JP3645640B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形加工性、特にエンボス加工性に優れたポリエステルフイルムをポリ塩化ビニル基材に積層してなる、特に壁紙に用いた際に耐汚染性に優れた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
家屋の壁の表面仕上げ材として、従来、無機材料、有機材料が用いられてきたが、近年は室内壁の表面にいわゆる壁紙が用いられることが多くなってきている。壁紙の材料も多様化しているが、壁紙の一般的な欠点は汚れやすく、また一度汚れるとなかなか綺麗にできないことである。
【0003】
ポリ塩化ビニルは物性に優れている、加工性がよい、安価である等の理由であらゆる分野で使用されており、シートあるいはフイルムとしても広く使われている。
【0004】
しかしながら、ポリ塩化ビニルのシートやフイルムには、ほとんどの場合可塑剤が使用されるため、表面が非常に汚染され易い上、他の物質と接触したとき該物質を汚染することもあり、この改良が望まれている。
【0005】
この問題を解決する方策として、例えばポリ塩化ビニルフイルムの表面を可塑剤の移行を防ぐ合成樹脂組成物により処理する方法、ポリ塩化ビニルフイルムに汚染を防ぐ成分を配合する方法等種々提案されている。しかし、これらはポリ塩化ビニルフイルムの柔軟性を損なう、あるいは汚染防止効果が十分でない、経済的でない等の欠点を有する。
【0006】
例えば、ポリアクリル酸エステル溶液による表面処理は、グラビアコーティングやドクターコーティング等手軽な方法で行うことができるという長所はあるが、可塑剤の移行を完全に止めることはできない。また、アクリロニトリル系共重合体フイルム(特開昭59―20663号)やエチレン・ビニルアルコール共重合体フイルム(特公平4―71709号)等をポリ塩化ビニル基材に積層する方法は、可塑剤の移行に起因する汚染性は防止できるが、耐汚染性(マジックインキや靴墨等油性の汚れの付着し難さ、及び付着した汚れの取り除き易さ)が十分ではない。特にエチレン・ビニルアルコール共重合体フイルムは末端基に―OHを持っているため、水性ペンによって汚染されやすい。
【0007】
さらに、活性エネルギー線硬化型塗膜を付設したアクリル樹脂系フイルムを積層する方法(特公平5―3381号)は、可塑剤の移行を防止でき、油性の汚れに対しても良好な耐性を持たせることができるが、該硬化型塗膜の成形加工性が低いため、積層体にエンボス加工等によって凹凸模様を形成したとき該塗膜にひびが入ったりし、均一な塗膜を維持することが困難である。また、可塑剤の移行防止を完全にするためには厚めの塗布が必要であり、このため風合いを難くするのみならず、コストアップにもなる。
【0008】
ところで、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある)フイルムは、耐汚染性、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れる特性を有し、可塑剤の移行防止ばかりでなく、水性、油性を問わず、汚れに対しても良好な耐性を持っている。しかし、このポリエステルフイルムをポリ塩化ビニル基材の表面に積層した積層体はエンボス加工時の絞り度が悪いという欠点を有する。
【0009】
また、壁紙などの室内装飾品においては、高光沢のものよりも艶消しされたものが好まれることが多く、塩ビ壁紙においても艶消しを行うのが一般的である。
【0010】
フイルムの艶を消す方法として、サンドブラスト法、化学薬品による表面処理法などが知られているが、これらの方法はコスト高という欠点を有している。またその他の方法として、例えば、高光沢であるエチレン・ビニルアルコール共重合体フイルムを艶消しにするため、樹脂をブレンドする方法(特公平4―71709号)が知られている。しかしながら、この方法では、該フイルムをポリ塩化ビニル基材に積層する際の温度コントロールが厳密に要求され、5℃程度の過剰な温度がかかった場合艶消しの効果がなくなる傾向にあり、生産管理が難しいという欠点を有している。そこで、塩ビ壁紙では、加熱エンボス加工による艶消し法が使用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリ塩化ビニルを基材としながら、表面は可塑剤の滲みだしがなく、マジックインキや靴墨等の油性及び、水性の汚れに汚染されないというポリエステルの優れた特性を生かしつつエンボス加工時の絞り度が良く、艶消しという特徴を持ったポリエステルフイルムからなる、特に壁紙として有用な積層体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記ポリ塩化ビニル基材の欠点を解消し、特に壁紙として使用した時に耐汚染性に優れた積層体を開発すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明は、(A)ポリ塩化ビニル基材及び(B)該基材の少なくとも片面に積層された、融点が180〜245℃のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステル(I)99〜10重量%と融点が160〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)1〜90重量%のポリエステル組成物からなり、フイルムの厚みが5〜25μm、全ヘーズが60%以上、かつ成形加工温度での20%伸度の荷重値が0.20〜0.05kgfの範囲にある艶消しポリエステルフイルムからなる積層体である。
【0014】
本発明における共重合ポリエステル(I)は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステルであり、共重合成分は酸成分でもアルコール成分でも良い。この共重合酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族二塩基酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、また共重合アルコール成分としては1,4―ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンヂルグリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
【0015】
共重合の割合は、その種類にもよるが、結果としてポリマー融点が180〜245℃、好ましくは210〜245℃、更に好ましくは215〜245℃、特に好ましくは220〜235℃の範囲になる割合である。ポリマー融点が180℃未満では耐熱性が劣るため、エンボス加工時等における加熱に耐えられない。一方、ポリマー融点が245℃を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎて成形加工性が損なわれる。
【0016】
また、本発明におけるポリエステル(II)は、ブチレンテレフタレーを主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、ホモポリマーでもコポリマーでも良い。コポリマーでの共重合成分は酸成分でもアルコール成分でもよい。この共重合酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸等が例示でき、また共重合アルコール成分としてはエチレングリコール、1,6―ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジオール等が例示できる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
【0017】
共重合成分の割合は、その種類にもよるが、結果としてポリマー融点が160〜223℃、好ましくは170〜223℃、更に好ましくは180〜223℃の範囲になる割合である。ポリマー融点が160℃未満では耐熱性が劣るため、エンボス加工時等における加熱に耐えられない。なお、ポリブチレンテレフタレートホモポリマーの融点は223℃である。
【0018】
ここで、ポリエステルの融点測定は、Du Pont Instruments 910DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法による。なお、サンプル量は約20mgとする。
【0019】
本発明において、ポリエステル組成物は前記の共重合ポリエステル(I)とポリエステル(II)からなるが、これらの配合割合(重量%)は99〜10:1〜90であり、好ましくは80〜10:20〜90である。共重合ポリエステル(I)の割合が99重量%を超え、ポリエステル(II)の割合が1重量%未満であると、成形加工性が十分でなく、一方共重合ポリエステル(I)の割合が10重量%未満で、ポリエステル(II)の割合が90重量%を超えると、耐熱性、平面性が十分でなく、好ましくない。
【0020】
本発明におけるポリエステル組成物は、フイルムに艶消しの性質を持たせるため、平均粒径が0.2〜4.0μmの不活性粒子を0.5〜5.0重量%含有していることが好ましい。平均粒径が0.2μmより小さい粒子を添加含有させても艶消しの効果は現れ難く、一方多量に添加含有させると隠蔽性が強すぎて、ポリ塩化ビニル基材に印刷させた印刷模様が鮮明に現れなくなり、意匠性に欠けた壁紙となってしまう。また、平均粒径が4.0μmより大きい不活性粒子を添加含有させると、フイルム製膜時に穴あきなどによる破断等が起こり、製膜性が悪くなる。
【0021】
不活性粒子は1種でも、2種あるいはそれ以上の異なる粒子を混ぜても良いが、後者の場合もトータル量としては0.5〜5.0重量%の範囲であることが好ましい。この場合、平均粒径の大きなものを添加した方がフイルムの表面が粗れ、艶消し効果が現れやすいので好ましい。
【0022】
また、不活性粒子の量が0.5重量%未満のときには、艶消しフイルムとならず、目的のフイルムを得ることが出来ず、一方5.0重量%を超えるときには、フイルム中の不活性粒子の量が多いために製膜中に穴あきなどによる破断が起こり易くなり、製膜性が悪くなる。
【0023】
この不活性粒子としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウム等の如き無機粒子及び架橋ポリスチレンの如き耐熱性高分子からなる有機粒子が挙げられる。これらの中、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウム、及び架橋ポリスチレン粒子が好ましい。
【0024】
本発明におけるポリエステルフイルムは、厚みが5〜25μmであり、好ましくは6〜25μmである。この厚みが、5μm未満ではエンボス加工時に破れ等が生じやすくなり、一方25μmを超えると、エンボス加工時の成形加工性が悪くなるばかりでなく経済的でない。
【0025】
また、本発明におけるポリエステルフイルムは、成形加工温度、例えば150℃での20%伸度の荷重値が0.20〜0.005kgf、好ましくは0.18〜0.01kgfの範囲にある必要がある。成形加工温度での20%伸度の荷重値が0.20kgfより大きいと、例えばエンボス加工性が悪くなり、エンボス模様を美しくつけることが出来ない。逆に0.005kgf未満であると、フイルムが溶融状態に近くなっているため、加工機を汚す恐れがある。成形加工温度として、エンボス加工では通常150℃の温度を採用しているが、これはエンボス加工の現設備のほとんどがこの温度条件であるためである。例えば、200℃での加工がなされる時には、200℃の加熱時での20%伸度の荷重値が上記範囲にあればよい。
【0026】
ここで、成形加工温度は、フイルム特性にもよるが、100〜200℃、更には130〜170℃、特に140〜160℃の範囲にあることが好ましい。また、成形加工温度での20%伸度の荷重値は、フイルムを試料幅10mm、長さ150mmに切り、チャック間100mmにして所定温度で引張速度100mm/分、チャート速度100mm/分にインストロンタイプの万能引張試験機にて引張る。得られた荷重―伸び曲線の20%引張り時の応力を求める。
【0027】
また、本発明におけるポリエステルフイルムは、全ヘーズが60%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上の艶を消したフイルムである。これは、壁紙などの室内装飾品においては、高光沢のものよりも艶消しされたものが好まれることが多く、全ヘーズが60%未満だと、艶消しの効果が現れず、艶のあるフイルムとなる。
【0028】
ここで、フイルムの全ヘーズは、JIS―K7105に基づき測定し、下記式により求めた。
【0029】
【数1】
全ヘーズ(%)=(Td/Tt)×100
ここで、Td:拡散透過率(%)、Tt:全光線透過率(%)である。
【0030】
本発明における共重合ポリエステル(I)、ポリエステル(II)は、その製造方法によって限定されることはない。例えば、テレフタル酸、エチレングリコール及び共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステル(I)とする方法、あるいはジメチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステル(I)とする方法が好ましく用いられる。また、テレフタル酸、1,4―ブタンジオール及び所望による共重合成分をエスル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステル(II)とする方法、あるいはジメチルテレフタレート、1,4―ブタンジオール及び所望による共重合成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステル(II)とする方法が好ましく用いられる。これら(共重合)ポリエステルの製造においては、必要に応じ、他の添加剤例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等も添加することができる。かかる酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、硫黄原子含有エステル化合物等を、また紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サシレート系化合物等が挙げられる。
【0031】
また、ポリエステル組成物は、溶融混練法のような従来より知られている混合方法を用いて製造することができる。例えば、所定割合の共重合ポリエステル(I)とポリエステル(II)とを溶融押出機にて溶融混合することで製造することができる。
【0032】
また、本発明におけるポリエステルフイルムは、テンター法、インフレーション法等の従来より知られている製膜方法を用いて製造することができる。例えば、ポリエステル組成物をシート状に溶融し、急冷して未延伸フイルムをつくり、これをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フイルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステル組成物のガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。延伸倍率は、用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.0倍以下とするのが好ましい。更に好ましくは、2.8倍以上3.9倍以下である。延伸倍率を2.5倍未満とするとフイルムの厚み斑が悪くなり良好なフイルムが得られず、一方4.0倍超とすると製膜中に破断が発生し易くなり、問題がある。
【0033】
縦延伸フイルムは、続いて、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フイルムとするが、これら処理はフイルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステル組成物のガラス転移点(Tg)より20℃以上高い温度から始める。そしてポリエステル組成物の融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。この延伸開始温度は(Tg+40)℃以下であることが好ましい。また延伸最高温度はTmより(100〜40)℃低い温度であることが好ましい。
【0034】
横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよい。通常逐次的に昇温する。例えばステンターの横延伸ゾーンをフイルム走行方向に沿って複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸開始温度が低すぎとるフイルムの破れが起こり、好ましくない。また延伸最高温度が(Tm−120)℃より低いとフイルムの熱収が大きくなり、また幅方向の物性の均一性が低下し、好ましくない。一方延伸最高温度が(Tm−30)℃より高いとフイルムが柔らかくなり、外乱等によってフイルムの破れが起こり、好ましくない。
【0035】
横延伸の倍率は、用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.0倍以下とするのが好ましい。更に好ましくは、2.8倍以上3.9倍以下である。延伸温度を2.5倍未満とすると、フイルムの厚み斑が悪くなり、良好なフイルムが得られず、一方4.0倍超とすると、製膜中に破断が発生しやすくなり、問題がある。
【0036】
本発明におけるポリ塩化ビニルとしては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルとこれと共重合し得る他のモノマー(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等)との共重合体等を挙げることができる。そして、ポリ塩化ビニル基材は厚みが好ましくは50〜800μmのもの、更に好ましくは100〜500μmのもので、例えばポリ塩化ビニル壁紙、ポリ塩化ビニルレザー、ポリ塩化ビニルデスクマット、ポリ塩化ビニルクリアーケースなどに用いられるものである。
【0037】
艶消しポリエステルフイルムとポリ塩化ビニル基材の積層は、接着剤を用いて行なうのが好ましい。この接着剤としては、種々の接着剤を用いることができ、例えばポリウレタン系、フェノール系、フラン系、尿素系、メラミン系、ポリエステル系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂、酢酸ビニル、エチレン―酢酸ビニル共重合体、及びその部分加水分解物、エチレン―アクリル酸共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、ブタジエン―アクリロニトリルゴム、ネオプレン、その他のゴム誘導体、その他ニカワ、カゼイン、天然樹脂、アラビアゴム等の1種又は2種以上を主成分とする接着剤を用いることができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定または評価した。
【0039】
(1)絞り度
エンボスの付いたシリコン板とゴム板の間に積層体を挟み込み、150℃、押圧20kgf/cm2 、プレス時間90秒で積層体にエンボス加工をしたときに、シリコン板のエンボスが、積層体にどの程度加工できているのか観察し、下記基準で評価する。
○;エンボスが積層体にほぼ完全に加工できている。
△;エンボスが積層体にやや加工できている。
×;エンボスが積層体にほとんど加工できていない。
【0040】
(2)耐汚染性
エンボスの付いたシリコン板とゴム板の間に積層体を挟み込み、150℃、押圧20kgf/cm2 、プレス時間90秒で積層体にエンボス加工した積層体の表面にマジックインキ及び靴墨で汚染した後、室温にて168時間放置後、中性洗剤及びエタノールで除去し、下記基準で評価する。
○;汚染物を完全に除去できる。
△;汚染物を少し除去できる。
×;汚染物を全く除去できない。
【0041】
(3)マット感
エンボスの付いたシリコン板とゴム板の間に積層体を挟み込み、押圧20kgf/cm2 、プレス時間90秒で一定とし、加工温度を150℃及び160℃の2条件でエンボス加工をし、それぞれの積層体の表面の艶消しの程度を観察し、下記基準で評価する。
○;フイルム表面に光沢が見られず艶消しである。
△;フイルム表面に光沢がやや見られ、少し艶が見られる。
×;フイルム表面に光沢が見られ、艶がある。
【0042】
[実施例1〜4及び比較例1〜4]
共重合ポリエステル(I)としてイソフタル酸を表1に示す割合共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、ポリエステル(II)としてポリブチレンテレフタレート又はイソフタル酸を表1に示す割合共重合した共重合ポリブチレンテレフタレートを用い、そして艶消し剤として平均粒径3.5μmの二酸化ケイ素を用いた。
【0043】
共重合ポリエステル(I)、ポリエステル(II)及び艶消し剤を表1に示す割合で押出機にて溶融混合し、フラットダイからフイルム状に押出し、急冷固化して未延伸フイルム得た。
【0044】
ついで、この未延伸フイルムを表1に示す条件で縦延伸し、横延伸し、続いて熱固定処理した後、横方向に4.5%弛緩して、二軸配向ポリエステルフイルムを得た。
【0045】
これら二軸配向ポリエステルフイルムにポリエステル系接着剤をコートし、さらにジ2―エチルヘキシルフタレートを30%含有する発泡塩ビ壁紙(発泡率5倍;厚み200μm)と貼り合わせて積層体とした。この積層体には、さらに、エンボス加工を施した。
【0046】
二軸配向ポリエステルフイルム及び積層体の特性を表2に示す。
【0047】
実施例1〜4で得られた積層体はいずれも絞り度、耐汚染性及びマット感に優れたものであった。比較例1はポリエステルフイルムの厚みが薄いため、フイルム破断が起こりエンボス加工ができなかった。比較例2はポリエステルフイルムの厚みが厚いため、耐汚染性は優れていたが、絞り度は悪かった。比較例3はポリエステルフイルムの延伸倍率が高いため、150℃での20%伸度の荷重値が高く、絞り度が悪かった。また、比較例4は、艶消し剤の添加量が少ないため、光沢があり、艶消しにならなかった。
【0048】
[比較例5]
ポリエステルフイルムとしてフイルム厚み12μmの二軸配向ポリエチレチンテレフタレートフイルムを用いる以外は、実施例1と同じ加工を行なって積層体を得た。
【0049】
二軸配向ポリエステルフイルム及び積層体の特性を表2に示す。この積層体は、耐汚染性は優れていたが、絞り度は悪かった。
【0050】
[比較例6]
市販のポリ塩化ビニル基材からなる壁紙を用いてエンボス加工を施した。絞り度は良いが、耐汚染性に劣るものであった。
【0051】
【表1】
Figure 0003645640
【0052】
【表2】
Figure 0003645640
【0053】
表2の結果から実施例のフイルムが絞り度、耐汚染性に対して優れておりかつ全ヘーズが高く艶消しであることがわかる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のポリエステルフイルムをポリ塩化ビニル基材に積層してなる積層体は、絞り加工性、耐汚染性に優れており、マット感のある壁紙として極めて有用である。

Claims (4)

  1. (A)ポリ塩化ビニル基材及び(B)該基材の少なくとも片面に積層された、融点が180〜245℃のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステル(I)99〜10重量%と融点が160〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)1〜90重量%のポリエステル組成物からなり、フイルムの厚みが5〜25μm、全ヘーズが60%以上、かつ成形加工温度での20%伸度の荷重値が0.20〜0.05kgfの範囲にある艶消しポリエステルフイルムからなる積層体。
  2. ポリエステルフイルム(B)が平均粒径0.2〜4.0μmの不活性粒子を0.5〜5.0重量%含有している請求項1に記載の積層体。
  3. 不活性粒子が二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム及び架橋ポリスチレン粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の積層体。
  4. 請求項1に記載の積層体からなる壁紙。
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