JP4382442B2 - 壁紙用樹脂シート及び該シートを用いてなる壁紙 - Google Patents

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Description

本発明は、壁紙用樹脂シート及び該シートを用いてなる壁紙に関する。さらに詳しくは、本発明は、良好な艶消し外観を有すると共に、艶消し材を高添加しても、破断がなく製膜が可能であり、かつ耐候性試験において黄変現象がなく、さらに厚さが比較的厚くてもエンボス転写性に優れる壁紙用樹脂シート、及びこの樹脂シートを用いてなる壁紙に関するものである。
従来、壁紙は、壁紙用原紙に発泡塩化ビニル樹脂層を設け、さらにその上に汚染防止フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物)フィルムをラミネート加工したものが多用されていた。しかしながら、この場合、該エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムを発泡塩化ビニル樹脂層上にラミネート加工するのに、ホットメルト剤を必要とし、壁紙製造における作業効率が悪いという問題があった。
一方、発泡塩化ビニル樹脂層上に、ホットメルト剤を用いずに加熱ラミネート加工により積層し得る、非結晶性ポリエステル樹脂を使用した壁紙用樹脂シートが知られている。この壁紙用樹脂シートは、一般に押出し成形により製造され、そして、光沢の低い艶消し外観を付与するために、押出し機にて製膜する際に、艶消し用のエンボスロールを使用し、その表面の凹凸形状を該シートに転写することが行われている。
このようにして製造された艶消しの壁紙用樹脂シートを、加熱ラミネート加工により、発泡塩化ビニル樹脂層や、印刷層を設けたプラスチックフィルムに積層して壁紙を製造しようとすると、加熱加工温度が100〜160℃であるために、エンボス加工された艶消しシートは、表面の凹凸が流されて光沢が上昇し、艶消し外観が失われるという問題が生じる。
このために、壁紙用としてふさわしい艶消し外観を有し、加熱ラミネート加工してもその外観を保持することができる壁紙用樹脂シートが求められていた。
したがって、本発明者らは、このような要望にこたえるべく研究を重ね、先に、完全非晶性ポリエステル樹脂に、艶消し材として、共役ジエン系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニル系化合物をグラフト重合して得られたグラフト重合体、及び/又はアクリル系ゴムを配合してなる樹脂組成物を成形して得られた壁紙用樹脂シートを見出した(例えば特許文献1参照)。
この壁紙用樹脂シートは、壁紙用としてふさわしい艶消し外観を有し、しかも160℃程度の温度に加熱しても、その外観を保持することができるなどの好ましい性質を有するものである。しかしながら、高い艶消し外観を得ようとして、艶消し材を高添加すると、製膜時にシートが破断することがあり、また耐候性試験において黄変現象がみられ、さらにシートを厚くするとエンボス転写性が不十分となるなどの問題が生じ、必ずしも十分に満足し得るものであるとはいえなかった。
特開2001−247753号公報
本発明は、このような事情のもとで、良好な艶消し外観を有すると共に、艶消し材を高添加しても、破断がなく、製膜が可能であり、かつ耐候性試験において黄変現象がなく、さらに厚さが比較的厚くてもエンボス転写性に優れる壁紙用樹脂シート、及びこの樹脂シートを用いてなる壁紙を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記の優れた性能を有する壁紙用樹脂シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と、特定の組成を有する共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、特定の艶消し材とをそれぞれ所定の割合で含む樹脂組成物を成形して得られた樹脂シートが、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び(a−2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、又は(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂のみと、その50〜99重量%に対して、(B)(b−1)アクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合して得られるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子、及び/又は(b−2)アクリル系樹脂とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルがグラフト重合して得られるアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする壁紙用樹脂シート、
(2)(X)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂が61〜99重量%、及び(a−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が1〜39重量%である樹脂成分と、該(X)樹脂成分50〜99重量%に対して、(B)(b−1)アクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合して得られるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする壁紙用樹脂シート、
(3)(Y)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂が61〜98重量%、(a−2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂が1〜38重量%、及び(a−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が1〜38重量%である樹脂成分と、該(Y)樹脂成分50〜99重量%に対して、(B)(b−2)アクリル系樹脂とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルがグラフト重合して得られるアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする壁紙用樹脂シート、
(4)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂が、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂である第1項ないし第3項のいずれかに記載の壁紙用樹脂シート、
(5)厚さが5〜100μmである第1項ないし第4項のいずれかに記載の壁紙用樹脂シート、
(6)紙製の下地に発泡性塩化ビニルペーストを塗布したもの、又は紙製の下地に塗布した発泡塩化ビニルペースト上に印刷をほどこしたものの表面に第1項ないし第5項のいずれかに記載の壁紙用樹脂シートを、加熱ラミネート加工により積層してなることを特徴とする壁紙、及び
(7)プラスチックフィルムの一方の面に印刷層を設け、第1項ないし第5項のいずれかに記載の壁紙用樹脂シートを加熱ラミネート加工により積層し、プラスチックフィルムの他方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴とする壁紙、
を提供するものである。
本発明によれば、良好な艶消し外観を有すると共に、艶消し材を高添加しても、破断がなく製膜が可能であり、かつ耐候性試験において黄変現象がなく、さらに厚さが比較的厚くてもエンボス転写性に優れる壁紙用樹脂シート、及びこの樹脂シートを用いてなる壁紙を提供することができる。
本発明の壁紙用樹脂シートは、特定の樹脂組成物を成形してなるものであって、該樹脂組成物の種類によって、壁紙用樹脂シートI、II及びIIIの3種の態様がある。
すなわち、樹脂組成物が、壁紙用樹脂シートIにおいては、(A)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び/又は(a−2)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、(B)特定の艶消し材を必須成分として含むものであり、壁紙用樹脂シートIIにおいては、(X)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び(a−3)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、(B)特定の艶消し材を必須成分として含むものであり、壁紙用樹脂シートIIIにおいては、(Y)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(a−2)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂及び(a−3)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、(B)特定の艶消し材を必須成分として含むものである。
次に、前記各成分について説明する。
本発明の壁紙用樹脂シートI、II及びIIIにおける樹脂組成物に用いられる(a−1)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、特に制限はなく、(1)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるポリブチレンテレフタレート樹脂、(2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸とイソフタル酸との混合物、例えばテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸30〜5モル%との混合物であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールとポリテトラメチレングリコールとの混合物、例えば1,4−ブタンジオール70〜90重量%とポリテトラメチレングリコール30〜10重量%との混合物であるポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂などを用いることができる。これらの中で、エンボス密着性やエンボス転写性などの面から、前記(2)のイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂が好適である。
この(a−1)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の壁紙用樹脂シートI及びIIIにおける樹脂組成物に用いられる(a−2)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満との混合物である。
この(a−2)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂における1,4−シクロヘキサンジメタノール成分の一部をエチレングリコールで置き換えてなるエチレングリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂である。このようにポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂を変性することにより、該ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂の非晶性化や軟質化、あるいは特定の物性の向上などを図ることができる。
当該(a−2)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂においては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸以外の成分を、5モル%以下程度の割合で用いることができる。前記テレフタル酸以外の成分としては、例えばアジピン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジブロモテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸等を挙げることができる。
また、ジオール成分として、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の成分を、5モル%以下程度の割合で用いることができる。前記エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の成分としては、例えばネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環式ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキシド付加物、4,4'−スルホニルビスフェノールのエチレンオキシド付加物、1,4−ジヒドロキシベンゼンのエチレンオキシド付加物などの芳香族ジオール等を挙げることができる。
当該(a−2)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、例えばジカルボン酸単位としてテレフタル酸単位を、ジオール単位として、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位とエチレングリコール単位とを有するグリコール変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(略称PCTG)などを好ましく挙げることができる。
この(a−2)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の壁紙用樹脂シートII及びIIIにおける樹脂組成物に用いられる(a−3)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満との混合物である。
この(a−3)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂におけるエチレングリコール成分の一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置き換えてなる1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂である。このようにポリエチレンテレフタレート樹脂を変性することにより、該ポリエチレンテレフタレート樹脂の非晶性化や軟質化、あるいは特定の物性の向上などを図ることができる。
当該(a−3)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂においては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸以外の成分を、5モル%以下程度の割合で用いることができる。前記テレフタル酸以外の成分としては、前述の(a−2)成分の樹脂の説明において、テレフタル酸以外の成分として例示した成分と同じものを挙げることができる。また、ジオール成分として、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の成分を、5モル%以下程度の割合で用いることができる。前記エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の成分としては、前述の(a−2)成分の樹脂の説明において、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の成分として例示した成分と同じものを挙げることができる。
当該(a−3)成分の樹脂としては、完全非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を好ましく用いることができる。この完全非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、加熱処理を行っても結晶化による物性の変化を起こすことがなく、結晶性を全く有しないポリエチレンテレフタレート系樹脂である。ポリエチレンテレフタレート系樹脂が結晶性を有しないことは、示差走査熱量計を用いる熱分析において、結晶化にもとづく発熱ピークを示さないこと、及び、加熱しても外観的に白濁ないし白化を生じないことによって確認することができる。このような完全非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸単位としてテレフタル酸単位を、ジオール単位としてエチレングリコール単位と、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位とを有するグリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(略称PETG)などが知られている。
この(a−3)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記の(a−1)成分、(a−2)成分及び(a−3)成分のポリエステル樹脂は、公知のポリエステル樹脂の製造方法、すなわち、ジカルボン酸成分とジオール成分とを直接重縮合させる方法、あるいは、ジカルボン酸低級アルキルエステルとジオールとをエステル交換させる方法などによって製造することができる。
本発明の壁紙用樹脂シートI、II及びIIIにおける樹脂組成物においては、(B)成分の艶消し材として、(b−1)アクリル系グラフト共重合体ゴム粒子及び/又は(b−2)アクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子が用いられる。
前記(b−1)成分のアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子は、アクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合して得られるグラフト共重合体ゴム粒子である。該アクリル系ゴム粒子としては、例えば炭素数2〜8のアルキル基又はシクロアルキル基を有するアクリル酸エステル、及び所望により用いられる共重合可能な単量体や架橋性単量体を重合させて得られた粒子を挙げることができる。
前記のアクリル系ゴム粒子の原料として用いられる炭素数2〜8のアルキル基又はシクロアルキル基を有するアクリル酸エステルの例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、原料として所望により用いられる共重合可能な単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、クロロスチレン、芳香族ビニリデン類などの芳香族ビニル系化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル系化合物などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、原料として所望により用いられる共重合可能な架橋性単量体の例としては、2個以上の反応性の等しい二重結合を有する単量体、具体的にはジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニル単量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレートなどを、さらには2−クロロエチルビニルエーテルなどの含ハロゲンビニル系化合物、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルビニル系化合物、エチリデンノルボルネンなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記アクリル系ゴム粒子は、アクリル酸エステル単位55〜100重量%、芳香族ビニル系化合物単位0〜45重量%及び他の共重合可能な単量体単位0〜45重量%を有する共重合体であることが好ましい。なお、架橋性単量体は、必要に応じて適宜選択することができ、その使用量は通常は少量である。このアクリル系ゴム粒子の製造は、公知の重合方法により行うことができる。このアクリル系ゴム粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。
本発明において、(b−1)成分として用いられるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子は、前記のようにして得られたアクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合することにより、得ることができる。ここで、アクリル系ゴム粒子にグラフト重合させる(メタ)アクリル酸エステルについては特に制限はないが、炭素数が1〜8のアルキル基又はシクロアルキル基を有するエステルが好適であり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどを挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、メタクリル酸メチルを特に好適に用いることができる。
また、該アクリル系ゴム粒子に、前記(メタ)アクリル酸エステルと共にグラフト重合させるシアン化ビニル系化合物については特に制限はなく、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にアクリロニトリルが好適である。また、本発明においては、該アクリル系ゴム粒子に、さらに他の単量体をグラフト重合することができる。また、グラフト重合に際して、少量の架橋性単量体を用いることもできる。
本発明において、該アクリル系ゴム粒子にグラフト重合させる単量体は、その50重量%以上が(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。該アクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合させる方法については特に制限はなく、例えば、シード乳化重合法などの公知の方法を用いてグラフト重合することができる。本発明においては、このようにして得られたアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子中のアクリル系ゴム粒子の割合は、40〜90重量%であることが好ましい。このグラフト共重合体ゴム粒子のグラフト成分のガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましい。
本発明においては、この(b−1)成分のアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(b−2)成分のアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子は、アクリル系樹脂とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合して得られるグラフト共重合体ゴム粒子である。前記アクリル系樹脂とオリガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子としては、例えば炭素数1〜8のアルキル基又はシクロアルキル基を有するアクリル酸エステル及び所望により用いられる他の単量体や架橋性単量体を、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのオルガノポリシロキサンの存在下に重合させて得られたグラフト共重合体粒子又はブロック共重合体粒子を挙げることができる。
前記複合ゴム粒子の原料として用いられる炭素数1〜8のアルキル基又はシクロアルキル基を有するアクリル酸エステルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、原料として所望により用いられる他の単量体や架橋性単量体としては、前述の(b−1)成分におけるアクリル系ゴム粒子の説明において例示した化合物と同じものを挙げることができる。
この複合ゴム粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。
本発明において、(b−2)成分として用いられるアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子は、前記のようにして得られた複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合することにより、得ることができる。ここで、複合ゴム粒子にグラフト重合させるシアン化ビニル系化合物については、前述の(b−1)成分であるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子の説明において例示したものと同じものを用いることができる。芳香族ビニル系化合物としては、特に制限はなく、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレンなど、あるいは、これらの核置換誘導体、例えば、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、クロロスチレン、芳香族ビニリデン類などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にスチレンが好適である。
一方(メタ)アクリル酸エステルについては、前述の(b−1)成分のアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子の説明において例示したものと同じものを用いることができる。
本発明においては、このグラフト重合に際して、少量の架橋性単量体を用いることができる。また、複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合させる方法については、特に制限はなく、例えば、シート乳化重合法など公知の方法を用いてグラフト重合させることができる。本発明においては、このようにして得られたアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子中の複合ゴム粒子の割合は、40〜90重量%であることが好ましい。このグラフト共重合体ゴム粒子のグラフト成分のガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましい。
本発明においては、この(b−2)成分のアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の壁紙用樹脂シートI、II及びIIIにおいては、(B)成分の艶消し材として、前記(b−1)成分のアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子を用いてもよいし、(b−2)成分のアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子を用いてもよく、あるいはその両方を併用してもよい。上記(b−1)成分のアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子及び(b−2)成分のアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子は、適度の柔軟性を有すると共に、耐候性に優れ、艶消し材として好適な性能を有している。
次に、本発明の壁紙用樹脂シートに用いられる樹脂組成物における各成分の配合割合について説明する。
本発明の壁紙用樹脂シートIにおいては、(A)樹脂成分として(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び/又は(a−2)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂が用いられる。また、壁紙用樹脂シートIIにおいては、(X)樹脂成分として(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂61〜99重量%及び、(a−3)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂1〜39重量%からなる混合樹脂が用いられる。(a−1)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂と(a−3)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の割合を上記範囲とすることで、製膜性、エンボス転写性、エンボス密着性などの良好な壁紙用樹脂シートが得られる。(a−1)成分と(a−3)成分の好ましい割合は、(a−1)成分70〜90重量%で、(a−3)成分10〜30重量%である。
さらに、壁紙用樹脂シートIIIにおいては、(Y)樹脂成分として、(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂61〜98重量%、(a−2)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂1〜38重量%及び(a−3)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂1〜38重量%からなる混合樹脂が用いられる。(a−1)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂と(a−2)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂と(a−3)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の割合を上記範囲とすることで、製膜性、エンボス転写性、エンボス密着性などの良好な壁紙用樹脂シートが得られる。(a−1)成分と(a−2)成分と(a−3)成分の好ましい割合は、(a−1)成分68〜94重量%、(a−2)成分3〜29重量%、(a−3)成分3〜29重量%である。
本発明の壁紙用樹脂シートI、II及びIIIにおいては、それぞれ前記(A)樹脂成分、(X)樹脂成分及び(Y)樹脂成分50〜99重量%に対し、(B)成分の艶消し材として、(b−1)成分であるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子、及び/又は(b−2)成分であるアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%が用いられる。各樹脂成分と(B)成分の艶消し材の割合を上記の範囲にすることで、艶消し効果に優れると共に、所望の他の物性が維持された壁紙用樹脂シートが得られる。樹脂成分と(B)成分の艶消し材の好ましい割合は、樹脂成分60〜95重量%で、(B)成分5〜40重量%であり、より好ましくは樹脂成分65〜90重量%で、(B)成分10〜35重量%である。
本発明の壁紙用樹脂シートに用いる樹脂組成物には、所望により、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤を含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、難燃剤、離型剤、耐候性安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、着色剤、界面活性剤、補強剤、充填剤などを挙げることができる。滑剤を含有させることにより、加工性を向上することができる。滑剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、パラフィンなどの炭化水素系滑剤、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、複合型ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、リシノールアミド、ベヘンアミド、メチロールアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロベヘンアミド、高級脂肪酸のビスアミド酸、ステアロアミド、複合型アミドなどの脂肪族アマイド系滑剤、ステアリン酸n−ブチル、ヒドロキシステアリン酸メチル、多価アルコール脂肪酸エステル、飽和脂肪酸エステル、エステル系ワックスなどの脂肪族エステル系滑剤、脂肪酸金属石鹸系族滑剤などを挙げることができる。これらの中で、炭化水素系及び脂肪族エステル系滑剤を好適に用いることができ、脂肪族エステル系滑剤を特に好適に用いることができる。
本発明の壁紙用樹脂シートの製造方法については特に制限はなく、例えば、前記のようにして得られた樹脂組成物をTダイ押出機、カレンダー成型機などを用いて製膜する方法を用いることができる。本発明の壁紙用樹脂シートの厚さは5〜100μmの範囲が好ましい。シートの厚さが5μm未満では製膜時にシート切れが生じやすい上、壁紙を製造する際の作業性が悪くなるおそれがあり、一方、シートの厚さが100μmを超えるとエンボス転写性が低下したり、シートの表面光沢が強くなりすぎるおそれがある。したがって、より好ましいシートの厚さは10〜60μmであり、特に10〜50μmの範囲が好ましい。本発明の壁紙用樹脂シートは、光沢の消えた外観となり、エンボス加工や熱貼りにより光沢が上昇することがなく、光沢の消えた艶消し壁紙用樹脂シートとして好適に用いることができる。
本発明の壁紙の第1の態様は、紙製の下地に発泡性塩化ビニルペーストを塗布し、その表面に本発明の壁紙用樹脂シートを、加熱ラミネート加工により積層したものである。この場合、該壁紙用樹脂シートの一方の面に印刷層を設けることができる。図1は、本発明の壁紙の一態様の模式的断面図である。紙製の下地1に発泡性塩化ビニルペースト2が塗布され、その表面に壁紙用樹脂シート3が加熱ラミネート加工により積層されている。
本発明の壁紙の第2の態様は、プラスチックフィルムの一方の面に印刷層を設け、本発明の壁紙用樹脂シートを加熱ラミネート加工により積層し、プラスチックフィルムの他方の面に粘着剤層を設けたものである。図2は、本発明の壁紙の他の態様の模式的断面図である。プラスチックフィルム4の一方の面に印刷層5が設けられ、壁紙用樹脂シート3が加熱ラミネート加工により積層され、プラスチックフィルムの他方の面に粘着剤層6が設けられている。粘着剤層は、さらに離型紙などにより覆うことが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例においては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、アクリル系グラフト共重合体ゴム粒子、アクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子、MBS樹脂粒子として、以下に示すものを用いた。
(1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂
・rcoPBT:「ジュラネックス500LP」、ポリプラスチック社製、登録商標名、ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート。
・PBT:「トレコン1200S」、東レ社製、登録商標名、ポリブチレンテレフタレート樹脂
(2)共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂
・PCTG:「EASTAR 5445」、イーストマン・ケミカル社製、登録商標名、テレフタル酸単位をジカルボン酸単位とし、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位とエチレングリコール単位とのモル比60:40の混合単位をジオール単位とするポリエステル共重合体。
・PETG:「EASTAR 6763」、イーストマン・ケミカル社製、登録商標名、テレフタル酸単位をジカルボン酸単位とし、エチレングリコール単位と1,4−シクロヘキサンジメタノール単位とのモル比70:30の混合単位をジオール単位とするポリエステル共重合体。
(3)アクリル系グラフト共重合体ゴム粒子
・「カネエースFM−21」、鐘淵化学工業社製、登録商標名、アクリル酸ブチル重合体粒子に(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合させたグラフト共重合体粒子、平均粒子径0.05〜0.3μm。
・「カネエースFM」、鐘淵化学工業社製、登録商標名、アクリル酸ブチル重合体粒子に(メタ)アクリル酸エステルとアクリロニトリルをグラフト重合させたグラフト共重合体、平均粒子径0.05〜0.1μm。
・「メタブレンW300A」、三菱レイヨン社製、登録商標名、アクリル酸ブチル重合体粒子に(メタ)アクリル酸エステルとスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体粒子、平均粒子径0.05〜0.5μm。
(4)アクリルシリコーン系共重合体ゴム粒子
・「メタブレンSX006」三菱レイヨン社製、登録商標名、アクリル酸ブチル重合体とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子にアクリロニトリルとスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体ゴム粒子、平均粒子径0.05〜0.2μm。
・「メタブレンS−2001」三菱レイヨン社製、登録商標名、アクリル酸ブチル重合体とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合させたグラフト共重合体ゴム粒子、平均粒子径0.05〜0.5μm。
(5)MBS樹脂粒子
・「カネエースB−31」、鐘淵化学工業社製、登録商標名、スチレン−ブタジエンゴム粒子に、(メタ)アクリル酸エステルとスチレンをグラフト重合したグラフト共重合体粒子、平均粒子径0.05〜0.5μm。
また、実施例及び比較例において、壁紙用樹脂シートの特性は、下記の方法により測定した。
(1)シートの厚さ
JIS K 7130にしたがって測定する。
(2)表面光沢値
JIS K 7105に準じ、60度光沢計を用いて、表面光沢値を測定する。
(3)製膜時のフィルム切れ
L/D28のフルフライト型スクリューを装着した40mm押出機[池貝鉄工(株)]を用い、600mm幅のTダイのリップ巾を0.4mmに調整して製膜を行った。温度条件は、シリンダー温度230℃、ダイス温度230℃とし、製膜速度は24m/minとした。この条件にて厚み10μmのシートを製膜し、巾30cmにスリットして巻き取った。巻き取り機のターレット旋回時のフィルムの切れやすさを下記の基準にて評価した。
○:ターレット旋回時にフィルムが全く切れない。
×:ターレット旋回時にフィルムが切れる。
(4)製膜時のフィルムの穴あき
上記製膜時のフィルムの穴あきを下記の基準にて評価した。
○:フィルムの穴あきがない。
×:フィルムの穴あきがある。
(5)エンボス転写性
ダブリング装置[(株)川上鉄鋼所]において、温度150℃の加熱ドラムと冷却ドラムの中間に、温度80℃の金属製彫刻ロールと半硬質ゴムで被覆した圧ロールからなるエンボスロールを設置する。上記40mmTダイ押出機製膜で得られた10μm厚の壁紙用樹脂シートを上地として、下地150μm厚の塩ビゾルシートとの皮シボ模様のエンボス加工をエンボス圧力0.3kg、ライン速度5m/minの条件で行う。エンボス加工によって得られた積層樹脂シートについて、エンボス転写性を目視により観察し、下記の基準により判定する。
○:エンボスの転写が良好である。
△:エンボスの転写性が十分ではない。
×:エンボスの転写性が悪い。
(6)エンボス密着性
上記エンボス加工によって得られた積層樹脂シートの密着性について下記の基準により判定する。
○:エンボス後の密着性が良好である。
△:エンボス後の密着性が十分ではない。
×:エンボス後の密着性が悪い。
(7)耐候性
サンシャインウェザーメーター[スガ試験機(株)、型名:S−300]において、放電電圧50V、放電電流60A、ブラックパネル温度63℃、槽内湿度50%、1サイクル時間120min(降雨時間18min)の条件で36時間照射を行い、更に40℃×95%RHの恒温恒湿槽に7日間放置後、黄変を目視で下記の基準にて評価する。
○:黄変していない
×:著しく黄変している。
実施例1
ポリブチレンフタレート系樹脂「ジュラネックス500LP」50重量部、PCTG「EASTAR 5445」20重量部、アクリル系グラフト共重合体ゴム粒子「カネエースFM−21」30重量部を配合してドライブレンドし、樹脂組成物を調製した。次いで、この樹脂組成物を、40mmTダイ押出機と200メッシュシボロールを用いて、シリンダー温度230℃、ダイス温度230℃、製膜速度24m/minで製膜し、厚さ10μmの壁紙用樹脂シートを得た。この壁紙用樹脂シートの表面光沢値は15%であり、製膜時のフィルムの切れはみられず、また製膜時のフィルムの穴あきは、なかった。
上地として、上記40mmTダイ押出機製膜で得られた10μmの壁紙用樹脂シートを繰り出し、ダブリング装置[(株)川上鉄鋼所]の加熱ドラムに密着させ、下地150μm厚塩ビゾルシートを繰り出して加熱ドラム上の上地と圧着して積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。上地壁紙用樹脂シートのエンボス転写性及びエンボス密着性は良好であった。
また、10μm厚の壁紙樹脂シートの耐候性試験において、黄変は見られなかった。
実施例2〜10
実施例1と同様にして、第1表に示す配合組成の樹脂組成物を調製し、壁紙用樹脂シートを作製した。特性の評価結果を第1表に示す。
Figure 0004382442
比較例1〜5
実施例1と同様にして、第2表に示す配合組成の樹脂組成物を調製し、壁紙用樹脂シートを作製した。特性の評価結果を第2表に示す。
Figure 0004382442
第1表から分かるように、本発明の壁紙用樹脂シート(実施例1〜10)は、表面光沢値、製膜時のフィルムの切れ、製膜時のフィルムの穴あき、エンボス転写性、エンボス密着性、耐候性が良好で、物性バランスに優れている。また、第2表から分かるように、比較例の壁紙用樹脂シートは、上記物性のいずれか1つ以上が不良であり、物性バランスに劣る。
本発明の壁紙用樹脂シートは、良好な艶消し外観を有すると共に、艶消し材を高添加しても、破断がなく製膜が可能であり、かつ耐候性試験において黄変現象がなく、さらに厚さが比較的厚くてもエンボス転写性に優れており、光沢の抑制された艶消し壁紙を提供することができる。
本発明の壁紙の一態様の模式的断面図である。 本発明の壁紙の他の態様の模式的断面図である。
符号の説明
1 紙製の下地
2 発泡性塩化ビニルペースト
3 壁紙用樹脂シート
4 プラスチックフィルム
5 印刷層
6 粘着剤層

Claims (7)

  1. (A)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び(a−2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、又は(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂のみと、その50〜99重量%に対して、(B)(b−1)アクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合して得られるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子、及び/又は(b−2)アクリル系樹脂とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルがグラフト重合して得られるアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする壁紙用樹脂シート。
  2. (X)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂が61〜99重量%、及び(a−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が1〜39重量%である樹脂成分と、該(X)樹脂成分50〜99重量%に対して、(B)(b−1)アクリル系ゴム粒子に(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルとシアン化ビニル系化合物をグラフト重合して得られるアクリル系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする壁紙用樹脂シート。
  3. (Y)(a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂が61〜98重量%、(a−2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂が1〜38重量%、及び(a−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が1〜38重量%である樹脂成分と、該(Y)樹脂成分50〜99重量%に対して、(B)(b−2)アクリル系樹脂とオルガノポリシロキサンとからなる複合ゴム粒子にシアン化ビニル系化合物と芳香族ビニル系化合物、又は(メタ)アクリル酸エステルがグラフト重合して得られるアクリルシリコーン系グラフト共重合体ゴム粒子1〜50重量%からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする壁紙用樹脂シート。
  4. (a−1)ポリブチレンテレフタレート系樹脂が、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の壁紙用樹脂シート。
  5. 厚さが5〜100μmである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の壁紙用樹脂シート。
  6. 紙製の下地に発泡性塩化ビニルペーストを塗布したもの、又は紙製の下地に塗布した発泡塩化ビニルペースト上に印刷をほどこしたものの表面に請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の壁紙用樹脂シートを、加熱ラミネート加工により積層してなることを特徴とする壁紙。
  7. プラスチックフィルムの一方の面に印刷層を設け、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の壁紙用樹脂シートを加熱ラミネート加工により積層し、プラスチックフィルムの他方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴とする壁紙。
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