≦F100a+F100b≦110 …(1)
460≦La+Lb≦800 …(2)
ここで、F100aは60℃におけるフィルム長手方向の100%伸長時の応力(MPa)、F100bは60℃におけるフィルム幅方向の100%伸長時の応力(MPa)、Laは60℃におけるフィルム長手方向の破断伸度(%)、Lbは60℃におけるフィルム幅方向の破断伸度(%)を示す。
本発明の成形用二軸延伸フィルムにおいては、成形性と耐熱性を満足するために、式(1)に示す通り60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力の和が70MPa以上110MPa以下、好ましくは80MPa以上100MPaで、なおかつ式(2)に示す通り60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の破断伸度の和が460%以上800%以下、好ましくは500%以上700%以下である必要がある。60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力の和が70MPaより小さい場合や60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の破断伸度の和が800%より大きい場合、フィルムを成形して得られる容器の耐熱性が劣ったものとなってしまい、60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力の和が110MPaより大きい場合や60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の破断伸度の和が460%より小さい場合は、成形性に劣ったフィルムとなってしまう。
ここで、式(1)および(2)を満足するためには、溶融押出して得られる無配向フィルムは二軸方向に延伸を行い、延伸後に定長で熱処理を行うことによって配向結晶化した二軸延伸フィルムとすることが必要であるが、成形性と耐熱性を両立するためには配向と結晶化を高度にバランスすることによって上記式(1)および(2)を満足することが重要である。
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムはフィルム長手方向および幅方向の70℃における貯蔵弾性率が1GPa以上3GPa以下、さらに好ましくは1.5GPa以上3GPa以下であることが好ましい。フィルム長手方向または幅方向の70℃における貯蔵弾性率が1GPaより小さい場合、フィルムを成形して得られる容器の耐熱性が低くなってしまい、高温、例えば60〜70℃で使用した場合に変形しやすくなってしまうため好ましくない。また、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムでは一般にフィルム長手方向または幅方向の70℃における貯蔵弾性率を3GPaより大きくすることは困難であるが、3GPaより大きな値となった場合、成形性に劣るフィルムになりやすい。
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムの厚さは好ましい成形性および容器の強度を得るためには、好ましくは50μm以上500μm、さらに好ましくは150μm以上300μm以下であることである。フィルム厚みが50μmより小さい場合は成形時にフィルム破れが発生しやすくなり成形性が悪化するだけでなく、成形できた場合でも容器強度が弱くなってしまうといった問題が発生しやすくなる。また、フィルム厚みが500μmより大きい場合は、成形前の加熱が長時間必要になってしまい、うまく成形できた場合でも脆くなりやすいといった問題が発生しやすくなる。
また、本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムは、フィルムを成形加工あるいは印刷加工等の加熱加工を行う際の寸法安定性や、成形品の寸法安定性の点から、120℃における30分加熱時の熱収縮率が、フィルムの長手方向(MD方向)、および幅方向(TD)ともに、5%以下であることが好ましい。より好ましくは−1〜4%、さらに好ましくは−0.5〜3%の範囲である。熱収縮率が大きいと印刷や成形などのフィルム加熱加工時にフィルムが大きく収縮したり、この範囲より小さいと加熱加工時にフィルムが伸びる場合があり、皺ができるなど工程トラブルや成形品の外観を悪化させてしまう。フィルムの熱収縮率を上記範囲とする方法については、特に限定されるものでないが、例えばフィルム製造工程においてあらかじめフィルムを10%以下の範囲で弛緩させながら120〜160℃程度のフィルムの融点以下の比較的高い温度で加熱処理(熱固定)する方法や、一度巻き取ったフィルムを加熱オーブン中で弛緩させながら120〜160℃程度の温度で熱処理をする方法などが挙げられる。
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムは、フィルムおよびこれを用いて得られる容器の分解による強度低下を抑制し耐熱性を良好とする点から、フィルムのカルボキシル基末端濃度が30当量/103kg以下であることが好ましく、より好ましくは20当量/103kg以下、さらに好ましくは10当量/103kg以下である。ポリ乳酸系樹脂中のカルボキシル基末端濃度が30当量/103kgを超える場合には、フィルムおよび容器が高温多湿条件下あるいは熱水との接触条件下で使用される際に加水分解により強度が低下し、容器などの成形品が脆くなり割れやすい等といった問題が発生する場合がある。
フィルムのカルボキシル基末端濃度を30当量/103kg以下とする方法としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂の合成時の触媒や熱履歴により制御する方法、フィルム製膜時の押出温度を低下あるいは滞留時間を短時間化する等熱履歴を低減する方法、反応型化合物を用いカルボキシル基末端を封鎖する方法等が挙げられる。
反応型化合物を用いカルボキシル基末端を封鎖する方法としては、フィルム中のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されていることが好ましく、全量が封鎖されていることがより好ましい。
また、反応型化合物としては、例えば、脂肪族アルコールやアミド化合物等の縮合反応型化合物やカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物等の付加反応型化合物が挙げられるが、反応時に余分な副生成物が発生しにくい点で付加反応型化合物が好ましい。
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムは、単層フィルムでも良いが、少なくとも2層以上からなる積層フィルムとして、少なくとも一方の表層における有機粒子および/または無機粒子の含有量を他の層よりも高くすることによってフィルム状態でのブロッキング防止、成形時の金型との離型性、容器形態での使用時に傷が付きにくくすることができる。
また、ブロッキング防止、帯電防止、離型性付与、耐傷付き性改良などの目的で、表面にコーティング機能層を設けることが有効であり、この機能層の形成には、成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムの製造工程内で行うインラインコーティング法、成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムの巻き取り後に行うオフラインコーティング法を用いることができる。
次に、本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムを製造する方法について説明する。
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムを製造する際には、主にポリ乳酸樹脂からなる樹脂を乾燥後押出機に供給し、無配向フィルムを得る。本発明の製造方法においては、上記のとおりにして得られた未延伸フィルムを二軸延伸する。この延伸は、インフレーション法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法などの既存の延伸フィルムの製造法により行うことができるが、成形性と耐熱性を両立するフィルムの配向状態を制御しやすいこと、また、製膜速度を高速にできることから逐次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸法を行う場合、Tダイから押し出したシートを金属冷却ロール上に静電印加して密着させ、無延伸フィルムを得、加熱ロールの周速差を用いてフィルム長手方向の延伸を行い、次いでクリップでフィルム両端を把持してテンター内でフィルム幅方向に延伸し、さらにクリップで幅方向に把持した状態で熱処理を行うテンター式逐次二軸延伸法が好ましく用いられる。
特に、テンター式逐次二軸延伸を行う場合の好ましい製膜方法を以下に示すが、これに限定されるものではない。
すなわち、例えば、減圧下、100〜150℃で3時間以上乾燥を行ったポリ乳酸系樹脂チップを押出機に供給し、リップ間隔2〜3mmのTダイより押出し、表面温度30〜40℃の金属製冷却ロール上に、直径0.5mmのワイヤー状電極を用いて静電印加して密着させ、無配向キャストフィルムを得る。こうして得られた無延伸フィルムを加熱ロール上を搬送することによって縦延伸を行う温度まで昇温する。
昇温には赤外線ヒーターなど補助的な加熱手段を併用しても良い。このようにして昇温した未配向フィルムを加熱ロール間の周速差を用いてフィルム長手方向に延伸を行うが、本発明の目的を達成するためには、長手方向の延伸を2回以上に分割して行い、2回目の延伸温度を1回目の延伸温度より低い温度で行うことが好ましい。具体的には長手方向の延伸を2回に分けて行い、1回目として75℃〜90℃で1.2〜1.8倍程度の延伸を行った後、2回目として1回目の延伸温度より1〜10℃程度低い温度で、2回の延伸全体で延伸倍率が2.2〜3.0倍、特に好ましくは2.2〜2.8倍となるように延伸を行うことが好ましい。
長手方向の延伸を段階的に行うことにより、フィルムの100%伸長時の応力および破断伸度を成形性と耐熱性とを両立する特定の範囲にすることが可能となることに加え、透明性の良好なフィルムを得られる点で特に好ましい。
長手方向の延伸を行った一軸延伸フィルムをいったん冷却した後、両端をクリップで把持してフィルム幅方向の延伸を行う。延伸温度に至るまで一定幅で昇温した後、75〜85℃で2.3〜3.0倍、好ましくは2.3〜2.8倍の倍率でフィルム幅方向に延伸し、一定幅もしくは0〜7%の弛緩処理を行いながら100〜150℃の範囲で熱処理を行う。フィルムの幅方向の性能差を低減するためには、長手方向の延伸温度よりも1〜15℃低い温度で幅方向の延伸を行うことが好ましく、続けて幅方向の延伸を行った後、熱処理を行う前にいったんフィルムを冷却することがさらに好ましい。
上記のような製造方法を採用することにより、上記した式(1)および(2)を満足する本発明にかかる成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得ることができる。特に、本発明において、フィルムの厚みを50〜500μm、フィルムヘイズを7%以下とするには、例えば、ポリ乳酸系樹脂に添加する無機粒子または有機粒子の含有量を0.08重量%以下とし、熱処理温度を100〜140℃の範囲とすることが好ましい。また、フィルム長手方向および幅方向の70℃における貯蔵弾性率を1GPa以上3GPa以下であるようにするには、縦方向および横方向の延伸温度を75〜85℃とすることによって、式(1)のF100a+F100bを80以上110以下にすることで達成することができる。ただし、上述の好ましい延伸温度および熱処理温度は、縦延伸と横延伸時の配向のバランス、配向と結晶化度のバランスが重要であるため、必ずしもこれに限定されるものではない。
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムは、真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト成型、ストレート成型、フリードローイング成型、プラグアンドリング成型、スケルトン成型等、従来から知られている各種成型法を用いて容器とした場合、高い耐熱性を有するといった利点があり、コンビニエンスストアや病院食として使用される弁当容器など食品包装用容器として特に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
[特性の測定方法]
(1)60℃における100%伸長時の応力、破断伸度
恒温槽を備えたオリエンテック社製TENSILON UCT−100を用いて、60℃における応力−歪み測定を行った。サンプルは、測定方向に長さ200mm、幅10mmの短冊状に切り出し、JIS K−7127に規定された方法にしたがって測定を行い、60℃におけるフィルム長手方向の100%伸長時の応力F100a(MPa)、60℃におけるフィルム幅方向の100%伸長時の応力F100b(MPa)、60℃におけるフィルム長手方向の破断伸度La(%)、60℃におけるフィルム幅方向の破断伸度Lb(%)を求めた。初期引張チャック間距離は、100mmとし、引張速度は、300mm/分とした。サンプルを変更して20回行い、平均値を用いた。
(2)ヘイズ
JIS K 6714−58に準じて、SEP−H−2系濁度計(日本精密光学社製)を用いてヘイズを測定した。
(3)70℃における貯蔵弾性率
セイコーインスツルメンツ社のDMS6100を用いて測定を行った。幅10mm、長さ20mmのサンプルを用い、引張モード、測定周波数1Hzで、25℃から100℃まで2℃/分で昇温中の粘弾性特性の測定を行い、70℃における貯蔵弾性率を求めた。
(4)フィルムの熱収縮率
長手方向に250mm、幅方向10mmにフィルム試料を切り出し、この試料を長さ方向に1gの荷重を加えて吊し、120℃の熱風オーブン内で30分間加熱処理した。加熱処理前後での標線間距離200mmの寸法変化量から熱収縮率(%)を求めた。幅方向の熱収縮率も同様にして測定した。なお、熱収縮率のマイナス(−)値はフィルムの伸びを示す。
(5)フィルム中のカルボキシル基末端濃度
フィルムを0.5g秤量し、o−クレゾール10mlに溶解した後、クロロホルム、ジクロロメタンを適量添加後、0.02規定のKOHメタノール溶液での滴定によりカルボキシル基末端濃度(当量/103kg)を測定した。
(6)成形性−1
絞り比0.7のカップ状の金型(金型温度:30℃)を用いて真空圧空成形を行った。150℃のヒーターを用いてフィルム温度が80℃になる様に昇温した後、真空圧空成形を行い、以下の基準で評価した。
同様にして、絞り比0.9のカップ状金型(金型温度:50℃)、180℃のヒーターを用いてフィルム温度が120℃となるようにして、真空圧空成形を行い評価した。
○:成形できた。
△:成形できたが、コーナー部が戻ったため角部が丸くなった。
×:成形できず破れた。
(7)成形性−2成形後の容器のヘイズ
成形性評価で得られた絞り比0.7の容器の底部を切り出し、JIS K 6714−58に準じて、SEP−H−2系濁度計(日本精密光学社製)を用いてヘイズを測定した。ヘイズ10%以上を不良と判定した。
(8)耐熱性−1
成形性評価で得られた絞り比0.7の容器に70℃のお湯を注ぎ、熱変形の度合いを目視で以下の基準で評価した。
○:ほとんど変形が見られない。
△:熱変形するが、自立しお湯がこぼれない。
×:熱変形が大きく、自立できずお湯がこぼれる。
(9)耐熱性−2
フィルムを110℃の加圧温水中で30分間処理した後、長さ200mm、幅10mmの短冊状に切り出し、オリエンテック社製TENSILON UCT−100を用いて、23℃にて引張試験を行い、破断強度(MPa)を測定した。初期引張チャック間距離は、100mmとし、引張速度は、300mm/分とした。フィルムの長手方向、幅方向について、測定を行い、平均値を用いて、以下の基準で評価した。
◎:破断強度が100MPa以上。
○:破断強度が70MPa以上、100MPa未満。
△:破断強度が50MPa以上、70MPa未満。
×:破断強度が50MPa未満。

(脂肪族ポリエステル樹脂の準備)
・脂肪族ポリエステル樹脂A:重量平均分子量約20万のL−ポリ乳酸(融点170℃)を用いた。
・脂肪族ポリエステル樹脂B:脂肪族ポリエステル樹脂Aに対し、公知の二軸押出機を用いて200℃でシリカ粒子(富士シリシア化学(株)製サイリシア)を添加量が3.0重量%となるように混練し、マスターペレットとした。
(実施例1)
脂肪族ポリエステル樹脂Aと脂肪族ポリエステル樹脂Bを各々120℃、5時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、脂肪族ポリエステル樹脂Aを98重量%、脂肪族ポリエステル樹脂Bを2重量%の割合で混合して用いた。混合した原料チップを押出機に供給し、Tダイ口金温度200℃でフィルム状に押し出し、30℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィルムを作製した。連続して加熱ロール間で2回に分けてフィルム長手方向の延伸を行った。1回目の延伸は88℃で1.5倍、2回目の延伸は85℃で1.7倍とした。この一軸延伸フィルムをいったん冷却ロール上で冷却した後、両端をクリップで把持してテンター内に導き、78℃の温度で加熱しつつ横方向に2.5倍延伸し、幅方向に固定した状態で140℃、10秒間の熱処理を行い、厚さ150μmの二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た(製膜条件を表1に示す)。
得られたフィルムのフィルム特性は表2に示した通りであり、成形性、成形後の容器の耐熱性に優れたフィルムであった。
(実施例2、3、比較例1、2)
製膜条件を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
実施例2、3のフィルムは式(1)、(2)を満足し良好な成形性、耐熱性を有するが、比較例1のフィルムは式(1)の上限、式(2)の下限を外れ成形性の劣るものであり、比較例2のフィルムは式(1)の下限を外れ耐熱性の劣るものであった。
(実施例4)
押出温度を190℃とし、延伸後の熱処理を弛緩させつつ施したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た。得られたフィルム特性は表2に示した通りであり、成形性、成形後の耐熱性に優れたものであった。
(実施例5)
脂肪族ポリエステル樹脂Aを98.5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂Bを1重量%、末端封鎖剤としてビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド0.5重量%を混合して用い、表1に示したとおり、製膜条件を変更すること以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た。得られたフィルム特性は表2に示した通りであり、成形性、成形後の耐熱性に優れたものであった。
(比較例3)
実施例1と同様にして得られた未延伸フィルムを長手方向に70℃で2.5倍にロール延伸し、次いでテンター内で幅方向に70℃で2.5倍に延伸し、テンター内で160℃、25秒間熱処理して、厚み300μmの二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た。このフィルムは式(1)の上限、式(2)の下限を外れ成形性の劣るものであった。
(比較例4)
押出温度を230℃とし、製膜条件を表1のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た。このフィルムは、式(1)
の下限を外れ、耐熱性の劣るものであった。また、加圧温水処理後の強度も不十分であった。
Figure 0004543743
Figure 0004543743
本発明の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムは、真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト成型、ストレート成型、フリードローイング成型、プラグアンドリング成型、スケルトン成型等、従来から知られている各種成型法を用いて容器とした場合、高い耐熱性を有するといった利点があり、コンビニエンスストアや病院食として使用される弁当容器など食品包装用容器として特に好適な成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、有用である。

Claims (7)

  1. 長手方向の延伸を2回以上に分割して行なった後に幅方向の延伸を行ない、長手方向の2回目の延伸温度を1回目の延伸温度より低い温度で行なう製造方法により得られるフィルムであって、
    主にポリ乳酸系樹脂からなる成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、
    60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力および破断伸度が、下式(1)および(2)を満足することを特徴とする成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルム。
    70≦F100a+F100b≦110…(1)
    460≦La+Lb≦800…(2)
    ここで、F100aは60℃におけるフィルム長手方向の100%伸長時の応力(MPa)、F100bは60℃におけるフィルム幅方向の100%伸長時の応力(MPa)、Laは60℃におけるフィルム長手方向の破断伸度(%)、Lbは60℃におけるフィルム幅方向の破断伸度(%)を示す。
  2. フィルムの厚みが50〜500μm、フィルムヘイズが7%以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルム。
  3. フィルム長手方向および幅方向の70℃における貯蔵弾性率が1GPa以上3GPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルム。
  4. 120℃におけるフィルムの長手方向および幅方向の熱収縮率が5%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルム。
  5. フィルムのカルボキシル基末端濃度が30当量/103kg以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルム。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムを加熱成形して得られることを特徴とする容器。
  7. 主にポリ乳酸系樹脂からなる成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、60℃におけるフィルム長手方向及び幅方向の100%伸長時の応力および破断伸度が、下式(1)および(2)を満足し、フィルム長手方向および幅方向の70℃における貯蔵弾性率が1GPa以上3GPa以下であることを特徴とする成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムの製造方法であって、
    長手方向の延伸を2回以上に分割して行なった後に、幅方向の延伸を行なう製造方法であり、
    長手方向の2回目の延伸温度を1回目の延伸温度より低い温度で行なうことを特徴とする、成形用二軸延伸ポリ乳酸フィルムの製造方法。
    70≦F100a+F100b≦110…(1)
    460≦La+Lb≦800…(2)
    ここで、F100aは60℃におけるフィルム長手方向の100%伸長時の応力(MPa)、F100bは60℃におけるフィルム幅方向の100%伸長時の応力(MPa)、Laは60℃におけるフィルム長手方向の破断伸度(%)、Lbは60℃におけるフィルム幅方向の破断伸度(%)を示す。
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